JPH085238Y2

JPH085238Y2 - タイルユニット構造

Info

Publication number: JPH085238Y2
Application number: JP1989042859U
Authority: JP
Inventors: 八紘寺澤
Original assignee: 八紘寺澤
Priority date: 1989-04-12
Filing date: 1989-04-12
Publication date: 1996-02-14
Anticipated expiration: 2004-04-12
Also published as: JPH02134136U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、壁板や敷板として前後左右方向に並んで敷
設されるタイルユニツト構造に関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする課題］従来、大理石等の板状自然石やタイル板等（以下タイ
ルという）を前後左右方向に並んで敷設する場合に、躯
体側に建付けた板材に支持体を固定し、この支持体にタ
イルをスライド組付けしてタイル貼りをするようなもの
が知られている。しかるにこのものは、タイル間の目地
を現場で形成しなければならず、仕上りにムラが生じた
りする問題がある許りでなく、相隣る前後のタイルが左
右方向にずれて左右の側面が一直線上に仕上げ難かつた
り手間が掛かるという問題があつた。さらに、床面自体
の下地が必ずしも平面になつているような場合には、隣
接タイル同志が凸凹状に敷設されて面一状にできないと
いう欠点が有り、これを避けるためには、極めて丁寧な
面一下地の施工が要求され作業性が阻害されていた。そ
こで現場で簡単にタイル敷設作業ができるようにするこ
とが要求されている。

［課題を解決するための手段］本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点を一掃
することができるタイルユニツト構造を提供することを
目的として創案されたものであつて、方形のタイル板材
と、平板状の裏板材と、さらに格子状に構成された基材
とを積層状に一体化してタイルユニツトを形成し、該タ
イルユニツトを前後方向に並べて敷設する構成とする
に、前記タイル板材と前記基材は前後各端縁がそれぞれ
一致し、前記裏板は、前端縁が前記タイル板材および基
材の前端縁より前方に突出し、後端縁がタイル材および
基材の後端縁より前方に没入するよう前方に偏倚させた
状態で積層すると共に、前記前方に突出する裏板前端部
には、前方が開口した凹溝状の切欠部が形成され、前記
前方に没入する裏板後端部には、後側タイルユニツトの
前記切欠部に嵌合する嵌合突出片が後方に向けて突出形
成されていることを特徴とするものである。

そして本考案は、この構成によつて、前後に相隣るタ
イルユニツトは互いの切欠部と嵌合突出片との嵌合によ
り自動的に各タイルユニツトの左右側面が直線上になつ
てタイルは整然と敷設されるようになり、施工能率を著
しく向上させるものである。また、床面に少しの凹凸が
ある場合に下地を厳格に平面にできないような時でも、
タイル敷設が能率良く簡単にできるようにしたものであ
る。

［実施例］次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
図面において、１は前後幅が同一な基材30、裏板材20及
びタイル板材10が順次積層状に重合されて組み込まれた
タイルユニツトであつて、前記基材30、裏板材20は地中
の水分、湿気等により腐食することがない例えば合成樹
脂材等から形成されたものであり、タイル板材10は適当
な接着剤（図示しない）により裏板材20に一体的に接着
されている。

そしてタイル材10と基材30の前後縁部は一致させて、
裏板材20の前端縁には、タイル板材10と基材30の前端縁
より前方に突出偏倚させて積層してある。Ｃはこの突出
寸法（嵌合代寸法）を示す。裏板材20のこの突出部に
は、前方に突出した開口凹溝状の切欠部21が形成されて
いる。また、タイル板材10と基材30に挟まれて後方で没
入している裏板材20の後端部には、後方に突出する突出
片22が形成されていて、突出片22は前記切欠部21と対称
的位置にあり、タイル板材10が前後に並べられた時に、
互いに嵌合代寸法Ｃで嵌合するようになつている。

またタイル板材10、基材30、裏板材20左右幅のＢ、B
2、B3は、それぞれ大小中に設定されており、タイルユ
ニツト１の両側縁に左右連結用係止溝11が形成される。
さらに基材30は、格子状に組まれた縦横桟34の四周を上
下枠31、32と縦枠33とで囲んで形成されており、前記下
枠32の幅寸法（短手方向寸法）のみは前記嵌合代Ｃ寸法
に等しく、また他の枠31、33と桟34の幅寸法（短手方向
寸法）Ｄは前記嵌合代寸法Ｃより小さく（Ｃ＞Ｄ）設定
されている。

また、基材30の前後両端縁はタイル板材10の前後両端
縁と一致させ、左右両端縁をタイル板材10の左右両側縁
よりも内側に位置させるようにしてある。即ち、タイル
板材10、裏板材20及び基材30の縦幅寸法をそれぞれＡ、
A2、A3とし、横寸法をＢ、B2、B3とすると、相互寸法はＡ＝A2＝A3 Ｂ＞B3＞B2に設定されている。

タイルユニツト１を製作するには、先ず、基材30の上
面に左右均等に縦側中心が合致するように重ね置き、裏
板材20の嵌合突出片22が基材30の下枠32に合致するよう
にして、釘等の固定部材23（勿論接着剤であつてもよ
い）で基材30に裏板材20を固定する。この状態でタイル
板材10を左右均等にして更に重ね、タイル板材10の下方
が下枠32に合致するようにセツトして裏板材20に接着す
る。これでタイルユニツト１が出来上がる。

また40はアルミニウム合金、合成樹脂材等の素材を用
い、例えば押出し成型によつて形成された連結具であつ
て、該連結具40は、第４図、第５図に示す如く長尺のま
まタイル敷設部所に使用されるものである。そしてこの
連結具40は略Ｔ字形をしていて、左右両側に凸状部41が
形成されている。

また、一方前記タイルユニツト１は、両側縁部におけ
るタイル板材10、裏材20、基材30の横寸法が前述したよ
うに設定されていて、タイル板材10と基材30との間に左
右連結用係止溝11が形成されており、この左右連結用係
止溝11を連結具40の凸状部41に嵌合することによりタイ
ルユニツト１が横方向に組付けられる構成になつてい
る。

なお、タイルユニツト１の下地への固定は、適当な接
着剤（接着剤は従来のものよりも少量でよい）を用いて
も良いが、また釘を用いて固定しても良いものである。

また、タイル板材自体に、弾力性の部材を裏打ちした
板材を使用したり、基材の裏面にゴム質弾性材を貼着す
ることでクツション性を向上させることもできる。

叙述の如く構成された本考案の実施例において、タイ
ルユニツト１の敷設作業は、まず、タイル敷設面に置か
れた連結具40の凸状部41にタイルユニツト１の左右連結
用係止溝11を嵌合せしめつつ前方向へスライドさせて、
前後タイルユニツト１の裏板材20に設けた互いに対応す
る嵌合突出片22へ切欠部21を嵌合せしめると、嵌合突出
片22は左右の移動を規制されることとなり、タイル板材
10の側面は自動的に縦一直線に整然と敷設される。これ
と同時に、該敷設されたタイルユニツト１は、左右連結
用係止溝11と凸状部41とが互いにに係合することによ
り、一端組付けた物が不用意に持ち上がつて外れてしま
うことも無く、またタイル敷設作業が迅速に出来て著し
く簡略化される。

さらに本考案は、マルタル等の目地材を必要としない
完全乾式の施工にも使用可能となる。

また、敷設面に多少の凹凸があつても、本実施例では
長尺物の連結具40が下地の凹凸を乗り越えるようにして
略直線状に置くことができるので、この連結具40を基準
としてタイルユニツト１が組み込まれることとなり、従
つて敷設面の凹凸に殆ど影響されること無く段差が生じ
ることなく、面一状の敷設作業が迅速かつ簡単にでき
て、下地施工もラフであつてもよいという利点が有る。

さらに敷設面に凹凸があつた場合に、格子状に組み込
まれた基材30には格子状空気室があるので、上からの荷
重を緩衝的に受ける作用を併せ奏することになつて、よ
り一層のタイル板材のひび割れや破損を防止できタイル
ユニツトの寿命を長く保持するという利点も有る。

また、タイルユニツト１を構成している裏板材20や基
材30は、材料も入手し易く、加工し易い樹脂材等を使用
して製造できるので、組み込み、取扱いが極めて容易
で、コスト低減にも寄与することができる。

尚、本考案は上記実施例に限定されないことは勿論で
あつて、前後方向の裏板材の凹凸嵌合は、いずれ側を凸
としても差し支えない。また、連結具40に中空状の中空
部44を成形して、材料を制約しつつ靱性や強度の向上強
化を図ることも当然である。

さらに、タイルユニツト１に飾り、衝撃防止、防水等
の機能を付与させたい場合には、第７図に示す如く、連
結具40に嵌め込み部42を形成して、目地材、ゴム質材、
防水シール材等の部材43を装着すれば良い。

また、本考案は、壁タイルとして使用することも出来
る。この場合、第８図に示す如く、５は躯体側にアンカ
ーボルト等の部材によつて固定されたアングル材、６は
該アングル材５にスライド移動自在に形成された基礎ア
ングルであつて、壁との間隔を調整自在にすることがで
きるようになつている。

［作用効果］以上要するに、本考案において、方形のタイル板材
と、平板状の裏板材と、さらに格子状に構成された基材
とを積層状に一体化してタイルユニツトを形成し、該タ
イルユニツトを前後方向に並べて敷設する構成とする
に、前記タイル板材と前記基材は前後後端縁が一致し、
前記裏板は、前端縁が前記タイル板材と基材の前端縁よ
り前方に突出するよう前方に偏倚させた状態で積層する
と共に、前記前方に突出する前記裏板の前端部には前方
が開口した凹溝状の切欠部が形成され、前方に没入する
前記裏板の後端部に嵌合する嵌合突出片が突出形成され
ているので、前後のタイルユニツトは、裏板材に設けら
れた互いに対向する切欠部と嵌合突出片とが嵌合するこ
とにより、嵌合突出部の両側面は切欠部によつて左右へ
の移動を規制されることとなつて、前後の板材の側縁は
自動的に一直線になり、タイルユニツトは整然と敷設さ
れる。

この結果から、目地材等を使用しない乾式作業にも使
用可能となり、下地施工がラフで、表面に凹凸があつて
も、これにほとんど影響されることなく、面一状のタイ
ル敷設作業が簡単にでき、かつ、格子状基材が囲まれた
空気室のクツシヨンにより荷重を弾性的に受ける緩衝項
かを持つこととなり、タイル部材のひび割れや破損輪防
止できその寿命を長く保つことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係るタイルユニツト構造の実施例を示
したものであつて、第１図はタイルユニツトの裏面図、
第２図は第１図のＥ−Ｅ矢視図、第３図は第１図のＦ−
Ｆ矢視図、第４図はタイルユニツトの分解斜視図、第５
図はタイルユニツトの敷設平面図、第６図は使用状態を
示す概略縦断面図、第７図は連結具の断面図、第８図は
壁取付け説明図、第９図は従来のタイル敷設説明図であ
る。図中、１はタイルユニツト構造、10はタイル板材、11は
左右連結用係止溝、20は裏板材、21は切欠部、22は嵌合
突出部、30は基材、Ｃは嵌合代である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】方形のタイル板材と、平板状の裏板材と、
さらに格子状に構成された基材とを積層状に一体化して
タイルユニツトを形成し、該タイルユニツトを前後方向
に並べて敷設する構成とするに、前記タイル板材と前記
基材は前後各端縁がそれぞれ一致し、前記裏板は、前端
縁が前記タイル板材および基材の前端縁より前方に突出
し、後端縁がタイル材および基材の後端縁より前方に没
入するよう前方に偏倚させた状態で積層すると共に、前
記前方に突出する裏板前端部には、前方が開口した凹溝
状の切欠部が形成され、前記前方に没入する裏板後端部
には、後側タイルユニツトの前記切欠部に嵌合する嵌合
突出片が後方に向けて突出形成されていることを特徴と
するタイルユニツト構造。