JPH0846289A - 半導体レーザの製造方法 - Google Patents

半導体レーザの製造方法

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JPH0846289A
JPH0846289A JP18123494A JP18123494A JPH0846289A JP H0846289 A JPH0846289 A JP H0846289A JP 18123494 A JP18123494 A JP 18123494A JP 18123494 A JP18123494 A JP 18123494A JP H0846289 A JPH0846289 A JP H0846289A
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semiconductor laser
semiconductor
bonding
insulating film
layer
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Application number
JP18123494A
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English (en)
Inventor
Kinya Atsumi
欣也 渥美
Yuji Kimura
裕治 木村
Katsunori Abe
克則 安部
Noriyuki Matsushita
規由起 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボンディング時にオーミックコンタクト領域
にダメージが入らないようにして信頼性の高い半導体レ
ーザを得る。 【構成】 半導体基板21上に、第1の半導体クラッド
層23、半導体活性層24、第2の半導体クラッド層2
5等を積層し、さらに上面に幅が100μm以上のスト
ライプ状の開口部270を有する絶縁膜27を形成し、
その開口部270に上部電極28をオーミックコンタク
トをとるようにして、半導体レーザ素子10を構成す
る。この半導体レーザ素子10をヒートシンク40上に
設置し、オーミックコンタクト領域280から外れた領
域100から加圧してダイボンディングを行い、半導体
レーザ素子10をヒートシンク40に接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザに係り、
特にロボットの目やレーザレーダシステム等を構成する
測距用の大出力半導体レーザとして好適なものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザを用いて100m先の物体
を検知するようなレーザレーダシステムの場合、半導体
レーザにおいてはパルス駆動で数十Wクラスもの大出力
が要求されている。この大出力半導体レーザの構造を図
9に示す。
【0003】n−GaAs基板21上にn−GaAs層
22、n−AlX Ga1-X Asクラッド層23が積層さ
れ、その上にGaAs活性層24、p−AlX Ga1-X
Asクラッド層25、p−GaAs層26が積層されて
いる。さらに、SiO2 からなる絶縁膜27が形成され
るとともに、絶縁膜27には窓部(開口部)270が形
成され、その上にはCr/Au からなるp型電極28が
形成されている。このp型電極28とp−GaAs層2
6とはオーミックコンタクトが取られ、オーミックコン
タクト領域280(窓部270と一致する)を形成して
いる。
【0004】ここで、窓部270の幅がストライプ幅で
あり、活性層24内の発光領域241はストライプ幅と
一致する。大出力半導体レーザでは、数十Wクラスの出
力を得るため、そのストライプ幅を少なくとも100μ
m(図9に示すものにおいては400μm)以上必要と
している。このような大出力半導体レーザに対し、駆動
電流が数十mA程度で数十mWクラスの出力を得る小出
力半導体レーザがあるが、このものではストライプ幅が
数μm(例えば5μm)であるので、ストライプ幅が1
00μm以上とすることで大出力半導体レーザが定義さ
れる。
【0005】このように構成された半導体レーザ素子1
0は、発光時に素子内部が発熱するため、Cu製のヒー
トシンク40に固定される。このため、n−GaAs基
板21の裏面には、n型電極29及びAu/Snはんだ
層30が形成されている。すなわち、はんだ層30を加
熱しながら、素子のほぼ中心部をダイボンディング位置
50とし、ボンディング用ツール51を用い、数100
kg/cm2 程度の圧力で加圧し、ダイボンディングし
てヒートシンク40に固定する。
【0006】上記のようなダイボンディングを行った
後、Au製のボンディングワイヤを超音波振動を加えな
がら加圧し、上部電極であるp型電極28と接合する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして構成された大出力半導体レーザへの注入電流を
増加して、光出力を高くしていくと素子寿命(信頼性)
が低下する。これはダイボンディングあるいはワイヤボ
ンディングにより外部から加えられた応力により結晶内
部にダメージが入り結晶欠陥が発生し、光出力が増大す
るに従ってその欠陥が増殖するためである。
【0008】このように、ダイボンディングあるいはワ
イヤボンディングによる素子への圧力印加で、素子の長
期信頼性を失わせる大きな要因は、オーミックコンタク
ト領域280を含む結晶層の劣化にある。これは、オー
ミックコンタクトを形成している半導体と電極金属の界
面にダメージが入るとその部分に電流が流れにくくな
り、その結果、発光領域241内で不均一な電流の流れ
が生じるためである。また、発光領域241を形成する
活性層24が素子上部から数ミクロンのところに形成さ
れているため、ダイボンディングあるいはワイヤボンデ
ィングによる加圧力が大きいと、活性層24内にも結晶
欠陥が発生する。このような場合には、図10に示すよ
うに、活性層24において発光しなくなる領域24aが
生じる。半導体レーザのように瞬時に数十アンペアもの
電流を素子内に流す場合は、この様な不均一な電流の流
れが素子の信頼性に特に大きく影響する。
【0009】そこで、ダイボンディングにおいて、この
ような問題を解決するものに、特開昭53−14469
4号公報、特開昭55−6877号公報に示すものがあ
る。これらはいずれも、ボンディング位置を頂点とし
て、結晶面(100)面に対するすべり面(111)面
とこれに対称な面の2つの面で挟まれる領域内に発光領
域が入らない素子構造としたもの、あるいはこのすべり
面をくい止める溝を有する素子構造としたものである。
【0010】しかしながら、上記公報のものはいずれ
も、基板側(図9においてはn−GaAs基板21側)
を上にして基板側にボンディング圧力を加えるものであ
る。大出力半導体レーザのように、ストライプ幅が少な
くとも100μm以上あるような半導体レーザでは、上
記公報のように基板側を上にして発光領域側をはんだ接
合すると、ヒートシンクと半導体レーザを構成するGa
As等の材料間の熱膨張差により、活性層に応力がかか
り、素子の信頼性が低下する。従って、信頼性を得るた
めには、基板側をヒートシンクとの接合面として、発光
領域側を上にして実装することが望ましい。
【0011】また、ワイヤボンディングにおいては、図
11に示すように、素子に機械的衝撃を加えないよう
に、ワイヤボンディングする箇所にはんだペレット80
をおいて、そのペレットを加熱し、はんだを半溶融状態
にし、その上にワイヤ70をボンディングする方法が用
いられている。しかしながら、上記のような方法を採る
と、ワイヤボンディングする際にはんだが半溶融状態で
あるため、超音波の振動がはんだにうまく加わらず、は
んだが活性層24までたれてしまうといった問題を生じ
る可能性がある。また、数十ミクロンのはんだペレット
を電極28の表面部に設置しなければならず、量産性が
極めて悪いという問題もある。
【0012】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、大出力半導体レーザにおいて、ダイボンディングあ
るいはワイヤボンディング時に、上記のような応力によ
る素子欠陥を生じさせない、新規な半導体レーザの製造
方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、請求項1に記載の発明においては、半導体基
板(21)上に、少なくとも第1の半導体クラッド層
(23)、半導体活性層(24)、第2の半導体クラッ
ド層(25)を有する半導体レーザ構成要素(22〜2
6)が積層されたものであって、上面に幅が100μm
以上のストライプ状の開口部(270)を有する絶縁膜
(27)が形成され、その開口部(270)に上部電極
(28)が前記半導体レーザ構成要素の最上層(26)
とオーミックコンタクトをとるように形成された半導体
レーザ素子(10)を用意する工程と、この半導体レー
ザ素子(10)を台座(40)上に設置する工程と、前
記上面からみて前記上部電極(28)がオーミックコン
タクトしている領域(280)から外れた位置にて、前
記上面から加圧し、前記台座(40)上に前記半導体レ
ーザ素子(10)をダイボンディングする工程とを有す
ることを特徴としている。
【0014】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記ダイボンデングする工程は、前
記絶縁膜(27)の上部から加圧する工程であることを
特徴としている。請求項3に記載の発明では、請求項1
に記載の発明において、前記半導体レーザ構成要素(2
2〜26)のうち少なくとも前記半導体活性層(24)
から上にある構成要素部分(23〜26)をメサ状に形
成し、残りの構成要素部分(22)の上部に平坦部(1
01)を形成する工程を有し、前記ダイボンディングす
る工程は、前記平坦部(101)の上から加圧する工程
であることを特徴としている。
【0015】請求項4に記載の発明においては、半導体
基板(21)上に、少なくとも第1の半導体クラッド層
(23)、半導体活性層(24)、第2の半導体クラッ
ド層(25)を有する半導体レーザ構成要素(22〜2
6)が積層されたものであって、上面に幅が100μm
以上のストライプ状の開口部(270)を有する絶縁膜
(27)が形成され、その開口部(270)に上部電極
(28)が前記半導体レーザ構成要素の最上層(26)
とオーミックコンタクトをとるように形成された半導体
レーザ素子(10)を用意する工程と、この半導体レー
ザ素子(10)を台座(40)上に設置する工程と、前
記絶縁膜(27)上に加圧分散板(60,61)を設置
し、この加圧分散板(60,61)の上から加圧して、
前記台座(40)上に前記半導体レーザ素子(10)を
ダイボンディングする工程とを有することを特徴として
いる。
【0016】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記ダイボンディングする工程は、
前記加圧分散板(61)をその上面と前記上部電極(2
8)とが電気的に接続される状態にて前記半導体レーザ
素子(10)に固定設置する工程を含み、さらに前記ダ
イボンディング後、前記加圧分散板(61)の上面にワ
イヤボンディングする工程を有することを特徴としてい
る。
【0017】請求項6に記載の発明請求項4に記載の発
明において、前記加圧分散板(60)は、前記ワイヤボ
ンディングする面に複数の放熱溝が形成されたものであ
ることを特徴としている。請求項7に記載の発明におい
ては、半導体基板(21)上に、少なくとも第1の半導
体クラッド層(23)、半導体活性層(24)、第2の
半導体クラッド層(25)を有する半導体レーザ構成要
素(22〜26)を積層する工程と、前記半導体レーザ
構成要素(22〜26)のうち少なくとも前記半導体活
性層(24)から上にある構成要素部分(23〜26)
をメサ状に形成し、残りの構成要素部分(22)の上部
に平坦部(101)を形成する工程と、前記メサ状に形
成された上面に、幅が100μm以上のストライプ状の
開口部(270)を有し、前記半導体レーザ構成要素
(22〜26)の上面に絶縁膜(27)を形成する工程
と、前記絶縁膜(27)上および前記開口部(270)
上に上部電極(28)を形成し、前記開口部(270)
に形成される上部電極(28)と前記半導体レーザ構成
要素の最上層(26)をオーミック接続する工程と、前
記平坦部(101)における前記絶縁膜(27)上に形
成される上部電極(28)にワイヤボンディングを行う
工程とを有することを特徴としている。
【0018】なお、上記各手段のカッコ内の符号は、後
述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0019】
【発明の作用効果】請求項1に記載の発明においては、
半導体レーザ素子を台座上に設置し、上面からみて上部
電極がオーミックコンタクトしている領域から外れた位
置にて、上面から加圧してダイボンディングするように
している。従って、オーミックコンタクト領域にダメー
ジが入らないため、活性層内で不均一な電流の流れが起
こらず、信頼性の高い半導体レーザを得ることができ
る。
【0020】上記ダイボンディングは、請求項2に記載
のように、半導体レーザ素子の上面に形成された絶縁膜
の上部から加圧して行うことができる。また、上記ダイ
ボンディングは、請求項3に記載の発明のように、メサ
上に形成された半導体レーザ素子に形成される平坦部の
上から加圧して行うことができる。
【0021】請求項4に記載の発明においては、半導体
レーザ素子を台座上に設置するとともに、半導体レーザ
素子の上面に形成された絶縁膜上に加圧分散板を設置
し、この加圧分散板の上から加圧してダイボンディング
するようにしている。従って、ダイボンディング時の圧
力が加圧分散板にて分散されるため、オーミックコンタ
クト領域にダメージが入らず信頼性の高い半導体レーザ
を得ることができる。
【0022】請求項5に記載の発明においては、加圧分
散板をその上面と上部電極とが電気的に接続される状態
にて半導体レーザ素子に固定設置し、ダイボンディング
後、加圧分散板上面にワイヤボンディングを行うように
している。従って、ダイボンディング時に使用する加圧
分散板をそのまま用いてワイヤボンディングすることが
できる。
【0023】また、請求項6に記載の発明のように、加
圧分散板のワイヤボンディングする面に複数の放熱溝が
形成するようにすることによって、放熱特性をも良好に
することができる。請求項7に記載の発明においては、
メサ上に形成された半導体レーザ素子に形成される平坦
部の上の上部電極にワイヤボンディングを行うようにし
たものである。
【0024】従って、オーミックコンタクト領域から外
れた位置にてワイヤボンディングが行われるため、オー
ミックコンタクト領域にダメージが入らず信頼性の高い
半導体レーザを得ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。 (第1実施例)図1は、電極ストライプ構造をもつGa
As−AlX Ga1-X Asダブルヘテロ接合型の半導体
レーザの斜視図を示し、図9と同一符号の部分はそれと
同一の構成を示す。
【0026】この半導体レーザは以下のようにして製造
される。まず、n−GaAs基板21上に、n−GaA
s層22、n−AlX Ga1-XAsクラッド層23が積
層され、その上にGaAs活性層24、p−AlX Ga
1-X Asクラッド層25、p−GaAs層(電極とのコ
ンタクト層)26を順次、MOCVD(Metal Organic
Chemical Vapor Deposition )法により積層する。ま
た、p−GaAs層26の上面にSiO2 あるいはSi
3 4 からなる絶縁膜27をプラズマCVD法により成
膜し、エッチングにより窓開けして窓部270を形成す
る。その後、絶縁膜27上に、Cr/Auからなるp型
電極28を電子ビーム蒸着法により形成し、オーミック
コンタクト領域280を形成する。
【0027】さらに、n−GaAs基板21の裏面にA
uGe/Ni/Auからなるn型電極29を電子ビーム
蒸着法により形成し、熱処理を行ってオーミックコンタ
クトを取る。上記のオーミックコンタクトはいずれの場
合も約360℃において熱処理を行うことにより得られ
る。その後、Au/Snはんだ層30を電子ビーム蒸着
法により形成する。最後に、端面をへき開し、半導体レ
ーザ素子10を構成する。
【0028】この半導体レーザ素子10を、真空ピンセ
ットを用いてヒートシンク40上に搬送し接合する。こ
の台座としてのヒートシンク40は、Cu,Fe等から
なっており、表面は金などの導伝率の高い金属がメッキ
叉は蒸着、スパッタ法などを用いて設けられている。半
導体レーザ素子10とヒートシンク40の接合は、図示
しないヒートシンク下にあるヒータにて約300℃まで
加熱し、Au/Snはんだ層30を溶融し、ボンディン
グツール51により加圧して行う。
【0029】本実施例においては、このボンディングツ
ール51によりダイボンディングする場所50をオーミ
ックコンタクト領域280以外の絶縁膜27の上部10
0としている。なお、ボンディングツール51として
は、Al2 3 等のセラミックか超鋼合金製のものを用
い、ボンディングツール51の加圧部を直径100μm
とし、単位面積当たり約200kg/cm2 の圧力を印
加して行う。
【0030】このダイボンディング後に行うワイヤボン
ディングについても、オーミックコンタクト領域280
以外の絶縁膜27の上部100にて行い、オーミックコ
ンタクト領域280へのダメージを防ぐようにしてい
る。なお、半導体レーザ素子10の縦横の寸法は、50
0μm×600μmとし、素子の厚さは100μmとし
た。
【0031】この方法で製造した半導体レーザを、室温
で、駆動電流20A(20Wの光出力)、10KHzの
駆動周期にて50nsecの発光幅で駆動した時の寿命
試験結果を図2に示す。この図2に示すように、本実施
例によれば、オーミックコンタクト領域280にダメー
ジが入らないため、従来の接合方法と比べ高い信頼性が
得られる。
【0032】なお、ボンディングツール51による加圧
は、絶縁膜27の上部100において一度に2ケ所以上
行うようにしてもよい。 (第2実施例)この第2実施例においては、図1に示す
半導体レーザ素子10を、図3に示すように、加圧板分
散板60を介して、ボンディングツール51で圧力を印
加するようにしたものである。この加圧分散板60は、
板厚100μmのGaAs基板である。
【0033】この加圧板分散板60は、ダイボンディン
グを行った後、取り除かれ、第1実施例と同様に、オー
ミックコンタクト領域280以外の絶縁膜27の上部1
00にワイヤボンディングが行われる。この実施例にお
いても、オーミックコンタクト領域280にダメージが
入らないばかりでなく、発光領域241にはまったく応
力がかからないため、図2に示すように、極めて高い信
頼性を得ることができる。
【0034】なお、加圧分散板60の材料は、GaAs
以外にSi基板やセラミック板あるいは金属板等を用い
てよい。特に熱伝導が良好で、熱膨張係数がGaAsに
近いもののような材料が好ましい。 (第3実施例)この第3実施例は、図4に示すように、
加圧分散板61の上にワイヤ70をボンディングするよ
うにしたものである。この加圧分散板61は、比抵抗4
×10 -3Ωcmの低抵抗Si基板を用いたものである。
また、この加圧分散板61の上面及び下面には、Au蒸
着膜62が形成されており、さらに下面にはAu/Sn
はんだ層63が形成されている。
【0035】この実施例においては、半導体レーザ素子
10をヒートシンク40の所定の位置に設置し、半導体
レーザ素子10上に加圧分散板61を設置する。この
後、ヒートシンク40下にある図示しないヒータにて約
300℃まで加熱してAu/Snはんだ層30、63を
溶融し、半導体レーザ10とヒートシンク40との間、
及び半導体レーザ素子10と加圧分散板61との間を接
合する。
【0036】そして、第2実施例と同様、加圧分散板6
1を用いてダイボンディングし、この後、加圧分散板6
0上に直径30μmのAu製ワイヤ70をワイヤボンデ
ィングする。図5は図4の断面図である。Au/Snは
んだ層63は、SiO2 あるいはSi3 4 からなる絶
縁膜27とは濡れ性が悪いため、加熱しながら加圧した
場合、前記はんだ63はストライプの溝中に流れこみ、
その溝は完全に埋まる。
【0037】この実施例により製造した半導体レーザで
は、圧力分散板61にて素子にかかる圧力を分散させる
ことができ、さらに発光領域241にもまったく応力が
かからない。従って、ワイヤボンディング及びダイボン
ディング時に、オーミックコンタクト領域280を含む
結晶層、及び発光領域241を含む活性層24にダメー
ジが入らないため、図2に示すように、従来の接合方法
と比べ極めて高い信頼性が得られる。
【0038】なお、発光領域241と圧力分散板61
は、距離が数ミクロンと極めて近いため、圧力分散板6
1にSiのようなGaAsよりも熱伝導のよい材料を用
いれば、素子駆動時に発光領域241で発熱する熱を圧
力分散板61から放熱させることができるため、さらに
信頼性の高い、半導体装置を得ることができる。圧力分
散板61の材料としては、熱膨張率がGaAsと近く、
さらに熱電導率が高いもの、例えばAlN,SiC,c
BN,等のセラミック、Mo,CuW,コバール等の金
属でもよい。なお、電気伝導度の悪い材料を用いるとき
は、圧力分散板61の表面全てにAu蒸着膜62を形成
すれば、蒸着膜62を通して電流が流れるため、圧力分
散板61の電気抵抗は問題ない。
【0039】また、圧力分散板61の上面を、図6に示
すように、凹凸形状にして、複数の放熱用の溝を形成す
るようにしてもよい。このような凹凸形状はSiの圧力
分散板61の上面をフォトエッチングすることにより形
成することができる。このように圧力分散板61の表面
積が大きくなることで、さらに放熱性が向上し、極めて
高い信頼性を得ることができる。 (第4実施例)この第4実施例においては、図7に示す
ように、n−AlX Ga1-X Asクラッド層23、Ga
As活性層24、p−AlX Ga1-X Asクラッド層2
5、p−GaAs層26をメサ状に積層した構成のもの
である。
【0040】このような構成とするため、n−GaAs
基板21からp−GaAs層26までを積層した後に、
エッチングを用いてメサ部を形成し、n−GaAs層2
2上の平坦部分およびメサ部の上面に絶縁膜27、p型
電極28を形成する。本実施例では、ボンディングツー
ル51により圧力を印加する場所50を、メサ形状の外
側の平坦部101としている。
【0041】また、このダイボンディング後に行われる
ワイヤボンディングを、図8に示すように、メサ形状の
外側の平坦部101上のボンディング位置52にて行
う。この実施例においても、オーミックコンタクト領域
280にダメージが入らないばかりでなく、発光領域2
41にはまったく応力がかからないため、図2に示すよ
うに、極めて高い信頼性を得ることができる。
【0042】また、ワイヤボンディングについては、上
記平坦部101以外に、第1実施例と同様、絶縁膜27
の上部100にて行うようにしてもよい。 (その他の実施例)なお、半導体レーザ素子10を実装
する台座としては、ヒートシンク40以外に、他の半導
体基板や回路基板などでもよい。
【0043】また、半導体レーザ素子10を乗せる前に
サブマウントとして表面に導伝材料とはんだ層を設けた
Si,Ge,ダイヤモンドなどを乗せても良い。また、
上記実施例ではAlGaAs系の材料のストライプ型半
導体レーザとしたが、その他のIII −V族化合物材料を
用いた半導体レーザであってもよい。また、そのストラ
イプ幅は400μm以外に、100μm以上であれば他
の値であってもよい。さらに、パルス駆動の半導体レー
ザの他にも直流駆動(CW)の半導体レーザに使用して
もよい。
【0044】さらに、はんだ材は、Au/Snに限ら
ず、例えばAu/Si、Sn/Pb、In等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す半導体レーザの斜視
図である。
【図2】第1実施例〜第4実施例までの効果を説明する
特性図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す半導体レーザの斜視
図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す半導体レーザの斜視
図である。
【図5】図4中の半導体レーザ素子の部分的断面図であ
る。
【図6】第3実施例の変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4実施例を示す半導体レーザの斜視
図である。
【図8】図7に示すものに対しワイヤボンディングを行
った状態の斜視図である。
【図9】従来の半導体レーザの構成を示す斜視図であ
る。
【図10】従来の問題点を説明する説明図である。
【図11】従来のワイヤボンディングを行う方法を示す
図である。
【符号の説明】
10 半導体レーザ素子 21 n−GaAs基板 22 n−GaAs層 23 n−AlX Ga1-X Asクラッド層 24 GaAs活性層 25 p−AlX Ga1-X Asクラッド層 26 p−GaAs層 27 絶縁膜 28 p型電極 280 オーミックコンタクト領域 40 ヒートシンク 51 ボンディング用ツール 70 ボンディングワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 規由起 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、少なくとも第1の半導
    体クラッド層、半導体活性層、第2の半導体クラッド層
    を有する半導体レーザ構成要素が積層されたものであっ
    て、上面に幅が100μm以上のストライプ状の開口部
    を有する絶縁膜が形成され、その開口部に上部電極が前
    記半導体レーザ構成要素の最上層とオーミックコンタク
    トをとるように形成された半導体レーザ素子を用意する
    工程と、 この半導体レーザ素子を台座上に設置する工程と、 前記上面からみて前記上部電極がオーミックコンタクト
    している領域から外れた位置にて、前記上面から加圧
    し、前記台座上に前記半導体レーザ素子をダイボンディ
    ングする工程とを有することを特徴とする半導体レーザ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ダイボンデングする工程は、前記絶
    縁膜の上部から加圧する工程であることを特徴とする請
    求項1に記載の半導体レーザの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体レーザ構成要素のうち少なく
    とも前記半導体活性層から上にある構成要素部分をメサ
    状に形成し、残りの構成要素部分の上部に平坦部を形成
    する工程を有し、 前記ダイボンディングする工程は、前記平坦部の上から
    加圧する工程であることを特徴とする請求項1に記載の
    半導体レーザの製造方法。
  4. 【請求項4】 半導体基板上に、少なくとも第1の半導
    体クラッド層、半導体活性層、第2の半導体クラッド層
    を有する半導体レーザ構成要素が積層されたものであっ
    て、上面に幅が100μm以上のストライプ状の開口部
    を有する絶縁膜が形成され、その開口部に上部電極が前
    記半導体レーザ構成要素の最上層とオーミックコンタク
    トをとるように形成された半導体レーザ素子を用意する
    工程と、 この半導体レーザ素子を台座上に設置する工程と、 前記絶縁膜上に加圧分散板を設置し、この加圧分散板の
    上から加圧して、前記台座上に前記半導体レーザ素子を
    ダイボンディングする工程とを有することを特徴とする
    半導体レーザの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ダイボンディングする工程は、前記
    加圧分散板をその上面と前記上部電極とが電気的に接続
    される状態にて前記半導体レーザ素子に固定設置する工
    程を含み、 さらに前記ダイボンディング後、前記加圧分散板の上面
    にワイヤボンディングする工程を有することを特徴とす
    る請求項4に記載の半導体レーザの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記加圧分散板は、前記ワイヤボンディ
    ングする面に複数の放熱溝が形成されたものであること
    を特徴とする請求項5に記載の半導体レーザの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 半導体基板上に、少なくとも第1の半導
    体クラッド層、半導体活性層、第2の半導体クラッド層
    を有する半導体レーザ構成要素を積層する工程と、 前記半導体レーザ構成要素のうち少なくとも前記半導体
    活性層から上にある構成要素部分をメサ状に形成し、残
    りの構成要素部分の上部に平坦部を形成する工程と、 前記メサ状に形成された上面に、幅が100μm以上の
    ストライプ状の開口部を有し、前記半導体レーザ構成要
    素の上面に絶縁膜を形成する工程と、 前記絶縁膜上および前記開口部上に上部電極を形成し、
    前記開口部に形成される上部電極と前記半導体レーザ構
    成要素の最上層をオーミック接続する工程と、 前記平坦部における前記絶縁膜上に形成される上部電極
    にワイヤボンディングを行う工程とを有することを特徴
    とする半導体レーザの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001244551A (ja) * 2000-02-28 2001-09-07 Sony Corp パルセーションレーザ
WO2006011319A1 (ja) * 2004-07-29 2006-02-02 Japan Science And Technology Agency レーザー結晶用ダイボンド装置
JP2018113377A (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 三菱電機株式会社 レーザー光源装置
WO2023209939A1 (ja) * 2022-04-28 2023-11-02 三菱電機株式会社 光モジュールおよびその製造方法

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