JPH0834095A - 高強度複合紙 - Google Patents

高強度複合紙

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JPH0834095A
JPH0834095A JP17088894A JP17088894A JPH0834095A JP H0834095 A JPH0834095 A JP H0834095A JP 17088894 A JP17088894 A JP 17088894A JP 17088894 A JP17088894 A JP 17088894A JP H0834095 A JPH0834095 A JP H0834095A
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隆太郎 勝田
Yoshiya Miyasaka
好冶 宮坂
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智 岸
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 紙の片側表面又は表裏両面に、重量含有率で
40%以上80%以下の範囲で一方向に引き揃えて整列
された繊維を配合した熱可塑性樹脂板から成る補強層
を、溶融一体化させて積層したことを特徴とする高強度
複合紙。 【効果】 熱可塑性樹脂板と紙は、樹脂が溶融状態にあ
るうちに一体化させるので、紙の表面の凹凸に樹脂が流
動して食い込むので接着剤を必要とせずに強固に接合さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は包装用の段ボール箱、包
装用間仕切材、段ボール箱用中仕切、建築用間仕切等一
般産業用の板状製品で、特に強度を必要とする紙資材に
関する。
【0002】
【従来の技術】紙は情報の記録、表示材料の他に包装用
資材及び住宅の壁等の表面材などの一般工業材料及び建
築用に多く用いられている。この様な、産業用、建築用
の用途には、再生古紙が使用されることが多く、天然資
源の有効活用の点で好ましいものである。ところが、こ
の様な再生古紙は、紙の構成材料であるパルプ繊維が短
く強度が弱い。そのために、新しい長いパルプ繊維と混
合して使用したり、厚くして強度低下を補う方法が一般
的に行われている。
【0003】しかしながら、この様な方法でも強度向上
に関しては限界があり、住宅用の間仕切芯材、重量物包
装用中間仕切等の特に強度を必要とする分野には展開が
困難である。また、一般的に紙は吸湿しやすく、吸湿す
ると強度低下を起こすため水気の多い環境では使用が困
難である。
【0004】これらの問題点を解決する一つの方法とし
て、紙を接着剤で貼合わせて厚紙として強度向上を行っ
たり、薄い樹脂フィルムを貼って防湿対策を行う等の手
段がある。しかしながら、この様な方法でも完全に問題
点を解消するに至っていない。
【0005】
【発明が達成しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためなされたものであり、その目的とするこ
とは従来の材料単体より高強度で軽く、剛性が大きく、
耐水性、耐久性に富んだ高強度複合紙を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、紙を芯材
としてその芯材の表裏両面か又は片面に、重量含有率で
40%以上80%以下の範囲で繊維を配合した熱可塑性
樹脂から成るプリプレグ及びプリプレグを積層したプリ
プレグ積層体(以下、補強層という)を積層することに
よってよって達成されることを見いだした。
【0007】以下、図面を用いて本発明の一実施例につ
いて詳細に説明する。図1は、本発明に係る高強度複合
紙の一実施例を示す斜視図で紙の表面に補強層を貼付け
た高強度複合紙を示す。図2は高強度複合紙の表面に表
面材を貼付けたものを示す。図3は吸湿、吸水を防止す
るために端部を処理した状態を示す断面図である。図4
は補強層と紙を一体化する装置の概略を示す。
【0008】図1中、補強層12、13を構成する熱可
塑性樹脂には特別な限定はなく、紙と一体化するときの
温度で紙が焼けずに、かつ紙が変質しない溶融温度を持
ったものである、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ール、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフ
ォン、ポリエーテルイミド(商標: ULTEM)、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド
などが使用できるが、強度、耐磨耗性、価格や廃棄物と
なったときの再生の容易さなどの観点から、最も望まし
い樹脂として、ポリプロピレン系、ポリエチレン系及び
ポリスチレン系樹脂が推奨される。
【0009】ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレ
ンの単独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン等のα
−オレフィンとの共重合体や、繊維とポリプロピレン系
樹脂との密着性を向上させるために、ポリプロピレン樹
脂に炭化水素溶媒中有機過酸化物触媒により無水マレイ
ン酸等のラジカル重合性不飽和化合物をグラフト重合さ
せたグラフト化ポリプロピレン樹脂があげられる。
【0010】また、ポリスチレン系樹脂としては、スチ
レンの単独重合体、スチレンとアクリロニトリルとの共
重合体、ブタジエンとスチレン、アクリロニトリルとの
重合体等や、ガラス繊維との密着性を向上させるため
に、ポリスチレン樹脂に炭化水素溶媒中有機過酸化物触
媒により無水マレイン酸等のラジカル重合性不飽和化合
物をグラフト重合させたグラフト化ポリスチレン樹脂が
あげられる。
【0011】ポリエチレン系樹脂としては、HDPE、
LDPE、叉はエチレンとα−オレフィン類との共重合
体、ポリエチレン樹脂に炭化水素溶媒中有機過酸化物触
媒により無水マレイン酸等のラジカル重合性不飽和化合
物をグラフト重合させたグラフト化ポリエチレン樹脂が
あげられる。
【0012】また、補強層12、13の材料に配合する
繊維としては、アラミド繊維(登録商標「ケプラー」な
ど)などの合成樹脂繊維、天然の有機質繊維、チタン、
ボロン、ステンレスなどの金属繊維、ガラス、炭素、炭
化ケイ素などの無機繊維が挙げられる。特にガラス繊維
が好ましいが、必ずしもこれらに限定されるものではな
く、充分な強度とを有し、安価かつ大量に入手できるも
のであれば使用可能である。
【0013】この繊維の補強層中の配合比であるが、こ
れが重量比で40%未満となると、高温で樹脂の流動性
が高まるため補強層の賦形が困難となる上、板として必
要な剛性と耐磨耗性が得られなくなり、逆に80%を越
えると、接着性が低下する上、成形加工が困難となるの
で、繊維の配合比は40%以上、80%以下、望ましく
は45%以上、60%以下とする。
【0014】繊維としてガラス繊維を使用する場合、そ
の形態としてはマット状、織布状のものが取り扱い性が
良く一般的であるが、軽量で補強効果を充分に発揮させ
るためには繊維の強度を有効に活かすことが必要であ
り、そのためには繊維を引き揃えて一方向に配した繊維
強化樹脂、すなわちプリプレグを使用することが望まし
い。更に、表面側の補強層の表面に、美観、外観を向上
させる為の、印刷紙、フェルト等の不織布、布等の織
布、樹脂フィルムなどの表面材を設けることが推奨され
る。この繊維の方向は、使用中曲げ応力を受ける方向に
揃うようにしておくことが推奨される。又、この補強層
を、横幅方向に繊維を配向した層と、長手方向に繊維を
配向した層との積層体として使用することも推奨される
ものである。本発明のプリプレグは特公平02−042
168号公報に開示された方法により製造することが出
来る。すなわち、強化用ガラス繊維のモノフィラメント
を、カップリング剤、例えばγ−メタクリロキシ−プロ
ピルトリメトキシシランで処理して、約1800本収束
させたヤーンを、均一張力で引張りながら、引き揃えて
熱溶融した熱可塑性樹脂に接触させて熱ロールでしごき
ながら含浸することによって得られる。
【0015】このプリプレグを1層だけ使用する場合又
は2層以上を重ね合わせて使用する場合があるが、紙の
特に片側面にプリプレグを貼合わせる時に、プリプレグ
層が厚い場合、熱膨張係数が大きい場合は複合化した板
が反る現象がみられる。従って、プリプレグ1層の厚さ
は200μm以下で、プリプレグを2層以上積層した場
合でも1mm以下であることが望ましい。さらに、プリ
プレグの熱膨張係数が大きい場合も複紙が反るので、熱
膨張係数は10-5/℃以下が望ましい。
【0016】図1中、1は紙11の表裏面に熱可塑性樹
脂と一方向に引き揃えて整列されたガラス繊維より構成
される補強層12、13が貼合わされたものである。紙
と補強層との貼合わせは、補強層の溶融温度以上に加熱
されて溶融状態にある補強層を、紙の上に置き、プレス
中で冷却しながら加圧することにより達成される。加圧
する圧力は3kg/cm2以下が好ましく、また、0.
01kg/cm2以上が好ましい。また、0.1〜3k
g/cm2がより好ましい。この時に溶融した補強層の
熱可塑性樹脂が紙表面にある下紙の凹凸部分に流動した
後、冷却され固化するので、紙と補強層が強固に接合さ
れる。従って、紙に樹脂が流動して凹凸部に充填される
様に紙をあらかじめ樹脂が流動可能な温度に予熱してお
くことは有効な方法である。この温度は、熱可塑性樹脂
の融点以上分解点以下がよく、融点から融点+50〜1
00℃がより好ましい。融点以下では樹脂が流動せず、
分解点を越えると、樹脂の分解がおこり、目的の物性が
得られない。
【0017】また、予め紙の表面に樹脂フィルムを融着
させて樹脂フィルムを紙表面の凹凸部分に食い込ませて
おく処理を行うことは、紙とプリプレグ積層体を強固に
貼合わせる上で望ましい。または、溶融状態にあるプリ
プレグ積層体と紙の間に樹脂フィルムを介在させて同時
一体成形を行うことも補強層と紙を強固に一体化する上
で有効な手法である。
【0018】樹脂フィルムは補強層を構成する樹脂と同
じものが相溶性がよく望ましい。樹脂フィルムは、溶融
時に補強層と相溶しかつ紙表面の凹凸にくい込むので、
補強層と紙の強い接着性を発現し得るからである。上記
の方法により、紙の表面に補強層が接着剤を使用せずに
強固に貼合わされるので補強効果を得ることができる。
【0019】図2中の10は、高強度複合紙1の表面に
表面材を貼合わせたものである。表面材14は、室内の
壁、間仕切等に使用される場合は、模様が印刷された不
織布や織布、木目調等の模様が印刷された印刷紙、木質
系薄板等を表面材として使用することが出来る。また、
屋外で使用する場合には耐候性を付与する目的で耐侯性
に優れた樹脂膜や器材を使用することが出来る。
【0020】表面材を構成する材料としては、ポリプロ
ピレン、ポリスチレンなどの発泡又は非発泡シート、ポ
リ塩化ビニル、PZTシートなどの熱可塑性樹脂製品、
金属箔のほか、各種繊維から成る織布や不織布など、表
面に繊維が出ているものが挙げられる。
【0021】この表面材を接着剤によって補強層の表面
に接合しようとする場合、補強層中の熱可塑性樹脂は表
面の活性が乏しいのでその接着剤の効果は低減する。そ
のために補強層の表面をサンディングしたりコロナ放電
処理、ケミカルエッチング等の前処理が必要になりコス
ト高の原因となる。この問題に対してはまず接着力向上
のための補助材として、厚手の紙、不織布等をあらかじ
め補強層のうえに溶融時に貼着することが有効である。
ここで貼着された紙及び不織布等の補助材は接着剤を染
み込ませて保持する機能を持つので表面材を接着により
接合することが可能になる。すなわち、補強層に貼着し
た接着力向上のために補助材に接着剤を含浸させ、そこ
に表面材を接合するのである。接着剤は、エポキシ系等
の種類を問わず、熱可塑性系であろうと熱硬化系であろ
うと使用することができる。
【0022】図3は高強度複合紙の吸湿、吸水を防止す
るための端部の一例を示したもので、16は表側の補強
層11を溶融状態にあるうちに裏側の補強層13の方に
折り返して溶融一体化したものである。17は表と裏の
補強層12、13を溶融状態にあるうちに溶融一体化し
たものである。
【0023】図4は、高強度複合紙の製造法を示した略
図で、図4中30は、補強層のプリプレグを予熱して流
動性を与える予備加熱装置で、図4中40は、紙と補強
層のプリプレグを溶融時に一体化し冷却する一体化装置
である。
【0024】本発明に使用できる紙は、段ボール用原
紙、白板紙、黄板紙、チップボール、色板紙、建材原
紙、紙管原紙等の板紙、壁紙及び段ボール等があるがこ
れらに限定されるものではない。
【0025】以下、これらの高強度複合紙を製造する方
法に就いて説明する。繊維と熱可塑性樹脂とから成るプ
リプレグ積層体の材料シートをその熱可塑性樹脂の溶融
温度以上に加熱し、紙11の表裏両面に重ね、次いで、
プレスローラーなどにより加圧、賦形し、必要に応じて
その表面に所望の表面材を貼着し、高強度複合紙を得
る。
【0026】プリプレグ積層体と紙を熱溶着により一体
化する方法として、積層したプリプレグを溶融温度以上
に、必要に応じて紙をプリプレグを構成する樹脂の溶融
温度以下に同時に加熱し、次いでプリプレグと積層体を
重ね合わせて、常温〜80℃に加熱されているプレス中
で3kg/cm2以下の圧力で加圧し冷却すると共に一
体化を行い積層体とする。
【0027】この時に、補強層に存在する空気を脱気す
る必要があり、通常は、補強層を構成する樹脂の融点以
上に加熱し3kg/cm2以下の圧力で加圧して脱気を
行う。この範囲の圧力であれば、紙が圧壊することもな
いので、紙と一体化する工程でこの脱気を行うことが出
来る。当然のことながら、脱気をあらかじめ行い冷却し
積層板としたものを使用しても差し支えはない。
【0028】補強層と紙の加熱は、プリプレグと紙をお
互いに接触させずに加熱すること(図4 30)も、紙
の上に補強層を乗せてお互いが接触した状態で加熱する
こと(図4 40)も出来る。
【0029】このとき、高温の補強層が紙の表面に接触
すると、その紙の表面の凹凸部分に溶融した樹脂が流動
し、その溶融物が冷却されるとともに固化して、凹凸部
分に強固に食い込んで紙と補強層が一体的に接合され
る。
【0030】溶融温度以上で加熱された熱可塑性樹脂
は、一般に溶融し流動し得る状態となるが、重量比40
%以上の繊維を含む複合材料では、繊維の格子の中に樹
脂が自由に流動し得ない状態で保持されており、そのた
め、その状態で賦形のための圧力が加えられると、繊維
を骨格として全体の形状が安定な形で定まるので、高精
度の成形品が得られる。
【0031】補強層と紙の一体化は、補強層が溶融状態
にある間に行わなければならないので、加熱を行うステ
ップから一体化を行うステップへ短時間で移行する様な
装置的な工夫が必要である。そのような装置の一例とし
て、図4に示す様に補強層と紙を一体化するプレス40
と、このプレスに材料を迅速に移動する移動手段を備え
た補強層の予熱装置30とを組み合せたものが推奨され
る。紙は、高温になると焼け焦げが発生するので50℃
から200℃、より好ましくは100℃から200℃の
範囲でで加熱し成形することが望ましい。
【0032】このようにして得られた高強度複合紙は、
段ボールのライナー、仲仕切、壁紙等に使用することが
できる。更に本発明を具体的な実施例で詳説する。
【0033】
【実施例】本実施例で使用するプリプレグは、特公平0
2−042168号公報に開示されている方法で製造し
た 。ガラス繊維の場合は太さ13μのモノフィラメン
トの表面をγ−メタクリロキシ−プロピルトリメトキシ
シランで処理し、それを約1800本集束して撚りのな
いヤーンとし、そのヤーンを均一な張力で引張ながら一
方向に整列させて、樹脂をヤーンに絡ませて、その樹脂
を熱ロールでしごきながら、ヤーンに含浸させてプリプ
レグを製造した。炭素繊維の場合は、太さ7μのモノフ
ィラメントを集束剤を使用せずに12000本集めたト
ウを均一な張力で引張ながら一方向に整列させて、樹脂
をヤーンに絡ませて、その樹脂を熱ロールでしごきなが
ら、ヤーンに含浸させてプリプレグを製造した。 この
様にして製造したプリプレグは、繊維と熱可塑性樹脂の
密着性に優れ、繊維含有率も30−90重量%と要求に
応じて変えることが出来、厚みも0.01−1.0mm
で製造することが出来るが、 繊維含有率は40−80
重量%で、厚さ0.01−0.6mmのところで使用す
るのが望ましい。繊維の重量含有率が40%以下では繊
維量が少ないので強度が低く、また80%以上では繊維
に対して樹脂量が少なく繊維と樹脂の密着性が低下し強
度が低くなるので好ましくない。表1に本発明の実施例
及び比較例で使用するために製造したプリプレグの構成
を示す。表2に本発明で使用する紙の性状を示す。
【0034】〔実施例1〕紙Nを長さ方向に400mm
幅方向に300mmの長さの長方形に切り出したものを
準備した。また、プリプレグAを繊維方向に長さ400
mm、繊維と直角方向に長さ300mmに1枚切りだ
し、同様に繊維方向に長さ300mm、繊維と直角方向
に長さ400mmに1枚切りだし、この2枚のプリプレ
グの繊維方向が直交するように上下に2枚重ねた2層積
層体とした。図4に示すプレス式積層体予熱装置30を
200℃に加熱し、プリプレグ積層体12、13を離型
フィルム22の間に挟み、予熱装置内に投入し0.1k
g/cm2の圧力で2分間予熱する。予熱終了後、プレ
ス式積層板予熱装置30の圧力を解放する。上側の離型
フィルム22を剥し、70℃に加熱した一体化装置40
に、紙の両面にプリプレグ積層体12、13の離型フィ
ルムの無い面が合わさる様に重ねて投入した。この時、
繊維方向長さが400mmの面が表面になる様にプリプ
レグ積層体を重ね合わせた。次いで、一体化装置を締め
て0.1kg/cm2の圧力で1分間加圧した後、高強
度複合紙を取り出した。この高強度複合紙の重さを計り
1m2当りの重量に換算した。さらに、この高強度複合
紙をJIS P3902に規定された方法で比圧縮強さ
を測定した。圧縮強度測定用の試験体は、補強層が0度
と90度の交互積層体なので、紙の長手方向を、試験体
の長手方向に一致させて切り出した。結果をまとめて表
3に示す。
【0035】〔実施例2〕プリプレグBを使用する以外
は実施例1と同様にして高強度複合紙を成形し、実施例
1と同様にして物性を評価した。その結果をまとめて表
3に示した。
【0036】〔実施例3〕プリプレグCを使用する以外
は実施例1と同様にして高強度複合紙を成形し、実施例
1と同様にして物性を評価した。その結果をまとめて表
3に示した。
【0037】〔実施例4〕プリプレグDを使用する以外
は実施例1と同様にして高強度複合紙を成形し、実施例
1と同様にして物性を評価した。その結果をまとめて表
3に示した。
【0038】〔実施例5〕プリプレグEを使用する以外
は実施例1と同様にして高強度複合紙を成形し、実施例
1と同様にして物性を評価した。その結果をまとめて表
3に示した。
【0039】〔実施例6〕紙Oを使用する以外は実施例
2と同様にして高強度複合紙を成形し、実施例1と同様
にして物性を評価した。その結果をまとめて表3に示し
た。 〔実施例7〕プリプレグAの0度、90度の2層積層体
の代りに0度のプリプレグAを使用する以外は、実施例
1と同様にして高強度複合紙を成形した。実施例1と同
様にして物性を評価した。但し、比圧縮強度測定用の試
験体は、プリプレグの0度方向と90度方向からそれぞ
れ切り出して試験を行った。結果を表3に示した。
【0040】〔実施例8〕プリプレグAの0度、90度
の2層積層体の代りに0度のプリプレグAを使用し、紙
としてOを使用する以外は実施例1と同様にして高強度
複合紙を成形した。実施例1と同様にして物性を評価し
た。但し、比圧縮強度測定用の試験体は、プリプレグの
0度方向と90度方向からそれぞれ切り出して試験を行
った。結果を表3に示した。
【0041】〔実施例9〕実施例1と同様の方法で高強
度複合紙を製造した。但し、上側の離型フィルム22を
剥したプリプレグ積層体12を離型フィルム22を上に
して紙11の上に重ねた後、離型フィルム22を剥ぎ、
1m2当たりの重さが30gのポリエチレンテレフタレ
ート製の不織布を表面材としてプリプレグ積層体12の
上に置いた後、一体化装置を締めて0.1kg/cm2
の圧力で1分間加圧した後、高強度複合紙を取り出し
た。次いで、不織布が貼着された面に接着剤を塗布し、
スライサーによりウオールナットを0.2mmの厚さの
薄板とした加飾用の表面材を接着した。この手法により
美麗な外観を持った複合板が得られた。実施例1と同様
にして物性を評価した。結果を表3に示した。
【0042】〔比較例1〕プリプレグFを使用する以外
は実施例1と同様にして高強度複合紙を成形した。とこ
ろが、樹脂の流動により繊維が乱れて、複合紙が反り、
比圧縮強度測定用の試験体を切り出すことができなかっ
た。重量は、平らな部分を切りだして測定した。その結
果をまとめて表3に示した。
【0043】〔比較例2〕プリプレグGを使用する以外
は実施例1と同様にして高強度複合紙を成形し、実施例
1と同様にして物性を評価した。紙と補強層の密着が悪
く、比圧縮強度測定用の試験体が得られなかった。重量
は、実施例1と同様な方法で測定した。その結果をまと
めて表3に示した。
【0044】〔比較例3〕紙Nだけで実施例1と同様な
方法で物性を評価した。その結果を表3に示した。
【0045】〔比較例4〕紙Oだけで実施例1と同様な
方法で物性を評価した。その結果を表3に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明に係る高強度複合紙は、高い圧縮
強度を有する上、その表裏両面に剛性及び抗張力が極め
て大きい繊維強化合成樹脂から成る補強層が形成されて
おり、全体的に剛性が極めて高く、使用に際して極めて
堅固な構造物を構築できる。また、端面被覆により耐久
性に富んだ材料となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高強度複合紙の一実施例を示す概
略図。
【図2】表面材が補強層の片面に貼り合わされた高強度
複合紙の構成を示す概略図。
【図3】本発明に係わる、端部が処理された高強度複合
紙の一実施例を示す概略図。
【図4】紙と補強層のプリプレグ積層体を一体化して高
強度複合紙を製造する方法を示す概略図。
【符号の説明】 1 高強度複合紙 10 表面材が貼られた高強度複合紙 11 紙 12 補強材 13 補強材 14 表面材 16 端部が処理された高強度複合紙 17 端部が処理された高強度複合紙 22 離型フィルム 30 プレス式補強材予熱装置 40 一体化装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D04H 3/04 Z (72)発明者 坂井 英男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙の片側表面又は表裏両面に、重量含有率
    で40%以上80%以下の範囲で一方向に引き揃えて整
    列された繊維を配合した熱可塑性樹脂板から成る補強層
    を積層したことを特徴とする高強度複合紙。
  2. 【請求項2】補強層を形成する熱可塑性樹脂が、ポリプ
    ロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂又はポリスチレン
    系樹脂である請求項1に記載の高強度複合紙。
  3. 【請求項3】補強層に配合される繊維が、ガラス繊維で
    ある請求項1に記載の高強度複合紙。
  4. 【請求項4】補強層に配合される繊維が、一方向に配列
    されている請求項1に記載の高強度複合紙 。
  5. 【請求項5】繊維が一方向に配列されている熱可塑性樹
    脂板の繊維方向の熱膨張係数が10 -5/℃以下であり、
    該樹脂板を単独又は複数枚積層した板を補強層とした請
    求項1に記載の高強度複合紙 。
  6. 【請求項6】補強層として使用する一方向繊維を配合し
    た熱可塑性樹脂板が1mm以下であり、該熱可塑性樹脂
    板の一層若しくは多層積層された補強層からなる請求項
    1に記載の高強度複合紙 。
  7. 【請求項7】表面側の補強層が、その表面に表面材を有
    する請求項1に記載の高強度複紙。
  8. 【請求項8】不織布を表面材とする請求項1に記載の高
    強度複合紙 。
  9. 【請求項9】端面が補強層で被覆されている請求項1に
    記載の高強度複合紙 。
  10. 【請求項10】端面が表面材で被覆されている請求項1
    に記載の高強度複合紙 。
  11. 【請求項11】重量含有率で40%以上80%以下の範
    囲で繊維を配合した熱可塑性樹脂から成る補強層を、そ
    の熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加熱し、紙の表裏両面
    に重ね、次いで、プレス、ローラーなどにより加圧、賦
    形し、更に、必要に応じてその表面に所望の表面材を貼
    着することを特徴とする高強度複合紙の製造方法。
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