JPH0852064A - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JPH0852064A
JPH0852064A JP19299794A JP19299794A JPH0852064A JP H0852064 A JPH0852064 A JP H0852064A JP 19299794 A JP19299794 A JP 19299794A JP 19299794 A JP19299794 A JP 19299794A JP H0852064 A JPH0852064 A JP H0852064A
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勝春 松尾
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章次 高木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、鍋の設計の自由度が高く、熱的効
率の向上も図り、しかも、鍋における底壁部周縁から周
側壁部にかけてのコーナー部に亀裂や剥離が発生するこ
とがないようにしている。 【構成】 該鍋4の底壁部4a周縁から周側壁部4bに
かけてのコーナー部17、この場合、底壁部4aと該傾
斜部4cとにかけてのコーナー部17は、円弧壁部4d
により形成されている。この円弧壁部4dは、鍋4の規
定最高水位線Ld(この炊飯器の最大炊飯米量に対応す
る水位線)での直径寸法をDとしたとき、内壁面および
外壁面の曲率半径Rが0.05D以上となるように形成
されている。この実施例では、上記Dは200[mm]
であり、Rは10[mm]以上例えば25[mm]に設
定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性材料製の誘導発熱
部を有する鍋に対して誘導加熱コイルにより誘導電流を
発生させて加熱調理を行うようにした炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の炊飯器に用いられる鍋として
は、クラッド材が用いられることが知られている。この
クラッド材は、熱伝導特性が良いアルミニウムと磁性材
料である磁性ステンレスを平板の状態でロール圧接した
鋼板であり、これを、絞り加工することにより外側に磁
性ステンレスが配設される円筒容器状に形成して鍋を製
造している。これにより鍋は、外面が誘導発熱部を構成
する磁性ステンレスにより覆われ、内面が熱伝導部を構
成するアルミニウムにより覆われた状態に形成される。
【0003】この鍋は、誘導加熱コイルにより発熱され
るようになっている。すなわち、誘導加熱コイルを鍋の
外方に設け、この誘導加熱コイルに高周波電流を通電す
ることにより、鍋の誘導発熱部に誘導電流を発生させ、
その抵抗損失により発熱させると共に、その熱を熱伝導
部を介して鍋の全体に渡って伝導させて鍋内部を加熱す
るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のクラ
ッド材を使用して鍋を構成しようとすると、通常、該ク
ラッド材をプレスにて深絞り加工するしかなく、形状等
の設計の自由度も低いといった欠点がある。
【0005】また全体が二重板構造であるので、熱伝達
性も良くないという問題がある。すなわち、誘導発熱部
としての磁性ステンレスの熱伝導率は0.062(ca
l/cm・sec・℃)程度であり、一方、熱伝導部と
してのアルミニウムの熱伝導率は0.53(cal/c
m・sec・℃)程度であるから、誘導発熱部は、熱伝
導部に比べてその熱伝導率の大きさが1/8.5程度で
あり、熱伝達にはほとんど寄与していないことになる。
さらに、磁性ステンレスは単位体積当りの熱容量が0.
85(cal/℃・cm)程度であるから、アルミニ
ウムの0.59(cal/℃・cm)程度の値と比べ
ると熱効率が悪くなる。
【0006】したがって、このような材料の特性上か
ら、磁性ステンレス製の誘導発熱部部分は自己の熱容量
の分だけ熱損失することになるのである。ところが、鍋
を構成するのにクラッド材を用いているため、鍋全体を
磁性ステンレスで包囲する構成とせざるを得ず、この結
果、全体として熱的な効率が低下してしまうという不具
合がある。
【0007】これを解決するものとして、ダイキャスト
や鍛造、あるいは溶湯鍛造技術といった鋳造・鍛造技術
を鍋製造に用いることを出願人は考えている。例えば、
溶湯鍛造技術にて、鍋を製造する場合、成形型のキャビ
ティ内部に、磁性ステンレスを配置しておき、そのキャ
ビティ内に、溶融した熱良導体材料を注入し加圧して固
化させる。これにより、熱良導体材料から容器状の熱伝
導部が形成されると共に、磁性材料からなる誘導発熱部
が前記固化に伴い予めこの熱伝導部の外底面部から外周
面部にかけて取着され、もって、鍋が製造される。この
ような鋳造・鍛造技術を用いて鍋を製造すると、形状等
の設計の自由度が高く、しかも誘導発熱部も必要箇所に
設けることが可能となり、熱的効率の向上も図ることが
可能となる。
【0008】ところが、その反面、鍋製造時において、
磁性材料がほぼ100℃程度の温度状態であるのに対
し、溶融した熱良導体材料は800℃といった高温度状
態となり、この状態から熱収縮するため大きな残留応力
が発生する。これは鍋自体の大きさ等にも影響される
が、通常、鍋の底壁部周縁から周側壁部にかけてのコー
ナー部に残留応力の応力集中が起きる。この場合、鍋材
料が上述したアルミニウムとステンレスの場合、剪断応
力に対する耐力は5kg/mm程度であるので、鍋が
そのコーナー部で亀裂したり、あるいは熱伝導部と誘導
発熱部とが剥離したりする虞がある。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、従ってその目的は、鍋の設計の自由度が高く、し
かも誘導発熱部も必要箇所に設けることが可能となり、
熱的効率の向上も図ることが可能となり、しかも、鍋に
おける底壁部周縁から周側壁部にかけてのコーナー部に
亀裂や剥離が発生することがない炊飯器を提供するにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の手段は、溶融した
熱良導体材料が固化して容器状の熱伝導部が形成され、
且つこの熱伝導部の外底面部から外周面部にかけて磁性
材料からなる誘導発熱部が前記固化に伴い予め取着され
てなる鍋と、この鍋の外方に配置された誘導加熱コイル
とを備え、前記鍋の規定最高水位線での直径寸法をDと
したとき、該鍋の底壁部周縁から周側壁部にかけてのコ
ーナー部を、内壁面および外壁面の曲率半径が0.05
D以上となる円弧壁部により形成したところに特徴を有
するものである(請求項1の発明)。
【0011】第2の手段は、第1の手段において、鍋の
底壁部の広さが周側壁部上端部の広さより小さく、該底
壁部より周側壁部上方へ上広がり状の傾斜部が形成さ
れ、底壁部と該傾斜部とにかけてのコーナー部が円弧壁
部により形成されているところに特徴を有する(請求項
2の発明)。
【0012】第3の手段は、第1の手段において、誘導
加熱コイルは鍋の底壁部周縁を加熱する部位に設けら
れ、この誘導加熱コイルと鍋の円弧壁部とが対応する位
置関係にあるところに特徴を有する(請求項3の発
明)。
【0013】第4の手段は、第2の手段において、傾斜
部が、曲率半径が0.5D以上の円弧壁状に形成されて
いるところに特徴を有する(請求項4の発明)。
【0014】第5の手段は、溶融した熱良導体材料が固
化して容器状の熱伝導部が形成され、且つこの熱伝導部
の外底面部から外周面部にかけて磁性材料からなる誘導
発熱部が前記固化に伴い予め取着されてなる鍋と、この
鍋の外方に配置された誘導加熱コイルとを備え、前記鍋
の底壁部周縁から周側壁部にかけてのコーナー部を、内
壁面および外壁面の曲率半径が10[mm]以上となる
円弧壁部により形成したところに特徴を有する(請求項
5の発明)。
【0015】第6の手段は、第1の手段または第5の手
段において、鍋の熱伝導部が、溶湯鍛造により形成され
ているところに特徴を有する(請求項6の発明)。
【0016】
【作用】第1の手段においては、鍋における熱伝導部
が、溶融した熱良導体材料が固化して容器状に形成さ
れ、且つこの熱伝導部の外底面部から外周面部にかけて
磁性材料からなる誘導発熱部が前記固化に伴い予め取着
されるから、クラッド材を鍋に使用した場合と違って、
鍋の設計の自由度が高く、しかも誘導発熱部も必要箇所
に設けることが可能となり、熱的効率の向上も図ること
が可能となる。また、前記鍋の規定最高水位線での直径
寸法をDとしたとき、該鍋の底壁部周縁から周側壁部に
かけてのコーナー部を、内壁面および外壁面の曲率半径
が0.05D以上となる円弧壁部により形成したから、
該コーナー部での鍋の残留応力の集中度合いを軽減でき
るようになり、鍋に亀裂や剥離が発生することがない。
【0017】第2の手段においては、鍋の底壁部の広さ
が周側壁部上端部の広さより小さく、該底壁部より周側
壁部上方へ上広がり状の傾斜部が形成され、底壁部と該
傾斜部とにかけてのコーナー部が円弧壁部により形成さ
れているから、鍋内部で加熱された水の対流が良くな
る。
【0018】第3の手段においては、誘導加熱コイルが
鍋の底壁部周縁を加熱する部位に設けられ、この誘導加
熱コイルと鍋の円弧壁部とが対応する位置関係にあるか
ら、鍋内部で加熱された水の対流が良くなる。この場
合、円弧壁部に、該誘導加熱コイルの繰返し加熱が作用
するが、該円弧壁部での亀裂や剥離を防止できるように
なる。
【0019】第4の手段においては、傾斜部が、曲率半
径が0.5D以上の円弧壁状に形成されているから、鍋
内部で加熱された水の対流が良くなる。
【0020】第5の手段においては、鍋の底壁部周縁か
ら周側壁部にかけてのコーナー部を、内壁面および外壁
面の曲率半径が10[mm]以上となる円弧壁部により
形成したから、該コーナー部での鍋の残留応力の集中度
合いを軽減できるようになり、鍋に亀裂や剥離が発生す
ることがない。
【0021】第6の手段においては、鍋の熱伝導部が、
溶湯鍛造により形成されているから、誘導発熱部とこの
熱伝導部との密着性も良く、さらには、いわゆる巣の発
生も少なく、総じて熱伝導性に大いに優れる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について図1な
いし図5を参照して説明する。まず全体構成を示す図3
において、樹脂製の炊飯器本体1は上部に蓋部2がヒン
ジ3により上方に開閉可能に配設されている。炊飯器本
体1の内部側には鍋4が収容可能な鍋収容部としての外
槽部5が形成されており、この外槽部5の底面直下には
外周部に対応して誘導加熱コイル6が、やや中央よりに
誘導加熱コイル6aがそれぞれ配設され、それらの下部
には磁気回路を形成するためのフェライト7が配設され
ている。鍋4の上面開口部は蓋部2を閉じたときにその
内側に設けられた内蓋2aにより閉塞されるようになっ
ており、また、蓋部2内部には内蓋2aを介して鍋4内
部を加熱するための蓋ヒータ8が配設されている。な
お、誘導加熱コイル6と誘導加熱コイル6aのうち外周
部側の誘導加熱コイル6の方が入力W数が高くなるよう
に設定されている。
【0023】また、外槽部5の底面中央部には鍋4の底
面部と接触するように温度センサ9が配設されており、
鍋4の温度を検知するようになっている。また、炊飯器
本体1の内底部には高周波電流を発生させるためのイン
バータ回路部10が配設されると共に冷却ファン11が
配設されている。炊飯器本体1内の前部側には制御回路
部12および操作部13が配設されている。操作部13
には、炊飯器本体1の前面外部に露出するように操作ス
イッチや表示器が配設されている。また、炊飯器本体1
の内部には外槽部5の側壁を介して鍋4を加熱保温する
ための胴ヒータ14が配設されている。
【0024】次に、図1に基づいて鍋4の構成について
詳述する。鍋4は、後述する溶湯鍛造と呼ばれる技術を
用いて形成されるもので、容器状の熱伝導部15と、こ
の熱伝導部15の外底面部から外周面部にかけて取着さ
れた誘導発熱部16とから構成されている。誘導発熱部
16はステンレスからなるもので、熱伝導部15の下面
部および外周面部の所定高さまで設けられている。
【0025】図1および図2に示すように、この鍋4に
おいて、その底壁部4aの広さが周側壁部4b上端部の
広さより小さく、該底壁部4aより周側壁部4b上方へ
上広がり状の傾斜部4cが形成されている。該鍋4の底
壁部4a周縁から周側壁部4bにかけてのコーナー部1
7、この場合、底壁部4aと該傾斜部4cとにかけての
コーナー部17は、円弧壁部4dにより形成されてい
る。この円弧壁部4dは、鍋4の規定最高水位線Ld
(この炊飯器の最大炊飯米量に対応する水位線)での直
径寸法をDとしたとき、内壁面および外壁面の曲率半径
Rが0.05D以上となるように形成されている。この
実施例では、上記Dは200[mm]であり、Rは10
[mm]以上例えば25[mm]に設定されている。こ
のとき、このコーナー部17に局部的に上記0.05D
以下の曲率半径となる部分があっても差し支えはないが
円弧壁部4dの円弧長Leは実質的に5[mm]以上で
あることが好ましい。
【0026】また、上記傾斜部4cは、若干湾曲してお
り、すなわち、曲率半径Rcが0.5D以上(この実施
例では例えば200[mm])となる円弧壁状に形成さ
れている。図2に示すように、前記誘導加熱コイル6が
鍋4の底壁部4a周縁を加熱する部位に設けられてお
り、この誘導加熱コイル6と鍋4の円弧壁部4dとが対
応する関係にある。
【0027】また、アルミニウムを主成分とする合金を
基材とした熱伝導体材料からなる熱伝導部15は、溶湯
鍛造技術を用いて形成される。すなわち、図5に示すよ
うに、上述のようにして形成された誘導発熱部16の内
側の面に亜鉛やアルミニウムなどの低融点材料をメッキ
等によりあらかじめ密着させておき、これを鍋4の外形
形状に対応した雌型Kにセットする。そして、この雌型
K内に溶融されたアルミニウムを主成分とする熱伝導体
材料を注ぎ、これに鍋4の内部形状に対応した雄型Mを
嵌合させて高圧で成形する。なお、上記雌型Kおよび雄
型Mにおける円弧壁部4d成形部分は上記した曲率半径
Rが得られる形状となっていることはもちろんである。
【0028】この製造により、誘導発熱部16の内側部
分にアルミニウム合金層による熱伝導部15が形成さ
れ、誘導発熱部16と熱伝導部15との間にはステンレ
スとアルミニウムにより形成された低融点合金層が介在
されるようになる。これによって熱伝導部15と誘導発
熱部16との間を密着した状態に接合することができる
ので、両者の間の熱抵抗を小さくすることができ、また
いわゆる巣の発生も少ない。
【0029】また、上述した鍋4の製造時には、磁性材
料である誘導発熱部16がほぼ100℃程度の温度状態
であるのに対し、溶融した熱良導体材料(熱伝導部1
5)は800℃といった高温度状態となり、この状態か
ら熱収縮するため大きな残留応力が発生する。特に、鍋
4の底壁部4a周縁から周側壁部4bにかけてのコーナ
ー部17に残留応力の応力集中が起きる。しかし、この
コーナー部17は、曲率Rが既述した0.05D以上の
円弧壁部4dから構成されているので、鍋4がそのコー
ナー部17で亀裂したり、あるいは熱伝導部15と誘導
発熱部16とが剥離したりすることはない。
【0030】図4は電気的構成を示すもので、制御回路
部12は、マイクロコンピュータなどの制御回路を含ん
で構成されるもので、あらかじめ炊飯のための制御プロ
グラムが記憶されている。この制御回路部12は、操作
部13から操作信号を受けるように接続され、制御プロ
グラムを実行すると、操作部13からの操作信号に応じ
てインバータ回路部10に制御信号を出力するようにな
っている。インバータ回路部10は与えられた制御信号
に応じて所定周波数の高周波電流を誘導加熱コイル6に
供給して鍋4に発熱動作を行なわせる。
【0031】温度センサ9の出力端子は操作部13を介
して制御回路部12に接続されており、鍋4の温度検出
信号を制御回路部12に与える。また、冷却ファン1
1,蓋ヒータ8および胴ヒータ14はそれぞれ制御回路
部12から与えられる駆動制御信号により通電制御され
るようになっている。
【0032】次に、本実施例の作用について説明する。
鍋4内に所定量の米と水が収容され、操作部13により
炊飯の実行を指令する操作が行われると、制御回路部1
2は炊飯プログラムを実行して炊飯動作を開始するよう
になる。インバータ回路部10は、制御回路部12から
制御信号が出力されると、所定の周波数の高周波電流を
誘導加熱コイル6,6aに供給するようになる。
【0033】これにより、誘導加熱コイル6,6aの周
囲に発生した磁束は、鍋4との間の空隙部,誘導発熱部
16内部,鍋4との間の空隙部を通り、フェライト7内
を通るようになる。そして、誘導発熱部16の表層部で
は磁束の変化に伴う誘導電流が発生してその抵抗損失に
よる発熱が起こり、鍋4自体が加熱される。
【0034】このとき、鍋4内には、温度むらの少ない
良好な対流が得られるようになる。すなわち、主たる誘
導加熱コイルであるところの入力が大きい誘導加熱コイ
ル6の加熱作用により鍋4の底壁部4a周縁、すなわち
円弧壁部4dから傾斜部4cにかけての部分が加熱され
る。このとき、この円弧壁部4dから傾斜部4cにおい
ては、その内面近傍の水が加熱されて真上への浮力が発
生する。また、その内面では水に対する粘着力も作用す
る。この粘着力はその内面に対して直角に作用する。
【0035】この浮力と粘着力とが円弧壁部4dから傾
斜部4cにおいてバランスして、図2の破線Lで示すよ
うに、円弧壁部4dから傾斜部4cに沿って連続的に被
加熱水の強い上昇流が発生し、この結果、鍋4中央側で
上部の水が良好に下降するようになり、もって、被加熱
水が鍋4内部の周側壁部4b内面側で上昇し中央側で下
降するといった良好な対流が発生するようになる。特
に、誘導加熱コイル6の内側に、誘導加熱コイル6aを
離して設けたから、温度が若干低くなり勝ちな鍋4中央
部での温度を適正に高めることができ、鍋4内部の温度
均一化を図ることができるようになる。よって、全体を
温度むらなく均一な温度に加熱しながら炊飯,蒸らしお
よび保温等の加熱調理を行うことができ、米を全体に十
分にアルファ化して均一な炊飯を行うと共に、むらしに
おいてもコゲつき等が発生することもなくなる。
【0036】このような本実施例によれば、鍋4におけ
る熱伝導部15が、溶融した熱良導体材料であるアルミ
ニウムが固化して容器状に形成され、且つこの熱伝導部
15の外底面部から外周面部にかけて磁性材料であるス
テンレスからなる誘導発熱部16が前記固化に伴い予め
取着されるから、クラッド材を鍋に使用した場合と違っ
て、鍋4の設計の自由度が高く、しかも誘導発熱部16
も必要箇所に設けることが可能となり、熱的効率の向上
も図ることが可能となる。
【0037】また、前記鍋4の規定最高水位線Ldでの
直径寸法をD(200mm)としたとき、該鍋4の底壁
部4a周縁から周側壁部4bにかけてのコーナー部17
を、内壁面および外壁面の曲率半径が0.05D以上
(25mm)である円弧壁部4dにより形成したから、
該コーナー部17での鍋4の残留応力の集中度合いを軽
減できるようになり、鍋4に亀裂や剥離が発生すること
がない。特に、鍋4の大きさが変わると、コーナー部1
7での残留応力の集中度も変わるが、本実施例では上述
したように鍋4の大きさ(鍋4の規定最高水位線Ldで
の直径寸法Dの大きさ)に応じて円弧壁部4dの曲率半
径も0.05D以上となるから、確実に応力集中を軽減
できるものである。
【0038】特に本実施例においては、鍋4の底壁部4
aの広さが周側壁部4b上端部の広さより小さく、該底
壁部4aより周側壁部4b上方へ上広がり状の傾斜部4
cが形成され、底壁部4aと該傾斜部4cとにかけての
コーナー部17が円弧壁部14dにより形成されている
から、鍋4内部で加熱された水の対流が良くなり、この
結果、全体を温度むらなく均一な温度に加熱することが
できる。
【0039】さらに、誘導加熱コイル6が鍋4の底壁部
4a周縁を加熱する部位に設けられ、この誘導加熱コイ
ル6と鍋の円弧壁部4dとが対応する位置関係にあるか
ら、鍋4内部で加熱された水の対流が良くなる。この場
合、円弧壁部4dに、該誘導加熱コイル6の繰返し加熱
が作用するが、該円弧壁部4dでの亀裂や剥離を防止で
きるようになる。また、傾斜部4cが、曲率半径Rcが
0.5D以上(この場合200mm)の円弧壁状に形成
されているから、これによっても鍋4内部で加熱された
水の対流が良くなる。
【0040】さらにまた、鍋4の熱伝導部15が、溶湯
鍛造により形成されているから、誘導発熱部16とこの
熱伝導部15との密着性も良く、さらには、いわゆる巣
の発生も少なく、総じて熱伝導性に大いに優れ、加熱効
率が向上する。
【0041】次に、図6は本発明の第2の実施例を示し
ており、鍋21の形状が異なる。すなわち、この鍋21
は、有底ほぼ円筒形状に形成されており、上述した第1
の実施例の鍋4における傾斜部4cが無い構成である。
この鍋21においても、該鍋21の規定最高水位線Ld
での直径寸法をDとしたとき、該鍋21の底壁部21a
周縁から周側壁部21bにかけてのコーナー部22を、
内壁面および外壁面の曲率半径Rが0.05D以上とな
る円弧壁部21cにより形成している。この実施例にお
いても、所期の目的は達成できる。
【0042】本発明の別の手段としては、次のようにし
ても良い。すなわち、鍋の底壁部周縁から周側壁部にか
けてのコーナー部を、鍋自体の大きさに関係なく一義的
に、内壁面および外壁面の曲率半径が10[mm]以上
となる円弧壁部により形成するようにしても良い。つま
り、この種炊飯器に用いられる鍋は、その大きさが最小
クラスでもその規定最高水位線での直径寸法が200
[mm]よりも小さいということはほとんどないから、
円弧壁部の内壁面および外壁面の曲率半径が10[m
m]以上であれば、コーナー部での鍋の残留応力の集中
度合いを軽減できるようになり、鍋に亀裂や剥離が発生
することがない。
【0043】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではなく、例えば、熱伝導部は溶湯鍛造でなくダイ
キャストや鋳造あるいは鍛造でも良い。また、誘導発熱
部は、熱伝導部の外底面部の全面に設ける必要はなく、
外底面部の中央部には無くても差し支えない。
【0044】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、次の効果を得ることができる。請求項1の発明によ
れば、鍋における熱伝導部が、溶融した熱良導体材料が
固化して容器状に形成され、且つこの熱伝導部の外底面
部から外周面部にかけて磁性材料からなる誘導発熱部が
前記固化に伴い予め取着されるから、クラッド材を鍋に
使用した場合と違って、鍋の設計の自由度が高く、しか
も誘導発熱部も必要箇所に設けることが可能となり、熱
的効率の向上も図ることが可能となる。また、前記鍋の
規定最高水位線での直径寸法をDとしたとき、該鍋の底
壁部周縁から周側壁部にかけてのコーナー部を、内壁面
および外壁面の曲率半径が0.05D以上となる円弧壁
部により形成したから、鍋の大きさに左右されず該コー
ナー部での鍋の残留応力の集中度合いを軽減できるよう
になり、鍋に亀裂や剥離が発生することがない。
【0045】請求項2の発明によれば、鍋の底壁部の広
さが周側壁部上端部の広さより小さく、該底壁部より周
側壁部上方へ上広がり状の傾斜部が形成され、底壁部と
該傾斜部とにかけてのコーナー部が円弧壁部により形成
されているから、鍋内部で加熱された水の対流を良くし
得、鍋内部の米および水を均一加熱でき、よって、良好
な炊き上がりを得ることができる。
【0046】請求項3の発明によれば、誘導加熱コイル
が鍋の底壁部周縁を加熱する部位に設けられ、この誘導
加熱コイルと鍋の円弧壁部とが対応する位置関係にある
から、鍋内部で加熱された水の対流が良くなる。この場
合、円弧壁部に、該誘導加熱コイルの繰返し加熱が作用
するが、該円弧壁部での亀裂や剥離は既述したように防
止できる。
【0047】請求項4の発明によれば、傾斜部が、曲率
半径が0.5D以上の円弧壁状に形成されているから、
鍋内部で加熱された水の対流がさらに良くなる。
【0048】請求項5の発明によれば、鍋の底壁部周縁
から周側壁部にかけてのコーナー部を、内壁面および外
壁面の曲率半径が10[mm]以上となる円弧壁部によ
り形成したから、該コーナー部での鍋の残留応力の集中
度合いを軽減できるようになり、鍋に亀裂や剥離が発生
することがない。
【0049】請求項6の発明によれば、鍋の熱伝導部
が、溶湯鍛造により形成されているから、誘導発熱部と
この熱伝導部との密着性も良く、さらには、いわゆる巣
の発生も少なく、総じて熱伝導性に大いに優れたものと
なり、加熱効率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す鍋の縦断側面図
【図2】鍋と誘導加熱コイルとの配置関係を示す縦断側
面図
【図3】炊飯器の縦断側面図
【図4】電気的構成を示す回路図
【図5】溶湯鍛造技術による鍋の製造工程を示す縦断側
面図
【図6】本発明の第2の実施例を示す鍋の縦断側面図
【符号の説明】
1は炊飯器本体、4は鍋、4aは底壁部、4bは周側壁
部、4cは傾斜部、4dは円弧壁部、5は外槽部、6,
6aは誘導加熱コイル、7はフェライト、10はインバ
ータ回路、12は制御回路部、13は操作部、15は鍋
基体、16は誘導発熱部、17はコーナー部、21は
鍋、21aは底壁部、21bは周側壁部、21cは円弧
壁部、22はコーナー部を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融した熱良導体材料が固化して容器状
    の熱伝導部が形成され、且つこの熱伝導部の外底面部か
    ら外周面部にかけて磁性材料からなる誘導発熱部が前記
    固化に伴い予め取着されてなる鍋と、 この鍋の外方に配置された誘導加熱コイルとを備え、 前記鍋の規定最高水位線での直径寸法をDとしたとき、
    該鍋の底壁部周縁から周側壁部にかけてのコーナー部
    を、内壁面および外壁面の曲率半径が0.05D以上と
    なる円弧壁部により形成したことを特徴とする炊飯器。
  2. 【請求項2】 鍋は、底壁部の広さが周側壁部上端部の
    広さより小さく、該底壁部より周側壁部上方へ上広がり
    状の傾斜部が形成され、底壁部と該傾斜部とにかけての
    コーナー部が円弧壁部により形成されていることを特徴
    とする請求項1記載の炊飯器。
  3. 【請求項3】 誘導加熱コイルは鍋の底壁部周縁を加熱
    する部位に設けられ、この誘導加熱コイルと鍋の円弧壁
    部とが対応する位置関係にあることを特徴とする請求項
    1記載の炊飯器。
  4. 【請求項4】 傾斜部は曲率半径が0.5D以上の円弧
    壁状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の
    炊飯器。
  5. 【請求項5】 溶融した熱良導体材料が固化して容器状
    の熱伝導部が形成され、且つこの熱伝導部の外底面部か
    ら外周面部にかけて磁性材料からなる誘導発熱部が前記
    固化に伴い予め取着されてなる鍋と、 この鍋の外方に配置された誘導加熱コイルとを備え、 前記鍋の底壁部周縁から周側壁部にかけてのコーナー部
    を、内壁面および外壁面の曲率半径が10[mm]以上
    となる円弧壁部により形成したことを特徴とする炊飯
    器。
  6. 【請求項6】 鍋の熱伝導部は、溶湯鍛造により形成さ
    れていることを特徴とする請求項1または5記載の炊飯
    器。
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