JPH0849173A - 表皮材の製造方法 - Google Patents

表皮材の製造方法

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JPH0849173A
JPH0849173A JP18326294A JP18326294A JPH0849173A JP H0849173 A JPH0849173 A JP H0849173A JP 18326294 A JP18326294 A JP 18326294A JP 18326294 A JP18326294 A JP 18326294A JP H0849173 A JPH0849173 A JP H0849173A
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skin layer
skin
surface side
resin
base material
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Application number
JP18326294A
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English (en)
Inventor
Kazuo Hironaka
和夫 弘中
Hiroko Kajikawa
浩子 梶川
Kenji Matsuzaki
賢士 松▲崎▼
Hirokatsu Umeda
裕功 梅田
Yutaka Fujii
豊 藤井
Ichirou Masamori
一郎 正守
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゲル化状態の非水溶性セルロース自体が接着
力を有することに着目し、この接着力を利用することに
より、吸湿性粉末層を基材表面側に介在させた状態で、
吸湿性粉末の吸湿作用を阻害することなく、基材表面側
に表皮層を積層して接着固定することができる表皮材の
製造方法を提供する。 【構成】 吸湿性を有する基材1の表面側に非水溶性セ
ルロース粉末2を含有させた後、上記基材の表面側にア
ルカリ性溶剤を散布して上記非水溶性セルロース粉末を
ゲル化させ、その後、このゲル化した非水溶性セルロー
スを介して、上記基材の表面側に表皮層3を積層して接
着固定することを特徴とし、また、上記表皮層が透湿性
を有する樹脂で形成されていることを特徴とし、更に、
上記表皮層を基材の表面側に積層するに際して、上記透
湿性を有する樹脂を金型の成形面に塗布し、該透湿性を
有する樹脂が半固化状態にあるときに、上記基材の表面
側に積層させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表皮材の製造方法、
特に、吸湿性を有する表皮材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、自動車等の車両における
シートあるいは内装トリム等の内装品などについて、そ
の表面を覆う表皮材を種々工夫して高級感を付与するこ
とが考えられている。そして、その一環として、表皮材
の吸湿性を高めて高級感を得るようにしたものが知られ
ている。この表皮材の吸湿性をより向上させる方法とし
て、吸湿性を有するシート状材料を表皮材の基材に用
い、この基材の表面側を表皮層で覆うに際して、基材表
面側に吸湿性を有する粉末を介在させることにより、基
材表面側での吸湿性を高める方法が考えられている。
【0003】例えば特開平3−45784号公報では、
例えば不織布でなる基材の表面側を表皮層で覆うに際し
て、吸湿性を有するシルクパウダーを合成樹脂液に混合
させて得た混合樹脂液を基材(不織布)表面に塗布し、こ
の混合樹脂液でなる皮膜層を基材表面に形成させる、あ
るいは、シルクパウダーを合成樹脂液に混合させて得た
混合樹脂液を用いて樹脂皮膜を形成し、この樹脂皮膜を
基材に接着して表皮層を得る方法が開示されている。こ
のように、従来では、吸湿性を有する粉末(吸湿性粉末)
を基材の表面側に介在させる場合、吸湿性粉末を含んだ
混合樹脂液を用い、その樹脂液の接着力によって基材表
面側に表皮層を積層して接着固定するのが一般的であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに混合樹脂液を用いた場合、吸湿性粉末の表面が、全
体的に又は部分的に接着剤(バインダ)としての合成樹脂
で覆われることになるので、吸湿性粉末の吸湿作用が阻
害され、表皮材の吸湿性を十分に高めることができない
という問題があった。また、上記従来公報に示された製
造方法のように、吸湿性粉末を含む層(吸湿性粉末層)自
体を表皮層とした場合には、通常、別途に用意された表
皮層を吸湿性粉末層の表面側に積層する場合に比べて、
表皮層の強度が低下するという問題もあった。
【0005】ところで、上記吸湿性粉末としては種々の
ものが実用化されているが、これらのうち、非水溶性セ
ルロース粉末はアルカリ性溶剤で溶解され得ることが知
られている。そして、本願出願人は、鋭意研究の結果、
上記非水溶性セルロース粉末にアルカリ性溶剤を適用し
てゲル化させた場合、このゲル化状態の非水溶性セルロ
ース自体の接着力(粘着力)により基材表面側にその粉末
層を有効に接着固定でき、更には、このゲル化状態の非
水溶性セルロース粉末層を介して、別途に用意された表
皮層を基材表面側に積層して支障なく接着固定できるこ
とを見出だした。
【0006】そこで、この発明は、非水溶性セルロース
をゲル化状態とした場合にこのゲル化状態の非水溶性セ
ルロース自体が接着力を有することに着目し、この接着
力を利用することにより、吸湿性粉末層を基材表面側に
介在させた状態で、吸湿性粉末の吸湿作用を阻害するこ
となく、基材表面側に表皮層を積層して接着固定するこ
とができる表皮材の製造方法を提供することを主目的と
してなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、吸湿性を有
する基材の表面側に非水溶性セルロース粉末を含有させ
た後、上記基材の表面側にアルカリ性溶剤を散布して上
記非水溶性セルロース粉末をゲル化させ、その後、この
ゲル化した非水溶性セルロースを介して、上記基材の表
面側に表皮層を積層して接着固定するようにしたもので
ある。
【0008】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記
表皮層が透湿性を有する樹脂で形成されていることを特
徴としたものである。
【0009】更に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3の発明という)は、上記第1の発明において、上記
表皮層が非透湿性の樹脂で形成されており、上記基材の
表面側に表皮層を積層して接着固定した後に、該表皮層
に孔あけ加工を施すことを特徴としたものである。
【0010】また、更に、本願の請求項4に係る発明
(以下、第4の発明という)は、上記第1の発明におい
て、上記表皮層を基材の表面側に積層するに際して、上
記表皮層を形成すべき材料樹脂により金型の成形面に沿
った樹脂被膜を形成し、該樹脂被膜を上記基材の表面側
に積層させることを特徴としたものである。
【0011】また、更に、本願の請求項5に係る発明
(以下、第5の発明という)は、上記第4の発明におい
て、上記表皮層を基材の表面側に積層するに際して、透
湿性を有する樹脂を金型の成形面に塗布して該成形面に
沿った樹脂被膜を形成し、該樹脂被膜が半固化状態にあ
るときに、上記基材の表面側に積層させることを特徴と
したものである。
【0012】また、更に、本願の請求項6に係る発明
(以下、第6の発明という)は、上記第4の発明におい
て、上記表皮層を基材の表面側に積層するに際して、非
透湿性の樹脂を金型の成形面に散布し、該非透湿性の樹
脂を軟化させて上記成形面に沿った樹脂被膜を形成し、
この軟化状態にある樹脂被膜を上記基材の表面側に積層
させることを特徴としたものである。
【0013】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、吸湿性を有
する基材の表面側に含有させた非水溶性セルロース粉末
をアルカリ性溶剤でゲル化させた後、このゲル化した非
水溶性セルロースを介して上記基材の表面側に表皮層を
積層するようにしたので、ゲル化した非水溶性セルロー
ス自体の接着力によって表皮層を基材表面側に有効に接
着固定することができる。すなわち、吸湿剤自体に接着
効果を付与することができるので、従来、吸湿性粉末と
合成樹脂との混合樹脂液を用いていた場合のように、吸
湿性粉末の表面が接着剤(バインダ)で覆われてその吸湿
作用が阻害されることはなくなる。その結果、基材の表
面側に表皮層を積層して接着固定するに際して、接着剤
を用いる必要がなくなり、しかも、表皮材の基材表面側
での吸湿性を大幅に高めることができる。また、吸湿性
粉末層自体を表皮層とした場合のように、表皮層の強度
低下のおそれもなくなる。
【0014】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。しかも、その上、上記表皮層が透湿性を有する樹脂
で形成されているので、表皮層裏面側の吸湿性粉末層お
よび基材の吸湿性を十分に発揮させることができ、表皮
材の吸湿性をより一層高めることができる。
【0015】更に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。しかも、その上、上記基材の表面側に表皮層を積層
して接着固定した後に該表皮層に孔あけ加工を施すよう
にしたので、表皮層が非透湿性の樹脂で形成されている
場合でも、表皮層裏面側の吸湿性粉末層および基材の吸
湿性を十分に発揮させることができ、表皮材の吸湿性を
より一層高めることができる。
【0016】また、更に、本願の第4の発明によれば、
基本的には、上記第1の発明と同様の効果を奏すること
ができる。しかも、その上、上記表皮層を基材の表面側
に積層するに際して、上記表皮層を形成すべき材料樹脂
により金型の成形面に沿った樹脂被膜を形成し、該樹脂
被膜を上記基材の表面側に積層させるようにしたので、
表皮層の形成に金型成形を適用することができ、より強
固な表皮層を得ることができる。
【0017】また、更に、本願の第5の発明によれば、
基本的には、上記第4の発明と同様の効果を奏すること
ができる。特に、上記表皮層を基材の表面側に積層する
に際して、上記透湿性を有する樹脂を金型の成形面に塗
布して該成形面に沿った樹脂被膜を形成し、該樹脂被膜
が半固化状態にあるときに基材の表面側に積層させるよ
うにしたので、透湿性を有する表皮層の形成に金型成形
を適用することができる。
【0018】また、更に、本願の第6の発明によれば、
基本的には、上記第4の発明と同様の効果を奏すること
ができる。特に、上記表皮層を基材の表面側に積層する
に際して、非透湿性の樹脂を金型の成形面に散布し、該
非透湿性の樹脂を軟化させて上記成形面に沿った樹脂被
膜を形成し、この軟化状態にある樹脂被膜を上記基材の
表面側に積層させるようにしたので、非透湿性の表皮層
の形成に金型成形を適用することができる。
【0019】
【実施例】以下、この発明方法の実施例を、添付図面に
基づいて詳細に説明する。まず、第1実施例について説
明する。図1に示すように、まず、作業台A上に、本願
請求項に記載した吸湿性を有する基材として、例えば不
織布でなる基材1を載置する。尚、上記吸湿性を有する
基材としては、他に起毛布などを用いることができる。
また、この基材1の厚さとしては、2〜3mm程度のもの
を用いた。
【0020】そして、図2に示すように、例えば粉体用
スプレイ11を用いて上記基材1の表面側に非水溶性セ
ルロース粉末を吹き付け・散布して含有させる。この非
水溶性セルロースは、カルボキシメチル・セルロースの
カルボキシメチル基にNa(ナトリウム)の代わりにH(水
素)又はCa(カルシウム)を置換して得られたもので、吸
湿性を有している。本実施例では、この非水溶性セルロ
ースの粉末(吸湿性粉末)の粒径は、例えば約100μm
程度とした。この粒径は100μm程度あるいはそれ以
下が望ましい。また、これをスプレイ11で吹き付け・
散布して得られる吸湿性粉末層2の厚さは、例えば0.
2〜1mmとした。この厚さは、厚い程良く、また、基材
1の表面側にできるだけ均一に散布されることが望まし
い。尚、基材1の表面側に吸湿性粉末を含有させる方法
としては、スプレイ11による散布に限定されるもので
はなく、手作業による方法あるいは他の機械的手段によ
るものなど、他の方法を用いても良い。
【0021】このようにして吸湿性粉末層2が形成され
た基材1の表面側に、図3に示すように、液体用スプレ
イ12を用いてアルカリ性溶剤を適量散布し、上記吸湿
性粉末層2をゲル化させる。このゲル化状態としては、
表皮材として良好な圧縮特性を確保する上で、吸湿性粉
末の各粒子について、その表面のみがある程度溶解し内
部にコアが残っている状態が望ましい。このようなゲル
化状態は、吸湿性粉末層2の厚さ(つまり粉末量),アル
カリ性溶剤の散布量を適宜コントロールすることによっ
て得られ、また、散布後の経過時間等に依存する。
【0022】一方、本実施例では、表皮層の形成は金型
を用いて行なわれる。すなわち、図4に示すように、作
業台B上に表皮層形成用の金型13をその型面13aが
上向きとなるように載置するとともに、透湿性を有する
樹脂(透湿性樹脂)として例えばウレタン系樹脂を用い、
このウレタン系樹脂の樹脂液をスプレイ14により上記
型面13aに吹き付けて塗布する。これにより、この型
面13aに沿った表皮層3が形成される。この表皮層3
の厚さとしては、20〜50μmが好ましい。この表皮
層3の厚さが余り厚くなると透湿性が阻害されるおそれ
があり、一方、薄くなり過ぎると表皮層3の強度が十分
に確保できなくなるからである。
【0023】次に、上記表皮層3が半固化状態となった
時点で、ゲル化状態とされ接着力(粘着力)が高められた
状態にある吸湿性粉末層2を下側にして、つまり、この
吸湿性粉末層2が上記表皮層3に密着するように、基材
1を金型13の型面13a上の表皮層3に重ね合わせ
る。そして、図5に示すように、この状態で金型13ご
と熱乾燥機15内にセットし、所定温度で所定時間だけ
熱乾燥させる。この乾燥温度および時間は、吸湿性粉末
材料および表皮層3としての透湿性樹脂材料あるいは表
皮材のサイズ等によって異なり、本実施例の場合、乾燥
温度は140〜150℃とした。また、このとき、より
好ましくは、基材1の上側に例えば平板状の重し16を
載せて、上記吸湿性粉末層2と表皮層3とが、互いによ
り強固に密着させられるようにした。
【0024】この結果、図6に示すように、基材1の表
面側に吸湿性粉末層2を介在させた状態で表皮層3が積
層して接着固定された表皮材5が得られた。この場合、
表皮層3はゲル化した吸湿性粉末層2(非水溶性セルロ
ース)自体の接着力によって基材1の表面側に接着固定
されるので、吸湿性粉末層2の吸湿作用が阻害されるこ
とはない。
【0025】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、吸湿性を有する基材1の表面側に含有させた非水溶
性セルロース粉末をアルカリ性溶剤でゲル化させた後、
このゲル化した非水溶性セルロースを介して上記基材1
の表面側に表皮層3を積層するようにしたので、ゲル化
した非水溶性セルロース(吸湿性粉末層2)自体の接着力
によって表皮層3を基材1の表面側に有効に接着固定す
ることができる。すなわち、吸湿剤2自体に接着効果を
付与することができるので、従来、吸湿性粉末と合成樹
脂との混合樹脂液を用いていた場合のように、吸湿性粉
末の表面が接着剤(バインダ)で覆われてその吸湿作用が
阻害されることはなくなる。その結果、基材1の表面側
に表皮層3を積層して接着固定するに際して、表皮材5
の基材表面側での吸湿性を大幅に高めることができ、し
かも、別の接着剤を用いる必要がなくなる。また、吸湿
性粉末層自体を表皮層とした場合のように、表皮層の強
度低下のおそれもなくなる。
【0026】また、上記表皮層3が透湿性を有する樹脂
で形成されているので、表皮層3の裏面側の吸湿性粉末
層2および基材1の吸湿性を十分に発揮させることがで
き、表皮材5の吸湿性をより一層高めることができる。
【0027】更に、上記表皮層3を基材1の表面側に積
層するに際して、上記透湿性を有する樹脂を金型13の
型面13aに塗布し、この透湿性を有する樹脂が半固化
状態になったときに基材1の表面側に積層させるように
したので、表皮層3の形成に金型成形を適用することが
でき、より強固な表皮層3を得ることができるのであ
る。
【0028】次に、本願発明方法の第2実施例について
説明する。この第2実施例は、表皮層に非透湿性の樹脂
を用いたものであり、基材表面側に吸湿性粉末層(非水
溶性セルロース)を形成し、この吸湿性粉末層をアルカ
リ性溶剤でゲル化させるまでの工程は、上述の第1実施
例と同様である(図1〜図3参照)。尚、以下の説明にお
いて、第1実施例における場合と同じものには同一の符
号を付し、それ以上の説明は省略する。本実施例では、
表皮層が例えば熱可塑性のポリアミド樹脂等の非透湿性
の樹脂で形成される。このため、図7に示すように、金
型26はヒータ27で加熱され、所定温度に加熱された
金型26の型面26aに、スプレイ28を用いて例えば
ポリアミド樹脂の粉末を吹き付けて散布する。この吹き
付け・散布されたポリアミド樹脂粉末は、型面26aで
暖められて軟化し、この型面26aに沿った被膜(表皮層
23)を形成する。尚、上記非透湿性の樹脂としては、
上記ポリアミド樹脂の他、例えば塩化ビニルやポリプロ
ピレン等を用いることができる。また、スプレイ28で
吹き付け・散布する際の樹脂粉末の粒径は、例えば約1
50μm程度とした。この場合、表皮層23の厚さを厚
くすることについては、第1実施例の場合のように透湿
性確保のために制限する必要はない。
【0029】次に、第1実施例の場合と同様にして、上
記表皮層23が十分に軟化状態となった時点で、ゲル化
状態とされ接着力(粘着力)が高められた状態にある吸湿
性粉末層2を下側にして、つまり、この吸湿性粉末層2
が上記表皮層23に密着するように、基材1を金型26
の型面26a上の表皮層23に重ね合わせる。そして、
図8に示すように、この状態で金型26ごと冷却機29
内に入れ、冷却台29aに金型26を載置し、より好ま
しくは、基材1の上側に例えば平板状の重し16を載せ
て、上記吸湿性粉末層2と表皮層23とが互いにより強
固に密着させられるように加圧する。そして、上記冷却
台29aによって金型26を冷却し表皮層23を固化す
る。この結果、基材1の表面側に吸湿性粉末層2を介在
させた状態で非透湿性の表皮層23が積層して接着固定
された表皮材25(図9参照)が得られた。
【0030】その後、図10に示すように、金型26を
冷却機29から取り出すとともに、表皮材25を金型2
6から離型させ、表皮層23が上向きとなるように作業
台A上に載置する。そして、この表皮層23の上側に、
所定サイズ(径および長さ等)の多数のピン30aが片面
側に取り付けられたピン付き金型30をセットし、この
ピン付き金型30により、表皮材25を表皮層23側か
ら加圧する。
【0031】この結果、図11に示すように、表皮層2
3には、上記各ピン30aに対応して多数の孔23a(通
気孔)が形成される。表皮層23の裏面側の吸湿性粉末
層22および基材1はこの多数の孔23aを通じて吸湿
作用を行うことになる。
【0032】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、基本的には、上述の第1実施例と同様の効果を奏す
ることができ、特に、基材1の表面側に表皮層23を積
層して接着固定した後に該表皮層23に孔あけ加工を施
すようにしたので、表皮層23が非透湿性の樹脂で形成
されている場合でも、表皮層23の裏面側の吸湿性粉末
層2および基材1の吸湿性を十分に発揮させることがで
き、表皮材25の吸湿性を高めることができるのであ
る。
【0033】また、上記表皮層23を基材1の表面側に
積層するに際して、非透湿性の樹脂を金型26の型面2
6aに散布した後、これを軟化させて該型面26aに沿っ
た樹脂被膜23(表皮層)を形成し、この軟化状態にある
表皮層23を上記基材1の表面側に積層させたことによ
り、非透湿性の表皮層23の形成に金型成形を適用する
ことができ、より強固な表皮層23を得ることができ
る。
【0034】尚、上記各実施例では、いずれも表皮層
3,23を金型成形するようにしていたが、本発明は、
表皮層の形成に関して、この方法に限定されるものでは
なく、例えば、表皮層を形成すべき樹脂材料を用いて所
定厚さのシート材もしくはフィルム材を作成し、このシ
ート材もしくはフィルム材でなる表皮層を吸湿性粉末層
(非水溶性セルロース)の表面側に適用して所要の熱的処
理や加圧処理を行うことにより、表面側に吸湿性粉末層
を介在させた状態で表皮層が積層して接着固定された表
皮材を得ることも可能である。
【0035】次に、吸湿層を表皮層と基材との間に積層
して接着固定するのに熱圧着フィルムを用いるようにし
た更に他の実施例について説明する。本実施例では、ま
ず、図12に示すように、予め所定厚さのフィルム状に
形成された表皮層43を、例えばややウエットな状態で
その裏面側が上向きとなるように作業台A上に載置し、
この表皮層43の裏面側にスプレイ49を用いて吸湿性
粉末を吹き付け・散布する。この吸湿性粉末としては、
例えば、コラーゲン,カルボキシメチル・セルロース,ポ
リグルタミン酸,キチン,キトサン等を用いることができ
る。また、表皮層43を形成するフィルムとしては、よ
り好ましくは通気性もしくは透湿性を有するものが用い
られる。
【0036】このようにして表皮層43の裏面側に形成
された吸湿性粉末層42(第1吸湿性粉末層)の上側に、
図13に示すように、熱圧着フィルム44を積層し、更
に、この熱圧着フィルム44の上側に吸湿性粉末を吹き
付け・散布して第2吸湿性粉末層45を形成する。尚、
上記熱圧着フィルム44としては、通気性あるいは透湿
性を有するものが用いられる。次に、図14に示すよう
に、上記第2吸湿性粉末層45の上側に、例えば不織布
でなる基材41を積層し、このようにして形成された積
層体40を表皮層43側からヒータ48で加熱して暖め
る。
【0037】そして、上記基材41の上側から加熱ヒー
タ(不図示)を内部に有する平板状のプレス具47を押し
当てて積層体40を加圧する。これにより、熱圧着フィ
ルム44の作用で、該フィルム44の表面側(図14に
おける下側)の第1吸湿性粉末層42および表皮層4
3、並びに、熱圧着フィルム44の裏面側(図14にお
ける上側)の第2吸湿性粉末層45および基材41が互
いに強固に接着される。すなわち、図15に示すよう
に、表面側(図15における上側)から順に、表皮層4
3,第1吸湿層42',熱圧着フィルム44,第2吸湿層4
5'および基材41が積層された表皮材40が得られる
ようになっている。
【0038】尚、本発明は、以上の実施態様に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、
種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言
うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る表皮材の基材を示
す説明図である。
【図2】 第1実施例に係る表皮材の製造方法における
吸湿性粉末の散布工程を示す説明図である。
【図3】 上記製造方法におけるアルカリ性溶剤の散布
工程を示す説明図である。
【図4】 上記製造方法における表皮層の金型での成形
工程を示す説明図である。
【図5】 上記製造方法における表皮材の成形工程を示
す説明図である。
【図6】 上記製造方法で得られた表皮材の構造を示す
断面説明図である。
【図7】 本発明の第2実施例に係る製造方法における
表皮層の金型での成形工程を示す説明図である。
【図8】 第2実施例に係る製造方法における表皮材の
成形工程を示す説明図である。
【図9】 第2実施例に係る製造方法における成形工程
で得られた表皮材の構造を示す断面説明図である。
【図10】 第2実施例に係る製造方法における表皮層
の孔あけ加工を示す断面説明図である。
【図11】 第2実施例に係る製造方法で得られた表皮
材の構造を示す断面説明図である。
【図12】 更に他の実施例に係る製造方法における第
1吸湿性粉末層の形成工程を示す説明図である。
【図13】 更に他の実施例に係る製造方法における第
2吸湿性粉末層の形成工程を示す説明図である。
【図14】 更に他の実施例に係る製造方法における表
皮材の加圧成形工程を示す説明図である。
【図15】 更に他の実施例に係る製造方法で得られた
表皮材の構造を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1…基材 2…吸湿性粉末層 3…表皮層 5,25…表皮材 13,26…金型 13a,26a…型面 23…表皮層(非透湿性) 23a…孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06N 3/02 DAE // B29K 101:00 B29L 9:00 (72)発明者 梅田 裕功 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 藤井 豊 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 正守 一郎 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸湿性を有する基材の表面側に非水溶性
    セルロース粉末を含有させた後、上記基材の表面側にア
    ルカリ性溶剤を散布して上記非水溶性セルロース粉末を
    ゲル化させ、その後、このゲル化した非水溶性セルロー
    スを介して、上記基材の表面側に表皮層を積層して接着
    固定することを特徴とする表皮材の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記表皮層が透湿性を有する樹脂で形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の表皮材の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 上記表皮層が非透湿性の樹脂で形成され
    ており、上記基材の表面側に表皮層を積層して接着固定
    した後に、該表皮層に孔あけ加工を施すことを特徴とす
    る請求項1記載の表皮材の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記表皮層を基材の表面側に積層するに
    際して、上記表皮層を形成すべき材料樹脂により金型の
    成形面に沿った樹脂被膜を形成し、該樹脂被膜を上記基
    材の表面側に積層させることを特徴とする請求項1記載
    の表皮材の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記表皮層を基材の表面側に積層するに
    際して、透湿性を有する樹脂を金型の成形面に塗布して
    該成形面に沿った樹脂被膜を形成し、該樹脂被膜が半固
    化状態にあるときに、上記基材の表面側に積層させるこ
    とを特徴とする請求項4記載の表皮材の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記表皮層を基材の表面側に積層するに
    際して、非透湿性の樹脂を金型の成形面に散布し、該非
    透湿性の樹脂を軟化させて上記成形面に沿った樹脂被膜
    を形成し、この軟化状態にある樹脂被膜を上記基材の表
    面側に積層させることを特徴とする請求項4記載の表皮
    材の製造方法。
JP18326294A 1994-08-04 1994-08-04 表皮材の製造方法 Pending JPH0849173A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20100123880A (ko) * 2008-02-27 2010-11-25 바스프 에스이 직물 시트 재료를 포함하는 다층 복합 재료, 이의 제조 방법 및 용도

Cited By (2)

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KR20100123880A (ko) * 2008-02-27 2010-11-25 바스프 에스이 직물 시트 재료를 포함하는 다층 복합 재료, 이의 제조 방법 및 용도
JP2011513089A (ja) * 2008-02-27 2011-04-28 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 織物シート材料を含む多層複合材料、その製造と利用方法

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