JPH0848035A - インクジェットヘッドおよびインクジェット装置 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびインクジェット装置

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JPH0848035A
JPH0848035A JP18344294A JP18344294A JPH0848035A JP H0848035 A JPH0848035 A JP H0848035A JP 18344294 A JP18344294 A JP 18344294A JP 18344294 A JP18344294 A JP 18344294A JP H0848035 A JPH0848035 A JP H0848035A
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ink
ejection
ink jet
heater
recording
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JP18344294A
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Haruyuki Matsumoto
治行 松本
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吐出不良等が少なく、鮮明なカラー記録を高
速で行い得るインクジェットヘッドおよび該インクジェ
ットヘッドを具備したインクジェット装置を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 Bk用オリフィス14とBk用ヒータ11の
オリフィス寄り端縁との距離(LHO-a)と、MまたはC
用オリフィス24とMまたはC用ヒータ21のオリフィ
ス寄り端縁との距離(LHO-b)と、Y用オリフィス34
とY用ヒータ31のオリフィス寄り端縁との距離(L
HO-c)とはこの順に短くなっており、各オリフィスから
吐出されるインク液的に吐出体積もこの順に小さくなる
ように設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鮮明なカラー記録を高
速で行い得るインクジェットヘッドおよび該記録ヘッド
を具備した記録装置に関する。なお、ここで、記録と
は、布、糸、紙、シート材等のインク付与を受けうる全
ての被記録媒体へのインク付与等(プリント)を含むも
ので、記録装置は、各種情報処理装置全てあるいはその
出力器としてのプリンタを含むもので、本発明はこれら
への用途が可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録技術は、
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録
装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含
む複合型電子機器やワークステーションの出力器などに
用いられ、いわゆる普通紙にも記録が可能である点で注
目されている。また、当該技術は、2色以上のインクを
噴射する構成をとることにより、カラー記録も可能とな
ることから更なる用途の拡大が期待されている。
【0003】ところで、上記のようなインクジェット記
録技術を用いて普通紙に鮮明なカラー記録を行う場合に
は、実際に次のような解決すべき課題がある。
【0004】その課題とは、普通紙上で充分な記録濃度
を保ちつつ色境界の混色(いわゆるブリーディング)を
抑えることが難しいことである。普通紙上で文字や線を
シャープに形成するためには、通常、ジエチレングリコ
ール−約20重量%、エタノール−約3重量%、染料−
約3重量%、水−残部という組成を有するインクが用い
られている。このようなインクを用いて記録を行うと、
噴射された液滴により普通紙上に形成されるドットは、
隣接する色境界がなければ、そのエッジがシャープで濃
度も高いものが得られる。
【0005】しかしながら、このようなインクは普通紙
上での乾燥や普通紙内への染込みが遅いため、異なる色
のインクを用い、ドットを隣接させるようにして画像を
形成させようとすると、普通紙上ではブリーディングが
発生し、著しく不鮮明な記録となってしまうという不都
合が生じる。
【0006】そこで、本発明者らは、イエロー(以下、
Yとする)、マゼンタ(以下、Mとする)、シアン(以
下、Cとする)およびブラック(以下、Bkとする)の
4色のインクを用いて普通紙に対して行うカラー記録に
ついて、360DPIで数々の実験を繰り返したとこ
ろ、Yの吐出液滴体積を40pl(ピコリットル)程度
とし、MおよびCの各吐出液滴体積を50pl程度と
し、Bkの吐出液滴体積を80pl程度とするのが濃度
およびブリーディングの両面から最も好適であることを
見いだした。
【0007】ところで、上記インクジェット記録方式の
中でも、高密度多数本ノズルに好適な方式として、エネ
ルギ発生体として電気熱変換素子(以下、ヒータとい
う)を用い、このヒータに与える駆動信号に対応して発
生する熱エネルギを利用して記録ヘッドの熱作用面上の
インクに膜沸騰を生じさせ、上記駆動信号に一対一で対
応した気泡を形成し、この気泡の成長、収縮によりイン
クを吐出させて記録を行う記録方式のものが知られてい
る。
【0008】しかしながら、このような方式の記録ヘッ
ドでは、ヒータに入力する電気エネルギを大きく変化さ
せても吐出液滴体積の変化の幅は小さく、前述のような
色ごとの調整をこのような入力エネルギの制御により行
うことは不可能であった。
【0009】そこで、このような記録方式の記録ヘッド
において、異なる吐出液滴体積を有するインク吐出を実
現しようとする場合には、Bkインク80pl用のノズ
ルでは吐出口面積を1000μm2 とし、そのノズル内
のヒータサイズを30μm×150μmとし、Mおよび
Cインク50pl用のノズルでは、吐出口面積を640
μm2 とし、そのノズル内のヒータサイズを24μm×
120μmとし、Yインク40pl用のノズルでは、吐
出口面積を500μm2 とし、そのノズル内のヒータサ
イズを21μm×105μmとしていた。
【0010】ところで、一般にインクジェットヘッドに
おいては、吐出休止時にノズル先端部からインク中成分
が蒸発してインク成分の比率が変動することがあるが、
この場合には吐出再開時に液滴が吐出しにくくなる特性
を有している。このため、ノズルによっては、液滴不吐
出又は吐出不良の場合も生じ、この場合には文字、画像
不良という不都合が生じる。
【0011】このような不都合の対策として、非記録時
にはノズル内インク蒸発防止用のキャップを記録ヘッド
の吐出面にあてがい、記録時には上記キャップに対向す
る位置(ホームポジション)に記録ヘッドを時々移動さ
せ、記録に使用しない液滴吐出(いわゆる空吐出)を行
う方法が採られている。
【0012】本発明者らは、上記空吐出による文字、画
像不良防止策を、前述の吐出量の異なるノズル−ヒータ
を有する記録装置に適用してみたところ、吐出量の少な
いノズル−ヒータ(Y,M,C用)では吐出量の多いノ
ズル−ヒータ(Bk用)よりも短い間隔で空吐出を行う
必要があることを見いだした。しかも、この種の装置で
は、YMC用のノズル−ヒータについては、Bk用ノズ
ル−ヒータのみによる記録を行っている際には、記録の
ための吐出を全く行っていないにもかかわらず、上記蒸
発防止用キャップをあてがわれていないため、Bkの記
録中であってもかなり頻繁に空吐出が必要となり、Bk
の記録を一旦中断して空吐出を行うことになるため、結
果的にBkの記録に要する時間を大幅に長引かせること
になる。
【0013】また特に、Bk,Y,M,Cのノズル−ヒ
ータを同一基板に形成した記録ヘッドでは、吐出された
インクの記録媒体上でのドット濃度や色味を一定にする
ためのBkノズルの吐出制御のための基板温度の調節
(例えば、基板に設けられた保温ヒータにより周囲温度
よりやや高い38℃に制御する温度調節)により、他の
Y,M,Cのノズルの各先端部からのインク蒸発が一層
促進されてしまうという不都合も生じる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、吐出
不良等が少なく、鮮明なカラー記録を高速で行い得るイ
ンクジェットヘッドおよび該インクジェットヘッドを具
備したインクジェット装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、インクを吐出するために利
用されるエネルギを発生する複数の吐出エネルギ発生素
子と、該各発生素子に対応して設けられた液路と、該各
液路に連通する複数の吐出口と、複数の吐出口を有する
吐出口形成部材とを含むインクジェットヘッドにおい
て、吐出体積の小さいインクを吐出する前記吐出口と該
吐出口に対応する前記吐出エネルギ発生素子との距離
を、吐出体積の大きいインクを吐出する前記吐出口と該
吐出口に対応する前記吐出エネルギ発生素子との距離よ
りも短く設定したことを特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載のイ
ンクジェットヘッドにおいて、前記吐出エネルギ発生素
子は熱エネルギ発生素子であってもよい。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項2記載のイ
ンクジェットヘッドにおいて、前記熱エネルギ発生素子
は、前記インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生
する電気熱変換体であってもよい。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかの項に記載のインクジェットヘッドにおいて、前
記吐出体積は、インクの色の違いによって異なってもよ
い。
【0019】請求項5記載の発明は、インクジェットカ
ートリッジであって、請求項1〜3のいずれかの項に記
載のインクジェットヘッドに、該インクジェットヘッド
に供給されるインクを貯留するインクタンクが着脱自在
に取り付けられてなるものであることを特徴とする。
【0020】請求項6記載の発明は、インクジェット装
置であって、請求項5記載のインクジェットカートリッ
ジと、該インクジェットカートリッジを着脱自在に搭載
するキャリッジと、該キャリッジを記録媒体の搬送方向
に直交する主走査方向に往復移動させるための駆動手段
とを含むことを特徴とする。
【0021】
【作用】請求項1記載の発明においては、吐出体積の小
さいインクを吐出する吐出口と該吐出口に対応する吐出
エネルギ発生素子との距離を、吐出体積の大きいインク
を吐出する吐出口と該吐出口に対応する吐出エネルギ発
生素子との距離よりも短く設定したので、吐出口面積お
よび吐出エネルギ発生素子の面積が同一であれば、上記
距離により吐出体積の設定が容易となる。
【0022】また、一回の吐出により、吐出口と吐出エ
ネルギ発生素子との間の液路に充填されていたインクを
ほぼ全部吐出させることができるので、吐出口付近に余
分なインクを残さないことから、従来より発生していた
吐出口付近のインクから成分の蒸発を未然に防止でき、
次の吐出に際し吐出不良または吐出不能などの不都合の
発生をも減らすことができる。
【0023】従って、吐出不良等の解消策としての空吐
出の間隔を長く設定できるので、記録時における空吐出
による中断を減少させることができ、記録に要する時間
を短縮することができる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して本発明のインクジェッ
トヘッドの実施例を詳しく説明する。
【0025】(実施例1)図1は、本発明のインクジェ
ットヘッドの一実施例の要部を示す図であって、(a)
はBk用のノズル−ヒータの構成を示す平面図であり、
(b)はMまたはC用のノズル−ヒータの構成を示す平
面図であり、(c)はY用のノズル−ヒータの構成を示
す平面図である。
【0026】まず、図1の(a)において、10は、例
えばシリコンからなるヘッド基板(以下、単に基板とす
る)である。基板10の表面には厚さ約2μmのSiO
2 層が形成されているが、図示しない。このような基板
10上には例えばHfB2 からなる厚さ約0.1μmの
抵抗層(以下、Bk用ヒータとする)11および例えば
Alからなる厚さ約0.5μmの配線層(以下、Bkヒ
ータ用配線)12がそれぞれ形成されている。これらB
k用ヒータ11およびBkヒータ配線12は例えばフォ
トリソグラフィ技術を利用したパターニングにより形成
することができる。本実施例では、Bk用ヒータ11と
Bkヒータ用配線12とは全体でコ字状をなしている。
コ字は2本の平行線の部分とこれら平行線の一端部を連
結する部分とから構成されるが、Bk用ヒータ11はコ
字のうち、連結部分近傍であって1本の平行線の一部に
設けられている。コ字の残りの部分は、Bkヒータ用配
線12が形成されている。Bk用ヒータ11が設けられ
ていない方の平行線を構成するBkヒータ用配線12上
および、この配線と、Bk用ヒータ11を挟んで反対側
の基板10上には、それぞれ例えば感光性樹脂からなる
ノズル壁部13が形成されている。このノズル壁部13
は、例えば感光性樹脂フィルムをラミネートした後、フ
ォトマスクを用いたパターン露光により現像して厚さ約
30μm程度に形成することができる。このようにして
パターニングされたヒータおよび配線部の上に、これら
各金属層を保護するために厚さ約1.0μmのSiO
2 、次いで厚さ約0.5μmのTaの保護膜(各々図示
略)を順次スパッタリングにより成膜することができ
る。次に、これら2層の保護膜の不要部分をフォトリソ
グラフィにより取り除くことにより配線の形成された基
板10を得る。そして、2本のノズル壁部13の上に図
示しない平板を接合することにより、インクの液路を得
ることができる。この液路の端部は、2本のノズル壁部
13間の離間寸法を漸次短くして液路を絞り込んで形成
した液路の開口であり、また、インク液滴の吐出口であ
るBk用オリフィス14となっている。
【0027】なお、このBk用オリフィス14とBk用
ヒータ11のオリフィス寄り端縁との間の距離は、図1
の(a)に示すようにLHO-aで表わされている。
【0028】次に、図1の(b)において、20は基板
であり、21はMまたはC用ヒータであり、22はMま
たはCヒータ用配線であり、23はノズル壁部であり、
24はMまたはC用オリフィスであり、それぞれ図1の
(a)における10〜14にそれぞれ対応しており、実
質的な相違はない。但し、上記各構成要素の形状、寸法
または各要素間の配置関係等には、当該ノズルで吐出さ
れるインクの吐出特性等を考慮して後述の相違が設けら
れていることは言うまでもない。なお、MまたはC用オ
リフィス24とMまたはC用ヒータ21のオリフィス寄
り端縁との間の距離は、図1の(b)に示すように共に
HO-bで表わされている。
【0029】同様に、図1の(c)において、30は基
板であり、31はY用ヒータであり、32はYヒータ用
配線であり、33はノズル壁部であり、34はY用オリ
フィスであり、それぞれ図1の(a)における10〜1
4にそれぞれ対応しており、実質的な相違はない。但
し、この場合も、上記各構成要素の形状、寸法または各
要素間の配置関係等には、当該ノズルで吐出されるイン
クの吐出特性等を考慮して相違を設けてある。なお、Y
用オリフィス34とY用ヒータ31のオリフィス寄り端
縁との間の距離は、図1の(c)に示すようにLHO-c
表わされている。
【0030】ここで、上記LHO-aとLHO-bとLHO-c
は、この順に短くなっており、各オリフィスから吐出さ
れるインク液滴の吐出体積もこの順に小さくなるように
設定されている。
【0031】次に、上記のようにインクの色ごとに構成
されたヘッド基板を用いてそれぞれ色ごとのインク吐出
部(図2においてBkインク吐出部を15とし、Cイン
ク吐出部を25とし、Mインク吐出部を26とし、Yイ
ンク吐出部を35とする)を作製することができる。
【0032】各インク吐出部15,25,26および3
5は、キャリッジ40上の基台41上に載置され、後述
の記録媒体1の搬送方向に直交する方向に沿って配列さ
れている。キャリッジ40は、同方向に沿って図示しな
いシャーシ上に配設された2本の互いに平行なキャリッ
ジ軸42に往復移動可能な状態で取り付けられている。
このキャリッジ軸42の下側には、上記キャリッジ40
上の各インク吐出部15,25,26および35へ駆動
信号を送るためのフレキシブルケーブル43が配設され
ている。
【0033】また、上記キャリッジ軸42の近傍には、
上記各インク吐出部15,25,26および35による
記録媒体50への記録を適正に行うための記録位置に記
録媒体1を搬送する搬送ローラ51が設けられている。
搬送ローラ51とは、上記記録媒体50を挟んで反対側
には記録済みの記録媒体50の端部の跳ねを抑制する拍
車52(本実施例では一対)が設けられている。
【0034】搬送ローラ51の回転軸の軸線方向外側に
位置し、かつ、キャリッジ40の移動可能範囲内に含ま
れた位置には、キャリッジ40上の各インク吐出部1
5,25,26および35の空吐出を行うための吐出回
復手段としてのキャップ部材53が設けられている。
【0035】キャリッジ40は、非記録時あるいは各イ
ンク吐出部15,25,26または35による記録時に
おいては所定の時間間隔をもって上記キャップ部材53
に対向する位置(ホームポジション)へ戻るように制御
されている。
【0036】ここで、Bk,M,CおよびYの各ノズル
−ヒータにおけるLHo-a,LHO-bおよびLHO-cを種々の
数値に設定したヘッド基板を作成し、その場合に空吐出
を欠けなく持続できる時間を測定し、その結果を表1に
示した。
【0037】Bk用ヘッド基板では、ヒータサイズを3
0μm×150μmとし、その吐出口面積を1000μ
2 とした。MまたはC用ヘッド基板では、それぞれヒ
ータサイズを24μm×120μmとし、その吐出口面
積を640μm2 とした。さらに、Y用ヘッド基板で
は、ヒータサイズを21μm×105μmとし、その吐
出口面積を500μm2 とした。各ヘッド基板におい
て、ノズル壁部の長さを320μmで統一した。
【0038】また、各記録ヘッドにおいて、それぞれ3
60DPI,64ノズルの構成を採用し、インクをジエ
チレングリコール−20重量%、エタノール−3重量
%、染料−3重量%、水−残部という組成のものを用い
た。温度15℃,湿度10%の環境下で各ヘッドを38
℃に保温しつつ、キャップしない状態で20滴(500
Hz)の1分間隔の空吐出を行って、その際に欠けなく
空吐出を持続できた時間(最長60分まで)を測定し
た。各ヘッドにおけるヒータへの通電条件としては、印
加パルス幅3μsを用い、吐出閾電圧の1.15倍の電
圧を印加した。表1中、「OK」の表示は空吐出がその
時間までは持続が可能であったことを意味する。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、Bk用ヘッドに
おいては、LHO-aが100〜120μmの範囲内では空
吐出が60分持続可能であったが、140μmでは28
分と約半減の結果となり、70〜80μmの範囲になる
とドット抜けの多い掠れた記録となってしまうことがわ
かる。掠れの現象についてストロボ同期照明の顕微鏡観
測を行ったところ、ヒータに通電した際に発生した気泡
が吐出口から時々突き抜けることがあり、このためノズ
ル内に空気泡を取り込む結果、記録に掠れが入ることが
判明した。
【0041】同様に、表1から明らかなように、Mまた
はC用ヘッドにおいては、LHO-bが70〜80μmの範
囲内では空吐出が60分持続可能であったが、120μ
mではわずか4分しか持続しないことがわかる。
【0042】さらに、Y用ヘッドにおいても、LHO-c
60〜70μmの範囲内では空吐出が60分持続可能で
あったが、120μmではわずか3分しか持続しないこ
とがわかる。また別に、上記LHO-a,LHO-bおよびL
HO-C
【0043】
【外1】
【0044】各ヘッドに対する保温対策を行わない場合
に、空吐出の持続可能時間を測定し、その結果を表1に
示した。なお、表1中、( )内の記載は、上記保温対
策を行わない場合の測定結果を示す。
【0045】その結果はいずれもBkは60分OK、
M,C用は30分OK、Y用は20分OKというもので
あった。
【0046】
【外2】
【0047】各色のヘッドを用意した場合、全色を38
℃に保温すると3分ごとにキャップ位置にヘッドを移動
し空吐出させれば良いというものではないため、例えば
初めの空吐出は欠けなく吐出できてもその繰返しを行な
ううちに例えば数回目ではドット欠けが発生するので実
際には30秒程度の間隔の空吐出が必要となり、記録時
間が大幅に長くなる欠点となる。
【0048】また、記録に使用しない色のヘッドを保温
しないでおき、吐出信号が入ったとき急いで38℃に保
温する方法では空吐出間隔を延ばせるが、吐出信号が入
るたびにヘッド温度が上昇するまでの数十秒の待機が必
要となる。
【0049】さらに、保温を一切しない方法では吐出さ
れる液滴の温度が環境温度によって異なってしまい紙上
でのドット濃度や色味が一定しない問題となる。
【0050】このため、本実施例では、LHO-a,LHO-b
およびLHO-cを例えばそれぞれ120,80および70
μmというように、吐出体積の小さいノズル−ヒータの
HOを吐出体積の大きいノズル−ヒータのLHOより小さ
くすることにより、上記不都合を解消することができ
る。
【0051】(実施例2)次に、図3は本発明のインク
ジェットヘッドの他の実施例における要部を示す平面図
である。本実施例の特徴は、先の実施例における各色の
ノズル−ヒータがそのヘッド基板を共有し、同一基板上
に各色のノズル−ヒータ群が形成されている点にある。
【0052】61はBk用ヒータ群を示し、各ヒータは
各30μm×150μmのサイズを有し、62,63は
C・M用ヒータ群を示し、各ヒータは各24μm×12
0μmのサイズを有し、64はY用ヒータ群を示し、各
ヒータは各21μm×105μmのサイズを有してい
る。なお、60は先の実施例と同様に厚さ約0.6mm
のシリコンウェハに厚さ約2μmのSiO2 を形成した
基板である。ここで、36はヒータを駆動するための機
能素子が配設された領域を示しており、37は装置側か
ら電気信号を受けるためのコンタクトパッドを示してい
る。
【0053】
【外3】
【0054】ヒータが配置されている。
【0055】本実施例では、例えばBkのみ記録に用い
た場合、Bkヒータへの入力エネルギと吐出液滴が持ち
去るエネルギの差分がヘッド基板温度を確実に上昇させ
るため、
【0056】
【外4】
【0057】即ち本発明の重要性は一段と増すことにな
る。
【0058】図4は図3に示した基板にノズルを形成し
た状態を説明するための模式的斜視図である。図4にお
いて65はY用オリフィスであり、66はM用オリフィ
スであり、67はC用オリフィスであり、68はBk用
オリフィスである。
【0059】またもちろん本発明では必ずしもVd の順
に対応した順にLHOを異ならせしめる必要はない。具体
的にはVd が80,50,40plのノズル−ヒータの
HOを120μm,70μm,70μmとしてもよいこ
とは言うまでもない。
【0060】またここまではカラー記録の例で説明して
きたが、例えばBkのみのインクを使用し、Vd を8
0,50,40plのものを用いて階調記録を行なう場
合にも本発明は有効である。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鮮明なカラー記録を可能とする各色のインク液滴の吐出
体積を設定した上で行う記録において、吐出口と吐出エ
ネルギ発生素子との距離とインク液滴の吐出体積との特
定の関係により、吐出不良等を少なくすることができる
ので、その解消策としての空吐出の間隔を長く設定で
き、記録時における空吐出による中断を減少させること
ができ、記録に要する時間を短縮することができること
から、鮮明カラー記録の高速化を達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドの一実施例の要
部を示す図であって、(a)はBk用のノズル−ヒータ
の構成を示す平面図であり、(b)はMまたはC用のノ
ズル−ヒータの構成を示す平面図であり、(c)はY用
のノズル−ヒータの構成を示す平面図である。
【図2】本発明のインクジェット装置の一実施例の構成
を示す概略斜視図である。
【図3】本発明のインクジェットヘッドの他の実施例に
おける基板を示す平面図である。
【図4】図3に示した基板上にノズルを形成した状態を
示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
10 Bk用ヘッド基板 11 Bk用ヒータ 12 Bkヒータ用配線 13 ノズル壁部 14 Bk用オリフィス 15 Bkインク吐出部 20 MまたはC用ヘッド基板 21 MまたはC用ヒータ 22 MまたはCヒータ用配線 23 ノズル壁部 24 MまたはC用オリフィス 25 Cインク吐出部 26 Mインク吐出部 30 Y用ヘッド基板 31 Y用ヒータ 32 Yヒータ用配線 33 ノズル壁部 34 Y用オリフィス 35 Yインク吐出部 36 機能素子配設領域 37 コンパクトパッド 40 キャリッジ 41 基台 42 キャリッジ 43 フレキシブルケーブル 50 記録媒体 51 搬送ローラ 52 拍車 53 キャップ部材 60 基板 61 Bk用ヒータ群 62 C用ヒータ群 63 M用ヒータ群 64 Y用ヒータ群 65 Y用オリフィス 66 M用オリフィス 67 C用オリフィス 68 Bk用オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/175 B41J 3/04 101 Z 102 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するために利用されるエネ
    ルギを発生する複数の吐出エネルギ発生素子と、該各発
    生素子に対応して設けられた液路と、該各液路に連通す
    る複数の吐出口と、複数の吐出口を有する吐出口形成部
    材とを有し、異なる複数の体積のインクを吐出するイン
    クジェットヘッドにおいて、 吐出体積の小さいインクを吐出する前記吐出口と該吐出
    口に対応する前記吐出エネルギ発生素子との距離を、吐
    出体積の大きいインクを吐出する前記吐出口と該吐出口
    に対応する前記吐出エネルギ発生素子との距離よりも短
    く設定したことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェットヘッドに
    おいて、前記吐出エネルギ発生素子は熱エネルギ発生素
    子であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のインクジェットヘッドに
    おいて、前記熱エネルギ発生素子は、前記インクに膜沸
    騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体であ
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項に記載のイ
    ンクジェットヘッドにおいて、前記吐出体積は、インク
    の色の違いによって異なることを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかの項に記載のイ
    ンクジェットヘッドに、該インクジェットヘッドに供給
    されるインクを貯留するインクタンクが着脱自在に取り
    付けられてなるものであることを特徴とするインクジェ
    ットカートリッジ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のインクジェットカートリ
    ッジと、該インクジェットカートリッジを着脱自在に搭
    載するキャリッジと、該キャリッジを被記録媒体の搬送
    方向に直交する主走査方向に往復移動させるための駆動
    手段とを含むことを特徴とするインクジェット装置。
JP18344294A 1994-08-04 1994-08-04 インクジェットヘッドおよびインクジェット装置 Pending JPH0848035A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1172215A1 (en) 2000-07-10 2002-01-16 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording head and recording apparatus

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EP1172215A1 (en) 2000-07-10 2002-01-16 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording head and recording apparatus
US6481819B2 (en) 2000-07-10 2002-11-19 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording head and recording apparatus having recording element substrates with different liquid ejection systems
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