JPH0833420A - 植物栽培用培地およびその製造方法 - Google Patents

植物栽培用培地およびその製造方法

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JPH0833420A
JPH0833420A JP7115889A JP11588995A JPH0833420A JP H0833420 A JPH0833420 A JP H0833420A JP 7115889 A JP7115889 A JP 7115889A JP 11588995 A JP11588995 A JP 11588995A JP H0833420 A JPH0833420 A JP H0833420A
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JP
Japan
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polymer
medium
plant cultivation
granular polymer
plant
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JP7115889A
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Takayuki Okada
隆之 岡田
Hideaki Nakayama
英朗 中山
Kiyoyuki Nanbae
清行 難波江
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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    • Y02P60/216

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  • Hydroponics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 粒状ポリマーの表面に水との親和性を改善す
る浸透処理剤を付与してなる粒状ポリマー処理物からな
る植物栽培用培地であり、その粒状ポリマーはより有利
には熱可塑性ポリマーからなり多孔質構造を有してい
る。この植物栽培用培地の製造するには、粒状ポリマー
の表面に水との親和性を改善する浸透処理剤を付与した
後、熱処理する。この培地には、高吸水性樹脂や他の培
地を併用できる。 【効果】培地の吸水性、保水性、水の浸透性が改善さ
れ、水・液肥の浸透性、分散性が向上し、植物の根張り
性を良好にし、結果として茎の成長速度、果実の成長速
度を高めることができる。また、植物の茎径、背丈、果
実の重量と大きさの均一性を確保でき、収穫物の品質を
向上させることができる。産業廃棄物として処理してい
るポリマー屑を原料ポリマーとして使用できるので資源
の有効活用の面からみて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植物栽培用培地およびそ
の製造方法に関するものである。さらに詳細には、特に
蔬菜、花木などあらゆる植物の育苗用、栽培用に適した
人工の植物栽培用培地およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の植物栽培用培地としては、一般に
自然土壌が用いられてきた。しかし、自然を相手にした
土壌による栽培は、肥沃な土壌の入手が困難な上に化学
肥料による土壌栄養素のアンバランス、あるいは連作障
害など土壌管理が繁雑である。このような状況下におい
て数年前から、高品位、高収穫あるいは省力化をテーマ
にした人工培地を用いた栽培法が研究され、その成果と
してロックウールを培地とした養液栽培法が行なわれて
いる。この人工培地は主として鉱物質繊維を素材とした
もので吸水性、保水性に優れる反面、透水性が低いため
植物の種類によっては根腐りを起こし易く、また作業面
でも単繊維の接触による皮膚障害あるいは粉粉塵による
皮膚障害あるいは粉塵による呼吸器障害など健康上、管
理上の問題が指摘され、更に最近では不要となったもの
の廃棄処理の面の問題が表面化してきている。
【0003】これに対応するために、近時合成繊維を素
材とした人工培地が検討されており、例えば特開昭62
−115217号公報には、短繊維に熱接着繊維を混合
したカードウェブを積層し、熱処理してブロック体を造
る方法が提案されている。
【0004】しかし、この様な人工培地は、吸水性、保
水性、水の浸透性の諸特性を調節するために、繊維の太
さ、長さ、クリンプの強弱など繊維特性の制御を必要と
し、更に高価な熱接着繊維とを均一に混合し且つ熱処理
するなどの繁雑な製造工程を必要とするためコスト高に
なる欠点を有する。しかも、繊維の太さ、長さ、クリン
プの強弱などの繊維特性の制御のみでは、吸水性、保水
性、水の浸透性を調節するには限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題を解決し、特に植物の種類に応じて施水
の調節が不要で且つ根はり性に優れ発根日数を短かくで
き、また軽量で低コストな植物栽培用培地とその製造方
法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、
廃ポリマー屑を有効にリサイクル利用した人工植物栽培
用培地およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の植物栽培用培地
は、上記課題を解決するために次の構成を有する。すな
わち、本発明の植物栽培用培地は、粒状ポリマーの表面
に水との親和性を改善する浸透処理剤を付与してなる粒
状ポリマー処理物からなることを特徴とする植物栽培用
培地であり、この粒状ポリマーはより有利には熱可塑性
ポリマーからなり多孔質構造を有している。また、この
浸透処理剤として有利には疎水性ポリマーからなる界面
活性剤が使われる。そして、本発明のかかる植物栽培用
培地にあっては、上記粒状ポリマー処理物に高吸水性樹
脂を混合したり、更に他の植物栽培用培地と混用するな
ど併用することができる。
【0007】また、本発明の植物栽培用培地の製造方法
は、上記課題を解決するために次の構成を有する。すな
わち、本発明の植物栽培用培地の製造方法は、粒状ポリ
マーの表面に水との親和性を改善する浸透処理剤を付与
した後、熱処理することを特徴とする植物栽培用培地の
製造方法である。
【0008】以下、本発明を具体的に説明する。
【0009】本発明の植物栽培用培地を構成する粒状ポ
リマーの素材としては、熱可塑性ポリマーや熱硬化性ポ
リマーで、成形可能なポリマーが好ましく用いられ、特
に、溶融成形可能な熱可塑性ポリマーが好ましくを用い
られる。熱可塑性ポリマーとしては、ポリエステル系、
ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポ
リスチレン系、AS系、ABS系、塩化ビニル系のポリ
マーまたはこれらを主成分とする共重合体が挙げられ
る。また、熱硬化性ポリマーとしては、エポキシ系、不
飽和ポリエステル系、ポリウレタン系、マレイン系、メ
ラミン系、ユリア系のポリマー等が挙げられる。
【0010】また、これらポリマーの中には、ガラス繊
維や顔料等の色素等の添加物が含まれていてもよい。顔
料等を配合した原着ポリマーは、吸光性が良好であり、
特に観葉植物等の鉢植え栽培での見栄えが良好であるた
め、用途により好ましく用いられる。
【0011】本発明では、上記ポリマーを粒状物として
用いる。粒状ポリマーは、ポリマーを所望の形状に溶融
等成形して得ることができる。また、ポリマーは任意の
形態で存在し得る。通常は、塊状、チップ状、フィルム
のようなシート状、繊維、糸、編織物や不織布のような
繊維状物等であり、これらは生産現場で発生するフィル
ムや繊維の屑でもよく、また製品そのもの、または製品
として使用後、リサイクルのため回収されたものでもよ
い。
【0012】本発明では、かかる任意形状のポリマーを
加工等により粒状化して使用することができる。ポリマ
ーを粒状化するには、上記塊状など任意の形状の原料ポ
リマーを粉砕手段によって粉砕する方法、裁断する方法
等、公知の成形手段によって粒状に成形するなどの方法
を採用できる。本発明では、繊維やフィルムなどの製造
に際し発生するポリマー屑を有効に利用できる。ポリマ
ー屑を粉砕する場合には、ポリマーの種類や粉砕条件
(特に回転数)を適宜選択することによって粒状ポリマ
ーの形状や大きさを調節することができる。
【0013】本発明において、保水性が低下するのを防
止する観点から、粒状ポリマーの80容量%以上が15
mm以下の粒径、さらには10mm以下、特に3mm以下の
粒径とするのが好ましい。
【0014】粒径15mm以下のポリマー粒状物を得るに
は、例えば、上記のようにポリマー屑を粉砕した後、1
5mmの目開きを有する篩にかければよい。また、最大粒
径10mmのポリマー粒状物を得るには、例えば、上記の
ようにポリマー屑を粉砕した後、10mmの目開きを有す
る篩にかければよい。また、最大粒径3mmのポリマー粒
状物を得るには、例えば、上記のようにポリマー屑を粉
砕した後、3mmの目開きを有する篩にかければよい。
【0015】粒状ポリマーの好ましい最大粒径は、栽培
する植物の種類によって異なり、例えば、ランなどの苗
床には最大粒径10mm以下のものが好ましい。一方、メ
ロン、キュウリなどの苗床については最大粒径3mm以下
のものが好ましい。
【0016】なお、粒状ポリマーの粒径の分布は、観葉
植物の成育に適し、特に鉢植えの場合に見栄えを良好に
する観点からは粒径はほぼ均一であるのが好ましく、一
方、加工コストを低くし、また、植物栽培用培地とした
ときの保水性を良好とする観点からは粒径はランダムに
分布している方が好ましい。したがって、用途に応じて
適宜使い分けることができる。
【0017】本発明の粒状ポリマーは、多孔質構造であ
ることが望ましい。このような多孔質構造の粒状ポリマ
ーは、多孔質の原料ポリマーを破砕して得ることができ
る。また、熱可塑性合成繊維からなる不織布を溶融して
ポーラスな状態とし、これを所定の粒径に粉砕して得る
こともできる。多孔質構造における孔径は、用途に応じ
任意である。孔径としては約1〜300ミクロン程度の
ものがあるが、用途や保水性等を考慮すれば、約1〜1
0程度の孔径のものが好ましい。
【0018】本発明の植物栽培用培地は、かかる粒状ポ
リマーの表面に水との親和性を改善する浸透処理剤を有
する粒状ポリマー処理物からなるものである。浸透処理
剤としては、界面活性剤の中から好ましく選択される。
有利に使用できる界面活性剤は、次のような親水性成分
と疎水性成分とから構成される。
【0019】[親水性成分]: (1)陰イオンタイプ : カルボン酸塩、スルホン酸
塩、硫酸エステル、燐酸エステル (2)陽イオンタイプ : アミン塩、4級アンモニウ
ム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩 (3)両性イオンタイプ : ベタイン、アミノカルボ
ン酸塩、イミダゾリン誘導体 (4)非イオンタイプ : ポリオキシエチレン基、ポ
リオキシプロピレン基、グリセリン基、アルカノールア
ミド基、アミンオキサイド基、ショ糖 [疎水性成分]: (1)脂肪族炭化水素 : 炭素数8〜30の(飽和ま
たは不飽和)×(直鎖または分鎖) (2)芳香族炭化水素 : 置換または無置換のベンゼ
ン、ナフタリン系 (3)(1)の脂肪族炭化水素を結合したアルキルベン
ゼン、アルキルナフタリン系 (4)疎水性ポリマー : ポリビニル系、ポリエステ
ル系、ポリアミド系、ポリメタクリル酸系のホモポリマ
ーまたはコポリマー 本発明で好ましく用いられる浸透処理剤は、様々な種類
の樹脂と親和性に優れ、かつ、熱処理によって樹脂表面
に強力に固着し、物理的、化学的な処理では容易に脱落
しないという理由から疎水性ポリマーを含むもので、疎
水性ビニルモノマーならびにポリオキシアルキレンアク
リレートおよび/またはポリオキシアルキレンメタクリ
レートの共重合体が最も好ましい。疎水性ビニルモノマ
ーのみでは吸水性、保水性、水の浸透性を改善すること
ができず、ポリオキシアルキレンアクリレートおよび/
またはポリオキシアルキレンメタクリレートのみでは水
溶性ポリマーしか得られない。
【0020】疎水性ビニルモノマーとしては、後述する
熱処理によって重合し得るものであればよく、例えばア
クリロニトリル、メチルメタクリレート、メチルアクリ
レートなどがあげられる。中でも、重合しやすいなどの
観点からアクリロニトリルが好ましい。
【0021】ポリオキシアルキレンアクリレートおよび
/またはポリオキシアルキレンメタクリレートは吸水
性、保水性、水の浸透性を改善するのに重要である。ポ
リオキシアルキレンアクリレートとしては、ポリオキシ
エチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリ
コールアクリレート、ポリオキシアルキレンメタクリレ
ートとしては、ポリエチレングリコールメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールメタクリレート等があげ
られる。
【0022】重合反応が速かに起こり、また、吸水性、
保水性、水の浸透性を改善するとともに、長期間植物栽
培用培地として用いても、これら性能を維持する観点か
ら、疎水性ビニルモノマーとポリオキシアルキレンアク
リレートおよび/またはポリオキシアルキレンメタクリ
レートの共重合比(重量比)は1:9〜4:6であるこ
とが好ましい。
【0023】本発明の好ましい態様においては、溶融成
形可能な粒状ポリマーに、まず、疎水性ビニルモノマー
ならびにポリオキシアルキレンアクリレートおよび/ま
たはポリオキシアルキレンメタクリレートの共重合体か
らなる浸透処理剤を付与する。この場合、浸透処理剤は
これら2成分のみからなるものでもよいが、取扱性の観
点から、水などの溶媒に溶解させたものが好ましく用い
られる。取扱性・安全性の観点から特に水溶液が好まし
く用いられる。
【0024】浸透処理剤の付与量は、粒状ポリマーの水
浸透性を良好とし、しかも低コストを維持する観点か
ら、粒状ポリマーに対して0.03〜3.0重量%、さ
らには0.1〜1.0重量%とするのが好ましい。な
お、ここでいう付与量とは、浸透剤の有効成分である、
疎水性ビニルモノマーならびにポリオキシアルキレンア
クリレートおよび/またはポリオキシアルキレンメタク
リレートの共重合体の合計付与量をいい、溶媒の重量は
含まない。付着量が少ないと、粒状ポリマーの水浸透性
が損なわれる傾向がある。また、多すぎるとコスト面に
影響する。
【0025】本発明においては、粒状ポリマーに浸透処
理剤を付与した後、熱処理するものであり、界面活性剤
をポリマー表面上に強固に固着させる観点から、温度は
100℃以上、さらには120℃以上とするのが好まし
い。なお、粒状ポリマーに熱可塑性ポリマーを使用する
場合は、粒状の形態を保つために熱可塑性ポリマーの軟
化点以下とするのが好ましい。熱処理手段は、乾熱であ
っても、スチームを用いる湿熱であってもよい。
【0026】本発明の植物栽培用培地は、上記した粒状
ポリマー処理物の集合体からなるものであり、従来の土
壌の代用として用いることができる。
【0027】本発明の実施においては、上記のように浸
透処理剤を付与した粒状ポリマーに対し、保水性を更に
向上させ保水性能をコントロールするために、高吸水性
樹脂を混合する好ましい。高吸水性樹脂としては、吸水
性樹脂重量(g)に対して吸水重量(g)が300(g
/g)以上を有する高吸水性樹脂が好適である。
【0028】高吸水性樹脂の例としては、市販されてい
るグラフトデンプン系(デンプン、アクリル酸塩グラフ
ト共重合体架橋物)とアクリル系(架橋ポリアクリル酸
塩)等の高吸水性樹脂等が挙げられ、これらは通常、粉
末状態で使用される。高吸水性樹脂の混合比率は挿木の
種類によって変わるが、経済性等を考慮して、0.05
〜1.0重量%が好ましく用いられ、かかる高吸水性樹
脂の併用によって、挿木の根はり性が向上し発根日数を
短縮することができる。
【0029】本発明の実施においては、更にこの粒状ポ
リマー処理物と他の植物栽培用培地を混合したり、積層
したりして併用することができる。
【0030】以下、本発明を実施例により具体的に説明
する。
【0031】
【実施例】
(実施例1、比較例1)原料ポリマーとしてポリエステ
ルポリマー屑を用い、朋末式粉砕機45-6002 型(染谷工
業(株)製)にかけて粉砕した後、目開き3mmの篩で粉
状を含む最大粒径3mm以下のポリマー粒状物を作製し
た。
【0032】次に、アクリロニトリルとポリエチレング
リコールアクリレートの共重合体(共重合比3:7)の
1重量%水溶液(浸透処理剤)中に、ポリマー粒状物を
60kg浸漬して5分間攪拌し、網に受けて水切りし
た。
【0033】これを熱風式乾燥器(TABAI DRY
ING OVEN HLKS−4A、理化工業(株)
製)に5kgづつ入れ、それぞれ135℃で6時間熱処
理した。
【0034】このようにして熱処理して得られた粒状物
からなる植物栽培用培地の密度は0.6〜0.7g/c
3 の範囲にあり、灌水4時間後の液相率は25%、気
相率は25%、固相率は50%であった。
【0035】この粒状物からなる植物栽培用培地を用い
て、ポリエステルフィルムを張った農業用ハウスの中で
メロンを栽培した。幅37cm×長さ94cm×高さ12cm
の発泡スチロール製箱にこの粒状物からなる植物栽培用
培地を高さ6cmまで敷き詰め、箱1個あたり1本のメロ
ン苗を同時に20本定植し、同一条件で90日間育成し
た。
【0036】本発明の植物栽培用培地を用いた場合、定
植後、液肥の供給以外には灌水は全く必要なかった。定
植後26日目の茎の長さは120〜145cmと良く、成
長のバラツキも極めて小さかった。また、根腐れは全く
起こさず、根張り性も良く発育状態は著しく良好であっ
た。収穫メロンは重量、等度ともに最高品質であった。
【0037】なお、比較例1として、上記のとおり作製
した最大粒径3mm以下のポリマー粒状物に浸透処理剤に
よる処理を施すことなく、そのままで実施例1と同様の
条件でメロン苗を同時に20本定植し、同一条件で90
日間育成した。根腐れは全く起こさなかったが、定植
後、液肥の供給以外に1日1回の灌水が必要で、しか
も、定植後26日目の茎の長さは90〜130cmの間に
あり、バラツキも見られた。根張り性についても良好な
ものと実施例1より劣るものとのバラツキが見られた。
また、収穫メロンの重量にバラツキが見られた。
【0038】これらの結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 (実施例2、比較例2)原料ポリマーとしてポリエステ
ルポリマー屑を用い、実施例1で用いたのと同じ粉砕機
にかけて粉砕した後、目開き5mmの篩で最大粒径5mmの
粒状物を作製した。この粒状物を実施例1と同様にアク
リロニトリルとポリエチレングリコールアクリレートの
共重合体(共重合比3:7)の1重量%水溶液(浸透処
理剤)中に、ポリマー粒状物を60kg浸漬して5分間
攪拌し、網に受けて水切りし、熱風式乾燥器で135℃
で6時間熱処理した。
【0040】このようにして熱処理して得られた粒状物
からなる植物栽培用培地を用いて、ポリエステルフィル
ムを張った農業用ハウスの中でテッセンを栽培した。こ
の植物栽培用培地の密度は0.6〜0.7g/cm3
範囲にあり、灌水4時間後の液相率は24%、気相率は
26%、固相率は50%であった。
【0041】テッセンの苗は予めプラスチック育苗箱に
2mm以下のポリエステルポリマー流状物を5cm敷き詰め
た培地で插木し、育苗した苗を使用した。この苗を直径
15cmの鉢に1本づつ15鉢に定植した。
【0042】テッセンは根腐れを起こしやすい植物であ
るが、根腐れを全く起こさず、2年以上鉢変えしなくと
も良かった。根張り性も良く、枝別れが多く、成長性も
良かった。
【0043】なお、比較例2として、上記のとおり作製
した最大粒径5mm以下のポリマー粒状物に浸透処理剤に
よる処理を施すことなく、そのままで実施例2と同様の
条件でテッセン用の培地として用いた。実施例と同様の
方法で同時に育生した苗を同様の鉢に1本づつ15鉢に
植え変えた。この場合も根腐れを全く起こさなかった
が、活着率、根張り性、花数が実施例2には及ばなかっ
た。
【0044】これらの結果を表2に示す。
【0045】
【表2】 (実施例3、比較例3)実施例2および比較例2で用い
たのと全く同じ植物栽培用培地を用いて、一般的に根腐
れを起こし易いとされるドラセナを栽培した。実施例、
比較例ともに根腐れを全く起こさなかったが、実施例の
方が根張り性も良く芽の数も多かった。また、実施例は
芽が出るまでの灌水が不要なのに対し、比較例は1日1
回の灌水が必要であった。
【0046】これらの結果を表3に示す。
【0047】
【表3】 (実施例4、5)実施例2で用いた植物栽培用培地に、
高吸水性樹脂としてグラフトデンプン系高吸水性樹脂を
0.08重量、可能な限り均一に混合した培地を用い
て、スプレー菊の育苗、栽培を実施した。菊の苗は、プ
ラスチック育苗箱(タテ×ヨコ=40cm×80cm)に、
3mm以下のポリエステルポリマー粒を5cm敷き詰めた培
地に25本挿木し、育苗、栽培した(実施例4)。ま
た、上記において、高吸水性樹脂を使用しない培地を用
いて、同様に実施した(実施例5)。これらの結果を表
4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明の植物栽培用培地は次の効果を有
する。
【0050】(1)植物栽培用培地の吸水性、保水性、
水の浸透性が改善され、水・液肥の浸透性、分散性が向
上し、植物の根張り性を良好にし、結果として茎の成長
速度、果実の成長速度を高めることができる。
【0051】(2)吸水性、保水性、水の浸透性の改善
は、また、植物の茎径、背丈、果実の重量と大きさの均
一性を確保でき、収穫物の品質を向上させることができ
る。
【0052】(3)産業廃棄物として処理しているポリ
マー屑を原料ポリマーとして使用できるので資源の有効
活用の面からみて有用である。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状ポリマーの表面に水との親和性を改
    善する浸透処理剤を付与してなる粒状ポリマー処理物か
    らなることを特徴とする植物栽培用培地。
  2. 【請求項2】 前記粒状ポリマーが多孔質構造を有して
    いることを特徴とする請求項1記載の植物栽培用培地。
  3. 【請求項3】 前記粒状ポリマーが粉砕により得られる
    ものであることを特徴とする請求項1記載の植物栽培用
    培地。
  4. 【請求項4】 前記浸透処理剤の粒状ポリマーに対する
    付与量が、0.03〜3.0重量%であることを特徴と
    する請求項1記載の植物栽培用培地。
  5. 【請求項5】 前記粒状ポリマーを構成するポリマーが
    熱可塑性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載
    の植物栽培用培地。
  6. 【請求項6】 前記浸透処理剤が界面活性剤から選ばれ
    たものであることを特徴とする請求項1記載の植物栽培
    用培地。
  7. 【請求項7】 前記界面活性剤が、疎水性成分を含む疎
    水性ポリマーであることを特徴とする請求項6記載の植
    物栽培用培地。
  8. 【請求項8】 前記界面活性剤が、疎水性ビニルモノマ
    ーならびにポリオキシアルキレンアクリレートおよび/
    またはポリオキシアルキレンメタクリレートの共重合体
    であることを特徴とする請求項6または7記載の植物栽
    培用培地。
  9. 【請求項9】 前記粒状ポリマーの80容量%以上が、
    10mm以下の粒径を有することを特徴とする請求項1
    記載の植物栽培用培地。
  10. 【請求項10】 前記粒状ポリマーの80容量%以上
    が、3mm以下の粒径を有することを特徴とする請求項
    1記載の植物栽培用培地。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の植物栽培用培地に、高
    吸水性樹脂を0.05重量%以上混合せしめてなること
    を特徴とする植物栽培用培地。
  12. 【請求項12】 粒状ポリマーの表面に水との親和性を
    改善する浸透処理剤を付与してなる粒状ポリマー処理物
    を他の植物栽培用培地と併用してなることを特徴とする
    植物栽培用培地。
  13. 【請求項13】 粒状ポリマーの表面に水との親和性を
    改善する浸透処理剤を付与した後、熱処理することを特
    徴とする植物栽培用培地の製造方法。
  14. 【請求項14】 熱処理温度が100℃以上であること
    を特徴とする請求項13記載の植物栽培用培地の製造方
    法。
JP7115889A 1994-05-16 1995-05-15 植物栽培用培地およびその製造方法 Pending JPH0833420A (ja)

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JP7115889A Pending JPH0833420A (ja) 1994-05-16 1995-05-15 植物栽培用培地およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014176398A (ja) * 2012-11-19 2014-09-25 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 人工土壌培地
JP5615461B2 (ja) * 2012-09-27 2014-10-29 東洋ゴム工業株式会社 人工土壌粒子
WO2015045753A1 (ja) * 2013-09-25 2015-04-02 東洋ゴム工業株式会社 人工土壌粒子、及び人工土壌培地
JP2016198068A (ja) * 2015-04-14 2016-12-01 東洋ゴム工業株式会社 人工土壌培地の調整方法、及び観葉植物栽培方法

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