JPH085507A - 光軸調整方法及びその装置 - Google Patents

光軸調整方法及びその装置

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JPH085507A
JPH085507A JP13417994A JP13417994A JPH085507A JP H085507 A JPH085507 A JP H085507A JP 13417994 A JP13417994 A JP 13417994A JP 13417994 A JP13417994 A JP 13417994A JP H085507 A JPH085507 A JP H085507A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数接続部の光軸調整の並列化が可能であ
り、しかも伝送光強度分布の形状に応じてアルゴリズム
を追加・変更する必要がなく、更には外乱の存在に強い
光軸調整方法及びその装置を提供する。 【構成】 光ファイバ11と光ファイバ12の両端面を
10μm程度に近接して接続部を構成し、その接続部を
通る半導体レーザ光源13からの伝送光の強度を光パワ
ーメータ14によって測定し、その伝送光強度が最大に
なるように光ファイバ11を固定した光ファイバ12に
対して位置決めする。この位置決めを行なうには、本発
明の光軸調整方法に従って光ファイバ11を微動ステー
ジ16を用いてx,yの2軸方向、或いはx,y,β
(βはx軸回りの回転軸)の3軸方向に移動し、伝送光
強度が最大になるような光ファイバ11と光ファイバ1
2の接続部相互の最適位置を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の光部品相互の接
続、例えば光ファイバと平板型光導波路との接続、光フ
ァイバアレイと平板型光導波路アレイとの接続、半導体
レーザモジュールにおける半導体レーザとレンズ、レン
ズと光ファイバとの接続、フリースペース光学系におけ
る2次元レンズアレイと2次元光ファイバアレイとの接
続などにおける光軸調整方法及びその装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、光通信,光計測等に用いられる
装置またはシステムの光伝送路では、光ファイバ、平板
型光導波路、半導体レーザ等の光部品が数多く接続され
る。このため、光部品相互の接続部における光軸調整の
高速化・高精度化が重要課題となっている。
【0003】光ファイバ同士の接続では、機械的嵌合に
よって光軸調整を行なうコネクタが主として用いられる
が、これ以外の接続部品の組合わせ、例えば光ファイバ
と平板型光導波路との接続、半導体レーザモジュールに
おける半導体レーザとレンズ及びレンズと光ファイバと
の接続等では加工上の制約等からコネクタ等の嵌合部品
の使用が困難であるため、微動ステージ等の位置決め装
置を用いて接続部品相互の光軸調整が行われる。調整す
る光軸の自由度は、例えば図13に示すように1本の光
ファイバ1を平板型光導波路2に接続するような単心接
続の場合には、光軸の垂直方向に2自由度(x,y)、
その軸周りの回転方向に2自由度(α,β)、光軸方向
に1自由度(z)となり合計で5自由度となる。また、
図14に示すように光ファイバアレイ4と平板型光導波
路アレイ5との接続のように複数の光軸を一括で調整す
る多心接続の場合には光軸(z軸)周りの回転方向
(α)の自由度が1つ加わるため、光軸調整自由度は合
計で6となる。図15に示すように半導体レーザモジュ
ールの組立では、半導体レーザ6とレンズ7との接続部
及びレンズ7と光ファイバ8との接続部においてそれぞ
れ5自由度(合計で10自由度)の光軸調整が必要とな
る。
【0004】このような光軸調整では、光軸の自由度を
変数として接続部を通る伝送光の強度の最大値を与えら
れた探索アルゴリズムに従って求める。この探索アルゴ
リズムでは、探索方向と、その探索方向にどれだけ進め
ばよいかというステップ長さとを逐次求める方法が規定
される。従って、探索アルゴリズムの高速化の問題は、
光軸の現在位置をx0 ,探索方向をd,ステップ長さを
αとすると、
【数1】 という直線上でαとdを逐次求めて最適値を探索する方
法の効率化の問題に帰着される。
【0005】従来の代表的な最適値探索アルゴリズムと
しては、最急降下法、共約勾配法による直線探索法で
は、探索方向を計算し(最急降下法では現在位置での最
急勾配方向を探索方向とする)、その探索方向に沿った
異なる3点における評価関数値を比較すること(V型3
点探索法)によってその探索方向の最大(最小)値を求
める。これに対しニュートン法では、探索方向に沿った
ステップ長さの両方を計算し、次式に従って探索を実行
する。
【0006】
【数2】 ここで、fx(xk),fxx(xk) は評価関数f(xk) の一
次導関数及び二次導関数である。(2) 式の収束性は初期
値とfx(xk),fxx(xk) を計算するときのきざみ:Δ
xkの大きさに依存する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
最適値探索アルゴリズムを用いた光軸調整方法を、図1
3乃至図15に示したような多自由度の光軸調整方法に
適用すると、光軸調整時間や計算量が増加する問題が生
ずる。特に、図15の半導体レーザモジュールにおける
ように、半導体レーザ6、レンズ7、光ファイバ8の複
数部品の一つの光軸に沿って多段に直列に並べて接続す
る場合には、従来の光軸調整方法では複数接続箇所での
光軸調整の並列化は不可能であるため、全ての接続部で
の光軸調整を完了するのに必要な時間は各接続部での光
軸調整時間の積算となる。この場合、従来法において光
軸調整の並列化が不可能である理由は、最急降下法、共
約勾配法による直線探索法では定められた探索方向の異
なる3点での伝送光強度を比較することによって最大値
を求めるために、その伝送光強度の比較時に別の接続箇
所の直線探索が開始されて光軸が移動し伝送光強度が変
化してしまうと、両方の接続部において伝送光強度の比
較が正常に行なわれなくなるからである。ニュートン法
においても、同様の理由によって複数接続箇所での光軸
調整の並列化は不可能となり、従って、各接続部での光
軸調整を順次行なう必要があり、接続部の増加に伴って
光軸調整時間が増大するという問題が生ずる。
【0008】また、図13に示すように光ファイバ1を
平板型光導波路2に接続する場合には、光は平板型光導
波路2の導波路コア3から外側に少しはずれた位置にお
いても僅かに伝送するため、その伝送光の強度分布は図
16に示すように通常のガウス関数的な主ピーク9の他
にその脇にサテライト的な小さなピーク10を持ち、従
来の最急降下法、共約勾配法による直線探索法やニュー
トン法に従って主ピーク10を探索しようとすると、サ
テライトピーク9の強度を予め入力値とした探索アルゴ
リズムを基本アルゴリズムに付加しないとサテライトピ
ークを主ピークと誤って判断し、探索が途中で終了して
しまうという問題が生ずる。更に、そのサテライトピー
クを回避するためのアルゴリズムの実行は一般に煩雑と
なる。
【0009】また、図14に示すようにファイバアレイ
4と平板型光導波路アレイ5との接続において、全ての
光軸の伝送光強度を保証するために各光軸の伝送光強度
の和を評価関数とする。その評価関数の形状は図17に
示すように最適値付近で平坦になるため、このような接
続の光軸調整を従来の最急降下法、共約勾配法による直
線探索法やニュートン法によって実行すると収束性が悪
くなり、探索時間が増大するという問題が生ずる。
【0010】更に、光軸調整時に外部からの機械的な雑
音振動等によって光軸ずれが生じ、これにより伝送光強
度が大きく変動するような場合では、従来の最急降下
法、共約勾配法による直線探索法では探索方向の異なる
3点間の伝送光強度の比較が正常に行なわれなくなるの
で、定められた探索方向の最大値を求められなくなると
いう問題が生ずる。ニュートン法においても外乱に伴う
伝送光強度の大きな変動によって(2) 式が発散するとい
う問題が生ずる。
【0011】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、多軸・多自由度の光
軸調整を高速かつ並列に実行することができ、しかも伝
送光強度分布の形状に応じてアルゴリズムを追加・変更
する必要がなく、更には外乱の存在に強い光軸調整方法
を提供することにある。また、他の目的とするところ
は、複数接続部の光軸調整を並列化することによって光
軸調整時間の短縮を図り得る光軸調整方法を提供するこ
とにある。また、他の目的とするところは、このような
方法による光軸調整の実現を可能とする光軸調整装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項1では、光伝送路の各種光部品相互
の接続部を伝送光が通過する際、その接続部の光軸のず
れによって生ずる伝送光損失を最小とするように、接続
部を通過する伝送光の強度が最大となる光部品相互の光
軸位置を求める光軸調整方法において、前記接続部を通
過する伝送光の強度を評価関数値として該評価関数値の
変化をn個の変数で指定される力学系の運動として表現
し、該力学系の運動の性質を用いてその評価関数の最大
値を探索する力学系の自律的運動を生成することにより
光部品相互の光軸の最適位置を求めている。
【0013】また、請求項2では、請求項1記載の光軸
調整方法において、複数の接続部の光軸調整を並列に処
理している。
【0014】また、請求項3では、光伝送路の各種光部
品の光軸を位置決めする少なくとも1台の微動ステージ
からなる駆動機構と、光伝送路の入力端に接続された光
源と、光伝送路の出力端に接続された光パワーメータ
と、光パワーメータの出力結果をもとに前記駆動機構の
動作を制御し、所定の演算処理プログラムに基づいて光
部品相互の光軸の最適位置を決定する制御手段とを備え
た光軸調整装置を構成している。
【0015】
【作用】請求項1の光軸調整方法によれば、接続部を通
過する伝送光の強度を評価関数値として該評価関数値の
変化をn個の変数で指定される力学系の運動として表現
し、該力学系の運動の性質を用いてその評価関数の最大
値を探索する力学系の自律的運動を生成することにより
光部品相互の光軸の最適位置が求められることから、多
軸・多自由度の光軸調整を高速かつ並列に実行すること
が可能となる。
【0016】また、請求項2の光軸調整装置によれば、
請求項1の作用に加え、複数接続部の光軸調整が並列化
されることから、光軸調整時間の短縮が図られる。
【0017】また、請求項3の光軸調整装置によれば、
請求項1または2の作用を有する装置を実現することが
できる。
【0018】
【実施例】図1乃至図4は本発明の第1の実施例を示す
もので、以下、図面に基づいて本発明の光軸調整方法に
ついて説明する。
【0019】図1には本発明の光軸調整方法を実施する
ために構成した光軸調整装置を示す。この光軸調整装置
は、例えば2本のシングルモード光ファイバ11,12
(波長:1.55μm用)を光軸調整の対象とし、その
構成は、半導体レーザ光源13(波長:1.55μm)
と、伝送光強度を測定する光パワーメータ14と、計2
台の6軸微動ステージ(位置決め分解能:0.1μm)
15,16と、制御手段をなす電子計算機17とからな
る。電子計算機17には本発明の光軸調整方法の最適値
探索アルゴリズムを元に設計・製作した光軸調整用プロ
グラムが記憶装置18に内蔵されている。
【0020】ここで、光軸調整用プログラムの基礎式を
以下に示す。評価関数をV(q1 ,q2 ,…,qn )と
表す(以後、簡単にV[qi ]と書く)。qi は評価関
数を指定する変数である。評価関数値の変化を力学系に
おける粒子の運動として表現するために、qi を粒子の
位置座標、pi を粒子の運動量として力学系のハミルト
ン関数を
【数3】 と設定する。ここで、gi(t)=−λdqi/dtである。λ
は力学系の全エネルギーを調節するパラメータであり、
λ≠0のとき力学系の全エネルギーは減少する。aijは
評価関数を最小にするような粒子の自律的運動を生成す
るための行列である。aijの非対角成分≠0のとき、そ
のような粒子の自律的運動が作られる。この自律的運動
は方程式
【数4】 を解くことによって得られる。(4) ,(5) 式から、
【数5】 ここで、ai は粒子の加速度である。(6) 式を光軸調整
の問題に適用するには、運動する粒子の位置座標qi を
ある自由度で位置決めできる光軸の位置座標に対応さ
せ、評価関数V[qi ]を伝送光強度I[qi ]に負号
をつけてV[qi ]=−I[qi ]とする。このように
して(6) 式をaijの非対角成分≠0として解けば、V
[qi ]を最小にするような粒子位置qi の時間発展が
計算され、これに対応して伝送光強度I[qi ]を最大
にするような光軸位置の時間発展が計算される。このと
き、λ≠0とすると粒子の運動エネルギが減少するた
め、粒子の運動を評価関数が最大となる位置で停止させ
ることができ、その結果、粒子の位置座標で指定される
光軸を伝送光強度が最大となる最適位置に位置決めする
ことが可能になる。
【0021】(6) 式の時間発展を求める方法として以下
のVelet アルゴリズムを用いる。
【数6】 ここで、
【数7】 と定義した。
【0022】この光軸調整装置では、光ファイバ11と
光ファイバ12の両端面を10μm程度に近接して接続
部を構成し、その接続部を通る半導体レーザ光源13か
らの伝送光の強度を光パワーメータ14によって測定
し、その伝送光強度が最大になるように光ファイバ11
を固定した光ファイバ12に対して位置決めする。この
位置決めを行なうには、本発明の光軸調整方法に従って
光ファイバ11を微動ステージ16を用いてx,yの2
軸方向、或いはx,y,β(βはx軸回りの回転軸)の
3軸方向に移動し、伝送光強度が最大になるような光フ
ァイバ11と光ファイバ12の接続部相互の最適位置を
求める。
【0023】最適値探索の演算処理を行なう電子計算機
17に内蔵されたプログラム18のフローチャートを図
2に示す。ここでは、x,yの2軸方向に光ファイバ1
1を移動して光軸調整を行なう場合を例として示す。こ
の場合、x,y,βの3軸方向の光軸調整も同様の手順
で行なうことができる。
【0024】1.微動ステージ16および光パワーメー
タ13と電子計算機17との信号送受信を実行するため
の設定準備を行なう(S1)。
【0025】2.光軸の現在位置(xi(t),yi(t))、例
えば、i=1における伝送光強度P(xi(t),yi(t))を
求める(S2)。
【0026】3.光ファイバ11を(xi(t),yi(t))か
らx軸に沿ってΔxi(t)だけ移動する(S3)。
【0027】4.移動後の(xi(t)+Δx(t),y(t)) に
おける伝送光強度P(xi(t)+Δxi(t),yi(t))を求め
る(S4)。
【0028】5.光ファイバ11を(xi(t),yi(y))に
戻す(S5)。
【0029】6.y軸方向に対しても同様に、光ファイ
バ11を(xi(t),yi(t)) からΔyi(t)だけ移動する
(S6)。
【0030】7.移動後の(xi(t),yi(t)+Δyi(t))
における伝送光強度P(xi(t),yi(t)+Δyi(t))だけ
を求める(S7)。
【0031】8.光ファイバ11を(xi(t),yi(t))に
戻す(S8)。
【0032】9.x,y方向の微小変位Δx,Δyに対
する伝送光強度の変化率((6) 式のfi )を
【数8】 によって求める(S9)。
【0033】10.(10),(11) 式で求めたfixとfiy
(6) 式に代入し、(7) ,(9) 式に従って伝送光強度が大
きくなるような次ステップの光軸位置(xi(t+Δt),yi
(t+Δt)) を求める(S10)。
【0034】11.その光軸位置(xi(t)+Δt),(yi
(t+Δt))に光ファイバ11を移動する(S11)。
【0035】12.(xi(t)+Δt),y(t+Δt))を(xi
(t),y(t)) とし、前記手順2から11を繰り返し、伝
送光強度が最大値に達するまで探索を実行する(S1
2,S13)。
【0036】以上のようにして、光ファイバ11をx,
yの2軸方向、及びx,y,βの3軸方向に移動して接
続実験を行った結果を図3に示す。図3からわかるよう
に、最大の伝送光強度の1/5程度の伝送光強度を初期
値として探索を実行したところ、20回程度の探索によ
って伝送光強度は最大値に達する。このように、本発明
の光軸調整方法によって最適値探索を正常に行なえるこ
とが示された。従来の光軸調整方法を用いて、例えば
x,y,βの3軸の調整自由度の接続を行なう場合には
2〜3分程度の光軸調整時間が必要であったが、このよ
うな多自由度の光軸調整に本発明の光軸調整方法を用い
ればその光軸調整時間は20〜30秒程度に短縮される
ことが本実施例によって示された探索回数から推定され
る。
【0037】図4では、機械的振動による外乱を接続部
に与えたときに本発明の光軸調整方法による探索が安定
に実行されるか否かを調べている。図4の探索開始時の
A点で故意に微動ステージに手を触れると、手を触れた
ことにより伝送光強度は大幅に減少するが、探索はその
後も正常に実行され、外乱を与えた後10回程度の探索
で伝送光強度は最大値に復帰する。
【0038】図5及び図6は本発明の第2の実施例を示
すもので、図15に示す半導体レーザモジュールのよう
な、一つの光軸に沿って複数の接続部の光軸調整を行な
う必要のある光学系に本発明の光軸調整方法を適用し、
個々の接続部の光軸調整を並列に実行するようにしたも
のである。図5に示す光軸調整装置は複数接続部の並列
光軸調整を行うために構成したものであり、光ファイバ
11と光ファイバ12との間にもう一つの光ファイバ1
9を固定台20に取付けて配置することにより、光ファ
イバ11と光ファイバ19との接続部21と、光ファイ
バ19と光ファイバ12との接続部22を構成してい
る。従来の光軸調整方法では、接続部21での光軸調整
と接続部22での光軸調整とを並列に実行することは不
可能であるが、本発明ではその並列処理が可能となる。
本実施例では第1の実施例に示した光軸調整手順の中で
比較的時間を要する工程を二箇所の接続部において並列
に実行することにより、全体の光軸調整時間の短縮化を
図る。そのような時間を用する工程は第1の実施例で示
した手順3から手順9である。
【0039】即ち、現在位置(xi(t),yi(t))からx,
y方向にΔxi(t),Δyi(t)だけ移動して(xi(t)+Δ
xi(t),yi(t))及び(xi(t),yi(t)+Δyi(t))にお
ける伝送光強度を求める工程を接続部21と接続部22
での光軸調整において並列に実行する。このような並列
処理を実行するには、上述した手順3から9の処理に関
するプログラムを2つ作り、それぞれのプログラムを微
動ステージ15と微動ステージ16に割当て、その2つ
のプログラムを並列に実行する。
【0040】図6は、以上のようにして接続部21と接
続部22における光軸調整を並列に実行した結果を示
す。図3に示した一箇所の接続部での光軸調整に要した
探索回数と同程度探索回数によって光軸調整を実行でき
ることが示されている。
【0041】図7及び図8は本発明の第3の実施例を示
すもので、伝送光の強度分布I(xi ,yi )が通常の
ガウス関数的な主ピークの他に、その脇にサテライト的
な小さなピークを持つような光部品の接続(例えば、図
16)に本発明の光軸調整方法を適用した例を計算によ
って示したものである。図7は計算に用いる評価関数V
(xi ,yi)=−I(xi ,yi)で、
【数9】 とした。ここで、
【数10】 である。図7の評価関数は、ガウス関数の主ピークの周
囲に外輪山のような小さなピークを持つ。この計算では
n=10本の光ファイバと10本の光導波路との10箇
所の接続部において、10本の光ファイバをそれぞれ独
立にx,yの2軸方向に移動し、個々の光軸調整を並列
に実行する。具体的には、個々の接続部において(12)式
の評価関数を最小(伝送光強度を最大)にするように個
々の光軸調整をx,y軸方向の2自由度に対して並列に
行なう。この場合、最適値探索の収束性の制御パラメー
タは(6) 式のaijとλである。適当なaijとλの値を設
定して計算した結果を図8に示す。図8はn=10本の
光ファイバの中である1本の光ファイバの初期位置から
最適位置に至る探索経路を示す。図8中、A点が探索の
初期位置、B点が伝送光強度が最大となる最適位置であ
る。この計算結果から、本発明の光軸調整方法によれば
光ファイバは途中のサテライトピークを回避して伝送光
強度が最大となる最適位置に位置決めされることがわか
る。
【0042】図9乃至図11は本発明の第4の実施例を
示すもので、図14に示したような光ファイバアレイ4
と平板型光導波路アレイ5との接続に本発明の光軸調整
方法を適用した例を計算によって示したものである。こ
のようなアレイ同士の接続は実用上よく行なわれる。本
実施例では、接続アレイ両端の光軸を通る伝送光強度を
両方ともに可能な限り大きくするように光ファイバアレ
イ4を図中のx,y,α軸方向に移動し、光導波路アレ
イ5に対して位置決めする。このように両端の光軸を通
る伝送光の強度を最適化してアレイの全光軸の伝送光強
度を保証しようとする光軸調整方法も実用上よく行なわ
れる。本実施例では、図9に示すような2つの異なる位
置に同じ大きさの極小値を持つ関数:
【数11】 を評価関数とし、その評価関数値の変化を表現する力学
系として、図10に示すような粒子間距離が固定された
2つの粒子を考え、x,y,α軸方向の3自由度に対す
る粒子運動の時間発展を計算することにより最適値探索
を実行する。この場合、図9の評価関数の2つの極小位
置は、光導波路アレイ5の両端の光軸位置に、その極小
位置は両端の光軸を通る伝送光の強度に符号を付したも
のに対応し、図10の2粒子間の距離は光ファイバアレ
イ4の両端の光軸間距離に対応する。実際に製作される
部品では、製作誤差により接続するそれぞれのアレイの
両端の光軸距離は部品ごとに異なる。このため、アレイ
の両端の光軸間距離が異なるアレイ同士を接続すると、
光ファイバアレイ4はα軸方向に少し傾いた位置に位置
決めされる。そこで、本実施例では光ファイバアレイの
両端の光軸間距離が導波路アレイの両端の光軸間距離と
少し異なるようにして計算を行ない、そのような場合で
も最適光軸位置の探索が効率的に行なえるか否かを調べ
た。具体的には、光ファイバアレイの両端の光軸間距離
を2.0としたのに対し、光導波路アレイの両端の光軸
間距離を2.002とした。図11は光軸位置を指定す
るx,y,α座標の中でα座標の探索結果を示す。同図
ではα座標の振動は次第に減衰し、30回程度の探索で
光軸は最適位置に位置決めされる。従来の光軸調整方法
を用いて、このようなx,y,αの3軸の調整自由度の
接続を行なう場合には5分程度の光軸調整時間が必要で
あったが、そのような多自由度の光軸調整に本発明の光
軸調整方法を用いれば、その光軸調整時間は30秒程度
に短縮されることが本実施例の探索回数から推定され
る。尚、本実施例では両端の光軸を通る伝送光強度を評
価関数としたが、アレイの全光軸を通る伝送光の強度を
評価関数としても、全く同様にアレイ同士の光軸調整を
実行することができる。
【0043】尚、本発明は前記実施例において述べた
が、光部品の種類、光軸調整自由度等は限定されるもの
ではなく、本発明は種々の光部品間の接続部における光
軸調整に適用することができ、それらの応用は本発明の
範囲から除外されるものではない。例えば、本発明を物
体の変位測定に用いる光てこ方式の光学系における半導
体レーザ、鏡、フォトダイオード間の光軸調整や図12
に示すフリースペース光学系における2次元ファイバア
レイ24と2次元レンズアレイ25との光軸調整等にも
適用することが可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の光軸調
整方法によれば、多軸・多自由度の光軸調整を高速かつ
並列に実行することができるので、本発明を光ファイバ
アレイと平板型光導波路アレイとの接続、半導体レーザ
モジュールにおける半導体レーザとレンズとの接続、レ
ンズと光ファイバとの接続等に用いた場合、複数接続部
の光軸調整の並列化が可能であり、しかも伝送光強度分
布の形状に応じてアルゴリズムを追加・変更する必要が
なく、更には外乱の存在に強いという格別の効果を得る
ことができる。
【0045】また、請求項2の光軸調整装置によれば、
請求項1の効果に加え、複数接続部の光軸調整を並列化
することにより、光軸調整時間の短縮を図ることができ
るので、光軸調整の効率を格段に向上させることができ
る。
【0046】また、請求項3の光軸調整装置によれば、
請求項1及び2の効果を達成する装置を実現することが
できるので、実用化に際して極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例を示す光ファイバと平板型導波路の接続
模式図
【図2】従来例を示す光ファイバアレイと平板型導波路
アレイとの接続模式図
【図3】従来例を示す半導体レーザモジュールにおける
半導体レンズと光ファイバとの接続模式図
【図4】主ピークの脇にサテライトピークを持つような
伝送光強度分布図
【図5】光ファイバアレイと平板型導波路アレイとの接
続におけるような伝送光強度分布図
【図6】本発明の第1の実施例を示す光軸調整装置の概
略構成図
【図7】第1の実施例における光軸調整用プログラムの
フローチャート
【図8】第1の実施例における最適光軸位置の探索結果
を示す図
【図9】第1の実施例における外乱を与えた場合の最適
光軸位置の探索結果を示す図
【図10】本発明の第2の実施例を示す光軸調整装置の
概略構成図
【図11】第2の実施例における2箇所の接続部におけ
る並列光軸調整の探索結果を示す図
【図12】本発明の第3の実施例における評価関数を示
す図
【図13】第3の実施例における最適光軸位置の探索結
果を示す図
【図14】本発明の第4の実施例における評価関数を示
す図
【図15】第4の実施例における計算モデルを示す図
【図16】第4の実施例における最適光軸位置の探索結
果を示す図
【図17】フリースペース光学系における2次元ファイ
バアレイと2次元レンズアレイとの接続模式図
【符号の説明】
11,12…光ファイバ、13…半導体レーザ光源、1
4…光パワーメータ、15,16…微動ステージ、17
…電子計算機、19…光ファイバ、21、22…接続
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水上 雅人 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 新上 和正 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール光電波 通信研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光伝送路の各種光部品相互の接続部を伝
    送光が通過する際、その接続部の光軸のずれによって生
    ずる伝送光損失を最小とするように、接続部を通過する
    伝送光の強度が最大となる光部品相互の光軸位置を求め
    る光軸調整方法において、 前記接続部を通過する伝送光の強度を評価関数値として
    該評価関数値の変化をn個の変数で指定される力学系の
    運動として表現し、 該力学系の運動の性質を用いてその評価関数の最大値を
    探索する力学系の自律的運動を生成することにより光部
    品相互の光軸の最適位置を求めることを特徴とする光軸
    調整方法。
  2. 【請求項2】 複数の接続部の光軸調整を並列に処理す
    ることを特徴とする請求項1記載の光軸調整方法。
  3. 【請求項3】 光伝送路の各種光部品の光軸を位置決め
    する少なくとも1台の微動ステージからなる駆動機構
    と、 光伝送路の入力端に接続された光源と、 光伝送路の出力端に接続された光パワーメータと、 光パワーメータの出力結果をもとに前記駆動機構の動作
    を制御し、所定の演算処理プログラムに基づいて光部品
    相互の光軸の最適位置を決定する制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする光軸調整装置。
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