JPH0851241A - 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法 - Google Patents

圧電/電歪膜型素子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0851241A
JPH0851241A JP1232795A JP1232795A JPH0851241A JP H0851241 A JPH0851241 A JP H0851241A JP 1232795 A JP1232795 A JP 1232795A JP 1232795 A JP1232795 A JP 1232795A JP H0851241 A JPH0851241 A JP H0851241A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
electrostrictive
diaphragm
type element
film type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1232795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3313531B2 (ja
Inventor
Yukihisa Takeuchi
幸久 武内
Tsutomu Nanataki
七瀧  努
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP1232795A priority Critical patent/JP3313531B2/ja
Priority to CN95115543A priority patent/CN1050229C/zh
Publication of JPH0851241A publication Critical patent/JPH0851241A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3313531B2 publication Critical patent/JP3313531B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R17/00Piezoelectric transducers; Electrostrictive transducers
    • H04R17/04Gramophone pick-ups using a stylus; Recorders using a stylus
    • H04R17/08Gramophone pick-ups using a stylus; Recorders using a stylus signals being recorded or played back by vibration of a stylus in two orthogonal directions simultaneously

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電/電歪作動部に発生する歪みや応力を効
率よく変位に変えることが出来、また複数の圧電/電歪
作動部の同時駆動に際しての変位低下率を小さく為し得
る圧電/電歪膜型素子及びそれを有利に製造し得る手法
を提供する。 【構成】 窓部6を覆蓋するようにダイヤフラム部10
を設けたセラミック基体2と、該ダイヤフラム部位に設
けた、下部電極12、圧電/電歪層14及び上部電極1
6から構成される膜状の圧電/電歪作動部18とを有す
る圧電/電歪膜型素子において、前記ダイヤフラム部1
0が外方に凸なる形状を有するように構成した。また、
かかる圧電/電歪膜型素子を製造するに際して、ダイヤ
フラム部10が外方に凸なる形状を呈するセラミック基
体2を準備し、その外面上に、少なくとも下部電極12
及び圧電/電歪層14を一体的に形成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、圧電/電歪膜型素子、中でも主
にフィルター、ディスプレイ、マイクロホン、発音体
(スピーカ等)、各種振動子や発振子、更にはセンサ等
に用いられるユニモルフ型等の、屈曲変位または力を発
生させる、或いは屈曲変位や力を検出するタイプの圧電
/電歪膜型素子及びその製造方法に関するものである。
なお、ここで称呼される素子とは、電気エネルギを機械
エネルギに変換、即ち機械的な変位、応力または振動に
変換する素子の他、その逆の変換を行なう素子をも意味
するものである。
【0002】
【背景技術】近年、光学や精密加工等の分野において、
サブミクロンのオーダーで光路長や位置を調整する変位
素子や、微小変位を電気的変化として検知する検出素子
が所望されるようになってきており、これに応えるもの
として、強誘電体等の圧電材料に電界を加えた時に起こ
る逆圧電効果に基づくところの変位の発現、或いはその
逆の現象を利用した素子である、アクチュエ−タやセン
サに用いられる圧電/電歪素子の開発が進められてい
る。そして、その中で、スピーカー等においては、その
ような圧電/電歪素子構造として、従来から知られてい
るユニモルフ型等が好適に採用されている。
【0003】このため、本願出願人にあっても、先に、
特開平3−128681号や特開平5−49270号等
として、各種の用途に好適に用いられ得る、セラミック
製の圧電/電歪膜型素子(アクチュエ−タ)を提案し
た。この圧電/電歪膜型素子は、少なくとも一つの窓部
を有すると共に、該窓部を覆蓋するように、薄肉のダイ
ヤフラム部を一体に設けることによって、少なくとも一
つの薄肉の壁部を形成してなるセラミック基体を備え、
そして該セラミック基体のダイヤフラム部の外面上に、
下部電極と圧電/電歪層と上部電極との組み合わせから
なる圧電/電歪作動部が、膜形成法によって、一体的に
積層形成されてなる構造を有するものであって、小型で
安価な、高信頼性のアクチュエ−タであると共に、低い
駆動電圧にて大変位が得られ、又、応答速度が速く、且
つ発生力も大きいという優れた特徴を有しており、フィ
ルター、ディスプレイ、センサー等におけるアクチュエ
ータ部材等として誠に有用なものである。
【0004】しかしながら、かかる圧電/電歪膜型素子
について、本発明者らが更に検討した結果、そのような
圧電/電歪膜型素子は、セラミック基体におけるダイヤ
フラム部の所定位置に、圧電/電歪作動部を構成する下
部電極、圧電/電歪層及び上部電極が、膜形成法によっ
て順次層状に積層形成され、そして必要な熱処理(焼
成)が施されて、該圧電/電歪作動部がダイヤフラム部
上に一体的に設けられた構造とされるものであるところ
から、薄肉のダイヤフラム部位の剛性が充分でなく、ま
た機械的強度が低く、そのために固有振動数が小さく、
応答速度も遅い問題を内在し、加えてその圧電/電歪作
動部、具体的には圧電/電歪層形成時における熱処理
(焼成)によって、かかる圧電/電歪膜型素子の作動特
性が少なからず影響を受けることが、明らかとなったの
である。
【0005】すなわち、そのような圧電/電歪層形成時
の熱処理により、該圧電/電歪層(圧電/電歪作動部)
には、それとセラミック基体のダイヤフラム部との間の
焼成収縮による応力が発生して、それによって、かかる
圧電/電歪層の焼結が妨げられ、その焼結を充分に行な
うことが困難となり、充分な作動特性が得られないので
ある。
【0006】また、ディスプレイにおけるアクチュエー
タ部材等においては、所定のセラミック基板に、所定の
配列形態をもって、複数の窓部が設けられ、そして、そ
れら窓部に形成された薄肉のダイヤフラム部上に、上述
の如き圧電/電歪作動部が形成されることとなるが、上
記した圧電/電歪層の焼成によって、薄肉のダイヤフラ
ム部が撓んだり、また焼成後に残留する応力等によっ
て、隣接する圧電/電歪作動部を同時に駆動した時の変
位量が、それを独立して駆動した場合よりも、著しく低
下する問題も、内在している。隣接する二つの圧電/電
歪作動部を同時に駆動した時に、それら圧電/電歪作動
部の設けられたダイヤフラム部の変位が相互に干渉し
て、それらの変位量を低下せしめることとなるからであ
る。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、セラミック基体の薄肉の壁部を構成するダイヤ
フラム部の外面上に圧電/電歪作動部が膜形成法によっ
て形成されてなる圧電/電歪膜型素子において、その圧
電/電歪作動部に発生する歪みや応力を効率よく変位に
変え、また複数の圧電/電歪作動部を設けた場合にあっ
ても、それらの同時駆動に際しての変位低下率を小さく
為し得るようにすることにある。
【0008】また、本発明は、そのような優れた特性を
有する圧電/電歪膜型素子を有利に製造し得る手法を提
供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、上記の如き課題を解決するため
に、本発明は、少なくとも一つの窓部を有すると共に、
該窓部を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部が一体
に設けられてなるセラミック基体と、該ダイヤフラム部
の外面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電
極、圧電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧
電/電歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子にして、
前記セラミック基体におけるダイヤフラム部が外方に凸
なる形状を有し、該凸形状の外面上に前記膜状の圧電/
電歪作動部が形成されていることを特徴とする圧電/電
歪膜型素子を、その要旨とするものである。
【0010】なお、このような本発明に従う圧電/電歪
膜型素子の好ましい態様によれば、前記セラミック基体
におけるダイヤフラム部の外方に凸なる形状の突出量
は、前記窓部の中心を通る最短寸法の5%以下とされる
こととなる。
【0011】また、本発明の他の好ましい態様によれ
ば、前記圧電/電歪膜型素子におけるダイヤフラム部の
平均結晶粒子径は、5μm以下とされ、更にダイヤフラ
ム部の厚さは、50μm以下とされ、更にまた、圧電/
電歪作動部の厚さは、100μm以下とされることとな
る。
【0012】さらに、本発明に従う圧電/電歪膜型素子
の好ましい態様の一つによれば、前記セラミック基体は
複数の窓部を有し、それら窓部に前記ダイヤフラム部が
それぞれ外方に凸なる形状に一体に形成されていると共
に、該ダイヤフラム部の各々の外面上に、前記圧電/電
歪作動部が形成されている構成が、採用される。
【0013】そして、本発明は、このような圧電/電歪
膜型素子を有利に得るべく、少なくとも一つの窓部を有
すると共に、該窓部を覆蓋するように、薄肉のダイヤフ
ラム部が一体に設けられてなるセラミック基体と、該ダ
イヤフラム部の外面上に膜形成法によって層状に順次設
けた下部電極、圧電/電歪層及び上部電極より構成され
る膜状の圧電/電歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素
子を製造する方法にして、前記セラミック基体における
ダイヤフラム部が外方に凸なる形状を呈するものを準備
し、次いで該外方に凸なる形状のダイヤフラム部の外面
上に、膜形成法によって前記下部電極及び圧電/電歪層
を順次層状に形成し、更に必要に応じて前記上部電極を
設けた後、かかる圧電/電歪層を焼成せしめて、該ダイ
ヤフラム部の凸形状の外面上に少なくとも該下部電極及
び圧電/電歪層を一体的に形成したことを特徴とする圧
電/電歪膜型素子の製造方法をも、その要旨とするもの
である。
【0014】
【具体的構成・作用】このように、本発明は、セラミッ
ク基体に設けられた窓部を覆蓋するように一体的に形成
されたダイヤフラム部位の外面上に、膜形成法によって
設けられた膜状の圧電/電歪作動部を有する圧電/電歪
膜型素子において、かかるダイヤフラム部位を外方に凸
なる形状となし、その外面上に膜状の圧電/電歪作動部
を形成せしめたものであるが、そのような本発明の対象
とする圧電/電歪膜型素子の一例が、図1及び図2に示
されている。なお、ここに例示の具体例では、窓部は一
つとされている。
【0015】すなわち、それらの図において、セラミッ
ク基体2は、所定大きさの矩形の窓部6を有する支持体
としての所定厚さのベースプレート4と、その一方の面
に重ね合わされて、窓部6を覆蓋する薄肉のダイヤフラ
ム板8とから一体的に構成されており、かかるダイヤフ
ラム板8の前記ベースプレート4における窓部6に位置
する部分が、ダイヤフラム部位10とされているのであ
る。そして、この板状のセラミック基体2のダイヤフラ
ム部位10の外面上には、それぞれ薄膜状の下部電極1
2、圧電/電歪層14及び上部電極16が、通常の膜形
成手法によって順次積層形成されて、膜状の圧電/電歪
作動部18として、一体的に形成されている。なお、下
部電極12及び上部電極16には、良く知られているよ
うに、図示しないそれぞれのリード部を通じて、所定の
電圧が印加せしめられるようになっている。
【0016】従って、このような構造の圧電/電歪膜型
素子においては、それをアクチュエータとして機能させ
る場合には、その圧電/電歪作動部18を構成する二つ
の電極12、16間に、従来と同様にして通電が行なわ
れ、それによって圧電/電歪層14に電界が作用せしめ
られると、そのような電界に基づくところの電界誘起歪
みが惹起され、この電界誘起歪みの横効果にて、セラミ
ック基体2(ダイヤフラム部位10)の板面に垂直な方
向の屈曲変位乃至は力が発現せしめられることとなるの
である。
【0017】本発明は、かかる圧電/電歪膜型素子にお
いて、そのセラミック基体2のダイヤフラム部位10
を、図3に示されるように、外方に凸なる形状、換言す
れば窓部6とは反対側に突出した湾曲形状と為し、その
湾曲した外面に対して、圧電/電歪作動部18が形成さ
れるように構成したものであり、これによって、圧電/
電歪作動部18に発生する歪みや応力を効率よく変位に
変え、また隣接する圧電/電歪作動部18を同時駆動し
た際の変位低下率を効果的に小さく為し得たのである。
【0018】すなわち、図3に示される如く、上に凸な
る形状のダイヤフラム部位10の外面に形成された圧電
/電歪作動部18の駆動によって、素子の変位方向は、
図において下方(X方向)、換言すれば窓部6内に入り
込む方向となっているところから、駆動時における圧電
/電歪作動部18の発生応力の方向(図において矢印:
B方向)に応じて、ダイヤフラム部位10には、その基
部において、矢印:A方向の力が作用し、セラミック基
体2の本体部分(ベースプレート4部分)を押す方向に
力が働くこととなるのである。このため、隣接する圧電
/電歪作動部18を同時駆動しても変位量の低下が小さ
く、独立して駆動した場合に比して、変位量の変化を少
なく為し得るのである。しかも、ダイヤフラム部位10
の外方に凸なる形状の外面に対して、圧電/電歪作動部
18(具体的には、少なくとも下部電極12及び圧電/
電歪層14)が形成されていることによって、当該部位
の剛性が有利に高められ得ることとなる。また、そのよ
うなダイヤフラム部位10の凸形状によって、該ダイヤ
フラム部位10の外側から窓部6内に入り込む方向の押
圧力に対して、それによる荷重が主にダイヤフラム部位
10に圧縮応力として入ることから、そのような方向か
らの押圧力に対する機械的強度に優れたものともなるの
であり、更には圧電/電歪作動部18を含むダイヤフラ
ム部位10の固有振動数が大きくなり、応答速度が速く
なる特徴をも発揮するのである。
【0019】なお、この圧電/電歪膜型素子において、
そのセラミック基体2におけるダイヤフラム部位10の
外方に凸なる形状の突出量としては、本発明の目的が達
成され得るように適宜に決定されることとなるが、一般
に有効な変位量を確保する上において、その突出量は、
セラミック基体2における窓部6の中心を通る最短寸法
(m)に対するダイヤフラム部位10の中央部付近の突
出し量(h)、換言すれば最大突出し量(h)を百分率
にて表した突出し率〔y=(h/m)×100〕が50
%以下とされ、特に大きな変位量を得るためには、その
突出量は、有利には、窓部6の中心を通る最短寸法の5
%以下〔(h/m)×100≦5〕とされることとな
る。
【0020】また、このような本発明に従う圧電/電歪
膜型素子において、その圧電/電歪作動部18が形成さ
れるセラミック基体2を与える材料としては、公知の各
種の材料が適宜に選択して用いられ得るが、一般に、安
定化ジルコニア材料、部分安定化ジルコニア材料、アル
ミナ材料及びこれらの混合材料等が好適に用いられ、中
でも、特に本発明者らが特開平5−270912号公報
において明らかにした如き、酸化イットリウム等の化合
物を添加せしめて、結晶相が主として正方晶、若しくは
主として立方晶、正方晶、単斜晶のうち少なくとも2種
以上の結晶相からなる混晶とすることで、部分安定化さ
れたジルコニアを主成分とする材料が好ましく使用され
る。そのような材料から形成されるセラミック基体2
は、薄い板厚においても、大きな機械的強度や高靱性を
示し、また圧電/電歪材料との化学的な反応も少ない等
の特徴を発揮するからである。なお、セラミック基体2
は、金型や超音波加工等の機械加工法を用いて、窓部6
となる空孔部を設けた、ベースプレート4を与えるグリ
ーンシートに、ダイヤフラム板8(ダイヤフラム部位1
0)を与える薄いグリーンシートを積層、熱圧着した
後、焼成、一体化することによって作製することが、高
い信頼性の点から好ましい。また、そのようなセラミッ
ク基体2の圧電/電歪作動部18が形成されるダイヤフ
ラム部位10を構成するセラミックは、機械的強度の点
より、一般に5μm以下、望ましくは2μm以下の結晶
粒子径を有していることが好ましく、更にそのようなダ
イヤフラム部位10における厚さとしては、素子の高速
応答性と大きな変位を得るために、一般に50μm以
下、好ましくは30μm以下、より好ましくは15μm
以下とすることが望ましい。
【0021】さらに、かかるベースプレート4やダイヤ
フラム板8を与える各グリーンシートは、それぞれ、複
数枚のシート成分の重ね合わせによって形成することも
可能である。また、ここでは、セラミック基体2の窓部
6の形状、換言すればダイヤフラム部位10の形状は、
矩形(四角形)形状とされているが、これに限定される
ものではなく、圧電/電歪膜型素子の用途に応じて、例
えば、円形、多角形、楕円形等、またはこれらを組み合
わせた形状等、任意の形状が適宜に選択されることとな
る。それらの窓部6の形状において、その中心を通る最
短寸法(m)とは、例えば円形においては、その直径、
例示の矩形においては、その短辺長さ、更に楕円形にお
いては、その短軸長さ等に相当するものである。
【0022】そして、かくして得られるセラミック基体
2のダイヤフラム部位10上に、所定の電極12、16
及び圧電/電歪層14を設けて、圧電/電歪作動部18
を形成するには、公知の各種の膜形成手法が適宜に採用
されることとなるが、圧電/電歪層14の形成にあたっ
ては、スクリーン印刷、スプレー、コーティング、ディ
ッピング、塗布等による厚膜形成手法が好適に採用され
る。この厚膜形成手法を用いれば、平均粒子径が0.0
1μm〜7μm程度の、好ましくは0.05μm〜5μ
m程度の圧電/電歪セラミック粒子を主成分とするペー
ストやスラリーを用いて、セラミック基体2のダイヤフ
ラム部位10の外面上に、膜形成することが出来、良好
な素子特性が得られるからである。そして、この厚膜形
成手法の中でも、微細なパターニングが安価に形成出来
ると言う点で、スクリーン印刷法が特に好ましく用いら
れる。なお、圧電/電歪層14の厚さとしては、低作動
電圧で大きな変位等を得るために、好ましくは50μm
以下、更に好ましくは3μm以上、40μm以下とされ
ることが望ましい。
【0023】なお、かかる圧電/電歪作動部18を構成
する下部電極12や、上部電極16を与える電極材料と
しては、高温酸化雰囲気に耐えられる導体であれば、特
に規制されるものではなく、例えば金属単体であって
も、合金であっても良く、また絶縁性セラミックスと金
属単体、若しくはその合金との混合物であっても、更に
は導電性セラミックスであっても、何等差し支えない。
尤も、より好ましくは、白金、パラジウム、ロジウム等
の高融点貴金属類、或いは銀−パラジウム、銀−白金、
白金−パラジウム等の合金を主成分とする電極材料、或
いは白金とセラミック基体材料や圧電材料とのサーメッ
ト材料が好適に用いられる。その中でも、更に好ましく
は、白金のみ、若しくは白金系の合金を主成分とする材
料が望ましい。なお、電極材料中に添加せしめるセラミ
ック基体材料の割合は、5〜30体積%程度が好まし
く、また圧電/電歪材料の割合は、5〜20体積%程度
であることが好ましい。
【0024】そして、各電極12、16は、それぞれ、
かかる導体材料を用いて、前記した厚膜形成手法若しく
は、スパッタリング、イオンビーム、真空蒸着、イオン
プレーティング、CVD、メッキ等の薄膜形成手法によ
る通常の膜形成手法に従って形成されることとなるが、
中でも、下部電極12の形成に関しては、スクリーン印
刷、スプレー、ディッピング、塗布等の厚膜形成手法が
好ましく採用され、また上部電極16にあっても、同様
な厚膜形成手法の他、前記した薄膜形成手法も好適に採
用され、そしてそれら電極12、16は、何れも、一般
に20μm以下、好ましくは5μm以下の厚さにおいて
形成されることとなる。なお、これら電極12、16の
厚さに、圧電/電歪層14の厚さを加えた、圧電/電歪
作動部18の全体の厚さとしては、一般に100μm以
下、好ましくは50μm以下とされる。
【0025】また、圧電/電歪作動部18における膜状
の圧電/電歪層14を与える圧電/電歪材料としては、
好ましくは、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT系)を主成
分とする材料、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)を
主成分とする材料、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)を
主成分とする材料、マンガンニオブ酸鉛を主成分とする
材料、アンチモンスズ酸鉛を主成分とする材料、亜鉛ニ
オブ酸鉛を主成分と材料、チタン酸鉛を主成分とする材
料、マグネシウムタンタル酸鉛を主成分とする材料、ニ
ッケルタンタル酸鉛を主成分とする材料、更にはこれら
の複合材料等が用いられる。更に、これら圧電/電歪材
料に、ランタン、バリウム、ニオブ、亜鉛、セリウム、
カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イッ
トリウム、タンタル、タングステン、ニッケル、マンガ
ン、リチウム、ストロンチウム、ビスマス等の酸化物
や、それらの他の化合物を、添加物として含有せしめた
材料、例えばPLZT系となるように、前記材料に所定
の添加物を適宜に加えたものも、好適に使用される。
【0026】そして、これらの圧電/電歪材料の中で
も、マグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛とチタン酸
鉛とからなる成分を主成分とする材料、ニッケルニオブ
酸鉛とマグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛とチタン
酸鉛とからなる成分を主成分とする材料、マグネシウム
ニオブ酸鉛とニッケルタンタル酸鉛とジルコン酸鉛とチ
タン酸鉛とからなる成分を主成分とする材料、若しくは
マグネシウムタンタル酸鉛とマグネシウムニオブ酸鉛と
ジルコン酸鉛とチタン酸鉛とからなる成分を主成分とす
る材料、更には、これらの材料の鉛の一部をストロンチ
ウム及び/又はランタンで置換したもの等が有利に用い
られ、前記したスクリーン印刷等の厚膜形成手法で圧電
/電歪層14を形成する場合の材料として、推奨され
る。なお、多成分系圧電/電歪材料の場合、成分の組成
によって、圧電/電歪特性が変化するが、本発明で好適
に採用されるマグネシウムニオブ酸鉛−ジルコン酸鉛−
チタン酸鉛の3成分系材料や、マグネシウムニオブ酸鉛
−ニッケルタンタル酸鉛−ジルコン酸鉛−チタン酸鉛、
並びにマグネシウムタンタル酸鉛−マグネシウムニオブ
酸鉛−ジルコン酸鉛−チタン酸鉛の4成分系材料では、
擬立方晶−正方晶−菱面体晶の相境界付近の組成が好ま
しく、特にマグネシウムニオブ酸鉛:15〜50モル
%、ジルコン酸鉛:10〜45モル%、チタン酸鉛:3
0〜45モル%の組成や、マグネシウムニオブ酸鉛:1
5〜50モル%、ニッケルタンタル酸鉛:10〜40モ
ル%、ジルコン酸鉛:10〜45モル%、チタン酸鉛:
30〜45モル%の組成、更にはマグネシウムニオブ酸
鉛:15〜50モル%、マグネシウムタンタル酸鉛:1
0〜40モル%、ジルコン酸鉛:10〜45モル%、チ
タン酸鉛:30〜45モル%の組成が、高い圧電定数と
電気機械結合係数を有することから、有利に採用され
る。
【0027】また、上記の如くしてセラミック基体2に
おけるダイヤフラム部位10の外表面上に膜形成される
それぞれの膜(12、14、16)は、それぞれの膜の
形成の都度、熱処理(焼成)されて、セラミック基体
2、具体的にはダイヤフラム部位10と一体構造となる
ようにされても良く、また全部の膜を形成した後、同時
に熱処理(焼成)して、各膜が同時にダイヤフラム部位
10に一体的に結合せしめられるようにしても良い。な
お、電極膜(12、16)の形成手法の如何によって
は、かかる一体化のための電極膜の熱処理(焼成)を必
要としないことがある。また、このように形成された膜
とダイヤフラム部位とを一体化するための熱処理(焼
成)温度としては、一般に500℃〜1400℃程度の
温度が採用され、特に好ましくは、1000℃〜140
0℃の範囲の温度が有利に選択される。更に、膜状の圧
電/電歪層14を熱処理(焼成)する場合には、高温時
に圧電/電歪層の組成が不安定とならないように、その
ような圧電/電歪材料の蒸発源と共に、雰囲気制御を行
ないながら、熱処理(焼成)することが好ましい他、圧
電/電歪層14上に適当な覆蓋部材を載置して、該圧電
/電歪層14の表面が焼成雰囲気に直接に露呈されない
ようにして焼成する手法を採用することも推奨される。
その場合、覆蓋部材としては、基体と同様な材料系のも
のが用いられることとなる。
【0028】ところで、かくの如き構成の圧電/電歪膜
型素子は、当業者の知識に基づいて各種の手法によって
製造され、例えば、セラミック基板2部分の熱膨張率と
圧電/電歪作動部18部分の熱膨張率を制御して、かか
る圧電/電歪作動部18の圧電/電歪層14の焼成と同
時に、セラミック基板2のダイヤフラム部位10を凸形
状とする方法;圧電/電歪作動部18の圧電/電歪層1
4を焼成する際に、ダイヤフラム部位10に押圧力を作
用せしめて、外方に凸なる形状とする方法;圧電/電歪
作動部18の圧電/電歪層14の焼成収縮率を考慮しつ
つ、上記の二つの熱膨張率を制御する方法等、圧電/電
歪作動部18(具体的には、少なくとも下部電極12及
び圧電/電歪層14)の形成と同時にダイヤフラム部位
10の外方への凸形状を形成する手法が採用可能である
が、有利には、図4に示されているように、ダイヤフラ
ム部位10が外方に突出せしめられてなるセラミック基
体2を予め準備し、そのダイヤフラム部位10の外方に
凸なる外面上に、所定の圧電/電歪作動部18を形成せ
しめる手法が、工業的生産性の点より、好適に採用され
ることとなる。
【0029】すなわち、かかる有利な方法は、図4の
(a)に示されている如く、先ず、セラミック基体2に
おけるダイヤフラム部位10が外方に凸なる形状、換言
すれば窓部6とは反対側に突出した形状(突出量:H)
を呈するものを準備し、次いで、(b)に示される如
く、かかる外方に凸なる形状のダイヤフラム部位10の
外面上に、膜形成法によって下部電極12及び圧電/電
歪層14を順次層状に形成し、更に必要に応じて上部電
極16を形成した後、該圧電/電歪層14の焼成を行な
うことにより、(c)に示される如き、目的とする圧電
/電歪膜型素子を製造するようにしたものである。そし
て、かかる圧電/電歪層14の焼成によって惹起される
焼成収縮は、ダイヤフラム部位10の大きな凸形状(突
出量:H)によって吸収され、これによって焼成後にお
けるダイヤフラム部位10の突出量:hは小さくなるの
であり(h<H)、以て圧電/電歪層14の焼成収縮時
に発生する応力が効果的に小さく為され、また、圧電/
電歪層14の焼結が効果的に進行せしめられ得て、その
緻密度が有利に向上せしめられ得るのである。
【0030】なお、かかる方法に用いられる、ダイヤフ
ラム部位10が外方に凸なる形状を呈するセラミック基
体2は、それを構成するベースプレート4及びダイヤフ
ラム板8(図1及び図2参照)の焼結速度や収縮率を制
御したり、焼成前にダイヤフラム板8の形状を調節した
りする方法や、それらの熱膨張差を利用して、突出せし
める方法等によって、容易に得ることが出来る。より具
体的には、ダイヤフラム板8を与えるグリーンシートの
焼結を先に進行させ、ベースプレート4を与えるグリー
ンシートの焼結を遅らせたり、ダイヤフラム板8用グリ
ーンシートの焼結による収縮率よりもベースプレート4
用グリーンシートの焼成収縮率を大きくして、それらの
焼結収縮差を利用して、ダイヤフラム部位10を外方に
突出するようにするのである。
【0031】また、かかるセラミック基体2におけるダ
イヤフラム部位10の圧電/電歪作動部18の形成され
る前の突出量:Hとしては、圧電/電歪層14の焼成収
縮率や最終的なダイヤフラム部位10の突出量:hの度
合い等によって、適宜に決定されることとなるが、一般
的には、窓部6の中心を通る最短寸法(m)の1〜55
%、好ましくは2〜10%が有利に採用されることとな
る。けだし、この突出量:Hが小さすぎる場合にあって
は、圧電/電歪層14の焼成によって、ダイヤフラム部
位10が内方に凹陥するようになるからであり、またそ
れが大きくなり過ぎると、圧電/電歪作動部18の駆動
によって、有効な変位を発生させることが困難となるか
らである。
【0032】さらに、かかる方法において、セラミック
基体2におけるダイヤフラム部位10の外面上の所定部
位に形成される下部電極12や圧電/電歪層14や上部
電極16は、何れも、前記した膜形成法によって形成さ
れ、そして前記した焼成温度条件下において焼成される
ことによって、それぞれ、前述の如き目的とする厚さの
層として仕上げられ、以て圧電/電歪作動部18がダイ
ヤフラム部位10上に一体的に形成されるのである。な
お、圧電/電歪層14の焼成は、それを下部電極12上
に形成した段階において(従って上部電極16は、形成
されていない)行なうことが望ましいが、更にその上に
上部電極16を形成した形態において圧電/電歪層14
の焼成を実施しても、何等差し支えない。
【0033】このようにして得られる本発明に従う圧電
/電歪膜型素子は、そのダイヤフラム部位において外方
に凸なる形状を有していることによって、当該部位の剛
性が高く、またダイヤフラム部位外側からの押圧力に対
する機械的強度に優れ、更に固有振動数が大きくて、応
答速度が速いという特徴を有すると共に、隣接する圧電
/電歪作動部を同時駆動させた場合における変位量が、
それぞれの単独駆動の場合の変位量と殆ど変わることが
ないという、格別の特徴を発揮するものであって、これ
によりセンサやアクチュエ−タ等の各種の用途に有利に
用いられ得ることとなったのである。
【0034】尤も、この本発明に従う圧電/電歪膜型素
子は、そのダイヤフラム部位の外面側に設けられた圧電
/電歪作動部による作動によって、その変位が効果的に
為され得るようになっているところから、各種の圧電/
電歪膜型素子として有利に用いられ得るものである。す
なわち、フィルター、加速度センサや衝撃センサ等の各
種センサ、トランス、マイクロホン、発音体(スピーカ
等)、動力用や通信用の振動子や発振子の他、ディスプ
レイや内野研二著(日本工業技術センター編)「圧電/
電歪アクチュエータ 基礎から応用まで」(森北出版)
に記載のサーボ変位素子、パルス駆動モータ、超音波モ
ータ等に用いられるユニモルフ型等の、屈曲変位を発生
させるタイプの圧電/電歪膜型アクチュエータとして、
特に有利に用いられ得るのである。
【0035】因みに、図5には、本発明に従う圧電/電
歪膜型素子の一例が概略的に示されており、また図6に
は、その分解斜視図が示されている。そして、そこに図
示される圧電/電歪膜型素子20は、セラミック基体2
2とそのダイヤフラム部位(26)の外方に突出した外
表面に配置された圧電/電歪作動部24とが一体化され
てなる構造とされており、その圧電/電歪作動部24
が、印加電圧に従い、セラミック基体22の薄肉のダイ
ヤフラム部位(26)を屈曲変形せしめるようになって
いる。
【0036】より詳細には、セラミック基体22は、そ
れぞれ、ジルコニア材料からなる薄肉の平板形状を呈す
る閉塞プレート(ダイヤフラム板)26と接続プレート
(ベースプレート)28が同じくジルコニア材料からな
るスペーサプレート(ベースプレート)30を挟んで重
ね合わされてなる構造をもって、一体的に形成されてい
る。そして、接続プレート28には、所定の間隔を隔て
て連通用開孔部32の複数(ここでは3個)が形成さ
れ、外部との連通部となるように構成されている。な
お、この連通用開孔部32の個数、形状、寸法、位置等
は、圧電/電歪膜型素子20の用途に応じて適宜に選定
されることとなる。また、スペーサプレート30には、
正方形状の窓部36が複数個(ここでは3個)形成され
ている。そして、それら各窓部36に対して、前記接続
プレート28に設けられた各1つの連通用開孔部32が
開孔せしめられるように、かかるスペーサプレート30
が、接続プレート28に対して重ね合わされているので
ある。更にまた、このスペーサプレート30における接
続プレート28が重ね合わされた側とは反対側の面に
は、閉塞プレート26が重ね合わされており、この閉塞
プレート26にて窓部36の開孔が覆蓋されている。そ
れによって、セラミック基体22の内部には、連通用開
孔部32を通じて、外部に連通された加圧室38が形成
されているのである。なお、このようなセラミック基体
22は、前述せるように、所定のセラミック材料、ここ
ではジルコニア材料を用いて、一体焼成品として形成さ
れている。また、ここでは、閉塞プレート(ダイヤフラ
ム板)とスペーサプレート(ベースプレート)と接続プ
レート(ベースプレート)とから構成される3層構造品
を例示したが、4層構造品或いは、図7に示すようなそ
れ以上の多層構造品とすることも可能である。なお、図
7において、46、48は、それぞれ中間室及び連通孔
を示す。
【0037】また、かかるセラミック基体22には、そ
の閉塞プレート26の外面上における、各加圧室38に
対応する部位に、それぞれ、膜状の圧電/電歪作動部2
4が設けられている。この圧電/電歪作動部24は、セ
ラミック基体22の窓部36部位に位置する閉塞プレー
ト26部分、即ちダイヤフラム部位の外面上に、下部電
極40、圧電/電歪層42及び上部電極44を膜形成法
によって順次形成することにより、構成されたものであ
る。
【0038】従って、このようなセラミック基体22の
ダイヤフラム部位(26)上に圧電/電歪作動部24が
一体的に設けられてなる圧電/電歪膜型素子20にあっ
ては、その圧電/電歪作動部24の作動に基づいて、加
圧室38内が加圧せしめられることとなり、以てかかる
加圧室38内の流体の吐出が効果的に実現され得るので
ある。また、本構造の圧電/電歪膜型素子は、アクチュ
エータとしてだけでなく、ダイヤフラム部の屈曲変位を
電圧信号として取り出し、センサとしても使用され得る
ものである。
【0039】このように、本発明に従う圧電/電歪膜型
素子は、アクチュエータやセンサとして、有利にはディ
スプレイ、スピーカー、サーボ変位素子、パルス駆動モ
ータ、超音波モータ、加速度センサ、衝撃センサの構成
部材に用いられ得るものであるが、勿論、その他の公知
の各種用途にも有利に用いられ得ることは、言うまでも
ないところである。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって何等の制約をも受
けるものでないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが理解されるべ
きである。
【0041】実施例 1 矩形形状のセラミック基体の長手方向に、図6と同様な
配列形態にて、0.2mmの間隔を隔てて、0.5mm
×0.7mmの大きさの矩形の窓部が、該矩形の窓部の
0.5mmの長さを有する辺の延びる方向に沿って4個
配列されてなると共に、それら窓部が、10μmの厚み
のダイヤフラム部にて、覆蓋されてなる一体的構造のセ
ラミック基体を準備した。なお、このセラミック基体
は、その基体本体部及びダイヤフラム部共に、平均粒径
0.4μmの、イットリアで部分安定化されたジルコニ
ア材料の粉末を用いて成形されたグリーンシートを使用
して、常法に従って成形、焼成されたものであり、その
基体本体部の厚さは、焼成後に200μmとなるように
した。
【0042】そして、このセラミック基体のダイヤフラ
ム部の外面上の所定位置に、白金ペーストを用いて、ス
クリーン印刷法により、焼成後の厚みが5μmとなるよ
うに印刷し、120℃で10分間乾燥した後、1350
℃で2時間焼成することにより、下部電極を形成し、更
にこの下部電極上に、圧電/電歪材料としてマグネシウ
ムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛とチタン酸鉛とからなる材
料を用いて、焼成後の厚みが30μmとなるように、ス
クリーン印刷法により印刷し、120℃で20分間乾燥
した後、1300℃で圧電/電歪層の焼成を行なって、
圧電/電歪層を形成した。更に、このようにしてダイヤ
フラム部上に下部電極及び圧電/電歪層の形成されたセ
ラミック基体を用い、それぞれの窓部内に、凸形状をし
たアルミナセラミックピンを嵌入せしめ、それぞれのダ
イヤフラム部を内側(下部電極や圧電/電歪層の形成さ
れていない側)から押圧せしめて、1300℃の温度で
再焼成することにより、それぞれのダイヤフラム部が外
方に20μm(h)の割合で突出せしめられた形状のセ
ラミック基体を得た。
【0043】その後、こうして得られたセラミック基体
の外方に凸なる形状のダイヤフラム部上に設けられてい
る下部電極及び圧電/電歪層の上に、更に上部電極とし
て、Cr薄膜及びCu薄膜をスパッタリング法にて形成
し、以て目的とする圧電/電歪膜型素子(本発明素子)
を得た。なお、上部電極の厚さは、全体として0.3μ
mとした。また、この得られた圧電/電歪膜型素子にお
ける各圧電/電歪作動部の上部電極と下部電極との間
に、100Vの電圧を掛けて、それぞれ分極処理せしめ
た。
【0044】一方、従来素子として、前記で準備したセ
ラミック基体を用い、そのダイヤフラム部上に、導電性
接着剤を使用して、厚さ30μmの圧電/電歪材料の板
を貼り付けて、従来と同様な圧電/電歪素子を作製し
た。
【0045】かくして得られた二つの素子について、各
圧電/電歪作動部に電圧を印加せしめて駆動させた場合
における全駆動時の変位量/単独駆動時の変位量の割合
を求めると共に、各素子のダイヤフラム部の固有振動数
及び破壊荷重を求めて、その結果を、下記表1に示し
た。
【0046】なお、各素子における圧電/電歪作動部の
作動評価においては、分極処理と同様な方向に電圧30
Vを各素子の各圧電/電歪作動部の上部電極と下部電極
との間に印加し、レーザードップラー装置により、各圧
電/電歪作動部の変位量(単独変位量)をそれぞれ測定
すると共に、その固有振動数を測定した。また、各素子
の4個の圧電/電歪作動部の全部に30Vの電圧を印加
し、それぞれの圧電/電歪作動部の変位量を測定し、そ
の平均値を全駆動時の変位量とした。そして、これら得
られた値より、(全駆動変位量/単独変位量)×100
(%)にて全駆動/単独駆動変位量の比(%)を算出し
た。更に、破壊荷重は、各素子のそれぞれのダイヤフラ
ム部の中央付近を外側(下部電極や圧電/電歪層の形成
されている側)から0.2mm径の圧子によって押圧
し、その破壊荷重を求めた。
【0047】
【0048】かかる表1の結果から明らかなように、本
発明に従ってセラミック基体のダイヤフラム部を外方に
凸なる形状とし、その凸形状の外面に圧電/電歪作動部
を形成せしめた素子にあっては、圧電/電歪作動部の全
駆動時の変位量と単独駆動時の変位量とが略等しく、従
来素子の50%に比べて、著しく改善されていることが
認められる。また、固有振動数及び破壊荷重において
も、本発明に従う素子にあっては、従来素子に比べて、
顕著な改善効果が認められるのである。
【0049】実施例 2 3モル%イットリア部分安定化ジルコニア粉末:80重
量%とアルミナ粉末:20重量%とからなる、平均粒子
径0.4μmのセラミック混合粉末を用い、常法に従っ
て、バインダ、可塑剤及び有機溶剤を混合せしめて、ス
ラリーを調製し、このスラリーより、ドクターブレード
法にて、焼成後の厚みが200μmとなるように、ベー
スプレート用グリーンシートを成形した。
【0050】一方、平均粒子径0.3μmの3モル%イ
ットリア部分安定化ジルコニア粉末を用いて、常法に従
ってバインダ、可塑剤及び有機溶剤を配合してスラリー
を調製した後、リバースロールコータ装置にて焼成後の
厚みが10μmとなるように、ダイヤフラム板用グリー
ンシートを成形した。
【0051】その後、上記の如くして得られたベースプ
レート用グリーンシートを所定の金型にてパターン打抜
き(窓部の形成)した後、これに、上記で作製したダイ
ヤフラム板用グリーンシートを重ね合わせ、100kg
/cm2 の圧力下に、80℃×1分の条件にて熱圧着せし
めた。そして、この得られた一体積層物を1500℃の
温度で2時間焼成することにより、ダイヤフラム部が外
方に突出せしめられてなる(突出量:H=30μm)セ
ラミック基体を得た。
【0052】次いで、この得られたセラミック基体を用
い、その外方に突出されたダイヤフラム部の外面上に、
実施例1と同様にして、下部電極及び圧電/電歪層を形
成して、その焼成を行なったところ、かかるダイヤフラ
ム部の突出量は、実施例1と同様に、約20μm(=
h)となった。そして、この焼成された圧電/電歪層の
上に、実施例1と同様にして、上部電極を形成すること
により、本発明に従う圧電/電歪膜型素子を得た。
【0053】このようにして得られた圧電/電歪膜型素
子について、実施例1と同様にして全駆動/単独駆動変
位量、固有振動数及び破壊荷重を測定したところ、実施
例1における素子と同様な優れた結果が得られた。
【0054】実施例 3 再焼成時にセラミック基体のダイヤフラム部を押圧せし
めるアルミナセラミックピンの凸形状(突出し量)を変
えること以外は、実施例1と同様にして、本発明に従う
圧電/電歪膜型素子を作製した。なお、かかるアルミナ
セラミックピンの変更によって、本実施例にて得られた
素子は、そのダイヤフラム部が40μmの高さ(=h)
にて外方に凸なる形状となった。
【0055】かくして得られた圧電/電歪膜型素子につ
いて、実施例1と同様にして、全駆動/単独駆動変位
量、固有振動数、破壊荷重を測定し、その結果を、下記
表2に示した。なお、表2には、実施例1において得ら
れた本発明素子についての評価結果も併せて示されてい
るが、それらの評価結果の対比からも明らかな如く、セ
ラミック基板のダイヤフラム部の凸率を8%とすること
により、固有振動数及び破壊荷重において優れているこ
とが認められ、一方、単独駆動変位量においては、凸率
を4%とする方が、大きな変位を得ることが出来るので
ある。
【0056】 凸率:(h/m)×100(%)
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、セラミック基体の圧電/電歪作動部の設けら
れるダイヤフラム部位の剛性が効果的に高められ得、ま
た、そのダイヤフラム部位外側からの押圧に対する機械
的強度や固有振動数が効果的に大ならしめられ得て、そ
の応答速度が有利に高められ得ると共に、圧電/電歪作
動部に発生する歪みや応力を効率よく変位に変え得る等
の優れた特徴を有する圧電/電歪膜型素子が、効果的に
実現され得たのである。
【0058】また、本発明に従う圧電/電歪膜型素子に
おいては、その複数の圧電/電歪作動部を同時に駆動せ
しめた場合にあっても、それぞれの変位量が、それら圧
電/電歪作動部の単独駆動の場合に比して、それほど低
下するようなことがなく、それら圧電/電歪作動部の駆
動形態において、その変位量が変化する等の問題もな
く、均一な変位量を示し、品質の均一な素子となるので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う圧電/電歪膜型素子の基本的な構
造の一例を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示される圧電/電歪膜型素子の断面説明
図である。
【図3】図1に示される圧電/電歪膜型素子における窓
部の中心を通る最短寸法の方向(窓部6の短辺方向)に
おける断面の拡大説明図である。
【図4】本発明に従う圧電/電歪膜型素子の製造方法の
一例の工程を示す部分断面拡大説明図である。
【図5】本発明に係る圧電/電歪膜型素子の一例を示す
断面図である。
【図6】図5に示される圧電/電歪膜型素子の分解斜視
図である。
【図7】本発明に係る圧電/電歪膜型素子の他の一例を
示す断面図である。
【符号の説明】
2 セラミック基体 4 ベースプレート 6 窓部 8 ダイヤフラム板 10 ダイヤフラム部位 12 下部電極 14 圧電/電歪層 16 上部電極 18 圧電/電歪作動部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの窓部を有すると共に、
    該窓部を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部が一体
    に設けられてなるセラミック基体と、該ダイヤフラム部
    の外面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電
    極、圧電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧
    電/電歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子にして、 前記セラミック基体におけるダイヤフラム部が外方に凸
    なる形状を有し、該凸形状の外面上に前記膜状の圧電/
    電歪作動部が形成されていることを特徴とする圧電/電
    歪膜型素子。
  2. 【請求項2】 前記セラミック基体におけるダイヤフラ
    ム部の外方に凸なる形状の突出量が、前記窓部の中心を
    通る最短寸法の5%以下とされている請求項1に記載の
    圧電/電歪膜型素子。
  3. 【請求項3】 前記ダイヤフラム部の平均結晶粒子径
    が、5μm以下である請求項1又は請求項2に記載の圧
    電/電歪膜型素子。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤフラム部の厚さが、50μm
    以下である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の圧電
    /電歪膜型素子。
  5. 【請求項5】 前記圧電/電歪作動部の厚さが、100
    μm以下である請求項1乃至請求項4の何れかに記載の
    圧電/電歪膜型素子。
  6. 【請求項6】 前記セラミック基体が複数の窓部を有
    し、それら窓部に前記ダイヤフラム部がそれぞれ外方に
    凸なる形状に一体に形成されていると共に、該ダイヤフ
    ラム部の各々の外面上に、前記圧電/電歪作動部が形成
    されている請求項1乃至請求項5の何れかに記載の圧電
    /電歪膜型素子。
  7. 【請求項7】 少なくとも一つの窓部を有すると共に、
    該窓部を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部が一体
    に設けられてなるセラミック基体と、該ダイヤフラム部
    の外面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電
    極、圧電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧
    電/電歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子を製造す
    る方法にして、 前記セラミック基体におけるダイヤフラム部が外方に凸
    なる形状を呈するものを準備し、次いで該外方に凸なる
    形状のダイヤフラム部の外面上に、膜形成法によって前
    記下部電極及び圧電/電歪層を順次層状に形成し、更に
    必要に応じて前記上部電極を設けた後、かかる圧電/電
    歪層を焼成せしめて、該ダイヤフラム部の凸形状の外面
    上に少なくとも該下部電極及び圧電/電歪層を一体的に
    形成したことを特徴とする圧電/電歪膜型素子の製造方
    法。
JP1232795A 1994-06-03 1995-01-30 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3313531B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1232795A JP3313531B2 (ja) 1994-06-03 1995-01-30 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
CN95115543A CN1050229C (zh) 1994-08-11 1995-08-10 压电/电致伸缩膜元件及其制作方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12273294 1994-06-03
JP6-122732 1994-06-03
JP1232795A JP3313531B2 (ja) 1994-06-03 1995-01-30 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0851241A true JPH0851241A (ja) 1996-02-20
JP3313531B2 JP3313531B2 (ja) 2002-08-12

Family

ID=26347930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1232795A Expired - Lifetime JP3313531B2 (ja) 1994-06-03 1995-01-30 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3313531B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0899107A2 (en) * 1997-09-01 1999-03-03 Seiko Epson Corporation Ink-jet printer
WO2000052336A1 (fr) 1999-03-03 2000-09-08 Ngk Insulators, Ltd. Pompe
WO2000057494A1 (fr) * 1999-03-19 2000-09-28 Yoshiaki Nagaura Élément piézo-électrique et procédé de production
WO2001035469A1 (fr) * 1999-11-11 2001-05-17 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Dispositif piezo-electrique a film mince
US6407481B1 (en) 1999-03-05 2002-06-18 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive device having convexly curved diaphragm
US6586861B2 (en) 1998-11-12 2003-07-01 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Film bulk acoustic wave device
JP2006147840A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス
JP2006147839A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス
JP2006179832A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Tdk Corp 圧電素子
US7247972B2 (en) 2004-12-22 2007-07-24 Ngk Insulators, Ltd. Diaphragm structure
KR20220065645A (ko) * 2020-11-12 2022-05-20 한국전자통신연구원 저주파 진동 출력 소자 및 이를 포함하는 저주파 진동 출력 기구

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0899107A3 (en) * 1997-09-01 2000-01-19 Seiko Epson Corporation Ink-jet printer
EP0899107A2 (en) * 1997-09-01 1999-03-03 Seiko Epson Corporation Ink-jet printer
US6586861B2 (en) 1998-11-12 2003-07-01 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Film bulk acoustic wave device
US6682318B2 (en) 1999-03-03 2004-01-27 Ngk Insulators, Ltd. Pump
US6565331B1 (en) 1999-03-03 2003-05-20 Ngk Insulators, Ltd. Pump
US6666658B2 (en) 1999-03-03 2003-12-23 Ngk Insulators, Ltd. Microfluidic pump device
WO2000052336A1 (fr) 1999-03-03 2000-09-08 Ngk Insulators, Ltd. Pompe
US6407481B1 (en) 1999-03-05 2002-06-18 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive device having convexly curved diaphragm
WO2000057494A1 (fr) * 1999-03-19 2000-09-28 Yoshiaki Nagaura Élément piézo-électrique et procédé de production
WO2001035469A1 (fr) * 1999-11-11 2001-05-17 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Dispositif piezo-electrique a film mince
JP2006147840A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス
JP2006147839A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス
US7247972B2 (en) 2004-12-22 2007-07-24 Ngk Insulators, Ltd. Diaphragm structure
JP2006179832A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Tdk Corp 圧電素子
KR20220065645A (ko) * 2020-11-12 2022-05-20 한국전자통신연구원 저주파 진동 출력 소자 및 이를 포함하는 저주파 진동 출력 기구

Also Published As

Publication number Publication date
JP3313531B2 (ja) 2002-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3501860B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
JP3162584B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
US6088893A (en) Method for producing a piezoelectric/electrostrictive film-type element
US6049158A (en) Piezoelectric/electrostrictive film element having convex diaphragm portions and method of producing the same
JP3320596B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
US5852337A (en) Piezoelectric film-type element
EP1148561B1 (en) Piezoelectric/electrostrictive film type elements and process for producing the same
US5281888A (en) Piezoelectric/electrostrictive element having auxiliary electrode disposed between piezoelectric/electrostrictive layer and substrate
JP2693291B2 (ja) 圧電/電歪アクチュエータ
JP3313531B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
JP3482101B2 (ja) 圧電膜型素子
US20020149101A1 (en) Wiring board and method of manufacturing same
JPH07131086A (ja) 圧電膜型素子及びその処理方法並びにその駆動方法
JPH10246654A (ja) 機能性膜素子の製造方法
JP3366132B2 (ja) セラミックダイヤフラム構造体及びその製造方法
JP2003163386A (ja) 圧電/電歪デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080531

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100531

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100531

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110531

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120531

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120531

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130531

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130531

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140531

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term