JPH084469A - 温泉熱誘導法 - Google Patents
温泉熱誘導法Info
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- JPH084469A JPH084469A JP14850594A JP14850594A JPH084469A JP H084469 A JPH084469 A JP H084469A JP 14850594 A JP14850594 A JP 14850594A JP 14850594 A JP14850594 A JP 14850594A JP H084469 A JPH084469 A JP H084469A
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- casing
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- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
- Earth Drilling (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 温泉の汲み上げの仕方を工夫して、井戸底部
の泉温を相当程度に維持した状態で、湯を取り出すこと
ができるようにした温泉熱誘導法を提供する。 【構成】 井戸掘削孔内にケーシングを装填し、上記ケ
ーシングと掘削孔内壁との間にパッカーを介装して、そ
の上側の領域で湧出する低温水を遮断すると共に、揚湯
ポンプによって井戸底部から高温水を揚上し、あるい
は、更にその揚湯部上側において、インサイドパッカー
により、ケーシング内を上下に遮断し、その揚湯部上側
の領域に揚湯水の一部を循環させて、低温水の浸出を抑
制するための正圧を保持することを特徴とする。
の泉温を相当程度に維持した状態で、湯を取り出すこと
ができるようにした温泉熱誘導法を提供する。 【構成】 井戸掘削孔内にケーシングを装填し、上記ケ
ーシングと掘削孔内壁との間にパッカーを介装して、そ
の上側の領域で湧出する低温水を遮断すると共に、揚湯
ポンプによって井戸底部から高温水を揚上し、あるい
は、更にその揚湯部上側において、インサイドパッカー
により、ケーシング内を上下に遮断し、その揚湯部上側
の領域に揚湯水の一部を循環させて、低温水の浸出を抑
制するための正圧を保持することを特徴とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、主として、深井戸にお
ける温泉、地熱を活用するための温泉熱誘導法に関する
ものである。
ける温泉、地熱を活用するための温泉熱誘導法に関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、既存の温泉井戸、あるいは、新規
に掘削された温泉井戸において、泉温が低いため、ある
いは、泉量が少ないために採算が取れず、不採用のまま
放置されてしまうものが相当数あった。即ち、泉温が低
い場合には、追い炊きが必要になるので、ボイラー設備
やその保守、燃料費が嵩み、この為、相当な売り上げが
期待できない場合には、放置せざるを得なかった。ま
た、泉量が不十分な場合は、商業ベースに乗らないとい
う問題があった。
に掘削された温泉井戸において、泉温が低いため、ある
いは、泉量が少ないために採算が取れず、不採用のまま
放置されてしまうものが相当数あった。即ち、泉温が低
い場合には、追い炊きが必要になるので、ボイラー設備
やその保守、燃料費が嵩み、この為、相当な売り上げが
期待できない場合には、放置せざるを得なかった。ま
た、泉量が不十分な場合は、商業ベースに乗らないとい
う問題があった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】そこで、放置されてい
る温泉井戸について、温度検層、電気比抵抗検層、自然
電位検層を実施して、その結果に基づき、地下水温、湧
出量を検討してみると、揚湯の工夫などで、十分、採算
の取れるものが存在することが判明した。即ち、従来方
法で深部の湯（温泉水）を揚上する場合、井戸上部で浸
出した低温水が掘削孔壁とケーシングとの間隙から降下
して高温の湯に混じり、湯の温度を低下させ、また、湯
の温度がケーシング内の揚湯管を介して揚上する過程
で、その温度を低下させる問題点があった。また、泉量
が少なくても、泉温が高く、あるいは、井戸底部での地
熱が十分であれば、揚上した温泉を循環させて、熱エネ
ルギーを誘導し活用することで、十分に採算が取れるこ
とが、実験によりわかった。
る温泉井戸について、温度検層、電気比抵抗検層、自然
電位検層を実施して、その結果に基づき、地下水温、湧
出量を検討してみると、揚湯の工夫などで、十分、採算
の取れるものが存在することが判明した。即ち、従来方
法で深部の湯（温泉水）を揚上する場合、井戸上部で浸
出した低温水が掘削孔壁とケーシングとの間隙から降下
して高温の湯に混じり、湯の温度を低下させ、また、湯
の温度がケーシング内の揚湯管を介して揚上する過程
で、その温度を低下させる問題点があった。また、泉量
が少なくても、泉温が高く、あるいは、井戸底部での地
熱が十分であれば、揚上した温泉を循環させて、熱エネ
ルギーを誘導し活用することで、十分に採算が取れるこ
とが、実験によりわかった。
【０００４】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
ので、その第１の目的とするところは、温泉の汲み上げ
の仕方を工夫して、井戸底部の泉温を相当程度に維持し
た状態で、湯を取り出すことができるようにした新規な
温泉熱誘導法を提供することにある。
ので、その第１の目的とするところは、温泉の汲み上げ
の仕方を工夫して、井戸底部の泉温を相当程度に維持し
た状態で、湯を取り出すことができるようにした新規な
温泉熱誘導法を提供することにある。
【０００５】また、本発明の第２の目的とするところ
は、泉量が少なくても、井戸底部の高温の湯、あるい
は、そこに潜在する地熱を利用して、高温の湯を取り出
すようにした温泉熱誘導法を提供することにある。
は、泉量が少なくても、井戸底部の高温の湯、あるい
は、そこに潜在する地熱を利用して、高温の湯を取り出
すようにした温泉熱誘導法を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、井
戸掘削孔内にケーシングを装填し、上記ケーシングと掘
削孔内壁との間にパッカーを介装して、その上側の領域
で湧出する低温水を遮断すると共に、断熱管を介して井
戸底部からの高温水を揚上することを特徴とするもので
ある。
戸掘削孔内にケーシングを装填し、上記ケーシングと掘
削孔内壁との間にパッカーを介装して、その上側の領域
で湧出する低温水を遮断すると共に、断熱管を介して井
戸底部からの高温水を揚上することを特徴とするもので
ある。
【０００７】また、本発明は、井戸掘削孔内にケーシン
グを装填し、上記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッ
カーを介装して、その上側の領域で湧出する低温水を遮
断すると共に、断熱管を介して井戸底部からの高温水を
揚上し、その揚湯部上側においてインサイドパッカーに
よりケーシング内を遮断し、その揚湯部上側の領域に揚
湯水の一部を循環させて注入し、低温水の浸出を抑制す
るための正圧を保持せしめることを特徴とするものであ
る。
グを装填し、上記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッ
カーを介装して、その上側の領域で湧出する低温水を遮
断すると共に、断熱管を介して井戸底部からの高温水を
揚上し、その揚湯部上側においてインサイドパッカーに
よりケーシング内を遮断し、その揚湯部上側の領域に揚
湯水の一部を循環させて注入し、低温水の浸出を抑制す
るための正圧を保持せしめることを特徴とするものであ
る。
【０００８】また、本発明は、井戸掘削孔内にケーシン
グを装填し、上記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッ
カーを介装して、その上側の領域で湧出する低温水を遮
断すると共に、断熱管を介して井戸底部からの高温水を
揚上し、前記井戸掘削孔内に揚湯水の一部及び補充水を
循環させて注入し、且つ、井戸の水位を一定に保つよう
に注入せしめることを特徴とするものである。
グを装填し、上記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッ
カーを介装して、その上側の領域で湧出する低温水を遮
断すると共に、断熱管を介して井戸底部からの高温水を
揚上し、前記井戸掘削孔内に揚湯水の一部及び補充水を
循環させて注入し、且つ、井戸の水位を一定に保つよう
に注入せしめることを特徴とするものである。
【０００９】
【実施例】以下、本発明の温泉熱誘導法を、図示の実施
例を参照して具体的に説明する。図１には、通常の揚湯
方法では泉温が低いとされる温泉井戸について、本発明
が示されている。即ち、ここでは、井戸掘削孔１（例え
ば、深さ１８００ｍ程度）の上部内壁には、通常のよう
に、所定深さまで、フルホールセメント２が施工され
る。この途中にはライナーハンガー３が用意され、これ
によって、円筒状のケーシング４が吊持される。ケーシ
ング４は、その下部に近い箇所で、掘削孔１の内壁との
間にセメントパッカー５を介装させていて、その上側の
領域で湧出した低温水が井戸の底部１ａに侵入しないよ
うに遮断している。
例を参照して具体的に説明する。図１には、通常の揚湯
方法では泉温が低いとされる温泉井戸について、本発明
が示されている。即ち、ここでは、井戸掘削孔１（例え
ば、深さ１８００ｍ程度）の上部内壁には、通常のよう
に、所定深さまで、フルホールセメント２が施工され
る。この途中にはライナーハンガー３が用意され、これ
によって、円筒状のケーシング４が吊持される。ケーシ
ング４は、その下部に近い箇所で、掘削孔１の内壁との
間にセメントパッカー５を介装させていて、その上側の
領域で湧出した低温水が井戸の底部１ａに侵入しないよ
うに遮断している。
【００１０】特に、この実施例では、セメントパッカー
５の下側でケーシング４内には、インサイドパッカー６
が設けてあり、これによって、ケーシング４内を上下に
遮断しており、また、その下部には、壁面にスリット７
ａを形成した円筒状のストレーナー７が井戸底部まで設
けてある。また、井戸の底部１ａには、例えば、スリッ
ト１０ａを有するステンレス・スクリーン１０で温泉吸
い込み口を覆った揚湯ポンプ８が設置されていて、揚湯
管９を介して、地上の貯湯槽１３に湯（温泉水）を汲み
上げている。この揚湯管９は、断熱二重管で構成した断
熱管で構成され、インサイドパッカー６を貫通して、ケ
ーシング４内を通り、上方に延びている。
５の下側でケーシング４内には、インサイドパッカー６
が設けてあり、これによって、ケーシング４内を上下に
遮断しており、また、その下部には、壁面にスリット７
ａを形成した円筒状のストレーナー７が井戸底部まで設
けてある。また、井戸の底部１ａには、例えば、スリッ
ト１０ａを有するステンレス・スクリーン１０で温泉吸
い込み口を覆った揚湯ポンプ８が設置されていて、揚湯
管９を介して、地上の貯湯槽１３に湯（温泉水）を汲み
上げている。この揚湯管９は、断熱二重管で構成した断
熱管で構成され、インサイドパッカー６を貫通して、ケ
ーシング４内を通り、上方に延びている。
【００１１】また、貯湯槽１３からは、同じく、断熱二
重管で構成された循環注入管１１が、ケーシング４内を
通り、インサイドパッカー６を貫通して、ストレーナー
７内に開口している。なお、循環注入管１１を介して流
入される循環水は相当の高温であり、しかも、地上にお
ける適当な水圧調整手段（図示せず）で、ストレーナー
７内部の循環水の圧力を、掘削壁から浸出する低温地下
水を押し戻すほどの正圧に維持している。
重管で構成された循環注入管１１が、ケーシング４内を
通り、インサイドパッカー６を貫通して、ストレーナー
７内に開口している。なお、循環注入管１１を介して流
入される循環水は相当の高温であり、しかも、地上にお
ける適当な水圧調整手段（図示せず）で、ストレーナー
７内部の循環水の圧力を、掘削壁から浸出する低温地下
水を押し戻すほどの正圧に維持している。
【００１２】揚湯管９や循環注水管１１を構成する断熱
二重管は、図２に示すように、内管２１、アルゴン・バ
ックフィル付きの絶縁層２２、外筒２３から構成され、
内部カップリング２４、外部カップリング２５で、それ
ぞれ、連結延長されるようになっている。
二重管は、図２に示すように、内管２１、アルゴン・バ
ックフィル付きの絶縁層２２、外筒２３から構成され、
内部カップリング２４、外部カップリング２５で、それ
ぞれ、連結延長されるようになっている。
【００１３】このような構成を用いて、温泉水を地上に
誘導する場合、ライナーハンガー３とセメントパッカー
５との間で、井戸掘削孔１の内壁から湧出してくる低温
地下水は、セメントパッカー５で分断され、特に、井戸
の底部１ａはその上側領域から遮断されるから、低温地
下水が井戸の深部で湧出する温泉に混入して、その温度
を低下する虞がなく、また、インサイドパッカー６より
下側の領域（ストレーナー７で囲まれた領域）では、上
述の水圧調整手段により循環注入管１１を介して、相当
な温度の環流湯が注入され、その結果、その領域上部を
低温地下水の浸出圧力より大きな圧力に保持するので、
その下側の井戸底部から湧出する高温の湯（温泉水）の
みを取水することが可能になる。
誘導する場合、ライナーハンガー３とセメントパッカー
５との間で、井戸掘削孔１の内壁から湧出してくる低温
地下水は、セメントパッカー５で分断され、特に、井戸
の底部１ａはその上側領域から遮断されるから、低温地
下水が井戸の深部で湧出する温泉に混入して、その温度
を低下する虞がなく、また、インサイドパッカー６より
下側の領域（ストレーナー７で囲まれた領域）では、上
述の水圧調整手段により循環注入管１１を介して、相当
な温度の環流湯が注入され、その結果、その領域上部を
低温地下水の浸出圧力より大きな圧力に保持するので、
その下側の井戸底部から湧出する高温の湯（温泉水）の
みを取水することが可能になる。
【００１４】更に、揚湯管９は、二重断熱構造になって
いるので、ここを介して揚上される湯は、インサイドパ
ッカー６より上側の領域で冷やされる虞がなく、高温状
態を維持したまま、貯湯槽１３に供給されることにな
る。このため、従来方法で揚湯された温泉と異なり、そ
の温度が高く維持され、追い炊きの必要がなくなり、あ
るいは、最小限に留止められるので、例えば、既に放置
された温泉井戸についても、本発明の温泉熱誘導法を適
用すると、経済性が向上し、十分な採算が得られる温泉
井戸になる。
いるので、ここを介して揚上される湯は、インサイドパ
ッカー６より上側の領域で冷やされる虞がなく、高温状
態を維持したまま、貯湯槽１３に供給されることにな
る。このため、従来方法で揚湯された温泉と異なり、そ
の温度が高く維持され、追い炊きの必要がなくなり、あ
るいは、最小限に留止められるので、例えば、既に放置
された温泉井戸についても、本発明の温泉熱誘導法を適
用すると、経済性が向上し、十分な採算が得られる温泉
井戸になる。
【００１５】なお、上記実施例では、揚湯部上側の領域
に揚湯水の一部を循環させて注入し、低温水の浸出を抑
制するための正圧を保持するように構成したが、揚湯水
の温度が十分高いときには、循環水を注入する必要はな
い。
に揚湯水の一部を循環させて注入し、低温水の浸出を抑
制するための正圧を保持するように構成したが、揚湯水
の温度が十分高いときには、循環水を注入する必要はな
い。
【００１６】このように、上記実施例の温泉熱誘導法
は、井戸掘削孔内にケーシングを装填し、上記ケーシン
グと掘削孔内壁との間にパッカーを介装して、その上側
の領域で湧出する低温水を遮断すると共に、断熱管を介
して井戸底部からの高温水を揚上することを特徴とする
ものである。
は、井戸掘削孔内にケーシングを装填し、上記ケーシン
グと掘削孔内壁との間にパッカーを介装して、その上側
の領域で湧出する低温水を遮断すると共に、断熱管を介
して井戸底部からの高温水を揚上することを特徴とする
ものである。
【００１７】また、井戸掘削孔内にケーシングを装填
し、上記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッカーを介
装して、その上側の領域で湧出する低温水を遮断すると
共に、断熱管を介して井戸底部からの高温水を揚上し、
その揚湯部上側において、インサイドパッカーによりケ
ーシング内を遮断し、その揚湯部上側の領域に揚湯水の
一部を循環させて注入し、低温水の浸出を抑制するため
の正圧を保持せしめることを特徴とするものである。
し、上記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッカーを介
装して、その上側の領域で湧出する低温水を遮断すると
共に、断熱管を介して井戸底部からの高温水を揚上し、
その揚湯部上側において、インサイドパッカーによりケ
ーシング内を遮断し、その揚湯部上側の領域に揚湯水の
一部を循環させて注入し、低温水の浸出を抑制するため
の正圧を保持せしめることを特徴とするものである。
【００１８】次に、本発明の他の温泉熱誘導法につい
て、図３に示す実施例を参照しながら具体的に説明す
る。この実施例が適用されるのは、潜在地熱により湯温
が高いが、泉量が少ない温泉井戸である。ここでは、先
の実施例のように、ライナーハンガー３とセメントパッ
カー５とで、セメントパッカー５の上側に位置する掘削
孔内壁とケーシングとの間の領域に湧出する低温水をケ
ーシング４内部から遮断するが、インサイドパッカー６
は使用しない。
て、図３に示す実施例を参照しながら具体的に説明す
る。この実施例が適用されるのは、潜在地熱により湯温
が高いが、泉量が少ない温泉井戸である。ここでは、先
の実施例のように、ライナーハンガー３とセメントパッ
カー５とで、セメントパッカー５の上側に位置する掘削
孔内壁とケーシングとの間の領域に湧出する低温水をケ
ーシング４内部から遮断するが、インサイドパッカー６
は使用しない。
【００１９】また、揚湯ポンプ８は、循環注入管１１の
温泉井戸内の開口よりも適宜上に配置される。また、井
戸掘削孔１内に環流注入される湯水の量は、井戸の運転
水位Ｗを一定に保つように、地上の水位調整手段（図示
せず）で調整される。この場合、水位検出には、例え
ば、この実施例のように、揚湯ポンプ８の底部に装着し
た圧力水位センサー１２が採用される。その他の構成
は、最初の実施例と同様である。
温泉井戸内の開口よりも適宜上に配置される。また、井
戸掘削孔１内に環流注入される湯水の量は、井戸の運転
水位Ｗを一定に保つように、地上の水位調整手段（図示
せず）で調整される。この場合、水位検出には、例え
ば、この実施例のように、揚湯ポンプ８の底部に装着し
た圧力水位センサー１２が採用される。その他の構成
は、最初の実施例と同様である。
【００２０】そして、このような構成を用いて、温泉水
を地上に誘導する場合には、ライナーハンガー３とセメ
ントパッカー５との間で、井戸掘削孔１の内壁から湧出
してくる低温地下水は、セメントパッカー５で分断され
た下側領域から遮断されるから、井戸の深部で湧出する
高温の温泉水に混入して、その温度を低下する虞がな
い。また、ケーシング４の下部の領域（ストレーナー７
で囲まれた領域）では、上述の水位調整手段により、循
環注入管１１を介して、相当な量の環流湯が注入され、
そこに湧出された高温の温泉水と混合され、更に、そこ
に潜在する地熱を吸収して高温になって、揚湯ポンプ８
により貯湯槽１３へと戻される。
を地上に誘導する場合には、ライナーハンガー３とセメ
ントパッカー５との間で、井戸掘削孔１の内壁から湧出
してくる低温地下水は、セメントパッカー５で分断され
た下側領域から遮断されるから、井戸の深部で湧出する
高温の温泉水に混入して、その温度を低下する虞がな
い。また、ケーシング４の下部の領域（ストレーナー７
で囲まれた領域）では、上述の水位調整手段により、循
環注入管１１を介して、相当な量の環流湯が注入され、
そこに湧出された高温の温泉水と混合され、更に、そこ
に潜在する地熱を吸収して高温になって、揚湯ポンプ８
により貯湯槽１３へと戻される。
【００２１】この場合、使用地下水量と湧出水量との差
し引き量を新規に補充注入するのが望ましい。しかし、
一時的に使用量の多い昼間部のために、夜間補助タンク
に汲み置きを行うことで熱エネルギーの取り込みが行え
るから、昼間の使用量が多い時間帯への対応も容易に行
うことができる。更に、揚湯管は、二重断熱構造になっ
ているので、揚上される湯は、揚上の過程で冷やされる
虞がなく、高温状態を維持したまま、貯湯槽１３に供給
されることになる。
し引き量を新規に補充注入するのが望ましい。しかし、
一時的に使用量の多い昼間部のために、夜間補助タンク
に汲み置きを行うことで熱エネルギーの取り込みが行え
るから、昼間の使用量が多い時間帯への対応も容易に行
うことができる。更に、揚湯管は、二重断熱構造になっ
ているので、揚上される湯は、揚上の過程で冷やされる
虞がなく、高温状態を維持したまま、貯湯槽１３に供給
されることになる。
【００２２】本発明に用いた断熱二重管の他の構成とし
ては、内管２１と外筒２３との間を真空に保つように構
成したものでもよいし、また、グラスファイバー系の断
熱材を挿嵌したものでもよい。
ては、内管２１と外筒２３との間を真空に保つように構
成したものでもよいし、また、グラスファイバー系の断
熱材を挿嵌したものでもよい。
【００２３】このように、この実施例の温泉熱誘導法
は、井戸掘削孔内にケーシングを装填し、上記ケーシン
グと掘削孔内壁との間にパッカーを介装して、その上側
の領域で湧出する低温水を遮断すると共に、断熱管を介
して井戸底部からの高温水を揚上し、前記井戸掘削孔内
に揚湯水の一部を循環させて注入し、且つ、井戸の水位
を一定に保つように注入せしめることを特徴とするもの
である。
は、井戸掘削孔内にケーシングを装填し、上記ケーシン
グと掘削孔内壁との間にパッカーを介装して、その上側
の領域で湧出する低温水を遮断すると共に、断熱管を介
して井戸底部からの高温水を揚上し、前記井戸掘削孔内
に揚湯水の一部を循環させて注入し、且つ、井戸の水位
を一定に保つように注入せしめることを特徴とするもの
である。
【００２４】
【発明の効果】本発明は、以上詳述したように、井戸掘
削孔内にケーシングを装填し、上記ケーシングと掘削孔
内壁との間にパッカーを介装して、その上側の領域で湧
出する低温水を遮断すると共に、揚湯ポンプによって井
戸底部から高温水を揚上することにより、また、その揚
湯部上側において、インサイドパッカーにより、ケーシ
ング内を上下に遮断し、その揚湯部上側の領域に揚湯水
の一部を循環注入させて、低温水の浸出を抑制するため
の正圧を保持するようにしたので、従来方法で揚湯され
た温泉と異なり、その温度が高く維持され、追い炊きの
必要がなくなり、あるいは、温度の低下は最小限に留止
められるので、例えば、既に放置された温泉井戸につい
ても、本発明の温泉熱誘導法を用いると、十分な採算が
得られ、再利用することができるという優れた効果があ
る。また、本発明は、井戸掘削孔内にケーシングを装填
し、上記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッカーを介
装して、その上側の領域で湧出する低温水を遮断すると
共に、揚湯ポンプによって井戸底部から高温水を揚上
し、また、井戸掘削孔内に揚湯水の一部を循環させて、
井戸の水位を一定に保つように調整することにより、当
初の湧出量が少なくても、井戸底部の高温の湯、あるい
は、そこに潜在する地熱を利用して適温，適量の温泉水
を回収することが出来るという優れた効果を有する。
削孔内にケーシングを装填し、上記ケーシングと掘削孔
内壁との間にパッカーを介装して、その上側の領域で湧
出する低温水を遮断すると共に、揚湯ポンプによって井
戸底部から高温水を揚上することにより、また、その揚
湯部上側において、インサイドパッカーにより、ケーシ
ング内を上下に遮断し、その揚湯部上側の領域に揚湯水
の一部を循環注入させて、低温水の浸出を抑制するため
の正圧を保持するようにしたので、従来方法で揚湯され
た温泉と異なり、その温度が高く維持され、追い炊きの
必要がなくなり、あるいは、温度の低下は最小限に留止
められるので、例えば、既に放置された温泉井戸につい
ても、本発明の温泉熱誘導法を用いると、十分な採算が
得られ、再利用することができるという優れた効果があ
る。また、本発明は、井戸掘削孔内にケーシングを装填
し、上記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッカーを介
装して、その上側の領域で湧出する低温水を遮断すると
共に、揚湯ポンプによって井戸底部から高温水を揚上
し、また、井戸掘削孔内に揚湯水の一部を循環させて、
井戸の水位を一定に保つように調整することにより、当
初の湧出量が少なくても、井戸底部の高温の湯、あるい
は、そこに潜在する地熱を利用して適温，適量の温泉水
を回収することが出来るという優れた効果を有する。
【図１】本発明の温泉熱誘導法を示す第１の実施例の概
略構成図である。
略構成図である。
【図２】本発明に採用される断熱二重管の構成を示す一
部破断した斜視図である。
部破断した斜視図である。
【図３】本発明の第２の実施例を示す概略構成図であ
る。
る。
１ 井戸掘削孔 ２ フルホールセメント ３ ライナーハンガー ４ ケーシング ５ セメントパッカー ６ インサイドパッカー ７ ストレーナー ８ 揚湯ポンプ ９ 揚湯管 １１ 循環注入管 １２ 圧力水位センサー
Claims (3)
- 【請求項１】 井戸掘削孔内にケーシングを装填し、上
記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッカーを介装し
て、その上側の領域で湧出する低温水を遮断すると共
に、断熱管を介して井戸底部からの高温水を揚上するこ
とを特徴とする温泉熱誘導法。 - 【請求項２】 井戸掘削孔内にケーシングを装填し、上
記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッカーを介装し
て、その上側の領域で湧出する低温水を遮断すると共
に、断熱管を介して井戸底部からの高温水を揚上し、そ
の揚湯部上側において、インサイドパッカーによりケー
シング内を遮断し、その揚湯部上側の領域に揚湯水の一
部を循環させて注入し、低温水の浸出を抑制するための
正圧を保持せしめることを特徴とする温泉熱誘導法。 - 【請求項３】 井戸掘削孔内にケーシングを装填し、上
記ケーシングと掘削孔内壁との間にパッカーを介装し
て、その上側の領域で湧出する低温水を遮断すると共
に、断熱管を介して井戸底部からの高温水を揚上し、前
記井戸掘削孔内に揚湯水の一部及び補充水を循環させて
注入し、且つ、井戸の水位を一定に保つように注入せし
めることを特徴とする温泉熱誘導法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6148505A JP2909527B2 (ja) | 1994-06-07 | 1994-06-07 | 温泉熱誘導法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6148505A JP2909527B2 (ja) | 1994-06-07 | 1994-06-07 | 温泉熱誘導法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH084469A true JPH084469A (ja) | 1996-01-09 |
| JP2909527B2 JP2909527B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=15454268
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6148505A Expired - Lifetime JP2909527B2 (ja) | 1994-06-07 | 1994-06-07 | 温泉熱誘導法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2909527B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH094358A (ja) * | 1995-06-22 | 1997-01-07 | Akema Boring:Kk | 温泉水昇温方法および温泉水汲み上げ装置 |
| JP2010126958A (ja) * | 2008-11-27 | 2010-06-10 | Senshu Boring Kk | 地熱及び温泉熱採取回収装置 |
| JP2011064650A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Teiseki Sakusei Kogyo Kk | 地震観測井における地震計の設置方法 |
| CN105298867A (zh) * | 2014-06-23 | 2016-02-03 | 韩国土水股份有限公司 | 胶囊型潜水泵以及胶囊型潜水泵构造 |
| CN110230896A (zh) * | 2019-05-24 | 2019-09-13 | 中国石油大学(北京) | 井下取热装置及井下取热方法 |
-
1994
- 1994-06-07 JP JP6148505A patent/JP2909527B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH094358A (ja) * | 1995-06-22 | 1997-01-07 | Akema Boring:Kk | 温泉水昇温方法および温泉水汲み上げ装置 |
| JP2010126958A (ja) * | 2008-11-27 | 2010-06-10 | Senshu Boring Kk | 地熱及び温泉熱採取回収装置 |
| JP2011064650A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Teiseki Sakusei Kogyo Kk | 地震観測井における地震計の設置方法 |
| CN105298867A (zh) * | 2014-06-23 | 2016-02-03 | 韩国土水股份有限公司 | 胶囊型潜水泵以及胶囊型潜水泵构造 |
| CN110230896A (zh) * | 2019-05-24 | 2019-09-13 | 中国石油大学(北京) | 井下取热装置及井下取热方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2909527B2 (ja) | 1999-06-23 |
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