JPH0841208A - 硬化性組成物、熱潜在性酸触媒、塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品 - Google Patents

硬化性組成物、熱潜在性酸触媒、塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品

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JPH0841208A
JPH0841208A JP6203026A JP20302694A JPH0841208A JP H0841208 A JPH0841208 A JP H0841208A JP 6203026 A JP6203026 A JP 6203026A JP 20302694 A JP20302694 A JP 20302694A JP H0841208 A JPH0841208 A JP H0841208A
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Hiroki Mizutani
広樹 水谷
Isato Ishibashi
勇人 石橋
Masahiro Ishidoya
昌洋 石戸谷
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)1分子中に、特定の化合物でブロック
されたカルボキシル基から成る官能基2個以上を有する
化合物、(B)1分子中に、前記官能基と加熱により化
学結合を形成しうる反応性官能基2個以上を有する化合
物、又は(D)1分子中に(A)のブロック化されたカ
ルボキシル基1個以上と(B)の官能基1個以上とを有
する自己架橋型化合物と、(C)(a)エポキシ基を含
有する化合物、特定の含硫黄化合物及び特定のルイス酸
から成る熱潜在性酸触媒、(b)特定の含窒素、酸素、
リン又はイオウ化合物、特定の含ハロゲン化合物,及び
アルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含む特定の
ルイス酸から成る熱潜在性酸触媒、又は(c)金属キレ
ート化合物及び有機ケイ素化合物又はその縮合体を必須
成分として含有して成る熱硬化性組成物、それによる塗
装方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品。 【効果】化学性能、物理性能、さらには耐候性、耐汚染
性などに優れる硬化物を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な硬化性組成物、熱
潜在性酸触媒、塗装仕上げ方法、塗装物品、成形方法及
び成形品に関する。さらに詳しくいえば、本発明は、良
好な化学性能、物理性能、耐候性及び耐汚染性に優れた
硬化物を与えるとともに、特に貯蔵安定性に優れ、例え
ば塗料、インク、接着剤、成形品などに好適な硬化性組
成物、及びこれに用いる熱潜在性酸触媒、並びにこの硬
化性組成物を上塗り塗料として用いた、上記塗膜性能及
び仕上がり外観性に優れる塗装仕上げ方法及び塗装物
品、さらにこの硬化性組成物を液状樹脂として用いた機
械物性、絶縁特性、耐湿性、防錆性、耐クラック性に優
れた成形品を与える成形方法及び成形品に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、カルボキシル基を有する化合物
と、該カルボキシル基と加熱により化学結合を形成しう
る反応性官能基、例えばエポキシ基、オキサゾリン基、
シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、
アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イ
ソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテ
ル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、ア
ルキル化アミノメチロール基、アセタール基、ケタール
基などを有する化合物との組み合わせから成る熱硬化性
組成物は公知である。そのような公知技術として、例え
ばカルボキシル基とエポキシ基との組み合わせから成る
組成物としては、日本特許公開公報の特開昭51−11
4429号、欧州特許公開公報29,595号、米国特
許4,371,667号公報、同4,650,718号
公報、同4,681,811号公報、同4,703,1
01号公報、同4,764,430号公報に記載されて
いる。
【0003】これらの熱硬化性組成物は、得られる硬化
物の化学性能、物理性能、さらには耐候性などが優れて
いることから、例えば塗料、インク、接着剤、あるいは
プラスチック成形品などの分野において広く利用されて
いる。しかしながら、カルボキシル基と前記反応性官能
基とは反応性が高いため、カルボキシル基含有化合物と
該反応性官能基を含有する化合物とが共存する組成物に
おいては、貯蔵中にゲル化を起こしたり、可使時間が短
くなるなどの問題が生じる。また、従来の上記熱硬化性
組成物に使用されるカルボキシル基含有化合物は、カル
ボキシル基の強い水素結合性の故に、汎用有機溶媒への
溶解性が低い、あるいはカルボキシル基と反応する官能
基を有する化合物との相溶性が悪いといった欠点があ
る。そして、この熱硬化性組成物を上塗り塗料として用
いた場合には、有機溶剤の排出量の少ないいわゆるハイ
ソリッド化が困難である、あるいは仕上がり外観性が劣
るといった問題を有している。さらに、成形品として用
いた場合には、多量の揮発性有機化合物の影響を受け、
気泡、空洞などの欠陥を生じ易いといった問題を有して
いる。このような問題を解決する方法として、例えばカ
ルボキシル基をt−ブチルエステルとしてブロック化
し、加熱により該エステルが分解し、イソブテンの脱離
により遊離のカルボキシル基が再生するといった方法が
提案されている(特開平1−104646号公報)。し
かしながら、この方法は、t−ブチル基の熱分解に17
0〜200℃程度の高温を必要とし、昨今の省資源や省
エネルギー化の観点から、必ずしも十分に満足しうる方
法とは言えない。さらに、分解反応生成物であるイソブ
テンガスの発泡により、脱泡跡が硬化物表面に残るとい
った問題がある。また、従来、室温付近の温度において
硬化物を与えることができる常温硬化性組成物として
は、イソシアネート基を有する化合物とヒドロキシル基
を有する化合物とを混合して使用する二液型の組成物が
公知である。しかしながら、該組成物は、水素結合性の
高いヒドロキシル基を多量に有する化合物を必須成分と
しており、そのため、ハイソリッド化が困難であるとい
う問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の状況に鑑みてなされたものであり、比較的低い温度
において、化学性能、物理性能、さらには耐候性、耐汚
染性などに優れる硬化物を与え、かつ良好な貯蔵安定性
を有し、ハイソリッド一液型として利用可能な熱硬化性
組成物を提供することを目的としてなされたものであ
る。また、本発明は、室温付近の温度において、化学性
能、物理性能、さらには耐候性、耐汚染性などに優れる
硬化物を与えることができ、ハイソリッド二液型として
利用可能な常温硬化性組成物を提供することを目的とし
てなされたものである。また、本発明の別の目的は、有
機溶剤の排出量が少なく、優れた仕上がり外観性を与え
ることが可能な塗装仕上げ方法及びその方法によって得
られた塗装物品を提供することである。また、本発明の
他の目的は、機械物性、絶縁特性、耐湿性、防錆性、耐
クラック性に優れた成形品を与える成形方法及び成形品
を提供することである。さらに、本発明の他の目的は、
前記熱硬化性組成物に使用される熱潜在性酸触媒を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の好
ましい性質を有する熱硬化性組成物を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、(A)特定のビニルエーテル基、ビニ
ルチオエーテル基、あるいは酸素原子又はイオウ原子を
ヘテロ原子とするビニル型二重結合を持つ複素環式基で
ブロック化されたカルボキシル基2個以上を1分子中に
有する化合物、(B)該ブロック化されたカルボキシル
基と化学結合を形成しうる反応性官能基2個以上を有す
る化合物、(C)(a)(i)エポキシ基を含有する化
合物、(ii)特定の含イオウ化合物及び(iii)特定の
ルイス酸を必須成分として含有して成る熱潜在性酸触媒
を必須成分として含有して成る組成物により、あるいは
(D)1分子中に前記ブロック化されたカルボキシル基
1個以上と、このブロック化されたカルボキシル基と化
学結合を形成しうる反応性官能基1個以上とを有する自
己架橋型化合物、及び前記(C)成分の熱潜在性酸触媒
を必須成分とし、さらに場合により前記(A)成分及び
/又は(B)成分を含有して成る組成物によりその目的
を達成しうることを見い出すとともに、さらに前記の好
ましい性質を有する熱硬化性組成物を上塗り塗料として
用いた塗装仕上げ方法が、有機溶剤の排出量が少なく、
優れた仕上がり外観性を提供できることを見い出し、こ
れらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】また、本発明者らは、上記熱硬化性組成物
における(C)成分として、(b)(v)特定の含窒
素、酸素、リン又はイオウ化合物、(vi)特定の含ハロ
ゲン化合物,及び(vii)アルミニウム原子、亜鉛原子
又はスズ原子を含む特定のルイス酸から成る熱潜在性酸
触媒を使用することにより、上記目的を達成することが
できることを見い出し、これらの知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0007】また、本発明者らは、上記熱硬化性組成物
における(C)成分として、(c)(viii)金属キレー
ト化合物と(ix)有機ケイ素化合物又はその縮合体との
混合物を用いることにより、上記目的を達成することが
できることを見い出し、これらの知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0008】さらに、本発明者らは、上記熱硬化性組成
物における(C)成分として、酸触媒を用い、かつ揮発
性有機化合物を実質希釈溶剤として用いないことによ
り、上記目的を達成することができることを見い出し、
これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】さらに、本発明者らは、上記好ましい性質
を有する常温硬化性組成物を開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、上記熱硬化性組成物における(A)成分及び
(B)成分を必須成分として含有して成る主剤又はその
溶液、あるいは(D)成分を必須成分とし、さらに場合
により(A)成分及び/又は(B)成分を含有して成る
主剤又はその溶液と、ブレンステッド酸、ルイス酸ある
いは金属キレート化合物とシラノール基含有化合物との
混合物の中から選ばれた少なくとも1種の酸触媒又はそ
の溶液を混合することにより、上記目的を達成すること
ができることを見い出し、これらの知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、(A)1分子中に、
一般式(1)
【0011】
【化27】
【0012】(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素
原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜1
8の有機基であって、R3とR4は互いに結合してY1
ヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y1
酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基2
個以上を有する化合物、(B)1分子中に、前記官能基
と化学結合を形成しうる反応性官能基2個以上を有する
化合物、及び(C)(a)(i)エポキシ基を含有する
化合物、(ii)一般式(2)
【0013】
【化28】R5−S−R6 (2)
【0014】(式中、R5及びR6は、それぞれ水素原
子、炭素数1〜40の有機基を示し、同一でも又は異な
ってもよく、互いに結合しあって環構造を形成してもよ
い。)で表される含イオウ化合物、及び(iii)一般式
(3)
【0015】
【化29】(X1n1−M1−(R7n2 (3)
【0016】(式中、M1はホウ素、アルミニウム、ス
ズ、鉛又は遷移元素を示し、X1は1種又は2種以上の
ハロゲン原子を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数
1〜40の有機基を示し、R7はM1原子に配位しキレー
ト環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6
の整数を示し、n1+n2が1〜6の整数である。)で
表されるルイス酸、さらに必要に応じて(iv)カルボン
酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜
在性酸触媒を必須成分として含有して成ることを特徴と
する熱硬化性組成物を提供するものである。また、本発
明は、(D)1分子中に、(α)一般式(8)
【0017】
【化30】
【0018】(式中のR15、R16及びR17はそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜18の有機基、R18は炭素数1〜
18の有機基であって、R17とR18は互いに結合してY
3をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y3
は酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基
1個以上と、(β)該官能基と化学結合を形成しうる反
応性官能基1個以上とを有する自己架橋型化合物、及び
(C)(a)(i)エポキシ基を含有する化合物、(i
i)一般式(2)
【0019】
【化31】R5−S−R6 (2)
【0020】(式中、R5及びR6は、それぞれ水素原
子、炭素数1〜40の有機基を示し、同一でも又は異な
ってもよく、互いに結合しあって環構造を形成してもよ
い。)で表される含イオウ化合物、及び(iii)一般式
(3)
【0021】
【化32】(X1n1−M1−(R7n2 (3)
【0022】(式中、M1はホウ素、アルミニウム、ス
ズ、鉛又は遷移元素を示し、X1は1種又は2種以上の
ハロゲン原子を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数
1〜40の有機基を示し、R7はM1原子に配位しキレー
ト環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6
の整数を示し、n1+n2が1〜6の整数である。)で
表されるルイス酸、さらに必要に応じて(iv)カルボン
酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜
在性酸触媒を必須成分とし、さらに場合により(A)1
分子中に、一般式(1)
【0023】
【化33】
【0024】(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素
原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜1
8の有機基であって、R3とR4は互いに結合してY1
ヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y1
酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基2
個以上を有する化合物、及び/又は(B)1分子中に、
前記一般式(8)で表される官能基又は前記一般式
(1)で表される官能基あるいはその両方と化学結合を
形成しうる反応性官能基2個以上を有する化合物を含有
して成ることを特徴とする熱硬化性組成物。また、本発
明は、上記熱硬化性組成物における(C)成分として、
(b)(v)一般式(4)
【0025】
【化34】
【0026】(式中のY2は窒素原子、酸素原子、リン
原子又はイオウ原子を示し、R8は炭素数1〜12のア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基
又はアルカノール基から選ばれる1種又は2種以上の有
機基を示し、2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原
子とする複素環を形成してもよく、n3は2又は3の整
数を示す。)で表される含窒素、酸素、リン又はイオウ
化合物、(vi)一般式(5)
【0027】
【化35】
【0028】(式中のR9は炭素数1〜12のベンジル
基、置換ベンジル基、アリル基、置換アリル基、シクロ
アルキル基、置換シクロアルキル基、第2級アルキル
基、置換第2級アルキル基、第3級アルキル基又は置換
第3級アルキル基から選ばれる有機基を示し、X2はハ
ロゲン原子を示す。)で表される含ハロゲン化合物、及
び(vii)一般式(6)
【0029】
【化36】
【0030】(式中のM2 はアルミニウム原子、亜鉛原
子又はスズ原子を示し、X3は1種又は2種以上のハロ
ゲン原子を示し、R10は1種又は2種以上の炭素数1〜
20の有機基を示し、R10はM2原子に配位しキレート
環を形成してもよく、n4及びn5はそれぞれ0〜6の
整数を示し、n4+n5は1〜6の整数を示す。)で表
されるアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含む
ルイス酸から成る熱潜在性酸触媒を使用する熱硬化性組
成物を提供するものである。また、本発明は、上記熱硬
化性組成物における(C)成分として、(c)(viii)金
属キレート化合物と(ix)一般式(7)
【0031】
【化37】
【0032】(式中、R11は炭素数1〜18のアルキル
基、アリール基又はアルケニル基、R12は水素原子、炭
素数1〜18のアルキル基、アリール基又はアルカリー
ル基、R13及びR14は炭素数1〜18のアルキル基又は
アリール基であり、n6、n7、n8及びn9は0〜4
の整数で、n6+n7+n8+n9=4である。)で表
される有機ケイ素化合物又はその縮合体との混合物を使
用する熱硬化性組成物を提供するものである。
【0033】また、本発明は、上記熱硬化性組成物にお
ける(C)成分として酸触媒を用い、かつ揮発性有機化
合物を希釈剤として実質用いないことを特徴とする熱硬
化性組成物を提供するものである。また、本発明は、上
記熱硬化性組成物における(A)成分及び(B)成分を
必須成分として含有して成る主剤又はその溶液、あるい
は(D)成分を必須成分とし、さらに場合により(A)
成分及び/又は(B)成分を含有して成る主剤又はその
溶液と、ブレンステッド酸、ルイス酸あるいは金属キレ
ート化合物とシラノール基含有化合物との混合物の中か
ら選ばれた少なくとも1種の酸触媒又はその溶液を混合
して得られる組成物から成ることを特徴とする二液型常
温硬化性組成物を提供するものである。
【0034】さらに、本発明は、上記硬化性組成物を上
塗り塗料として用いた塗装仕上げ方法及びこの塗装仕上
げ方法により塗布された物品を提供するものである。ま
た、本発明は、上記硬化性組成物100重量部当たり、
充填剤を0〜500重量部配合し、必要に応じて室温又
は加熱条件で配合物の熟成を行った後、金型に注入し、
減圧、常圧又は加圧条件下で硬化し成形する成形品の成
形方法及び成形品を提供することである。さらに、本発
明は、上記硬化性組成物において使用される熱潜在性酸
触媒を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明
する。
【0035】本発明の熱硬化性組成物において、(A)
成分として用いられる化合物は、一般式(1)
【0036】
【化38】
【0037】(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素
原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜1
8の有機基であって、R3とR4は互いに結合してY1
ヘテロ原子とする複素環を形成してもよく、Y1は酸素
原子又はイオウ原子である。)で表される官能基2個以
上、好ましくは2〜50個を1分子中に有する化合物で
あって、前記一般式(1)で表される官能基は、カルボ
キシル基と一般式(9)
【0038】
【化39】
【0039】(式中のR1、R2、R3、R4及びY1は、
前記と同じ意味を持つ。)で表されるビニルエーテル化
合物、ビニルチオエーテル化合物あるいは酸素原子又は
イオウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合を持つ
複素環式化合物との反応により、容易に形成させること
ができる。
【0040】前記一般式(1)及び(9)における
1、R2及びR3は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜
18のアルキル基、アリール基、アルカリール基などの
有機基、R4は炭素数1〜18のアルキル基、アリール
基、アルカリール基などの有機基であって、これらの有
機基は適当な置換基を有していてもよく、またR3とR4
は、互いに結合してY1をヘテロ原子とする置換基を有
しない又は有する複素環を形成していてもよい。R1
2及びR3の好ましいものとしては、水素原子、炭素数
1〜10のアルキル基、アリール基、アルカリール基で
あり、R4の好ましいものとしては、炭素数1〜10の
アルキル基、アリール基、アルカリール基である。
【0041】上記アルキル基の適当な具体例としては、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、、n−ペ
ンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペン
チル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシ
ル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチ
ル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘ
キシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、メチルオク
チル、エチルヘプチル、n−デシル、n−ウンデシル、
n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘプタデシル、
n−オクタデシル基などが挙げられ、またこのアルキル
基にはシクロブチル基、シクロヘキシル基などのシクロ
アルキル基も含まれる。好ましいアルキル基は、炭素数
1〜10のアルキル基であり、具体的には、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、tert−ブチル、、n−ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチル
ブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペン
チル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシ
ル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘ
プチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプチ
ル、n−デシル及びシクロヘキシル基が挙げられる。ま
た、このアルキル基には、アラルキル基も含まれる。そ
の適当な具体例としては、ベンジル、1−フェニルエチ
ル、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、3−
フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニル
ペンチル、6−フェニルヘキシル、1−(4−メチルフ
ェニル)エチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、
2−メチルベンジル、などが挙げられる。
【0042】上記アリール基及びアルカリール基の適当
な具体例としては、例えばフェニル、トリル、キシリ
ル、ナフチルなどのアリール基;4−メチルフェニル、
3,4−ジメチルフェニル、3,4,5−トリメチルフ
ェニル、2−エチルフェニル、n−ブチルフェニル、t
ert−ブチルフェニル、アミルフェニル、ヘキシルフ
ェニル、ノニルフェニル、2−tert−ブチル−5−
メチルフェニル、シクロヘキシルフェニル、クレジル、
オキシエチルクレジル、2−メチル−4−tert−ブ
チルフェニル、ドデシルフェニルなどのアルカリール基
などが挙げられ、好ましくは炭素数6〜10のフェニ
ル、トリル、キシリル、4−メチルフェニル、3,4−
ジメチルフェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、
2−エチルフェニル、n−ブチルフェニル、tert−
ブチルフェニルなどのアリール基、アルカリール基が好
ましい。
【0043】前記一般式(9)で表される化合物の具体
例としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピ
ルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブ
チルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテルなどの脂肪族ビニル
エーテル化合物及びこれらに対応する脂肪族ビニルチオ
エーテル化合物、さらには2,3−ジヒドロフラン、
3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピ
ラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒ
ドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ
−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4
−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジ
ヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなど
の環状ビニルエーテル化合物及びこれらに対応する環状
ビニルチオエーテル化合物などが挙げられる。
【0044】該(A)成分の化合物は、1分子中に2個
以上、好ましくは2〜50個のカルボキシル基を有する
化合物と、前記一般式(9)で表される化合物との反応
により得ることができる。1分子中に2個以上のカルボ
キシル基を有する化合物としては、例えばコハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジ
カルボン酸などの炭素数2〜22の脂肪族ポリカルボン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸、
テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチル
ヘキサヒドロフタル酸などの脂環式ポリカルボン酸、及
び1分子中にカルボキシル基2個以上を有するポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂、マレイン化ポリブタジエン樹
脂などが挙げられる。さらに、カルボキシル基含有シリ
コーンオイル、例えばX−22−162A、X−22−
162C(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)が
挙げられる。
【0045】また、前記1分子中に2個以上のカルボキ
シル基を有する化合物は、例えば(1)1分子当たりヒ
ドロキシル基2個以上、好ましくは2〜50個を有する
ポリオールと酸無水物とをハーフエステル化させる、
(2)1分子当たりイソシアネート基2個以上、好まし
くは2〜50個を有するポリイソシアネート化合物とヒ
ドロキシカルボン酸又はアミノ酸とを付加させる、
(3)カルボキシル基含有α,β−不飽和単量体を単独
重合又は他のα,β−不飽和単量体と共重合させる、
(4)カルボキシル基末端のポリエステル樹脂を合成す
るなどの方法により得られる。
【0046】前記1分子当たりヒドロキシル基2個以上
を有するポリオールとしては、例えばエチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ジエチレングリコール、ペンタンジオー
ル、ジメチルブタンジオール、水添ビスフェノールA、
グリセリン、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、
1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタン
トリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、キニトール、マニトー
ル、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジペン
タエリスリトールなどの多価アルコール類;これらの多
価アルコール類とγ−ブチロラクトンやε−カプロラク
トンなどのラクトン化合物との開環付加体;該多価アル
コール類とトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどのイソシアネート
化合物とのアルコール過剰下での付加体;該多価アルコ
ール類とエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエ
チレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジ
ビニルエーテル、ペンタンジオールジビニルエーテル、
ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールジビニルエーテルなどのビニルエー
テル化合物とのアルコール過剰下での付加体;及び該多
価アルコール類とアルコキシシリコーン化合物、例えば
KR−213、KR−217、KR−9218(いずれ
も商品名、信越化学工業(株)製)などとのアルコール
過剰下での縮合体などを挙げることができる。さらに、
水酸基含有シリコーンオイル、例えばX−22−160
AS、KF−6001(いずれも商品名、信越化学工業
(株)製)が挙げられる。
【0047】一方、これらのポリオールと反応させる酸
無水物としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカル
ボン酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロ
メリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタ
ル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などの多価カルボン
酸の酸無水物体を挙げることができる。また、1分子当
たりイソシアネート基2個以上を有するポリイソシアネ
ート化合物としては、例えばp−フェニレンジイソシア
ネート、ビフェニルジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニ
レンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,
2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネー
ト、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、リジン
メチルエステルジイソシアネート、ビス(イソシアネー
トエチル)フマレート、イソホロンジイソシアネート、
メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2−イソシア
ネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエー
ト及びこれらのビュレット体、イソシアヌレート体など
を挙げることができる。
【0048】また、ヒドロキシカルボン酸としては、例
えば乳酸、クエン酸、ヒドロキシピバリン酸、12−ヒ
ドロキシステアリン酸、リンゴ酸などを挙げることがで
き、アミノ酸としては、例えばDL−アラニン、L−グ
ルタミン酸、グリシン、L−テアニン、グリシルグリシ
ン、γ−アミノカプロン酸、L−アスパラギン酸、L−
チトルリン、L−アルギニン、L−ロイシン、L−セリ
ンなどを挙げることができる。
【0049】さらに、カルボキシル基含有α,β−不飽
和単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸などを
挙げることができ、他のα,β−不飽和単量体として
は、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、sec−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチ
ルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、ステアリルメタクリレート、スチレン、α
−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、アクリロニト
リルなどを挙げることができる。
【0050】また、カルボキシル基末端のポリエステル
樹脂は、多価アルコールに対して多塩基酸過剰下での通
常のポリエステル樹脂の合成法に従い、容易に形成させ
ることができる。このようにして得られた1分子中にカ
ルボキシル基2個以上を有する化合物と前記一般式
(9)で表される化合物との反応は、通常酸触媒の存在
下、室温〜100℃の範囲の温度において行われる。ま
た、該(A)成分の化合物は、カルボキシル基含有α,
β−不飽和単量体と前記一般式(9)で表される化合物
との反応生成物を単独重合又は他のα,β−不飽和単量
体と共重合させることによっても得ることができる。カ
ルボキシル基含有α,β−不飽和単量体としては、例え
ばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン
酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げることができ、他
のα,β−不飽和単量体としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレ
ート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルへキシ
ルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタ
クリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチル
メタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−
ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、2−エチルへキシルメタクリレート、ステアリルメ
タクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、p−ビ
ニルトルエン、アクリロニトリルなどを挙げることがで
きる。本発明の熱硬化性組成物においては、この(A)
成分の化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0051】本発明の熱硬化性組成物において、(B)
成分として用いられる化合物としては、前記(A)成分
の化合物における一般式(1)で表されるブロック化官
能基が加熱下又は酸触媒存在下において、遊離カルボキ
シル基を再生した際、これと反応して化学結合を形成し
うる反応性官能基2個以上、好ましくは2〜50個を1
分子中に有するものが使用される。該反応性官能基につ
いては前記性質を有するものであればよく、特に制限は
ないが、例えばエポキシ基、オキサゾリン基、シラノー
ル基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ
基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イソシア
ネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、
ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、アルキル
化アミノメチロール基、アセタール基、ケタール基など
が好ましく挙げられる。より好ましくは、エポキシ基、
オキサゾリン基、シラノール基、アルコキシシラン基、
ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、シクロカーボネ
ート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ア
ミノメチロール基、アルキル化アミノメチロール基、ア
セタール基、ケタール基などが挙げられる。ここで、イ
ソシアネート基及びブロック化イソシアネート基は、毒
性が高いことから、使用環境によっては安全衛生上問題
となり、好ましくないことがある。これらの反応性官能
基は1種含まれていてもよいし、2種以上が含まれてい
てもよい。
【0052】このような(B)成分の化合物の具体例と
しては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリ
レート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタク
リレートなどの単独重合体又は共重合体、グリシジルア
リルエーテルとフッ化ビニリデン及びビニルエーテルか
ら成る共重合体、ポリカルボン酸あるいはポリオールと
エピクロルヒドリンとの反応により得られるポリグリシ
ジル化合物及びエポキシ基含有シリコーンオイル、例え
ばKF−101、KF−103、KF−105、X−2
2−169AS(いずれも商品名、信越化学工業(株)
製)などのエポキシ基含有化合物;1,2−ビス(2−
オキサゾリニル−2)エタン、1,4−ビス(2−オキ
サゾリニル−2)ブタン、1,6−ビス(2−オキサゾ
リニル−2)ヘキサン、1,8−ビス(2−オキサゾリ
ニル−2)オクタン、1,4−ビス(2−オキサゾリニ
ル−2)シクロヘキサンなどのアルキル鎖にオキサゾリ
ン環が結合したオキサゾリン化合物、1,2−ビス(2
−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,3−ビス(2−
オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,4−ビス(2−オ
キサゾリニル−2)ベンゼン、5,5’−ジメチル−
2,2’−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベンゼン、
4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−ビス
(2−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,2−ビス
(5−メチル−2−オキサゾリニル−2)ベンゼン、
1,3−ビス(5−メチル−2−オキサゾリニル−2)
ベンゼン、1,4−ビス(5−メチル−2−オキサゾリ
ニル−2)ベンゼンなどの芳香核に2個のオキサゾリン
環が結合したオキサゾリン化合物、及び2,2’−ビス
(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−
2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(5−メチル−2
−オキサゾリン)などのビス(2−オキサゾリン)化合
物、ヒドロキシアルキル−2−オキサゾリンと前記ポリ
イソシアネート化合物との反応により得られる多価オキ
サゾリン化合物、さらには2−ビニル−2−オキサゾリ
ン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−
ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロ
ペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−
メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−
エチル−2−オキサゾリンなどの単独重合体、又は共重
合体などのオキサゾリン基含有化合物、さらには市販さ
れているオキサゾリン基含有化合物、例えば商品名CX
−RS−1200、CX−RS−3200(いずれも
(株)日本触媒製)、一般式(10)
【0053】
【化40】
【0054】(式中のR19及びR20は、それぞれ炭素数
1〜18のアルキル基又はアリール基、mは0、1又は
2である。)で表される化合物の縮合体、アクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキ
シプロピルトリ−n−ブトキシシランなどのα,β−不
飽和シラン化合物の単独重合体又は共重合体、及びこれ
らの化合物の加水分解生成物などのシラノール基やアル
コキシシラン基含有化合物;脂肪族ポリオール類、フェ
ノール類、ポリアルキレンオキシグリコール類、2−ヒ
ドロキシアクリレート、2−ヒドロキシメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのα,β−不飽和化合
物の単独重合体又は共重合体、及びこれらのポリオール
類のε−カプロラクトン付加物などのヒドロキシル基含
有化合物;脂肪族、芳香族のジアミノ化合物やポリアミ
ノ化合物及び前記ポリオールのシアノエチル化反応生成
物を還元して得られるポリアミノ化合物などのアミノ基
含有化合物;脂肪族、芳香族ポリイミノ化合物などのイ
ミノ基含有化合物;p−フェニレンジイソシアネート、
ビフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイ
ソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−ト
リメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、メチレ
ンビス(フェニルイソシアネート)、リジンメチルエス
テルジイソシアネート、ビス(イソシアネートエチル)
フマレート、イソホロンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキシルジイソシアネート、2−イソシアネートエチ
ル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート及びこれ
らのビュレット体やイソシアヌレート体、さらにはこれ
らのイソシアネート類と前記ポリオールとのアダクト化
合物などのイソシアネート基含有化合物;前記イソシア
ネート基含有化合物のフェノール類、ラクタム類、活性
メチレン類、アルコール類、酸アミド類、イミド類、ア
ミン類、イミダゾール類、尿素類、イミン類、オキシム
類によるブロック体などのブロック化イソシアネート基
含有化合物;3−アクリロイルオキシプロピレンカーボ
ネート、3−メタクリロイルオキシプロピレンカーボネ
ートの単独重合体又は共重合体、前記エポキシ基含有化
合物と二酸化炭素との反応により得られる多価シクロカ
ーボネート基含有化合物などのシクロカーボネート基含
有化合物;前記多価ヒドロキシル基含有化合物とハロゲ
ン化アルキルビニルエーテル類との反応によって得られ
る多価ビニルエーテル化合物、ヒドロキシアルキルビニ
ルエーテル類と多価カルボキシル基含有化合物や前記ポ
リイソシアネート化合物との反応により得られるポリビ
ニルエーテル化合物、ビニルオキシアルキルアクリレー
ト類やビニルオキシアルキルメタクリレート類とα,β
−不飽和化合物との共重合体などのビニルエーテル化合
物、及びこれらに対応するビニルチオエーテル化合物な
どのビニルエーテル基やビニルチオエーテル基含有化合
物;メラミンホルムアルデヒド樹脂、グリコリルホルム
アルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、アミノメ
チロール基やアルキル化アミノメチロール基含有α,β
−不飽和化合物の単独重合体又は共重合体などのアミノ
メチロール基やアルキル化アミノメチロール基含有化合
物;多価ケトン、多価アルデヒド化合物、前記多価ビニ
ルエーテル化合物などとアルコール類やオルソ酸エステ
ル類との反応によって得られる多価アセタール化合物、
及びこれらとポリオール化合物との縮合体、さらには前
記ビニルオキシアルキルアクリレートやビニルオキシア
ルキルメタクリレートとアルコール類やオルソ酸エステ
ルとの付加物の単独重合体又は共重合体などのアセター
ル基やケタール基含有化合物などが挙げられる。なお、
一般式(10)中のR19及びR20の適当な具体例として
は、例えば一般式(1)のR1において記載した具体例
と同様のものが挙げられる。
【0055】本発明の熱硬化性組成物においては、
(B)成分の化合物として、1種の反応性官能基を有す
る前記化合物の他に、反応性官能基2種以上を有する化
合物を用いてもよいし、また該(B)成分は2種以上を
組み合わせて用いてもよい。ただし、この際、それぞれ
の官能基が互いに活性である組み合わせは貯蔵安定性が
損なわれ好ましくない。このような好ましくない組み合
わせとしては、例えばエポキシ基、イソシアネート基、
ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、シクロカー
ボネート基及びシラノール基の中から選ばれる官能基と
アミノ基又はイミノ基との組み合わせ、イソシアネート
基又はビニルエーテル基とヒドロキシル基との組み合わ
せなどが挙げられる。
【0056】本発明の熱硬化性組成物は、前記(A)成
分の化合物と(B)成分の化合物とを含有するものであ
ってもよいし、(D)1分子中に、(α)一般式(8)
【0057】
【化41】
【0058】(式中のR15、R16及びR17はそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜18の有機基、R18は炭素数1〜
18の有機基であって、R17とR18は互いに結合してY
3をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y3
は酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基
1個以上と、(β)該官能基と化学結合を形成しうる反
応性官能基1個以上とを有する自己架橋型化合物を含有
するものであってもよい。さらに、この(D)成分の化
合物と前記(A)成分の化合物及び/又は(B)成分の
化合物とを含有するものであってもよい。この場合、該
(B)成分の反応性官能基は、前記一般式(8)で表さ
れる官能基及び/又は一般式(1)で表される官能基と
化学結合を形成する。該(D)成分の化合物における
(α)一般式(8)で表される官能基としては、前記
(A)成分における官能基、すなわち一般式(1)で表
される官能基の説明において例示したものと同じものを
挙げることができる。また、(β)反応性官能基として
は、前記(B)成分の化合物における反応性官能基とし
て例示したものと同じものを挙げることができる。
【0059】この(D)成分の化合物は、1分子中にカ
ルボキシル基1個以上、好ましくは1〜50個と該反応
性官能基1個以上、好ましくは1〜50個とを有する化
合物を出発原料とし、前記(A)成分の化合物の製法で
説明したのと同様な方法で製造することができるし、あ
るいは前記一般式(8)で表される官能基を有する不飽
和化合物と前記の反応性官能基を有する不飽和化合物と
を共重合させることによっても製造することができる。
該(D)成分の化合物は、前記一般式(8)で表される
官能基と共に、該反応性官能基を2種以上含有するもの
であってもよいが、この場合、前記(B)成分の化合物
と同様に、それぞれの官能基が互いに活性である組み合
わせは貯蔵安定性が損なわれ、好ましくない。
【0060】本発明の熱硬化性組成物においては、前記
(A)成分及び/又は(B)成分、あるいは(D)成分
及び場合により用いられる(A)成分及び/又は(B)
成分の中から選ばれた少なくとも1つがα,β−不飽和
化合物の重合体又はポリエステル樹脂であることが好ま
しく、また該組成物中の前記一般式(1)あるいは
(8)で表される官能基と、これと加熱により化学結合
を形成しうる反応性官能基とが当量比0.2:1.0乃
至1.0:0.2の割合になるように各成分を含有させ
ることが望ましい。
【0061】本発明における(A)成分及び(D)成分
の一般式(1)及び(8)で表される官能基は、加熱下
又は酸触媒存在下において、遊離カルボキシル基を再生
し、(B)成分及び(D)成分の反応性官能基と化学結
合を形成するものであるが、この反応の他に分子内分極
構造に基づく、いわゆる活性エステルとして(B)成分
あるいは(D)成分の反応性官能基に付加反応を起こし
得る。この際には、架橋反応時に脱離反応を伴わないた
め、揮発性有機物質の排出低減にも貢献することができ
る。
【0062】本発明の熱硬化性組成物においては、
(C)成分として熱潜在性酸触媒が使用される。この熱
潜在性酸触媒は、本発明の熱硬化性組成物の硬化時に
は、硬化反応を促進し、硬化物に良好な化学性能、物理
性能、耐候性及び耐汚染性を付与すると共に、該組成物
の貯蔵時には長期にわたる安定性を実現するために不可
欠な成分である。(C)成分の熱潜在性酸触媒として
は、(a)(i)エポキシ基を含有する化合物、(ii)
一般式(2)
【0063】
【化42】R5−S−R6 (2)
【0064】(式中、R5及びR6は、それぞれ水素原
子、炭素数1〜40の有機基を示し、同一でも又は異な
ってもよく、互いに結合しあって環構造を形成してもよ
い。)で表される含イオウ化合物、及び(iii)一般式
(3)
【0065】
【化43】(X1n1−M1−(R7n2 (3)
【0066】(式中、M1はホウ素、アルミニウム、ス
ズ、鉛又は遷移元素を示し、X1は1種又は2種以上の
ハロゲン原子を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数
1〜40の有機基を示し、R7はM1原子に配位しキレー
ト環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6
の整数を示し、n1+n2が1〜6の整数である。)で
表されるルイス酸、さらに必要に応じて(iv)カルボン
酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜
在性酸触媒である。
【0067】該熱潜在性酸触媒は、(i)エポキシ基を
含有する化合物、(ii)前記一般式(2)で表される含
イオウ化合物の双方の複雑な作用により、(iii)前記
一般式(3)で表されるルイス酸の空の電子軌道を保護
することにより熱潜在性を発現することを特徴とする。
該熱潜在性酸触媒は、上記3成分の他に、さらに、(i
v)カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物
を含有させることができる。このカルボン酸化合物及び
/又は無水カルボン酸化合物の作用により、有機溶剤に
対する溶解性が良好になる。すなわち、前記ルイス酸と
して、遷移金属のハロゲン化物などの無機金属塩を使用
した場合、(i)エポキシ基を含有する化合物、(ii)
前記一般式(2)で表される含イオウ化合物、(iii)
前記一般式(3)で表されるルイス酸を混合して得られ
る熱潜在性酸触媒は、有機溶剤に対する溶解性が悪く適
用範囲が狭いのに対し、これに(iv)カルボン酸化合物
及び/又は無水カルボン酸化合物を作用させた熱潜在性
酸触媒は、有機溶剤に対する溶解性が改善され、実用性
に優れている。該熱潜在性酸触媒において、(i)成分
として用いられる化合物はエポキシ基を含有する化合物
である。該化合物は、分子内に1つ以上のエポキシ基を
含有する化合物であれば、単分子化合物であっても、高
分子化合物であっても差し支えない。
【0068】本発明に使用される(i)エポキシ基を含
有する化合物としては、例えば、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシドなどのアルケンから誘導される脂肪族
モノエポキシド化合物、シクロヘキセンオキシド、セロ
キサイド2000(商品名、ダイセル化学工業(株)
製)、セロキサイド3000(商品名、ダイセル化学工
業(株)製)、リカレジンE−8(商品名、新日本理化
(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルア
クリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメ
タクリレートなどのシクロアルケンから誘導される脂環
式モノエポキシド化合物、スチレンオキシド、スチルベ
ンオキシドなど芳香族環を有する芳香族モノエポキシド
化合物、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジル
エーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシ
ジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、フェニル
グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ポリ
アルキレンオキシドモノグリシジルエーテルなどのグリ
シジルエーテル類、グリシジルイソブチレート、カージ
ュラE−10(商品名、シェル社製)、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル
エステル類、サンソサイザーE−4030(商品名、新
日本理化(株)製)、サンソサイザーE−6000(商
品名、新日本理化(株)製)、などのエポキシ系可塑
剤、さらにグリシジルアクリレート、アリルグリシジル
アクリレートなどの単量体の単独重合体、又は他の単量
体との共重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリ
カルボン酸とエピクロルヒドリンあるいはポリオールと
エピクロルヒドリンの反応によって得られるポリグリシ
ジル化合物などのエポキシ基を有する高分子化合物など
が挙げられる。この中で特に好ましいものとしては、プ
ロピレンオキシド、ブチレンオキシド、サンソサイザー
E−4030(商品名、新日本理化(株)製)、サンソ
サイザーE−6000(商品名、新日本理化(株)
製)、リカレジンE−8(商品名、新日本理化(株)
製)、シクロヘキセンオキシド、セロキサイド3000
(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、メチルグリシ
ジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグ
リシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、カージ
ュラE−10(商品名、シェル社製)などが挙げられ
る。グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチルメタクリレーの単独重合体又は他の単
量体との共重合体も特に好ましいものとして挙げられ
る。ここで、エポキシ基を含有する化合物が高分子化合
物である場合、そのエポキシ含有量は0.1〜7モル/
kgの範囲が好ましく、特に0.35〜5モル/kgの
範囲が好ましい。(i)該エポキシ基を含有する化合物
は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0069】該熱潜在性酸触媒において(ii)成分とし
て用いられる化合物は、前記一般式(2)で表される含
イオウ化合物である。一般式(2)において、R5及び
6は、それぞれ水素原子、炭素数1〜40の有機基を
示し、同一でも又は異なってもよく、互いに結合しあっ
て環構造を形成してもよい。有機基の好ましいものは、
炭素数1〜18の有機基であり、特に好ましいものは、
炭素数1〜10の有機基である。この有機基としては、
例えばアルキル基、アリール基、アルカリール基、アル
コキシル基、アシル基、アシルオキシル基又はアルコキ
シカルボニル基などの有機基、ヒドロキシル基、アミノ
基、ニトリル基、カルボキシル基などの官能基及び前記
有機基にこれらの官能基が置換したものなどが挙げられ
る。
【0070】上記アルキル基、アリール基及びアルカリ
ール基の適当な具体例としては、例えば一般式(1)の
1において記載した具体例と同様のものが挙げられ
る。上記アルコキシル基の適当な具体例としては、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、tertーブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオ
キシ基などが挙げられ、好ましくはメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert
ーブトキシ基である。
【0071】上記アシル基の適当な具体例としては、ホ
ルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチ
リル、バレリル、イソバレリル、オキサリル、サクシニ
ル、ビバロイル、ステアロイル、ベンゾイル、フェニル
プロピオニル、トルオイル、ナフトイル、フタロイル、
インダンカルボニル、p−メトキシベンゾイル、シクロ
ヘキシルカルボニル基などが挙げられ、好ましくはアセ
チル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、オキサリル、ベンゾイル及びシクロ
ヘキシルカルボニル基である。
【0072】上記アシルオキシル基の適当な具体例とし
ては、例えばアセトキシ、プロピオニルオキシ、ブタノ
イルオキシ、イソブタノイルオキシ、ヘキサノイルオキ
シ、オクタノイルオキシ、2−エチルヘキサノイルオキ
シ、デカノイルオキシ、ドデカノイルオキシ、ステアロ
イルオキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ、シ
クロペンチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボ
ニルオキシ、フロイルオキシ、セノイルオキシなどが挙
げられ、好ましくはアセトキシ、プロピオニルオキシ、
ブタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、オクタノイル
オキシ、2−エチルヘキサノイルオキシ、ベンゾイルオ
キシ及びシクロヘキシルカルボニルオキシ基である。
【0073】上記アルコキシカルボニル基の適当な具体
例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル、tertーブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル、1−シクロプロピルエトキシカルボニル、シクロ
ヘキシルオキシカルボニルなどが挙げられ、好ましくは
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシ
カルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカル
ボニル、tertーブトキシカルボニル及びシクロヘキ
シルオキシカルボニル基である。
【0074】該(ii)含イオウ化合物の適当な具体例と
しては、例えばメチルスルフィド、エチルスルフィド、
n−プロピルスルフィド、n−ブチルスルフィド、n−
ヘキシルスルフィド、イソプロピルスルフィド、sec
−ブチルスルフィド、tert−ブチルスルフィド、n
−オクチルスルフィド、2−エチルヘキシルスルフィド
などのアルキルスルフィド類、2−(エチルチオ)エタ
ノール、2,2’−チオジエタノール、ビス(2−メト
キシエチル)スルフィドなどのヒドロキシアルキルスル
フィド及びその誘導体、ジフェニルスルフィド、チオア
ニソールなどの芳香族環を有する含イオウ化合物、メチ
ルチオ酢酸メチル、メチルチオプロピオン酸エチル、チ
オプロピオン酸ジメチルなどカルボン酸エステル部分を
含む含イオウ化合物、チオジプロピオニトリルなどのニ
トリル基を含む含イオウ化合物、テトラヒドロチオフェ
ン、テトラヒドロチアピラン、1,2−オキサチオラ
ン、1,3−オキサチオラン、1,3−オキサチアン、
1,4−オキサチアンなどの環状の含イオウ化合物など
が挙げられ、好ましくはn−プロピルスルフィド、n−
ブチルスルフィド、n−ヘキシルスルフィド、イソプロ
ピルスルフィド、sec−ブチルスルフィド、tert
−ブチルスルフィド、n−オクチルスルフィド、2−エ
チルヘキシルスルフィドなどのアルキルスルフィド類及
び2−(エチルチオ)エタノール、ビス(2−メトキシ
エチル)スルフィド、メチルチオ酢酸メチル、メチルチ
オプロピオン酸エチル、テトラヒドロチオフェン、1,
4−オキサチアンが挙げられる。該(ii)含イオウ化合
物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0075】該熱潜在性酸触媒において、(iii)成分
として用いられる化合物は、前記一般式(3)で表され
るルイス酸である。一般式(3)において、M1はホウ
素、アルミニウム、スズ、鉛又は遷移元素を示し、X2
は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R7は1種
又は2種以上の炭素数1〜40の有機基を示し、r7
1原子に配位しキレート環を形成してもよく、n1及
びn2はそれぞれ0〜6の整数を示し、n1+n2が1
〜6の整数である。
【0076】遷移元素は、IUPACの新しい周期律表
で第4周期から第6周期のうち3〜12族に属する原子
であり、具体的には、スカンジウム、イットリウム、ラ
ンタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナ
ジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タン
グステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ル
テニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウ
ム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、
カドミウム、水銀である。M1の好ましいものは、ホウ
素、アルミニウム、スズ、鉛、チタン、亜鉛、鉄、銅、
ジルコニウムであり、特に好ましいものはアルミニウ
ム、スズ、チタン、亜鉛、ジルコニウムである。
【0077】X2のハロゲン原子としては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、好ましくはフッ素、
塩素及び臭素である。R7の有機基の好ましいものは、
炭素数1〜18の有機基であり、特に好ましいものは、
炭素数1〜10の有機基である。この有機基としては、
例えばアルキル基、アリール基、アルカリール基、アル
コキシル基、アシル基、アシルオキシル基又はアルコキ
シカルボニル基などが挙げられ、好ましくはアルキル
基、アルコキシル基、アシル基又はアシルオキシル基な
どが挙げられる。
【0078】上記アルキル基、アリール基及びアルカリ
ール基の適当な具体例としては、例えば一般式(1)の
1において記載した具体例と同様のものが挙げられ
る。また、上記アルコキシル基、アシル基、アシルオキ
シル基及びアルコキシカルボニル基の適当な具体例とし
ては、例えば一般式(2)のR5において記載した具体
例と同様のものが挙げられる。
【0079】該(iii)ルイス酸の適当な具体例として
は、例えば三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化
第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二
鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二ス
ズ、臭化第一スズ、臭化第二スズなどの金属ハロゲン化
物、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、
ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロ
ゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズなどの有機金
属化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートア
ルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテー
ト)アルミニウム、モノアセチルアセトナト・ビス(エ
チルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−プ
ロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−
ブチルアセトアセテート)アルミニウム、モノエチルア
セトアセテート・ビス(アセチルアセトナト)アルミニ
ウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ト
リス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、アセチ
ルアセトナト・ビス(プロピオニルアセトナト)アルミ
ニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテ
ート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチル
アセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルア
セトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチル
アセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウム、ジクロロ・ビス(アセチル
アセトナト)スズ、ジブチル・ビス(アセチルアセトナ
ト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス
(アセチルアセトナト)クロム、トリス(アセチルアセ
トナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、
トリス(アセチルアセトナト)コバルトなどの金属キレ
ート化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルス
ズエステルマレート、ナフテン酸マグネシウム、ナフテ
ン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、
ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、
ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カ
ルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチ
ル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウ
ム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛などの金属石鹸が挙
げられる。これらのうち好ましいものは、ホウ素、アル
ミニウム、スズ、チタン、亜鉛及びジルコニウムのキレ
ート化合物、金属石鹸、ハロゲン化物が挙げられる。さ
らに、カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合
物を用いない場合は、有機溶媒に対する溶解性に関する
観点から、ホウ素、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛
及びジルコニウムのキレート化合物並びに金属石鹸が特
に好ましいものとして挙げられる。該(iii)ルイス酸
は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0080】該熱潜在性酸触媒に用いられる(iv)カル
ボン酸化合物の適当な具体例としては、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、2−エチルヘキシル酸、ラウリン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アク
リル酸、メタクリル酸,モノクロロ酢酸、ジクロロ酢
酸、トリクロロ酢酸などの一価のカルボン酸化合物、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカメチレンジカルボン酸、フタル酸、マレイ
ン酸、トリメット酸、ピロメット酸、テトラヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタ
ル酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸などの多価カ
ルボン酸化合物、及びカルボキシル基含有アクリル樹
脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂などが挙げら
れる。この中でも比較的低分子量の一価又は多価のカル
ボン酸化合物が好ましく、特に分子量が3000以下の
一価又は多価のカルボン酸化合物が好ましい。
【0081】該熱潜在性酸触媒に用いられる(iv)無水
カルボン酸化合物の適当な具体例としては、無水酢酸、
無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ラウ
リン酸、無水オレイン酸、無水リノール酸、無水ステア
リン酸、無水リノレン酸、無水コハク酸、無水フタル
酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸、無水イソ吉草酸、無水n−カプロン酸、無水
n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水シトラコン
酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水クロレンド
酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水テトラ
プロペニルコハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水
へキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル
酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチル
エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、無水テト
ラクロロフタル酸、無水3−二トロフタル酸、無水トリ
クロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸、
無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酢酸などの
低分子無水カルボン酸化合物、及び無水カルボキシル基
含有アクリル樹脂、無水カルボキシル基含有ポリエステ
ル樹脂などの高分子無水カルボン酸化合物などが挙げら
れる。
【0082】この中で、特に好ましいものとしては、無
水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、
無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水ステアリン酸、
無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カ
プリン酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水
トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢
酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酢酸な
どが挙げられる。なお、該(iv)カルボン酸化合物及び
無水カルボン酸化合物の効果である有機溶剤に対する溶
解性向上は、ルイス酸が金属ハロゲン化物である場合に
著しい。該(iv)カルボン酸化合物及び無水カルボン酸
化合物は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0083】該熱潜在性酸触媒を製造する際の各成分の
混合比は、特に限定されるものではないが、(iii)成
分である一般式(3)で表されるルイス酸のM1原子に
対する(i)成分であるエポキシ基を含有する化合物の
エポキシ基及び(ii)成分である含イオウ化合物のイオ
ウ原子の当量比が、それぞれ0.2〜10の範囲にある
ことが好ましく、特に各々0.5〜5の範囲にあること
が好ましい。この当量比が0.2未満であると、貯蔵時
にルイス酸の活性を十分抑制できないことがある。ま
た、この当量比が10を超えると、加熱時に触媒を発生
しにくくなることがある。また、該熱潜在性酸触媒にお
いて、(iii)成分である一般式(3)で表されるルイ
ス酸のM1原子に対する(iv)成分であるカルボン酸化
合物のカルボキシル基及び/又は無水カルボン酸化合物
の酸無水物基の当量比は、特に限定されるものではない
が、0.05〜10の範囲にあることが好ましく、特に
0.1〜5の範囲にあることが好ましい。この当量比が
0.05未満となる場合には、熱潜在成酸触媒の有機溶
剤に対する溶解性が不充分になることがある。また、こ
の当量比が10を超えると貯蔵時にルイス酸の活性を十
分抑制できなくなることがある。
【0084】該熱潜在性酸触媒は、溶媒の存在下或は不
存在下で、(i)エポキシ基を含有する化合物、(ii)
含イオウ化合物及び(iii)ルイス酸の各成分を任意の
順序で混合することにより容易に製造することができ
る。この中でも、(i)エポキシ基を含有する化合物及
び(ii)含イオウ化合物を予め混合した後、(iii)ル
イス酸を混合するか、あるいは(ii)含イオウ化合物及
び(iii)ルイス酸とを予め混合した後、(i)エポキシ
基を含有する化合物を混合する製造方法が好ましい。ま
た、(iv)カルボン酸化合物及び/無水カルボン酸化合
物の混合順序は任意にとることができる。この中でも、
(i)エポキシ基を含有する化合物、(ii)含イオウ化
合物、(iii)ルイス酸の各成分を予め混合した後に、
(iv)カルボン酸化合物及び/無水カルボン酸化合物を
混合することが好ましい。さらに、該熱潜在性酸触媒の
製造において、2成分、3成分、必要に応じて4成分あ
るいは5成分を混合したのちに、室温〜100℃の範囲
で10分〜10時間加熱を行うとルイス酸の熱潜在化反
応がより促進されて好ましいことがある。ここで用いる
溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭
化水素系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、エ
ステル系溶剤、ケトン系溶剤、及びこれらの混合溶剤な
どが挙げられる。また、溶媒の使用量は、適宜選定すれ
ば良いが、通常熱潜在性酸触媒が1〜90重量%となる
ようにすることが好ましい。
【0085】該熱潜在性酸触媒においては、(iii)ル
イス酸に対する(i)エポキシ基を含有する化合物及び
(iii)含イオウ化合物の熱潜在化作用は複雑である
が、例えばエポキシ基の酸素原子の非共有電子対及び含
イオウ化合物のイオウ原子の非共有電子対の双方の効果
により、ルイス酸の空の電子軌道を保護することから熱
潜在性が発現する機構が推定される。また、(iv)カル
ボン酸化合物及び無水カルボン酸化合物が該熱潜在性酸
触媒の有機溶剤に対する溶解性を著しく改良する作用
は、例えば、該熱潜在性酸触媒と反応することにより、
該熱潜在性酸触媒の配位子あるいはその一部が変化する
ことから発現する機構が推定される。さらに、該熱潜在
性酸触媒は、加熱下においては、分解しルイス酸を再生
すると推定される。この機構により、該熱潜在性酸触媒
は加熱時にのみ酸触媒活性を示す。
【0086】該(C)成分の熱潜在性酸触媒は、熱硬化
性組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に保ち、かつ
低温にて短時間で硬化する際、硬化反応を促進し、硬化
物に良好な化学性能及び物理性能を付与する目的で使用
される。そのため、該熱潜在性酸触媒は、50℃以上の
温度において、酸触媒活性を示す化合物が望ましい。該
熱潜在性酸触媒が50℃未満の温度で酸触媒活性を示す
場合、得られる組成物は貯蔵中に増粘したり、ゲル化す
るなど、好ましくない事態を招来する恐れがある。な
お、該熱潜在性酸触媒は、(i)エポキシ基を含有する
化合物、(ii)含イオウ化合物、(iii)ルイス酸、及
び必要に応じて用いられる(iv)カルボン酸化合物及び
/又は無水カルボン酸化合物の各成分の種類及び量など
を変化させることにより、酸触媒活性を示す温度を比較
的容易に制御できる。本発明の熱硬化性組成物において
は、該(C)成分の熱潜在性酸触媒は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、またその配
合量は、(A)成分と(B)成分、あるいは(D)成分
と場合により用いられる(A)成分及び/又は(B)成
分との総固形分量100重量部当たり、ルイス酸が通常
0.01〜20重量部の範囲、好ましくは0.02〜1
0重量部の範囲で配合されるように選ばれる。
【0087】熱潜在性酸触媒の量が0.01重量%未満
では触媒量が少な過ぎて反応を促進させる効果が十分に
発揮されない。また、熱潜在性酸触媒の量が20重量%
を超えると、量のわりには反応を促進させる効果の向上
が見られず、むしろ熱硬化性組成物中に触媒が多量に残
存することにより塗膜の物性が低下する場合があり好ま
しくない。
【0088】該熱潜在性酸触媒は、本発明の熱硬化性組
成物だけでなく、それ以外のルイス酸により硬化反応が
促進される熱硬化性組成物すべてに使用することができ
る。ルイス酸により活性化されるそのような硬化反応と
しては、例えば縮合反応、重縮合反応、付加反応、付加
重合反応が挙げられる。具体的には、エステル化反応、
アミド化反応、イミド化反応、エステル交換反応、エー
テル交換反応、アセタール交換反応などが挙げられる。
より具体的には、シラノール基、アルコキシシラン基を
有する化合物の縮合反応や重縮合反応などが挙げられ
る。また、エポキシ基、イソシアネート基、ビニルエー
テル基、ビニルチオエーテル基を有する化合物などと、
該化合物と付加反応や付加重合反応を起こす活性水素含
有基、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ
基、イミノ基、シラノール基などを有する化合物との付
加反応や付加重合反応などが挙げられる。さらに、エポ
キシ基を有する化合物と1−アルコキシエステル基を有
する化合物の付加反応、エポキシ基、ビニルエーテル
基、環状エステル基、スピロオルソエステル基、スピロ
オルソカーボネート基、オキサゾリン基、環状アセター
ル基、環状ケタール基、ビシクロオルソエステル基など
を有する化合物のカチオン重合反応などが挙げられる。
これらの硬化反応は、1種単独で用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0089】また、本発明は、上記熱硬化性組成物にお
ける(C)成分の熱潜在性酸触媒として、(b)(v)
一般式(4)
【0090】
【化44】
【0091】(式中のY2は窒素原子、酸素原子、リン
原子又はイオウ原子を示し、R8は炭素数1〜12のア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基
又はアルカノール基から選ばれる1種又は2種以上の有
機基を示し、2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原
子とする複素環を形成してもよく、n3は2又は3の整
数を示す。)で表される含窒素、酸素、リン又はイオウ
化合物、(vi)一般式(5)
【0092】
【化45】
【0093】(式中のR9は炭素数1〜12のベンジル
基、置換ベンジル基、アリル基、置換アリル基、シクロ
アルキル基、置換シクロアルキル基、第2級アルキル
基、置換第2級アルキル基、第3級アルキル基又は置換
第3級アルキル基から選ばれる有機基を示し、X2はハ
ロゲン原子を示す。)で表される含ハロゲン化合物、及
び(vii)一般式(6)
【0094】
【化46】
【0095】(式中のM2 はアルミニウム原子、亜鉛原
子又はスズ原子を示し、X3は1種又は2種以上のハロ
ゲン原子を示し、R10は1種又は2種以上の炭素数1〜
20の有機基を示し、R10はM2原子に配位しキレート
環を形成してもよく、n4及びn5はそれぞれ0〜6の
整数を示し、n4+n5は1〜6の整数を示す。)で表
されるアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含む
ルイス酸から成る熱潜在性酸触媒を使用することができ
る。
【0096】該熱潜在性酸触媒において、(v)成分と
して用いられる化合物は、前記一般式(4)で表される
含窒素、酸素、リン又はイオウ化合物である。前記一般
式(4)において、Y2は窒素原子、酸素原子、リン原
子又はイオウ原子であり、R8は炭素数1〜12のアル
キル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基又
はアルカノール基から選ばれる1種又は2種以上の有機
基であって、これらの有機基は適当な置換基を有してい
てもよく、2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原子
とする複素環を形成してもよい。さらに、n3は2又は
3の整数である。R8の好ましいものとしては、炭素数
1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ア
ルカリール基、アルカノール基であり、特に好ましいも
のはアルキル基、アリール基、アルカノール基である。
【0097】上記のアルキル基、アリール基及びアルカ
リール基の適当な具体例としては、例えば炭素数1〜1
2の一般式(1)のR1において記載した具体例と同様
のものが挙げられる。また、アルケニル基としては、ビ
ニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、2−メ
チルアリル、1,1−ジメチルアリル、3−メチル−2
−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、4−ペンテニ
ル、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウ
ンデセニル、ドデセニル基などが挙げられ、好ましくは
炭素数2〜10の、ビニル、アリル、イソプロペニル、
2−ブテニル、2−メチルアリル、1,1−ジメチルア
リル、3−メチル−2−ブテニル、3−メチル−3−ブ
テニル、4−ペンテニル、ヘキセニル、オクテニル、ノ
ネニル、デセニル基などのアルケニル基が挙げられる。
【0098】上記アルカノール基の適当な具体例として
は、例えばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、
2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4
−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、2,2−
ジメチル−2−ヒドロキシエチル、5−ヒドロキシペン
チル、6−ヒドロキシヘキシル、7−ヒドロキシヘプチ
ル、8−ヒドロキシオクチル、9−ヒドロキシノニル、
10−ヒドロキシデシル、11−ヒドロキシウンデシ
ル、12−ヒドロキシドデシル基などが挙げられ、好ま
しくは炭素数1〜10のヒドロキシメチル、2−ヒドロ
キシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシ
プロピル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチ
ル、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、5−ヒ
ドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、7−ヒド
ロキシヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、9−ヒドロ
キシノニル、10−ヒドロキシデシルなどのアルカノー
ル基が挙げられる。
【0099】これらの有機基に置換する置換基は、特に
限定されるものではなく、例えばハロゲン原子、低級ア
ルキル基、低級アルコキシル基、アリーロキシル基、低
級ハロアルキル基、アシルオキシル基、アシルアミノ
基、水酸基、ニトロ基などが挙げられる。
【0100】このような(v)成分の化合物の具体例と
しては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリ−n−ブチルアミン、トリアリルアミン、ジメチル
−n−オクチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリ
エタノールアミン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコ
リン、4−ピコリン、N−メチルピペリジン、N−メチ
ルピロリジン、N−メチルイミダゾール、N−メチルモ
ルホリンなどの各種3級アミン類、ジエチルエーテル、
ジ−n−ブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエー
テル、ベンジルエチルエーテル、ジベンジルエーテル、
1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラ
ン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの各
種エーテル類、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキ
シルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの各種ホ
スフィン類、ジエチルスルフィド、ジプロピルスルフィ
ド、ジ−n−ブチルスルフィド、ジ−sec−ブチルス
ルフィド、ジ−tert−ブチルスルフィド、ジイソブ
チルスルフィド、ジ−n−ヘキシルスルフィド、ジ−n
−オクチルスルフィド、メチル−n−オクチルスルフィ
ド、2,2’−チオジエタノール、ビス(2−メトキシ
エチル)スルフィド、2−(エチルチオ)エタノール、
メチルチオ酢酸メチル、メチルチオプロピオン酸エチ
ル、チオプロピオン酸ジメチル、チオジプロピオニトリ
ル、チオアニソール、ジフェニルスルフィド、1,4−
チオキサン、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、テ
トラヒドロチオピランなどの各種スルフィド類などが挙
げられる。これらの化合物は1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0101】また、該熱潜在性酸触媒において、(vi)
成分として用いられる化合物は、前記一般式(5)で表
される含ハロゲン化合物である。前記一般式(5)にお
いて、R9は炭素数1〜12のベンジル基、アリル基、
シクロアルキル基、第2級アルキル基又は第3級アルキ
ル基から選ばれる有機基であり、これらの有機基は適当
な置換基を有していてもよい。また、X2はハロゲン原
子であり、具体的にはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素など
である。R9の好ましいものとしては、炭素数1〜10
のベンジル基、置換ベンジル基、アリル基、置換アリル
基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、第2級
アルキル基、置換第2級アルキル基、第3級アルキル基
又は置換第3級アルキル基であり、特に好ましいものは
ベンジル基、置換ベンジル基、アリル基、置換アリル
基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基である。
【0102】上記シクロアルキル基の適当な具体例とし
ては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオク
チル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘ
キシル、4−エチルシクロヘキシル、2−ヒドロキシシ
クロヘキシル、3−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒ
ドロキシシクロヘキシル、シクロオクチル、シクロデシ
ル、シクロドデシル基などが挙げられ、好ましくは炭素
数3〜10のシクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオク
チル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘ
キシル、4−エチルシクロヘキシル、2−ヒドロキシシ
クロヘキシル、3−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒ
ドロキシシクロヘキシル、シクロオクチル、シクロデシ
ルなどのシクロアルキル基が挙げられる。
【0103】上記第2級アルキル基の適当な具体例とし
ては、例えばイソプロピル、sec−ブチル、1−メチ
ルブチル、1−メチルペンチル、1−メチルヘプチル、
1−エチルプロピル、1−メチルイソブチル、1−メチ
ルイソペンチル、1−メチルヘキシル、1−メチルヘプ
チル、1−メチルオクチル、1−エチル−3−メチルブ
チルなどが挙げられる。上記第3級アルキル基の適当な
具体例としては、例えばtert−ブチル、1,1−ジ
メチルプロピル、 1,1−ジメチルブチル、1,1−
ジメチルペンチル、1,1−ジメチルヘキシル、1,1
−ジメチルヘプチル、1,1−ジメチルオクチル、1−
エチル−1−メチルプロピルなどが挙げられる。これら
の有機基に置換する置換基は、特に限定されるものでは
なく、例えばハロゲン原子、低級アルキル基、低級アル
コキシル基、アリーロキシル基、低級ハロアルキル基、
アシルオキシル基、アシルアミノ基、水酸基、ニトロ基
などが挙げられる。
【0104】このような(vi)成分の具体例としては、
例えばベンジルクロライド、4−(tert−ブチル)
ベンジルクロライド、3−メトキシベンジルクロライ
ド、4−メトキシベンジルクロライド、2−メチルベン
ジルクロライド、3−メチルベンジルクロライド、4−
メチルベンジルクロライド、3−ビニルベンジルクロラ
イド、4−ビニルベンジルクロライド、2−クロロベン
ジルクロライド、3−クロロベンジルクロライド、4−
クロロベンジルクロライド、2−ニトロベンジルクロラ
イド、3−ニトロベンジルクロライド、4−ニトロベン
ジルクロライド、2,3−ジクロロベンジルクロライ
ド、2,4−ジクロロベンジルクロライド、2,6−ジ
クロロベンジルクロライド、3,4−ジクロロベンジル
クロライド、α,α’−ジクロロパラキシレン、アリル
クロライド、1−クロロ−2−ブテン、1−クロロ−3
−メチル−2−ブテン、シクロブチルクロライド、シク
ロペンチルクロライド、シクロヘキシルクロライド、2
−クロロシクロヘキサノール、2−クロロシクロヘキサ
ノン、イソプロピルクロライド、sec−ブチルクロラ
イド、tert−ブチルクロライドなどの含塩素化合物
類、ベンジルブロマイド、2−ブロモベンジルブロマイ
ド、3−ブロモベンジルブロマイド、4−ブロモベンジ
ルブロマイド、2−ニトロベンジルブロマイド、3−ニ
トロベンジルブロマイド、4−ニトロベンジルブロマイ
ド、アリルブロマイド、1−ブロモ−2−ブテン、1−
ブロモ−3−メチル−2−ブテン、シクロブチルブロマ
イド、シクロペンチルブロマイド、シクロヘキシルブロ
マイド、イソプロピルブロマイド、sec−ブチルブロ
マイド、tert−ブチルブロマイドなどの含臭素化合
物類、アリルアイオダイド、シクロヘキシルアイオダイ
ド、イソプロピルアイオダイド、sec−ブチルアイオ
ダイド、tert−ブチルアイオダイドなどの含ヨウ素
化合物類及びこれらに対応する含フッ素化合物類などが
挙げられる。これらの化合物は1種用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0105】さらに、該熱潜在性酸触媒において、(vi
i)成分として用いられる化合物は、前記一般式(6)
で表されるアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を
含むルイス酸である。前記一般式(6)において、M2
はアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子であり、X
3は1種又は2種以上のハロゲン原子であり、R10は炭
素数1〜20の1種又は2種以上の有機基であり、R10
はM2原子に配位しキレート環を形成してもよく、n4
及びn5はそれぞれ0〜6の整数であり、n4+n5は
1〜6の整数である。R10の有機基の好ましいものは、
炭素数1〜18の有機基であり、特に好ましいものは炭
素数1〜10の有機基である。
【0106】この有機基としては、例えばアルキル基、
アリール基、アルカリール基、アシル基、アルコキシカ
ルボニル基、アルコキシル基及びアシルオキシル基など
が挙げられ、好ましくはアルキル基、アルコキシル基、
アシル基又はアシルオキシル基などが挙げられる。上記
のアルキル基、アリール基及びアルカリール基の適当な
具体例としては、例えば一般式(1)のR1において記
載した具体例と同様のものが挙げられる。また上記アル
コキシル基、アシル基、アシルオキシル基及びアルコキ
シカルボニル基の適当な具体例としては、例えば一般式
(2)のR5において記載した具体例と同様なものが挙
げられる。X3のハロゲン原子としては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
【0107】このような(vii)成分の具体例として
は、例えば三フッ化アルミニウム、三塩化アルミニウ
ム、三臭化アルミニウム、三ヨウ化アルミニウム、トリ
アルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニ
ウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、ジイソプ
ロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、イソプ
ロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウ
ム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、
アセチルアセトナトビス(エチルアセトアセテート)ア
ルミニウム、エチルアセトアセテートビス(アセチルア
セトナト)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナ
ト)アルミニウム、トリス(n−プロピルアセトアセテ
ート)アルミニウム、トリス(n−ブチルアセトアセテ
ート)アルミニウム、トリス(プロピオニルアセトナ
ト)アルミニウム、アセチルアセトナトビス(プロピオ
ニルアセトナト)アルミニウム、ステアリン酸アルミニ
ウムなどの含アルミニウム化合物類、フッ化亜鉛、塩化
亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、ビス(アセチルアセトナ
ト)亜鉛、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ラウリン
酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛などの含亜鉛化合物類、フッ
化第一スズ、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一ス
ズ、臭化第二スズ、ヨウ化第一スズ、テトラアルキルス
ズ、ジクロロビス(アセチルアセトナト)スズ、ジブチ
ルビス(アセチルアセトナト)スズ、ジブチルスズジラ
ウレート、ジオクチルスズエステルマレート、オクチル
酸スズなどの含スズ化合物類が挙げられる。これらの化
合物は、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0108】該熱潜在性酸触媒は、(v)前記含窒素、
酸素、リン又はイオウ化合物(vi)前記含ハロゲン化合
物及び(vii)前記アルミニウム原子、亜鉛原子又はス
ズ原子を含むルイス酸から成るものであって、該熱潜在
性酸触媒は、一般式(11)
【0109】
【化47】
【0110】(式中のM2、X2、X3、Y2、R8、R9
10、n3、n4及びn5は前記と同じ意味を持つ。ま
た、sは1〜3の整数を示す。)で表される構造を有す
る化合物及び/又はそれらの混合物と推定される。すな
わち、該熱潜在性酸触媒は、陰イオン中にアルミニウム
原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むことを特徴とするオ
ニウム化合物類である。これらは、室温付近の温度では
酸触媒活性を示さないが、加熱により分解し、アルミニ
ウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸を再生
し、酸触媒活性を示すことを特徴とする。さらに、該熱
潜在性酸触媒は、熱分解する際に、ベンジルカチオン、
アリルカチオン、第2級カルボカチオン又は第3級カル
ボカチオンなどの比較的安定なカルボカチオンを生成す
ることを特徴とする。これは、該熱潜在性酸触媒の熱分
解温度を比較的低い温度にし、該熱潜在性酸触媒が比較
的低い温度で酸触媒活性を示すために必要である。(v
i)成分である含ハロゲン化合物が前記の通り特に限定
されるのはこのためである。
【0111】該熱潜在性酸触媒を製造する際の各成分の
混合比は、特に限定されるものではないが、(vii)成
分である一般式(6)で表されるアルミニウム原子、亜
鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸のM2原子に対する
(v)成分である一般式(4)で表される含窒素、酸
素、リン又はイオウ化合物のY2原子及び(vi)成分で
ある一般式(5)で表される含ハロゲン化合物のX2
子の当量比が、それぞれ0.5〜10の範囲にあるのが
好ましく、特に各々1〜5の範囲にあるのが好ましい。
また、該熱潜在性酸触媒を製造する際の各成分の混合順
序は、特に限定されるものではなく、各成分を同時に添
加し混合してもよいし、まず(v)含窒素、酸素、リン
又はイオウ化合物と(vi)含ハロゲン化合物から成る一
般式(12)
【0112】
【化48】
【0113】(式中のX2、Y2、R8、R9及びn3は前
記と同じ意味を持つ。)で表されるハロゲン陰イオンを
持つオニウム化合物を調製し、その後(vii)アルミニ
ウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸を添加
し混合してもよい。さらに、該熱潜在性酸触媒の製造に
おいて、2成分又は3成分を混合した後に、室温〜10
0℃の範囲で10分〜10時間加熱を行うとルイス酸の
熱潜在化反応がより促進されて好ましいことがある。該
熱潜在性酸触媒を製造する際は、溶媒の存在下であって
もよいし、不存在下であってもよい。ここで用いる溶媒
としては、例えば脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水
素系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、エステ
ル系溶剤、ケトン系溶剤及びこれらの混合溶剤などが挙
げられる。また、溶媒の使用量は、適宜選定すればよい
が、通常熱潜在性酸触媒が1〜80重量%となるように
することが好ましい。
【0114】該(C)成分の熱潜在性酸触媒は、熱硬化
性組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に保ち、かつ
低温にて短時間で硬化する際、硬化反応を促進し、硬化
物に良好な化学性能及び物理性能を付与する目的で使用
される。そのため、該熱潜在性酸触媒は、50℃以上の
温度において、酸触媒活性を示す化合物が望ましい。該
熱潜在性酸触媒が50℃未満の温度で酸触媒活性を示す
場合、得られる組成物は貯蔵中に増粘したり、ゲル化す
るなど、好ましくない事態を招来する恐れがある。な
お、該熱潜在性酸触媒は、(v)含窒素、酸素、リン又
はイオウ化合物(vi)含ハロゲン化合物の各成分、及び
(vii)アルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含
むルイス酸の種類及び量などを変化させることにより、
酸触媒活性を示す温度を比較的容易に制御できる。本発
明の熱硬化性組成物においては、該(C)成分の熱潜在
性酸触媒は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよく、またその配合量は、(A)成分と
(B)成分、あるいは(D)成分と場合により用いられ
る(A)成分及び/又は(B)成分との総固形分量10
0重量部当たり、ルイス酸が通常0.01〜20重量部
の範囲、好ましくは0.02〜10重量部の範囲で配合
されるように選ばれる。
【0115】熱潜在性酸触媒の量が0.01重量%未満
では触媒量が少な過ぎて反応を促進させる効果が十分に
発揮されない。また、熱潜在性酸触媒の量が20重量%
を超えると、量のわりには反応を促進させる効果の向上
が見られず、むしろ熱硬化性組成物中に触媒が多量に残
存することにより塗膜の物性が低下する場合があり好ま
しくない。
【0116】該熱潜在性酸触媒は、本発明の熱硬化性組
成物だけでなく、それ以外のルイス酸により硬化反応が
促進される熱硬化性組成物すべてに使用することができ
る。ルイス酸により活性化されるそのような硬化反応と
しては、例えば縮合反応、重縮合反応、付加反応、付加
重合反応が挙げられる。具体的には、エステル化反応、
アミド化反応、イミド化反応、エステル交換反応、エー
テル交換反応、アセタール交換反応などが挙げられる。
より具体的には、シラノール基、アルコキシシラン基を
有する化合物の縮合反応や重縮合反応などが挙げられ
る。また、エポキシ基、イソシアネート基、ビニルエー
テル基、ビニルチオエーテル基を有する化合物などと、
該化合物と付加反応や付加重合反応を起こす活性水素含
有基、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ
基、イミノ基、シラノール基などを有する化合物との付
加反応や付加重合反応などが挙げられる。さらに、エポ
キシ基を有する化合物と1−アルコキシエステル基を有
する化合物の付加反応、エポキシ基、ビニルエーテル
基、環状エステル基、スピロオルソエステル基、スピロ
オルソカーボネート基、オキサゾリン基、環状アセター
ル基、環状ケタール基、ビシクロオルソエステル基など
を有する化合物のカチオン重合反応などが挙げられる。
これらの硬化反応は、1種単独で用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0117】また、本発明は、前記熱硬化性組成物にお
ける(C)成分として、(c)(viii)金属キレート化
合物と(ix)一般式(7)
【0118】
【化49】
【0119】(式中、R11は炭素数1〜18のアルキル
基、アリール基又はアルケニル基、R12は水素原子、炭
素数1〜18のアルキル基、アリール基又はアルカリー
ル基、R13及びR14は炭素数1〜18のアルキル基又は
アリール基であり、n6、n7、n8及びn9は0〜4
の整数で、n6+n7+n8+n9=4である。)で表
される有機ケイ素化合物又はその縮合体との混合物を使
用することができる。
【0120】該(C)成分の(viii)金属キレート化合
物としては、ジイソプロポキシエチルアセトアセテート
アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテー
ト)アルミニウム、モノアセチルアセトナト・ビス(エ
チルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−プ
ロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−
ブチルアセトアセテート)アルミニウム、モノエチルア
セトアセテート・ビス(アセチルアセトナト)アルミニ
ウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ト
リス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、アセチ
ルアセトナト・ビス(プロピオニルアセトナト)アルミ
ニウムなどのアルミニウムキレート化合物類;ジイソプ
ロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウ
ム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チ
タニウムなどのチタニウムキレート化合物類;テトラキ
ス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テ
トラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラ
キス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、などの
ジルコニウムキレート化合物類が好適であるし、またジ
クロロ・ビス(アセチルアセトナト)スズ、ジブチル・
ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルア
セトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)クロム、
トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチ
ルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コ
バルトなども挙げられる。
【0121】これらの金属キレート化合物のうち特に好
ましいものは、ジイソプロポキシエチルアセトアセテー
トアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)ア
ルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテ
ート)アルミニウム、モノアセチルアセトナト・ビス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n
−プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス
(n−ブチルアセトアセテート)アルミニウム、モノエ
チルアセトアセテート・ビス(アセチルアセトナト)ア
ルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウ
ム、トリス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、
アセチルアセトナト・ビス(プロピオニルアセトナト)
アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物類及び
テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニ
ウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウ
ム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウ
ムなどのジルコニウムキレート化合物類などが挙げられ
る。これらの金属キレート化合物は、1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0122】本発明の熱硬化性組成物における(C)成
分の(ix)成分として用いられる化合物は、前記一般
式(7)で表される有機ケイ素化合物又はその縮合体で
ある。前記一般式(7)におけるR11は炭素数1〜18
のアルキル基、アリール基又はアルケニル基などの有機
基、R12は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、ア
リール基又はアルカリール基、R13及びR14は、炭素数
1〜18のアルキル基又はアリール基であって、これら
の有機基は適当な置換基を有していてもよく、またn
6、n7、n8及びn9は0〜4の整数で、n6+n7
+n8+n9=4である。R11の好ましいものとして
は、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルケ
ニル基であり、R12の好ましいものとしては、水素原
子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルカ
リール基であり、R13及びR14の好ましいものとして
は、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基である。
【0123】なお、一般式(7)中のR11、R12、R13
及びR14におけるアルキル基及びアリール基の適当な具
体例としては、例えば一般式(1)のR1において記載
した具体例と同様のものが挙げられる。また、R11のア
ルケニル基の適当な具体例としては、例えば一般式
(4)のR8において記載した具体例と同様のものが挙
げられる。さらに、R12のアルカリール基の適当な具体
例としては、例えば一般式(1)のR1において記載し
た具体例と同様のものが挙げられる。
【0124】前記一般式(7)で表される有機ケイ素化
合物及びその縮合体としては、例えばトリフェニルシラ
ノール、ジフェニルビニルシラノール、ジフェニルメチ
ルシラノール、ジメチルフェニルシラノール、ジフェニ
ルシランジオール、ジメチルシランジオール、ジフェニ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ
フェニルジイソプロポキシシラン、トリフェニルメトキ
シシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジフェニルビ
ニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシカルボニル
シラン、トリフェニルシリル−2−ニトロベンジルエー
テルなど及びそれらの1種又は2種以上の縮合体が挙げ
られ、またトリメチルシリル−t−ブチルパーオキサイ
ド、トリフェニルシリル−t−ブチルパーオキサイド、
トリス(4−クロロフェニル)シリル−t−ブチルパー
オキサイド、ナフチルジフェニルシリル−t−ブチルパ
ーオキサイド、トリ−2−ナフチルシリル−t−ブチル
パーオキサイド、トリフェニルシリルクメニルパーオキ
サイド、ジ(2−ナフチル)ジ(t−ブチルパーオキ
シ)シランなどのシリルパーオキサイド類、さらにはア
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリ
ロイルオキシプロピルトリ−n−ブトキシシランなどの
α,β−不飽和シラン化合物の単独重合体又は共重合
体、及びこれらの化合物の加水分解生成物などのシラノ
ール基やアルコキシシラン基含有化合物などが挙げられ
る。これらの有機ケイ素化合物は、1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0125】該(C)成分の混合物における(viii)成
分である金属キレート化合物と(ix)成分である有機ケ
イ素化合物又はその縮合体の混合比は、特に限定される
ものではないが、(viii)金属キレート化合物の金属原
子に対する(ix)有機ケイ素化合物またその縮合体のケ
イ素原子の当量比が0.2〜10の範囲にあることが好
ましく、特に0.5〜5の範囲にあることが好ましい。
該混合物を製造する際は、溶媒の存在下であってもよい
し、不存在下であってもよい。ここで用いる溶媒として
は、例えば脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶
剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶
剤、ケトン系溶剤及びこれらの混合溶剤などが挙げられ
る。また、溶媒の使用量は、適宜選定すればよいが、通
常金属キレート化合物が0.1〜80重量%の範囲で配
合されるように選ぶことが好ましい。
【0126】本発明の熱硬化性組成物において、該
(C)成分の混合物は、加熱下において、(viii)金属
キレート化合物と(ix)有機ケイ素化合物又はその縮合
体が複合体を形成し、酸触媒活性を示すと推定される。
該複合体は、(viii)金属キレート化合物を単独で用い
た場合よりもはるかに高い酸触媒活性を示す。該(C)
成分の混合物は、熱硬化性組成物の長期にわたる貯蔵安
定性を良好に保ち、かつ低温にて短時間で硬化する際、
硬化反応を促進し、硬化物に良好な化学性能及び物理性
能を付与する目的で使用される。そのため、該混合物
は、50℃以上の温度において、酸触媒活性を示す化合
物が望ましい。該混合物が50℃未満の温度で酸触媒活
性を示す場合、得られる組成物は貯蔵中に増粘したり、
ゲル化するなど、好ましくない事態を招来する恐れがあ
る。なお、該混合物は、(viii)金属キレート化合物と
(ix)有機ケイ素化合物又はその縮合体の種類及び量な
どを変化させることにより、酸触媒活性を示す温度を比
較的容易に制御できる。
【0127】本発明の熱硬化性組成物においては、該
(C)成分の混合物は1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよく、またその配合量は、(A)
成分と(B)成分、あるいは(D)成分と場合により用
いられる(A)成分及び/又は(B)成分との総固形分
量100重量部当たり、金属キレート化合物が通常0.
01〜20重量部の範囲、好ましくは0.02〜10重
量部の範囲で配合されるように選ばれる。本発明の熱硬
化性組成物における該(C)成分の混合物の添加方法
は、特に限定されるものではないが、例えば(viii)金
属キレート化合物と(ix)有機ケイ素化合物又はその縮
合体とを予め混合し混合物を製造した後、(A)成分と
(B)成分あるいは(D)成分と場合により用いられる
(A)成分及び/又は(B)成分中に添加してもよい
し、(viii)金属キレート化合物と(ix)有機ケイ素化
合物又はその縮合体を別々に(A)成分と(B)成分あ
るいは(D)成分と場合により用いられる(A)成分及
び/又は(B)成分中に添加し、その中で混合物として
もよい。
【0128】本発明の(a)、(b)及び(c)から成
る群から選ばれる少なくとも1種を(C)成分として含
有して成る熱硬化性組成物の硬化に要する温度及び時間
については、前記一般式(1)又は(8)で表されるブ
ロック化官能基が、遊離カルボキシル基を再生する温
度、反応性官能基の種類、熱潜在性酸触媒の種類あるい
は金属キレート化合物と有機ケイ素化合物又はその縮合
物の混合物の種類などにより異なるが、通常50〜30
0℃の範囲の温度で、5秒〜20時間程度加熱すること
により、硬化が完了する。なお、本発明の熱硬化性組成
物の熱硬化は、160℃以下の温度でも十分起こすこと
ができ、高温を必要としない特徴も併せ持っている。
【0129】また、本発明の他の熱硬化性組成物は、上
記熱硬化性組成物における(C)成分として酸触媒を用
い、かつ揮発性有機化合物を希釈剤として実質用いない
ことを特徴とする熱硬化性組成物である。該熱硬化性組
成物において、(C)成分として用いられる酸触媒は、
該組成物の硬化時には硬化反応を促進し、硬化物に良好
な化学性能及び物理性能を付与するために、不可欠の成
分である。(C)成分の酸触媒は、ブレンステッド酸、
ルイス酸及びこれらを熱的に潜在化したものが挙げられ
る。
【0130】ここで、ブレンステッド酸は、プロトンを
解離させ酸性を示す物質であり、例えば硫酸、硫酸モノ
エステル、スルホン酸、リン酸、リン酸モノ及びジエス
テル、ポリリン酸エステル、ホウ酸モノ及びジエステ
ル、カルボン酸、ハロゲノカルボン酸などが挙げられ、
好ましくはp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸などの炭素数1〜50のアルキルベンゼンス
ルホン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸などの炭素数1〜
50のモノ若しくはジハロゲノカルボン酸、リン酸モノ
メチル、リン酸ジメチルなどの炭素数1〜50のリン酸
アルキルモノエステル及びジエステルなどが挙げられ
る。ルイス酸の具体例としては、例えば(iii)におい
て記載した具体例と同様のものが挙げられる。
【0131】ブレンステッド酸又はルイス酸を熱的に潜
在化したものの具体例としては、前記したブレンステッ
ド酸又はルイス酸の具体例を熱的に潜在化したものが挙
げられる。これらの好ましいものとしては、ホウ酸トリ
エチル、三フッ化ホウ素などのホウ素化合物、トリアル
キルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウ
ム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化
アルミニウム、ステアリン酸アルミニウムなどのアルミ
ニウム化合物、2−エチルへキシル酸亜鉛、ステアリン
酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛などの亜鉛化合物、ジブチ
ルスズラウレート、ジブチルスズアセテート、ジブチル
スズアセチルアセトネート、ジオクチルスズアセテー
ト、2−エチルへキシル酸スズ、ステアリン酸スズ、塩
化(II)スズ、塩化(IV)スズ、臭化(II)スズ、臭化
(IV)スズ、などのスズ化合物、チタニウムアセチルア
セトネート、チタニウムセンジクロリド、塩化(IV)チ
タンなどのチタン化合物、ジルコニウムアセチルアセト
ネート、ジルコノセンジクロリド、塩化(IV)ジルコニ
ウムなどのジルコニウム化合物、ベンジルカチオン型ル
イス酸、及びこれらを熱潜在化したものなどが挙げられ
る。これらの酸触媒は、1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0132】該熱硬化性組成物においては、該(C)成
分の酸触媒の配合量は、(A)成分と(B)成分、ある
いは(D)成分と場合により用いられる(A)成分及び
/又は(B)成分との総固形分量100重量部当たり、
通常0.01〜20重量部の範囲、好ましくは0.02
〜10重量部の範囲で選ばれる。酸触媒の量が0.01
重量%未満では触媒量が少な過ぎて反応を促進させる効
果が十分に発揮されない。また、酸触媒の量が20重量
%を超えると、量のわりに反応を促進させる効果の向上
が見られず、むしろ熱硬化性組成物中に触媒が多量に残
存することにより、塗膜の物性が低下する場合があり好
ましくない。本発明の揮発性有機化合物を希釈剤として
実質用いない熱硬化性組成物の硬化に要する温度及び時
間については、前記一般式(1)又は(8)で表される
ブロック化官能基が遊離カルボキシル基を再生する温
度、反応性官能基の種類あるいは酸触媒の種類などによ
り異なるが、通常50〜300℃の範囲の温度で、5秒
〜20時間程度加熱することにより、硬化が完了する。
なお、本発明の熱硬化性組成物の熱硬化は160℃以下
の温度でも十分起こすことができ、高温を必要としない
特徴も合わせ持っている。本発明の他の硬化性組成物
は、上記熱硬化性組成物における(A)成分及び(B)
成分を必須成分として含有して成る主剤又はその溶液、
あるいは(D)成分を必須成分とし、さらに場合により
(A)成分及び/又は(B)成分を含有して成る主剤又
はその溶液と、ブレンステッド酸、ルイス酸あるいは金
属キレート化合物とシラノール基含有化合物との混合物
の中から選ばれた少なくとも1種の酸触媒又はその溶液
を混合して得られる組成物から成ることを特徴とする二
液型常温硬化性組成物である。
【0133】本発明の常温硬化性組成物を調製するに際
しては、前記(A)成分及び/又は(B)成分、あるい
は(D)成分及び場合により用いられる(A)成分及び
/又は(B)成分の中から選ばれた少なくとも1つを必
須成分として含有して成る主剤又はその溶液が調製され
る。この主剤溶液に使用される溶媒としては、それぞれ
の基材を溶解することができるものであれば特に制限さ
れないが、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン
などの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素
などのハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール
類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、
酢酸n−ブロピル、酢酸n−ブチルなどのエステル類な
どの通常塗料溶剤として使用されるものが挙げられる。
これらの溶剤は、1種用いてもよいし、2種以上組み合
わせて用いてもよい。主剤溶液中の必須成分の濃度は、
特に制限されるものではないが、通常10〜95重量%
の範囲であり、好ましくは30〜80重量%の範囲であ
る。
【0134】本発明の常温硬化性組成物における酸触媒
としては、ブレンステッド酸、ルイス酸、あるいは金属
キレート化合物とシラノール基含有化合物との混合物な
どが挙げられる。これらの酸触媒は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ブレンステ
ッド酸の具体例としては、例えば前記のブレンステッド
酸の具体例と同様なものが挙げられ、好ましいものも前
記と同様である。これらのブレンステッド酸は、1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ルイス酸の具体例としては、例えば(iii)にお
いて記載した具体例と同様のものが挙げられる。ルイス
酸は、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0135】さらに、金属キレート化合物とシラノール
基含有化合物との混合物は、酸触媒活性を示す複合体を
形成するため、本発明の常温硬化性組成物に用いること
ができる。該金属キレート化合物の具体例としては、例
えば(viii)において記載した具体例と同様のものが挙
げられる。これらの金属キレート化合物は1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0136】また、該シラノール基含有化合物として
は、トリフェニルシラノール、ジフェニルビニルシラノ
ール、ジフェニルメチルシラノール、ジメチルフェニル
シラノール、ジフェニルシランジオール、ジメチルシラ
ンジオールなど及びそれらの1種又は2種以上の縮合体
が挙げられ、さらにアクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリ−n−
ブトキシシランなどのα,β−不飽和シラン化合物の単
独重合体又は共重合体を加水分解することにより得られ
るシラノール基含有化合物が挙げられる。これらのシラ
ノール基含有化合物は1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。該金属キレート化合物と該
シラノール基含有化合物との混合物における混合比は、
該金属キレート化合物の金属原子に対する該シラノール
基含有化合物のシラノール基の当量比が0.2〜10の
範囲にあることが好ましく、特に0.5〜5の範囲にあ
ることが好ましい。
【0137】本発明の常温硬化性組成物においては、酸
触媒の配合量は、(A)成分と(B)成分、あるいは
(D)成分と場合により用いられる(A)成分及び/又
は(B)成分との総固形分量100重量部当たり、ブレ
ンステッド酸、ルイス酸、あるいは金属キレート化合物
とシラノール基含有化合物との混合物中の金属キレート
化合物が好ましくは0.01〜20重量部の範囲、より
好ましくは0.02〜10重量部の範囲で配合されるよ
うに選ばれる。また、該酸触媒は、通常本発明の常温硬
化性組成物を使用する直前ないしは48時間前、より好
ましくは直前ないしは24時間前に添加し混合すること
が望ましい。
【0138】本発明の常温硬化性組成物を調製するに際
しては、前記酸触媒をそのまま添加してもよいし、それ
らを含有して成る酸触媒溶液を調製して添加してもよ
い。この酸触媒溶液に使用される溶媒としては、酸触媒
を溶解することができるものであれば特に制限されない
が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの
脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素などの
ハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、ジブチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ
ーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸n−プ
ロピル、酢酸n−ブチルなどのエステル類などの通常塗
料溶剤として使用されるものが挙げられる。また、これ
らの溶剤に可溶量の水を添加して混合したものを溶媒と
して用いてもよい。これらの溶剤は、1種用いてもよい
し、2種以上組み合わせて用いてもよい。酸触媒溶液中
の酸触媒の濃度は、特に制限されるものではないが、通
常1〜95重量%の範囲であり、好ましくは2〜60重
量%の範囲である。本発明の二液型常温硬化性組成物
は、前記主剤又はその溶液と上記酸触媒又はその溶液を
混合することにより調製される。
【0139】本発明の常温硬化性組成物の硬化に要する
温度及び時間については、前記一般式(1)又は(8)
で表されるブロック化官能基におけるブロック化前のカ
ルボキシル基の酸強度及びブロック剤の種類、反応性官
能基の種類、酸触媒の種類などにより異なるが、通常0
℃以上50℃未満の範囲で、好ましくは15℃以上50
℃未満の範囲で、30分〜10日程度放置することによ
り、さわってもべたつかないタックフリーの状態とな
る。なお、硬化をより促進し、硬化に要する時間を短縮
する目的で50℃以上の温度に加熱しても一向に差し支
えない。
【0140】本発明の硬化性組成物は、そのままで、あ
るいは必要に応じ、着色顔料、フィラー、溶剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、流動調整剤などの各種添加剤を配
合して、塗料、インク、接着剤、成形品など硬化性を利
用する種々の用途に使用することができる。本発明の硬
化性組成物は、上記した成分を混合し、必要に応じて各
種添加剤を配合することにより製造することができる。
各成分の配合方法及び各種添加剤の添加方法は、特に制
限されるものではなく、種々の方法により行うことがで
き、混合順序及び添加順序も種々の順序で行うことがで
きる。
【0141】本発明の硬化性組成物は、単層上塗り塗料
又は着色ベースコートとクリアートップコートとから成
る複数層の塗膜を有する物品を調製する方法に使用する
塗料などとして用いることができ、自動車塗料、鉄道・
車両用塗料、プレコート・ポストコートの金属製品用塗
料、電気機器用塗料、鉄鋼構造物用塗料、機械用塗料、
建築材料用塗料、さらに電気電子部品の絶縁、防湿、防
錆用塗料、その他の工業塗装分野において極めて有用で
ある。
【0142】これらの塗料の場合、硬化性組成物100
重量部当たり、顔料を0〜300重量部配合させること
が好ましく、特に0〜100重量部配合させることが好
ましい。顔料は、有機顔料、無機顔料などの種々の顔料
が用いられるが、ベースコートのフイルム形成性組成物
に含まれる顔料としては、それぞれに表面処理を施した
アルミニウム、銅、真鍮、青銅、ステンレススチール、
あるいは雲母状酸化鉄、鱗片状メタリック粉体、酸化チ
タンや酸化鉄で被覆された雲母片などの金属顔料が用い
られる。また、その他、二酸化チタン、酸化鉄、黄色酸
化鉄、カーボンブラックなどの無機顔料、フタロシアニ
ンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系赤
色顔料などの有機顔料、沈降性硫酸バリウム、クレー、
シリカ、タルクなどの体質顔料などが挙げられる。
【0143】また、本発明の硬化性組成物を、着色ベー
スコートとクリアートップコートから成る複数層の塗膜
を有する物品を調製する方法に適用すると、極めて優れ
た塗装仕上がり外観を得ることができる。ベースコート
のフイルム形成性組成物は、樹脂バインダーと顔料とを
含有する。樹脂バインダーとしては、本発明の硬化性組
成物の他、公知のアクリルポリマー、ポリエステル(ア
ルキッド樹脂を含む)及びポリウレタン、メラミン樹脂
などの種々のバインダーを挙げることができる。なお、
ベースコートのフイルム形成性組成物には、通常用いら
れる各種添加剤、例えば界面活性剤、レベリング剤、チ
クソトロピー剤、充填剤、抗発泡剤、有機溶剤、触媒な
どを添加することができる。クリアートップコートのフ
イルム形成性組成物は、本発明の硬化性組成物であり、
必要に応じて、透明性を損なわない程度に上記顔料、各
種添加剤や耐候性の良好な染料を添加することができ
る。
【0144】塗料を塗布する基材としては、特に限定さ
れるものではなく、種々の基材を用いることができ、例
えば、木、ガラス、金属、布、プラスチック、発泡体、
弾性体、紙、セラミック、コンクリート、石膏ボードな
どの有機素材及び無機素材などが挙げられる。
【0145】本発明の熱硬化性組成物を含む塗料組成物
を使用する適当な塗装方法には、塗料組成物を、必要に
応じて加温したり、有機溶媒又は反応性希釈剤を添加す
ることにより所望の粘度に調整した後、エアースプレ
ー、静電エアースプレー、ロールコーター、フローコー
ター、デイッピング形式による塗装機などの通常使用さ
れる塗装機、又は刷毛、バーコーター、アプリケーター
などを用いて乾燥後の塗膜が0.5〜300μmになる
ように塗布し、通常50〜300℃の温度で5秒〜1時
間加熱硬化させる方法、また2コート1ベーク方式の塗
装を行う場合には、ベースコート塗料組成物を例えば有
機溶剤などの適当な希釈剤にて所望の粘度に希釈した
後、上記方法を用いて乾燥後の膜厚が通常5〜40μ
m、好ましくは7〜35μmになるように塗布し、室温
〜100℃の温度で1〜20分間放置し、次いで本発明
の熱硬化性組成物によるクリアートップコート塗料組成
物を、上記方法を用いて乾燥後の膜厚が10〜100μ
m、好ましくは10〜60μmになるように塗布し、5
0〜300℃の温度で5秒〜1時間加熱硬化させる方法
などが挙げられる。なお、塗装方法は、上記の方法のう
ち、スプレー塗装が好ましい。また、本発明の常温硬化
性組成物を含む塗料組成物を使用する適当な塗装方法
は、上記と同様の方法であり、この場合硬化条件は通常
0℃以上50℃未満の温度範囲で30分〜10日程度の
放置となる。なお、硬化をより促進し、硬化に要する時
間を短縮する目的で50℃以上の温度に加熱しても一向
に差し支えない。
【0146】また、本発明の硬化性組成物を用いて、金
属板を塗装仕上げすることができる。金属板の塗装仕上
げ方法としては、例えば金属板に必要に応じて下塗り塗
料を塗布して硬化させ、さらに必要に応じてその下塗り
塗料層の上に中塗り塗料を塗布して硬化させ、その後本
発明の硬化性組成物100重量部当たり顔料を0〜30
0重量部含有する上塗り塗料を塗布し、加熱硬化または
常温硬化させる金属板の塗装仕上げ方法が挙げられる。
該金属板としては、種々の金属板が用いられ、例えば冷
延鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、電気合金亜鉛メッキ鋼
板、溶融亜鉛メッキ鋼板(非合金化)・亜鉛鉄板、溶融
亜鉛メッキ鋼板(合金化)、溶融亜鉛−アルミニウム合
金メッキ鋼板などの亜鉛メッキ鋼板、、ステンレス鋼
板、アルミニウム板、アルミニウム合金板などが挙げら
れる。
【0147】金属板に下塗り塗料を塗布する際には、金
属板の表面に塗装前処理を施すことが好ましく、この塗
装前処理としては、プレコートメタル用前処理として用
いられる化成処理ならいずれでもよく、例えばクロメー
ト化成処理、リン酸塩化成処理、複合酸化皮膜処理など
が挙げられる。下塗り塗料及び中塗り塗料としては、通
常の下塗り塗料、中塗り塗料として用いられる塗料を使
用することができる。下塗り塗料及び中塗り塗料で塗布
した塗膜は、順次塗布の都度硬化させるが、この硬化
は、通常100〜300℃で、5秒〜5分の硬化条件で
行えばよく、例えばコイルコーティングなどによって塗
装するプレコート塗装分野においては、通常素材到達最
高温度が120〜260℃で、15〜120秒の硬化条
件で硬化すれば良い。
【0148】上記上塗り塗料は、本発明の硬化性組成物
100重量部当たり、顔料を0〜300重量部、好まし
くは0〜180重量部含有するものである。下塗り塗
料、中塗り塗料及び上塗り塗料の塗装方法は、種々の塗
装方法により行うことができるが、ロールコーター、フ
ローコーター又はスプレー等による塗装方法が好まし
い。ロールコーターにより上塗り塗料を塗布する場合、
ナチュラル方式及びリバース方式が考えられるが、リバ
ース方式の方が塗面の表面平滑性の点で好ましい。塗布
された塗膜の厚みは、特に限定されないが、下塗り塗料
及び中塗り塗料による塗膜が、それぞれ通常3〜25μ
mの範囲であり、上塗り塗料による塗膜は、3〜50μ
mにすることが可能である。従来、プレコート鋼板の膜
厚を20μm以上にすると、しばしば塗面にピンホール
などの欠陥を生じ易かったが、本発明の上塗り塗料に
は、20μm以上に厚膜化してもピンホールを抑えるこ
とができる。
【0149】塗装された塗膜は、好ましくは加熱硬化さ
れる。加熱硬化は通常100〜300℃で、5秒〜5分
の焼き付け条件で行えばよく、好ましくは素材到達最高
温度が120〜280℃、特に好ましくは160〜26
0℃の温度で、好ましくは15〜120秒、特に好まし
くは15〜90秒の焼き付け条件で加熱硬化すればよ
い。なお、この塗装された塗膜は、被塗物最高到達温度
が210〜250℃で、10〜15秒の短時間焼き付け
が可能である。この加熱硬化により優れた塗膜性能及び
優れた仕上がり外観性を有する塗装金属板を得ることが
できる。また、本発明の常温硬化性組成物を用いて、金
属板の塗装仕上げをする場合、硬化条件は通常0℃以上
50℃未満の温度範囲で30分〜10日程度の放置とす
る。なお、硬化をより促進し、硬化に要する時間を短縮
する目的で50℃以上の温度に加熱しても一向に差し支
えない。
【0150】本発明の塗料組成物を塗布して得られる塗
装物品としては、例えば構造物、木製品、金属製品、プ
ラスチック製品、ゴム製品、加工紙、セラミック製品、
ガラス製品などが挙げられる。より具体的には、自動
車、鋼板などの金属板、二輪車、船舶、鉄道車両、航空
機、家具、楽器、家電製品、建築材料、容器、事務用
品、スポーツ用品、玩具などが挙げられる。また、本発
明の硬化性組成物は、所定形状に成形して工業機材など
の広範な分野に使用可能な成形品を得るための組成物と
しても有用である。
【0151】これらの成形品に応用の場合、硬化性組成
物100重量部当たり、粉粒状、平板状、鱗片状、針
状、球状、中空状又は繊維状の充填剤を0〜800重量
部配合させることが好ましく、特に0〜400重量部配
合させることが好ましい。上記充填剤として、例えば、
硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、珪藻土、タ
ルク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、金属粉、グ
ラファイト、炭化珪素、窒化珪素、シリカ、窒化ホウ
素、窒化アルミニウム、カーボンブラックなどの粉粒状
充填剤;雲母、ガラス板、セリサイト、パイロフィライ
ト、アルミフレークなどの金属箔、黒鉛などの平板状、
鱗片状の充填剤、シラスバルーン、金属バルーン、ガラ
スバルーンなどの中空状充填剤;ガラス繊維、炭素繊
維、グラファイト繊維、チタン酸カリウムなどのウィス
カー、金属繊維、シリコーンカーバイト繊維、アスベス
ト、ウオスナイトなどの鉱物繊維などを挙げることがで
きる。以上の充填剤の表面は、必要に応じてステアリン
酸、オレイン酸、パルミチン酸又はそれらの金属塩、パ
ラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はそれらの
変性物、シランカップリング剤、有機ボラン、有機チタ
ネートなどを使用して表面処理を施してもよい。さら
に、必要に応じて、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウムなどの無機系難燃剤、ハロゲン系、リン系などの
有機系難燃剤、木粉などの有機系充填剤、着色顔料、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、流動調整剤、低収縮剤、滑
剤、発泡剤、熱可塑性樹脂などの添加剤を用いることが
できる。
【0152】本発明の硬化性組成物を含む成形用組成物
を配合する際は、比較的流動性に優れるため、多くの場
合ディスパーなどの通常のクリアー塗料などに用いられ
る撹拌装置によっても混合可能である。充填剤の量が多
く、成形用組成物の粘度が高くなる場合においては、例
えばバンバリーミキサー、二ーダー、混練押出機、単軸
又は多軸押出機などにより混合する方法を挙げることが
できる。混合温度は、組成物の粘度及び混合装置の混練
力に応じて室温〜120℃に加温することが可能であ
る。
【0153】本発明の硬化性組成物を含む成形用組成物
の成形方法としては、所定形状の金型に注型して加熱硬
化又は常温硬化させる方法、あるいは不飽和ポリエステ
ルによるSMCなどで行われている圧縮成形方法、さら
に液状樹脂の射出成形法として知られる加圧ゲル化法で
代表される熱硬化性組成物の一般的成形方法などを採用
することができる。その場合、成形用組成物を配合した
後、必要に応じて室温又は加熱条件で熟成を行った後、
前記の成形方法を採用して室温〜300℃で1分〜10
日間の硬化条件で成形可能である。このようにして得ら
れた成形品は、例えば封止材料、注型材料、プリント配
線基板として用いられる積層板などに代表される電気電
子部品、また、浴槽、浄化槽、水タンクパネルなどの住
宅関連製品、自動車部品、音響機器、絶縁材料、防湿材
料、防錆材料、及び工業用機材などに好適に用いられ
る。以上本発明の硬化性組成物は、例えば、塗料、イン
ク、接着剤、成形品に好適に用いることができる。
【0154】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制
限されるものではない。なお、塗膜性能及び成形品の物
理性能は次のようにして求めた。
【0155】(1)耐酸性−1 40重量%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、
20℃で48時間放置後、塗膜の異常を目視にて判定し
た。 (2)耐酸性−2 40重量%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、
60℃で30分間加熱後、塗膜の異常を目視にて判定し
た。 (3)耐酸性−3 試験片を0.1規定硫酸中に浸漬し、60℃で24時間
保った後、塗膜の異常を目視にて判定した。
【0156】(4)耐衝撃性 衝撃変形試験器(JIS K−5400(1990)
8.3.2 デュポン式)を用い、半径6.35mmの
撃ち型に試験片を挟み、500gのおもりを40cmの
高さから落下させた際の塗膜の損傷を目視にて判定し
た。 (5)耐候性 サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(JIS
K−5400(1990)9.8.1)を用いて30
00時間曝露後、塗膜の異常を目視にて判定した。 (6)ヌープ硬度 (株)島津製作所製のM型微小硬度計にて20℃で測定
した。数値の大きい程硬いことを示す(ASTM D−
1474)。
【0157】(7)加工性試験 20℃の室温にて、幅5cmに切断した試験片につい
て、2Tでは試験片と同一の塗板を2枚内側に挟み、ま
た4Tでは試験片と同一の塗板を4枚内側に挟み180
度密着曲げを行った。評価は、その後セロハン粘着テー
プにて剥離し、以下の基準で評価した。 ◎:剥離なし ○:剥離が10%以下 △:剥離が10%を超えて50%以下 ×:剥離が50を超えた (8)鉛筆硬度試験 JIS K−5400(1990)8.4.1(a)に
準じて鉛筆引掻試験機で傷の発生しない鉛筆硬度を求め
た。 (9)耐食性試験
【0158】JIS Z−2371に準じて、4T曲げ
加工を施した試験片について1000時間の塩水噴霧試
験を行った。(イ)平面部のふくれ、白錆発生状況、
(ロ)4T折曲げ加工部分のふくれ、白錆発生状況、
(ハ)クロスカット部の塗膜ふくれ、白錆の発生状況を
観察し、以下の基準で判定した。 ○:塗膜のふくれ、白錆の発生なし △:僅かに塗膜のふくれ又は白錆が認められる ×:明らかに塗膜のふくれ又は白錆が認められる (10)沸騰水浸漬試験 試験片を沸騰水に2時間浸漬した後、塗膜の異常を観察
し、以下の基準で判定した。 ○:塗膜に全く異常なし △:僅かに塗膜のふくれが認められる ×:明らかに塗膜のふくれが認められる
【0159】(11)マジック汚染性 マジックインクを塗装面に塗布し、室温で48時間放置
した後、キシレンを浸した柔らかい布で塗布したマジッ
クインクを拭い去った後を目視で観察した。 (12)カーボン汚染性 カーボンブラック/水=5/95(重量比)の割合の分
散液1mlを塗面上に載せ、20℃の恒温室内で24時
間放置後、水洗を行い、分散液を載せた部分の塗面の変
色程度を目視にて観察し、以下の基準で判定した。 ◎:跡が認められない ○:跡が僅かに認められる △:かなり跡が残る ×:跡が濃く残る (13)アイゾット衝撃試験:JIS K 7100に
準じた。 (14)曲げ試験:JIS K 6758に準じて試験
を行い、曲げ強さ並びに曲げ弾性率を測定した。
【0160】(15)線膨張係数:5×5×5mmの試
験片を切削し、リガク(株)製熱物理試験機により測定
した。 (16)体積抵抗率:JIS C 2105に準じて2
5℃での体積抵抗率を測定した。 (17)エナメル線導体の腐食性:φ0.5mm、2U
EW(ポリウレタン銅線)のエナメル線を用いて作成さ
れた電源トランス(コア寸法:66×54×30mm)
を試料の硬化性組成物中に2分間浸漬した後引き上げ、
空気中に10分間放置し、120℃で1時間硬化させ
た。このワニス処理した電源トランスを60℃、95%
RHの恒温恒湿槽に放置し、エナメル線導体が腐食する
日数を求めた。エナメル線導体の腐食は、エナメル線の
変色(黒色、赤褐色などに変色する。)によって判定し
た。 (18)コアの防錆能:(17)の試験において、恒温
恒湿槽に5日間放置した後、電源トランスのコアの錆の
発生状態を観察し、下記基準により評価した。 ○:錆の発生なし。 △:コアの表面積に対して10〜20%程度錆が発生し
た。 ×:コアの表面積に対して40〜60%程度錆が発生し
た。
【0161】製造例1〜3 (A)成分化合物A−1〜A−3溶液の製造 (1)α,β−不飽和化合物の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコ
に、それぞれ表1の組成の混合物を仕込み、50℃を保
ちながら撹拌した。混合物の酸価が30以下となったと
ころで反応を終了し、放冷後分液ロートに生成物を移し
た。得られた生成物は、分液ロート中で10重量%炭酸
水素ナトリウム水溶液100重量部でアルカリ洗浄後、
洗浄液のpHが7以下になるまで200重量部の脱イオ
ン水で水洗を繰り返した。その後、有機層中にモレキュ
ラーシーブ4A1/16(和光純薬(株)製、商品名)
を加え、室温で3日間乾燥することによって、それぞれ
表1記載の有効分含有量を有するα,β−不飽和化合物
A−1(a)〜A−3(a)を得た。
【0162】
【表1】 注 1)有効分含有量は、ガスクロマトグラフィーにより求
めた。
【0163】(2)化合物A−1〜A−3溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、それぞれ初期仕込み溶剤(キシレン)2
00.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱し、80℃を保
った。次に80℃の温度で、表2記載の組成の単量体及
び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロ
ートより等速滴下した。滴下終了後、80℃の温度を1
時間保ち、表2記載の組成の重合開始剤溶液(追加触
媒)を添加し、さらに80℃の温度を4時間保ったとこ
ろで反応を終了することによって、それぞれ表2記載の
特性を有する化合物A−1〜A−3溶液を得た。
【0164】
【表2】 注 1)不揮発分測定条件:50℃、0.1mmHgで3時
間 2)粘度:ガードナー粘度(25℃) (JIS K−5400(1990)4.5.1ガード
ナー型泡粘度計による)
【0165】製造例4 (A)成分化合物A−4溶液の製造 (1)ポリカルボン酸化合物A−4(a)溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し12
0℃に昇温した。 ペンタエリスリトール 136.0重量部 メチルイソブチルケトン 538.7重量部 次いで、120℃を保ちながらメチルヘキサヒドロフタ
ル酸無水物672.0重量部を2時間かけて滴下し、混
合物の酸価(ピリジン/水(重量比)=9/1混合液で
約50重量倍に希釈し、90℃で30分間加熱処理した
溶液を水酸化カリウム標準溶液で滴定)が、170以下
になるまで加熱撹拌を継続することによって、4官能ポ
リカルボン酸化合物A−4(a)溶液を得た。
【0166】(2)化合物A−4溶液の製造 前記の方法で得られたポリカルボン酸化合物溶液を用い
て、前記と同様のフラスコ中に下記組成の混合物を仕込
み、50℃を保ちながら撹拌した。 前記(1)のポリカルボン酸化合物溶液 336.7重量部 イソブチルビニルエーテル 120.2重量部 35重量%塩酸 0.2重量部 メチルイソブチルケトン 46.3重量部 混合物の酸価が12以下となったところで反応を終了
し、放冷後分液ロートに生成物を移した。得られた生成
物は、分液ロート中で10重量%炭酸ナトリウム水溶液
100重量部でアルカリ洗浄後、洗浄液のpHが7以下
になるまで300重量部の脱イオン水で水洗を繰り返し
た。その後、有機層中にモレキュラーシーブ4A1/1
6を加え、室温で3日間乾燥することによって、不揮発
分60.0重量%、ガードナー粘度E−F(25℃)の
化合物A−4溶液を得た。
【0167】製造例5 (A)成分化合物A−5の製造 (1)ポリカルボン酸化合物A−5(a)の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し14
0℃に昇温した。 トリメチロールプロパン 134.2重量部 次いで、140℃を保ちながら予め加温して溶解したヘ
キサヒドロフタル酸無水物420.4重量部を2時間か
けて滴下し、混合物の酸価(ピリジン/水(重量比)=
9/1混合液で約50重量倍に希釈し、90℃で30分
間加熱処理した溶液を水酸化カリウム標準溶液で滴定)
が、285以下になるまで加熱撹拌を継続することによ
って、常温で結晶状の3官能ポリカルボン酸化合物A−
5(a)を得た。
【0168】(2)化合物A−5の製造 前記の方法で得られたポリカルボン酸化合物溶液を用い
て、オートクレーブ中に下記組成の混合物を仕込み、初
め130℃で混合物を十分混合した後、温度を50℃に
降下して撹拌した。 ポリカルボン酸化合物A−5(a) 272.3重量部 n−プロピルビニルエーテル 129.2重量部 2−エチルへキシルホスフェート 0.2重量部 混合物の酸価が10以下となったところで反応を終了
し、常温で液状の化合物A−5を得た。
【0169】製造例6 (A)成分化合物A−6の製造 (1)ポリカルボン酸化合物A−6(a)の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し12
0℃に昇温した。 ペンタエリスリトール 136.0重量部 メチルイソブチルケトン 464.5重量部 次いで、120℃を保ちながら予め加温して溶解したヘ
キサヒドロフタル酸無水物560.7重量部を2時間か
けて滴下し、混合物の酸価(ピリジン/水(重量比)=
9/1混合液で約50重量倍に希釈し、90℃で30分
間加熱処理した溶液を水酸化カリウム標準溶液で滴定)
が、180以下になるまで加熱撹拌を継続することによ
って、4官能ポリカルボン酸化合物A−6(a)溶液を
得た。さらに、得られた化合物A−6(a)溶液中の溶
剤を、50℃、0.1mmHgの条件で留去して常温で
結晶状のポリカルボン酸化合物A−6(a)を得た。
【0170】(2)化合物A−6の製造 前記の方法で得られたポリカルボン酸化合物溶液を用い
て、前記と同様のフラスコ中に下記組成の混合物を仕込
み、50℃を保ちながら撹拌した。 ポリカルボン酸化合物A−6(a)溶液 290.3重量部 イソブチルビニルエーテル 109.3重量部 35重量%塩酸 0.2重量部 メチルイソブチルケトン 35.7重量部 混合物の酸価が12以下となったところで反応を終了
し、放冷後分液ロートに生成物を移した。得られた生成
物は、分液ロート中で10重量%炭酸ナトリウム水溶液
100重量部でアルカリ洗浄後、洗浄液のpHが7以下
になるまで300重量部の脱イオン水で水洗を繰り返し
た。その後、有機層中にモレキュラーシーブ4A1/1
6を加え、室温で3日間乾燥した。さらに、得られた化
合物溶液中の溶剤を、50℃、0.1mmHgの条件で
留去して常温で液状のポリカルボン酸化合物A−6を得
た。
【0171】製造例7〜9 (B)成分化合物B−1、B−2溶液及び化合物B−3
の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、それぞれ初期仕込み溶剤(キシレン)4
0.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱し、100℃を保
った。次に100℃の温度で、表3記載の組成の単量体
及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下
ロートより等速滴下した。滴下終了後、100℃の温度
を1時間保ち、表3記載の組成の重合開始剤溶液(追加
触媒)を添加し、さらに100℃の温度を2時間保った
ところで反応を終了し、製造例7及び8においては、そ
れぞれ化合物B−1及びB−2溶液を得た。製造例9に
おいては、その後、さらに化合物溶液中の溶剤を、50
℃、0.1mmHgの条件で留去して化合物B−3を得
た。
【0172】
【表3】
【0173】製造例10、11 (D)成分化合物D−1溶液及び化合物D−2の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、それぞれ表4記載の量の初期仕込み溶剤
(キシレン)40.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱
し、80℃を保った。次に80℃の温度で、表4記載の
組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時
間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、8
0℃の温度を1時間保ち、表4記載の組成の重合開始剤
溶液(追加触媒)を添加し、さらに80℃の温度を4時
間保ったところで反応を終了し、製造例10においては
化合物D−1溶液を得た。製造例11においては、その
後、さらに化合物溶液中の溶剤を50℃、0.1mmH
gの条件で留去して化合物D−2を得た。
【0174】
【表4】
【0175】製造例12〜15 (C)成分熱潜在性酸触媒C−1〜C−4の製造 フラスコ中にそれぞれ表5に示す(i)成分であるエポ
キシ基を有する化合物と(ii)成分である含イオウ化合
物を入れ、室温で撹拌した。次に、表5に示す(iii)
成分であるルイス酸をメチルイソブチルケトン/酢酸エ
チル(重量比:1/1)混合溶媒により予め10重量%
の濃度に希釈した後滴下し、その後さらに3時間撹拌し
た。最後に溶媒を留去することにより表5記載の熱潜在
性酸触媒C−1〜C−4を得た。
【0176】
【表5】
【0177】製造例16〜19 (C)成分熱潜在性酸触媒C−5〜C−8の製造 フラスコ中にそれぞれ表6に示す(i)成分であるエポ
キシ基を有する化合物、(ii)成分である含イオウ化合
物及び(iv)成分であるカルボン酸化合物を入れ、室温
で撹拌した。次に、表6に示す(iii)成分であるルイ
ス酸をメチルイソブチルケトン/酢酸エチル(重量比:
1/1)混合溶媒により予め10重量%の濃度に希釈し
た後滴下し、その後さらに3時間撹拌した。最後に溶媒
を留去することにより表6記載の熱潜在性酸触媒C−5
〜C−8を得た。この様にして得られた熱潜在性酸触媒
の各種溶媒に対する溶解性を表6に示すが、いずれの溶
媒に対しても良好な溶解性を示した。
【0178】
【表6】
【0179】製造例20〜23 (C)成分(a)熱潜在性酸触媒C−9〜C−12溶液
の製造 製造例20及び21においては、フラスコ中にそれぞれ
表7に示す(i)成分であるエポキシ基を有する化合物
と(ii)成分である含イオウ化合物を入れ、室温で撹拌
した。次に表7に示す(iii)成分であるルイス酸溶液
を滴下し、その後70℃で2時間撹拌した。さらに、放
置冷却し、室温となったところで表7に示す(iv)成分
である無水カルボン酸化合物を添加し、室温で1時間撹
拌することにより表7記載の熱潜在性酸触媒C−9及び
C−10溶液を得た。製造例22及び23においては、
フラスコ中にそれぞれ表7に示す(ii)成分である含イ
オウ化合物と(iii)成分であるルイス酸溶液を入れ、
室温で撹拌した。次に表7に示す(i)成分であるエポ
キシ基を含有する化合物を滴下し、その後室温で1時間
撹拌した。最後に、表7に示す(iv)成分であるカルボ
ン酸化合物及び無水カルボン酸化合物を添加し、製造例
22では室温で2時間、また製造例23では80℃で4
時間それぞれ撹拌することにより表7記載の熱潜在性酸
触媒C−11及びC−12溶液を得た。
【0180】
【表7】 注 1)サンソサイザーE−4030:商品名、新日本理化
(株)製 2)カージュラE−10:商品名、シェル社製
【0181】製造例24〜27 (C)成分(b)熱潜在性酸触媒C−13〜C−16溶
液の製造 フラスコ中にそれぞれ表8の組成となるように各化合物
を撹拌しながら混合した。ただし、製造例24及び27
においては、(vii)成分のルイス酸である塩化亜鉛溶
液とオクチル酸亜鉛を予め混合してから、(v)成分の
含窒素又はイオウ化合物と(vi)成分の含ハロゲン化合
物との混合物中に添加した。その後、それぞれ室温でさ
らに24時間撹拌することにより、熱潜在性酸触媒C−
13〜C−16を得た。
【0182】
【表8】
【0183】製造例28 酸触媒C−17溶液の製造 試験管中に下記成分を仕込み室温で撹拌することにより
トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム10%
イソプロパノール溶液を調製した。 トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム 10.0重量部 イソプロパノール 90.0重量部 次いで、この溶液にトリフェニルシラノール13.3重
量部を添加し、50℃で1時間撹拌することにより酸触
媒C−17溶液を得た。
【0184】熱硬化型1コートソリッドカラーへの応用 実施例1〜28 (1)塗料の製造 表9〜表12の組成において、実施例1〜8、10〜1
7、19〜21、23、24、26及び27では(B)
成分を除いた混合物を、また実施例9、18、22、2
5及び28では全原料をサンドミルに仕込み、粒度が1
0μm以下になるまで分散した。その後、実施例9、1
8、22、25及び28ではそのまま、また実施例1〜
8、10〜17、19〜21、23、24、26及び2
7では顔料分散時に除いた原料をそれぞれ添加混合し、
一液型塗料とした。
【0185】(2)試験片の作製及び塗膜性能の検討 リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.
4200(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚20
μmとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付
け、さらに中塗り塗料エピコNo.1500CPシーラ
ー(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚40μmと
なるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼
き付けることにより試験板を作製した。次いで、前記
(1)の生塗料を、実施例1〜22及び26〜28にお
いてはキシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)の
シンナーを用いて、また実施例23〜25においてはキ
シレン/メチルエチルケトン=6/4(重量比)のシン
ナーを用いてそれぞれ塗装粘度(フォードカップNo.
4、20℃で25秒)に希釈後、前記の方法で作成した
試験板に、乾燥膜厚40μmとなるようにエアースプレ
ーにて塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き付
けて試験片を作製した。塗膜性能を表13〜表16に示
すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得られ、
優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
【0186】(3)貯蔵安定性の検討 前記(1)の生塗料を、実施例1〜22及び26〜28
においてはキシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量
比)のシンナーを用いて、また実施例23〜25におい
てはキシレン/メチルエチルケトン=6/4(重量比)
のシンナーを用いて、それぞれ1ポイズ(ブルックフィ
ールド型粘度計による20℃での測定値)に希釈した
後、40℃で30日間密封貯蔵した。その後、再び粘度
を測定したところ、それぞれ表13〜表16に示す様
に、ほとんど粘度増加は認められなかった。また、前記
(2)の希釈塗料を40℃で30日間密封貯蔵し、その
後前記(2)と同様の方法で試験片を作成し、そのヌー
プ硬度を測定した。その結果、表13〜表16に示す様
に、貯蔵後も優れた硬度を示した。すなわち、本発明の
熱硬化性組成物による熱硬化型1コートソリッドカラー
は優れた貯蔵安定性を有する。
【0187】
【表9】
【0188】
【表10】
【0189】
【表11】
【0190】
【表12】
【0191】注 表9〜12における添字は、以下の意
味である。 1)デコナールEX−421:商品名、ナガセ化学工業
(株)製、エポキシ化合物 2)ケミタイトPZ−33:商品名、日本触媒化学工業
(株)製、アジリジン化合物 3)コロネートEH:商品名、日本ポリウレタン工業
(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体 4)サイメル303:商品名、三井サイアナミド(株)
製、メチル化メラミン樹脂 5)KR−214:商品名、信越化学工業(株)製、ア
ルコキシシリコーン化合物 6)二酸化チタンJR−602:商品名、帝国化工
(株)製、ルチル型二酸化チタン 7)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング
剤 8)ALCH−TR−20:商品名、川研ファインケミ
カル(株)製、トリス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム20%トルエン溶液
【0192】
【表13】
【0193】
【表14】
【0194】
【表15】
【0195】
【表16】
【0196】比較例1〜7 表17の組成において、実施例1〜28と同様にして顔
料分散後、塗料化した。得られた塗料を、比較例1〜
4、6及び7においては、キシレン/酢酸n−ブチル=
8/2(重量比)のシンナーを用いて、また比較例5に
おいてはキシレン/メチルエチルケトン=6/4(重量
比)のシンナーを用いてそれぞれ希釈する以外は実施例
1〜28と同様にして貯蔵安定性試験を行った。その結
果、比較例1では触媒が何ら熱潜在化されていないた
め、また比較例2〜6ではカルボキシル基が何らブロッ
ク化されていないため、経時的に著しく粘度増加し、最
終的には表17に示す日数ですべてゲル化した。さら
に、比較例7ではルイス塩基であるN−メチルモルホリ
ンの作用により触媒が安定化されるため、粘度の増加は
ほとんど認められないものの、貯蔵後ヌープ硬度が測定
できる程の硬度は得られなかった。
【0197】
【表17】 注 1)ALCH−TR−20:商品名、川研ファインケミ
カル(株)製、トリス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム20%トルエン溶液 2)二酸化チタンJR−602:商品名、帝国化工
(株)製、ルチル型二酸化チタン 3)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング
【0198】2コート1ベークメタリックカラーへの応
用 実施例29〜41 (1)塗料の製造 表18及び表19の組成の原料を混合し、一液型クリア
ー塗料とした。 (2)試験片の作製及び塗膜性能の検討 得られた生塗料を、実施例29〜37、40及び41に
おいては、キシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量
比)のシンナーを用いて、また実施例38及び39にお
いてはキシレン/メチルエチルケトン=6/4(重量
比)のシンナーを用いてそれぞれ希釈する以外は、実施
例1〜28と同様にして希釈した。次いで、実施例1〜
28と同様の方法で作製した試験板に、ベルコートN
o.6000シルバーメタリックベースコート塗料(商
品名、日本油脂(株)製)をエアースプレーにてインタ
ーバル1分30秒、2ステージで乾燥塗膜厚15μmと
なるように塗装し、20℃で3分間セット後、前記の各
希釈クリアー塗料を乾燥膜厚40μmとなるようにエア
スプレー塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き
付けて試験片を作製した。塗膜性能を表20及び21に
示すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得ら
れ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
【0199】(3)貯蔵安定性の検討 得られた各塗料を、実施例29〜37、40及び41に
おいては、キシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量
比)のシンナーを用いて、また実施例38及び39にお
いてはキシレン/メチルエチルケトン=6/4(重量
比)のシンナーを用いる以外は、実施例1〜28と同様
にして貯蔵安定性試験を行ったところ、表20及び21
に示すように、いずれの場合もほとんど粘度の増加は認
められず、また、貯蔵後も優れた硬度を示した。すなわ
ち、本発明の熱硬化性組成物による2コート1ベーク用
クリアー塗料は、優れた貯蔵安定性を有する。
【0200】
【表18】
【0201】
【表19】 注 表18及び19における添字は以下の意味である。 1)CX−RS−12001):商品名、(株)日本触媒
製、オキサゾリン化合物 2)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング
剤 3)ALCH−TR−20:商品名、川研ファインケミ
カル(株)製、トリス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム20%トルエン溶液
【0202】
【表20】
【0203】
【表21】
【0204】比較例8〜14 表22の組成の原料を混合してクリアー塗料とした。得
られた塗料を、比較例8〜11、13及び14において
は、キシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)のシ
ンナーを用いて、また比較例12においてはキシレン/
メチルエチルケトン=6/4(重量比)のシンナーを用
いてそれぞれ希釈する以外は実施例1〜28と同様にし
て貯蔵安定性試験を行った。その結果、比較例8では触
媒が何ら熱潜在化されていないため、また比較例9〜1
3ではカルボキシル基が何らブロック化されていないた
め、経時的に著しく粘度増加し、最終的には表22に示
す日数ですべてゲル化した。さらに、比較例14ではル
イス塩基であるN−メチルモルホリンの作用により触媒
が安定化されるため、粘度の増加はほとんど認められな
いものの、貯蔵後ヌープ硬度が測定できる程の硬度は得
られなかった。
【0205】
【表22】 注 1)ALCH−TR−20:商品名、川研ファインケミ
カル(株)製、トリス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム20%トルエン溶液 2)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング
【0206】プレコートメタル用エナメル塗料への応用 実施例42〜55及び比較例15、16 (1)塗料の製造 表23及び表24の組成において、(B)成分化合物を
除いた混合物をサンドミルに仕込み、粒度が10μm以
下になるまで分散した。その後、顔料分散時に除いた原
料をそれぞれ添加混合し、ソルベッソ#150(商品
名、エッソ社製、芳香族石油ナフサ)により、フォード
カップNo.4で20℃において120秒になるように
粘度調整を行って、一液型塗料とした。
【0207】(2)試験片の作成及び塗膜性能の検討 表25〜表27に示す鋼板素材に、表25〜27に示す
下塗り塗料を乾燥膜厚5μmとなるようにロールコータ
ーを用いて塗布し、表25〜27に示す硬化条件で焼き
付けた。その後、実施例42〜55においては前記
(1)の塗料を、また比較例15においてはプレカラー
3200白(商品名、日本油脂(株)製、高分子ポリエ
ステル塗料)を、さらに比較例16においてはプレカラ
ー3800白(商品名、日本油脂(株)製、ポリエステ
ル塗料)を乾燥膜厚15μmとなるようにロールコータ
ーを用いて塗布し、表25〜27に示す硬化条件で焼き
付けて、試験片とした。いずれの場合も均一でツヤのあ
る塗装鋼板が得られた。塗膜性能を表25〜27に示す
が、本発明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル塗
装鋼板は、いずれの場合も、優れた加工性、耐衝撃性、
硬度、耐食性、耐沸水性を示した。さらに、本発明の熱
硬化性組成物によるプレコートメタル塗装鋼板は、従来
のプレコートメタル用ポリエステル塗料及び高分子ポリ
エステル塗料を塗布した鋼板に比較して、優れた耐候
性、耐酸性、耐汚染性を示した。
【0208】(3)貯蔵安定性の検討 前記(1)の塗料を30℃で30日間密封貯蔵し、その
後再び20℃でフォードカップNo.4用いて粘度を測
定したところ、それぞれ表25〜27に示すようにほと
んど粘度の増加は認められなかった。また、この塗料を
用い、前記(2)と同様の方法で試験片を作製し、その
鉛筆硬度を測定したところ、それぞれ表25〜27に示
すように貯蔵後も優れた硬度を示した。すなわち、本発
明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル用エナメル
塗料は優れた貯蔵安定性を有する。
【0209】
【表23】
【0210】
【表24】 注 表23及び24における添字は、以下の意味であ
る。 1)デコナールEX−421:商品名、ナガセ化学工業
(株)製、エポキシ化合物 2)ケミタイトPZ−33:商品名、日本触媒化学工業
(株)製、アジリジン化合物 3)コロネートEH:商品名、日本ポリウレタン工業
(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体 4)サイメル303:商品名、三井サイアナミド(株)
製、メチル化メラミン樹脂 5)二酸化チタンJR−602:商品名、帝国化工
(株)製、ルチル型二酸化チタン 6)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング
【0211】
【表25】
【0212】
【表26】
【0213】
【表27】
【0214】注 表25〜27における添字は、以下の
意味である。 1)素材 G1:溶融亜鉛メッキ鋼板、メッキ付着量 Z−25
板厚0.4mm GF:5%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量
Y−25 板厚0.4mm GL:55%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量
Y−25 板厚0.4mm 2)化成処理 P:リン酸亜鉛処理 Cr:塗布型クロメート処理 3)塗料 P−40:プレカラープライマーP−40、商品名、日
本油脂(株)製、高分子ポリエステル塗料 SP−7:プレカラープライマーSP−7、商品名、日
本油脂(株)製、エポキシ樹脂塗料
【0215】厚膜プレコートメタル用エナメル塗料への
応用 実施例91〜94及び比較例21〜23 (1)塗料の製造 実施例45、51、54及び55において製造したもの
をエナメル塗料とした。 (2)塗装試験 板厚0.4mmのリン酸亜鉛処理した亜鉛メッキ鋼板
に、下塗り塗料として、プレカラープライマーSP−7
(商品名、日本油脂(株)製、エポキシ樹脂塗料)を乾
燥膜厚5μmとなるようにロールコーターを用いて塗布
し、メタル温度230℃で10秒間の硬化条件で焼き付
けた。その後、表28に示す塗料を表28に示す乾燥膜
厚となるようにラインスピード150m/分でロールコ
ーターを用いて塗布し、メタル温度230℃で15秒間
の硬化条件で焼き付けた。塗面状態を表28に示すが、
本発明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル用塗料
を用いた場合、いずれも均一でツヤのある塗装鋼板が得
られた。すなわち、本発明の熱硬化性組成物によるプレ
コートメタル用塗料は、従来のプレコートメタル用塗料
に比較して高速塗装及び厚膜化が可能である。
【0216】
【表28】 注 1)プレカラー2120白:商品名、日本油脂(株)
製、アクリル塗料 1)プレカラー3800白:商品名、日本油脂(株)
製、ポリエステル塗料 1)プレカラー4600白:商品名、日本油脂(株)
製、シリコーンポリエステル塗料
【0217】プレコートメタル用クリアー塗料への応用 実施例56〜63 (1)塗料の製造 表29の組成の原料をそれぞれ添加混合し、実施例42
〜55と同様に粘度調整を行って、一液型塗料とした。
【0218】(2)試験片の作製及び塗膜性能の検討 表29に示す鋼板素材に、表29に示す下塗り塗料を表
30及び31に示す乾燥膜厚となるようにロールコータ
ーを用いて塗布し、表30及び31に示す硬化条件で焼
き付けた。次に、実施例56、57、59、60及び6
2においては、中塗り塗料としてプレカラー3800白
(商品名、日本油脂(株)製、ポリエステル塗料)を乾
燥膜厚15μmとなるようにロールコーターを用いて塗
布し、メタル温度210℃で50秒間の硬化条件で焼き
付けた。その後、前記(1)の塗料を乾燥膜厚10μm
となるようにロールコーターを用いて塗布し、メタル温
度210℃で50秒間の硬化条件で焼き付けて、試験片
とした。いずれの場合も均一でツヤのある塗装鋼板が得
られた。塗膜性能を表30及び31に示すが、本発明の
熱硬化性組成物によるプレコートメタル塗装鋼板は、い
ずれの場合も、優れた加工性、耐衝撃性、硬度、耐食性
などを示し、さらに、優れた耐候性、耐酸性、耐汚染性
を示した。
【0219】(3)貯蔵安定性の検討 前記(1)の塗料を実施例42〜55と同様にして貯蔵
試験を行ったところ、表30及び31に示すように、い
ずれの場合もほとんど粘度の増加は認められず、また貯
蔵後も優れた硬度を示した。すなわち、本発明の熱硬化
性組成物によるプレコートメタル用クリアー塗料は優れ
た貯蔵安定性を有する。
【0220】
【表29】 注 1)KR−214:商品名、信越化学工業(株)製、ア
ルコキシシリコーン化合物 2)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング
【0221】
【表30】
【0222】
【表31】
【0223】注 表29〜31における添字は、以下の
意味である。 1)素材 G1:溶融亜鉛メッキ鋼板、メッキ付着量 Z−25
板厚0.4mm GF:5%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量
Y−25 板厚0.4mm GL:55%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量
Y−25 板厚0.4mm 2)化成処理 P:リン酸亜鉛処理 Cr:塗布型クロメート処理 3)塗料 P−40:プレカラープライマーP−40、商品名、日
本油脂(株)製、高分子ポリエステル塗料 SP−7:プレカラープライマーSP−7、商品名、日
本油脂(株)製、エポキシ樹脂塗料
【0224】無溶剤型2コート1ベーク塗装用クリアー
塗料への応用 実施例64〜72 (1)クリアー塗料の製造 表32及び33の組成の原料を混合し、一液型クリアー
塗料とした。得られた塗料の加熱残分を表32及び33
に示すが、いずれも85重量%以上の高い値を示した。 (2)試験片の作製及び塗膜性能の検討 実施例1〜28と同様の方法で作製した試験板に、ベル
コートNo.6000シルバーメタリックベースコート
塗料(商品名、日本油脂(株)製)をエアスプレーにて
インターバル1分30秒、2ステージで乾燥膜厚15μ
mとなるように塗装し、20℃で3分間セット後、前記
の各クリアー塗料を乾燥膜厚40μmとなるようにホッ
トスプレー塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼
き付けて試験片を作製した。塗膜性能を表32及び33
に示すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得ら
れ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
【0225】
【表32】
【0226】
【表33】
【0227】表32及び33において、添字は次の意味
を示す。 1)YD−128:商品名、東都化成(株)製、エポキ
シ化合物 2)GT−302:商品名、ダイセル化学工業(株)
製、エポキシ化合物 3)KF−101:商品名、信越化学工業(株)製、シ
リコーン含有エポキシ化合物 4)X−22−169AS:商品名、信越化学工業
(株)製、シリコーン含有エポキシ化合物 5)サイメル303:商品名、三井サイアナミド(株)
製、メチル化メラミン樹脂 6)MSTEP2:商品名、三菱化成(株)製、エポキ
シ基含有ポリメトキシポリシロキサン 7)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング
剤 8)加熱残分測定条件:(JIS K 5407(19
90)4.加熱残分による)105℃、3時間
【0228】比較例17、18 表34の組成の原料を混合し、クリアー塗料の製造を試
みた。その結果、常温で結晶状のポリカルボン酸化合物
A−5(a)又はA−6(a)が不溶成分として沈殿す
るため、クリアー塗料として使用不可能であった。
【0229】
【表34】
【0230】無溶剤型プレコートメタル用塗料への応用 実施例73〜76 (1)塗料の製造 実施例64、66、68及び71において製造したもの
をクリアー塗料とした。 (2)試験片の作成及び塗膜性能の検討 表35に示す鋼板素材に、表35に示す下塗り塗料を表
35に示す乾燥膜厚となるようにロールコーターを用い
て塗布し、表35に示す硬化条件で焼き付けた。次に実
施例73及び74においては、中塗り塗料としてプレカ
ラー3800白(商品名、日本油脂(株)製、ポリエス
テル塗料)を乾燥膜厚15μmとなるようにロールコー
ターを用いて塗布し、メタル温度210℃で50秒間の
硬化条件で焼き付けた。その後、前記(1)の塗料を乾
燥膜厚10μmとなるようにロールコーターを用いて塗
布し、メタル温度230℃で50秒間の硬化条件で焼き
付けて、試験片とした。いずれの場合も均一でツヤのあ
る塗装鋼板が得られた。塗膜性能を表35に示すが、本
発明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル塗装鋼板
は、いずれの場合も、優れた加工性、耐衝撃性、硬度、
耐食性などを示し、さらに優れた耐候性、耐酸性、耐汚
染性を示した。
【0231】
【表35】
【0232】1)素材 G1:溶融亜鉛メッキ鋼板、メッキ付着量 Z−25
板厚0.4mm GF:5%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量
Y−25 板厚0.4mm GL:55%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量
Y−25 板厚0.4mm 2)化成処理 Cr:塗布型クロメート処理 3)塗料 SP−7:プレカラープライマーSP−7、商品名、日
本油脂(株)製、エポキシ樹脂塗料 プレカラー3200白:商品名、日本油脂(株)製、高
分子ポリエステル塗料 プレカラー3800白:商品名、日本油脂(株)製、ポ
リエステル塗料
【0233】常温硬化型1コートソリッドカラーへの応
用 実施例77〜79 (1)主剤溶液の製造 表36の組成において、実施例77及び78では(B)
成分化合物を除いた混合物を、また実施例79では全原
料をサンドミルに仕込み、粒度が10μm以下になるま
で分散した。その後、実施例79ではそのまま、また実
施例77及び78では顔料分散時に除いた原料をそれぞ
れ添加混合し、主剤溶液とした。 (2)試験片の作製及び塗膜性能の検討 前記(1)の主剤溶液にそれぞれ表36記載の酸触媒溶
液を添加し、この塗料をキシレン/酢酸n−ブチル=8
/2(重量比)のシンナーを用いて実施例1〜28と同
様にして希釈後、実施例1〜28と同様の方法で作製し
た試験板に乾燥膜厚40μmとなるようにエアースプレ
ーにて塗装し、60℃で30分加熱した後室温で3日間
放置し、試験片を作製した。これらの塗膜性能を表36
に示すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得ら
れ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
【0234】
【表36】 注 1)デコナールEX−421:商品名、ナガセ化学工業
株式会社製、ポリエポキシ化合物、エポキシ当量155 2)二酸化チタンJR−602:商品名、帝国化工株式
会社製、ルチル型二酸化チタン 3)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング
剤 4)PTSA:p−トルエンスルホン酸
【0235】常温硬化型2コート用クリアー塗料への応
用 実施例80及び81 (1)主剤溶液の製造 表37の組成の原料を混合し、主剤溶液とした。 (2)試験片の作製及び塗膜性能の検討 実施例1〜28と同様の方法で作製した試験板に、ベル
コートNo.6000シルバーメタリックベースコート
塗料(商品名、日本油脂株式会社製)をエアースプレー
にてインターバル1分30秒、2ステージで乾燥塗膜厚
15μmになるように塗装し、140℃で30分間焼き
付けることにより試験板を作製した。次いで、前記
(1)の主剤溶液にそれぞれ表37記載の酸触媒溶液を
添加し、この塗料をキシレン/酢酸n−ブチル=8/2
(重量比)のシンナーを用いて、実施例1〜28と同様
にして希釈後、実施例1〜28と同様の方法で作製した
試験板に乾燥膜厚40μmとなるようにエアースプレー
にて塗装し、60℃で30分加熱した後室温で3日間放
置し、試験片を作製した。これらの塗膜性能を表38に
示すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得ら
れ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
【0236】
【表37】 注 1)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング
【0237】
【表38】
【0238】成形品への応用 実施例82〜86 (1)成形品用組成物の合成 表39に示す組成物を混合することにより、実施例8
2、83及び85においては、成形品用組成物とした。
また、実施例84及び86においては、さらに50℃、
0.1mmHgの条件で組成物中の溶剤を留去すること
により、成形品用組成物とした。
【0239】(2)物性試験用試験片の作製及び物性試
験 前記(1)の成形品用組成物を50℃に加温した後、1
0×300×300mmの金型に注入し、50℃、真空
下(1Torr)で20分間脱気した。続いて金型を1
20℃に1時間加熱し、さらに150℃で1時間の条件
で加熱して組成物を硬化させ、最後に離型することによ
り成形品を得た。成形品は、気泡や収縮に伴うヒケなど
を生じることなく正常に得られた。こうして得られた成
形品を切削加工することにより、試験片とし、機械物性
及び絶縁特性についての試験を行った。さらに、実施例
82〜84においては、防錆性についての試験も行っ
た。これらの物性試験の結果を表39に示すが、本発明
の熱硬化性組成物による成形品は、優れた機械物性、絶
縁特性、さらには防錆性を示した。
【0240】
【表39】 表39において、添字は次の意味を示す。 1)YD−128:商品名、東都化成(株)製、エポキ
シ化合物 2)KF−101:商品名、信越化学工業(株)製、シ
リコーン含有エポキシ化合物 3)CRT−D:商品名、龍森(株)製、シリカ 4)MF3A:商品名、旭ファイバーグラス(株)製、
ガラス繊維
【0241】熱潜在性酸触媒における本発明の熱硬化性
組成物以外の熱硬化性組成物への応用 実施例87〜90 (1)単量体E−1(a)の製造 栓付フラスコ中に下記成分を仕込み、室温で24時間撹
拌することにより目的物であるビニルエーテル基含有メ
タクリレートE−1(a)を得た。 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 130.0重量部 3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル−メチル−3,4−ジヒドロ−2H −ピラン−2−カルボキシレート 224.0重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸 0.3重量部 なお、ガスクロマトグラフィーにより求めた有効含有量
は、98.6重量%であった。
【0242】(2)化合物E−1溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、初期仕込み溶剤(キシレン)40.04
0.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱し、100℃を保
った。次に100℃の温度で、表40記載の組成の単量
体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴
下ロートより等速滴下した。滴下終了後、100℃の温
度を1時間保ち、表40記載の組成の重合開始剤溶液
(追加触媒)を添加し、さらに100℃の温度を2時間
保ったところで反応を終了し、表40記載の特性を有す
る化合物E−1溶液を得た。
【0243】
【表40】 注 1)不揮発分測定条件:50℃、0.1mmHgで3時
間 2)粘度:ガードナー粘度(25℃) (JIS K 5400(1990)4.5.1ガード
ナー型泡粘度計による)
【0244】(3)熱硬化性組成物への応用 表41の組成の原料をそれぞれ混合し、メチルエチルケ
トンで1ポイズ(ブルックフィールド型粘度計による2
0℃での測定値)に希釈して一液型熱硬化性組成物とし
た。得られた組成物をブリキ板上に流し塗りし、140
℃で30分間焼き付け硬化膜を作製した。得られた各硬
化膜の膜厚が30μmの部位についてヌープ硬度を測定
したところ、それぞれ表41に示すように優れた硬度を
示した。また同様の組成物を40℃で30日間密封貯蔵
後、再び粘度を測定したところ、それぞれ表41に示す
様に、ほとんど粘度増加は認められず、優れた貯蔵安定
性を示した。
【0245】
【表41】 注 1)CY−179:商品名、チバガイギー社製、エポキ
シ化合物
【0246】比較例19及び20 表42の組成の原料を用いた組成物を調製し、実施例8
7〜90と同様にして硬化膜を作製したところ、比較例
19では何ら触媒が存在していないため、ヌープ硬度が
測定できる程の硬度は得られなかった。また、実施例8
7〜90と同様にして貯蔵安定性試験を行ったところ、
比較例20では触媒が何ら熱潜在化されていない為、経
時的に著しく粘度増加し、最終的には3日後にゲル化し
た。
【0247】
【表42】
【0248】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、化学性能、物
理性能、耐候性及び耐汚染性に優れる硬化物を与えると
共に、貯蔵安定性に優れており、例えば、塗料、イン
ク、接着剤、成形品などに好適に用いられる。特に、上
塗り塗料として用いた場合には、有機溶剤の排出量が少
なく、優れた仕上がり外観性を有する塗装仕上げを行う
ことができ、自動車塗装、プレコート鋼板などの工業塗
装分野において極めて有用である。さらに、本発明の硬
化性組成物は、成形材料として用いた場合には、機械物
性、絶縁特性、耐湿性、防錆性、耐クラック性に優れ、
例えば封止材料、注型材料、プリント配線基板として使
用される積層板などに代表される電気電子部品、浴槽、
浄化槽、水タンクパネルなどの住宅関連製品、自動車用
部品、音響機器、及び工業機器などに好適に用いられ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】本発明に使用される(i)エポキシ基を含
有する化合物としては、例えば、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシドなどのアルケンから誘導される脂肪族
モノエポキシド化合物、シクロヘキセンオキシド、セロ
キサイド2000(商品名、ダイセル化学工業(株)
製)、セロキサイド3000(商品名、ダイセル化学工
業(株)製)、リカレジンE−8(商品名、新日本理化
(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルア
クリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメ
タクリレートなどのシクロアルケンから誘導される脂環
式モノエポキシド化合物、スチレンオキシド、スチルベ
ンオキシドなど芳香族環を有する芳香族モノエポキシド
化合物、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジル
エーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシ
ジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、フェニル
グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ポリ
アルキレンオキシドモノグリシジルエーテルなどのグリ
シジルエーテル類、グリシジルイソブチレート、カージ
ュラE−10(商品名、シェル社製)、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル
エステル類、サンソサイザーE−4030(商品名、新
日本理化(株)製)、サンソサイザーE−6000(商
品名、新日本理化(株)製)、などのエポキシ系可塑
剤、さらにグリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチルメタクリレートなどの単量体の
単独重合体、又は他の単量体との共重合体、ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸とエピクロルヒド
リンあるいはポリオールとエピクロルヒドリンの反応に
よって得られるポリグリシジル化合物などのエポキシ基
を有する高分子化合物などが挙げられる。この中で特に
好ましいものとしては、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシド、サンソサイザーE−4030(商品名、新日
本理化(株)製)、サンソサイザーE−6000(商品
名、新日本理化(株)製)、リカレジンE−8(商品
名、新日本理化(株)製)、シクロヘキセンオキシド、
セロキサイド3000(商品名、ダイセル化学工業
(株)製)、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシ
ジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグ
リシジルエーテル、カージュラE−10(商品名、シェ
ル社製)などが挙げられる。グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレー
ト、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレ
の単独重合体又は他の単量体との共重合体も特に好
ましいものとして挙げられる。ここで、エポキシ基を含
有する化合物が高分子化合物である場合、そのエポキシ
含有量は0.1〜7モル/kgの範囲が好ましく、特に
0.35〜5モル/kgの範囲が好ましい。(i)該エ
ポキシ基を含有する化合物は、1種単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0158
【補正方法】変更
【補正内容】
【0158】JIS Z−2371及びJIS K−5
400(1990)9.1に準じて、4T曲げ加工を施
した試験片について1000時間の塩水噴霧試験を行っ
た。 (イ)平面部のふくれ、白錆発生状況、(ロ)4T折曲
げ加工部分のふくれ、白錆発生状況、(ハ)クロスカッ
ト部の塗膜ふくれ、白錆の発生状況を観察し、以下の基
準で判定した。 ○:塗膜のふくれ、白錆の発生なし △:僅かに塗膜のふくれ又は白錆が認められる ×:明らかに塗膜のふくれ又は白錆が認められる (10)耐沸騰水性 JIS K−5400(1990)9.20に準じて、
試験片を沸騰水に2時間浸漬した後、塗膜の異常を観察
し、以下の基準で判定した。 ○:塗膜に全く異常なし △:僅かに塗膜のふくれが認められる ×:明らかに塗膜のふくれが認められる
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 18/34 NDU 18/40 NDV 59/40 NHX NJK NJM 59/68 NKL 69/00 NRB 73/00 NTB 77/00 NTZ C08L 101/02 LTB C09D 163/00 PJT PJZ PKC 175/00 PHN PHP 177/00 PLS 179/00 PLT 183/00 PMM (31)優先権主張番号 特願平6−66470 (32)優先日 平6(1994)3月11日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−73778 (32)優先日 平6(1994)3月22日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−79239 (32)優先日 平6(1994)3月28日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−130900 (32)優先日 平6(1994)5月23日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−130901 (32)優先日 平6(1994)5月23日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に、一般式(1) 【化1】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素
    数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基で
    あって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子と
    する複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又は
    イオウ原子である。)で表される官能基2個以上を有す
    る化合物、(B)1分子中に、前記官能基と化学結合を
    形成しうる反応性官能基2個以上を有する化合物、及び
    (C)(a)(i)エポキシ基を含有する化合物、(i
    i)一般式(2) 【化2】R5−S−R6 (2) (式中、R5及びR6は、それぞれ水素原子、炭素数1〜
    40の有機基を示し、同一でも又は異なってもよく、互
    いに結合しあって環構造を形成してもよい。)で表され
    る含イオウ化合物、及び(iii)一般式(3) 【化3】(X1n1−M1−(R7n2 (3) (式中、M1はホウ素、アルミニウム、スズ、鉛又は遷
    移元素を示し、X1は1種又は2種以上のハロゲン原子
    を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数1〜40の有
    機基を示し、R7はM1原子に配位しキレート環を形成し
    てもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6の整数を示
    し、n1+n2が1〜6の整数である。)で表されるル
    イス酸、さらに必要に応じて(iv)カルボン酸化合物及
    び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜在性酸触
    媒、(b)(v)一般式(4) 【化4】 (式中のY2は窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオ
    ウ原子を示し、R8は炭素数1〜12のアルキル基、ア
    ルケニル基、アリール基、アルカリール基又はアルカノ
    ール基から選ばれる1種又は2種以上の有機基を示し、
    2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素
    環を形成してもよく、n3は2又は3の整数を示す。)
    で表される含窒素、酸素、リン又はイオウ化合物、(v
    i)一般式(5) 【化5】 (式中のR9は炭素数1〜12のベンジル基、置換ベン
    ジル基、アリル基、置換アリル基、シクロアルキル基、
    置換シクロアルキル基、第2級アルキル基、置換第2級
    アルキル基、第3級アルキル基又は置換第3級アルキル
    基から選ばれる有機基を示し、X2はハロゲン原子を示
    す。)で表される含ハロゲン化合物、及び(vii)一般
    式(6) 【化6】 (式中のM2 はアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原
    子を示し、X3は1種又は2種以上のハロゲン原子を示
    し、R10は1種又は2種以上の炭素数1〜20の有機基
    を示し、R10はM2原子に配位しキレート環を形成して
    もよく、n4及びn5はそれぞれ0〜6の整数を示し、
    n4+n5は1〜6の整数を示す。)で表されるアルミ
    ニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸から
    成る熱潜在性酸触媒、及び(c)(viii)金属キレート
    化合物と(ix)一般式(7) 【化7】 (式中、R11は炭素数1〜18のアルキル基、アリール
    基又はアルケニル基、R12は水素原子、炭素数1〜18
    のアルキル基、アリール基又はアルカリール基、R13
    びR14は炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基で
    あり、n6、n7、n8及びn9は0〜4の整数で、n
    6+n7+n8+n9=4である。)で表される有機ケ
    イ素化合物又はその縮合体との混合物から成る群から選
    ばれる少なくとも1種を必須成分として含有して成るこ
    とを特徴とする熱硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (A)1分子中に、一般式(1) 【化8】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素
    数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基で
    あって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子と
    する複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又は
    イオウ原子である。)で表される官能基2個以上を有す
    る化合物、(B)1分子中に、前記官能基と化学結合を
    形成しうる反応性官能基2個以上を有する化合物、及び
    (C)酸触媒を必須成分として含有して成り、かつ揮発
    性有機化合物を希釈剤として実質用いないことを特徴と
    する熱硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 (C)成分が、熱的に潜在化されている
    請求項2記載の熱硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 (A)1分子中に、一般式(1) 【化9】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素
    数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基で
    あって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子と
    する複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又は
    イオウ原子である。)で表される官能基2個以上を有す
    る化合物、及び(B)1分子中に、前記官能基と化学結
    合を形成しうる反応性官能基2個以上を有する化合物を
    必須成分として含有して成る主剤又はその溶液と、
    (C)ブレンステッド酸、ルイス酸あるいは金属キレー
    ト化合物とシラノール基含有化合物との混合物の中から
    選ばれた少なくとも1種の酸触媒又はその溶液を混合し
    て得られる組成物から成ることを特徴とする二液型常温
    硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分の反応性官能基がエポキシ
    基、オキサゾリン基、シラノール基、アルコキシシラン
    基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネ
    ート基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボネ
    ート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ア
    ミノメチロール基、アルキル化アミノメチロール基、ア
    セタール基及びケタール基の中から選ばれた少なくとも
    1種である請求項1、2、3又は4記載の硬化性組成
    物。
  6. 【請求項6】 (A)成分及び/又は(B)成分がα,
    β−不飽和化合物の重合体である請求項1、2、3、4
    又は5記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 (A)成分及び/又は(B)成分がポリ
    エステル樹脂である請求項1、2、3、4又は5記載の
    硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 (D)1分子中に、(α)一般式(8) 【化10】 (式中のR15、R16及びR17はそれぞれ水素原子又は炭
    素数1〜18の有機基、R18は炭素数1〜18の有機基
    であって、R17とR18は互いに結合してY3をヘテロ原
    子とする複素環を形成していてもよく、Y3は酸素原子
    又はイオウ原子である。)で表される官能基1個以上
    と、(β)該官能基と化学結合を形成しうる反応性官能
    基1個以上とを有する自己架橋型化合物、及び(C)
    (a)(i)エポキシ基を含有する化合物、(ii)一般
    式(2) 【化11】R5−S−R6 (2) (式中、R5及びR6は、それぞれ水素原子、炭素数1〜
    40の有機基を示し、同一でも又は異なってもよく、互
    いに結合しあって環構造を形成してもよい。)で表され
    る含イオウ化合物、及び(iii)一般式(3) 【化12】(X1n1−M1−(R7n2 (3) (式中、M1はホウ素、アルミニウム、スズ、鉛又は遷
    移元素を示し、X1は1種又は2種以上のハロゲン原子
    を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数1〜40の有
    機基を示し、R7はM1原子に配位しキレート環を形成し
    てもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6の整数を示
    し、n1+n2が1〜6の整数である。)で表されるル
    イス酸、さらに必要に応じて(iv)カルボン酸化合物及
    び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜在性酸触
    媒、(b)(v)一般式(4) 【化13】 (式中のY2は窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオ
    ウ原子を示し、R8は炭素数1〜12のアルキル基、ア
    ルケニル基、アリール基、アルカリール基又はアルカノ
    ール基から選ばれる1種又は2種以上の有機基を示し、
    2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素
    環を形成してもよく、n3は2又は3の整数を示す。)
    で表される含窒素、酸素、リン又はイオウ化合物、(v
    i)一般式(5) 【化14】 (式中のR9は炭素数1〜12のベンジル基、置換ベン
    ジル基、アリル基、置換アリル基、シクロアルキル基、
    置換シクロアルキル基、第2級アルキル基、置換第2級
    アルキル基、第3級アルキル基又は置換第3級アルキル
    基から選ばれる有機基を示し、X2はハロゲン原子を示
    す。)で表される含ハロゲン化合物、及び(vii)一般
    式(6) 【化15】 (式中のM2 はアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原
    子を示し、X3は1種又は2種以上のハロゲン原子を示
    し、R10は1種又は2種以上の炭素数1〜20の有機基
    を示し、R10はM2原子に配位しキレート環を形成して
    もよく、n4及びn5はそれぞれ0〜6の整数を示し、
    n4+n5は1〜6の整数を示す。)で表されるアルミ
    ニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸から
    成る熱潜在性酸触媒、及び(c)(viii)金属キレート
    化合物と(ix)一般式(7) 【化16】 (式中、R11は炭素数1〜18のアルキル基、アリール
    基又はアルケニル基、R 12は水素原子、炭素数1〜18
    のアルキル基、アリール基又はアルカリール基、R13
    びR14は炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基で
    あり、n6、n7、n8及びn9は0〜4の整数で、n
    6+n7+n8+n9=4である。)で表される有機ケ
    イ素化合物又はその縮合体との混合物から成る群から選
    ばれる少なくとも1種を必須成分とし、さらに場合によ
    り(A)1分子中に、一般式(1) 【化17】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素
    数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基で
    あって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子と
    する複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又は
    イオウ原子である。)で表される官能基2個以上を有す
    る化合物、及び/又は(B)1分子中に、前記一般式
    (8)で表される官能基又は前記一般式(1)で表され
    る官能基あるいはその両方と化学結合を形成しうる反応
    性官能基2個以上を有する化合物を含有して成ることを
    特徴とする熱硬化性組成物。
  9. 【請求項9】 (D)1分子中に、(α)一般式(8) 【化18】 (式中のR15、R16及びR17はそれぞれ水素原子又は炭
    素数1〜18の有機基、R18は炭素数1〜18の有機基
    であって、R17とR18は互いに結合してY3をヘテロ原
    子とする複素環を形成していてもよく、Y3は酸素原子
    又はイオウ原子である。)で表される官能基1個以上
    と、(β)該官能基と化学結合を形成しうる反応性官能
    基1個以上とを有する自己架橋型化合物、及び(C)酸
    触媒を必須成分とし、さらに場合により(A)1分子中
    に、一般式(1) 【化19】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素
    数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基で
    あって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子と
    する複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又は
    イオウ原子である。)で表される官能基2個以上を有す
    る化合物、及び/又は(B)1分子中に、前記一般式
    (8)で表される官能基又は前記一般式(1)で表され
    る官能基あるいはその両方と化学結合を形成しうる反応
    性官能基2個以上を有する化合物を含有して成り、かつ
    揮発性有機化合物を希釈剤として実質用いないことを特
    徴とする熱硬化性組成物。
  10. 【請求項10】 (C)成分が、熱的に潜在化されてい
    る請求項9記載の熱硬化性組成物。
  11. 【請求項11】 (D)1分子中に、(α)一般式
    (8) 【化20】 (式中のR15、R16及びR17はそれぞれ水素原子又は炭
    素数1〜18の有機基、R18は炭素数1〜18の有機基
    であって、R17とR18は互いに結合してY3をヘテロ原
    子とする複素環を形成していてもよく、Y3は酸素原子
    又はイオウ原子である。)で表される官能基1個以上
    と、(β)該官能基と化学結合を形成しうる反応性官能
    基1個以上とを有する自己架橋型化合物を必須成分と
    し、さらに場合により(A)1分子中に、一般式(1) 【化21】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素
    数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基で
    あって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子と
    する複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又は
    イオウ原子である。)で表される官能基2個以上を有す
    る化合物、及び/又は(B)1分子中に前記一般式
    (2)で表される官能基又は前記一般式(1)で表され
    る官能基あるいはその両方と化学結合を形成しうる反応
    性官能基2個以上を有する化合物を含有して成る主剤又
    はその溶液と、(C)ブレンステッド酸、ルイス酸ある
    いは金属キレート化合物とシラノール基含有化合物との
    混合物の中から選ばれた少なくとも1種の酸触媒又はそ
    の溶液を混合して得られる組成物から成ることを特徴と
    する二液型常温硬化性組成物。
  12. 【請求項12】 (D)成分及び場合により用いられる
    (B)成分の反応性官能基がエポキシ基、オキサゾリン
    基、シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル
    基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック
    化イソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエ
    ーテル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール
    基、アルキル化アミノメチロール基、アセタール基及び
    ケタール基の中から選ばれた少なくとも1種である請求
    項8、9、10又は11記載の硬化性組成物。
  13. 【請求項13】 (D)成分及び場合により用いられる
    (A)成分及び/又は(B)成分の中から選ばれた少な
    くとも1種がα、β−不飽和化合物の重合体である請求
    項8、9、10、11又は12記載の硬化性組成物。
  14. 【請求項14】 (D)成分及び場合により用いられる
    (A)成分及び/又は(B)成分の中から選ばれた少な
    くとも1種がポリエステル樹脂である請求項8、9、1
    0、11又は12記載の硬化性組成物。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14記載の硬化性組成物の
    いずれか100重量部当たり顔料を0〜300重量部含
    有する上塗り塗料を被塗装体に塗装することを特徴とす
    る塗装仕上げ方法。
  16. 【請求項16】 基材上に着色フイルム形成性組成物を
    塗布してベースコートを形成し、次いで該ベースコート
    にクリアーフイルム形成性組成物を塗布して透明トップ
    コートを形成することから成る被塗装体に複合被膜を塗
    装する方法において、該トップコートクリアーフイルム
    形成性組成物のみが、あるいは該トップコートクリアー
    フイルム形成性組成物及び着色フイルム形成性組成物の
    いずれもが請求項1〜14記載の硬化性組成物のいずれ
    かを含有する上塗り塗料であることを特徴とする塗装仕
    上げ方法。
  17. 【請求項17】 金属板に必要に応じて下塗り塗料を塗
    布して硬化させ、さらに必要に応じてその下塗り塗料層
    の上に中塗り塗料を塗布して硬化させ、その後請求項1
    〜14記載の硬化性組成物のいずれか100重量部当た
    り顔料を0〜300重量部含有する上塗り塗料を塗布
    し、硬化させることを特徴とする金属板の塗装仕上げ方
    法。
  18. 【請求項18】 金属板が冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、
    ステンレス鋼板、アルミニウム板又はアルミニウム合金
    板である請求項17記載の金属板の塗装仕上げ方法。
  19. 【請求項19】 請求項15、16、17又は18記載
    の塗装仕上げ方法により塗装されたことを特徴とする塗
    装物品。
  20. 【請求項20】 請求項1〜14記載の硬化性組成物の
    いずれか100重量部当たり、充填剤を0〜500重量
    部配合し、必要に応じて室温又は加熱条件で配合物の熟
    成を行った後、金型に注入し、減圧、常圧又は加圧条件
    下で硬化し成形することを特徴とする成形品の成形方
    法。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の成形方法により成形
    されたことを特徴とする成形品。
  22. 【請求項22】 (i)エポキシ基を含有する化合物、
    (ii)一般式(2) 【化22】R5−S−R6 (2) (式中、R5及びR6は、それぞれ水素原子、炭素数1〜
    40の有機基を示し、同一でも又は異なってもよく、互
    いに結合しあって環構造を形成してもよい。)で表され
    る含イオウ化合物、及び(iii)一般式(3) 【化23】(X1n1−M1−(R7n2 (3) (式中、M1はホウ素、アルミニウム、スズ、鉛又は遷
    移元素を示し、X1は1種又は2種以上のハロゲン原子
    を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数1〜40の有
    機基を示し、R7はM1原子に配位しキレート環を形成し
    てもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6の整数を示
    し、n1+n2が1〜6の整数である。)で表されるル
    イス酸から成ることを特徴とする熱潜在性酸触媒。
  23. 【請求項23】 必須成分として、さらに(iv)カルボ
    ン酸化合物を含有する請求項22記載の熱潜在性酸触
    媒。
  24. 【請求項24】 必須成分として、さらに(iv)無水カ
    ルボン酸化合物を含有する請求項22記載の熱潜在性酸
    触媒。
  25. 【請求項25】 必須成分として、さらに(iv)カルボ
    ン酸化合物及び無水カルボン酸化合物を含有する請求項
    22記載の熱潜在性酸触媒。
  26. 【請求項26】 (v)一般式(4) 【化24】 (式中のY2は窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオ
    ウ原子を示し、R8は炭素数1〜12のアルキル基、ア
    ルケニル基、アリール基、アルカリール基又はアルカノ
    ール基から選ばれる1種又は2種以上の有機基を示し、
    2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素
    環を形成してもよく、n3は2又は3の整数を示す。)
    で表される含窒素、酸素、リン又はイオウ化合物、(v
    i)一般式(5) 【化25】 (式中のR9は炭素数1〜12のベンジル基、置換ベン
    ジル基、アリル基、置換アリル基、シクロアルキル基、
    置換シクロアルキル基、第2級アルキル基、置換第2級
    アルキル基、第3級アルキル基又は置換第3級アルキル
    基から選ばれる有機基を示し、X2はハロゲン原子を示
    す。)で表される含ハロゲン化合物、及び(vii)一般
    式(6) 【化26】 (式中のM2 はアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原
    子を示し、X3は1種又は2種以上のハロゲン原子を示
    し、R10は1種又は2種以上の炭素数1〜20の有機基
    を示し、R10はM2原子に配位しキレート環を形成して
    もよく、n4及びn5はそれぞれ0〜6の整数を示し、
    n4+n5は1〜6の整数を示す。)で表されるアルミ
    ニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸から
    成ることを特徴とする熱潜在性酸触媒。
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