JPH0836351A - ホログラム封入ガラス - Google Patents

ホログラム封入ガラス

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JPH0836351A
JPH0836351A JP9619795A JP9619795A JPH0836351A JP H0836351 A JPH0836351 A JP H0836351A JP 9619795 A JP9619795 A JP 9619795A JP 9619795 A JP9619795 A JP 9619795A JP H0836351 A JPH0836351 A JP H0836351A
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JP
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hologram
moisture
glass
proof layer
layer
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JP9619795A
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English (en)
Inventor
Masayuki Goto
雅幸 後藤
Hiroyuki Tarumi
浩幸 樽見
Tetsuya Kato
哲也 加藤
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防湿性に優れ,回折効率が高いホログラム封
入ガラスを提供すること。 【構成】 第1ガラス61と第2ガラス62との間にホ
ログラム2を封入してなる。ホログラム2は,その全表
面が湿気の浸入を防止するための防湿層1により被覆さ
れている。防湿層は,旋光性を有していないことが好ま
しい。防湿層は,防湿剤を塗布することにより形成した
塗布膜であることが好ましい。防湿層は,ホログラムの
一方側が上記塗布膜であり,その他方側が防湿性フィル
ムであってもよい。ホログラム2の封入は,例えば光学
用接着剤5を用いて行われる。防湿層1と光学用接着剤
5との間には,接着力を上げるための中間層を設けるこ
とが好ましい。防湿層は,ゴム系樹脂,ポリ塩化ビニル
系合成樹脂等である。防湿層の旋光度は37°以下であ
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ホログラムヘッドアッ
プディスプレイ等に用いられる,ホログラム封入ガラス
に関する。
【0002】
【従来技術】近年,自動車のウインドシールド前方にス
ピード等を表示させるヘッドアップディスプレイが注目
されている。ヘッドアップディスプレイは,ウインドシ
ールドガラスに封入されたホログラムにより,被表示像
に関する入射光を,回折,反射させて再生光とし,該再
生光により看者に被表示像を視認させるものである。
【0003】このホログラムを製造するに当たっては,
例えば,重クロム酸ゼラチンと色素とを含む感光材料
を,基板に塗布し,乾燥し,感光膜を作製する。次い
で,この感光膜を露光して,干渉縞を記録し,次いで,
現像する。その後,このホログラムを接着剤により2枚
のウインドガラスの間に封入する。これにより,ホログ
ラム封入ガラスが得られる。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,ホログラム
は,湿気を吸収すると,封入時に回折効率が変化する。
そのため,被表示像が歪み,鮮明な画像を再生すること
が困難となる。そこで,感光膜をプラスチック製のフィ
ルムにより予め被覆しておくことが考えられる。
【0005】しかし,上記フィルムは,軟化状態のプラ
スチックを引き延ばして成形される。そのため,この引
き延ばし工程の際にフィルムに旋光性が発生する。かか
る旋光性を有するフィルムを感光膜に被覆させると,撮
影時にレーザ光の直線偏光がフィルムの旋光性によって
乱れ,干渉縞のコントラストが低下する。それ故,得ら
れたホログラムの回折効率が低下するおそれがある。
【0006】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,防湿
性に優れ,回折効率が高いホログラム封入ガラスを提供
しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は,第1ガラスと第2ガラス
との間にホログラムを封入してなるホログラム封入ガラ
スにおいて,上記ホログラムは,その全表面が湿気の浸
入を防止するための防湿層により被覆されていることを
特徴とするホログラム封入ガラスにある。
【0008】本発明において最も注目すべきことは,ホ
ログラムの全表面が湿気の浸入を防止する防湿層により
被覆されていることである。本発明において,上記防湿
層は,旋光性を有していないことが好ましい。これによ
り,ホログラムの回折効率の低下を抑制することができ
る。
【0009】上記防湿層は,防湿剤を塗布することによ
り形成した塗布膜であることが好ましい。これにより,
容易に防湿層を形成することができ,製造工程の簡略化
を図ることができる。塗布膜の形成方法としては,例え
ば,スピナー法,ディップ法,バーコート法等がある。
【0010】また,防湿層は,ホログラムの一方側が上
記塗布膜であり,ホログラムの他方側が防湿性フィルム
であってもよい。この防湿性フィルムは,上記と同様の
理由により,旋光性のないものであることが好ましい。
【0011】上記防湿層は,例えば,ポリ塩化ビニル系
合成樹脂,ゴム系樹脂,ポリオレフィン系合成樹脂,ア
クリル系樹脂,エポキシ系樹脂,及びフッ素系樹脂のグ
ループから選ばれる1種又は2種以上であることが好ま
しい。これにより,封入作業中に大気中の水分がホログ
ラムに浸入するのを防止することができる。上記ポリ塩
化ビニル系合成樹脂としては,ポリ塩化ビニル,又はポ
リ塩化ビニリデン等を用いることができる。上記ポリオ
レフィン系合成樹脂としては,ポリメチルペンテン,又
はポリプロピレン等を用いることができる。上記ゴム系
樹脂としては,ブチルゴム系,ニトリルゴム系,アクリ
ルゴム系,ブタジエンゴム系,又はシリコンゴム系等を
用いることができる。
【0012】かかる材料は,防湿層が上記塗布膜である
場合にも,また防湿性フィルムである場合にも用いるこ
とができる。また,上記材料を用いることにより,ホロ
グラムの高い回折効率をそのまま維持することができ
る。
【0013】上記防湿層は,接着性を有していることが
好ましい。これにより,第1ガラス,又は第2ガラスの
表面に,接着剤を用いることなく,ホログラムを直接接
着することができ,製造容易である。上記接着性を有す
る防湿層は,紫外線硬化型の合成樹脂であることが好ま
しい。これにより,加熱することなく,防湿層を第1,
又は第2ガラスに接着することができる。そのため,接
着時にホログラムの特性が変化しない。
【0014】上記紫外線硬化型の合成樹脂としては,ア
クリル系樹脂,エポキシ系樹脂,又はウレタン系樹脂等
を用いることができる。また,かかる紫外線硬化型の合
成樹脂は,接着性のないものでもよい。この場合には,
ホログラムは,第1ガラスの表面に接着層を介在させて
接着,固定される。
【0015】また,本発明に係る防湿層は,その表面が
コロナ放電処理,プラズマ処理,プライマー処理など適
切な表面処理を施すことが好ましい。これにより,防湿
層の表面が活性化され,防湿層と第1,又は第2ガラス
との接着性が向上する。上記防湿層は,ホログラムの全
表面を被覆している。このホログラムは,重クロム酸ゼ
ラチン,色素増感重クロム酸ゼラチン,フォトポリマ
ー,銀塩感光材料等の感光材料を露光し,現像したもの
である。
【0016】次に,上記防湿層の旋光度は37°以下,
更には26°以下であることが好ましい。37°以下の
場合には,ホログラム封入ガラスの可視度を80%以上
にすることができる(図29参照)。更に,26°以下
の場合には,ホログラム封入ガラスの可視度を90%以
上にすることができる。ここに,防湿層の上記旋光度θ
とは,ホログラム封入ガラスの防湿層を通過した参照光
の直線偏光Aと,ホログラム封入ガラスの防湿層を通過
した物体光の直線偏光Bとの角度の差をいう(図28参
照)。
【0017】ここで,ホログラム封入ガラスの可視度
は,干渉縞のコントラストか又はホログラム封入ガラス
の回折効率に比例する。そのため,干渉縞のコントラス
トを向上させるか,又はホログラム封入ガラスの回折効
率を向上させることによって,ホログラム封入ガラスの
可視度を向上させることができる。このように可視度が
向上することにより,ホログラムを封入したフロントガ
ラス等のホログラム封入ガラスに投影された表示像の輝
度が向上する。
【0018】そこで,発明者らは,干渉縞のコントラス
トを向上させるために,従来,ホログラム封入ガラスへ
の参照光や物体光の直線偏光を平行にするようにしてい
た。しかしながら,入射時に参照光の直線偏光と物体光
の直線偏光とが平行であっても,干渉縞のコントラスト
を十分に向上させることができなった。
【0019】その原因を鋭意探究したところ,ホログラ
ムを被覆する防湿層自体が旋光特性を有するためである
ことをつきとめた。更に,防湿層の旋光度θを,37°
以下,更に好ましくは26°以下とすることにより,ホ
ログラム封入ガラスの可視度を向上させることができる
ことを発明した。
【0020】防湿層により被覆されたホログラムは,第
1ガラスと第2ガラスとの間に封入されている。このと
き,ポリビニルブチラール樹脂等の光学用接着剤を用い
て,上記ホログラムを封入することができる。
【0021】上記防湿層と光学用接着剤との間には,接
着力を上げるための中間層を設けることが好ましい。こ
れにより,ホログラムが光学用接着剤に強固に接着,固
定する。このため,ホログラムを第1ガラスと第2ガラ
スの間に確実に封入することができる。上記中間層とし
ては,例えば,常温ガラス系,又は親水性樹脂からなる
塗布膜を用いることができる。
【0022】上記第1,第2ガラスは,ホログラム封入
ガラスの回折効率の向上のため,旋光性のないものを用
いることが好ましい。上記第1,第2ガラスは,一般的
な平面ガラス,湾曲したガラスなど,特にその形状は問
わない。もちろん,自動車のウインドシールドのよう
に,湾曲した形状でもよい。
【0023】
【作用及び効果】本発明のホログラム封入ガラスにおい
ては,ホログラムの全表面が,湿気の浸入を防止する防
湿層により被覆されている。そのため,ホログラムは湿
気から保護される。
【0024】また,封入時等の湿気が浸入しやすい環境
下,例えば高温,高圧,又は多湿の環境下に,ホログラ
ムが晒されても,ホログラムを被覆する防湿層が湿気の
浸入を妨げる。そのため,ホログラムは,湿気により損
傷することなく,回折効率が高い。それ故,本発明のホ
ログラムにより写しだされる表示像は,非常に明るい像
となる。従って,本発明のホログラム封入ガラスによれ
ば,鮮明な画像を再生することができる。
【0025】また,防湿層により被覆されたホログラム
は,湿気から保護されるため,従来のようにプラスチッ
クスフィルムにより覆う必要がない。そのため,本発明
のホログラム封入ガラスは,プラスチックスフィルム自
体の旋光性の影響がない。それ故,ホログラムの干渉縞
のコントラストを高いまま維持することができる。従っ
て,本発明のホログラム封入ガラスは,回折効率が高
い。
【0026】本発明によれば,防湿性に優れ,回折効率
が高いホログラム封入ガラスを提供することができる。
【0027】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例に係るホログラム封入ガラスについて,
図1〜図13を用いて説明する。本例のホログラム封入
ガラス7は,図1に示すごとく,ホログラム2を,第1
ガラス61と第2ガラス62との間に封入したものであ
る。ホログラム2は,その全表面が湿気の浸入を防止す
るための防湿層1により被覆されている。
【0028】防湿層1は,防湿剤を塗布することにより
形成した塗布膜であって,旋光性を有していない。防湿
剤としては,ポリオレフィン,又はポリプロピレン等の
ポリオレフィン系合成樹脂,アクリル系合成樹脂,ゴム
系樹脂,或いはエポキシ系合成樹脂等を用いている。
【0029】上記防湿層1により被覆されたホログラム
2は,接着層3により,第1ガラス61に接着されてい
る。上記ホログラム2は,第1ガラス61と第2ガラス
との間に,光学用接着剤5を介在させて,封入されてい
る。第1,第2ガラス61,62は,わずかに湾曲した
ウインドガラスである。光学用接着剤5は,ポリビニル
ブチラール樹脂である。接着層3は,紫外線硬化型接着
剤(日本ロックタイト社製 FMD207,又はスリー
ボンド社製 3013B)を用いている。上記ホログラ
ム封入ガラス7は,自動車のヘッドアップディスプレイ
に用いられる。
【0030】次に,上記ホログラム封入ガラス7の製造
方法について,図2〜図13を用いて説明する。まず,
露光用ガラス9をエタノール等により洗浄し(図2),
その表面に露光用接着剤91(紫外線硬化型接着剤,又
はゼラチン(6wt%))を塗布する(図3)。次に,
図4に示すごとく,露光用接着剤91の表面にベースフ
ィルム92を貼着する。このベースフィルム92として
は,ポリカーボネート,ポリエチレン,ポリエチレンテ
レフタレート等を用いることができる(実公平4─35
402号公報)。ベースフィルム92の屈折率は,ホロ
グラム2の屈折率と近似させるため,1.52±0.0
4であることが好ましい。
【0031】次に,図5に示すごとく,ベースフィルム
92の表面に,ゴム系樹脂(チェイスコーポレーション
社製 ヒューミシール1B51),又はポリプロピレン
等のポリオレフィン系合成樹脂,アクリル系合成樹脂,
或いはエポキシ系合成樹脂等の防湿剤を塗布して,防湿
層1を形成する。その塗布方法としては,スピナー法,
デュップ法,又はバーコート法等のいずれを用いてもよ
い。
【0032】次に,図6に示すごとく,防湿層1上を含
むベースフィルム92の全体に,感光材料を塗布し,感
光膜20を被覆する。感光材料は,色素増感重クロム酸
ゼラチンである。また,感光材料は,フォトポリマーで
もよい。次に,上記感光膜を,レーザ光により露光し,
現像を行い,ホログラムを形成する。
【0033】次に,図7に示すごとく,同図中のA−A
線に沿って,ホログラム2の端部を切りだし,所望の大
きさにする。次いで,図8に示すごとく,ホログラム2
の表面に,上記と同様の防湿剤を塗布して,防湿層1を
形成する。この際,防湿層1は,ホログラム2の端部を
含む全表面を完全に覆うように,形成する。但し,封入
工程中でホログラムの端部からホログラムへの水分の浸
入を無視できる場合等,ホログラムの全表面を被覆する
必要がない場合には,ホログラムをその一部を露出させ
て防湿層により被覆してもよい。
【0034】次に,図9に示すごとく,上記防湿層1の
表面に,紫外線硬化型の接着層3を形成する。次に,露
光用ガラス9から,ベースフィルム92ごとホログラム
2を剥離し,図10に示すごとく,接着層3の表面に,
第1ガラス61を配設する。次に,接着層3を紫外線照
射により硬化させ,上記ホログラム2を第1ガラス61
の表面に接着,固定する。
【0035】次に,図11に示すごとく,上記ホログラ
ム2からベースフィルム92を剥離する。次に,図12
に示すごとく,同図中のB−B線に沿って防湿層1の端
部を切り出す。このとき,防湿層1によりホログラム2
の表面全体を被覆したままの状態にしておく。
【0036】次に,図13に示すごとく,上記第1ガラ
ス61の表面に,ポリビニルブチラール樹脂からなる光
学用接着剤5を介在させて,第2ガラス62を積層し
て,上記ホログラム2を挟み込む。次いで,これを加熱
加圧する。これにより,上記ポリビニルブチラール樹脂
が溶融し,ホログラム2が第1,第2ガラス61,62
の間に封入され,図1に示すホログラム封入ガラス7が
得られる。
【0037】次に,本例の作用効果について,説明す
る。本例のホログラム封入ガラス7においては,図1に
示すごとく,ホログラム2の全表面が湿気の浸入を防止
する防湿層1により被覆されている。そのため,ホログ
ラム2は湿気から保護される。また,湿気が浸入しやす
い環境下,例えば高温,高圧の封入の際に,ホログラム
2が晒されても,ホログラム2を被覆する防湿層1が湿
気の浸入を妨げる。そのため,ホログラム2は湿気によ
る損傷を受けない。
【0038】それ故,ホログラム2は,封入の際,及び
封入後においても,高い回折効率を維持することができ
る。このため,ホログラム封入ガラス7は,高い回折効
率を発揮することができる。また,ホログラム2により
写しだされる表示像は,非常に明るい像となる。従っ
て,本例のホログラム封入ガラス7によれば,鮮明な画
像を再生することができる。
【0039】また,防湿層1により被覆されたホログラ
ム2は,湿気から保護されるため,従来のようにプラス
チックスフィルムにより覆う必要がない。そのため,本
例のホログラム封入ガラス7は,プラスチックスフィル
ム自体の旋光性の影響がない。それ故,ホログラム2の
干渉縞のコントラストを高いまま維持することができ
る。従って,本例のホログラム封入ガラス7は,回折効
率が高い。
【0040】また,本例のホログラム封入ガラスの製造
方法においては,図6に示すごとく,旋光性のない防湿
層により感光膜20を被覆し,レーザ光により露光して
いる。そのため,レーザ光を一定方向に通過,反射させ
ることができ,コントラストの高い干渉縞を記録するこ
とができる。更に,かかる感光膜を現像することによ
り,高い回折効率のホログラム2を形成することができ
る。
【0041】また,図13に示すごとく,封止工程の際
には,ホログラムの全表面が防湿層1により被覆されて
いる。そのため,封止工程での高温高圧条件下でも,ホ
ログラム2は高い回折効率を維持することができる。従
って,本例によれば,安定的に,回折効率の高いホログ
ラム封入ガラスを作製することができる。
【0042】実施例2 本例のホログラム封入ガラスにおいては,図14に示す
ごとく,ホログラム2の一方側が防湿性フィルム10に
より被覆されている。また,その他方側は,上記実施例
1と同様の防湿層1により被覆されている。このホログ
ラム2は,接着層3により第1ガラス61に接着されて
いる。上記ホログラム2は,第1ガラス61と第2ガラ
ス62との間に,光学用接着剤5を用いて,封入されて
いる。
【0043】次に,上記ホログラム封入ガラスの製造方
法について,図15〜図25を用いて説明する。まず,
図15に示すごとく,ベースフィルム92の表面に防湿
フィルム10を貼着する。防湿フィルム10は,旋光性
のないもの,例えば,応力のかからないようにして作製
したフィルムである。
【0044】防湿フィルム10は,ポリ塩化ビニル,ポ
リ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニル系合成樹脂,或い
は,ポリオレフィン,又はポリメチルペンテン等のポリ
オレフィン系合成樹脂等を用いる(実公平4─3540
2号公報)。
【0045】次に,露光用ガラス9をエタノールにより
洗浄し(図16),その表面に露光用接着剤91(紫外
線硬化型,ゼラチン)を塗布する(図17)。次に,図
18に示すごとく,露光用接着剤91の表面に,上記防
湿フィルム10により被覆されたベースフィルム92を
貼着する。次に,図19に示すごとく,防湿フィルム1
0上を含むベースフィルム92の全体に,感光材料を塗
布し,感光膜20を被覆する。次に,感光膜20を,レ
ーザ光により露光し,現像を行い,ホログラム2を形成
する。
【0046】次に,図20に示すごとく,同図中のC−
C線に沿って,ホログラム2の端部を切りだし,所望の
大きさにする。次いで,図21に示すごとく,ホログラ
ム2の表面に,上記と同様の防湿剤を塗布して,防湿層
1を形成する。この際,防湿層1は,ホログラム2の端
部を含む全表面を完全に覆うように,形成する。但し,
ホログラム2の端部については,不必要な場合は,ホロ
グラム2が露出したままでも構わない。
【0047】次に,図22に示すごとく,上記防湿層1
の表面に,紫外線硬化型の接着層3を形成する。次に,
露光用ガラス9から,ベースフィルム92ごとホログラ
ム2を剥離し,図23に示すごとく,接着層3の表面
に,第1ガラス61を配設する。その後,接着層3を紫
外線照射により硬化させ,上記ホログラム2を第1ガラ
ス61の表面に接着,固定する。次に,ベースフィルム
92から露光用ガラス9を剥離し,更に図24に示すご
とく,上記ホログラム2からベースフィルム92を剥離
する。
【0048】次に,図25に示すごとく,上記第1ガラ
ス61の表面に,ポリビニルブチラール樹脂からなる光
学用接着剤5を介在させて,第2ガラス62を積層し
て,上記ホログラム2を挟み込む。次いで,これを加熱
加圧する。これにより,上記ポリビニルブチラール樹脂
が溶融し,ホログラム2が第1,第2ガラス61,62
の間に封入され,上記ホログラム封入ガラス7が得られ
る。その他は,実施例1と同様である。
【0049】次に,本例の作用効果について,説明す
る。本例においては,図14に示すごとく,ホログラム
2の一方側が防湿性フィルム10により被覆されてお
り,またその他方側は塗布により形成した防湿層1によ
り被覆されている。上記防湿性フィルム10及び防湿層
1は,いずれも湿気の浸入を防止し,旋光性のないもの
である。そのため,実施例1と同様に,防湿性に優れ,
回折効率の高いホログラム封入ガラスを得ることができ
る。
【0050】実施例3 本例のホログラム封入ガラスにおいては,図26に示す
ごとく,防湿層11は,接着性を有している。この防湿
層11により被覆されたホログラム2は,第1ガラス6
1に直接に接着,固定されている。防湿層11として
は,紫外線硬化型の合成樹脂,例えば,スリーボンド社
製 3013Bを用いている。ホログラム2は,ポリビ
ニルブチラール樹脂の光学用接着剤5を用いて,第1ガ
ラス61と第2ガラス62の間に封入される。その他
は,実施例1と同様である。
【0051】本例においては,防湿層1が接着性を有し
ている。そのため,実施例1のように接着剤を用いるこ
となく,直接に第1ガラス61に,ホログラム2を接着
することができる。そのため,製造工程の簡略化を図る
ことができる。その他,実施例1と同様の効果を得るこ
とができる。
【0052】実施例4 本例のホログラム封入ガラスにおいては,図27に示す
ごとく,防湿層1と光学用接着剤5との間に,接着力を
上げるための中間層8を,塗布により設けている。中間
層8としては,例えば,常温ガラス,ゼラチン,又は防
湿層と同様の材料を用いることができる。その他は,実
施例1と同様である。
【0053】本例においては,防湿層1と光学用接着剤
5との間に,接着力を上げるための中間層8を設けてい
る。そのため,ホログラム2が光学用接着剤5に強固に
接着,固定する。従って,ホログラム2を,第1ガラス
61と第2ガラス62の間に確実に封入することができ
る。その他,本例においても,実施例1と同様の効果を
得ることができる。
【0054】実施例5 本例においては,防湿層の旋光度とホログラム封入ガラ
スの可視度との関係を測定した。即ち,防湿層の旋光度
は0〜90°の範囲で変化させ,そのときのホログラム
封入ガラスの可視度を測定した。
【0055】防湿層の旋光度θとは,図28に示すごと
く,防湿層を通過した参照光の直線偏光Aと防湿層を通
過した物体光の直線偏光Bとの角度の差をいう。ホログ
ラム封入ガラスの可視度は,偏光フィルムと光パワーメ
ータとを組合せることにより測定した。その結果を,図
29に示した。
【0056】同図より知られるように,防湿層の旋光度
θが小さくなるほど,ホログラム封入ガラスの可視度が
大きくなった。そして,防湿層の旋光度が37°以下の
場合には80%以上の可視度となり,更に上記旋光度が
26°以下の場合には90%以上の可視度が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のホログラム封入ガラスの説明図。
【図2】実施例1のホログラム封入ガラスの製造方法に
おける,露光用ガラスの説明図。
【図3】図2に続く,露光用接着剤の塗布方法を示す説
明図。
【図4】図3に続く,露光用ガラスの表面にベースフィ
ルムを接着する方法の説明図。
【図5】図4に続く,防湿層の塗布方法を示す説明図。
【図6】図5に続く,感光材料の塗布方法を示す説明
図。
【図7】図6に続く,ホログラムの端部の切り出し方法
を示す説明図。
【図8】図7に続く,防湿層の塗布方法を示す説明図。
【図9】図8に続く,接着層の塗布方法を示す説明図。
【図10】図9に続く,ホログラムの表面に第1ガラス
を接着する方法を示す説明図。
【図11】図10に続く,ベースフィルムの剥離方法を
示す説明図。
【図12】図11に続く,防湿層の端部の切り出し方法
を示す説明図。
【図13】図12に続く,2枚のガラス間へのホログラ
ムの封入方法を示す説明図。
【図14】実施例2のホログラム封入ガラスの説明図。
【図15】実施例2のホログラム封入ガラスの製造方法
における,防湿フィルムを貼着したベースフィルムの説
明図。
【図16】図15に続く,露光用ガラスの説明図。
【図17】図16に続く,露光用接着剤の塗布方法を示
す説明図。
【図18】図17に示す,露光用ガラスの表面にベース
フィルムを接着する方法の説明図。
【図19】図18に続く,感光材料の塗布方法を示す説
明図。
【図20】図19に続く,ホログラムの端部の切り出し
方法を示す説明図。
【図21】図20に続く,防湿層の塗布方法を示す説明
図。
【図22】図21に続く,接着層の塗布方法を示す説明
図。
【図23】図22に続く,ホログラムの表面に第1ガラ
スを接着する方法を示す説明図。
【図24】図23に続く,ベースフィルムの剥離方法を
示す説明図。
【図25】図24に続く,2枚のガラス間へのホログラ
ムの封入方法を示す説明図。
【図26】実施例3のホログラム封入ガラスの説明図。
【図27】実施例4のホログラム封入ガラスの説明図。
【図28】実施例5の,防湿層の旋光度の説明図。
【図29】実施例5の,防湿層の旋光度とホログラム封
入ガラスの可視度との関係を示す線図。
【符号の説明】
1,11...防湿層, 10...防湿フィルム, 2...ホログラム, 20...感光膜, 3...接着層, 5...光学用接着剤, 61...第1ガラス, 62...第2ガラス, 7...ホログラム封入ガラス, 8...中間層, 9...露光用ガラス, 91...露光用接着剤, 92...ベースフィルム, A...参照光の直線偏光, B...物体光の直線偏光, θ...防湿層の旋光度,

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ガラスと第2ガラスとの間にホログ
    ラムを封入してなるホログラム封入ガラスにおいて,上
    記ホログラムは,その全表面が湿気の浸入を防止するた
    めの防湿層により被覆されていることを特徴とするホロ
    グラム封入ガラス。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記防湿層は,旋光
    性を有していないことを特徴とするホログラム封入ガラ
    ス。
  3. 【請求項3】 請求項1,又は2において,上記防湿層
    は,防湿剤を塗布することにより形成した塗布膜である
    ことを特徴とするホログラム封入ガラス。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,又は3において,上記防
    湿層は,ホログラムの一方側が上記塗布膜であり,ホロ
    グラムの他方側が防湿性フィルムであることを特徴とす
    るホログラム封入ガラス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3,又は4において,上記防
    湿層は,ポリ塩化ビニル系合成樹脂,ゴム系樹脂,ポリ
    オレフィン系合成樹脂,アクリル系合成樹脂,エポキシ
    系合成樹脂,及びフッ素系樹脂のグループから選ばれる
    1種又は2種以上であることを特徴とするホログラム封
    入ガラス。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4,又は5において,上記防
    湿層は,接着性を有していることを特徴とするホログラ
    ム封入ガラス。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5,又は6において,上記防
    湿層は,紫外線硬化型の合成樹脂であることを特徴とす
    るホログラム封入ガラス。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6,又は7において,上記ホ
    ログラムの封入は,ポリビニルブチラール樹脂等の光学
    用接着剤を用いて行うことを特徴とするホログラム封入
    ガラス。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7,又は8において,上記防
    湿層と光学用接着剤との間には,接着力を上げるための
    中間層を設けることを特徴とするホログラム封入ガラ
    ス。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8,又は9において,上記
    中間層は,常温ガラス系,又は親水性樹脂からなる塗布
    膜であることを特徴とするホログラム封入ガラス。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一項におい
    て,上記防湿層の旋光度は,37°以下であることを特
    徴とするホログラム封入ガラス。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれか一項におい
    て,上記防湿層の旋光度は,26°以下であることを特
    徴とするホログラム封入ガラス。
JP9619795A 1994-05-17 1995-03-28 ホログラム封入ガラス Pending JPH0836351A (ja)

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