JPH0838507A - 手術器具の位置表示装置 - Google Patents

手術器具の位置表示装置

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JPH0838507A
JPH0838507A JP6197890A JP19789094A JPH0838507A JP H0838507 A JPH0838507 A JP H0838507A JP 6197890 A JP6197890 A JP 6197890A JP 19789094 A JP19789094 A JP 19789094A JP H0838507 A JPH0838507 A JP H0838507A
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JP
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real space
vector
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JP6197890A
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English (en)
Inventor
Shoichi Okamura
昇一 岡村
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャリブレーション時の術者や操作者の負担
を軽減することができる手術器具の位置表示装置を提供
する。 【構成】 画像空間座標値メモリ11は、断層像に描出
された各マーカーP1 〜P4 の画像空間座標値群を記憶
する。実空間座標値メモリ12は、キャリブレーション
時に指示された順序で各マーカーの実空間座標値群を記
憶するとともにマーカーの個数に応じて得られる順列組
合せの数だけ前記座標値群の順序を並べ変えて記憶す
る。ベクトル演算部13は、前記メモリ11,12中の
座標値からベクトル群を生成し、ノーマライズ部14が
ベクトル群を比較できるように操作する。対応度算出部
15は、ノーマライズされた画像空間ベクトル群と実空
間ベクトル群のノルムの総和を求めて対応度とする。こ
の対応度が最小となった実空間座標値群と画像空間座標
値群とから、変換値算出部16が変換値を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、手術ナビゲーション
システムとも呼ばれ、外科手術や生体サンプル採取のた
めに被検体内に吸引管などの手術器具を差し入れた際
に、その手術器具が被検体内のどの位置にあるかを表示
する装置に係り、特に、断層像撮影装置の固有の画像空
間座標で表され、手術前に収集したX線CT像、MRI
像、あるいはX線透視画像上の位置と、実空間座標で表
される術中の手術器具の位置とを、被検体の体表面に取
り付けた複数個のマーカーを手術器具の先端部で指示す
ることによって関連付ける、いわゆるキャリブレーショ
ンを行ってから前記画像上に手術器具の位置を重ね合わ
せ表示する手術器具の位置表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】予め収集しておいた断層像上に、術中の
手術器具の位置を重ね合わせ表示する手術器具の位置表
示装置としては、例えば、以下に示すようなものがあ
る。 (1)NEURO-NAVIGATOR(「Three Dimensional Digitize
r(Neuronavigator):New Equipment Computed Tomograph
y-Guided Stereotaxic Surgery」:E.Watanabeet al.:Su
rg Neurol 1987;27:p543-p547) (2)「医療用三次元定位装置」(特開平03−106
359号公報) (3)「定位脳手術支援装置」(特開平03−2670
54号公報) (4)「体内三次元位置表示装置」(特開平03−28
4253号公報)
【0003】これらの装置では、まず、X線CT装置や
MRI装置などの断層像撮影装置を使用して、手術前に
予め関心部位の位置ごとに断層像を撮影する。このとき
被検体の関心部位には複数個のマーカーを取り付けてお
き、これとともに断層像を撮影する。この断層像は、断
層像撮影装置の固有の画像空間座標で画像記憶部に格納
される。さらに、画像記憶部に格納された断層像は所定
の順序でモニタに表示され、そのとき断層像上に描出さ
れたマーカーを術者などが指示することによって断層像
上の各マーカーの画像空間座標値が指示された順序で画
像空間座標値記憶部に記憶される。
【0004】そして手術前には、格納した断層像上の位
置と、手術器具の位置表示装置による手術器具の〔実空
間座標で表される〕位置とを関連付けるキャリブレーシ
ョンを行う。このキャリブレーションは、被検体の体表
面に取り付けたマーカーを介して行われ、被検体の体表
面の複数個のマーカーを手術器具の先端部で指示したと
きの各実空間座標値と、画像空間座標値記憶部の各マー
カーの画像空間座標値とに基づいて、手術器具の位置を
示す実空間座標値を断層像上の画像空間座標値に変換す
るための変換値を算出することによって行われる。
【0005】そして術中には、位置検出部からの手術器
具の実空間座標値と方向とからなる位置情報を、前記変
換値で画像空間座標値に変換(変換位置情報)し、この
変換位置情報に応じた断層像上に手術器具の位置を示す
所定パターンを重ね合わせて表示する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、正確にキャリブレーションを行うため
には、複数個のマーカーの画像空間座標値と実空間座標
値とを正確に関連付ける必要がある。したがって画像空
間座標値記憶部に記憶されている画像上の複数個のマー
カーの画像空間座標値の記憶順序に従って、体表面に取
り付けられた複数個のマーカーを手術器具の先端部で指
示する必要がある。このように体表面に取り付けられた
マーカーを画像空間座標値記憶部の記憶順序にしたがっ
て順次に指示するためには、予め断層像を撮影する際に
各マーカーに名前や記号を付けておき、画像空間座標値
記憶部に各画像空間座標値を記憶した順序をその名前や
記号でメモなどに記録しておくか、術者やキャリブレー
ションの操作者が記憶しておく必要がある。このメモへ
の記録などは手術に直接関連のない作業であるので、操
作者や術者にとっては煩わしく負担となる。なお、この
キャリブレーションが正確に行われなかった場合には、
手術器具の位置が正確に断層像上に表示されないという
問題点がある。
【0007】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、キャリブレーション時の術者や操作
者の負担を軽減しつつ、正確なキャリブレーションを行
うことによって手術器具の位置を正確に断層像上に表示
することができる手術器具の位置表示装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明に係る手術器具の位置表示装置は、被検体
の体表面に取り付けた複数個のマーカーとともに、断層
像撮影装置の固有の画像空間座標で、断層像の画像デー
タを予め記憶する画像記憶手段と、手術器具の位置情報
(実空間座標値,方向)を順次出力する位置検出手段
と、手術に先立って前記位置検出手段からの実空間座標
値と前記画像記憶手段の断層像から得られる画像空間座
標値とに基づいて前記位置検出手段からの位置情報を画
像空間座標値に変換するための変換値を算出する変換値
算出手段と、術中に前記位置検出手段からの位置情報を
変換して出力する位置変換手段と、前記位置変換手段か
らの変換位置情報に応じた画像データを前記画像選択手
段から選択する画像選択手段と、前記選択された画像上
の、術中の変換位置情報の示す位置に、手術器具の位置
を示す所定パターンを重ね合わせる画像合成手段と、前
記画像合成手段によって合成された画像を表示する表示
手段とを備えた手術器具の位置表示装置において、
(a)前記画像記憶手段に記憶されている断層像の画像
データから、複数個のマーカーの画像空間座標値を任意
の順序で記憶(画像空間座標値群)する画像空間座標値
記憶手段と、(b)前記手術器具の先端部で前記各マー
カーを任意の順序で指示した際に、前記位置検出手段か
ら出力される位置情報の実空間座標値を順次に記憶(実
空間座標値群)するとともに、マーカーの個数に応じて
得られる順列組合せの数だけ前記実空間座標値群の順序
を並べ変えて、前記順序とは異なる実空間座標値群を新
たに記憶する実空間座標値記憶手段と、(c)前記画像
空間座標値記憶手段に記憶されている画像空間座標値群
の先頭の画像空間座標値から他の画像空間座標値へのベ
クトル(画像空間ベクトル群)を算出するとともに、前
記実空間座標値記憶手段に記憶されている各実空間座標
値群のそれぞれの先頭の実空間座標値から他の実空間座
標値へのベクトル(実空間ベクトル群)を算出するベク
トル演算手段と、(d)前記画像空間ベクトル群の起点
と前記各実空間ベクトル群のそれぞれの起点とを一致さ
せるとともに、一組の対応するベクトル同士の方向を一
致させ、かつ前記一組のベクトル同士とは異なる一組の
対応するベクトル同士を前記ベクトルを含む面内に回転
移動させる操作を含むノーマライズを行うノーマライズ
手段と、(e)前記ノーマライズされた画像空間ベクト
ル群と前記ノーマライズされた各実空間ベクトル群との
対応するベクトル同士の差分(差分ベクトル群)を求
め、前記各差分ベクトル群のそれぞれについてノルムの
総和を対応度として算出する対応度算出手段と、を備え
るとともに、(f)前記変換値算出手段は、前記各対応
度のうち最小の対応度をもつ実空間ベクトル群に対応す
る実空間座標値群と前記画像空間座標値群とに基づい
て、変換値を算出することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】この発明の作用は次のとおりである。複数個の
マーカーとともに撮影された断層像は、画像記憶手段に
記憶され、断層像に描出されている各マーカーの画像空
間座標値が、任意の順序で画像空間座標値記憶手段に記
憶される。まず、手術器具の先端部で被検体の体表面に
取り付けられた各マーカーを任意の順序で指示すると、
位置検出手段から順次出力された実空間座標値が実空間
座標値記憶手段に記憶される。実空間座標値記憶手段
は、マーカーの個数に応じて得られる順列組合せの数だ
け記憶した実空間座標値群の順序を並べ変えて、記憶さ
れている実空間座標値群の順序とは異なる実空間座標値
群を新たに記憶する。このように任意の順序でマーカー
を指示して得られた実空間座標値群に加えて、マーカー
の個数に応じて得られる順列組合せの数だけ新たに実空
間座標値群を記憶するので、各実空間座標値群のなかに
は画像空間座標値記憶手段に記憶されている画像空間座
標値群の順序と同じになる実空間座標値群を含むことに
なる。
【0010】次に、ベクトル演算手段は、画像空間座標
値記憶手段に記憶されている画像空間座標値群の先頭の
画像空間座標値から、他の画像空間座標値へのベクトル
(画像空間ベクトル群)を算出するとともに、実空間座
標値記憶手段に記憶されている各実空間座標値群のそれ
ぞれの先頭の実空間座標値から他の実空間座標値へのベ
クトル(実空間ベクトル群)を算出する。これにより画
像空間ベクトル群と各実空間ベクトル群の各ベクトル
は、その起点がそれぞれの先頭の座標値となる。そして
ノーマライズ手段は、以下に述べるノーマライズを行
う。まず、画像空間ベクトル群の起点と、各実空間ベク
トル群のそれぞれの起点とを一致させる。そして、画像
空間ベクトル群と実空間ベクトル群との一組の対応する
ベクトル同士の方向を一致させ、かつ前記一組の対応す
るベクトル同士とは異なる一対の対応するベクトル同士
を前記ベクトルを含む面内に回転移動させる。例えば、
4個のマーカーを三角錐を形成するように被検体に取り
付けた場合には、三角錐の〔ベクトルの起点に相当す
る〕頂点同士が一致し、さらに一辺と一側面が一致した
状態である。したがって、このノーマライズによって、
それぞれ異なる起点を有し、かつそれぞれ異なる方向へ
向かっていた画像空間ベクトル群で形成される空間図形
と実空間ベクトル群で形成される空間図形との相似性を
比較することができる。
【0011】次に、対応度算出手段はノーマライズされ
た画像空間ベクトル群とノーマライズされた各実空間ベ
クトル群との対応するベクトル同士の差分(差分ベクト
ル群)を求め、さらに各差分ベクトル群のそれぞれにつ
いてノルム(差分ベクトルの長さに相当)の総和を求め
る。そして、このノルムの総和を各実空間ベクトル群の
画像空間ベクトルへの対応度とする。この対応度は、小
さいほど上記の相似性が良いことを示す。そして、変換
値算出手段は、各対応度のうち最小の対応度((相似性
が良い)をもつ実空間ベクトル群に対応する実空間座標
値群と、画像空間座標値群とに基づいて、実空間座標値
を画像空間座標値に変換する変換値を算出する。このよ
うに対応度が最小の実空間ベクトル群を選択すること
は、画像空間座標値記憶手段に記憶されている画像空間
座標値群と同じ順序となる実空間座標値群を実空間座標
値記憶手段のなかから選択することである。したがっ
て、記憶順序が一致した画像空間座標値群と実空間座標
値群とから変換値を算出するので、術中の位置検出手段
からの実空間座標値を含む位置情報を画像空間座標値に
正確に変換することができる。
【0012】術中には、実空間座標値を含む位置情報が
位置検出手段から順次出力され、この位置情報は位置変
換手段によって画像空間座標値を含む変換位置情報に変
換される。そして画像選択手段により変換位置情報に応
じた画像データが画像記憶手段から選択される。選択さ
れた画像データによって構成される断層像上には、変換
位置情報の示す位置に手術器具の位置を示す所定パター
ンが画像合成手段によって合成されて表示手段に表示さ
れる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。図1は、この発明に係る手術器具の位置表示
装置の一実施例の概略構成を示す図である。
【0014】図中、符号1は被検体Mが載せられた手術
台である。符号2は、手術中に術者によって被検体Mに
差し入れられる手術器具である。手術台1上には3次元
方向にそれぞれ磁界を発生させる磁気ソース3aが、被
検体Mとの相対位置が変化しないように配備されてい
る。なお、この磁気ソース3aは被検体M自身に取付け
固定されてもよい。手術器具2には磁気ソース3aから
発生された3次元の磁界を検出する磁気センサ3bが取
付けられている。なお、この手術器具2は、手術におい
て関心部位に直接作用しない単なる器具も含んでいる。
例えば、切開した関心部位内に現れた腫瘍などが関心部
位内のどの位置にあるのかを確認するための棒状の指示
器具も含むものとする。
【0015】図2に示すように、磁気ソース3aは、3
次元方向X,Y,Zにそれぞれ磁界を発生させる3つの
コイル3aX,3aY,3aZから構成されている。磁気ソー
ス3aは駆動回路4に接続され、この駆動回路4から交
流電流を与えられることにより3次元の磁界Hを発生す
る。磁気センサ3bも同様に、互いに直交した3つのコ
イル3bX,3bY,3bZから構成されている。磁気センサ
3bは、検出回路5に接続されている。この検出回路5
は、各コイル3bX,3bY,3bZからの検出信号を増幅し
て、適宜のデジタル信号に変換した位置データを出力す
る。磁気ソース3a、磁気センサ3b、駆動回路4、検
出回路5、および後述する位置算出部9は、この発明に
おける位置検出手段に相当する。
【0016】画像処理コンピュータ8は、主として手術
器具2の位置算出、後述するキャリブレーション、位置
情報に応じた画像の選択、選択された画像上への手術器
具2のパターンの合成を行うものである。その内部構成
を機能的に大別すると、位置算出部9、キャリブレーシ
ョン部10、位置変換部20、画像選択部21、画像合
成部23となる。
【0017】位置算出部9は、検出回路5からの位置デ
ータに基づいて、磁気センサ3bの3次元位置(実空間
座標値)および方向を算出し、これを位置情報として順
次出力する。なお、上述した磁気ソース3aおよび磁気
センサ3bを使って磁気センサ3bの実空間座標値およ
び方向を算出する手法は、例えば、特開平3−2670
54号公報によって知られているので、ここでの説明は
省略する。位置変換部20は、後述するキャリブレーシ
ョン部10で求められた変換値によって位置算出部9か
らの位置情報を変換する。なお、位置変換部20は、こ
の発明における位置変換手段に相当する。
【0018】画像選択部21は、位置変換部20からの
変換位置情報(実空間座標値から画像空間座標値に変換
された位置情報)に基づき、画像メモリ22から所要の
断層像の画像データを選択するもので、この発明におけ
る画像選択手段に相当する。画像メモリ22は、被検体
Mの関心部位ごとに関心部位の断層像の画像データを記
憶するものであり、この発明における画像記憶手段に相
当する。
【0019】画像合成部23は、画像選択部21によっ
て選択された画像上の、位置変換部20によって求めら
れた変換位置情報の示す位置に手術器具2の位置を示す
所定パターンを重ね合わせる。画像合成部23は、この
発明における画像合成手段に相当する。画像合成部23
で合成された画像は、この発明における表示手段に相当
するモニタ24に与えられる。
【0020】ここでキャリブレーション部10について
説明する。このキャリブレーション部10は、MRI装
置やX線CT装置などの断層像撮影装置によってマーカ
ーとともに撮影された断層像上の各マーカーの画像空間
座標と、磁気ソース3aを基準とする各マーカーの実空
間座標の異なる座標系間の対応付けを行うものである。
このキャリブレーション部10の構成を大別すると画像
空間座標値メモリ11、実空間座標値メモリ12、ベク
トル演算部13、ノーマライズ部14、対応度算出部1
5、変換値算出部16となる。
【0021】画像空間座標値メモリ11は、画像メモリ
22に記憶されている断層像に描出されている各マーカ
ーの座標を、図示しない指示部によって指示された順序
で、かつ断層像撮影装置に固有の座標系(画像空間座
標)で記憶する。実空間座標値メモリ12は、手術器具
2の先端部で被検体Mの体表面に取り付けられた各マー
カーを指示した際に、位置算出部9からの位置情報のう
ち実空間座標値を指示した順序で記憶する(実空間座標
値群)。さらに、マーカーの個数に応じて得られる順列
組合せの数だけ前記実空間座標値群中の実空間座標値を
並べ変えて、記憶したときの順序とは異なる実空間座標
値群を新たに記憶する。なお、画像空間座標値メモリ1
1と実空間座標値メモリ12は、それぞれこの発明の画
像空間座標値記憶手段と実空間座標値記憶手段に相当す
る。
【0022】ベクトル演算部13は、画像空間座標値メ
モリ11に記憶されている画像空間座標値群の先頭の画
像空間座標値から他の画像空間座標値へのベクトル(画
像空間ベクトル群)を算出する。さらに、実空間座標値
メモリ12に記憶されている各実空間座標値群のそれぞ
れの先頭の実空間座標値から他の実空間座標値へのベク
トル(実空間ベクトル群)を算出する。なお、ベクトル
演算部13は、この発明におけるベクトル演算手段に相
当する。
【0023】ノーマライズ部14は、ベクトル演算部1
3によって算出された画像空間ベクトル群の起点と、同
様に算出された各実空間ベクトル群のそれぞれの起点と
を一致させるとともに、一組の対応するベクトル同士の
方向を一致させ、かつ前記一組のベクトル同士とは異な
る一組の対応するベクトル同士を前記ベクトルを含む面
内に回転移動させる操作を含むノーマライズを行う。こ
れは起点が異なり、さらに異なる方向を向いているベク
トル群によって構成される空間図形を比較できるように
するための操作である。なお、ノーマライズ部14は、
この発明におけるノーマライズ手段に相当する。
【0024】対応度算出部15は、ノーマライズ部14
によってノーマライズされた画像空間ベクトル群と、同
様にノーマライズされた各実空間ベクトル群との対応す
るベクトル同士の差分(差分ベクトル群)を求め、これ
らの各差分ベクトル群についてノルムの総和を対応度と
して算出する。ここでノルムとは、差分ベクトル群の各
差分ベクトルの長さを示している。なお、対応度算出部
15は、この発明における対応度算出手段に相当する。
【0025】変換値算出部16は、対応度算出部15で
算出された各対応度のうち最小の対応度をもつ実空間ベ
クトル群に対応する実空間座標値群と画像空間座標値群
とに基づいて、位置算出部9からの位置情報を画像空間
座標値に変換するための変換値を算出する。なお、変換
値算出部16は、この発明における変換値算出手段に相
当する。
【0026】次に、図3のフローチャートおよび図4な
いし図19を参照して、断層像の収集およびキャリブレ
ーションについて説明する。
【0027】まず、ステップS1では、断層像の収集を
行う。この例では、関心部位を被検体Mの頭部とし、こ
の体表面の適宜の位置に、好ましくは三角錐を形成する
ように4個のマーカーP1 〜P4 を取り付ける(図4参
照)。この例では頭頂部にマーカーP1 を、鼻根部にマ
ーカーP2 を、そして両耳の下部にマーカーP3 ,P4
を取り付けている。これらのマーカーP1 〜P4 を含む
関心部位を対象にして、MRI装置などの固有の画像空
間を有する断層像撮影装置によって複数のスライス面S
1 〜Sn の断層像を撮影する。この撮影された断層像I
1 〜In は、スライス面が画像空間でのXMRI −YMRI
面であり、画像メモリ22に固有の画像空間座標(X
MRI ,YMRI ,ZMRI )で記憶される(図5参照)。な
お、関心部位に取り付けるマーカーの個数は、3個であ
ってもよい。
【0028】ステップS2では、断層像に描出されてい
る各マーカーP1 〜P4 の座標を記憶する。具体的に
は、画像メモリ22に記憶されている断層像I1 〜In
をモニタ24に順次表示し、これらの断層像I1 〜In
に描出されている各マーカーP1 〜P4 の座標を図示し
ない指示部を介して操作者が指示する。そして指示され
た順に各マーカーP1 〜P4 の画像空間座標値が画像空
間座標値メモリ11に記憶される。この例では、マーカ
ーP1 ,P2 ,P3 ,P4 の順に指示したものとし、そ
れぞれの画像空間座標値G1 (XMRI1,YMRI1
MRI1),G2 (XMRI2,YMRI2,ZMRI2),G3 (X
MRI3,YMRI3,ZMRI3),G4 (XMRI4,YMRI4,Z
MRI4)の画像空間座標値群C0 が画像空間座標値メモリ
11に記憶される(図6参照)。
【0029】ステップS3では、体表面のマーカーP1
〜P4 の座標を記憶する。具体的には、手術器具2の先
端部で体表面の各マーカーP1 〜P4 を任意の順序で
(例えば、指示し易い順序で)指示する。そして各マー
カーを指示する毎に、図示しない指示部を介してそのと
きの位置算出部9からの位置情報(磁気ソース3aを基
準とした実空間座標値と方向を含む)の実空間座標値を
実空間座標値メモリ12に記憶させる。この例では、ま
ず、術者が被検体Mの右側に立ってマーカーP1,P3
を指示し、次いで被検体Mの左側に立ってマーカー
2 ,P4 を指示したとする。すると実空間座標値メモ
リ12には、マーカーP1 の実空間座標値R1(X1
1 ,Z1 )、マーカーP3 の実空間座標値R
2 (X2 ,Y2 ,Z2 )、マーカーP2 の実空間座標値
3 (X3 ,Y3 ,Z3 )、マーカーP4 の実空間座標
値R4 (X4 ,Y4 ,Z4 )の実空間座標値群C1 が記
憶される(図7参照)。
【0030】ステップS4では、体表面のマーカーの座
標記憶順序を、マーカーの個数に応じた順列組合せの数
だけ並べ変える。具体的には、マーカーの個数である4
個に応じて(すなわち、24通り)実空間座標値メモリ
12に記憶されている実空間座標値群C1 の実空間座標
値の記憶順序を並べ変え、実空間座標値群C1 とは異な
る実空間座標値群C2 〜C24を新たに実空間座標値メモ
リ12に記憶する(図8参照)。このように任意の順序
で各マーカーを指示して得られた実空間座標値群C1
加えて、マーカーの個数に応じて得られる順列組合せの
数だけ新たに実空間座標値群C2 〜C24を記憶すること
によって、各実空間座標値群C1 〜C24のなかには画像
空間座標値群C0 の順序と同じになる実空間座標値群
(この例ではC3 )を含むことになる。
【0031】ステップS5では、ベクトルの生成を行
う。具体的には、画像空間座標値メモリ11に記憶され
ている画像空間座標値群C0 および実空間座標値メモリ
12に記憶されている実空間座標値群C1 〜C24につい
てベクトル演算部13がベクトルを算出する。すなわ
ち、画像空間座標値群C0 の先頭の画像空間座標値G1
から、他の画像空間座標値G2 〜G4 へのベクトルを算
出するとともに、各実空間座標値群C1,2 ,………C
24のそれぞれの先頭の実空間座標値から、他の実空間座
標値へのベクトルを算出する。
【0032】まず、画像空間座標値群C0 から算出され
るベクトル(画像空間ベクトル群vC0 )は、〔マーカ
ーの個数が4個であるのでベクトルは3つ算出され、そ
れぞれ〕以下のようにして算出される。これを模式図で
示すと図9に示すようになる。なお、ここで符号の前に
付した記号vは、その符号がベクトルであることを示
し、ベクトルを“終点の座標−起点の座標”で表す。 画像空間ベクトル群vC0 vα1 =G2 (XMRI2, MRI2, MRI2) −G1 (XMRI1,
MRI1, MRI1) vα2 =G3(XMRI3, MRI3, MRI3)−G1(XMRI1,
MRI1, MRI1) vα3 =G4(XMRI4, MRI4, MRI4)−G1(XMRI1,
MRI1, MRI1) そして、実空間座標値群C1 〜C24から算出されるベク
トル(実空間ベクトル群vC1 〜vC24)は、以下のよ
うにして算出される。このうち実空間ベクトル群v
1 ,vC3 ,vC24を模式図で示すとそれぞれ図1
0,図11,図12のようになる。 実空間ベクトル群vC1 vβ1 =R2 (X2,2,2 ) −R1 (X1,1,1 ) vβ2 =R3(X3,3,3 )−R1(X1,1,1 ) vβ3 =R4(X4,4,4 )−R1(X1,1,1 ) 実空間ベクトル群vC2 ……… 実空間ベクトル群vC3 vβ1 =R3 (X3,3,3 ) −R1 (X1,1,1 ) vβ2 =R2(X2,2,2 )−R1(X1,1,1 ) vβ3 =R4(X4,4,4 )−R1(X1,1,1 ) … … … 実空間ベクトル群vC24 vβ1 =R3 (X3,3,3 ) −R4 (X4,4,4 ) vβ2 =R2(X2,2,2 )−R4(X4,4,4 ) vβ3 =R1(X1,1,1 )−R4(X4,4,4
【0033】ステップS6では、ステップS5で算出し
たベクトルのノーマライズをノーマライズ部14が行
う。このノーマライズは、全く別々の方向に向いた画像
空間ベクトル群vC0 と各実空間ベクトルvC1 〜vC
24とを比較できるように、その起点と方向とを位置合わ
せするものである。
【0034】このノーマライズは、以下の手順で行う。
なお、以下のベクトル操作は、ベクトル群中の位置関係
を変えることなく行う。 画像空間ベクトル群vC0 と各実空間ベクトルvC1
〜vC24の一組の対応するベクトル同士(vα1 とvβ
1 、vα2 とvβ2 、vα3 とvβ3 )の起点が一致す
るように、かつ、方向が一致するようにベクトル群を回
転移動する。すなわち、両ベクトルを同一直線上に位置
させる。なお、この実施例では、同一直線上をZ
MRI (Z)軸上とし、ここに両ベクトルを回転移動す
る。 での一組の対応するベクトルとは異なる一組の対応
するベクトル(例えば、でvα1 とvβ1 の起点およ
び方向を一致させたときは、vα2 とvβ2 、vα3
vβ3 のうちどちらかの一組のベクトル)を、のベク
トル同士を含む面内にのベクトル同士を軸として回転
移動させる。なお、この実施例では、面をZMRI −X
MRI (Z−X)面とし、ベクトルをvα2 とvβ2 とし
てその面にこれらのベクトルを回転移動する。
【0035】ここでの回転移動は、画像空間ベクトル
vαを例に採って説明すると、 vα’=A・vα で表すことができる。但し、ここでAは変換行列であ
り、次の数式1に示す行列で定義される。ここでφ,
ψ,θはオイラー角であり、それぞれ〔Z軸回りの回転
角度を示す〕方位角(azimuth )、〔φによって回転し
た後のY軸回りの回転角度を示す〕上昇角(elevation
)、〔φ,ψによって回転した後のZ軸回りの回転角
度を示す〕ロール角(roll)である。
【0036】
【数1】
【0037】具体的には、まずvα1 をZ軸上に回転移
動する変換行列A1 を求める。そのためには、 vα1 ’=A1 ・vα1 を解いて、オイラー角(φ1 ,ψ1 ,θ1 )を求めれば
よい。但し、vα1 ’は、vα1 の大きさをもつZ軸上
のベクトルvα1 ’=(0,0,|vα1 |)である。
そして、この求めれたオイラー角(φ1 ,ψ1 ,θ1
を変換行列Aに代入すれば、変換行列A1 を算出するこ
とができる。そして、この変換行列A1 でvα2 ,vα
3 にも回転移動を施せばよい。これによってベクトル群
vC0 中の〔ベクトルvα1 ,vα2 ,vα3 の〕位置
関係を変えることなく回転移動を施すことができる。な
お、回転移動後の画像空間ベクトル群をvC0 ’(vα
1 ’,vα2 ’,vα3 ’)とする。
【0038】同様に、各実空間ベクトル群vC1 〜vC
24のvβ1 ,vβ2 ,vβ3 について、 vβ1 ’=B1 ・vβ1 を解いて、オイラー角を求めればよい。但し、vβ1
は、vβ1 の大きさをもつZ軸上のベクトルvβ1 ’=
(0,0,|vβ1 |)である。これによって回転移動
を施せば、画像空間ベクトル群vC0 と実空間ベクトル
群vC1 の一組の対応するベクトル同士vα1 ,vβ1
を同一直線上(Z軸上)に、それぞれの位置関係を変え
ることなく回転移動することができる。そして、残りの
各実空間ベクトル群vC2 〜vC24についても同様の回
転移動を施す。
【0039】次に、上記のの処理を行う。まず、vα
2 ’がZ−X平面上に位置するようにZ軸回りに回転移
動を行う。そのためには、 vα2 ”=A2 ・vα2 ’ を解いて、方位角φ2 を求めればよい(この場合、Z軸
回りの回転移動のみであるので、上昇角ψ2 ,ロール角
θ2 はともに「0」である。)。但し、vα2 ”は、v
α2 ’を(x,y,z)とした場合、vα2 ”=(√
(x2 +y2 ),0,z)である。そして、この方位角
φ2 を変換行列Aに代入すれば、変換行列A2 を求める
ことができる。さらにこの変換行列A2 でvα3 ”にも
Z軸回りの回転移動を施せばよい。以上の手順で画像空
間ベクトル群vC0 、実空間ベクトル群vC1 ,v
3 ,vC24をノーマライズした後の画像空間ベクトル
群vC0 ”、実空間ベクトル群vC1 ”,vC3 ”,v
24”の模式図を図13ないし図16に示す。
【0040】ノーマライズ後のステップS7において、
対応度を算出する。この対応度は、ノーマライズされた
画像空間ベクトル群vC0 ”と各実空間ベクトル群vC
1 ”〜vC24”の対応するベクトル同士の差分(差分ベ
クトル群)を求め、各差分ベクトル群のそれぞれについ
てノルムを求め、実空間ベクトル群ごとの総和によって
求まる。この対応度の算出は、対応度算出部15にて行
われる。
【0041】まずは差分ベクトルを求める。差分ベクト
ルをvγn で表すと、各実空間ベクトル群と画像空間ベ
クトル群との各差分ベクトル群は、 実空間ベクトル群vC1 ”の差分ベクトル群vD1 vγ1 =vβ1 ”−vα1 ” vγ2 =vβ2 ”−vα1 ” vγ3 =vβ3 ”−vα1 ” ……… 実空間ベクトル群vC3 ”の差分ベクトル群vD3 vγ1 =vβ1 ”−vα1 ” vγ2 =vβ2 ”−vα1 ” vγ3 =vβ3 ”−vα1 ” ……… ……… 実空間ベクトル群vC24”の差分ベクトル群vD24 vγ1 =vβ1 ”−vα1 ” vγ2 =vβ2 ”−vα1 ” vγ3 =vβ3 ”−vα1 ” のようにして算出する。以上のようにして算出された実
空間ベクトル群vC1 ,vC3 ,vC24のそれぞれの差
分ベクトル群vD1 ,vD3 ,vD24(図中の2点鎖
線)の模式図を図17ないし図19に示す。
【0042】次に対応度をFで表すと、実空間ベクトル
群vC1 〜vC24の各対応度Fx (x:1,2,………,24 )
は、以下のようにして算出される。 対応度Fx =|vγ1 |+|vγ2 |+|vγ3 | この対応度Fx は、差分ベクトル群のノルム(ベクトル
の長さ)の合計であり、4個のマーカーによって形成さ
れる三角錐の相似性を示し、対応度Fxが小さいほど相
似性が良いことを示す。そして、この対応度Fxが最小
のものの実空間座標値群は、ステップS2での断層像上
に描出されている各マーカーの座標を画像空間座標値メ
モリ11に記憶した順序に一致するものである。対応度
Fxの最小値は、理想的には「0」であるが、実際には
ある大きさをもつ各マーカーP1〜P4 を手術器具2の
先端部で指示するので、ある値をもつ。前出の差分ベク
トル群を示した模式図(図17ないし図19)は、理想
的な状態を示しているので、図18の差分ベクトル群の
ノルムの総和は「0」となる。なお、図18では画像空
間ベクトル群と実空間ベクトル群とがずれることなく重
複しているので、差分ベクトル群は図示していない。こ
の実施例では、対応度F3 が最小(「0」)となる。
【0043】ステップS8では、変換値を算出する。こ
の変換値は、手術器具2の位置情報(実空間座標値,方
向)を画像空間座標値に変換するためのものであり、変
換値算出部16によって算出される。この変換値は、ス
テップS7において、最小の対応度となった対応度F3
の実空間ベクトル群vC3 に対応する実空間座標値群C
3 と画像空間座標値群C0 とに基づいて算出される。具
体的には、実空間座標値群C3 と画像空間座標値群C0
とから3次元アフィン変換(3軸のそれぞれが直交して
いない座標系の座標値を、同じく3軸のそれぞれが直交
していない他の座標系に投影する)のための変換行列を
算出し、これを変換値とすればよい。なお、この変換値
の算出方法は、上述の特開平3−267054号公報に
詳述されているのでここでの詳細な説明は省略する。
【0044】このように対応度に基づいて複数の実空間
座標値群C1 〜C24の中から、ステップS2における各
マーカーP1 〜P4 の画像空間座標値メモリ11への記
憶順序に一致する実空間座標値群C3 を選出するので、
キャリブレーション時に各マーカーを指示する順序を考
慮することなく、任意の順序で指示することができる。
したがって、キャリブレーション時の術者や操作者の負
担を軽減することができるともに正確にキャリブレーシ
ョンを行うことができる。
【0045】上記のキャリブレーションを終えると、次
に手術を行う。術者は、手術器具2を被検体Mの関心部
位である頭部に差し入れる。このとき手術器具2の位置
情報(実空間座標値,方向)は、位置算出部9によって
算出され、順次に位置変換部20に出力される。位置変
換部20は、入力された位置情報を、キャリブレーショ
ンによって算出された変換値で変換する(変換位置情
報)。この変換位置情報は、画像メモリ22に記憶され
ている断層像(画像データ)の座標系と同じ画像空間座
標値によって表されている。この変換位置情報は、画像
選択部21と画像合成部23に出力される。画像選択部
21は、変換位置情報に応じた画像データを画像メモリ
22から選択し、画像合成部23は、選択された画像デ
ータ上の、変換位置情報の示す位置に手術器具2を示す
所定パターンを合成してモニタ24に出力する。このと
き、選択された画像データによって構成された断層像I
2 と、手術器具2を示す所定パターンPTがモニタ24
に表示された状態を図20に示す。このように手術器具
2を示す所定パターンは、正確に算出された変換値によ
って変換された変換位置情報に基づいて表示されるの
で、手術器具2の位置は正確に断層像上に表示される。
【0046】なお、この実施例では、最小の対応度をも
つ実空間座標値群に基づいて変換値を算出したが、各実
空間座標値群の座標値と対応度をモニタに表示し、これ
らを見て手術や操作者が実空間座標値群を選択するよう
にしてもよい。これによって例えば、4個のマーカーが
正三角錐を形成するように被検体に取り付けられた場合
に発生する不具合にも対処することができる。
【0047】また、この実施例では、マーカーの個数に
応じた順列組合せの数だけ実空間座標値群を生成した
が、例えば、頭頂部や鼻根部などの間違う可能性の低い
マーカーについては、術者が直接対応付けするようにし
てもよい。すなわち、4個のマーカーを頭頂部、鼻根
部、両耳下部に取り付けた場合、両耳下部のように左右
取り違えてキャリブレーションを行うと思われるマーカ
ーだけを対象にする。すると2個のマーカーだけを対象
に対応付けをすればよいので、順列組合せの数は「2通
り」となり、結果としてベクトル演算などの演算処理が
軽減される。
【0048】なお、この実施例では磁気ソース3aおよ
び磁気センサ3b等を用いて手術器具2の位置を検出し
たが、この発明はこれに限定されることなく、例えば、
手術器具2を多関節のアームの先端に取付け、各関節部
分でアームの角度を検出することにより、手術器具2の
位置を検出するように構成してもよい。このように構成
することにより、磁気ソース3aによって形成されてい
る磁界を乱すような磁性体や導電体などから構成される
器具を使用することができる。
【0049】また、この実施例では4個のマーカーを用
いているが、この発明では5個以上のマーカーを被検体
表面に取付け、その内の4個のマーカーを使用するよう
にしてもよい。その場合には、まず画像上に描出されて
いる全てのマーカーの画像空間上の位置(画像空間座標
値群)を取得する。次いで、それらの中から4個のマー
カーを選ぶ全ての順列組合せの数だけ新たに画像空間座
標値群を生成して画像空間座標値メモリに記憶する。次
に、手術に先立って被検体表面上の5個以上のマーカー
の内の、指示し易く、かつ、関心部位や手術経路をうま
く含む4個のマーカーを選び、各マーカーを指示して実
空間座標値群を実空間座標値メモリに記憶する。そし
て、実空間座標値群に対応する画像空間座標値群を画像
空間座標値メモリから検索して、これらに基づいて変換
値を算出するようにする。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、マーカーの個数に応じた順列組合せの数だ
け実空間座標値群が生成され、これらのなかから画像空
間座標値記憶手段に記憶されたマーカーの記憶順序と一
致する実空間座標値群を対応度に基づいて選出するの
で、被検体の対表面に取り付けられた複数個のマーカー
の指示順序を考慮する必要がない。したがって、術者や
操作者のキャリブレーション時の負担を軽減することが
できる。さらに、複数個のマーカーの画像空間座標値と
実空間座標値の対応付けが確実に行われるので、正確に
キャリブレーションを行うことができる。結果、手術器
具の位置が正確に断層像上に重ね合わせられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る手術器具の位置表示装置の概略構
成を示す図である。
【図2】磁気ソースおよび磁気センサの説明図である。
【図3】断層像の収集およびキャリブレーションを示す
フローチャートである。
【図4】断層像の収集の説明に供する図である。
【図5】断層像の収集の説明に供する図である。
【図6】画像空間座標値メモリの内容を示す模式図であ
る。
【図7】実空間座標値メモリの内容を示す模式図であ
る。
【図8】実空間座標値メモリの内容を示す模式図であ
る。
【図9】画像空間座標値群から算出されるベクトル群を
示す模式図である。
【図10】実空間座標値群から算出されるベクトル群を
示す模式図である。
【図11】実空間座標値群から算出されるベクトル群を
示す模式図である。
【図12】実空間座標値群から算出されるベクトル群を
示す模式図である。
【図13】ノーマライズ後の画像空間ベクトル群を示す
模式図である。
【図14】ノーマライズ後の実空間ベクトル群を示す模
式図である。
【図15】ノーマライズ後の実空間ベクトル群を示す模
式図である。
【図16】ノーマライズ後の実空間ベクトル群を示す模
式図である。
【図17】差分ベクトル群を示す模式図である。
【図18】差分ベクトル群を示す模式図である。
【図19】差分ベクトル群を示す模式図である。
【図20】術中における手術器具の位置表示を示す模式
図である。
【符号の説明】
2 … 手術器具 8 … 画像処理コンピュータ 9 … 位置算出部 10 … キャリブレーション部 11 … 画像空間座標値メモリ 12 … 実空間座標値メモリ 13 … ベクトル演算部 14 … ノーマライズ部 15 … 対応度算出部 16 … 変換値算出部 20 … 位置変換部 21 … 画像選択部 22 … 画像メモリ 23 … 画像合成部 24 … モニタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の体表面に取り付けた複数個のマ
    ーカーとともに、断層像撮影装置の固有の画像空間座標
    で、断層像の画像データを予め記憶する画像記憶手段
    と、手術器具の位置情報(実空間座標値,方向)を順次
    出力する位置検出手段と、手術に先立って前記位置検出
    手段からの実空間座標値と前記画像記憶手段の断層像か
    ら得られる画像空間座標値とに基づいて前記位置検出手
    段からの位置情報を画像空間座標値に変換するための変
    換値を算出する変換値算出手段と、術中に前記位置検出
    手段からの位置情報を変換して出力する位置変換手段
    と、前記位置変換手段からの変換位置情報に応じた画像
    データを前記画像選択手段から選択する画像選択手段
    と、前記選択された画像上の、術中の変換位置情報の示
    す位置に、手術器具の位置を示す所定パターンを重ね合
    わせる画像合成手段と、前記画像合成手段によって合成
    された画像を表示する表示手段とを備えた手術器具の位
    置表示装置において、(a)前記画像記憶手段に記憶さ
    れている断層像の画像データから、複数個のマーカーの
    画像空間座標値を任意の順序で記憶(画像空間座標値
    群)する画像空間座標値記憶手段と、(b)前記手術器
    具の先端部で前記各マーカーを任意の順序で指示した際
    に、前記位置検出手段から出力される位置情報の実空間
    座標値を順次に記憶(実空間座標値群)するとともに、
    マーカーの個数に応じて得られる順列組合せの数だけ前
    記実空間座標値群の順序を並べ変えて、前記順序とは異
    なる実空間座標値群を新たに記憶する実空間座標値記憶
    手段と、(c)前記画像空間座標値記憶手段に記憶され
    ている画像空間座標値群の先頭の画像空間座標値から他
    の画像空間座標値へのベクトル(画像空間ベクトル群)
    を算出するとともに、前記実空間座標値記憶手段に記憶
    されている各実空間座標値群のそれぞれの先頭の実空間
    座標値から他の実空間座標値へのベクトル(実空間ベク
    トル群)を算出するベクトル演算手段と、(d)前記画
    像空間ベクトル群の起点と前記各実空間ベクトル群のそ
    れぞれの起点とを一致させるとともに、一組の対応する
    ベクトル同士の方向を一致させ、かつ前記一組のベクト
    ル同士とは異なる一組の対応するベクトル同士を前記ベ
    クトルを含む面内に回転移動させる操作を含むノーマラ
    イズを行うノーマライズ手段と、(e)前記ノーマライ
    ズされた画像空間ベクトル群と前記ノーマライズされた
    各実空間ベクトル群との対応するベクトル同士の差分
    (差分ベクトル群)を求め、前記各差分ベクトル群のそ
    れぞれについてノルムの総和を対応度として算出する対
    応度算出手段と、を備えるとともに、(f)前記変換値
    算出手段は、前記各対応度のうち最小の対応度をもつ実
    空間ベクトル群に対応する実空間座標値群と前記画像空
    間座標値群とに基づいて、変換値を算出することを特徴
    とする手術器具の位置表示装置。
JP6197890A 1994-07-28 1994-07-28 手術器具の位置表示装置 Pending JPH0838507A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7166114B2 (en) 2002-09-18 2007-01-23 Stryker Leibinger Gmbh & Co Kg Method and system for calibrating a surgical tool and adapter thereof
US7771436B2 (en) 2003-12-10 2010-08-10 Stryker Leibinger Gmbh & Co. Kg. Surgical navigation tracker, system and method
US7873400B2 (en) 2003-12-10 2011-01-18 Stryker Leibinger Gmbh & Co. Kg. Adapter for surgical navigation trackers
KR101535233B1 (ko) * 2013-09-16 2015-07-09 한양대학교 산학협력단 뇌수술용 다자유도 구동방법

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