JPH083441A - ポリアミド成形体の製造方法 - Google Patents

ポリアミド成形体の製造方法

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JPH083441A
JPH083441A JP14443294A JP14443294A JPH083441A JP H083441 A JPH083441 A JP H083441A JP 14443294 A JP14443294 A JP 14443294A JP 14443294 A JP14443294 A JP 14443294A JP H083441 A JPH083441 A JP H083441A
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JP
Japan
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nylon
group
carbon atoms
resin
oxazoline
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JP14443294A
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English (en)
Inventor
Kiyoaki Nishijima
清明 西嶋
Nobuyuki Sueyasu
信行 末安
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ナイロン46樹脂の成形加工性の改良であっ
て、押出成形やブロー成形が対応できるようになすこ
と。 【構成】ナイロン46樹脂60〜90重量%並びにナイ
ロン6樹脂及び/又はナイロン66樹脂40〜10重量
%であって、末端アミノ基と末端カルボキシル基の差が
前者の方が20eg/106 g以上であるポリマーに、
無機充填剤と二官能オキサゾリン又はオキサゾリンとを
配合し、混練の成形中に鎖伸長反応しながら成形する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミド成形体の製造
方法に関し、更に詳しくは溶融成形時に高分子量化され
たナイロン46成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラメチレンジアミンまたはその機能
誘導体とアジピン酸またはその機能誘導体とから造られ
るナイロン46は、引張強度,曲げ強度,衝撃強度等の
機械的強度に優れ、また耐熱性,摺動特性にも優れるた
め有用なエンジニアリングプラスチックとしてその利用
上の価値が大きいものである。
【0003】従来この樹脂は主として射出成形により、
ナイロン66を中心とした汎用ポリアミドでは耐熱性,
摺動性,耐薬品性等が不足する用途に適用されてきた。
しかし最近に至り、エンジン廻りのエアインテークやイ
ンテークマニホールドを中心にブロー成形による製品開
発が活発に行われるようになり、汎用ポリアミドでは耐
熱性が不足するため、ブロー成形性にすぐれたナイロン
46の開発が求められるようになってきた。また新用途
開発のためパイプを中心とした押出成形に適したナイロ
ン46の開発も同様に求められている。
【0004】これらの成形法に対応するためには、高粘
度で且つ結晶化速度が遅い事が望ましい。しかしナイロ
ン46は溶融してしまうと粘度が低くなり、かつ結晶化
速度が速いため、通常のナイロン46ではブロー成形や
押出成形は困難であった。これらの成形法に対応するた
めには溶融時の粘度を上げる必要があり、高分子量化し
たナイロン46を用いた成形体の製造方法が強く要請さ
れている。
【0005】ところで、高分子量成形体を得るには、予
め高分子量化したチップをエクストルーダー等の混練機
中にて溶融成形するのが従来の方法であるが、ナイロン
46の場合はその樹脂の性質上、経済的な方法で高分子
量化することが困難である。
【0006】即ち、融点が290℃と高く、樹脂の分解
点に近いため通常の溶融重合法では成形体として使用し
うる重合度に到達出来ず、特開昭56−149430号
公報及び特開昭56−149431号公報に記載されて
いる特殊な固相重合法によらねばならない。従って重合
度の一層の向上のためには、更に厳しい固相重合条件を
採用する必要があり、これは生産性が低いのみならず、
重合度の制御が難しい。一方、高重合度のポリアミドを
得る他の方法として、英国特許第693645号明細書
にはビス−N−アシルラクタム型の鎖連結剤をポリアミ
ドの重合途中に添加する方法が、また特開昭61−17
1732号公報にはカルバモイルラクタム型の鎖連結剤
をポリアミドに添加し、エクストルーダー中にて反応さ
せる方法が提案されている。しかし、ナイロン46の場
合は溶融重合による前者の方法は採用不可能であり、ま
た後者の方法では得られたポリマーの分子量の高重合度
化効果が小さく満足のいくものではない。
【0007】
【発明の目的】本発明は上述の事情を背景としてなされ
たものであり、その目的は生産性が低くかつ重合度制御
が困難である固相重合法によらずして、ナイロン46の
高分子量化を可能にし、しかも成形に伴い高温での滞留
時間が長くなった場合でも重合度の低下が極めて小さい
方法を提供することにある。
【0008】本発明者らは既に特開平3−62826号
公報に於いて高分子量のナイロン46成形体を得る方法
を提案した。この方法はナイロン46分子のアミノ末端
基同士をビスカプロラクタム化合物で連結し、分子量の
増加を図るものである。しかし、その後の検討により、
ビスカプロラクタムの使用により分子量は顕著に上がる
ものの、ナイロン46は成形温度が高いため、成形での
滞留時間が長い場合は一旦上昇した重合度が低下し、増
粘効果が損なわれる場合のあることが判った。本発明は
かかる状況下に於いても高分子量のナイロン46成形体
を効率よく得る方法に関するものである。
【0009】
【発明の構成】本発明者らは、上記の目的を達成せんと
して鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0010】本発明は、(A1)ナイロン46樹脂60
〜90重量%並びに、(A2)下記式を満足するナイロ
ン6及び/またはナイロン66樹脂40〜10重量%、 [NH2]−[COOH]〉20、 (ここで[NH2]、[COOH]は各々グラム当量/
106グラム単位とする末端アミノ基量,末端カルボキ
シル基量を表す。)よりなるポリアミド樹脂混合体10
0重量部に対し、(B)無機充填剤 5〜40重量部を
配合してなるポリアミド樹脂組成物を、(C)下記一般
式(I)
【0011】
【化2】
【0012】[式中Xはエチレン、置換エチレン、トリ
メチレン及び置換トリメチレンよりなる群より選ばれた
2価の有機基であり、かつ環構造は5員環または6員環
である。置換エチレン又は置換トリメチレンの置換基は
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜15のアリー
ル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数8〜
20のアラールキル基である。式中のDは炭素数1〜1
0のアルキレン基、炭素数6〜15のアリーレン基、炭
素数5〜12のシクロアルキレン基、炭素数8〜20の
アラールキレン基よりなる群より選ばれた2価の有機基
である。また、式中のnは0又は1である。]で示され
る化合物少なくとも0.3重量部と共に、熔融混練機中
にて反応させながら、所望の形状に成形することを特徴
とするポリアミド成形体の製造方法である。
【0013】以下本発明を詳述する。
【0014】本発明に用いられる(A1)成分のナイロ
ン46樹脂とは、酸成分としてアジピン酸またはその機
能誘導体を用い、アミン成分としてテトラメチレンジア
ミンまたはその機能誘導体を用いて縮合反応により得ら
れるポリアミドを主たる対象とするが、そのアジピン酸
成分またはテトラメチレンジアミン成分の一部を他の共
重合成分で置き換えたものでもよい。ナイロン46樹脂
の好ましい態様は特開昭56−149430号公報およ
び特開昭56−149431号公報に記載されている。
【0015】本発明に用いられる(A2)成分のナイロ
ン6樹脂とはε−カプロラクタムを重合させることによ
り得られる線状ポリマーをいう。ナイロン6の基本的性
質を損なわない範囲において、ε−カプロラクタム以外
のモノマーが共重合ないしブレンドされていても構わな
い。ここで、アミノ末端基量がカルボキシル末端基量よ
り多いナイロン6を作成するには、ε−カプロラクタム
にアミン成分を少量添加して重合する必要がある。この
場合、アミン成分はモノアミンでも構わないが、重合速
度面からはジアミンを用いる方が有利である。ジアミン
としてはヘキサメチレンジアミン,m−キシリレンジア
ミン等の脂肪族アミン,p−フェニレンジアミン,m−
フェニレンジアミン等の芳香族アミンが例示されるが、
熱安定性のあるものならいかなるものでも構わない。
【0016】本発明に用いられる(A2)成分のナイロ
ン66樹脂とはポリヘキサメチレンアジパミドおよびヘ
キサメチレンアジパミド単位を主たる構成成分とするポ
リアミドであり、通常の溶融重合法すなわち原料のヘキ
サメチレンジアミンとアジピン酸の実質的等モル塩を水
とともに重合槽に仕込み、250〜300℃程度の温度
で常圧,加圧,あるいは減圧下に重合を行う方法によっ
て得ることができる。なおこの際、ナイロン6と同様に
少量のアミン成分を添加して重合することにより、アミ
ノ末端基量がカルボキシル末端基量より多いナイロン6
6樹脂を得ることができる。
【0017】ここで、(A2)成分にとって必須とされ
る要件はその末端基量であり、 [NH2]−[COOH]〉20 (ここで[NH2]、[COOH]は各々グラム当量/
106グラム単位とする末端アミノ基量,末端カルボキ
シル基量を表す)の条件を満たす事が必要である。この
条件が満足されない時は、最終的に高い重合度が得られ
ないことに加えて、成形での滞留時間が長くなった場合
の溶融粘度低下が、大きく、従って成形時の高い粘性が
得られない。特に好適な範囲は[NH2]−[COO
H]〉40である。
【0018】本発明に於ける(A1)及び(A2)成分
の割合は、重量%比で60〜90:40〜10である。
(A2)成分は成形時の高い粘性および適度の結晶化速
度の低下を得るための必須成分であり、その割合が10
wt%未満の場合には、この改良効果が小さく、一方4
0重量%を超える場合にはHDT(荷重撓み温度)等で
表される耐熱性が低下し、ナイロン46の特徴が損なわ
れ好ましくない。
【0019】本発明に用いられる(B)成分の無機充填
剤としては繊維状および粉末状の充填剤が含まれる。繊
維状充填剤としてはガラス繊維,アラミド繊維,カーボ
ン繊維,チタン酸カリウムウィスカー,ボロンウィスカ
ーなどが例示できる。また粉末状充填剤としては、カオ
リン,ワラストナイト,タルク,マイカ,炭酸カルシウ
ム,ガラスフレークスなどが例示でき、またこれら2種
以上を組み合わせて使用することも出来る。これらの充
填剤はHDT等の尺度で表わされる耐熱性を高め、且つ
成形時の粘性を高める効果がある。その添加量は(A
1)と(A2)よりなるポリアミド樹脂混合体100重
量部に対し、3〜40重量部である。3重量部未満の場
合はHDTで表される耐熱性が低く、一方40重量部を
超える場合はブロー成形時の伸長性が損なわれ好ましく
ない。特に好適な添加範囲は10〜30重量部である。
【0020】これらの無機充填剤の中では特にガラス繊
維が好ましく、ガラス繊維としては一般に樹脂の強化用
に用いられるものなら特に限定されない。これらは集束
剤(例えばポリウレタン系、ポリ酢酸ビニル系集束剤
等)、カップリング剤(例えばシラン化合物、ボラン化
合物等)、その他の表面処理剤で被覆されていてもよ
い。
【0021】本発明で用いる化合物(C)は下記一般式
(I)で示される。
【0022】
【化3】
【0023】式中Xは2価の有機基であり、かつ環構造
は5員環または6員環である。かかるXとしてはエチレ
ン、置換エチレン、トリメチレン及び置換トリメチレン
が挙げられ、置換エチレン又は置換トリメチレンの置換
基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜1
5のアリール基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、
炭素数8〜20のアラールキル基が挙げられる。更に具
体的にはアルキル基としてはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、エチルヘキシル、ノニル、デシル等が例示でき、ま
たアリール基としてはフェニル、ナフチル、ジフェニル
及び下記一般式(II)で表されるアリール基、
【0024】
【化4】
【0025】(ここでR'は―O―、―CO―、―S―、―SO
2―、―CH2―、―CH2CH2―、―C(CH 3)2 ―等である。)
等が例示でき、またシクロアルキルとしてはシクロヘキ
シルが例示できる。これらのうちXとしてはエチレン、
トリメチレンが特に好ましい。式中のDは2価の有機基
であるが、例えば炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数
6〜15のアリーレン基、炭素数5〜12のシクロアルキ
レン基、炭素数8〜20のアラールキレン基等が挙げられ
る。更に具体的にはアルキレン基としては、メチレン、
エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンタメチレン、ヘ
キサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナ
メチレン、デカメチレン、ジメチルメチレン等が例示で
き、またアリーレン基としてはフェニレン、ナフチレ
ン、ジフェニレン、及び下記一般式(III)で表されるア
リーレン基、
【0026】
【化5】
【0027】(ここでR'は―O―、―CO―、―S―、―SO
2―、―CH2―、―CH2CH2―、―C(CH 3)2 ―等である。)
等が例示でき、またシクロアルキレンとしてはシクロヘ
キシレンが例示できる。
【0028】また、式中のnは0又は1である。
【0029】一般式(I)で示される化合物は5員環のも
のはビスオキサゾリンと呼ばれる化合物であり、6員環
のものはビスオキサジンと呼ばれる化合物である。具体
的には次のごとき化合物を例示できる。
【0030】2,2'-ビス(2-オキサゾリン)、2,2'-ビス
(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2' -ビス(4,4-ジメ
チル-2-オキサゾリン)、2,2'-ビス(4-エチル-2-オキ
サゾリン) 2,2'-ビス(4、4-ジエチル-2-オキサゾリ
ン)、2,2'-ビス(4-プロピル-2-オキサゾリン)、2,2'
-ビス(4-ブチル-2-オキサゾリン)、2,2'-ビス(4-ヘ
キシル-2-オキサゾリン)、2,2'-ビス(4-フェニル-2-
オキサゾリン)、2,2'-ビス(4-シクロヘキシル-2-オキ
サゾリン)、2,2'-ビス(4-ベンジル-2-オキサゾリ
ン)、2,2'-p -フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2,
2'-m-フェニレンビス(2-オキサゾリン) 2,2'-o-フェ
ニレンビス(2-オキサゾリン)、2,2'-p-フェニレンビ
ス(4-メチル- 2-オキサゾリン)、2,2'-p-フェニレン
ビス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリン)、2 2'-m-フェニ
レンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2'-m-フェニ
レンビス(4, 4-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2'-エ
チレンビス(2-オキサゾリン)、2,2'-テトラメチレン
ビス(2-オキサゾリン)、2,2'-ヘキサメチレンビス(2
-オキサゾリン)、2,2'-オクタメチレンビス(2-オキサ
ゾリン)、2,2'-デカメチレンビス(2 -オキサゾリ
ン)、2,2'-エチレンビス(4-メチル-2-オキサゾリ
ン)、2,2'-テトラメチレンビス(4,4-ジメチル-2-オキ
サゾリン)、2,2'-シクロヘキシレンビス(2 -オキサゾ
リン)、2,2'-ジフェニレンビス(2-オキサゾリン)等
のビスオキサゾリン化合物;2,2'-ビス(5,6-ジヒドロ-
4H-1,3-オキサジン)、2,2'-メチレンビス(5,6-ジヒド
ロ-4H-1,3-オキサジン)、2,2'-エチレンビス(5,6-ジ
ヒドロ-4H-1,3-オキサジン)、2,2'-プロピレンビス
(5,6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサジン)、2,2'-ブチレン
ビス(5,6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサジン)、2,2'-ヘキ
サメチレンビス(5,6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサジン)、
2,2'-p-フェニレンビス(5,6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサ
ジン)、2,2'-m-フェニレンビス(5,6-ジヒドロ-4H-1,3
-オキサジン)、2,2'-ナフチレンビス(5,6-ジヒドロ-4
H-1,3-オキサジン)、2,2'-p,p'-ジフェニレンビス(5,
6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサジン)等のビスオキサジン化
合物である。
【0031】これらの化合物のうち、特に2,2'-ビス(2
-オキサゾリン)、2,2'-p-フェニレンビス(2-オキサゾ
リン)、2,2'-m-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、
2,2'-ビス(5,6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサジン)、2,2'-
p-フェニレンビス(5,6-ジヒドロ-4 H-1,3-オキサジ
ン)、2,2'-m-フェニレンビス(5,6-ジヒドロ-4H-1,3-
オキサジンが好ましい。
【0032】これらの化合物(C)は対応するビスアミド
アルコールに濃硫酸又は塩化チオニル等の脱水剤を作用
させて閉環させる方法、あるいは対応するビスアミドハ
ライドにアルカリを作用させて閉環する方法等により容
易に合成できるが、これらの方法に限定されるものでは
なく、他の方法も適宜使用できる。
【0033】本発明において(A1)および(A2)よ
りなるポリアミド樹脂混合体に(B)を配合してなるポ
リアミド樹脂組成物を一般式(I)で示される化合物
(C)と反応させるには、該組成物にあらかじめドライ
ブレンドしておき、これを溶融混練する方法が一般的で
ある。
【0034】ここでナイロン46に対する化合物(C)
の添加量はポリアミド樹脂混合体100重量部に対し
0.3部以上である。添加量が少なすぎると増粘効果が
不十分であり、特に好適な添加量は0.75〜2.00
%である。一定量以上添加しても増粘効果は飽和し経済
的にマイナスとなる。
【0035】この時の熔融温度はナイロン46の融点よ
り5〜30℃、好ましくは5〜15℃高めがよく、混練
時間は1〜15分間、好ましくは2〜6分間である。
【0036】本発明によりナイロン46の高重合度化が
可能となり、熔融時の高粘性化と結晶化温度の低下がも
たらされる。これにより従来困難であったブロー成形や
押出成形による成形体の製造が可能となり、射出成形の
枠を越えたナイロン46樹脂の利用ができるようにな
る。
【0037】
【実施例】以下実施例を挙げて説明する。なお、実施例
および比較例中の各種特性の測定は以下の方法によっ
た。 (1)末端基量 アミノ末端基量[NH2]はポリマーをm−クレゾール
に溶解し、0.01Nのp−トルエンスルホン酸で滴定
して求めた。末端カルボキシル基量[COOHはポリマ
ーをベンジルアルコールに溶解し、0.1Nの水酸化ナ
トリウムで滴して求めた。 (2)荷重撓み温度(HDT) ASTM D648に準拠し、荷重264Psi、試験
片厚み1/4インチに測定した。 (3)結晶化温度 Du Pont Instruments製のDifferential Scanning Calor
imeter910型を用い昇降温速度20℃/分、330℃
での保持時間3分間で測定した。 (4)熔融粘度 GOTTFERT社製のRHEOGRAPH2002を
用いて測定温度300℃、保持時間4〜15分間で測定
した。shear rate 1000(1/秒)で測
定した。
【0038】また、実施例および比較例においては次の
ような材料を用いた。
【0039】構成成分(A1)ナイロン46としてオラ
ンダ国DSM社製のSTANYLKS400を用いた。
【0040】構成成分(A2) ナイロン6及びナイロ
ン66として以下に示す(a)〜(e)用いた。
【0041】(a)ε−カプロラクタムにジエチレント
リアミンを0.26モル%添加して熔融重合し、熱水洗
浄,乾燥することにより[η]=1.08,[NH2
=97,[COOH]=28,水分率=0.05%,モ
ノマー含率=0.2%のチップを得た。
【0042】(b)ε−カプロラクタムにm−キシリレ
ンジアミンを0.25モル%添加し熔融重合し、熱水洗
浄,乾燥することにより[η]=1.41,[NH2
=66,[COOH]=18,水分率=0.05%,モ
ノマー含率=0.2%のチップを得た。
【0043】(c)ε−カプロラクタムを熔融重合し、
熱水洗浄,乾燥することにより[η=1.34,[NH
2]=45,[COOH]=46,水分率=0.05%
モノマー含率=0.2%のチップを得た。
【0044】(d)ε−カプロラクタムにテレフタル酸
を0.39モル%添加して熔融重合し、熱水洗浄,乾燥
することにより[η]=1.21,[NH2] =5,
[COOH]=86,水分率=0.05%,モノマー含
率= 0.2%のチップを得た。
【0045】(e)AH塩にヘキサメチレンジアミンを
0.25モル%添加して熔融重合し[η]=1.37,
[NH2]=68,[COOH]=20のチップを得
た。
【0046】構成成分(B)無機充填剤として長さ3m
mのチョップドストランドカットガラ繊維(日本電気硝
子(株)製)を用いた。
【0047】実施例及び比較例のポリアミド樹脂混合体
は二軸押出機(TEX44,日本製鋼製)にてシリンダ
ー温度270〜330℃で押出しペッレト化した。得ら
れたペレトにビスオキサゾリン粉体を所定量ドライブレ
ンドし試験に供した。
【0048】実施例及び比較例として組成及び試験評価
結果を表1,2に示す。
【0049】なお表中のブロー成形性は次の方法により
判定した。ダイレクトブロー成形機(SE5I/BA
2,住友重機製)により、シリンダー温度270〜29
0℃、ダイヘッド温270〜280℃で角型の成形体を
ブロー成形し、成形時のドローダウン性、肉厚、ブロー
時の破裂有無、表面性等より判定した。
【0050】[実施例1〜10,比較例1〜7]実施例
1〜3では溶融粘度が増加し、良好なブロー成形性が得
られる。これに対し比較例1ではナイロン6を用いない
ため結晶化温度が高くて早く固化し、充分なブロー成形
性が得られない。一方比較例2ではナイロン6が多すぎ
るためHDTが低くなりナイロン46の特徴が失われ
る。
【0051】実施例4、5は(A2)成分の種類を変え
た例で同様の効果が得られる。
【0052】比較例3、4は(A2)成分として[NH
2]−[COOH]〉20の条件を満たさないナイロン
6を用いた例であり、溶融粘度が低いのみならず、溶融
滞留時間が長くなった場合の粘度低下が大きい。これに
対し実施例3では溶融粘度の低下が小さい。
【0053】実施例6、7はビスオキサゾリン量を変化
させた例である。ビスオキサゾリンを添加しない系(比
較例7)では粘度が低くブロー成形性が悪い。
【0054】比較例5は(B)成分を含まない例であ
り、粘度上昇が不充分である上、HDTが低くなりすぎ
好ましくない。逆にガラス繊維が多すぎる(比較例6)
と、伸長流動性が損なわれブロー成形性が不良となる。
【0055】実施例9はビスオキサゾリンの種類を変え
たものであり、同様の効果が得られる。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明により(A1)ナイロン46,
(A2)特定条件を満足するナイロン6および/または
ナイロン66、(B)無機充填剤 よりなるポリアミド
樹脂組成物に鎖連結剤として二官能オキサゾリンまたは
オキサジンを反応させて分子量を高めることができたこ
と。また、高温に保持した時の分子量低下が小さく、か
つナイロン46の耐熱性を保持した、ブロー成形または
押出成形に対応できるナイロン46樹脂成形体の製造が
可能となったこと、等の作用効果が奏されている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A1)ナイロン46樹脂60〜90重
    量%並びに(A2)下記式を満足するナイロン6及びま
    たはナイロン66樹脂40〜10重量%であって、 [NH2]−[COOH]〉20 (ここで[NH2]、[COOH]は各々グラム当量/
    106グラム単位とする末端アミノ基量,末端カルボキ
    シル基量を表す。)よりなるポリアミド樹脂混合体10
    0重量部に対し、(B)無機充填剤 3〜40重量部を
    配合してなるポリアミド樹脂組成物を、(C)下記一般
    式(I) 【化1】 [式中Xはエチレン、置換エチレン、トリメチレン及び
    置換トリメチレンよりなる群より選ばれた2価の有機基
    であり、かつ環構造は5員環または6員環である。置換
    エチレン又は置換トリメチレンの置換基は炭素数1〜1
    0のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数
    5〜12のシクロアルキル基、炭素数8〜20のアラー
    ルキル基である。式中のDは炭素数1〜10のアルキレ
    ン基、炭素数6〜15のアリーレン基、炭素数5〜12
    のシクロアルキレン基、炭素数8〜20のアラールキレ
    ン基よりなる群より選ばれる2価の有機基である。ま
    た、式中のnは0又は1である。]で示される化合物少
    なくとも0.3重量部と共に熔融混練機中にて反応させ
    ながら、所定の形状に成形することを特徴とするポリア
    ミド成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で示される化合物が2,
    2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、また
    は2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)
    である請求項1に記載のポリアミド成形体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277391A (ja) * 2006-04-06 2007-10-25 Asahi Kasei Chemicals Corp ガラス長繊維強化ポリアミド樹脂組成物および成形品
JP2017502132A (ja) * 2013-12-19 2017-01-19 ハチンソン 動力車のエンジンコンパートメントのエレメント、及びこのエレメントを金属ハロゲン化物による化学的攻撃に対して保護する方法

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