JPH08509396A - 椎骨固定装置のための頂部締め付けクランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 脊椎固定装置は細長い脊椎ロッド（Ｒ）と、多数の椎骨固定素子（１０）とを含み、各固定素子は椎骨係合部分（１１）と、この椎骨係合部分から延びた一対のポストにより形成されたロッド係合部分（１２）とを有する。椎骨固定素子は、装置を締め付けるために取り付け箇所の頂部から直接接近できるようにする頂部装填クランプ（２０）によりそれぞれ脊椎ロッドに係合せしめられる。クランプは脊椎ロッド（Ｒ）を貫通収容するように形状付けられた細長いボア（２２）と、本体の上下両面から延びた一対のネジボア（２９）とを備え、各ネジボアはロッドボア（２２）と交差する。クランプは更に、本体から延びてクランプ表面（２７）を具備したＴ字状のバー（２６）で終端する突出片（２４）を備え、このクランプ表面は、細長いボアの方へ内側に向いていて、椎骨固定素子（１０）の対をなすポスト（１４）に係合するように形状付けられている。止めネジ（３０）はネジボア（２９）に螺入され、ロッドボア内に位置した脊椎ロッドに当接する。

Description

【発明の詳細な説明】 椎骨固定装置のための頂部締め付けクランプ 発明の背景 本発明は脊椎固定装置に関し、特に、固定素子を数個の椎骨に連結するベース を提供するサジタル面に隣接して細長いロッドを利用する装置に関する。詳細に は、本発明は、椎骨固定素子を細長い脊椎ロッドに係合させる方法の改良に関す る。 脊柱の湾曲を矯正して安定させ、脊柱の癒着を容易にするために使用するいく つかの技術や装置が開発されている。ある装置においては、屈曲可能なロッドを 脊柱即ちサジタル面に隣接して長手方向に配置し、多数の固定素子により脊柱の 長さに沿って種々の椎骨にロッドを固定する。椎骨の特定の部分に係合するよう に形造った種々の固定素子を提供できる。例えば、このような固定素子は脊椎用 の圧縮／拡散フックである。この型式のフックは椎骨板（Iaminae of vertebra ）に係合することによりロッドを係留するために使用される。別の固定素子は脊 椎ネジであり、このネジは椎骨の肉茎内に係合するための網状組織用ネジを含む 。 本発明に関連するこのようなロッド型式の脊椎固定装置の一例はダネック・メ ディカル社（Danek Medical Inc.）のＴＳＲＨ（登録商標名）脊椎装置である。 この装置においては、例えば第１図に示すフックＨの如き脊椎フックはアイボル ト組立体Ｅにより細長い固定ロッドＲに係合せしめられる。当業界で既知のよう に、アイボルトＥは脊柱ロッド上に装着され脊椎フックのヨーク内で拘束される 。次いで、アイボルトのネジポストにナットＮを螺合して、ナットと固定ロッド Ｒとの間でフックのヨークをクランプする。このようにして、アイボルトＥ及び フックＨのヨークは第１図に矢印にて示すような３度（方向）の固定を提供する 。上記ＴＲＲＨ脊椎移植装置の詳細は、１９９０年に発行された上記ダネック・ メディカル社による文献「ＴＳＲＨ外科技術マニュアル」（Sergical Technique Manual）に記載されている。 上記ＴＲＲＨ脊椎移植装置の如き脊椎移植装置を使用する外科医が目指すこと は、脊椎フック又は骨用ネジの如き椎骨固定素子を適当な手術位置で脊椎に適用 し、次いで、各固定素子を脊椎ロッドに係合させることである。第１、２図に示 すような従来の脊椎フックＨにおける１つの問題点は、フックの固定ヨークが脊 椎ロッドＲを取り巻くように形状付けられているので、かなり大型で幅広いこと である。更に、フックＨの如きフックは、椎骨に対するフックのシューの必要な 位置によって決まるような、脊柱に関して１つの位置でのみしか移植できないこ とが判明している。 第１、２図に示す従来の装置の有する上述及びその他の問題点を解決するため 、新しい脊椎固定素子が開発された。このような固定素子の１つ、即ち脊椎フッ ク１０は第３、４図に示すもので、骨係合表面１２を有するシュー１１を含む。 骨係合表面１２は、例えば椎骨板に係合するように任意の既知の形状に形成でき る。シュー１１と一体の頂部分１５はＵ字の形に互いに離れて位置した一対のポ スト１４を形成し、これらポスト間に溝穴１５が画定される。溝穴１５は第１、 ２図に示すアイボルト組立体Ｅの如きアイボルト組立体を受け入れるのに十分な 幅を有する。フック１０の各横表面１８に形成された一対の同軸の溝１６はそれ ぞれ第１、２図にに示すロッドＲの如き脊椎ロッドの一部を受け入れるように形 状付けられている。これらのロッド溝１６はポスト１４の各横表面１８上に存在 していて、フック１０を脊椎ロッドのいずれかの側で配向できる。各端面１９に 設けた溝穴１７はフック保持挿入器具に係合できる。 別の新たに開発された椎骨固定素子は、可変角度の脊椎ネジである。この可変 角度のネジ装置の詳細を第１０図に示す。特に、このネジ７０は骨係合又は網状 組織用ネジ部を備えたシャンク部７１を有する。ネジ７０はまた、このネジ７０ を脊椎ロッドに連結するための特殊に設計されたコネクタに係合するように形状 付けられたＵ字状の溝穴開口７４を画定する一対のポストにより形成された上方 ヨーク７３を有する。ネジ７０は半径方向のスプライン７７を有する櫛状の（凹 凸の）面７６を具備する。 第３、４図の中央ポストフック１０及び第１０図の可変角度ネジ７０は上記ダ ネック・メディカル社により提供されたＴＲＳＨ装置の如きロッド型式の脊椎移 植装置の融通性を増大させることを諒解されたい。しかし、これら新たに開発さ れた固定装置及び第１図に示す従来のフックＨに共通の１つの特徴は、脊椎ロッ ドに固定素子を係合するために使用されるアイボルト組立体Ｅが「横方向での締 め付け」に依存していることである。換言すれば、アイボルトＥのネジポスト及 びこのポストに係合するナットＮは共に、第１、２図に示すように、脊椎ロッド Ｒから離れるように横方向に突出している。実際には、ナットをアイボルト組立 体Ｅ上で締め付けるためのレンチにナットＮを係合させることがかなり厄介であ ることが判明した。更に、レンチのハンドルが周囲の組織に接触するまでにレン チを１回転より小さな角度だけ回転させれば済むような簡単な機構が考えられる 。ただし、この場合は、レンチをナットから一旦離し、更なるレンチの回転のた めにレンチをナットに再度係合させる必要がある。ラチェット型式のレンチ装置 はこの種の作業には適さない。その理由は、ラチェット機構に必要な横方向の最 低スペースだけでは周囲の組織に衝突する恐れがあり、手術箇所では一層大きな スペースを確保する必要があるからである。 脊椎及び整形外科分野における処置では、主として背中下部の痛みがあれば、 早急に手術を行う。従来、背中下部の痛みを軽減するための又は脊椎の変形や損 傷を直すための外科技術は、かなり複雑で、広範囲に及ぶ手術が必要であった。 近代における目標は、脊椎に対する取り付けの際に必要な患者内への侵入の度合 いを大幅に少させ、処置中及び脊椎に対する取り付けの終了後に、取り付け部を 取り巻く組織の外傷の量を減少させることである。 最小侵入量による脊椎手術技術のための価値ある目標における１つの試みは、 適所において種々の椎骨固定素子を脊椎ロッドにクランプするための改良された 手段を提供することである。このような装置は従来装置に必要とされた横方向で の締め付けを排除すべきである。更に、このような装置は新たに開発された中央 ポストフック及び可変角度ネジ固定素子により得られる融通性を維持すべきであ る。本発明の目的は上述及びその他の問題を解決することである。 発明の概要 本発明は、特に脊椎に隣接して配置されるように形状付けられた細長い脊椎ロ ッドを利用して、数個の椎骨レベル間で患者の脊椎に係合するようになった脊椎 固定装置に関する。この装置は椎骨係合部分とロッド係合部分とをそれぞれ備え た 多数の椎骨固定素子を含む。本発明によれば、ロッド係合部分は椎骨係合部分か ら延びた一対のポストを有する型式のもので、これらのポストはその間に溝穴開 口を画定する。ポストの対向する横表面は、特に各横表面に形成された同軸の溝 により、脊椎ロッドに係合するように形状付けられている。頂部装填クランプが 設けられ、椎骨固定素子を脊椎ロッドにクランプして、ロッド上でのクランプの 頂部（上方からの）締め付けを可能にする。クランプは脊椎ロッドを貫通収容す るように形状付けられた細長いボアを備えた本体を有し、長手軸に沿って脊椎ロ ッドの直径より大きな長さを有し、少なくとも初期にはロッドをボア内で摺動で きるようにする。本体は更に、本体両側の上下表面から延びる第１及び第２のネ ジボアを備え、これらのボアは細長いボアと交差する。止めネジをいずれかのネ ジボア及びロッドボア内に螺入し、ボア内に位置した脊椎ロッドに当接させるこ とができる。 頂部装填クランプは更に、細長いボアの長手軸に実質上平行に本体から延びた 突起あるいは突出片を有する。この突起はＴ字状のバーで終端し、このバーは、 ロッドが細長いボアを通って延びるときに、脊椎ロッドの長手軸に実質上平行に 位置する。Ｔ字状のバーは、細長いボアの方へ内方に向いていて、椎骨固定素子 の各ポストの横表面に係合するように形状付けられたクランプ表面を有する。 頂部装填クランプは椎骨固定素子のポストを脊椎ロッドにクランプするための 手段を提供する。特に、止めネジがロッドボア内に更に螺入されたときに、ロッ ド及び固定素子は止めネジとＴ字状のバーのクランプ表面との間でクランプされ る。本発明のクランプは、装置の頂部締め付け（すなわち、脊椎ロッドに関して 横方向からではなく、取り付け箇所の上方からの締め付け）を許容した状態で素 子を一緒にクランプするための手段を提供する。 １実施例において、椎骨固定素子は脊椎フックから成る。別の実施例において は、固定素子は可変角度ネジであり、このネジはそのロッド係合部分の一面に半 径方向のスプラインを具備する。この実施例において、頂部装填クランプは脊椎 ロッドに係合するように形状付けられた第１表面と、可変角度ネジの半径方向の スプラインに係合するようになった複数個の半径方向のスプラインを備えた反対 側の第２表面とを有するワッシャを含む。このワッシャはＴ字状のバー上にワッ シャを挿入できるように形状付けられた貫通開口を有する。ワッシャは本体のハ ブ上でこれから抜け出ないように摺動自在に装着される。この実施例においては 、ワッシャは椎骨固定素子と脊椎ロッドとの間に位置し、止めネジを脊椎ロッド に当接させたときに、素子とロッドとの間でクランプされる。相互係合するスプ ラインは突起のまわりでの椎骨固定素子の回転を阻止する。 本発明の頂部装填クランプは取り付け箇所の直接上方からクランプ機構を締め 付けることができるという著しい利点を提供する。更に、２つのネジボアは、椎 骨に既に係合した椎骨固定素子に適合させるようにクランプを脊椎ロッドのいず れかの側で配向できる。本発明のその他の利点は添付図面を参照しての以下の詳 細な説明から明らかとなろう。 図面の簡単な説明 第１図は１つの従来の装置即ちＴＳＲＨ脊椎装置に従って形状付けられたアイ ボルト組立体により固定ロッドに係合せしめられた既知の構成の脊椎フックを示 す図、 第２図は第１図の装置を示す側面図で、標準のフックが腰椎の層のまわりに係 合している状態を示す図、 第３図は本発明の頂部締め付けクランプ組立体が係合するようになった最近の 構成の脊椎フックの側立図、 第４図は第３図に示す脊椎フックの端面図、 第５図は本発明の一実施例に係る頂部締め付けクランプ組立体の部分断面端面 図で、第４図に示す型式の脊椎フックを脊椎ロッドにクランプする状態を示す図 、 第６図は第５図に示す組立体の側立図、 第７図は第５図に示す組立体の上面図、 第８図は可変角度ネジと一緒に使用する頂部締め付けクランプ組立体の別の実 施例を示す図、 第９図は第８図に示す別の実施例の側立図、 第１０図は第８、９図に示す項部締め付けクランプ組立体と一緒に使用する可 変角度脊椎ネジを示す図である。 好ましい実施例の説明 以下、本発明の理解を容易にするため、図面を参照しながら本発明の実施例に つき説明するが、特定の用語は統一して使用することにする。ただし、これらの 実施例は本発明を限定するものではなく、種々の変形及び修正が可能であり、本 発明の更なる応用は当業者にとって容易に実行できることは言うまでもない。 発明の背景において説明したように、好ましい実施例における本発明は第３、 ４図に示す型式の新たに開発された脊椎フック又は第１０図に示す型式の新たに 開発された可変角度ネジに係合するようになったクランプ組立体に関する。しか し、他のフック及び骨用ネジも本発明のクランプ組立体と一緒に使用できること は言うまでもない。好ましい実施例のクランプ組立体はこれらの椎骨固定素子を 細長い脊椎ロッドに係合させるのに特に適する。 本発明の一実施例によれば、第５−７図に示すような頂部締め付けクランプ組 立体２０が提供される。この組立体２０はクランプ本体２１を有し、この本体は 好ましくはチタン又はステンレススチールの如き生化学的に矛盾のない金属で作 られる。クランプ本体２１はロッドＲの如き脊椎ロッドを挿通させるロッドボア ２２を具備する。第５図から、脊椎ロッドＲが、少なくとも初期の状態では、こ のロッドの長手軸に対して横方向に向いたボアの長手軸に沿ってボア内で移動で きるように、ロッドボア２２が細長くなっていることが分かる。１／４インチの 脊椎ロッドと一緒に使用するのに適したある特定の実施例においては、長手軸に 沿ったボアの長さは０．３５１インチである。ロッドボアの両端は脊椎ロッドの 直径より僅かに大きな半径にて形成されている。 クランプ本体２１は、クランプ組立体２０が患者内に配置されたときに、脊椎 ロッドに関して本体から横方向に延びる突起２４を有する。この突起２４はロッ ドボア２２の長手軸に対して実質上平行に延び、Ｔ字状のバー２６で終端する（ 突起２４と組合わさったバー２６が「Ｔ」の形を呈するからである）。Ｔ字状の バーはロッドボア２２を通って延びる脊椎ロッドＲの長手軸に対して実質上平行 に位置する。Ｔ字状のバーはロッドボアの方に向かって凸状に湾曲した内側に向 いた表面２７を何する。本発明に関連して用いる「内側」なる方向はロッドボア ２２及び脊椎ロッドＲに向かう方向を意味する。 クランプ本体２１は、Ｔ字状のバー２６の湾曲した内側表面２７とロッドボア ２２の最も近い地点との間の距離がロッドにクランプされるべき椎骨固定素子の 幅より小さくなるように、特殊に設計されている。好ましい実施例においては、 この固定素子は上述し第５図に明示したような中央ポストフック１０である。従 って、湾曲した内側表面２７上の最内側地点とロッドボア２２の最も近い地点と の間の距離２８（第５、７図）はフック１０のポスト１４の幅より小さい。この ように、脊椎ロッドＲは、ロッドボア２２の端部に衝突することなく、脊椎フッ ク１０の一側の溝１６に接触できる。第５図に示すように、クランプ組立体２０ は、脊椎フック１０が脊椎ロッドＲとＴ字状のバー２６の内側表面２７との間で 強固に係合されるように、構成されている。Ｔ字状のバーの表面２７は脊椎フッ ク１０のポスト１４の同軸溝１６の１つに適合するように形状付けられている。 １つの特定の脊椎フックを係合させるため、距離２８は０．１１０インチとする 。 クランプ本体２１は更に、一対のネジボア２９を備え、これらのネジボアは本 体の両側からロッドボア２２の方へ延び、ロッドボアと交差する。各ネジボア２ ９は止めネジ３０を螺入収容するようになっている。止めネジ３０はボア２９の ネジ部に適合するネジ部を有するネジステム３１と、種々の形状をとることので きる駆動ヘッド３２とを具備する。第５図において、駆動ヘッド３２は標準のソ ケットレンチを受け入れるように形状付けられているが、代わりに、駆動ヘッド ３２はアレンヘッドルンチを受け入れるように形状付けられてもよい。ネジステ ム３１の末端部に設けた輪郭先端部（チップ）３３は脊椎ロッドＲの表面に係合 するようになっている。好ましくは、第５図に示すように、チップ３３は球面円 錐状に形成されていて、チップの湾曲部に沿ってロッドと線接触する。ある特定 の実施例においては、チップ３３は１／４インチの脊椎ロッドと係合するように ０．１１５インチの半径にて形成される。代わりに、チップ３３を丸くしたり緩 い湾曲状にし、脊椎ロッドと点接触させるようにしてもよい。 チップ３３を球面円錐状に形成する場合、ボアに対して直角以外の角度でネジ ボア５２がロッドボア２２と交差するようにするのが好ましい。好ましくは、こ のボア５２は６０°から９０°までの角度でロッドボア２２と交差する。第５図 に示す特定の実施例においては、ネジボア５２は７４．５°の角度でロッドボア ２２と交差する。この角度は止めネジのチップ３３と脊椎ロッドＲとの間の強固 な接触を可能にすると共に、移植構造体の頂部からの駆動ヘッド３２の接近を可 能にする。 第５−７図に関連する上述の説明から、当業者にとっては、本発明のクランプ 組立体２０を使用する方法は明らかである。特に、既知の脊椎ロッド取り付け技 術によれば、フック１０の如き固定素子が取り付けを行う椎骨に接触するように 最初に位置決めされる。次いで、脊椎ロッドＲを適当に位置決めして、フック１ ０に係合できるようにさせる。代わりに、ロッドの両端において又は数個の椎骨 レベルでロッドに沿った種々の位置において、脊椎ロッドＲを剛直に位置決めし てもよい。この場合、脊椎ロッドの位置決めに続いて付加的な脊椎フックを追加 し、クランプ組立体２０を使用してフックをロッドに係合させることができる。 いずれの場合も、ロッドを患者の体内へ導入する前に、クランプ組立体２０を脊 椎ロッド上に予め配置する（即ち、ロッドＲをロッドボア２２に螺入する）こと が重要である。最初は、止めネジ３０をネジボア２９の１つに緩く螺入し、脊椎 ロッドとボア２２の壁との間に十分な自由遊びを与える。更に、クランプ組立体 ２０を、脊椎ロッドの長手方向に沿って、ロッドに係合させるべきフックの位置 まで長手方向に摺動させる。 クランプ組立体２０を脊椎フック１０に隣接して位置決めした後、両側のポス ト１４が突起２４を跨ぐように（すなわち、第６、７図に示すように、突起２４ が脊椎フック１０の溝穴１５を通って延びるように）フックを位置決めする。ク ランプ組立体２０を操作して、Ｔ字状のバー２６の湾曲した内側表面２７をフッ クの一方の横表面１８の溝１６に係合させることができる。脊椎ロッドＲと固定 フック１０との間でクランプ組立体２０を適正に配向した後、ネジボア２９に対 して止めネシ３０を締め付け、フック１０の溝１６に対して脊椎ロッドＲを接触 させ、押圧する。好ましくは、止めネジ３０を出来る限りボア内に螺入してきつ く締め付ける。これにより、クランプ組立体２０によって脊椎ロッドを固定素子 即ちフック１０にクランプするための十分な係合を提供できることが判明した。 クランプ組立体２０、特にクランブ本体２１は、本発明の組立体の融通性を増 すために一対の対向するネジボア２９を具備する。クランプ本体２１を脊椎ロッ ドに前以て係合させなければならないため、ロッドを適所に屈曲及び（又は）回 転させた後に、ロッドにクランプすべきフックロッドの一側又は反対側に位置さ せることが可能になる。例えば、フック１０はロッドＲの右側で係合している状 態を第５図に示す。しかし、全体の脊椎に対して取り付けを行った後、フックは ロッドＲの左側に実際存在することが分かった。この例においては、クランプ組 立体２０が左側に位置した脊椎フックに係合するようにその配向を変更できるこ とが絶対的に必要である。従って、この例では、クランプ本体２１を脊椎ロッド Ｒのまわりで回転させ、Ｔ字状のバー２６を脊椎ロッドの左（第５図）へ突出さ せることが必要で、この場合は、最下方のボア２９が上向きとなり、止めネジ３ ０を受け入れる。最も好ましくは、クランプ本体２１はロッドボア２２の長手軸 に関して対称的になっている。 本発明はまた、第１０図に示すネジ７０の如き可変角度ネジに容易に適用でき るようになっている。特に、この別の実施例を第８、９図に示す。もちろん、こ の別の実施例は第５−７図に示した実施例と同じ脊椎ロッドに係合するように形 状付けられていることを諒解されたい。しかし、図を明瞭にするために、脊椎ロ ッド及び可変角度ネジの特定の位置決めは図示していない。 第８、９図の別の実施例においては、クランプ組立体４０はロッドボア４２を 備えたクランプ本体４１を有し、この本体は第５図の本体２１と実質上同じ特徴 を有する。しかし、先の実施例からの修正として、クランプ本体４１はハブ４４ を画定し、このハブから円形の突起４６が延びている。好ましい実施例における ハブ４４は第９図に示すように実質上矩形の形状を有する。Ｔ字状のバー４８は 突起４６の端部に形成される。先の実施例からの更なる修正として、Ｔ字状のバ ー４８は湾曲した内側の表面を有さず、その代わりに、ロッドボア４２の方に向 いた平坦な内側表面４９を有する。先の実施例と同様、クランプ本体４１は止め ネジ５３に係合するようになった対向する内側に開いたネジボア５２を具備する 。 クランプ組立体４０は更に、凹凸状のワッシャ５５を有する。このワッシャ５ ５は寸法的及び形状的にハブ４４と同様に形状付けられた開口５６を有する。開 口５６及びハブ４４はほぼ同一の寸法を有し、ワッシャ５５をハブ４４上に挿入 できる。ハブ上でのワッシャ５５の保持を容易にするため、ワッシャは第８、９ 図に示す一対の拘束くぼみ５８を具備する。これらの拘束くぼみ５８はハブ４４ の被拘束部分４５を受け入れ、ハブからのワッシャの抜け出しを阻止する。ワッ シャをハブ上に配置したときに、拘束工具を使用してハブ４４を押圧し、被拘束 部分４５を形成することができる。この拘束動作は組立体４０を患者内に移植す る前即ち組立体を脊椎ロッドに係合させる前に行う。 ワッシャ５５をハブ上に装着できるようにするためには、Ｔ字状のバー４８を ワッシャの開口５６と同じ形状でしかも僅かに小さな寸法に形成することが重要 である。次いで、ワッシャ５５をＴ字状のバー４８に挿通して回転させ、第９図 に示すように、開口５６をＴ字状のバー４８の軸線に垂直に配向させる。 ハブ４４上に装着した後、本体４１と被拘束部分４５との間でワッシャ５５を ハブに沿って摺動させることができる。ロッド溝６１及び拘束くぼみ６８（第８ 図では６２）上でのワッシャの最も薄い地点での自由遊びはロッドボア４２の端 部と被拘束部分４５（第８図では４７）との間の距離より大きい。この寸法関係 により、止めネジ５３によりクランプされるときに、ロッドボア４２の端部に接 触する前に、脊椎ロッドがワッシャ５５のロッド溝６１に係合する余地が与られ る。 この実施例の１つの重要な特徴においては、ワッシャ５５がロッドボア４２の 方に向いたロッド面６０を有する。このロッド面６０は第５図に示すような方法 で脊椎ロッドを収容するための溝６１を画定する。ワッシャ５５は更に、本発明 の相互係合特徴を備えた反対側の外側表面６３をも有する。特に、外側表面６３ は数個の半径方向のスプライン６４を有する。これらの半径方向のスプラインは 可変角度ネジ７０の半径方向のスプライン７７に匹敵するように形状付けられて いる。突起４６は円形断面を呈していて、可変角度ネジ７０はＵ字状の溝穴７４ のまわりで突起に関して回転できる。従って、この実施例のクランプ組立体４０ は、例えば、垂直以外の角度（即ち、サジタル面に対して傾斜した角度）で椎骨 の肉茎内に係合された可変角度ネジ７０を受け入れるのに十分適する。 好ましい実施例についての上述の説明から、本発明は種々の脊椎固定素子を細 長い脊椎ロッドにクランプする手段を提供できることが分かる。本発明に係るク ランプ組立体２０、４０は固定素子と脊椎ロッドとの連結に際し大なる融通性を 与える。更に重要なのは、本発明に係るクランプ組立体が脊椎ロッドと固定素子 との係合に際し頂部締め付けを可能にすることである。クランプ組立体２０の場 合は、脊椎フックは脊椎ロッドに当接する頂部締め付け止めネジ３０により脊椎 ロッドに対して締め付けられる。クランプ組立体４０の場合は、頂部締め付け止 めネジ５３がボア４２内の脊椎ロッドに当接し、ワッシャ５５を押圧し、最後に 、スプライン面６３とＴ字状のバー４８の内側表面４９との間で可変角度ネジ７ ０のヨーク７３を押圧する。 以上、図面を参照して好ましい実施例を説明したが、これらは単なる例示にす ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の要旨内で種々の変形、修正が可 能であることは言うまでもない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＮ，ＣＺ，ＦＩ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，Ｌ Ｋ，ＬＶ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＫ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 数個の椎骨レベル間で患者の脊椎に係合するための脊椎固定装置において 、 数個の椎骨レベルを跨いだ状態で患者の脊椎に隣接して配置されるように形状 付けられた細長い脊椎ロッドであって、その長さに沿った長手軸を有する細長い 脊椎ロッド； 椎骨固定素子であって、 椎骨係合部分と、 上記椎骨係合部分から延びた一対のポストにより形成されたロッド係合部分 であって、上記ポスト間に溝穴開口が画定され、当該各ポストが上記脊椎ロッド に係合するように形状付けられた両側の横表面を有するロッド係合部分と、 を含む椎骨固定素子；及び 上記椎骨固定素子を上記脊椎ロッドにクランプするための頂部装填クランプで あって、 上記脊椎ロッドを貫通収容するように形状付けられた細長いボアを有する本 体であって、上記細長いボアが、少なくとも初期の状態で当該脊椎ロッドを上記 ボア内で摺動できるように、該ロッドの直径より大きな長手軸に沿った長さを有 し、かつ上面を備え、この上面から延びて当該細長いボアと交差する第１のネジ ボアを具備した本体と、 上記細長いボアの長手軸に対して実質上平行に上記本体から延びた突出片で あって、上記ロッドが当該細長いボアを通って延びたときに上記脊椎ロッドの長 手軸に対して実質上平行に位置するＴ字状のバーで終端し、上記Ｔ字状のバーが 該細長いボアの方へ内側に向いたクランプ表面を有し、このクランプ表面が上記 椎骨固定素子の上記各ポストの上記両側の横表面の１つに係合するように形状付 けられている突出片と、 上記第１のネジボアに係合するように螺入され、上記ロッドが上記細長いボ アを通って延びたときに当該脊椎ロッドに当接するように形状件けられたチップ を有する止めネジと、 を含む頂部装填クランプ； から成り、上記脊椎ロッドが上記細長いボアを通って延びたときに、上記椎骨固 定素子の上記ポストが、上記突出片を上記溝穴開口に挿通させた状態で、上記Ｔ 字状のバーの上記クランプ表面と上記ロッドとの間に位置し； 上記止めネジが上記第１のネジボアを通して上記細長いボア内に螺入されて当 該止めネジの上記チップを上記脊椎ロッドに当接させたときに、当該脊椎ロッド 及び上記椎骨固定素子の上記ポストが上記Ｔ字状のバーの上記クランプ表面と当 該止めネジのチップとの間でクランプされる ことを特徴とする脊椎固定装置。 ２． 請求の範囲第１項に記載の脊椎固定装置において、上記椎骨固定素子の上 記各ポストの上記各横表面が上記脊椎ロッドを受け入れるように形状付けられた 同軸溝を画定し；上記Ｔ字状のバーの上記クランプ表面が上記同軸溝に収容され るように湾曲していることを特徴とする脊椎固定装置。 ３． 請求の範囲第１項に記載の脊椎固定装置において、上記椎骨固定素子の上 記各ポストが上記両側の横表面間の厚さを有し；上記頂部装填クランプが上記細 長いボアと上記Ｔ字状のバーの上記クランプ表面との間の長さを画定し、この長 さが当該対をなすポストの上記厚さより小さいことを特徴とする脊椎固定装置。 ４． 請求の範囲第１項に記載の脊椎固定装置において、上記本体が上記上面に 対向する下面を備え、該下面から延びて上記細長いボアと交差する第２のネジボ アを有し；もって、上記止めネジが上記脊椎ロッドを当該細長いボア内でクラン プするため上記第１のネジボア又は上記第２のネジボア内に螺入できることを特 徴とする脊椎固定装置。 ５． 請求の範囲第４項に記載の脊椎固定装置において、上記本体が上記ロッド ボアの長手軸を含む平面に関して対称的となっていることを特徴とする脊椎固定 装置。 ６． 請求の範囲第１項に記載の脊椎固定装置において、上記第１のネジボアが ６０°から９０°までの角度で上記ロッドボアと交差していることを特徴とする 脊椎固定装置。 ７． 請求の範囲第１項に記載の脊椎固定装置において、上記各ポストの上記両 側の横表面のうちの少なくとも１つが複数涸の半径方向のスプラインを備え； 上記頂部装填クランプが、 上記脊椎ロッドに係合するように形状付けられた第１表面、及び、当該対をな すポストの上記半径方向のスプラインに相互係合するようになった複数個の半径 方向のスプラインを具備した反対側の第２表面を有するワッシャであって、上記 Ｔ字状のバー上へのワッシャの挿入を許容するように形状付けられた貫通開口を 備えたワッシャと、 上記ロッドボアに隣接して上記ワッシャを上記本体に摺動自在に係合させる係 合手段と、 を含み； 上記止めネジが上記脊椎ロッドに当接したときに、上記ワッシャが上記椎骨固 定素子と当該脊椎ロッドとの間に位置してクランプされ、 上記対をなすポストのスプラインとワッシャのスプラインとの相互係合により 上記突出片のまわりでの当該椎骨固定素子の回転を阻止することを特徴とする脊 椎固定装置。 ８． 請求の範囲第７項に記載の脊椎固定装置において、上記本体が上記ロッド ボアと上記突出片との間にハブを備え、このハブが、上記ワッシャを同ハブ上に 配置したときに、同ハブのまわりでの当該ワッシャの回転を阻止するように該ワ ッシャの上記開口に相補する形状を有し；上記ワッシャを摺動自在に係合させる 係合手段が上記ロッドボアの長手軸に平行な方向における該ワッシャの摺動を許 容するように該ワッシャを上記ハブ上に装着する装着手段を含むことを特徴とす る脊椎固定装置。 ９． 請求の範囲第８項に記載の脊椎固定装置において、上記装着手段が上記開 口と一体で上記第１表面に形成された少なくとも１つの拘束くぼみと、上記ワッ シャを上記ハブ上に配置したときに、上記拘束くぼみ内に係合するように当該ハ ブから外方に突出した該ハブ上の被拘束部分とを含むことを特徴とする脊椎固定 装置。 １０． 椎骨固定素子を脊椎ロッドにクランプするための頂部装填クランプにお いて、 脊椎ロッドを貫通収容するように形状付けられた細長いボアを有する本体であ っ て、上記細長いボアが、少なくとも初期の状態で上記脊椎ロッドを当該ボア内で 摺動できるように、当該ロッドの直径より大きな長手軸に沿った長さを有し、か つ上面を備え、この上面から延びて当該細長いボアと交差する第１のネジボアを 具備した本体と； 上記細長いボアの長手軸に対して実質上平行に上記本体から延びた突出片で あって、上記ロッドが当該細長いボアを通って延びたときに当該脊椎ロッドの長 手軸に対して実質上平行に位置するＴ字状のバーで終端し、上記Ｔ字状のバーが 該細長いボアの方へ内側に向いたクランプ表面を有し、このクランプ表面が該脊 椎ロッドと当該Ｔ字状のバーとの間に配置された椎骨固定素子の表面に係合する ように形状付けられている突出片と； 上記第１のネジボアに係合するように螺入され、上記ロッドが上記細長いボ アを通って延びたときに当該脊椎ロッドに当接するように形状付けられたチップ を有する止めネジと； から成り、上記止めネジが上記第１のネジボアを通して上記細長いボア内に螺入 されて当該止めネジの上記チップを上記脊椎ロッドに当接させたときに、当該脊 椎ロッド及び上記椎骨固定素子が上記Ｔ字状のバーの上記クランプ表面と該止め ネジの当該チップとの間でクランプされる ことを特徴とする頂部装填クランプ。 １１． 請求の範囲第１０項に記載の頂部装填クランプにおいて、上記Ｔ字状の バーの上記クランプ表面が上記椎骨固定素子の溝内に収容されるように凸状に湾 曲していることを特徴とする頂部装填クランプ。 １２． 請求の範囲第１０項に記載の頂部装填クランプにおいて、上記本体が上 記上面と反対側の下面を備え、該下面から延びて上記細長いボアと交差する第２ のネジボアを有し；もって、上記止めネジが上記脊椎ロッドを当該細長いボア内 でクランプするため上記第１のネジボア又は上記第２のネジボア内に螺入できる ことを特徴とする頂部装填クランプ。 １３． 請求の範囲第１２項に記載の頂部装填クランプにおいて、上記本体が上 記ロッドボアの長手軸を含む平面に関して対称的となっていることを特徴とする 頂部装填クランプ。 １４． 請求の範囲第１０項に記載の頂部装填クランプにおいて、上記第１のネ ジボアが６０°から９０°までの角度で上記ロッドボアと交差していることを特 徴とする頂部装填クランプ。 １５． 請求の範囲第１０項に記載の頂部装填クランプにおいて、 上記脊椎ロッドに係合するように形状付けられた第１表面、及び、上記椎骨固 定素子の半径方向のスプラインに相互係合するようになった複数個の半径方向の スプラインを具備した反対側の第２表面を有するワッシャであって、上記Ｔ字状 のバー上へのワッシャの挿入を許容するように形状付けられた貫通開口を備えた ワッシャと、 上記ロッドボアに隣接して上記ワッシャを上記本体に摺動自在に係合させる係 合手段と、 を更に含み； 上記止めネジが上記脊椎ロッドに当接したときに、上記ワッシャが上記椎骨固 定素子と当該脊椎ロッドとの間に位置してクランプされ、上記スプラインの相互 係合により上記突出片のまわりでの当該椎骨固定素子の回転を阻止することを特 徴とする頂部装填クランプ。 １６． 請求の範囲第１５項に記載の脊椎固定装置において、上記本体が上記ロ ッドボアと上記突出片との間にハブを備え、このハブが、上記ワッシャを同ハブ 上に配置したときに、同ハブのまわりでの当該ワッシャの回転を阻止するため該 ワッシャの上記開口に相補する形状を有し；上記係合手段が上記ロッドボアの長 手軸に平行な方向における該ワッシャの摺動を許容するように該ワッシャを上記 ハブ上に装着する装着手段を含むことを特徴とする脊椎固定装置。 １７． 請求の範囲第１６項に記載の脊椎固定装置において、上記装着手段が上 記開口と一体で上記第１表面に形成された少なくとも１つの拘束くぼみと、上記 ワッシャを上記ハブ上に配置したときに、上記拘束くぼみ内に係合するように当 該ハブから外方に突出した該ハブ上の被拘束部分とを含むことを特徴とする脊椎 固定装置。