JPH083758A - 金属表面の塗装前下地処理法 - Google Patents

金属表面の塗装前下地処理法

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JPH083758A
JPH083758A JP13878694A JP13878694A JPH083758A JP H083758 A JPH083758 A JP H083758A JP 13878694 A JP13878694 A JP 13878694A JP 13878694 A JP13878694 A JP 13878694A JP H083758 A JPH083758 A JP H083758A
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rust
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Yukio Hayashi
行男 林
Akio Shibata
昭男 柴田
Taketoshi Furusawa
武敏 古澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属表面の塗装前下地処理法に関する。 【構成】 燐酸:10〜20w/v%水溶液に1,4−
ナフトキノン−2−スルホン酸塩:0.1〜0.4w/
v%、ニトロベンゼンスルホン酸塩:0.1〜0.3w
/v%及びフッ素系界面活性剤:0.005〜0.02
w/v%を配合してなる酸洗浄液で金属表面の錆、溶接
部のヒートスケール、油脂分、その他の異物を除去する
第一工程と、第一工程後の金属表面を燐酸三ナトリウム
(無水):0.1〜0.2w/v%、重合燐酸塩:0.
1〜0.2w/v%及び1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸:0.05〜0.15w/v%水
溶液に燐酸を添加してpH5〜6.5になるよう配合し
てなる溶液で化成皮膜処理するか、あるいは水洗する第
二工程と、第二工程後の金属表面に空気を吹きつけて風
乾する第三工程よりなる金属表面の塗装前下地処理法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属表面の塗装前下地処
理法に関し、特に船体ブロック、橋梁、自動車ボデー、
家電、建材、鉄槽等の被塗装物素材の金属表面の塗装前
下地処理法として有利に適用しうる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材による各種製品及び船体ブロッ
ク、橋梁のような大型構造物で特に製作及び保管時にお
いて発生する錆、溶接部のヒートスケール、油脂分、そ
の他の異物は塗装に際して下地との密着性、耐食性をよ
くするために十分に除去する必要がある。従来、それら
の被塗装物を塗装する前工程処理として脱脂、水洗、防
錆、水洗、表面調整、化成皮膜、第1水洗、第2水洗、
純水洗、水切乾燥といった具合に10工程からなってお
り、塗装するまでの工程が繁雑であるため、工程短縮及
びコスト面からも改善が望まれていた。また従来、脱脂
工程では有機溶剤洗浄、エマルジョン洗浄あるいはアル
カリ洗浄等が、除錆工程ではショットブラストによる物
理的方法あるいは酸洗による化学的方法が採用され、表
面調整工程では表面調整剤の水溶液で次工程の皮膜化成
反応を高めるための準備工程が行われ化成皮膜工程では
金属表面に燐酸亜鉛皮膜あるいは燐酸鉄皮膜等を施して
防食性、塗料の付着性、耐久性を増加させる方法が採用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記技術水準
に鑑み、従来法におけるような繁雑な工程を必要としな
い金属表面の塗装前下地処理方法を提供しようとするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は(1)燐酸:1
0〜20w/v%水溶液に1−4−ナフトキノン−2−
スルホン酸塩:0.1〜0.4w/v%、ニトロベンゼ
ンスルホン酸塩:0.1〜0.3w/v%及びフッ素系
界面活性剤:0.005〜0.02w/v%を配合して
なる酸洗浄液で金属表面の錆、溶接部のヒートスケー
ル、油脂分、その他の異物を除去する第一工程と、第一
工程後の金属表面を燐酸三ナトリウム(無水):0.1
〜0.2w/v%、重合燐酸塩:0.1〜0.2w/v
%及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸:0.05〜0.15w/v%水溶液に燐酸を添加し
てpH5〜6.5になるよう配合してなる溶液で化成皮
膜処理する第二工程と、第二工程後の金属表面に空気を
吹きつけて風乾する第三工程よりなることを特徴とする
金属表面の塗装前下地処理法(以下、第1発明という)
及び(2)燐酸:10〜20w/v%水溶液に1−4−
ナフトキノン−2−スルホン酸塩:0.1〜0.4w/
v%、ニトロベンゼンスルホン酸塩:0.1〜0.3w
/v%及びフッ素系界面活性剤:0.005〜0.02
w/v%を配合してなる酸洗浄液で金属表面の錆、溶接
部のヒートスケール、油脂分、その他の異物を除去する
第一工程と、第一工程後の金属表面を水洗する第二工程
と、第二工程後の金属表面に空気を吹きつけて風乾する
第三工程よりなることを特徴とする金属表面の塗装前下
地処理法(以下、第2発明という)である。
【0005】本発明の第1、第2発明の第1工程で使用
する前記1,4−ナフトキノン−2−スルホン酸及びニ
トロベンゼンスルホン酸の塩としてはアンモニウム、ナ
トリウム、カリウム塩が使用できる。
【0006】また、フッ素系界面活性剤の主要な化学物
質名としてはパーフルオロアルキル(C8 〜C12)トリ
メチルアンモニウムハライド〔例えばC9 19CONH
(CH2 3 N(CH3 3 I〕、N−パーフルオロオ
クタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、N−〔3
−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル〕
−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニ
ウムベタイン、パーフルオロアルキル(C7 〜C13)カ
ルボン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノー
ルアミド、パーフルオロアルキル(C4 〜C12)スルホ
ン酸塩(K,Na)、N−プロピル−N−(2−ヒドロ
キシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パ
ーフルオロアルキル(C6 〜C10)スルホンアミドプロ
ピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル
(C6 〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩
(K)等があり、使用できる。
【0007】さらに、また第1発明の第2工程で使用す
る重合燐酸塩としてはピロ燐酸塩(K,Na)、トリポ
リ燐酸塩(K,Na)、テトラポリ燐酸塩(K,N
a)、ペンタポリ燐酸塩(K,Na)、ヘキサポリ燐酸
塩(K,Na)、ウルトラ燐酸塩(K,Na)、ヘキサ
メタリ燐酸塩(K,Na)等があげられる。
【0008】第1発明及び第2発明の第一工程の塗装前
下地処理剤の成分と、その濃度について詳述すると、燐
酸の濃度が、10w/v%未満では錆や溶接部のヒート
スケール等の酸化スケール量が軽度の場合はよいが、強
度の場合は20〜30℃程度の温度では単位時間当りの
除去性に欠け、20w/v%を越えても酸化スケールの
除去効果はそれ程向上しないので、燐酸の濃度は10〜
20w/v%の範囲とする。また、酸化スケールの除去
促進剤として添加される前記1−4−ナフトキノン−2
−スルホン酸塩の濃度が0.1w/v%未満では酸化ス
ケールの除去促進効果に欠け、0.4w/v%を越えて
も酸化スケールの除去効果はそれ程向上しないので1,
4−ナフトキノン−2−スルホン酸塩の濃度は0.1〜
0.4w/v%の範囲とする。さらに、また、酸化スケ
ールの除去促進剤及び燐酸鉄化成皮膜助長剤として添加
される前記ニトロベンゼンスルホン酸塩の濃度が0.1
w/v%未満では酸化スケールの除去促進効果及び燐酸
鉄化成皮膜助長効果に欠け、0.3w/v%を越えても
酸化スケールの除去促進効果及び燐酸鉄化成皮膜助長効
果はそれ程向上しないので、ニトロベンゼンスルホン酸
塩の濃度は0.1〜0.3w/v%の範囲とする。ま
た、下地処理酸液の湿潤、浸透力を増して酸化スケール
及び油脂分等の除去効果を高めるためのフッ素系界面活
性剤が添加されているが、その濃度が0.005w/v
%未満では酸化スケール及び油脂分の除去に及ぼす相乗
効果に欠けるが、0.02w/v%を越えても酸化スケ
ール及び油脂分除去に及ぼす相乗効果は、それ程向上し
ないので、フッ素系界面活性剤の濃度は0.005〜
0.02w/v%の範囲とする。
【0009】また第1発明の第二工程で使用する化成皮
膜処理剤は第一工程の濃厚酸液を金属面から除去すると
同時に第一工程で生成した燐酸鉄化成皮膜を更に補って
防食性、塗料の付着性及び耐久性を向上させる。化成皮
膜処理剤の成分である燐酸三ナトリウム(無水)の濃度
が0.1w/v%未満では、その他の化成皮膜処理剤と
の相乗効果に欠け常温での化成皮膜状態が悪く、0.2
w/v%を越えても化成皮膜状態は、それ以上に向上し
ないので燐酸三ナトリウム(無水)の濃度は0.1〜
0.2w/v%の範囲とする。また、重合燐酸塩の濃度
が0.1w/v%未満では、その他の化成皮膜処理剤と
の相乗効果に欠け常温での化成皮膜状態も悪く、0.2
w/v%を越えても化成皮膜状態は、それ以上に向上し
ないので重合燐酸塩の濃度は0.1〜0.2w/v%の
範囲とする。さらに、また1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸の濃度が0.05w/v%未満で
は第一工程の酸洗浄で溶出した鉄イオン(金属表面に付
着している酸液)に対するキレート力が弱くなって燐酸
鉄の沈殿物が金属表面に付着することもあり、0.15
w/v%を越えても何ら影響はないが経済性から上限を
0.15w/v%とし、その濃度は0.05〜0.15
w/v%の範囲とした。また、燐酸の化成皮膜処理液に
対する最適添加量はpHによって管理されるが、pH5
未満では燐酸鉄化成皮膜の緻密性に欠けpH6.5を越
えると燐酸鉄化成皮膜の生成が悪く防食性に欠けるの
で、pHは5〜6.5の範囲とした。
【0010】また第2発明の第一工程で使用する酸浄液
の成分である燐酸、1−4−ナフトキノン−2−スルホ
ン酸、ニトロベンゼンスルホン酸及びフッ素系界面活性
剤の使用目的及びそれらの添加濃度範囲は前記第1発明
で述べたとおりである。また第1、第2発明の第一工程
時の酸洗浄温度は処理対象物の金属表面の錆が軽度の場
合は常温でも十分適用可能であるが、錆の程度が強度の
場合は温度が高いほど錆、油脂分等の除去及び燐酸鉄皮
膜の化成速度は促進されるので35℃前後が好ましい。
第1発明の第二工程時の化成皮膜処理温度及び処理時間
は常温及び1分間以内(金属面との接触時間)で十分で
ある。
【0011】第2発明の第二工程時の水洗水は水道水並
であればよく、水洗温度及び水洗時間は常温及び10秒
間以内(金属面との接触時間)が好ましい。被塗物を塗
装する前の下地処理の方式はスプレー方式やディッピン
グ(浸漬)方式等があるが大型構造物の場合はスプレー
方式が小物の場合はディッピング方式が効果的に適用で
きる。
【0012】
【作用】本発明の第1発明の塗装前下地処理法での第一
工程で使用する酸洗浄剤は燐酸水溶液に所定量の1−4
−ナフトキノン−2−スルホン酸塩、ニトロベンゼンス
ルホン酸塩及びフッ素系界面活性剤を配合してなるもの
で、この酸洗浄液により金属表面の錆、溶接部のヒート
スケールや油脂分を除去し、かつ除去後の金属面に化成
皮膜が可能となる機能について説明する。
【0013】燐酸水溶液に1−4−ナフトキノン−2−
スルホン酸塩、ニトロベンゼンスルホン酸塩及びフッ素
系界面活性剤を配合するすることにより燐酸単独水溶液
に比べて金属表面の錆、溶接部のヒートスケール、油脂
分の溶解除去性は著しく促進され、かつ除去後の金属面
には塗膜の付着性を向上させる緻密な化成皮膜が形成さ
れる。錆や溶接部のヒートスケール及び油脂分の溶解除
去促進機能については明らかでないが、燐酸水溶液に1
−4−ナフトキノン−2−スルホン酸塩、ニトロベンゼ
ンスルホン酸塩、フッ素系界面活性剤を、それぞれ単独
併用した場合に比べて3者併合の方が、さらに除去効果
を増すことからして、酸液中で酸化力をもつ1−4−ナ
フトキノン−2−スルホン酸塩、ニトロベンゼンスルホ
ン酸塩の酸化力効果及びフッ素系界面活性剤のもつ湿潤
力、浸透力、分散力の働き等による相乗効果と考えられ
る。
【0014】錆、ヒートスケール及び油脂分除去後の金
属面に化成皮膜が生成する機構は鉄鋼を例に説明する
と、酸洗によって清浄になった鉄鋼面と下記式に示す
ように反応して鉄が溶解し、燐酸を消費する。このため
鉄鋼面と処理液界面でpHが上昇し、式で生成したF
e(H2 PO4 2 が式によって分解し、不溶性燐酸
鉄〔Fe3 (PO4 2 〕が鉄鋼面に析出固着すると考
えられる。 Fe+2H3 PO4 →Fe(H2 PO4 2 +H2 式 3Fe(H2 PO4 2 →Fe3 (PO4 2 +4H3 PO4 式 この場合、酸洗浄液中に含有されているニトロベンゼン
スルホン酸塩は式によって鉄鋼面から発生する水素を
酸化して水とし、鉄鋼面から早く消去することで式の
反応を促進し、その相乗効果により皮膜化成時間も短縮
可能となる。
【0015】また、第1発明の第二工程で使用する化成
皮膜処理剤は燐酸三ナトリウム、重合燐酸塩及び1−ヒ
ドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸水溶液に燐
酸を添加してpH5〜6.5になるよう配合してなる溶
液であり、この化成皮膜処理液により第一工程処理で生
成した化成皮膜を更に補って防食性、塗料の付着性及び
耐久性を向上させる機能について説明する。
【0016】化成皮膜の生成機構は前記第一工程処理で
述べたとおりであるが、化成皮膜処理液中の重合燐酸塩
と有機キレート化合物である1−ヒドロキシエチリデン
−1,1−ジホスホン酸との併用で相乗効果を増し、第
一工程処理で生成した化成皮膜面の濃厚酸液を除去する
ばかりでなく、溶出鉄イオンのキレート化、化成皮膜処
理時の沈殿防止、微粉体の分散及び多くのカチオンを効
果的にトレート化するので金属面には緻密で防食性に富
んだ化成皮膜が生成され、塗料の付着性及び耐久性を向
上させる。
【0017】第1発明の第三工程で行う乾燥処理は金属
表面に付着した水分を十分に除去するためであり、空気
を吹きつけて冷風乾燥あるいは温風乾燥する。この第1
発明の第三工程処理による金属表面の塗装前処理法によ
り、溶剤塗装、粉体塗装(熱風加熱炉焼付、高周波加熱
焼付、赤外線加熱焼付等)何れの塗装方式にも適用可能
となった。
【0018】第2発明の第一工程及び第三工程処理の機
能は前記第1発明の第一工程及び第三工程処理で述べた
とおりであるが、第2発明の第二工程処理で行う水洗は
第一工程処理で生成した化成皮膜面の濃厚酸液及び溶出
鉄イオンを十分に除去して塗料の付着性及び耐久性向上
させるためである。この第2発明の第三工程処理による
金属表面の塗装前下地処理法により、溶剤塗装及び粉体
塗装の熱風加熱炉による焼付方式には充分適用可能であ
るが、粉体塗装の高周波加熱焼付及び赤外線加熱焼付方
式には塗装するまでの防食性に問題があり第1発明の塗
装前下地処理法に比べて若干見劣りする。
【0019】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例をあげ、本発
明の効果を一層明らかにする。
【0020】(実施例1)試験片(材質:SS41鋼
板、寸法:200mm×50mm×3.2mm)にCO
2 のMIG溶接(200mm長さの中心部に5mm幅の
溶接)して溶接ビードを施し、ビード部のスラグを除去
した後、3ケ月間屋外暴露して全面赤錆を発生させた。
この発錆試験片(片面に水溶性切削油50mgを塗布し
たもの)1を図1に示すように透明プラスチック製容器
2に設けた試験片架台3に設置し、酸洗浄処理液4を2
500ミリリットル入れた後、ケミカルポンプ5を起動
してフルコーンスプレーノズル6からの酸洗浄処理液噴
射量が4.8リットル/minになるようにスライドト
ランス(山菱電機社製:S−130−10)7で電圧調
整して試験片に酸洗浄処理液を吐出圧力1kg/cm2
で噴射し、赤錆スケール、溶接部ヒートスケール及び油
脂分(水溶性切削油)の除去時間を目視判定により測定
し、表1(第1発明、第2発明の第一工程処理共通)の
如き結果を得た。
【0021】
【表1】 上記表1の*,**,***は下記のとおりである。 * 第一工程処理液温度:30℃ ** 何れもNa塩 *** C919CONH(CH2 3 N(CH3 3
【0022】(実施例2)防錆力効果試験は下記の方法
によって実施した。実施例1の要領で行った赤錆、溶接
部ヒートスケール、油脂分除去後の試験片を第1発明及
び第2発明の第二工程処理時に使用する常温の化成皮膜
処理液及び常温の水洗水250ミリリットルを入れたそ
れぞれの平底皿に10秒間浸漬した後、第三工程で行う
冷風を吹きつけて十分に乾燥し、屋内暴露で7日間放置
した後の錆発生及び表面状況を目視判定し、表2の如き
結果を得た。
【0023】
【表2】 上記表2の○,△は下記のとおりである。 試験片の錆発生及び表面状況 ○ : 表面は光沢性があり、錆の発生も全く見られな
い △ : 表面は光沢性に乏しく局所的に若干の錆発生が
見られる
【0024】(実施例3)金属表面下地処理後の塗料と
の付着性試験は下記の方法によって実施した。実施例2
と同様にして、表3に示すように第1発明と第2発明共
通の第一工程処理と第1発明の第二工程、第2発明の第
二工程と第1発明、第2発明の第三工程を行い、塗料と
の付着性試験(塗膜耐久性)用処理試験片を作製した。
(試験番号1〜6で示す)
【0025】
【表3】
【0026】次に、これらの処理試験片の上に、船舶用
タールエポキシ塗料をエアレススプレ塗装機にて乾燥膜
厚220μmになるように1回塗装し、室温(20℃)
で14日間乾燥させた。また、エポキシ樹脂系粉体塗料
を静電粉体塗装機を用いて、乾燥膜厚150μmになる
ように塗装し、高周波誘導加熱器を用いて200℃×6
0秒間焼付けた。更に、エポキシ樹脂系粉体塗料につい
ては高周波誘導加熱以外に温風加熱器を用いて200℃
×30分間焼付け試験片を作製した。
【0027】次に、塗膜の長期耐久性を調べるために、
後記条件の60℃、促進試験液(MHI促進液)に1ケ
月間、連続して浸漬し、塗膜ふくれ、発錆の有無と二次
付着性としてJIS K5400(塗料試験法)に規定
している付着強さおよび2mm目ごばん目テストを調査
し、その結果を表4に示す。この表から明らかなよう
に、実施例2〜5のタールエポキシ塗料、粉体塗料とも
ふくれ、発錆もなく、又、二次付着性の付着強さ、2m
m目ごばん目とも良好で、十分な耐久性を有しているこ
とが判った。
【0028】
【表4】 上記表4の注及び*は下記のとおりである。 (注) (1) 付着強さは日本造船研究協会の評価基準によると2
0kgf/cm2 以上あれは、実用上、良好とされている。 (2) 2mm目ごばん目法の評価は25/25が最良であるが、
実用上は23/25でも可とされている。 (3) 付着強さおよび2mm目ごばん目法とも、2個の試験
結果の平均を示す。 *1 : タールエポキシ塗料として商品名 ビスコンH
B(中国塗料製)を使用した。 *2 : エポキシ樹脂系粉体塗料として、高周波加熱用
及び温風加熱用として大日本塗料製の試作品(エポキシ
樹脂/フェノール樹脂系)を使用した。
【0029】実施例6(第2発明の第二工程として水洗
浄したもの)のタールエポキシ塗料の長期耐久性は実施
例2〜5と同等で、特に性能上の問題点はない。一方、
実施例6の粉体塗料の場合は2mm目ごばん目のみ23
/25と若干、低下するが、実用上は良好と判断され
る。比較例1(第1発明、第2発明の第一工程処理のみ
のもの)のタールエポキシ塗料の長期耐久性は良好であ
る。一方、粉体塗料の場合は塗膜ふくれが全面に発生
し、又、二次付着性の付着強さと2mm目ごばん目も低
い値であり、実用上、不可と判断される。 ○ MHI促進液の組成: 塩化ナトリウム : 50g 30%過酸化水素 : 5g 酢酸 : 10ミリリットル 水 : 1リットル 液のpHは苛性ソーダにて3±0.2に調整。
【0030】
【発明の効果】本発明の金属表面の塗装前下地処理法に
より、塗装を必要とする金属材からなる各種製品及び大
型構造物等の金属表面の錆、溶接部のヒートスケール、
油脂分等を第一工程処理で除去した後、化成皮膜処理す
るか、あるいは水洗するかして、第一工程処理で生成し
た化成皮膜を更に補うか、あるいは第一工程の残留濃厚
酸液や溶出鉄イオンを第二工程処理で除去した後、更に
金属面に空気を吹きつけて風乾する第三工程の下地処理
で溶剤塗装あるいは粉体塗装に際して必要不可欠とされ
る下地に対する塗料の密着性及び耐久性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2発明の第一工程の金属表面
の錆、溶接部のヒートスケール、油脂分、その他の異物
を除去する装置の説明図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燐酸:10〜20w/v%水溶液に1−
    4−ナフトキノン−2−スルホン酸塩:0.1〜0.4
    w/v%、ニトロベンゼンスルホン酸塩:0.1〜0.
    3w/v%及びフッ素系界面活性剤:0.005〜0.
    02w/v%を配合してなる酸洗浄液で金属表面の錆、
    溶接部のヒートスケール、油脂分、その他の異物を除去
    する第一工程と、第一工程後の金属表面を燐酸三ナトリ
    ウム(無水):0.1〜0.2w/v%、重合燐酸塩:
    0.1〜0.2w/v%及び1−ヒドロキシエチリデン
    −1,1−ジホスホン酸:0.05〜0.15w/v%
    水溶液に燐酸を添加してpH5〜6.5になるよう配合
    してなる溶液で化成皮膜処理する第二工程と、第二工程
    後の金属表面に空気を吹きつけて風乾する第三工程より
    なることを特徴とする金属表面の塗装前下地処理法。
  2. 【請求項2】 燐酸:10〜20w/v%水溶液に1−
    4−ナフトキノン−2−スルホン酸塩:0.1〜0.4
    w/v%、ニトロベンゼンスルホン酸塩:0.1〜0.
    3w/v%及びフッ素系界面活性剤:0.005〜0.
    02w/v%を配合してなる酸洗浄液で金属表面の錆、
    溶接部のヒートスケール、油脂分、その他の異物を除去
    する第一工程と、第一工程後の金属表面を水洗する第二
    工程と、第二工程後の金属表面に空気を吹きつけて風乾
    する第三工程よりなることを特徴とする金属表面の塗装
    前下地処理法。
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