JPH0833885A - 水スイッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、水スイッチケースの狭小な円筒腔
壁内で水流孔と弁座の整合をとるのが容易で、シールの
困難さを解消してシールの信頼性を確保するとともに、
吐水、止水が容易に切り換えられる水スイッチを提供す
ることを目的とする。 【構成】 本発明の水スイッチは、支軸と円筒状スカー
ト部とシール材を設けた円筒状スカート付き弁棒と、シ
ール材と離接する弁座が形成された給水孔を備えてお
り、円筒状スカート部には切り欠きまたは開口が形成さ
れるとともに、シール材が円筒状スカート部の上側外周
面に設けられており、円筒状スカート付き弁棒が給水孔
内を移動することを特徴とする。また十字状またはＹ字
状リブ付き弁棒でもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水道栓に直結して用い
る浄水器等の水スイッチに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の水道栓直結型の浄水器等の水スイ
ッチは、給水口に単数の給水孔のみを設けたものである
為、回転弁棒によって供給された水を分流しなければな
らず、この回転弁棒に複数の交差する水流孔を形成する
ことが必要であり、工作上煩わしい加工が必要であっ
た。また、水スイッチケースの円筒腔壁には、各水流孔
に対接してそれぞれの弁座を装着する必要があるが、こ
の装着が困難を伴うものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように従来の水ス
イッチは、狭小な円筒腔壁内で各水流孔と各弁座の整合
をとる必要があるため、シールを行うのが難しく、シー
ルが信頼性に欠けるという問題があった。また、従来の
水スイッチの構成では単数の回転弁棒のみで操作し、複
数の浄水口や吐水口を設けるものであるから、吐水、止
水を切り換えるのに困難があった。

【０００４】そこで、これら従来の問題点を解決するた
めに本発明は、水スイッチケースの狭小な円筒腔壁内で
水流孔と弁座の整合をとるのが容易で、シールの困難さ
を解消してシールの信頼性を確保するとともに、吐水、
止水が容易に切り換えられる水スイッチを提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の水スイッチは、支軸と円筒状スカート部とシ
ール材を設けた円筒状スカート付き弁棒と、シール材と
離接する弁座が形成された給水孔を備えており、円筒状
スカート部には切り欠きまたは開口が形成されるととも
に、シール材が円筒状スカート部の上側外周面に設けら
れており、円筒状スカート付き弁棒が給水孔内を移動し
てシール材が弁座と離れた場合に切り欠きまたは開口が
開放され、シール材が弁座と当接した場合には切り欠き
または開口が閉鎖されることを特徴とする。

【０００６】支軸の一方端が押圧されることにより円筒
状スカート付き弁棒が移動させられ、支軸の他方端は移
動のための案内子となっているのが望ましい。

【０００７】また本発明の水スイッチは、支軸と十字状
またはＹ字状リブとシール材を設けた十字状またはＹ字
状リブ付き弁棒と、シール材と離接する弁座が形成され
た給水孔を備えており、十字状またはＹ字状リブの間に
は扇状の凹部が長手方向に沿って形成されるとともに、
シール材が十字状またはＹ字状リブの上側外周面に設け
られており、十字状またはＹ字状リブ付き弁棒が給水孔
内を移動してシール材が弁座と離れた場合に扇状の凹部
が開放され、シール材が弁座と当接した場合には扇状の
凹部が閉鎖されることを特徴とする。

【０００８】支軸の一方端が押圧されることにより十字
状またはＹ字状リブ付き弁棒が移動させられ、支軸の他
方端は移動のための案内子となっているのが望ましい。

【０００９】

【作用】本発明は以上のように構成されているため、回
転弁棒を回転させることにより各給水孔に配設された円
筒状スカート付き弁棒を移動させることで、各給水孔を
開閉し水道栓と直結された給水口に流入した原水を、給
水孔を通してそれぞれ吐水するか止水することができ
る。

【００１０】また、回転弁棒を回転させることにより各
給水孔に配設された十字状またはＹ字状リブ付き弁棒を
移動させることで、各給水孔を開閉し水道栓と直結され
た給水口に流入した原水を、給水孔を通してそれぞれ吐
水するか止水することができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明のー実施例を図面参照して詳細
に説明する。図１は本発明の一実施例における水スイッ
チの外観斜視図、図２は本発明の一実施例における水ス
イッチの切欠断面斜視図、図３は本発明の一実施例にお
ける水スイッチケースの給水口部の要部拡大断面図、図
４は本発明の一実施例における水スイッチの浄水口部の
要部縦断面図、図５は本発明の一実施例における円筒ス
カート付き弁棒の拡大断面図である。

【００１２】図１において、１は水道栓、９は水道栓１
と浄水器とを接続する継手パイプ、２は固定ナットであ
る。６は浄水器の下ケース、７は上ケース、８は水道栓
１から流入する原水を浄水する濾過カートリッジであ
る。４は原水のストレートとシャワーの吐出口キャップ
で、吐出口キャップ４には原水のストレート吐出口、シ
ャワー吐出口が設けられている。５は浄水のストレート
とシャワーの両口を有する浄水口である。３は原水のス
トレート、原水のシャワー、浄水のストレート、浄水の
シャワーの一連の吐出、止水を切り換える操作レバーで
ある。操作レバー３が原水の位置にある場合、水は矢印
ＡからＦに流れ、浄水の位置にある場合は矢印Ａから
Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅと流れる。

【００１３】次に図２、図３、図４、図５に従い、更に
詳しく構成と動作を説明する。図２において、１０は水
スイッチケースである。水スイッチケース１０には複数
の給水孔１０ｂを有する交差円筒腔壁１０ａと、原水の
給水口１０ｄと、複数の吐水口１０ｅが形成されてい
る。１１は交差円筒腔壁１０ａに嵌入された回転弁棒、
１１ａは回転弁棒１１の外周に形成された水路溝１１ｃ
に形成された突起カムであり、１２は各水路溝１１ｃを
分離シールする合成ゴム製のＯ型リングである。突起カ
ム１１ａの回転弁棒１１周りの取り付け角度と数は、給
水孔１０ｂと水路溝１１ｃをどのように連通するかによ
って適宜決定される。選択的に連通する場合には取り付
け角度は水路溝１１ｃごとに相違したものとなるが、同
時に連通させる場合には同じ取り付け角度となる。

【００１４】１４は円筒状スカート付き弁棒で、各給水
孔１０ｂに嵌入され、回転弁棒１１の水路溝１１ｃと整
合された位置にある。１３は多数のフィルター孔１３ａ
を有するフィルタープレートであって、図５で示す円筒
状スカート付き弁棒１４の支軸１４ｅの上下動の案内孔
も同時に有している。この案内孔に支軸１４ｅが差し込
まれて上下動する際に支軸１４ｅは円筒状スカート付き
弁棒１４の案内子となる。１５は各給水孔１０ｂをシー
ルする合成ゴム製のシール材であるＸ型リングで円筒状
スカート付き弁棒１４に装着されている。このシール材
はＸ型リング１５に代えてＯ型リングであってもよい。

【００１５】以上のように構成された給水口部の動作に
ついて図３により説明する。図３において、左側の円筒
状スカート付き弁棒１４だけが、回転弁棒１１の回転に
より、突起カム１１ａと円筒状スカート付き弁棒１４の
支軸１４ａと当接して押圧上動させられている。この
為、水スイッチケース１０の給水孔１０ｂからＸ型リン
グ１５が離れて給水孔１０ｂが開放され、フィルタープ
レート１３の矢印Ｋ，Ｌから流入した原水はフィルター
孔１３ａを通り給水孔１０ｂに流入する。ところで図５
で示すように円筒状スカート付き弁棒１４には円筒状ス
カート部が設けられており、ここに切り欠きまたは開口
１４ｂが形成されている。

【００１６】そしてシール材であるＸ型リング１５がこ
の円筒状スカート部の上側の外周上に設けられている。
給水孔１０ｂに流入した原水は、この円筒状スカート部
外周側から切り欠きまたは開口１４ｂを通過し、円筒状
スカート部内周側に流入し、矢印Ｓの方向、すなわち浄
水の水路側（図１の矢印Ｂの方向）に流出することにな
る。従って図３の状態は浄水の吐出状態を示している。
この時、図３記載の中間と右側に位置する円筒状スカー
ト付き弁棒１４の支軸１４ａの下端は、回転弁棒１１の
突起カム１１ａとは当接されていないため、フィルター
プレート１３との間に装着されている圧縮バネ１８と流
入した原水の水圧により下方へ付勢される。この為水ス
イッチケース１０の上記中間と右側に位置する両給水孔
１０ｂはいずれもＸ型リング１５で閉塞され、両者は原
水の水路（図１の矢印Ｆに至る方向）に通じているか
ら、原水は止水状態となる。このように左側に位置した
給水孔１０ｂが濾過カートリッジ８に接続された浄水の
水路に連通したときには、中間と右側に位置した給水孔
１０ｂは止水され、逆に中間や右側に位置した給水孔１
０ｂが突起カム１１ａの当接で連通した場合には、残り
の給水孔１０ｂは閉鎖されたままとなる。このようにし
て給水孔１０ｂと水路溝１１ｃは選択的また同時に連通
することができる。

【００１７】次に濾過カートリッジ８に送られた後、浄
水が戻ってくる浄水口部の構成について説明する。図
２、図４において、浄水口５はストレート浄水口５ａと
シャワー浄水口５ｂとで形成されている。２１は浄水を
螺旋状にガイドして回転させ、ノズル５ｃで絞って噴霧
状に吐出するスポイラーであり、細かいシャワーを吐出
させる役目を有している。１７はストレート浄水とシャ
ワー浄水の切り換え用の弁座である。１１ｂは後記する
三角状カム１１ｄと弁球１９によって弁座１７を開閉す
るロータで、回転弁棒１１と一体形成されている。１６
は水スイッチケース１０と濾過カートリッジ８とを結合
する連結管である。１６ａは濾過カートリッジ８への原
水の給出口であり、１６ｂは濾過カートリッジ８から浄
化されて戻ってきた浄水の吸入口である。

【００１８】以上のように構成された浄水口部の動作に
ついて図４に従い説明する。浄水口５の切り換え用のロ
ータ１１ｂは操作レバー３により矢印Ｔのように左右に
回転される。左に回転した場合、ロータ１１ｂに形成さ
れている三角状カム１１ｄにより弁球１９は回動し、弁
座１７のストレート浄水口５ａを開放して、ストレート
浄水を吐出する。また右に回転した場合は三角状カム１
１ｄで弁球２０を回動し、弁座１７のシャワー浄水口５
ｂを開放してシャワー浄水を吐出することになる。

【００１９】このように本実施例は、給水口の上方から
垂直弁棒を装着することができ組立がきわめて容易であ
る。

【００２０】次に本発明の他の実施例における水スイッ
チについて説明する。図６は本発明の他の実施例におけ
る水スイッチケースの給水口部の要部拡大断面図、図７
（ａ）は本発明の他の実施例における十字状またはＹ字
状リブ付き弁棒の拡大断面図、（ｂ）は本発明の他の実
施例における十字状リブ付き弁棒の正面図、（ｃ）は本
発明の他の実施例におけるＹ字状リブ付き弁棒の正面図
である。１０は水スイッチケース、１１は回転弁棒、１
１ａは突起カム、１１ｃは水路溝、１２はＯリング、１
３はフィルタープレート、１４’は十字状またはＹ字状
リブ付き弁棒、１４’ａは支軸、１４’ｂは扇状の凹
部、１５’はＤ型リング、１８は圧縮ばねである。上記
した円筒状スカート付き弁棒を備えた水スイッチと同符
号のものは基本的に同一であり、これをいいかえるなら
水スイッチの各部構成は十字状またはＹ字状リブ付き弁
棒を除いて基本的に同一であるから詳細な説明は省略す
る。

【００２１】１４’は十字状またはＹ字状リブ付き弁棒
で樹脂からなり、各給水孔１０ｂに嵌入され、回転弁棒
１１の水路溝１１ｃと整合された位置にある。１３は多
数のフィルター孔１３ａを有するフィルタープレートで
あって、図７で示す十字状またはＹ字状リブ付き弁棒１
４’の支軸１４’ｅの上下動の案内孔も同時に有してい
る。この案内孔に支軸１４’ｅが差し込まれて上下動す
る際に支軸１４’ｅは十字状またはＹ字状リブ付き弁棒
１４’の案内子となる。１５’は各給水孔１０ｂをシー
ルする合成ゴム製のシール材で、この実施例においては
Ｄ型リングで十字状またはＹ字状リブ付き弁棒１４’に
装着されている。このシール材はＤ型リング１５’に代
えてＸ型リングまたはＯ型リングであってもよい。

【００２２】以上のように構成された給水口部の動作に
ついて図６により説明する。図６において、左側の十字
状またはＹ字状リブ付き弁棒１４’だけが、回転弁棒１
１の回転により、突起カム１１ａと十字状またはＹ字状
リブ付き弁棒１４’の支軸１４’ａと当接して押圧上動
させられている。この為、水スイッチケース１０の給水
孔１０ｂからＸ型リング１５が離れて給水孔１０ｂが開
放されフィルタープレート１３の矢印Ｋ，Ｌから流入し
た原水はフィルター孔１３ａを通り給水孔１０ｂに流入
する。ところで図７で示すように十字状またはＹ字状リ
ブ付き弁棒１４’には、十字状またはＹ字状リブの間に
扇状の凹部１４’ｂが長手方向に沿って形成されてい
る。

【００２３】そしてシール材であるＤ型リング１５’が
この十字状またはＹ字状リブの上側の外周上に設けられ
ている。給水孔１０ｂに流入した原水は、この十字状ま
たはＹ字状リブの外周側から扇状の凹部１４’ｂ内に流
入し、矢印Ｓの方向、すなわち浄水の水路側（図１の矢
印Ｂの方向）に流出することになる。従って図６の状態
は浄水の吐出状態を示している。この時、図６記載の中
間と右側に位置する十字状またはＹ字状リブ付き弁棒１
４’の下端１４’ａは、回転弁棒１１の突起カム１１ａ
とは当接されていないため、フィルタープレート１３と
の間に装着されている圧縮バネ１８と流入した原水の水
圧により下方へ付勢される。この為水スイッチケース１
０の上記中間と右側に位置する両給水孔１０ｂはいずれ
もＤ型リング１５’で閉塞され、両者は原水の水路（図
１の矢印Ｆに至る方向）に通じているから、原水は止水
状態となる。このように左側に位置した給水孔１０ｂが
濾過カートリッジ８に接続された浄水の水路に連通した
ときには、中間と右側に位置した給水孔１０ｂは止水さ
れ、逆に中間や右側に位置した給水孔１０ｂが突起カム
１１ａの当接で連通した場合には、残りの給水孔１０ｂ
は閉鎖されたままとなる。このようにして給水孔１０ｂ
と水路溝１１ｃは選択的また同時に連通することができ
る。

【００２４】本実施例の十字状またはＹ字状リブ付き弁
棒１４’は、円筒状スカート付き弁棒１４より給水孔１
０ｂとの流路面積を多くとれるものであるし、十字状ま
たはＹ字状リブの作用で流れを円滑に流すことができ
る。また、樹脂で一体成形できるので製造が容易であ
り、安価に作ることができる。

【００２５】

【発明の効果】以上述べたように本発明によると、ひと
つの操作レバーの回転で複数の原水口と浄水口の吐水、
止水ができる上に、円筒状スカート付き弁棒もしくは十
字状またはＹ字状リブ付き弁棒を上下動することにより
簡単な構成で水路の切り換えができるので、小型で操作
性に優れた水道栓直結型の水スイッチを提供できるので
ある。

【００２６】また給水口の上方から給水孔に垂直に弁棒
を装着することができ組立を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における水スイッチの外観斜
視図

【図２】本発明の一実施例における水スイッチの切欠断
面斜視図

【図３】本発明の一実施例における水スイッチケースの
給水口部の要部拡大断面図

【図４】本発明の一実施例における水スイッチの浄水口
部の要部縦断面図

【図５】本発明の一実施例における円筒状スカート付き
弁棒の拡大断面図

【図６】本発明の他の実施例における水スイッチケース
の給水口部の要部拡大断面図

【図７】（ａ）本発明の他の実施例における十字状また
はＹ字状リブ付き弁棒の拡大断面図 （ｂ）本発明の他の実施例における十字状リブ付き弁棒
の正面図 （ｃ）本発明の他の実施例におけるＹ字状リブ付き弁棒
の正面図

【符号の説明】

１ 水道栓 ２ 固定ナット ３ 操作レバー ４ 吐水口キャップ ５ 浄水口 ８ 濾過カートリッジ ９ 継手パイプ １０ 水スイッチケース １１ 回転弁棒 １４ 円筒状スカート付き弁棒 １４’ 十字状またはＹ字状リブ付き弁棒 １５ Ｘ型リング １５’Ｄ型リング １６ 連結管 １７ 弁座 １８ 圧縮バネ １９，２０ 弁球 ２１ スポイラー

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】支軸と円筒状スカート部とシール材を設け
   た円筒状スカート付き弁棒と、前記シール材と離接する
   弁座が形成された給水孔を備えており、前記円筒状スカ
   ート部には切り欠きまたは開口が形成されるとともに、
   前記シール材が前記円筒状スカート部の上側外周面に設
   けられており、前記円筒状スカート付き弁棒が前記給水
   孔内を移動して前記シール材が前記弁座と離れた場合に
   前記切り欠きまたは開口が開放され、前記シール材が前
   記弁座と当接した場合には前記切り欠きまたは開口が閉
   鎖されることを特徴とする水スイッチ。
2. 【請求項２】前記支軸の一方端が押圧されることにより
   前記円筒状スカート付き弁棒が移動させられ、前記支軸
   の他方端は移動のための案内子となっていることを特徴
   とする請求項１記載の水スイッチ。
3. 【請求項３】支軸と十字状またはＹ字状リブとシール材
   を設けた十字状またはＹ字状リブ付き弁棒と、前記シー
   ル材と離接する弁座が形成された給水孔を備えており、
   前記十字状またはＹ字状リブの間には扇状の凹部が長手
   方向に沿って形成されるとともに、前記シール材が前記
   十字状またはＹ字状リブの上側外周面に設けられてお
   り、前記十字状またはＹ字状リブ付き弁棒が前記給水孔
   内を移動して前記シール材が前記弁座と離れた場合に前
   記扇状の凹部が開放され、前記シール材が前記弁座と当
   接した場合には前記扇状の凹部が閉鎖されることを特徴
   とする水スイッチ。
4. 【請求項４】前記支軸の一方端が押圧されることにより
   前記十字状またはＹ字状リブ付き弁棒が移動させられ、
   前記支軸の他方端は移動のための案内子となっているこ
   とを特徴とする請求項３記載の水スイッチ。