JPH083762Y2 - メカニカルシール - Google Patents

メカニカルシール

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JPH083762Y2
JPH083762Y2 JP1992048807U JP4880792U JPH083762Y2 JP H083762 Y2 JPH083762 Y2 JP H083762Y2 JP 1992048807 U JP1992048807 U JP 1992048807U JP 4880792 U JP4880792 U JP 4880792U JP H083762 Y2 JPH083762 Y2 JP H083762Y2
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seal ring
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猛夫 中嶋
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Nippon Pillar Packing Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、たとえば給水用ポンプ
などのように、主として液体を処理する回転機器の軸封
装置として好適に使用されるメカニカルシールに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、この種の従来一般のメカニカル
シールを適用した給水用ポンプにおける軸封装置を示す
縦断面図であり、同図において、1は静止側となるケー
シング、2はケーシング1を貫通する回転側となる回転
軸であり、この回転軸2の外周面と上記ケーシング1の
内周面との間に、次のような構成のメカニカルシールが
配置されている。
【0003】上記回転軸2のポンプ室側軸周面上には、
ストッパーリング3がセットスクリュー4およびOリン
グ5を介して回転軸2と一体回転するように、かつ回転
軸2の外周面との間をシールさせた状態で固定されてい
るとともに、このストッパーリング3の外周にOリング
6により両者間をシールさせた状態でシールリングリテ
ーナ7が嵌装されており、このシールリングリテーナ7
の軸封側の端面に鋭利な刃先状の密封端部8aを有する
回転シールリング8が固定され、上記回転軸2と一体回
転するようになされている。
【0004】一方、上記ケーシング1の外端部側で、上
記回転軸2の外周には、冷却液入口9aおよび冷却液出
口9bを有するフランジ部材9が嵌合・連設されてお
り、このフランジ部材9の内周面に両者間がOリング1
0によりシールされた状態でアダプタリング11が取付
けられている。このアダプタリング11に金属成形ベロ
ーズ12を介して支持されたシールリングリテーナ13
に、上記回転シールリング8の刃先状の密封端部8aが
摺接する平滑な密封端面14aを有する静止シールリン
グ14が固定されている。
【0005】また、上記アダプタリング11には、その
先端が上記静止シールリング14の内側面付近にまで達
するバッフルプレート15がビス等のねじ部材16を介
して固着されており、このバッフルプレート15の外周
部において、上記アダプタリング11とシールリングリ
テーナ13との間に、スプリング部材としてのコイルス
プリング17を介装して、上記静止シールリング14を
回転シールリング8側に移動付勢させ、これにより、
止シールリング14の平滑密封端面14aを回転シール
リング8の刃先状の密封端部8aに弾圧させて密封流体
をシールするように構成している。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】上記したような構成の
従来のメカニカルシールでは、回転シールリング8やシ
ールリングリテーナ7などの回転側部品および静止シー
ルリング14やコイルスプリング17などの静止側部品
といったメカニカルシール構成用の全ての部品を回転軸
2の外周面とケーシング1の内周面との間に形成される
比較的狭い環状空間内に、所定通りの順序で一々組込ん
で行く必要があるために、組込作業に多大な手数と時間
を要するという問題がある。しかも、各部品毎に取付け
位置や傾きなどを調整し、かつ確認しながら組込み作業
を進行する必要があって、適正で精度のよい組込みを行
なうためには作業性が非常に困難となり、それ故に、所
定の密封機能を安定良く発揮させ得る組付け状態を得に
くいという問題があった。
【0007】本考案は上記のような従来の問題点を解消
するためになされたもので、簡単な構成部品を付加する
だけで、所定の密封機能を確実かつ安定良く発揮させ得
る高精度な組付けを容易に行なうことができるメカニカ
ルシールを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案に係るメカニカルシールは、ケーシングとこ
のケーシングを貫通する段のないストレートな回転軸と
の間に配置され、相互に摺接して密封流体をシールする
回転シールリングおよび静止シールリングと、これらシ
ールリングのうち一方のシールリングの密封端面を他方
のシールリングの密封端面に弾圧させるように付勢する
金属ベローズおよびスプリング部材とを備えてなり
記ケーシング側に固定可能なフランジに、上記静止シー
ルリングおよびスプリング部材を含む静止側部品が一体
的に保持されており、さらに上記回転シールリングおよ
び静止シールリングのうち少なくとも一方が刃先状の密
封端部を有しているメカニカルシールにおいて、上記回
転軸に、上記ケーシング側に固定可能なフランジよりも
外方へ突出する部分を一体形成してなるスリーブを挿嵌
させ、このスリーブの内端部側に上記回転シールリング
を含む回転側部品を固定保持させるとともに、上記突出
部分に、上記フランジに装着された円形セットプレート
により回転側部品の位置決めを行なう切欠溝を有し、か
上記スリーブを回転軸に対して一体回転可能に固定す
る固定具を取付けたものである。
【0009】
【作用】本考案によれば、メカニカルシールを構成する
回転シールリングを含む回転側部品を回転軸に挿嵌され
るスリーブに一体に固定保持させて、それらをカートリ
ッジ化しているので、その回転側部品のカートリッジを
回転軸に挿嵌させ、続いて静止側部品を一体的に保持さ
せているフランジをケーシング側に固定し、この状態
で、フランジに装着した円形セットプレートを上記スリ
ーブの突出部分に形成の切欠溝に係入させるだけの単純
な作業により、組込み前に一々各部品の位置や傾きなど
を調整しなくとも、回転側部品の位置決めを行なって静
止側および回転側部品を正規の組込み状態に抜止めし
て、所定の密封機能を発揮するメカニカルシールを容易
に、かつ精度良く組込むことが可能である。
【0010】また、相互に摺接して密封流体をシールす
る回転および静止シールリングの少なくとも一方を刃先
状の密封端部としているので、ラテックスのような凝固
性の難密封流体をシールするのに好適である。
【0011】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本考案の一実施例によるメカニカルシール
を適用した給水用ポンプにおける軸封装置を示す縦断面
図であり、同図において、1,2,7〜9,12〜15
および17は図3に示す従来例と同一部品であるため、
該当部分に同一の符号を付して、それらの説明を省略し
ている。
【0012】図1において、18は上記回転軸2に挿嵌
されたスリーブであり、このスリーブ18の内端部側に
は径大部18aが一体形成されており、その径大部18
aにシールリングリテーナ7がOリング19によりシー
ルされた状態でセットスクリュー20を介して固定さ
れ、かつ、このシールリングリテーナ7の軸封側の端面
に鋭利な刃先状の密封端部8aを有する回転シールリン
グ8が固定されている。
【0013】また、上記スリーブ18の外端部側には、
ケーシング1に嵌合・固定可能なフランジ部材9よりも
外方へ突出する部分18bが一体形成されており、その
突出部分18bに該スリーブ18を上記回転軸2に対し
て一体回転可能に固定する固定具としてセットスクリュ
ー21が螺合されている。以上のようにして、回転シー
ルリング8およびシールリングリテーナ7などの回転側
部品とスリーブ18との組合わせからなる回転側カート
リッジAが構成されている。
【0014】一方、冷却液入口9aおよび冷却液出口9
bを有し上記回転軸2の外周において上記ケーシング1
の外端部側に、両者間がOリング22によりシールされ
た状態で嵌合・固定可能な上記のフランジ部材9の内周
面にはカーボン製のブッシュ23が固定されているとと
もに、上記フランジ部材9の内面側に金属成形ベローズ
12を介して支持されたシールリングリテーナ13に、
上記回転シールリング8の刃先状の密封端部8aが摺接
する平滑な密封端面14aを有する静止シールリング1
4が固定されている。
【0015】また、上記フランジ部材9には、その先端
が上記静止シールリング14の内側面付近にまで達する
バッフルプレート15が固着されており、このバッフル
プレート15の外周部において、上記フランジ部材9と
シールリングリテーナ13との間に、スプリング部材と
しての金属成形ベローズ12およびコイルスプリング1
7を介装して、上記静止シールリング14を回転シール
リング8側に移動付勢させ、これにより、平滑密封端面
14aを刃先状の密封端部8aに弾圧させて密封流体を
シールするように構成している。以上のようにして、静
止シールリング14、シールリングリテーナ13、金属
成形ベローズ12、コイルスプリング17およびバッフ
ルプレート15などの静止側部品とフランジ部材9とか
らなる静止側カートリッジBが構成されている。
【0016】そして、上記フランジ部材9の外面で、か
つ上記スリーブ18の径方向で互いに相対向する箇所に
はそれぞれ、図2に示すように、円形のセットプレート
24がそれらの外周縁近くにおいてキャップ付ボルト2
5を介してボルト軸心周りに回転可能に取付けられてい
る。これら円形セットプレート24は、図2の仮想線に
示す姿勢から図2の実線に示す姿勢に180°回転させ
て、その内面を上記静止側カートリッジBの一構成部品
であるブッシュ23の外面に当接させるとともに、その
外周縁の一部24aを上記スリーブ18の外周面の一部
に形成した切欠溝18cに係入させることにより、回転
側部品の位置決めを行なって両カートリッジA,Bを正
規の組込み状態に抜止めるものである。
【0017】上記のような構成の軸封装置においては、
メカニカルシールを構成する部品のうち回転シールリン
グ8などの回転側部品を、回転軸2へ挿嵌される前の段
階でスリーブ18に対して所定の位置および傾き姿勢に
取付けることにより、組付精度のよい回転側カートリッ
ジAを構成することができる一方、静止シールリング1
4などの静止側部品を、ケーシング1に嵌合・固定され
る前の段階でフランジ部材9に対して所定の位置および
傾き姿勢に取付けることにより、組付精度のよい静止側
カートリッジBを構成することができる。
【0018】次に、上記スリーブ18を回転軸2に外方
から挿嵌させ、かつセットスクリュー21を介して上記
スリーブ18を回転軸2に固定することで、上記回転側
カートリッジAを組込む。続いて、フランジ部材9をケ
ーシング1の外端部側に嵌合・固定し、この状態で、上
記円形セットプレート24を図2の仮想線に示す姿勢か
ら図2の実線に示す姿勢に180°回転させて、その内
面を上記静止側カートリッジBにおけるブッシュ23の
外面に当接させるとともに、その外周縁の一部24aを
上記スリーブ18外周面の切欠溝18cに係入させるこ
とで、上記静止側カートリッジBを組込む。これによっ
て、両カートリッジA,Bが正規の組込み状態に抜止め
され、回転シールリング8の刃先状の密封端部8aが静
止シールリング14の平滑な密封端面14aに弾圧状に
摺接されて密封流体をシールする所定のメカニカルシー
ルを容易にかつ高精度に組込むことができる。
【0019】なお、上記回転シールリング8の刃先状の
密封端部8aとしては、難密封流体であるラテックスの
ような凝固性流体をシールする場合、端面幅が1mm未
満、とくに0.5mm程度に設定することが好ましい。
【0020】また、上記実施例において、回転および静
止の各シールリング8,14の構成材料としては、WC
を主体とする超硬合金、カーボンおよびセラミックの中
から任意に選択して、組合せ使用すればよい。また、セ
ラミックとしては、SiC,TiC,BuCなどの炭化
物系セラミック、Al2 3 ,Cr2 3 ,TiO2
ZrO2 などの酸化物系セラミック、Si3 4 ,B
N,TiNなどの窒化物系セラミック、TiB2 ,Zn
2 などの硼化物系セラミックのいずれであってもよ
い。
【0021】さらに、上記両シールリング8,14の摺
接面の面積や形状は上記実施例のものに限らず、いかな
る面積、形状のものであってもよい。
【0022】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、メカニ
カルシールを構成する回転シールリングを含む回転側部
品を回転軸に挿嵌されるスリーブに一体に固定保持させ
て、それらをカートリッジ化しているとともに、静止側
部品もケーシングに固定可能なフランジ側に一体的に保
持させてカートリッジ化しているので、回転軸に回転側
部品をカートリッジ化しているスリーブを挿嵌するとと
もに、静止側部品をカートリッジ化しているフランジを
ケーシングに固定し、かつ、円形セットプレートを切欠
溝に係入させるといった単純な作業を行なうだけで、
定の密封機能を発揮するメカニカルシールを容易に組込
むことができる。しかも、その組込み時に回転側部品お
よび静止側部品の位置や傾きを一々調整する必要がな
く、組込み前の段階で各部品の位置や傾きを予め精度良
くセットしておくことができるので、高精度で、所期の
密封性能に優れたメカニカルシールを得ることができ
。また、相互に摺接して密封流体をシールする回転お
よび静止シールリングの少なくとも一方を刃先状の密封
端部としているので、ラテックスのような凝固性の難密
封流体のシールにも好適で、適用性の拡大を図ることが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例によるメカニカルシールを適
用した給水用ポンプにおける軸封装置を示す縦断面図で
ある。
【図2】図1のX方向からの矢視図である。
【図3】従来のメカニカルシールを適用した給水用ポン
プにおける軸封装置を示す縦断図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 回転軸 8 回転シールリング 8a 密封端部 9 フランジ部材 14 静止シールリング 14a 密封端面 17 コイルスプリング(スプリング部材) 18 スリーブ 18b 突出部分18c 切欠溝 21 セットスクリュー(固定具)24 円形セットプレート A 回転側カートリッジ B 静止側カートリッジ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングとこのケーシングを貫通する
    段のないストレートな回転軸との間に配置され、相互に
    摺接して密封流体をシールする回転シールリングおよび
    静止シールリングと、 これらシールリングのうち一方のシールリングの密封端
    面を他方のシールリングの密封端面に弾圧させるように
    付勢する金属ベローズおよびスプリング部材とを備えて
    なり上記ケーシング側に固定可能なフランジに、上記静止シ
    ールリングおよびスプリング部材を含む静止側部品が一
    体的に保持されており、 さらに上記回転シールリングおよび静止シールリングの
    うち少なくとも一方が刃先状の密封端部を有している
    カニカルシールにおいて、 上記回転軸に、上記ケーシング側に固定可能なフランジ
    よりも外方へ突出する部分を一体形成してなるスリーブ
    を挿嵌させ、 このスリーブの内端部側に上記回転シールリングを含む
    回転側部品を固定保持させるとともに、 上記突出部分に、上記フランジに装着された円形セット
    プレートにより回転側部品の位置決めを行なう切欠溝を
    有し、かつ上記スリーブを回転軸に対して一体回転可能
    に固定する固定具を取付けたことを特徴とするメカニカ
    ルシール。
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JP6795586B2 (ja) * 2016-04-27 2020-12-02 イーグル工業株式会社 メカニカルシール

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JPH01261568A (ja) * 1988-04-11 1989-10-18 Nippon Pillar Packing Co Ltd カートリッジ式メカニカルシール

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JPH068868U (ja) 1994-02-04

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