JPH08334102A - 増力機構及び鍛造機 - Google Patents

増力機構及び鍛造機

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JPH08334102A
JPH08334102A JP16311795A JP16311795A JPH08334102A JP H08334102 A JPH08334102 A JP H08334102A JP 16311795 A JP16311795 A JP 16311795A JP 16311795 A JP16311795 A JP 16311795A JP H08334102 A JPH08334102 A JP H08334102A
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JP
Japan
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piston
main
cylinder
diameter
conduit
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Application number
JP16311795A
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English (en)
Inventor
Junichi Hatamoto
淳一 畑本
Shuji Sato
修治 佐藤
Takashi Suzuki
孝 鈴木
Takehiro Noda
武広 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIKKO TOKKI KK
Original Assignee
NIKKO TOKKI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小形化し、配管を含む油圧回路が著しく簡素
になると共に、応答性良く低速、高速作動が容易にでき
る増力機構及び鍛造機の提供。 【構成】 メインピストン2の内部に形成される作動用
空間2cに摺動自在に嵌合し、所定長さLを有するパイ
ロットピストン3と、パイロットピストン3を往復駆動
する駆動機構4と、作動用空間2cの中間部にそれぞれ
開口させて最大幅を所定長さLに合わせて形成され、外
径面に連通開口する第1管路11a及び基端面に連通開
口する第2管路11bと、作動用空間2cの先端部とメ
インピストン2の外径面とを連通開口する第3管路11
cと、メインシリンダ1に形成され、メインピストン2
の段面2jを受け入れると共に第1管路11aが開口
し、作動媒体が供給される加圧導管6に接続する引戻室
9と、第3管路11cが開口し、作動媒体を排出する無
圧導管7に接続する無圧室10とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダを用いる増力
機構及び鍛造機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来のシリンダを用いる増
力機構として、例えば図7に示すようなスプール式のも
のが知られている。この増力機構では、加圧時にスプー
ルコントロール装置52によつてスプール51をv方向
に移動させれば、複動式シリンダ装置のピストン55に
よつて区画される右室50aに、供給口53からの圧油
が供給され、左室50bの作動油が一方の排出口54か
ら排出されるので、メインシリンダ50がv方向に移動
し、負荷Wに同方向の押圧力が作用する。56はピスト
ンロッドであり、固定されている。一方、引戻時にスプ
ール51をv方向と反対方向に移動させれば、左室50
bに供給口53からの圧油が供給され、右室50aの作
動油が他方の排出口57から排出されるので、メインシ
リンダ50がv方向と反対方向に復帰移動する。
【0003】しかしながら、このような従来の増力機構
にあつては、メインシリンダ50の外部にスプール51
及びスプールコントロール装置52が配置されているた
め、増力機構が大形化せざるを得ず汎用性に劣る。加え
て、スプール51に対する外部の配管が、加圧用配管及
び2本のタンク用配管の3本になり、配管構造が複雑で
あると共に配管作業が多くなり、コストアップの原因に
なる。
【0004】また、他の従来のシリンダを用いる増力機
構として、例えば図8に示すようなポペット式のものも
知られている。これは、メインシリンダ66に摺動自在
に嵌合するメインピストン60の基端に位置するポペッ
ト弁61を、複動式のシリンダ装置からなる公知の駆動
機構62により開閉するものであり、メインピストン6
0による加圧時には、ポペット弁61を閉じて供給口6
5から供給される圧油によつてメインピストン60を押
し出す。一方、メインピストン60の引戻時には、ポペ
ット弁61を開いて加圧側の圧油を排出口63から排出
させてタンクに戻すと共に、引戻側への圧油は別配管に
よつて引戻用供給口64から送り込み、メインピストン
60の引き戻しを行う。
【0005】しかしながら、このような従来の増力機構
にあつては、メインシリンダ66の内部にポペット弁6
1を配置するため、増力機構が小形化するが、加圧時に
ポペット弁61を緊密に閉じる必要があり、ポペット弁
61の閉塞のための大きな駆動力を要して駆動機構62
が大形化せざるを得ない。加えて、メインシリンダ66
への配管が、加圧用、引戻用、タンク用配管の3本にな
り、配管構造が複雑であると共に配管作業が多くなり、
コストアップの原因になる。更に、メインシリンダ66
の外部に、引戻用供給口64及び供給口65を適宜に開
閉させ、加圧・引戻の切換えを行う切換え装置が必要と
なり、油圧回路が複雑になる。また、これにより、流路
が長くなると共に引戻用供給口64で正逆の流れを生ず
るため、メインピストン60の往復切換え動作が鈍くな
る。
【0006】また、従来の鍛造機として、二頭式及び四
頭式が知られている。この種の鍛造機の加圧機構として
は、クランク又は偏心軸により、レバーに揺動運動を与
える機械式と、多連プランジャ、サーボ弁などにより油
圧シリンダを同期して駆動する油圧式の2つに分類さ
れ、両者の利点を併せ持たせた機械/油圧式も見受けら
れる。しかしながら、従来の鍛造機の油圧式加圧機構に
あつては、外部に配置した油圧コントロール装置からの
圧油を複動式のシリンダ装置に切換え供給し、このシリ
ンダ装置のピストンによつて鍛造工具を押圧する構造で
あるため、大形化せざるを得ず汎用性に劣る。更に、上
記従来のシリンダを用いる増力機構を鍛造機に転用する
場合には、上述した技術的課題をそのまま有することに
なる。
【0007】また、従来の機械式の鍛造機にあつては、
次の技術的課題を有している。 1)構造的にクランク回転ストロークにより加圧ストロ
ークが決定されるため、ストローク量を大きく取り難
い。 2)鍛造工具のストロークが小さいため、鍛造材の表層
部分を鍛造するに止まり、鍛造効果を内部に及ぼしにく
い。 3)鍛造工具のストローク位置によつて鍛造力が異なる
ので、潰し量の大きな鍛造材に適さない。 4)下死点にて無限大の力を発生できるため、鍛造力を
規制する安全機構が必要となると共に、下死点付近では
ストローク量の変化に比べて鍛造力が大きく変化するの
で、信頼性に劣る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、次の通りである。請求項1の発明の構成は、基端側
の大径シリンダ部1a及び先端側の小径シリンダ部1b
を有するメインシリンダ1と、メインシリンダ1の大径
シリンダ部1a及び小径シリンダ部1bにそれぞれ摺動
自在に嵌合する大径ピストン部2a及び小径ピストン部
2bが、環状の段面2jを介して形成され、メインシリ
ンダ1の基端部に加圧室8を区画するメインピストン2
と、メインピストン2の内部中心軸線方向に基端から中
間部にまで形成される作動用空間2cに摺動自在に嵌合
し、中心軸線方向の所定長さLを有するパイロットピス
トン3と、メインシリンダ1に取付けられ、作動ロッド
21を介してパイロットピストン3を中心軸線方向に往
復駆動する駆動機構4と、作動用空間2cの中間部にそ
れぞれ開口させて中心軸線方向の最大幅を前記所定長さ
Lに合わせて形成され、作動用空間2cの基端側に位置
してメインピストン2の外径面に連通開口する第1管路
11a及び作動用空間2cの先端側に位置してメインピ
ストン2の基端面に連通開口する第2管路11bと、作
動用空間2cの先端部に開口させて形成され、メインピ
ストン2の外径面に連通開口する第3管路11cと、メ
インシリンダ1の大径シリンダ部1aと小径シリンダ部
1bとの接続箇所に形成され、前記段面2jを受け入れ
ると共に第1管路11aが開口し、作動媒体が供給され
る加圧導管6に接続する引戻室9と、メインシリンダ1
の小径シリンダ部1bに形成され、第3管路11cが開
口し、作動媒体を排出する無圧導管7に接続する無圧室
10とを有することを特徴とする増力機構である。請求
項2の発明の構成は、増力機構が、基端側の大径シリン
ダ部1a及び先端側の小径シリンダ部1bを有するメイ
ンシリンダ1と、メインシリンダ1の大径シリンダ部1
a及び小径シリンダ部1bにそれぞれ摺動自在に嵌合す
る大径ピストン部2a及び小径ピストン部2bが、環状
の段面2jを介して形成され、メインシリンダ1の基端
部に加圧室8を区画するメインピストン2と、メインピ
ストン2の内部中心軸線方向に基端から中間部にまで形
成される作動用空間2cに摺動自在に嵌合し、中心軸線
方向の所定長さLを有するパイロットピストン3と、メ
インシリンダ1に取付けられ、作動ロッド21を介して
パイロットピストン3を中心軸線方向に往復駆動する駆
動機構4と、作動用空間2cの中間部にそれぞれ開口さ
せて中心軸線方向の最大幅を前記所定長さLに合わせて
形成され、作動用空間2cの基端側に位置してメインピ
ストン2の外径面に連通開口する第1管路11a及び作
動用空間2cの先端側に位置してメインピストン2の基
端面に連通開口する第2管路11bと、作動用空間2c
の先端部に開口させて形成され、メインピストン2の外
径面に連通開口する第3管路11cと、メインシリンダ
1の大径シリンダ部1aと小径シリンダ部1bとの接続
箇所に形成され、前記段面2jを受け入れると共に第1
管路11aが開口し、作動媒体が供給される加圧導管6
に接続する引戻室9と、メインシリンダ1の小径シリン
ダ部1bに形成され、第3管路11cが開口し、作動媒
体を排出する無圧導管7に接続する無圧室10とを有
し、前記増力機構が複数固設され、各メインシリンダ1
の先端部に取付けた鍛造工具5が、被鍛造材30の配置
部Aの周囲に配置されていることを特徴とする鍛造機で
ある。
【0009】
【作用】請求項1の発明によれば、増力機構による加圧
作動が、次のようにして行われる。なお、メインシリン
ダ1の先端部には、鍛造工具を取り付けるものとして説
明する。先ず、駆動機構4により、作動ロッド21及び
パイロットピストン3を前進させる。これにより、メイ
ンピストン2内の第1管路11aが開放され、加圧導管
6からの圧力媒体が引戻室9、第1管路11a及び作動
用空間2c(パイロットピストン3よりも基端側)を通
つて加圧室8に流入する。
【0010】加圧室8に圧力媒体が流入すれば、メイン
ピストン2が往き作動し、鍛造工具が前進する。このよ
うにして、駆動機構4によるパイロットピストン3の駆
動量に応じて鍛造工具が前進移動するので、鍛造工具に
よつて被鍛造材に鍛造加工を施すことができる。その
際、メインピストン2には、メインピストン2の直径D
の小径シリンダ部1bの断面積に、加圧導管6からの圧
力媒体の圧力を乗じた押圧力が生ずる。かくして、駆動
機構4による小さな力を入力し大荷重を発生させること
ができる。
【0011】次に、増力機構の引戻作動、つまり鍛造工
具の復帰作動は、次のようにして行われる。駆動機構4
により、パイロットピストン3を後退させれば、メイン
ピストン2内の第1管路11aが閉じられ、第2管路1
1bが開放される。これにより、加圧室8の圧力媒体
は、第2管路11b、作動用空間2c(パイロットピス
トン3よりも先端側)及び第3管路11cを通り、無圧
室10に流入し、無圧導管7を通つて流出する。同時
に、加圧導管6からの圧力媒体が引戻室9に供給され、
段面2jに作用する圧力媒体の作用により、メインシリ
ンダ2の引戻作動が行われる。メインピストン2の復帰
停止は、駆動機構4によるパイロットピストン3の移動
を停止することにより、メインピストン2の後退移動に
よつて第1,第2管路11a,11bがそれぞれ閉じら
れ、加圧室8と引戻室9の圧力がバランスすることによ
つて行われる。しかして、メインピストン2は、任意の
後退位置のみならず任意の前進位置でも停止させること
ができる。
【0012】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明の作用に加え、次の作用が得られる。すなわち、各
パイロットピストン3を同期させて駆動させることによ
り、複数の鍛造工具5を同期駆動でき、被鍛造材30に
均一な変形を与えることができ、高速鍛造が実現でき
る。また、駆動機構4によるパイロットピストン3の駆
動量を長く確保することにより、鍛造工具5のストロー
クを従来の鍛造機より大きく採ることが容易に可能であ
ると共に、全ストローク位置で均一な鍛造力を発生でき
るため、鍛造効果を被鍛造材30の内部まで及ぼすとい
う従来の鍛造機では不可能であつたことが可能になる。
これにより、高性能鍛造品を得ることができ、被鍛造材
30の種類の選択範囲を拡げることが可能になつた。ま
た、複数のパイロットピストン3ひいては鍛造工具5を
個々に単独駆動でき、被鍛造材30の材質、仕上げ形状
等に合わせ、鍛造方法、複数の鍛造工具5の駆動を自由
に選択できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、増力機構の1実施例を示し、増力
機構は、メインシリンダ装置20と駆動機構4とを有す
る。メインシリンダ装置20は、メインシリンダ1と、
メインシリンダ1に摺動自在に嵌合するメインピストン
2とを有する。メインシリンダ1は、基端側の大径シリ
ンダ部1a及び先端側の直径Dの小径シリンダ部1bが
形成され、両シリンダ部1a,1bの接続箇所に環状の
引戻室9が形成され、小径シリンダ部1bの中間部に環
状の無圧室10が形成されている。なお、メインシリン
ダ1は、実際にはメインシリンダ本体1cの基端を着脱
自在な底部1dによつて閉塞して形成されている。1f
は、メインシリンダ本体1cと底部1dとの間を封止す
るシールリングである。
【0014】メインピストン2は、メインシリンダ1の
大径シリンダ部1a及び小径シリンダ部1bにそれぞれ
摺動自在に嵌合する段付きピストンを形成している。す
なわち、メインピストン2は、基端側の大径ピストン部
2a及び先端側の直径Dの小径ピストン部2bとが、環
状の段面2jを介して形成され、大径ピストン部2aが
大径シリンダ部1aに摺動自在に嵌合し、小径ピストン
部2bが小径シリンダ部1bに摺動自在に嵌合し、段面
2jが引戻室9に受入れられている。なお、段面2jの
面積は、後記する加圧室8を区画する大径ピストン部2
aの後面の面積よりも十分に小さく設定されている。
【0015】更に、メインピストン2には、基端から中
間部に至る中心軸線方向の作動用空間2cが形成されて
いる。作動用空間2cは、基端側から順次に、大径孔部
2d、中径孔部2e及び小径孔部2fを形成している。
また、小径孔部2fの中央部には、それぞれ環状をなす
一対の流路2g,2hが、中心軸線方向の所定の最大幅
を有して形成されている。基端側の流路2gは、半径方
向に延びる第1管路11aの一部を形成している。しか
して、第1管路11aは、メインピストン2の基端側内
径面及び外径面に開口されている。また、先端側の流路
2hは、半径方向及び中心軸線方向に延びる第2管路1
1bの一部を形成している。しかして、第2管路11b
は、メインピストン2の先端側内径面及び基端面に開口
されて加圧室8に接続している。更に、メインピストン
2には、小径孔部2fの先端部及び外径面に開口し、径
方向に複数延びる第3管路11cが形成されている。
【0016】そして、メインピストン2の内部の小径孔
部2fの中間部には、パイロットピストン3が摺動自在
に嵌合している。パイロットピストン3のランド部は、
中心軸線方向の所定長さLを有して一対の流路2g,2
hの間に配置され、この所定長さLは、一対の流路2
g,2hの中心軸線方向の最大幅に合致し、パイロット
ピストン3によつて両流路2g,2hを閉塞可能であ
る。3aは、ラビリンス又はシールリングであり、第1
管路11aと第2管路11bとの間を封止している。
【0017】このパイロットピストン3の基端には、小
径部21a及び大径部21bからなる作動ロッド21が
連結され、作動ロッド21の基端側の大径部21bは、
メインシリンダ1の底部1dの中央部を液密かつ摺動自
在に貫通して、パイロットピストン3を中心軸線方向に
所定長さ往復駆動する駆動機構4に接続している。大径
部21bの外径は、パイロットピストン3の外径と同一
である。このように大径部21bの外径をパイロットピ
ストン3の外径と同一とすることにより、パイロットピ
ストン3の基端面に作用する作動媒体の圧力と、大径部
21bの先端面に作用する作動媒体の圧力とが釣り合う
ことになり、駆動機構4による小さな駆動力によつてパ
イロットピストン3を往復駆動することが可能になる。
32は、シール用のパッキンである。駆動機構4は、複
動式のシリンダ装置によつて構成され、メインシリンダ
1の底部1d外面に固着した駆動シリンダ4aと、駆動
シリンダ4aを液密に貫通する作動ロッド21に固着さ
れ、駆動シリンダ4a内を右室4cと左室4dとに区画
する駆動ピストン4bとを有する。4eは、ラビリンス
又はシールリングである。
【0018】しかして、適宜のラビリンス又はシールリ
ング23,24を介在させて、メインシリンダ1にメイ
ンピストン2を摺動自在に嵌合させた状態で、メインシ
リンダ1の内底部に加圧室8が区画され、第1管路11
aが引戻室9に開口し、第2管路11bが加圧室8に開
口し、第3管路11cが無圧室10に開口している。ま
た、引戻室9には、図外の油圧源に接続される加圧導管
6が接続され、無圧室10には、図外のタンクに接続さ
れる無圧導管7が接続されている。
【0019】このようにして、メインピストン2の小径
孔部2fに摺動自在に嵌合するパイロットピストン3が
図1に示すように中立位置を採ることにより、第1,第
2管路11a,11bの両者が閉塞され、パイロットピ
ストン3が右位置を採ることにより、第1管路11aが
閉塞されて第2管路11bが開放され、パイロットピス
トン3が左位置を採ることにより、第2管路11bが閉
塞されて第1管路11aが開放される。
【0020】また、メインピストン2の大径孔部2dに
は、作動ロッド21を遊挿させる環状の支持部材22が
嵌着されている。支持部材22には、複数の通液孔22
aが形成され、パイロットピストン3よりも基端側の小
径孔部2f及び中径孔部2eを、加圧室8に連通させて
いる。25は、作動ロッド21に固着したストッパ部材
であり、中径孔部2eの前端面と支持部材22の前面と
の間で移動して、パイロットピストン3の前後方向の相
対的最大移動量を規制する。24はメインシリンダ1の
先端面に固着した環状部材であり、メインピストン2の
突出端部を摺動自在に支持している。このメインピスト
ン2の突出端部には、例えば鍛造工具5が固設される。
【0021】次に、上記実施例の作用について説明す
る。増力機構による加圧作動、つまり鍛造工具5の往き
作動は、図1に示す中立状態から次のようにして行う。
先ず、図2に示すように駆動機構4の右室4cに圧力媒
体(通常は液体)を供給し、左室4dをドレインさせ、
駆動ピストン4b、作動ロッド21及びパイロットピス
トン3を前進(図上で左方移動)させる。これにより、
メインピストン2内の第1管路11a(流路2g)が開
放され、加圧導管6からの圧力媒体が引戻室9、第1管
路11a(流路2g)、作動用空間2c(パイロットピ
ストン3よりも基端側の小径孔部2f及び中径孔部2
e)及び支持部材22の通液孔22aを通つて加圧室8
に流入する。
【0022】加圧室8に圧力媒体が流入すれば、メイン
ピストン2が往き作動し、鍛造工具5が前進する。この
ようにして、駆動機構4によるパイロットピストン3の
駆動量に追従して鍛造工具5が前進移動するので、鍛造
工具5によつて図外の被鍛造材に鍛造加工を施すことが
できる。その際、メインピストン2には、加圧室8の面
積から段面2jで得られる引戻室9の面積を減じた面
積、つまりメインピストン2の直径Dの小径シリンダ部
1bの断面積に、加圧導管6からの圧力媒体の圧力を乗
じた押圧力が不釣合い力として生ずる。かくして、駆動
機構4による小さな力を入力し大荷重を発生させること
ができる。なお、メインピストン2及び鍛造工具5の前
進移動は、被鍛造材等の当接部材が存在しない場合に
は、第1管路11a(流路2g)がパイロットピストン
3の後縁によつて閉塞された図1に示す状態になるまで
行われる。
【0023】次に、増力機構による引戻作動、つまり鍛
造工具5の復帰作動は、次のようにして行われる。図3
に示すように駆動機構4の左室4dに圧力媒体を供給
し、右室4cをドレインさせ、駆動ピストン4b、作動
ロッド21及びパイロットピストン3を後退(図上で右
方移動)させ、メインピストン2内の第1管路11aを
閉じ、第2管路11b(流路2h)を開放させる。これ
により、加圧室8の圧力媒体は、第2管路11b(流路
2h)、作動用空間2c(パイロットピストン3よりも
先端側の小径孔部2f)及び第3管路11cを通り、無
圧室10に流入し、無圧導管7を通つて図外のタンクへ
戻る。
【0024】同時に、加圧導管6からの圧力媒体が引戻
室9に供給され、段面2jに作用する圧力媒体の作用に
より、パイロットピストン3に追従してメインシリンダ
2の引戻作動が行われる。メインピストン2の復帰停止
は、図4に示すように右室4c及び左室4dを遮断し、
駆動機構4によるパイロットピストン3の移動を停止す
ることにより、メインピストン2の後退移動によつて第
1,第2管路11a,11bがそれぞれ閉じられ、加圧
室8と引戻室9の圧力がバランスすることによつて行わ
れる。しかして、メインピストン2は、任意の後退位置
のみならず任意の前進位置でも同様に停止させることが
できる。
【0025】図5には、増力機構を2個配置して二頭式
水平鍛造機を構成した構造例を示す。すなわち、メイン
シリンダ装置20及び駆動機構4を有する増力機構を、
鍛造工具5を対向させて被鍛造材30の配置部Aの周囲
に配置して、基台27上にそれぞれ固設してある。ま
た、図6には、増力機構を4個配置して四頭式鍛造機を
構成した他の構造例を示す。すなわち、メインシリンダ
装置20及び駆動機構4を有する4個の増力機構を、鍛
造工具5を内側として被鍛造材30の配置部Aの周囲に
配置して、基台28にそれぞれ固設してある。
【0026】この二頭式水平鍛造機又は四頭式鍛造機に
おいて、各パイロットピストン3を同期させて駆動させ
ることにより、対称に配置した複数(2個又は4個)の
鍛造工具5を同期駆動でき、被鍛造材30に均一な変形
を与えることができ、高速鍛造が実現できる。また、駆
動機構4によるパイロットピストン3の駆動量及び両室
9,10を長くすることにより、鍛造工具5のストロー
クを従来の鍛造機より大きく採ることが容易に可能であ
ると共に、全ストローク位置で均一な鍛造力を発生でき
るため、鍛造効果を被鍛造材30の内部まで及ぼすとい
う従来の鍛造機では不可能であつたことが可能になる。
これにより、高性能鍛造品を得ることができ、被鍛造材
30の種類の選択範囲を拡げることが可能になつた。ま
た、複数のパイロットピストン3ひいては鍛造工具5を
個々に単独駆動でき、被鍛造材30の材質、仕上げ形状
等に合わせ、鍛造方法、複数の鍛造工具5の駆動を自由
に選択できる。
【0027】ところで、上記実施例にあつては、駆動機
構4として複動式のシリンダ装置を使用したが、駆動機
構4は、パイロットピストン3に所定の往復直線移動を
与える機構であればよく、ラックアンドピニオン、ボー
ルねじによる回転を直進に変換する駆動機構、リニアモ
ータ駆動機構、その他の直線駆動機構を広く採用するこ
とが可能である。
【0028】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明にかかる増力機構及び鍛造機によれば、次の効果
を奏することができる。 (1)メインピストンの内部に形成した作動用空間にパ
イロットピストンを配置し、メインピストンの方向切換
機能を持たせてあるため、増力機構が小形化する。ま
た、メインピストンの加圧作動を、加圧室の面積から段
面で得られる引戻室の面積を減じた面積に、加圧導管か
らの圧力媒体の圧力を乗じた押圧力によつて得るように
したため、メインシリンダへの接続配管としては、作動
媒体を供給する加圧導管とタンクに戻す無圧導管の2本
だけでよい。その結果、外部に引戻用の油圧源、加圧・
引戻の切換えを行う切換え装置等を備える必要が無いこ
とも相まつて、油圧回路が著しく簡素になる。
【0029】(2)加圧導管及び無圧導管における圧力
媒体の流れは、常に一定方向であり、特に、引戻室にお
いて正逆の流れを生じないため、複雑な管路が不要であ
ることとも相まつて、メインピストンは、パイロットピ
ストンの制御に瞬時に応答し、応答性良く低速、高速の
加圧作動及び引戻作動ができる。また、パイロットピス
トンのための大きな駆動力を不要として、駆動機構を小
形化することも容易である。
【0030】(3)請求項2の発明によれば、上記効果
に加え、複数のメインシリンダにおいて、各パイロット
ピストンの駆動を同期して又は個別に制御することによ
り、メインピストン及び鍛造工具の同期運転又は単独運
転が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例にかかる増力機構を示す断
面図。
【図2】 同じく加圧作動状態を示す作用説明図。
【図3】 同じく引戻作動状態を示す作用説明図。
【図4】 同じく停止作動状態を示す作用説明図。
【図5】 同じく二頭式水平鍛造機を示す一部断面図。
【図6】 同じく四頭式鍛造機を示す一部断面図。
【図7】 従来例を示す断面図。
【図8】 従来例を示す断面図。
【符号の説明】
1:メインシリンダ、1a:大径シリンダ部、1b:小
径シリンダ部、2:メインピストン、2a:大径ピスト
ン部、2b:小径ピストン部、2c:作動用空間、2
j:段面、3:パイロットピストン、4:駆動機構、
5:鍛造工具、6:加圧導管、7:無圧導管、8:加圧
室、9:引戻室、10:無圧室、11a:第1管路、1
1b:第2管路、11c:第3管路、30:被鍛造材、
A:配置部、L:所定長さ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 武広 北海道室蘭市茶津町4番地 日鋼特機株式 会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基端側の大径シリンダ部(1a)及び先
    端側の小径シリンダ部(1b)を有するメインシリンダ
    (1)と、メインシリンダ(1)の大径シリンダ部(1
    a)及び小径シリンダ部(1b)にそれぞれ摺動自在に
    嵌合する大径ピストン部(2a)及び小径ピストン部
    (2b)が、環状の段面(2j)を介して形成され、メ
    インシリンダ(1)の基端部に加圧室(8)を区画する
    メインピストン(2)と、メインピストン(2)の内部
    中心軸線方向に基端から中間部にまで形成される作動用
    空間(2c)に摺動自在に嵌合し、中心軸線方向の所定
    長さ(L)を有するパイロットピストン(3)と、メイ
    ンシリンダ(1)に取付けられ、作動ロッド(21)を
    介してパイロットピストン(3)を中心軸線方向に往復
    駆動する駆動機構(4)と、作動用空間(2c)の中間
    部にそれぞれ開口させて中心軸線方向の最大幅を前記所
    定長さ(L)に合わせて形成され、作動用空間(2c)
    の基端側に位置してメインピストン(2)の外径面に連
    通開口する第1管路(11a)及び作動用空間(2c)
    の先端側に位置してメインピストン(2)の基端面に連
    通開口する第2管路(11b)と、作動用空間(2c)
    の先端部に開口させて形成され、メインピストン(2)
    の外径面に連通開口する第3管路(11c)と、メイン
    シリンダ(1)の大径シリンダ部(1a)と小径シリン
    ダ部(1b)との接続箇所に形成され、前記段面(2
    j)を受け入れると共に第1管路(11a)が開口し、
    作動媒体が供給される加圧導管(6)に接続する引戻室
    (9)と、メインシリンダ(1)の小径シリンダ部(1
    b)に形成され、第3管路(11c)が開口し、作動媒
    体を排出する無圧導管(7)に接続する無圧室(10)
    とを有することを特徴とする増力機構。
  2. 【請求項2】 増力機構が、基端側の大径シリンダ部
    (1a)及び先端側の小径シリンダ部(1b)を有する
    メインシリンダ(1)と、メインシリンダ(1)の大径
    シリンダ部(1a)及び小径シリンダ部(1b)にそれ
    ぞれ摺動自在に嵌合する大径ピストン部(2a)及び小
    径ピストン部(2b)が、環状の段面(2j)を介して
    形成され、メインシリンダ(1)の基端部に加圧室
    (8)を区画するメインピストン(2)と、メインピス
    トン(2)の内部中心軸線方向に基端から中間部にまで
    形成される作動用空間(2c)に摺動自在に嵌合し、中
    心軸線方向の所定長さ(L)を有するパイロットピスト
    ン(3)と、メインシリンダ(1)に取付けられ、作動
    ロッド(21)を介してパイロットピストン(3)を中
    心軸線方向に往復駆動する駆動機構(4)と、作動用空
    間(2c)の中間部にそれぞれ開口させて中心軸線方向
    の最大幅を前記所定長さ(L)に合わせて形成され、作
    動用空間(2c)の基端側に位置してメインピストン
    (2)の外径面に連通開口する第1管路(11a)及び
    作動用空間(2c)の先端側に位置してメインピストン
    (2)の基端面に連通開口する第2管路(11b)と、
    作動用空間(2c)の先端部に開口させて形成され、メ
    インピストン(2)の外径面に連通開口する第3管路
    (11c)と、メインシリンダ(1)の大径シリンダ部
    (1a)と小径シリンダ部(1b)との接続箇所に形成
    され、前記段面(2j)を受け入れると共に第1管路
    (11a)が開口し、作動媒体が供給される加圧導管
    (6)に接続する引戻室(9)と、メインシリンダ
    (1)の小径シリンダ部(1b)に形成され、第3管路
    (11c)が開口し、作動媒体を排出する無圧導管
    (7)に接続する無圧室(10)とを有し、 前記増力機構が複数固設され、各メインシリンダ(1)
    の先端部に取付けた鍛造工具(5)が、被鍛造材(3
    0)の配置部(A)の周囲に配置されていることを特徴
    とする鍛造機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107882803A (zh) * 2017-11-16 2018-04-06 西安兰石重工机械有限公司 直线电机驱动式径向锻造机主缸先导伺服装置
JP2019516934A (ja) * 2016-04-11 2019-06-20 エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 液圧シリンダー

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