JPH0836200A - 非線形光学用高分子材料 - Google Patents

非線形光学用高分子材料

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JPH0836200A
JPH0836200A JP6172657A JP17265794A JPH0836200A JP H0836200 A JPH0836200 A JP H0836200A JP 6172657 A JP6172657 A JP 6172657A JP 17265794 A JP17265794 A JP 17265794A JP H0836200 A JPH0836200 A JP H0836200A
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polymer
dye
polymer material
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polymn
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JP6172657A
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Shinji Aramaki
晋司 荒牧
Yuko Okamoto
祐子 岡本
Yasuyuki Taniguchi
泰之 谷口
Tetsuo Murayama
徹郎 村山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな非線形感受率を有する材料を得るのに
利用できる分子超分極率βの大きな色素を提供し、これ
により非線形感受率を大幅に高め、従来の素子に比較し
て、高い性能を示す素子を作製することができる非線形
光学用高分子材料を提供する。 【構成】 少なくとも一つの繰返し単位の中に、下記一
般式(I)で示される構造を一種又は二種以上含むこと
を特徴とする非線形光学用高分子材料。。 【化1】 【効果】 非線形感受率が著しく良好な非線形光学材料
が提供されるため、電気光学光変調素子や波長変換素子
等に用いて、光の制御を行なうための非線形光学材料と
して、工業的に極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非線形光学用高分子材料
に係り、特に大きな非線形光学効果を発現する材料を提
供する高分子材料であって、電気光学光変調素子や波長
変換素子等に用いる光の制御素子として有効な非線形光
学用高分子材料に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形光学材料は、光の波長変換、屈折
率の変化による光の変調、スイッチング等、光、特にレ
ーザー光の変換や制御に広く利用されている。これは外
部より加えられる電磁場による物質の非線形な分極によ
り引き起こされる現象として理解されている。ここで、
外部より加えられる電場(光又は静電場)をE、それに
より誘起される物質の分極をPとして、PをEにより展
開すると、下記(1)式の如く表せる。
【0003】
【数1】 P=P0 +χ(1)E+χ(2)EE+χ(3)EEE+… …(1) このχ(2) は2次の、χ(3) は3次の非線形感受率と呼
ばれ、これらの関係する現象は、例えば、Y.R.Sh
en著“Principles of Nonline
ar Optics”に記述されている。
【0004】現在、非線形光学材料として実際に用いら
れているのは、KDP(KH2PO4)、LiNbO
3 (ニオブ酸リチウム)、KTP(KTiOPO4 )等
の酸化物単結晶や、GaAs等の半導体材料が主であ
る。近年、π電子共役系の有機化合物が、この非線形光
学材料として注目を集めている。これは、その非線形感
受率が無機系材料と比較して非常に大きいことや、それ
が電子分極に由来することから、全光デバイスに応用さ
れた場合、ピコ秒以下の超高速の応答性が期待されるこ
とによる。また、誘電率の小さいことや、ニオブ酸リチ
ウム等と比較して光損傷に強いこと、高分子材料におい
ては製造法が単結晶成長に比較して容易なこと、多様な
分子設計により種々の機能を付加できる可能性のあるこ
とも、有機化合物が非線形光学材料として期待されてい
る理由として挙げられる。このような有機化合物の特長
を利用すれば、半導体レーザー等の低パワーレーザー用
の第二高調波発生等の波長変換素子や、低電圧駆動で高
速応答性の電気光学変調素子を作製することが可能であ
る。
【0005】有機化合物を非線形光学材料としてしよう
する場合、種々の形態のものが検討されてきた。有機化
合物では、非線形感受率は分子の超分極率で議論され
る。分子に作用する電場をEとし、これにより誘起され
る分子の双極子モーメントをpとすると、下記(2)式
で表せる。
【0006】
【数2】 p=μ+αE+βEE+γEEE+… …(2) ここでαは分子分極率、β、γはそれぞれ二次、三次の
分子超分極率と呼ばれており、分子集合体の非線形感受
率はこれらβ、γに由来する。二次の非線形光学材料と
しては、分子内に電子供与性の基と電子吸引性の基を含
み、それらがπ電子共役系で連結されている分子内電荷
移動性のものが、二次の分子超分極率βが大きくなるこ
とが示されており、これまでに知られている大きなχ
(2) を示す有機化合物は、メチルニトロアニリン(MN
A)に代表されるように、ほとんどがこのタイプの分子
である。
【0007】しかし、二次の非線形光学材料には、その
構造が巨視的に反転対称性を有しないという制限が存在
する。即ち、χ(2) が3階のテンソルであるために、β
が大きくても集合体が反転対称性を有する結晶構造をと
ったり、アモルファスである場合には、χ(2) は0にな
る。このため、βの大きな分子をいかにして極性構造に
配向させるかが、材料探索の大きな課題となっている。
【0008】この有機系非線形光学材料において、結晶
構造を利用することは最もよく行なわれることであり、
粉末SHG法はこのような材料を簡便にスクリーニング
する方法である。従来、分子が最適な配置をとった結晶
を得るために、光学活性な基の導入、基底状態の双極子
モーメントの小さい骨格、水素結合の利用等の分子設計
のアイデアは幾つか提案された。
【0009】しかしながら、最終的には実際に結晶を得
てみなければ、効果は明らかではない。また、有機化合
物の結晶は分子性結晶で、柔らかく加工性に乏しい。更
に、非線形光学素子として実用化する際に、導波路構造
に加工することが望ましいことが多いが、これに必要な
薄膜形成法、結晶方位の制御、部分的に屈折率を変化さ
せる方法が非常に難しい。このようなことから、膨大な
数の有機結晶について非線形光学材料としての可能性が
調べられているにもかかわらず、素子にまで加工された
例は少ないのが現状である。
【0010】もう一つの二次の有機系非線形光学材料と
しては、高分子材料が挙げられる。これはアクリル系の
高分子にディスパースレッド1(N−エチル−N−ヒド
ロキシルエチル−4−アミノ−4’−ニトロアゾベンゼ
ン:後掲の比較例1参照)に代表される、βの大きな分
子をドープしたり、高分子の側鎖に結合させたもので代
表される。高分子材料は、コーティングによる薄膜形成
が容易で、光学的にも優れた光導波路材料となることは
知られているが、コーティングしただけの膜は一般にア
モルファスでχ(2) は0である。χ(2) を示すようにす
るための方法としては、高分子の膜に電場を印加しなが
らガラス転移温度(以下「Tg」と略す)付近の温度に
加熱して、βの大きなユニットを配向させた後、室温ま
で冷却して配向を固定するボーリングと呼ばれる操作が
最もよく利用されており、これにより、ニオブ酸リチウ
ム程度の電気光学効果を示す材料が得られている。しか
しながら、この操作における最も大きな欠点は、その配
向が熱的に緩和してしまい、χ(2) が次第に減衰するこ
とである。また、ポーリングにより非線形光学効果を発
現するβの大きな色素は、高分子マトリクス中で希釈さ
れており、温度による擾乱のために完全な配向はとりえ
ないことから、有機化合物に期待される大きな非線形光
学効果も得られていない。
【0011】そのほかに、βの大きなユニットを配向さ
せた構造を得る方法としては、ラングミュア・ブロジェ
ット膜等の配向性の膜を利用することも試みられてい
る。いずれの非線形光学材料においても、大きなχ(2)
を有する材料は、素子を高効率にするために多くの有利
な点を有する。例えば、電気光学効果を利用した光スイ
ッチ素子においては、大きな電気光学効果を有する材料
を用いれば、低電圧駆動のものが得られ、また素子の長
さを短くでき、集積化に有利である。また、有機材料の
誘電率は3から4程度であり、ニオブ酸リチウムの1/
10程度であるので、原理的に10倍程度の高速な動作
が可能であり、高速光通信分野への応用に有利である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、高特性の
素子を得るためには、非線形感受率の高い非線形光学材
料を開発する必要があるが、従来において、このような
非線形光学材料が提供されていないのが現状である。本
発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、大
きな非線形感受率を有する材料を得るのに利用できる分
子超分極率βの大きな色素を高分子に結合し、これによ
り非線形感受率を大幅に高め、従来の素子に比較して、
高い性能を示す素子を作製することができる非線形光学
材料を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく検討した結果、ナフトキノンメチド色素を
高分子に化学結合した材料が従来の材料と比較して非常
に高い性能を示すことを見出し、本発明に至った。請求
項1の非線形光学材料用高分子材料は、少なくとも一つ
の繰返し単位の中に、下記一般式(I)で示される構造
を一種又は二種以上含むことを特徴とする。
【0014】
【化7】
【0015】請求項2の非線形光学材料用高分子材料
は、少なくとも一つの繰返し単位の中に下記一般式(I
I)、(III)又は(IV)で示される構造を含むこ
とを特徴とする。
【0016】
【化8】
【0017】請求項3の非線形光学材料は、少なくとも
一つの繰返し単位の中に下記一般式(V)で示される構
造を含むことを特徴とする。
【0018】
【化9】
【0019】前記一般式(I)〜(V)で表される構造
において、R1 〜R13は、それぞれ直鎖又は分岐した炭
化水素基を表し、m及びnは0又は1である。Xa 及び
bは、−O−、−NH−又は−(C=O)−を表し、同
じでも異っていてもよい。Zは置換されていてもよい芳
香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、Qは
【0020】
【化10】
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
非線形光学材料用高分子材料は、少なくとも一つの繰返
し単位の中に、前記一般式(I)で示される構造を一種
又は二種以上含むことを特徴としている。このようなナ
フトキノンメチド色素を含む成分を含有する非線形光学
材料用高分子材料の製造法としては幾つかの方法が挙げ
られる。
【0022】例えば、ナフトキノンメチド色素の結合し
たモノマーを重合することにより、本発明の高分子材料
を製造することができる。また、重合反応として、重付
加反応と重縮合反応が挙げられる。重縮合するモノマー
としては、ジオール、ジアミン、ジカルボン酸、ジカル
ボン酸エステル、ジカルボン酸クロリド、ジカルボン酸
無水物、ジイソシアネート等が挙げられる。このような
モノマーの例としては次のようなモノマーが挙げられ
る。
【0023】
【化11】
【0024】上記一般式において、Ga及びGbは、ヒ
ドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アルキルオ
キシカルボニル基、塩化カルボニル基、臭化カルボニル
基、イソシアネート基等の重合に利用できる官能基を表
す。また、Ga、Gb以外の記号の意味は、前記一般式
(II)、(III)又は(IV)と同義である。これ
らのモノマーを用いれば、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリ尿素、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート等の高分子材料を製造できる。さらに、開環して重
合する基を含んでいれば、開環重合により本発明の高分
子材料を得ることもできる。
【0025】重付加反応するモノマーとしては、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン誘導
体、ビニル基含有化合物等が挙げられる。このようなモ
ノマーの例としては次のようなモノマーが挙げられる。
【0026】
【化12】
【0027】上記一般式において、Ra及びRbは、そ
れぞれアルキル基又はアルキレン基を表す。また、Zは
前記一般式(I)と同義である。既に重合した高分子材
料とナフトキノンメチド色素誘導体との高分子反応を利
用すれば、やはり同様に本発明の高分子材料が得られ
る。この方法の利点としては、色素を含むモノマーを重
合するのが難しいか、もしくは高分子量のものが得られ
にくい場合でも、容易に色素の結合した分子量の大きな
高分子材料が得られることである。化学的に反応して結
合を形成する基が色素と高分子の両方にあれば、高分子
反応による本発明の材料の製造が可能である。このよう
な高分子の例としては、岩田義男、栗田恵輪著、”反応
性高分子”(1977、講談社サイエンティフィク)に
記述されているものを挙げることができる。例えば、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸クロ
リド、ポリメタクリル酸クロリド、ポリアクリル酸グリ
シジル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリメタクリル
酸 ポリビニルフェノール、ポリビニルアミン、ポリ−
4−クロロメチルスチレン、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルイソシアナート、及びこれらの構造を含む共重
合体等が挙げられる。
【0028】重合反応、高分子反応のどちらを用いるに
しても、ナフトキノンメチド色素中に反応する部分が必
要であるが、そのような部分を有するナフトキノンメチ
ド色素は次の反応により容易に合成することができる。
【0029】
【化13】
【0030】上記式中、Halはハロゲン原子を表し、
通常、ナフタレン誘導体としてはQが
【0031】
【化14】
【0032】の時には1−ナフチルマロノニトリル、Q
【0033】
【化15】
【0034】の時は1−ナフチルシアノアセトアミド、
QがNC−N=の時は1−ナフチルシアナミドを用い
る。この合成法は既知のものであり、例えば、J.Ch
em.Soc. Perkin Trans.1 24
39頁(1988)や、J.Chem.Soc.Per
kin Trans.1,1975頁(1990)に詳
細が記載されており、これを参考に合成できる。このR
a、Rbに反応に関与する官能基を有するモノマー、も
しくはそれに容易に変換できる官能基を有するモノマー
等を用いれば、所望の高分子化可能な化合物を得ること
ができる。
【0035】前記一般式(I)等において、Zで表され
る芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環としては、例
えば、5員環もしくは6員環もしくはそれらの縮合した
次のようなものを挙げることができる。
【0036】
【化16】
【0037】これらは、含有する水素原子のうち1つ以
上がアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アシル
アミノ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ
基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボ
キシル基、アシル基、ヒドロキシル基、スルホン基等で
置換されていてもよい。本発明の非線形光学高分子材料
に含まれる繰返し単位(ナフトキノンメチド色素を含む
成分)の具体的な構造について下記に示す。
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】このようなナフトキノンメチド色素を含む
成分は、その重量の全体のポリマーに対する割合が、1
%以上95%以下でよいが、性能や成膜性などの点から
さらに好ましくは、5%以上70%以下の範囲のものが
望ましい。さらに具体的にポリウレタンにナフトキノン
メチドを導入した系を例に挙げ説明する。ナフトキノン
メチド色素に水酸基を二つ導入したものは、ポリウレタ
ンの合成に利用することができる。このような化合物の
例としては次のようなものが挙げられる。
【0043】
【化21】
【0044】
【化22】
【0045】これらの化合物は、単独で用いてもよい
し、二種類以上を混合して用いてもよい。さらに、色素
濃度を制御したり、別の機能を導入するために、ナフト
キノンメチド色素を含まない二つ以上の水酸基やアミノ
基を有する化合物を混合して用いてもよい。そのような
低分子化合物としては数平均分子量が300〜5000
のポリオールや数平均分子量が500以下の短鎖ジオー
ル又は短鎖ジアミンが利用できる。
【0046】ポリオールの例としては、ポリウレタンの
製造に通常用いられているものが使用でき、例えば、ポ
リエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリエー
テルエステルジオール、ポリオレフィンポリオール及び
これら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテル
ジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重
合させて得られるもの、例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピ
レングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリオク
タメチレンエーテルグリコール及びそれらの2種以上の
混合物が挙げられる。ポリエステルジオールとしてはジ
カルボン酸(テレフタル酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル
酸等)又はそれらの無水物とグリコール(エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル
−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル
−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−
ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ
ール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、
1,8−オクタメチレングリコール、2−メチル−1,
8−オクタメチレングリコール、1,9−ノナンジオー
ル等の脂肪族グリコール;ビスヒドロキシメチルシクロ
ヘキサン等の脂環族グリコール;キシリレングリコー
ル、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコ
ール;C1〜18アルキルジエタノールアミン等のアル
キルジアルカノールアミン等)とを縮重合させて得られ
たもの、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレ
ンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエ
チレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類
を開始剤として用いて得られるポリラクトンジオール、
例えば、ポリカプロラクトンジオール、ポリメチルバレ
ロラクトン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。ポリエーテルエステルジオールとしてはエーテル基
含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物を前記
ジカルボン酸と又はそれらの無水物とを反応させるか、
又はポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反
応させることによって得られるもの、例えば、ポリ(ポ
リテトラメチレンエーテル)アジペートが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、水素添加型ポリブ
タジエンポリオール、水素添加型ポリイソプレンポリオ
ール等が挙げられる。
【0047】この他、ポリカーボネートジオール類、ポ
リブタジエンポリオール類も使用可能である。短鎖ジオ
ールの例としては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、
2−エチル−1,3−ヘキサングリコール、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,3−ジ
メチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、2−メ
チル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジメ
タノール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、N−アル
キルジエタノールアミン、ビスフェノールA等が挙げら
れる。短鎖ジアミンの例としてはエチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、ヒドラジン、2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、ピペラ
ジン、シクロヘキサンジアミン、メンセンジアミン、イ
ソホロンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘ
キシルアミン)等の脂環族ジアミン等が挙げられる。さ
らにトリメチロールプロパン、グリセリン等の多官能ア
ルコール類も一部併用することができる。また、一部を
モノアミンやモノアルコールに置換することも可能であ
る。モノアミンとしては、メチルアミン、エチルアミ
ン、ブチルアミン、ジブチルアミン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン等が挙げられる。モノアルコー
ルとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、ヘキサノール等が挙げられる。
【0048】さらには、N,N−ジヒドロキシルエチル
アミノニトロアゾベンゼン、やN,N−ジヒドロキシル
エチルアミノニトロスチルベンのような、他の非線形光
学用に用いられる色素を含むジオール化合物等のジオー
ル類も挙げることができる。これらのジオールは、イソ
シアネート基を二つ以上有する化合物と反応させて、ポ
リウレタンを合成することができる。このようなポリイ
ソシアネート化合物の例としてはパラフェニレンジイソ
シアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソ
シアネート、トリジンジイソシアネート、3,3’−ジ
メチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,
3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアナトビフェニ
ル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイ
ソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂
肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、ω,ω’−ジイソシネートジメチルシクロヘキサ
ン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレン
ジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシア
ネート等が挙げられる。中でも芳香環を有するジイソシ
アネートが好ましい。これらは、単独で用いてもよい
し、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0049】本発明のポリウレタンの製造は公知の方法
に従い、ワンショット法、プレポリマー化法等によって
行われる。ポリウレタンを製造する際の溶媒としては、
通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソ
ホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セ
ロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコー
ル、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノー
ル等一部のアルコール類、その他塩化メチレン、テトラ
ヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が用いられる。
【0050】重合は、水酸基を有する化合物とイソシア
ネート基を有する化合物を溶媒中で混合して行うことが
できる。この際に、触媒を用いることもできるが、用い
なくても加熱により重合することができる。触媒として
は、通常のウレタン化反応触媒が用いられる。例えば、
ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレー
ト、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエー
ト等の錫系触媒、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄
等の鉄系触媒、トリエチルアミン、トリエチレンジアミ
ン等の三級アミン系触媒等が挙げられる。
【0051】次に、得られた高分子材料に、非線形光学
効果を付与する方法について説明する。本発明の高分子
材料は、3次の非線形光学材料としても用いることは可
能であるが、2次の非線形光学材料として用いる方が好
ましい。3次の非線形光学材料としては、単にバルクも
しくは膜状でも効果は現れるが、2次の非線形光学材料
として用いる際には、何らかの方法でバルクで反転対称
性を有さない、極性構造を付与する必要がある。これに
は、幾つかの方法が提案されている。
【0052】最も一般に行われているのは、高分子中で
の色素が運動できるように高分子材料のTg付近まで加
熱し、電場を印加することによって、色素の双極子モー
メントと電場の相互作用で色素を配向させた後に、冷却
してその配向を固定するポーリングと呼ばれる方法であ
る。試料に電圧を印加する方法としては、試料に設けた
電極間に電圧を印加する方法と、コロナ帯電により電圧
を印加する方法がある。また、熱や光による架橋の可能
な高分子の場合には、ポーリング処理中もしくはポーリ
ング後に架橋して高分子を硬化させ色素の配向を固定す
ることも可能である。特に、ポリウレタンやポリ尿素で
は、イソシアネートを2つ以上含む化合物と混合して加
熱すると、架橋ポリマーを生成し、配向の緩和の抑制に
有効である。ポーリング操作については、D.M.Bu
rlandらによるChemical Review
94巻 31項(1994)に詳しい解説があり、これ
に記載されている手法に準じて行うことができる。
【0053】また、もう一つの高分子に非線形光学効果
を付与する手法は、ラングミュア−ブロジェット(以下
「LB」と略す)法である。高分子であっても適当な構
造を選べば、LB法で配向した単分子膜を積層すること
ができる。この配向膜が、反転対称の無いX膜やZ膜で
あれば非線形光学効果は発現する。もしも、反転対称の
あるY膜となった場合でも、たとえば、非線形光学効果
を有さない別の単分子膜、例えば、アラキン酸のような
ものと交互に累積すれば、反転対称性の無い膜を得るこ
とができる。
【0054】本発明の高分子材料は、このように反転対
称性を有しない構造を形成させれば、非常に大きな2次
の非線形光学効果を示す。この2次の非線形光学効果と
しては、波長変換と1次の電気光学効果(ポッケルス効
果)があるが、本発明の高分子は、可視領域に強い吸収
を有するので、近赤外領域の光でのポッケルス効果を利
用した光の制御への応用が有望である。
【0055】具体的な応用例として、電場により屈折率
が変化するので、光の位相制御が挙げられる。これは、
光の位相を変調して情報を付加することができ、光通信
や光情報処理に利用できる。また、この位相の変化は、
干渉計を用いれば光の強度の変化とすることができ、強
度変調にも応用できる。このような変調素子は、バルク
でも可能であるが、容易にフィルムにできるという高分
子材料の特性を活かして、光導波路素子を構成するのが
望ましい。また、方向性結合器に本発明の材料を応用す
れば、光スイッチ素子も構成できる。より具体的な光導
波路素子の例については、応用物理学会光学懇話会編、
「光集積回路 基礎と応用」(朝倉書店)に詳しい説明
があり、この中の電気光学効果を利用した光導波路素子
はすべて本発明の高分子材料で実現可能である。
【0056】また、本発明の高分子材料は、非常に高い
性能を有するので、フィルム内を伝播して位相を制御す
る光導波路でなくとも、フイルムに垂直に入射した光が
フィルム内を透過する際に位相を変化させる方法でも用
いることができる。このようなものでは、光の位相に、
場所により異なる変調を与えることができ、空間変調素
子として利用することができる。このようなものは、光
でボード間の接続をする光インターコネクションや、画
像処理等に有用である。さらに、本発明の高分子材料に
光導電性を付与すれば、フォトリフラクティブ効果を効
率良く発現させることも可能である。
【0057】本発明で用いた電気光学効果の測定法とし
ては、基本的には、C.C.TengらがAppl.P
hys.Lett.56、p1734(1990)に発
表したものを用いた。具体的な実験装置の配置図を図1
に示す。なお、図1中、1はレーザー、2は偏光子、3
はバビネソレイユ補償板、4は検光子、5はフォトダイ
オード、6はロックインアンプ、7は電源、8はサンプ
ル、9はヒーター、10は電極、11は温度制御器であ
る。ここで、Tengらの場合と異なるのは、サンプル
(8)がヒートブロックに固定されており、温度コント
ローラで温度の制御ができるようになっていることと、
印加する電圧が交流に直流のオフセットがかけられるよ
うになっているところである。Tengらの論文ではp
偏光とs偏光の位相差の導出に不備があり、ポッケルス
係数を計算する式(論文では式(10))として次のも
のを用いた。
【0058】
【数3】
【0059】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 ジエタノールアミン6.3g、p−フロロニトロベンゼ
ン7.1g、炭酸カリウム7.1gをジメチルスルホキ
シド40mlに混合し、100℃で2.5時間加熱し
た。この反応液を水に注入し、酢酸エチルで抽出した。
有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーター
で濃縮したものを、酢酸エチルを溶媒としてシリカゲル
のカラムクロマトグラフィーで精製し、3.5gの黄色
粉末を得た。マススペクトル、NMR等により、N,N
−ジ(ヒドロキシエチル)−p−ニトロアニリンである
ことが確認された。
【0060】N,N−ジ(ヒドロキシルエチル)−p−
ニトロアニリン3gをエタノール30mlに溶解し、こ
れに10%パラジウム炭素0.13gを加えた。これに
水素ガスを接触させてニトロ基の還元反応を行った。所
定量(0.87l)の水素ガスが吸収されたところで反
応を終え、パラジウム炭素を濾過後、エバポレーターで
濃縮して、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)−p−フェ
ニレンジアミン2.5gを得た。
【0061】α−ナフチルマロノニトリル2.5gをア
セトン30mlとアンモニア水17mlに溶解したもの
に、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)−p−フェニレン
ジアミン2.5gをアセトン25mlと水50mlに溶
解したものを混合した。これを氷と塩で冷却し、さらに
50gの氷を添加したものに、過硫酸アンモニウム5.
9gを冷水50mlに溶解したものを5℃以下で添加
し、添加開始から5分以内に沈澱物を濾過した。エタノ
ールより再結晶し、緑色粉末2.2gを得た。マススペ
クトル、NMRにより、下記構造式のジオール系色素化
合物が得られたことが確認できた。
【0062】
【化23】
【0063】実施例2 実施例1のジエタノールアミンをジイソプロパノールア
ミンに変えたこと以外は実施例1と同様にジオールを合
成した。即ち、ジイソプロパノールアミン15g、p−
フロロニトロベンゼン12.5g、炭酸カリウム15g
をジメチルスルホキシド100mlに混合し、80℃で
3時間加熱した。この反応液を水に注入し、酢酸エチル
で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エ
バポレーターで濃縮したものを、酢酸エチルを溶媒とし
てシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製し、
3.6gの黄色粉末を得た。マススペクトル、NMR等
により、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−
ニトロアニリンであることが確認された。
【0064】N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−
p−ニトロアニリン3.5gをエタノール50mlに溶
解し、これに10%パラジウム炭素0.14gを加え
た。これに水素ガスを接触させてニトロ基の還元反応を
行った。所定量(0.94l)の水素ガスが吸収された
ところで反応を終え、パラジウム炭素を濾過後、エバポ
レーターで濃縮して、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロ
ピル)−p−フェニレンジアミン3.2gを得た。
【0065】α−ナフチルマロノニトリル2.69gを
アセトン32mlとアンモニア水18mlに溶解したも
のに、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−フ
ェニレンジアミン3.14gをアセトン27mlと水5
4mlに溶解したものを混合した。これを氷と塩で冷却
し、さらに50gの氷を添加したものに、過硫酸アンモ
ニウム6.39gを冷水55mlに溶解したものを5℃
以下で添加し、添加開始から5分以内に沈澱物を濾過し
た。また、反応液よりクロロホルムで抽出を行い濃縮し
た。得られた粗結晶を酢酸エチルを用いシリカゲルのカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し、緑色粉末1.3
gを得た。マススペクトル、NMRにより、下記構造式
のジオール系色素化合物が得られたことが確認できた。
【0066】
【化24】
【0067】実施例3 ジメチルホルムアミド(以下「DMF」と略す)20m
lに下記表で示した割合でポリ3−メチル−1,5−ペ
ンチレンテレフタレート(数平均分子量500、(株)
クラレ製、以下「PMPT500」と略す)、ネオペン
チルグリコール(以下「NPG」と略す)、実施例1で
得た色素ジオール化合物を溶解し、80℃に加熱しなが
ら、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以
下「MDI」と略す)を添加した。この溶液を7時間加
熱攪拌後メタノールに注入した。生成した沈澱をテトラ
ヒドロフラン(THF)に溶解し、これをメタノールと
n−ヘキサンに滴下して2回の再沈処理を行い、濾過、
乾燥後、緑色粉末の高分子を得た。NaCl板上に膜を
形成して測定したIRスペクトルを図2〜5に示す。高
分子中の色素含有量は、吸収スペクトルの振動子強度か
ら求めた。即ち、まず、濃度既知のジオール系色素モノ
マーのDMF溶液の吸収スペクトルの測定から、可視吸
収帯の振動子強度を計算した。次にポリマーのDMF溶
液の吸収スペクトルから、高分子中の色素化合物成分の
振動子強度はモノマーのものと同じとして高分子中の色
素化合物由来の成分の濃度を求めた。また、ゲルパーミ
ュエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」と略
す)の測定から数平均分子量Mnと重量平均分子量Mw
とを求め、モノマー成分が残存していないことを確認し
た。これらを、下記表にまとめて示す。また、サンプル
1〜4の赤外吸収スペクトルを図2〜5に示す。
【0068】
【表1】
【0069】実施例4 実施例3のジイソシアネートを3,3’−ジメチル−
4,4’−ジイソシアナトビフェニルに変えたこと以外
は実施例3と同様にしてナフトキノンメチド色素を含有
するポリウレタンを合成した。DMF25mlにPMP
T500を0.72g、ネオペンチルグリコールを0.
16g、実施例1のジオール系色素化合物を1.0g溶
解し、100℃に加熱しながら、1.45gの3,3’
−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニルを添
加した。この溶液を7時間加熱攪拌後メタノールに注入
した。生成した沈澱をテトラヒドロフラン(THF)に
溶解し、これをメタノールとn−ヘキサンに滴下して2
回の再沈処理を行い、濾過、乾燥後、緑色粉末の高分子
3.0gを得た。GPCの測定により、Mw=690
0、Mn=15800であり、モノマーが残存していな
いことが確認できた。得られたポリウレタンのIRスペ
クトルを図6に示す。 実施例5 実施例3の色素ジオールを実施例2で製造した色素ジオ
ールに変えたこと以外は実施例3と同様にしてナフトキ
ノンメチド色素を含有するポリウレタンを合成した。
【0070】DMF25mlにPMPT500を0.8
1g、ネオペンチルグリコールを0.17g、実施例2
のジオール系色素化合物を1.0g溶解し、100℃に
加熱しながら、1.35gの4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートを添加した。この溶液を7時間加熱
攪拌後メタノールに注入した。生成した沈澱をテトラヒ
ドロフランに溶解し、これをメタノールとn−ヘキサン
に滴下して2回の再沈処理を行い、濾過、乾燥後、緑色
粉末の高分子1.5gを得た。GPCの測定により、M
n=6900、Mw=15800であり、モノマーが残
存していないことが確認できた。得られたポリウレタン
のIRスペクトルを図7に示す。 実施例6 実施例3で得たサンプル2の粉末0.2gを1gのシク
ロペンタノンに溶解し、ITOガラス基板上に数μmの
厚さになるようにスピンコートし、130℃で30分間
乾燥した。この上に金を真空蒸着し、サンドイッチ型の
電極構造とした。この電極間に、サンプルにかかる電場
が0.5MV/cmとなるように直流電圧を印加し、3
0分間で徐々に120℃まで加熱し、120℃で5分間
保持した。これを40分で室温まで冷却した後に、直流
電圧を除去した。このプロセスは5Vの交流電場を重畳
して、ポッケルス効果を測定するための図1の装置で複
屈折を測定してモニターし、110℃以上では速やかに
色素が配向し、十分にポーリング出来ていることが分か
った。図1の装置で、1.31μmのレーザーを用いて
測定して、11pm/Vのポッケルス係数r33が得られ
た。この性能は、1カ月以上に渡り減衰は全く見られな
かった。
【0071】また、サンプル3を用いて、同様にしてポ
ーリング処理を行ったところ、13pm/Vのポッケル
ス係数r33が得られた。この性能は、1カ月以上に渡り
減衰は全く見られなかった。 比較例1 ニトロアニリン5gを35%塩酸16mlに溶解し、水
100mlを加えた。これを0℃に冷却し、亜硝酸ナト
リウム2.7gを水14mlに溶解したものを滴下し、
3時間攪拌した。これを、N,N−ジヒドロキシエチル
−m−トルイジン7gをメタノール50mlに溶解した
ものに5℃以下の温度で滴下して3時間攪拌した。生成
した沈澱を濾過し、メタノールで再結晶処理を行い、赤
色粉末を得た。マススペクトル、NMRにより、下記構
造式のジオール系色素化合物であることが確認された。
【0072】
【化25】
【0073】DMF20mlにこの色素化合物を1.0
33g、PMPT500を0.756g、ネオペンチル
グリコール0.16gを溶解し、80℃でMDI1.4
94gを添加し、7時間攪拌した。反応溶液をメタノー
ルに注入し、得られた沈澱をジクロロメタンに溶解して
n−ヘキサンに添加して再沈処理を行い、濾過、乾燥後
1.3gの赤色粉末が得られた。GPCの測定から、M
n=5200、Mw=10200であり、モノマーが残
存していないことが確認できた。この色素由来の成分の
含有量は、実施例3と同様にして吸収スペクトルにより
25重量%と同定できた。
【0074】実施例6と同様にして、この高分子のフィ
ルムを作製し、電極を設けて、0.5MV/cmの電場
でポーリング処理を行った。その結果、1.31μmの
レーザーを用いて測定して、2.2pm/Vのポッケル
ス係数r33が得られた。 比較例2 下記構造式のナフトキノンメチド色素をポリメチルメタ
クリレート(アルドリッチ社製、中分子量、固有粘度
0.45)に10重量%ドープして、実施例6と同様の
電極を設けたフィルムサンプルを作製した。
【0075】
【化26】
【0076】これを電場0.5MV/cm、温度110
℃で10分間ポーリング処理を行うと、1.31μmの
レーザーを用いて測定して、2.2pm/Vのポッケル
ス係数r33が得られた。これを室温で30日間保存した
ところ、2.8pm/Vに減衰してしまった。
【0077】
【発明の効果】本発明の非線形光学材料用高分子材料
は、得られる非線形光学効果が著しく高く、このような
非線形光学材料用高分子材料を用いれば、非線形感受率
が著しく良好な高性能の非線形光学材料が提供される。
このような本発明の非線形光学材料は、電気光学光変調
素子や波長変換素子等に用いて、光の制御を行なうため
の非線形光学材料として、工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、電気光学効果の測定に使用さ
れる装置の構成を示す図である。
【図2】実施例3で製造したサンプル番号1の高分子フ
ィルムの赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図3】実施例3で製造したサンプル番号2の高分子フ
ィルムの赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図4】実施例3で製造したサンプル番号3の高分子フ
ィルムの赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図5】実施例3で製造したサンプル番号4の高分子フ
ィルムの赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図6】実施例4で製造した高分子フィルムの赤外吸収
スペクトルを示す図である。
【図7】実施例5で製造した高分子フィルムの赤外吸収
スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 レーザー 2 偏光子 3 バビネソレイユ補償板 4 検光子 5 フォトダイオード 6 ロックインアンプ 7 電源 8 サンプル 9 ヒーター 10 電極(ITO及び金) 11 温度制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 18/38 NDQ 18/65 NEX 61/02 NLF 63/685 NNN 64/00 NPT 69/00 NRB 73/10 NTF C08L 101/12 LTB C09K 9/02 B (72)発明者 村山 徹郎 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの繰返し単位の中に、下
    記一般式(I)で示される構造を一種又は二種以上含む
    ことを特徴とする非線形光学用高分子材料。 【化1】 (式中、Qは 【化2】 又はNC−N=を表し、Zは置換されていてもよい芳香
    族炭化水素環もしくは芳香族複素環を表す。)
  2. 【請求項2】 少なくとも一つの繰返し単位の中に下記
    一般式(II)、(III)又は(IV)で示される構
    造を含む請求項1に記載の非線形光学用高分子材料。 【化3】 (式中、R1 〜R13は、それぞれ直鎖又は分岐した炭化
    水素基を表し、m及びnは0又は1である。Xa 及びX
    b は、−O−、−NH−又は−(C=O)−を表し、同じ
    でも異っていてもよい。Zは置換されていてもよい芳香
    族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、Qは 【化4】 又はNC−N=を表す。)
  3. 【請求項3】 少なくとも一つの繰返し単位の中に下記
    一般式(V)で示される構造を含む請求項1に記載の非
    線形光学用高分子材料。 【化5】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれ直鎖又は分岐した炭
    化水素基を表し、Zは置換されていてもよい芳香族炭化
    水素環又は芳香族複素環を表し、Qは 【化6】 又はNC−N=を表す。)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1441399A2 (en) * 2003-01-25 2004-07-28 MERCK PATENT GmbH Polymer dopants
US7186358B2 (en) * 2003-01-25 2007-03-06 Merck Patent Gesellschaft Polymer dopants
WO2016143910A1 (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化体の製造方法

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