JPH083854A - 不織布の製造方法及び装置 - Google Patents

不織布の製造方法及び装置

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JPH083854A
JPH083854A JP6157994A JP15799494A JPH083854A JP H083854 A JPH083854 A JP H083854A JP 6157994 A JP6157994 A JP 6157994A JP 15799494 A JP15799494 A JP 15799494A JP H083854 A JPH083854 A JP H083854A
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nonwoven fabric
plasticizer
solvent
gel
die
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JP6157994A
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Inventor
Shigeo Fujii
茂夫 藤井
Mitsuru Kawazoe
満 川副
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】微細な孔を多数有するために濾過性能に優れて
いるとともに良好な引張強度を有する不織布の製造方法
及び装置を提供する。 【構成】(a) 高分子原料を供給するホッパー21と、溶媒
及び/又は可塑剤の供給口22とを有するとともに、先端
に複数の紡糸用ノズル31及び高速気体噴出口を有するダ
イ3が設けられた押出機1を用いて、高分子原料にこれ
と相溶性のある溶媒及び/又は可塑剤をブレンドしてゲ
ル状物を調製し、ゲル状物をノズル31より押出すと同時
に高速気流で延伸紡糸したものを集積装置6にて集積し
て不織布とし、その後不織布から溶媒及び/又は可塑剤
を除去することにより、不織布を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濾過性能に優れた種々
の高分子を原料とする微多孔繊維からなる不織布の製造
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
エアーフィルタ材や液体の濾過材、バッテリーセパレー
タ等の幅広い分野に不織布が使用されるようになり、そ
の生産量も増加してきている。特にポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン樹脂は、耐水性、強度、
耐久性等に優れた樹脂であるため、上記用途の不織布に
適している。
【0003】このような不織布としては、メルトブロー
不織布が代表的である。このメルトブロー法による不織
布は、乾式法、湿式法、スパンポンド法等の他の製法に
よる不織布に比べ、単繊維の繊維径が小さく、延伸によ
り高強度であり、かつ風合い等にも優れている。しかし
ながら、メルトブロー不織布は、溶融した樹脂を多数の
オリフィスを有するダイから押し出すとともに、高温高
速の空気流を吹き出すことにより、溶融状態のポリオレ
フィン繊維を延伸するため、紡糸工程での樹脂劣化が大
きく、製品の引張強度が低下する傾向がある。さらに、
ポリエチレンのような樹脂では紡糸不能のため不織布が
得られないという問題がある。
【0004】最近特にバッテリーセパレータ等の分野に
おいて、微細な孔を多数有するとともに高強度を有する
不織布への需要が高まり、ポリオレフィンのメルトブロ
ー不織布の一層の改善が望まれるようになった。また、
ある種の多糖類等の天然高分子から得られる不織布等も
種々の用途が期待される。
【0005】したがって、本発明の目的は、従来紡糸が
出来ずメルトブロー不織布が得られなかった樹脂あるい
は樹脂組成物から不織布を得る方法及び装置、特に微細
な孔を多数有するために優れた濾過性能を有する不織布
の製造方法及び装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、高分子原料を供給するホッパー
と、溶媒及び/又は可塑剤の供給口とを有するととも
に、先端に複数の紡糸用ノズル及び高速気体噴出口を有
するダイが設けられた押出機を用いて、高分子原料に、
それと相溶性のある溶媒及び/又は可塑剤を高温下でブ
レンドすることによりいわゆるゲル状物を調製し、得ら
れたゲル状物をノズルより押出し、高速気流で延伸して
繊維流を形成し、これを集積して不織布とした後、溶媒
及び/又は可塑剤を除去すれば、繊細な微多孔繊維から
なり、良好な引張強度を有する不織布が得られることを
見出し、本発明に想到した。
【0007】すなわち、微多孔繊維組織を有する不織布
を製造する本発明の装置は、(a) 高分子原料を供給する
ホッパーと、溶媒及び/又は可塑剤の供給口とを有する
とともに、先端に複数の紡糸用ノズル及び高速気体噴出
口を有するダイが設けられた押出機と、(b) 前記ダイの
先端から所定の位置に可動的に設定できる繊維流の集積
装置と、(c) 前記集積装置に集積された繊維よりなる不
織布から前記溶媒及び/又は可塑剤を除去する洗浄装置
とを有することを特徴とする。
【0008】また、微多孔繊維からなる不織布を製造す
る本発明の方法は、上記不織布製造装置を用いて、(1)
高分子およびこれと相溶性のある溶媒及び/又は可塑剤
とをブレンドしてゲル状物を調製し、(2) 前記ゲル状物
をノズルより押出すと同時に高速気流で延伸紡糸したも
のを集積装置にて集積して不織布とし、(3) その後前記
不織布から前記溶媒及び/又は可塑剤を除去することを
特徴とする。
【0009】本発明を以下詳細に説明する。 〔A〕製造装置 本発明の不織布製造装置の一例を図1に概略的に示す。
不織布製造装置は、押出機1と、押出機1に高分子原料
を供給するホッパー21(場合によっては溶媒及び/又は
可塑剤の一部もここから供給することがある)と、溶媒
及び/又は可塑剤(以下「可塑剤」と略す)の1つ又は
2つ以上の供給口22a、22bと、押出機1の先端に設け
られ、多数のノズル31を有するダイ3と、加熱エア供給
管4によりダイ3と接続している加熱エア供給装置5
と、ダイ3の先端から所定の位置に設けられたコレクタ
ーロール6と、洗浄装置7とを有する。
【0010】押出機1は単軸式でも二軸式でもよいが、
均一なゲル状物を得るためには二軸式が好ましい。二軸
式の場合、押出機1の長さ/内径(L/D)比は10以上
であるのが好ましく、特に15〜30であるのが好ましい。
L/D比が10未満であると十分な混練ができない。
【0011】この押出機1に可塑剤の供給口が複数設け
られている場合は、可塑剤を多段で供給し、順次可塑剤
の割合を上げていくことにより、より均一なゲル状物を
得ることができる。図1のように2個の供給口22a、22
bを設けた場合、1つ目の供給口22aの位置はホッパー
21から下流側に向かってL/D比が4以上であるのが好
ましい。
【0012】押出機1には供給口22b とダイ3 との間に
高分子原料と可塑剤とを混練するためのニーディングゾ
ーン23、さらにニーディングディスク(図示せず)を設
けることができる。ニーディングゾーンのL/D比は2
以上であるのが好ましい。
【0013】さらに、押出機1にはニーディングゾーン
23とダイ3との間にベント24が設けられていてもよい。
このベント24からゲル状物中のガスを取り除くことによ
り、オリフィス31からのゲル状物の吐出量を安定化させ
ることができる。
【0014】ダイ3が有するオリフィス31の径は、得ら
れる不織布の繊維径に合わせて設定するのが好ましく、
具体的には200 〜2000μmであるのが好ましい。また、
オリフィス31とコレクターロール6との距離は5〜200
cm、特に10〜100 cmであるのが好ましい。5cm未満で
は、延伸が不充分となり繊維が得られにくい。一方200c
mを超えると、繊維流が乱れてしまうとともに、堆積時
に繊維が完全に固化して、繊維どうしが十分交絡した不
織布を得るのが困難となる。なお、コレクターロール6
には、不織布から可塑剤を回収するサクション装置を設
置してもよい。
【0015】洗浄装置7における洗浄方法としては、不
織布9に洗浄溶剤をシャワーする方法、不織布9を洗浄
溶剤に浸漬し抽出する方法、またはこれらの組合わせに
よる方法等があり、可塑剤を十分に除去できればいかな
る方法を使用した装置であってもよい。なお、本発明の
装置は、洗浄後の不織布9の歪みを取るためのアニーリ
ング装置を有していてもよい。
【0016】〔B〕不織布の原料 不織布とする樹脂としては、エチレン、プロピレン、1-
ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン等の結晶性
オレフィン単独重合体又は共重合体、ポリアミド等のエ
ンジニアリングプラスチックス又はこれらのブレンド物
等の熱可塑性樹脂及びその組成物が挙げられる。これら
の中では特に高密度ポリエチレンが好ましい。またこれ
らのモノマーの多段重合体や混合(ブレンド)組成物も
使用することもできる。
【0017】さらに、これらの原料に重量平均分子量が
7×106 以上の超高分子量成分(例えば超高分子量ポリ
エチレン、超高分子量ポリプロピレン等)を1重量%以
上配合した樹脂組成物を使用することもできる。この場
合、樹脂中に添加する超高分子量成分が1重量%未満で
は、高分子鎖の絡み合いが不十分である。一方、超高分
子量成分の含有率の上限は特に限定的ではないが、100
%に近づくにつれて、添加すべき溶媒及び/又は可塑剤
の量が多くなる。
【0018】なお、上記樹脂には、必要に応じて、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔料、
染料、無機充填材、抗菌剤、脱臭剤、遠赤外線放射剤等
の各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加
することができる。
【0019】また、上記熱可塑性樹脂の他に、マルトト
リオース(一部マルトテトラオース)がα−1,6 グリコ
シド結合で繰り返し結合した直線状のグルカンであるプ
ルラン、β-1,4- ポリ-D- グルコサミンであるキトサ
ン、アルギン酸等の天然高分子も使用することができ
る。なお、本発明で使用するプルランは、製造方法に特
に制限がなく、また分子量についても特に制限がない
が、不織布の強度や成形性の観点から2〜200 万の重量
平均分子量のものが好ましく、より好ましくは5〜100
万の重量平均分子量のものである。キトサンはキチンを
濃アルカリ溶液と加熱して得られる脱アセチル化物であ
り、実用的にはカニやエビの甲羅等から精製できる。
【0020】〔C〕製造方法 上記装置を用いて本発明の不織布を製造するには、最初
にホッパー21から高分子原料(又は高分子原料と可塑剤
の一部)を押出機1に供給し、次いで供給口22a及び22
bから可塑剤を押出機1に供給し、ニーディングゾーン
23で両者を混練する。
【0021】樹脂に添加する可塑剤は、紡糸温度よりも
高い沸点を有する必要がある。これにより紡糸時に可塑
剤が気化するのを防止することができる。
【0022】特に、樹脂としてポリオレフィン樹脂を用
いる場合、樹脂の融点より10℃以上高い沸点を有するも
のが好ましい。また、可塑剤はポリオレフィン樹脂と相
溶性であることが必要である。このような可塑剤として
は、パラフィンワックス類、カプリルアルコール、ラウ
リルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルア
ルコール等の高級脂肪族アルコール等が挙げられる。
【0023】可塑剤の添加量は、超高分子量成分が配合
されていない場合には、樹脂30〜70重量%に対して70〜
30重量%(合計100 重量%)であるのが好ましい。可塑
剤の添加量が70重量%を超えると紡糸性が悪くなり、ま
た30重量%未満であると均一なゲル状物が得にくい。一
方、超高分子量成分が配合されている場合には、その配
合量により大きく異なるが、一般に可塑剤の添加量は、
樹脂100 重量%当たり10〜1000重量%であるのが好まし
い。
【0024】また、上記可塑剤の代わりに(又は可塑剤
とともに)樹脂の融点よりも高い沸点を有する溶媒を使
用することもできる。このような溶媒として流動パラフ
ィンが好ましい。
【0025】押出機1における混練温度は、原料として
用いる高分子原料の種類にもよるが、ポリオレフィン樹
脂の場合は200 〜250 ℃が好ましく、特に210 〜240 ℃
が好ましい。200 ℃未満では溶融粘度が高く繊維径が太
くなり、また250 ℃を超えると酸化のため樹脂が劣化し
生成する繊維がもろくなる。
【0026】可塑剤の添加及び混練によってゲル状物の
粘度を10〜10000 ポイズとするのが好ましく、特に50〜
5000ポイズとするのが好ましい。10ポイズ未満では不織
布を構成する繊維の長さが短くなり、得られる不織布の
強度が低下する。一方10000ポイズを超えると、高温の
加熱ガスが大量に必要となるばかりか、繊維流の乱れを
生じ、得られる不織布の均一性が低下する。
【0027】以上のように押出機1で混練したゲル状物
をダイ3に送る。また、これに伴い高速気体供給装置5
からダイ3へ高速気流を供給する。高速気体の温度は、
樹脂の種類によるが100 〜400 ℃、特に150 〜250 ℃が
好ましい。温度が低すぎるとノズル部がつまり紡糸が難
しく、一方高すぎると、単繊維どうしが広い範囲で融着
して、繊維径のバラツキが生じやすくなる。
【0028】この高速気体によってノズル31からゲル状
物を極細状に吐出し、繊維流8を生成する。ノズル31は
ポリオレフィンを原料樹脂とする場合100 〜250 ℃、特
に120 〜200 ℃の温度に加熱しておくのが好ましい。
【0029】高速気体(エア)の噴射量は、ゲル状物1
g/hole/minに対して0.01Nm3 /hr以上、特に0.02〜
0.1 Nm3 /hrであるのが好ましい。エアの噴射量が
0.01Nm3 /hr未満では、形成される繊維の引張強度
が低いため好ましくない。
【0030】このように生成した繊維流8を回転するコ
レクターロール6上に集積し、不織布9とする。コレク
ターロール6は、原料によって適した温度(ポリオレフ
ィンの場合100 ℃以上、特に110 〜150 ℃)に設定して
おくのが好ましい。
【0031】得られた不織布9を洗浄装置7に送り、可
塑剤を除去する。ここで使用することのできる洗浄溶剤
としては、使用した可塑剤の種類にあわせペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン等の炭化水素、塩化メチレン、四塩化
炭素等の塩素化炭化水素、三フッ化エタン等のフッ化炭
化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類
等の易揮発性のものあるいは水等が挙げられる。
【0032】上記洗浄は不織布9中の残留可塑剤が1%
未満になるまで行う。その後不織布9を乾燥し、洗浄溶
媒を蒸発させる。乾燥方法は、加熱乾燥、熱風による風
燥、加熱ロールに接触させる、加熱媒体に浸漬する等の
方法で行うことができる。洗浄後の不織布9に対して
は、原料樹脂の軟化点±40℃の温度範囲でアニーリング
を行い、歪みを取るのが好ましい。
【0033】〔D〕不織布 (1) 構成 以上のような製造方法によって得られる不織布は、平均
繊維径が50μm以下、好ましくは0.5 〜20μmである。
平均繊維径が50μmを超えると、目付の変動が大きくな
り、濾過材等として使用する時の信頼性が低下する。平
均繊維径が50μm以下の繊維内には微細な孔が形成され
ているので、このような繊維からなる不織布は良好な濾
過性能を示す。
【0034】不織布の厚さは、用途に応じて適宜選択し
うるが、10〜1000μmであるのが好ましく、特に20〜50
0 μmであるのが好ましい。また、目付は1〜150 g/
2であるのが好ましく、特に5〜50g/m2 であるの
が好ましい。
【0035】(2) 物性 不織布の物性は、高分子原料樹脂にもよるが、ポリオレ
フィン不織布では引張強度が250 g/25mm 幅以上である
のが好ましく、特に500 g/25mm 幅であるのが好まし
い。引張強度が250 g/25mm 幅未満では、用途によって
は不適な場合がある。また微多孔繊維からなるため、良
好な濾過性能を有する。
【0036】
【作用】本発明の方法では、溶媒及び/又は可塑剤を混
入した樹脂をブロー紡糸し、集積して不織布とした後、
溶媒及び/又は可塑剤を抽出除去するため、得られる不
織布は微多孔化している。この理由については、以下の
通りであると考えられる。
【0037】(1) ブロー紡糸により各繊維は大きく延伸
されるが、各繊維はゲル状物からなっているので、延伸
により結晶化した組織には、溶媒及び/又は可塑剤が入
り込んだ微細な孔が生じることになる。
【0038】(2) その溶媒及び/又は可塑剤を抽出によ
り除去すると、微細な空孔が多数生じ、全体として微多
孔繊維となる。
【0039】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0040】実施例1 重量平均分子量(Mw)が2×106 の超高分子量ポリエ
チレン5重量部と、重量平均分子量(Mw)が 2.4×10
5 の高密度ポリエチレン14重量部とを混合して図1の押
出機1に供給し、かつ供給口22a、22bから二段で流動
パラフィン(60cst/40℃)81重量部を添加し、回転数
を200 rpm に設定した二軸押出機を用いて200 ℃の温度
で混練した。
【0041】得られたゲル状物をダイ3に送り、200 ℃
の温度及び0.05Nm3 /hrの噴射量の加熱エアによっ
て、190 ℃のノズル31から噴射した。生成した繊維流
を、40℃のコレクターロール6に集積し、厚さが200 μ
mの不織布とした。
【0042】この不織布に塩化メチレンをシャワーして
流動パラフィンを除去し、60℃で乾燥した後、70℃でア
ニーリングを行った。得られたポリエチレン不織布を、
SEMによって観察したところ、微多孔化していること
が分かった。次いで、この不織布の平均繊維径及び目付
について測定した。結果をゲル状物の組成とともに表1
に示す。
【0043】なお、図1に示す装置の概要は以下の通り
である。 押出機1のL/D:30 供給口22aの位置(ホッパー21からのL/D):12 供給口22bの位置(ホッパー21からのL/D):15 ニーディングゾーン23のL/D:5 ニーディングゾーン23中の各ニーディングディスクのL
/D:5 ベントの位置(ホッパー21からのL/D):22 ノズル径:0.3 mm オリフィスとコレクターロールとの距離:40cm
【0044】実施例2 重量平均分子量(Mw)が 2.4×105 の高密度ポリエチ
レン20重量部に実施例1と同様にして流動パラフィン
(60cst/40℃)80重量部を添加し、得られたゲル状物
から実施例1と同様にしてポリプロピレン不織布を作製
した。得られたポリプロピレン不織布の平均繊維径及び
目付を、ゲル状物の組成とともに表1に示す。
【0045】実施例3 重量平均分子量(Mw)が2.5 ×106 の超高分子量ポリ
プロピレン5重量部と、重量平均分子量(Mw)が3×
105 のポリプロピレン14重量部とを混合して、実施例1
と同様にして流動パラフィン(60cst/40℃)81重量部を
添加し、回転数を200rpmに設定した二軸押出機を用いて
230 ℃の温度で混練した。得られたゲル状物から実施例
1と同様にしてポリエチレン不織布を作製した。得られ
たポリエチレン不織布の平均繊維径及び目付を、ゲル状
物の組成とともに表1に示す。
【0046】実施例4 重量平均分子量(Mw)が1×105 のキトサン20重量部
を実施例1と同様にして流動パラフィン(60cst/40℃)
80重量部と混合し、回転数を200rpmに設定した二軸押出
機を用いて40℃の温度で混練した。得られたゲル状物か
ら実施例1と同様にしてキトサン不織布を作製した。得
られたキトサン不織布の平均繊維径及び目付を、ゲル状
物の組成とともに表1に示す。
【0047】実施例5 重量平均分子量(Mw)が2×105 のプルラン30重量部
を実施例1と同様にして水/エタノールの混合溶媒
(1:1)70重量部と混合し、回転数を200rpmに設定し
た二軸押出機を用いて30℃の温度で混練した。得られた
ゲル状物から実施例1と同様にしてプルラン不織布を作
製した。得られたプルラン不織布の平均繊維径及び目付
を、ゲル状物の組成とともに表1に示す。
【0048】 表 1 例No. 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 ゲル状組成物の組成(重量部) 超高分子量PE(1) 5 − − − − 高密度PE(2) 14 20 − − − 超高分子量PP(3) − − 5 − − PP(4) − − 14 − − キトサン(5) − − − 20 − プルラン(6) − − − − 30 可塑剤等 流動パラフィン(7) 81 80 81 − − クエン酸 − − − 80 − 水/エタノール(8) − − − − 70 製造条件(各部の温度(℃)) ノズル 190 190 190 60 60 集積 40 40 40 150 150 アニーリング 70 − 70 − − 不織布の性状 目付(g/m2 ) 16 20 19 20 16 平均繊維径(μm) 5 6 6 5 5 注)(1) 超高分子量ポリエチレン(重量平均分子量2×
106 ) (2) 高密度ポリエチレン(重量平均分子量2.4 ×105 ) (3) 超高分子量ポリプロピレン(重量平均分子量2.5 ×
106 ) (4) ポリプロピレン(重量平均分子量3×105 ) (5) キトサン(重量平均分子量1×105 、焼津水産
(株)製) (6) プルラン(重量平均分子量2×105 、林原研究所
(株)製) (7) 粘度:60cst/40℃ (8) :1:1の混合液
【0049】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明により、
高分子樹脂に、それと相溶性のある溶媒及び/又は可塑
剤をブレンドすることにより、いわゆるゲル状物を調製
し、得られたゲル状物をノズルより押出し、高速気流で
延伸して繊維流を形成し、これを集積して不織布とし、
その後溶媒及び/又は可塑剤を除去しているので、繊細
な微多孔繊維からなり、良好な引張強度を有する不織布
を製造することができる。
【0050】このような本発明の方法によって製造した
不織布は、電池用セパレータ、耐熱フィルター等の各種
の分野に使用する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不織布の製造装置の一例を示す概略図
である。
【符号の説明】
1・・・押出機 21・・・ホッパー 22a、22b・・・供給口 23・・・ニーディングゾーン 24・・・ベント 3・・・ダイ 31・・・ノズル 4・・・高速気流輸送管 5・・・高速気体供給装置 6・・・コレクターロール 7・・・洗浄装置 8・・・繊維流 9・・・不織布

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 高分子原料を供給するホッパーと、
    溶媒及び/又は可塑剤の供給口とを有するとともに、先
    端に複数の紡糸用ノズル及び高速気体噴出口を有するダ
    イが設けられた押出機と、(b) 前記ダイの先端から所定
    の位置に可動的に設定できる繊維流の集積装置と、(c)
    前記集積装置に集積された繊維よりなる不織布から前記
    溶媒及び/又は可塑剤を除去する洗浄装置とを有するこ
    とを特徴とする微多孔繊維からなる不織布を製造する装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の不織布製造装置を用い
    て、(1) 高分子およびこれと相溶性のある溶媒及び/又
    は可塑剤とをブレンドしてゲル状物を調製し、(2) 前記
    ゲル状物をノズルより押出すと同時に高速気流で延伸紡
    糸したものを集積装置にて集積して不織布とし、(3) そ
    の後前記不織布から前記溶媒及び/又は可塑剤を除去す
    ることを特徴とする微多孔繊維組織を有する不織布を製
    造する方法。
  3. 【請求項3】 溶媒及び/又は可塑剤の供給口とダイと
    の間に、下記条件: L/D≧2 (ただし、Lはニーディングゾーンの長さ(単位:m
    m)を表し、Dは押出機シリンダーの内径(単位:m
    m)を表す。)を満たすニーディングゾーンを有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の不織布の製造装置。
  4. 【請求項4】 溶媒及び/又は可塑剤の供給口とダイと
    の間に、下記条件: L/D≧2 (ただし、Lはニーディングゾーンの長さ(単位:m
    m)を表し、Dは押出機シリンダーの内径(単位:m
    m)を表す。)を満たすニーディングゾーンを有する押
    出機を使用することを特徴とする請求項2に記載の不織
    布の製造方法。
JP6157994A 1994-06-16 1994-06-16 不織布の製造方法及び装置 Pending JPH083854A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016145431A (ja) * 2015-02-06 2016-08-12 トヨタ紡織株式会社 メルトブロー方法及びメルトブロー装置

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