JPH08334055A - 内燃機関用ピストン構造 - Google Patents
内燃機関用ピストン構造Info
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- JPH08334055A JPH08334055A JP13956295A JP13956295A JPH08334055A JP H08334055 A JPH08334055 A JP H08334055A JP 13956295 A JP13956295 A JP 13956295A JP 13956295 A JP13956295 A JP 13956295A JP H08334055 A JPH08334055 A JP H08334055A
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- JP
- Japan
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- piston
- outer peripheral
- internal combustion
- combustion engine
- peripheral surface
- Prior art date
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2251/00—Material properties
- F05C2251/04—Thermal properties
- F05C2251/042—Expansivity
Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、頂面にバルブリセスをそなえたピ
ストンの上端外周のトップランドクレビスの容積を低減
するのに適した内燃機関用ピストン構造に関し、トップ
ランド高さを低減させても熱膨張によりピストンがシリ
ンダに干渉することがないようにすることを目的とす
る。 【構成】 シリンダ内を往復動するとともに吸排バルブ
との干渉を避けるべく燃焼室を区画する頂面１Ｂにバル
ブリセス７を形成された内燃機関用ピストン１におい
て、ピストンの外周面１Ａのうち頂面１Ｂ近傍で且つバ
ルブリセス７に近接する位置にシリンダ内面との間隔を
確保すべく凹み部１０を形成するように構成する。
ストンの上端外周のトップランドクレビスの容積を低減
するのに適した内燃機関用ピストン構造に関し、トップ
ランド高さを低減させても熱膨張によりピストンがシリ
ンダに干渉することがないようにすることを目的とす
る。 【構成】 シリンダ内を往復動するとともに吸排バルブ
との干渉を避けるべく燃焼室を区画する頂面１Ｂにバル
ブリセス７を形成された内燃機関用ピストン１におい
て、ピストンの外周面１Ａのうち頂面１Ｂ近傍で且つバ
ルブリセス７に近接する位置にシリンダ内面との間隔を
確保すべく凹み部１０を形成するように構成する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、頂面にバルブリセスを
そなえた、内燃機関用ピストン構造に関し、特に、ピス
トンの上端外周のトップランドクレビスの容積を低減す
るのに適した、内燃機関用ピストン構造に関する。
そなえた、内燃機関用ピストン構造に関し、特に、ピス
トンの上端外周のトップランドクレビスの容積を低減す
るのに適した、内燃機関用ピストン構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】往復動式の内燃機関では、シリンダ内で
ピストンが高速で往復動するため、通常、図５，６に示
すように、ピストン１の外周にピストンリング２を装備
してこのピストンリング２の外周をシリンダ３の内周面
に摺接させるようにして、シリンダ内周面３Ａとピスト
ン外周面１Ａとの間にはクリアランスを設けている。
ピストンが高速で往復動するため、通常、図５，６に示
すように、ピストン１の外周にピストンリング２を装備
してこのピストンリング２の外周をシリンダ３の内周面
に摺接させるようにして、シリンダ内周面３Ａとピスト
ン外周面１Ａとの間にはクリアランスを設けている。
【０００３】ところで、ピストン１の外周には一般に複
数のピストンリング２が装備されるが、これらのうちの
最上部のピストンリング２の上方のシリンダ内周面３Ａ
とピストン外周面１Ａとの間の隙間（トップランドクレ
ビス）４は燃焼室５に直接露出しているため、シリンダ
３内に供給された燃料がこのトップランドクレビス４内
に入り込むことがある。しかしこのトップランドクレビ
ス４内には火炎が到達できないため、トップランドクレ
ビス４内に入り込んだ燃料は燃焼しないで未燃ガスとし
て排出さてしまい、排出ガス中に好ましくない成分を発
生させたり、燃費を低下させたりするという不具合があ
る。
数のピストンリング２が装備されるが、これらのうちの
最上部のピストンリング２の上方のシリンダ内周面３Ａ
とピストン外周面１Ａとの間の隙間（トップランドクレ
ビス）４は燃焼室５に直接露出しているため、シリンダ
３内に供給された燃料がこのトップランドクレビス４内
に入り込むことがある。しかしこのトップランドクレビ
ス４内には火炎が到達できないため、トップランドクレ
ビス４内に入り込んだ燃料は燃焼しないで未燃ガスとし
て排出さてしまい、排出ガス中に好ましくない成分を発
生させたり、燃費を低下させたりするという不具合があ
る。
【０００４】そこで、トップランド高さＨを低減させた
り、シリンダ内周面３Ａとピストン外周面１Ａとのクリ
アランスＣを低減させたりして、このトップランドクレ
ビス４の容積の減少が図られている。一方、エンジンに
よっては、図７，図８に示すように、吸排バルブ６との
干渉を回避するため、ピストン頂面１Ｂにバルブリセス
７を設けるようにしたものもある。このようなバルブリ
セス７付きのピストンでは、図９に示すＢ方向にピスト
ンピンの軸受部が形成されるため、Ａ方向に比べてこの
Ｂ方向の方が熱膨張が大きくなる。このため、ピストン
の外周プロフィールは、通常、常温ではＡ方向の径より
もＢ方向の径の方が僅かに小さくなるような真円に近い
楕円形状に形成されている。
り、シリンダ内周面３Ａとピストン外周面１Ａとのクリ
アランスＣを低減させたりして、このトップランドクレ
ビス４の容積の減少が図られている。一方、エンジンに
よっては、図７，図８に示すように、吸排バルブ６との
干渉を回避するため、ピストン頂面１Ｂにバルブリセス
７を設けるようにしたものもある。このようなバルブリ
セス７付きのピストンでは、図９に示すＢ方向にピスト
ンピンの軸受部が形成されるため、Ａ方向に比べてこの
Ｂ方向の方が熱膨張が大きくなる。このため、ピストン
の外周プロフィールは、通常、常温ではＡ方向の径より
もＢ方向の径の方が僅かに小さくなるような真円に近い
楕円形状に形成されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なピストン頂面１Ｂにバルブリセス７をそなえたピスト
ンにおいて、トップランドクレビス４の容積の減少を図
るべく、トップランド高さＨを低減させていくと、図８
に示すように、バルブリセス６とピストンリング２を嵌
装するするための環状溝８との距離Ｄが必然的に小さく
なって、トップランドクレビス４を形成するピストン１
の頂面１Ｂ付近の外周部のうち、バルブリセス６の近傍
の部分９からの熱流れが妨げられるようになる。
なピストン頂面１Ｂにバルブリセス７をそなえたピスト
ンにおいて、トップランドクレビス４の容積の減少を図
るべく、トップランド高さＨを低減させていくと、図８
に示すように、バルブリセス６とピストンリング２を嵌
装するするための環状溝８との距離Ｄが必然的に小さく
なって、トップランドクレビス４を形成するピストン１
の頂面１Ｂ付近の外周部のうち、バルブリセス６の近傍
の部分９からの熱流れが妨げられるようになる。
【０００６】つまり、この部分９は燃焼室５からの熱を
受けるため、図１０に示すような熱流れＨＦ１が悪化す
るようになり、これにより、この部分９の温度が高くな
って図中鎖線で示すように大きく熱膨張し、シリンダ内
周面３Ａと接触するおそれが生じるという課題がある。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、頂面に
バルブリセスをそなえたピストンにおいてトップランド
高さを低減させても熱膨張によりピストンがシリンダに
干渉することがないようにした、内燃機関用ピストン構
造を提供することを目的とする。
受けるため、図１０に示すような熱流れＨＦ１が悪化す
るようになり、これにより、この部分９の温度が高くな
って図中鎖線で示すように大きく熱膨張し、シリンダ内
周面３Ａと接触するおそれが生じるという課題がある。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、頂面に
バルブリセスをそなえたピストンにおいてトップランド
高さを低減させても熱膨張によりピストンがシリンダに
干渉することがないようにした、内燃機関用ピストン構
造を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】このため、請求項１記載
の本発明の内燃機関用ピストン構造は、シリンダ内を往
復動するとともに吸排バルブとの干渉を避けるべく燃焼
室を区画する頂面にバルブリセスを形成された内燃機関
用ピストンにおいて、該ピストンの外周面のうち該頂面
近傍で且つ該バルブリセスに近接する位置に該シリンダ
内面との間隔を確保すべく凹み部が形成されていること
を特徴としている。
の本発明の内燃機関用ピストン構造は、シリンダ内を往
復動するとともに吸排バルブとの干渉を避けるべく燃焼
室を区画する頂面にバルブリセスを形成された内燃機関
用ピストンにおいて、該ピストンの外周面のうち該頂面
近傍で且つ該バルブリセスに近接する位置に該シリンダ
内面との間隔を確保すべく凹み部が形成されていること
を特徴としている。
【０００８】請求項２記載の本発明の内燃機関用ピスト
ン構造は、請求項１記載の構成において、該バルブリセ
スが、該頂面の複数箇所に形成され、該凹み部が各バル
ブリセスに対応するようにして該外周面上に複数形成さ
れていることを特徴としている。請求項３記載の本発明
の内燃機関用ピストン構造は、請求項１又は２記載の構
成において、該外周面に、ピストンリング装着用溝部が
周方向に沿って形成され、該凹み部が該ピストンの軸心
線方向には該頂面から該溝部にわたって形成されている
ことを特徴としている。
ン構造は、請求項１記載の構成において、該バルブリセ
スが、該頂面の複数箇所に形成され、該凹み部が各バル
ブリセスに対応するようにして該外周面上に複数形成さ
れていることを特徴としている。請求項３記載の本発明
の内燃機関用ピストン構造は、請求項１又は２記載の構
成において、該外周面に、ピストンリング装着用溝部が
周方向に沿って形成され、該凹み部が該ピストンの軸心
線方向には該頂面から該溝部にわたって形成されている
ことを特徴としている。
【０００９】請求項４記載の本発明の内燃機関用ピスト
ン構造は、請求項１〜３のいずれかに記載の構成におい
て、該ピストンの外周プロフィルが、該ピストンの熱膨
張の大きい方向に対して熱膨張の小さい方向の方が長く
なるように設定された楕円形状に形成されていることを
特徴としている。
ン構造は、請求項１〜３のいずれかに記載の構成におい
て、該ピストンの外周プロフィルが、該ピストンの熱膨
張の大きい方向に対して熱膨張の小さい方向の方が長く
なるように設定された楕円形状に形成されていることを
特徴としている。
【００１０】
【作用】上述の請求項１記載の本発明の内燃機関用ピス
トン構造では、頂面のバルブリセスにより吸排バルブと
の干渉が避けられ、また、ピストンの外周面のうち頂面
近傍で且つバルブリセスに近接する位置に凹み部が形成
されているので、バルブリセスに近いピストンの外周面
とシリンダ内面との間隔が確保されて、バルブリセスの
近傍が大きく熱膨張しても、ピストンの外周面とシリン
ダ内面との干渉が生じることがない。
トン構造では、頂面のバルブリセスにより吸排バルブと
の干渉が避けられ、また、ピストンの外周面のうち頂面
近傍で且つバルブリセスに近接する位置に凹み部が形成
されているので、バルブリセスに近いピストンの外周面
とシリンダ内面との間隔が確保されて、バルブリセスの
近傍が大きく熱膨張しても、ピストンの外周面とシリン
ダ内面との干渉が生じることがない。
【００１１】上述の請求項２記載の本発明の内燃機関用
ピストン構造では、該凹み部が該頂面の複数箇所に形成
された各バルブリセスに対応するようにして該外周面上
にそれぞれ形成されるので、各バルブリセスに近いピス
トンの外周面各部とシリンダ内面との間隔が確保され
て、バルブリセスの近傍が大きく熱膨張しても、ピスト
ンの外周面とシリンダ内面との干渉が生じることがな
い。
ピストン構造では、該凹み部が該頂面の複数箇所に形成
された各バルブリセスに対応するようにして該外周面上
にそれぞれ形成されるので、各バルブリセスに近いピス
トンの外周面各部とシリンダ内面との間隔が確保され
て、バルブリセスの近傍が大きく熱膨張しても、ピスト
ンの外周面とシリンダ内面との干渉が生じることがな
い。
【００１２】上述の請求項３記載の本発明の内燃機関用
ピストン構造では、該バルブリセスとピストンリング装
着用溝部とによって、ピストンの外周近傍でこの溝部か
ら頂面側の部分からの熱の流れが拘束され、この部分の
熱膨張が大きくなるが、バルブリセスに近いピストンの
外周面各部とシリンダ内面との間隔が確保されているの
で、この熱膨張によっても、ピストンの外周面とシリン
ダ内面との干渉が生じることがない。
ピストン構造では、該バルブリセスとピストンリング装
着用溝部とによって、ピストンの外周近傍でこの溝部か
ら頂面側の部分からの熱の流れが拘束され、この部分の
熱膨張が大きくなるが、バルブリセスに近いピストンの
外周面各部とシリンダ内面との間隔が確保されているの
で、この熱膨張によっても、ピストンの外周面とシリン
ダ内面との干渉が生じることがない。
【００１３】上述の請求項４記載の本発明の内燃機関用
ピストン構造では、該ピストンの外周プロフィルが、該
ピストンの熱膨張の大きい方向に対して熱膨張の小さい
方向の方が長くなるように設定された楕円形状に形成さ
れているので、機関の作動時に該ピストンの熱膨張する
と該ピストンの外周プロフィルは真円形状に近づいてい
く。
ピストン構造では、該ピストンの外周プロフィルが、該
ピストンの熱膨張の大きい方向に対して熱膨張の小さい
方向の方が長くなるように設定された楕円形状に形成さ
れているので、機関の作動時に該ピストンの熱膨張する
と該ピストンの外周プロフィルは真円形状に近づいてい
く。
【００１４】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明すると、図１，図２は本発明の一実施例としての内
燃機関用ピストン構造を示すもので、図１はピストン頂
面図、図２はピストンの要部断面図であり、図５〜図１
０と同符号はほぼ同様なものを示している。
説明すると、図１，図２は本発明の一実施例としての内
燃機関用ピストン構造を示すもので、図１はピストン頂
面図、図２はピストンの要部断面図であり、図５〜図１
０と同符号はほぼ同様なものを示している。
【００１５】図１，２に示すように、本ピストン構造で
は、ピストン１の外周にピストンリング用環状溝８が形
成され、この環状溝８に複数（ここでは３個）のピスト
ンリング２が嵌装されており、ピストンリング２の外周
がシリンダ３の内周面３Ａに摺接しながらピストン１の
往復動が行なわれるようになっている。したかって、ピ
ストン外周面１Ａとシリンダ内周面３Ａとの間にはクリ
アランスが設けられている。
は、ピストン１の外周にピストンリング用環状溝８が形
成され、この環状溝８に複数（ここでは３個）のピスト
ンリング２が嵌装されており、ピストンリング２の外周
がシリンダ３の内周面３Ａに摺接しながらピストン１の
往復動が行なわれるようになっている。したかって、ピ
ストン外周面１Ａとシリンダ内周面３Ａとの間にはクリ
アランスが設けられている。
【００１６】また、吸排バルブとの干渉を回避するた
め、ピストン頂面１Ｂにはバルブリセス７が設けられて
いる。この機関では、吸気２弁，排気２弁の計４弁がそ
なえられるので、バルブリセス７も各吸排バルブの位置
に合わせて４箇所設けられている。さらに、図１に示す
Ａ方向に比べてＢ方向の方が熱膨張が大きくなるため、
ピストンの外周プロフィールは、通常、常温ではＡ方向
の径よりもＢ方向の径の方が僅かに小さくなるような真
円に近い楕円形状に形成されている。これにより、ピス
トン１の外周プロフィールは熱膨張時には真円に近づい
てピストン外周面１Ａとシリンダ内周面３Ａとの距離が
互いに干渉しない程度に接近するようになっている。
め、ピストン頂面１Ｂにはバルブリセス７が設けられて
いる。この機関では、吸気２弁，排気２弁の計４弁がそ
なえられるので、バルブリセス７も各吸排バルブの位置
に合わせて４箇所設けられている。さらに、図１に示す
Ａ方向に比べてＢ方向の方が熱膨張が大きくなるため、
ピストンの外周プロフィールは、通常、常温ではＡ方向
の径よりもＢ方向の径の方が僅かに小さくなるような真
円に近い楕円形状に形成されている。これにより、ピス
トン１の外周プロフィールは熱膨張時には真円に近づい
てピストン外周面１Ａとシリンダ内周面３Ａとの距離が
互いに干渉しない程度に接近するようになっている。
【００１７】ところで、ピストン１の外周のうちピスト
ンリング２のうちの最上部のピストンリング２の上方部
分では、シリンダ内周面３Ａとピストン外周面１Ａとの
間の隙間（トップランドクレビス）４の容積を小さくす
るため、本構造では、トップランド高さＨを可能なかぎ
り小さく設定している。このため、燃焼室側（ピストン
１の頂面１Ｂに最も近い側）のピストンリング用環状溝
８の位置もピストン１の頂面１Ｂにより近づけられてい
る。
ンリング２のうちの最上部のピストンリング２の上方部
分では、シリンダ内周面３Ａとピストン外周面１Ａとの
間の隙間（トップランドクレビス）４の容積を小さくす
るため、本構造では、トップランド高さＨを可能なかぎ
り小さく設定している。このため、燃焼室側（ピストン
１の頂面１Ｂに最も近い側）のピストンリング用環状溝
８の位置もピストン１の頂面１Ｂにより近づけられてい
る。
【００１８】また、ピストン外周面１Ａのうち最上部の
ピストンリング２の上方の頂面１Ｂ近傍で、且つバルブ
リセス７に近接する部分には、シリンダ内面３Ａとの間
隔を確保すべく凹み部１０が形成されている。本実施例
では、バルブリセス７が４個設けられているので、凹み
部１０も各バルブリセス７の外側に４個だけ設けられて
いる。ただし、図１、図２中では凹み部１０をピストン
の外周プロフィールに対して大きく凹むように表現して
いるが、実際にはこの凹み量ｄは僅かであり、例えば自
動車用エンジンの場合、５〜５０ミクロン程度である。
ピストンリング２の上方の頂面１Ｂ近傍で、且つバルブ
リセス７に近接する部分には、シリンダ内面３Ａとの間
隔を確保すべく凹み部１０が形成されている。本実施例
では、バルブリセス７が４個設けられているので、凹み
部１０も各バルブリセス７の外側に４個だけ設けられて
いる。ただし、図１、図２中では凹み部１０をピストン
の外周プロフィールに対して大きく凹むように表現して
いるが、実際にはこの凹み量ｄは僅かであり、例えば自
動車用エンジンの場合、５〜５０ミクロン程度である。
【００１９】これらの凹み部１０は、燃焼室５での燃焼
熱によるピストン１頂面１Ｂのバルブリセス６近傍の外
周部９の熱膨張を考慮したものである。つまり、ピスト
ンリング用環状溝８がよりピストン１の頂面１Ｂに近づ
けられているので、バルブリセス６とピストンリング用
環状溝８との距離Ｄが小さくなって、このバルブリセス
６の近傍のピストン頂面外周部９からの熱流れＨＦ１
（図１０参照）が妨げられるようになる。これにより、
外周部９は大きく熱膨張するようになるが、凹み部１０
により外周部９のシリンダ内周面３Ａ側表面が削除され
ているので、この外周部９が大きく熱膨張しても、シリ
ンダ内周面３Ａと干渉しないようになっているのであ
る。
熱によるピストン１頂面１Ｂのバルブリセス６近傍の外
周部９の熱膨張を考慮したものである。つまり、ピスト
ンリング用環状溝８がよりピストン１の頂面１Ｂに近づ
けられているので、バルブリセス６とピストンリング用
環状溝８との距離Ｄが小さくなって、このバルブリセス
６の近傍のピストン頂面外周部９からの熱流れＨＦ１
（図１０参照）が妨げられるようになる。これにより、
外周部９は大きく熱膨張するようになるが、凹み部１０
により外周部９のシリンダ内周面３Ａ側表面が削除され
ているので、この外周部９が大きく熱膨張しても、シリ
ンダ内周面３Ａと干渉しないようになっているのであ
る。
【００２０】逆に、この凹み部１０は、外周部９が熱膨
張した際に外周部９の表面がシリンダ内周面３Ａに極め
て接近するが干渉はしない程度に形成されている。した
がって、機関の通常作動時には、トップランドクレビス
４の容積を規定するピストン外周面１Ａとシリンダ内周
面３ＡとのクリアランスＣは小さく設定されており、ト
ップランド高さＨの低減と相ままようにしてトップラン
ドクレビス４の容積削減に寄与している。
張した際に外周部９の表面がシリンダ内周面３Ａに極め
て接近するが干渉はしない程度に形成されている。した
がって、機関の通常作動時には、トップランドクレビス
４の容積を規定するピストン外周面１Ａとシリンダ内周
面３ＡとのクリアランスＣは小さく設定されており、ト
ップランド高さＨの低減と相ままようにしてトップラン
ドクレビス４の容積削減に寄与している。
【００２１】本発明の一実施例としての内燃機関用ピス
トン構造は、上述のように構成されているので、トップ
ランド高さＨの低減によって、トップランドクレビス４
の容積が削減される。また、このトップランド高さＨの
低減に伴って、バルブリセス６とピストンリング用環状
溝８との距離Ｄが小さくなり、このため、このバルブリ
セス６の近傍のピストン頂面外周部９からの熱流れＨＦ
１（図１０参照）が妨げられるようになり、これによ
り、外周部９は大きく熱膨張するようになるが、凹み部
１０により外周部９のシリンダ内周面３Ａ側表面が削除
されているので、この外周部９が大きく熱膨張しても、
シリンダ内周面３Ａと干渉することがない。
トン構造は、上述のように構成されているので、トップ
ランド高さＨの低減によって、トップランドクレビス４
の容積が削減される。また、このトップランド高さＨの
低減に伴って、バルブリセス６とピストンリング用環状
溝８との距離Ｄが小さくなり、このため、このバルブリ
セス６の近傍のピストン頂面外周部９からの熱流れＨＦ
１（図１０参照）が妨げられるようになり、これによ
り、外周部９は大きく熱膨張するようになるが、凹み部
１０により外周部９のシリンダ内周面３Ａ側表面が削除
されているので、この外周部９が大きく熱膨張しても、
シリンダ内周面３Ａと干渉することがない。
【００２２】しかも、外周部９の熱膨張時に、外周部９
がシリンダ内周面３Ａに干渉はしないが極めて接近する
ように凹み部１０が形成されているので、ピストン外周
面１Ａとシリンダ内周面３ＡとのクリアランスＣも僅か
なものに設定でき、この点でもトップランドクレビス４
の容積が削減される。また、熱膨張を考慮したピストン
の外周プロフィールの楕円形状の設定によっても、ピス
トン１のほぼ全周において、ピストン外周面１Ａとシリ
ンダ内周面３Ａとの距離が互いに干渉しない程度に接近
して、この点でもトップランドクレビス４の容積が削減
される。
がシリンダ内周面３Ａに干渉はしないが極めて接近する
ように凹み部１０が形成されているので、ピストン外周
面１Ａとシリンダ内周面３ＡとのクリアランスＣも僅か
なものに設定でき、この点でもトップランドクレビス４
の容積が削減される。また、熱膨張を考慮したピストン
の外周プロフィールの楕円形状の設定によっても、ピス
トン１のほぼ全周において、ピストン外周面１Ａとシリ
ンダ内周面３Ａとの距離が互いに干渉しない程度に接近
して、この点でもトップランドクレビス４の容積が削減
される。
【００２３】このように、本構造では、熱膨張によって
ピストン外周面１Ａとシリンダ内周面３Ａとが干渉する
ことのないようにしながらトップランドクレビス４の容
積を削減することができ、機関の性能や耐久性を損なわ
ないようにしながら、トップランドクレビス４に起因し
た未燃ガスの発生を抑制して、排出ガスの浄化を促進す
ることや、機関の燃費を向上させることができるように
なる。
ピストン外周面１Ａとシリンダ内周面３Ａとが干渉する
ことのないようにしながらトップランドクレビス４の容
積を削減することができ、機関の性能や耐久性を損なわ
ないようにしながら、トップランドクレビス４に起因し
た未燃ガスの発生を抑制して、排出ガスの浄化を促進す
ることや、機関の燃費を向上させることができるように
なる。
【００２４】なお、本実施例では、図２に示すように、
シリンダ軸心線方向にほぼ等しい深さ（窪み量）ｄとな
るように窪み部１０を形成しているが、窪み部１０は、
図３，図４に示す１０Ａ，１０Ｂのように、下方に行く
にしたがって、窪み量ｄが小さくなるように形成しても
よい。また、本発明の構造は、バルブリセス等の存在に
より熱流出が低下する部分に適用でき、もちろん、バル
ブ数等に限定されるものではない。
シリンダ軸心線方向にほぼ等しい深さ（窪み量）ｄとな
るように窪み部１０を形成しているが、窪み部１０は、
図３，図４に示す１０Ａ，１０Ｂのように、下方に行く
にしたがって、窪み量ｄが小さくなるように形成しても
よい。また、本発明の構造は、バルブリセス等の存在に
より熱流出が低下する部分に適用でき、もちろん、バル
ブ数等に限定されるものではない。
【００２５】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項１記載の本
発明の内燃機関用ピストン構造によれば、シリンダ内を
往復動するとともに吸排バルブとの干渉を避けるべく燃
焼室を区画する頂面にバルブリセスを形成された内燃機
関用ピストンにおいて、該ピストンの外周面のうち該頂
面近傍で且つ該バルブリセスに近接する位置に該シリン
ダ内面との間隔を確保すべく凹み部が形成されるという
構成により、熱膨張によってピストン外周面とシリンダ
内周面とが干渉することのないようにしながらトップラ
ンドクレビスの容積を削減することができ、機関の性能
や耐久性を損なわないようにしながら、トップランドク
レビスに起因した未燃ガスの発生を抑制して、排出ガス
の浄化を促進することや、機関の燃費を向上させること
ができるようになる。
発明の内燃機関用ピストン構造によれば、シリンダ内を
往復動するとともに吸排バルブとの干渉を避けるべく燃
焼室を区画する頂面にバルブリセスを形成された内燃機
関用ピストンにおいて、該ピストンの外周面のうち該頂
面近傍で且つ該バルブリセスに近接する位置に該シリン
ダ内面との間隔を確保すべく凹み部が形成されるという
構成により、熱膨張によってピストン外周面とシリンダ
内周面とが干渉することのないようにしながらトップラ
ンドクレビスの容積を削減することができ、機関の性能
や耐久性を損なわないようにしながら、トップランドク
レビスに起因した未燃ガスの発生を抑制して、排出ガス
の浄化を促進することや、機関の燃費を向上させること
ができるようになる。
【００２６】請求項２記載の本発明の内燃機関用ピスト
ン構造は、請求項１記載の構成において、該バルブリセ
スが、該頂面の複数箇所に形成され、該凹み部が各バル
ブリセスに対応するようにして該外周面上に複数形成さ
れるという構成により、各バルブリセスの近傍におい
て、熱膨張によってピストン外周面とシリンダ内周面と
が干渉することのないようにしながらトップランドクレ
ビスの容積を削減することができ、機関の性能や耐久性
を損なわないようにしながら、トップランドクレビスに
起因した未燃ガスの発生を抑制して、排出ガスの浄化を
促進することや、機関の燃費を向上させることができる
ようになる。
ン構造は、請求項１記載の構成において、該バルブリセ
スが、該頂面の複数箇所に形成され、該凹み部が各バル
ブリセスに対応するようにして該外周面上に複数形成さ
れるという構成により、各バルブリセスの近傍におい
て、熱膨張によってピストン外周面とシリンダ内周面と
が干渉することのないようにしながらトップランドクレ
ビスの容積を削減することができ、機関の性能や耐久性
を損なわないようにしながら、トップランドクレビスに
起因した未燃ガスの発生を抑制して、排出ガスの浄化を
促進することや、機関の燃費を向上させることができる
ようになる。
【００２７】請求項３記載の本発明の内燃機関用ピスト
ン構造は、請求項１又は２記載の構成において、該外周
面に、ピストンリング装着用溝部が周方向に沿って形成
され、該凹み部が該ピストンの軸心線方向には該頂面か
ら該溝部にわたって形成されるという構成により、熱膨
張によるピストン外周面とシリンダ内周面との干渉を確
実に回避しながらトップランドクレビスの容積を削減す
ることができ、機関の性能や耐久性を損なわないように
しながら、トップランドクレビスに起因した未燃ガスの
発生を抑制して、排出ガスの浄化を促進することや、機
関の燃費を向上させることができるようになる。
ン構造は、請求項１又は２記載の構成において、該外周
面に、ピストンリング装着用溝部が周方向に沿って形成
され、該凹み部が該ピストンの軸心線方向には該頂面か
ら該溝部にわたって形成されるという構成により、熱膨
張によるピストン外周面とシリンダ内周面との干渉を確
実に回避しながらトップランドクレビスの容積を削減す
ることができ、機関の性能や耐久性を損なわないように
しながら、トップランドクレビスに起因した未燃ガスの
発生を抑制して、排出ガスの浄化を促進することや、機
関の燃費を向上させることができるようになる。
【００２８】請求項４記載の本発明の内燃機関用ピスト
ン構造は、請求項１〜３のいずれかに記載の構成におい
て、該ピストンの外周プロフィルが、該ピストンの熱膨
張の大きい方向に対して熱膨張の小さい方向の方が長く
なるように設定された楕円形状に形成されるという構成
により、熱膨張によるピストン外周面とシリンダ内周面
との干渉を確実に回避しながらトップランドクレビスの
容積を削減することができて、トップランドクレビスに
起因した未燃ガスの発生を抑制して、排出ガスの浄化を
促進することや、機関の燃費を向上させることができる
ようになる。
ン構造は、請求項１〜３のいずれかに記載の構成におい
て、該ピストンの外周プロフィルが、該ピストンの熱膨
張の大きい方向に対して熱膨張の小さい方向の方が長く
なるように設定された楕円形状に形成されるという構成
により、熱膨張によるピストン外周面とシリンダ内周面
との干渉を確実に回避しながらトップランドクレビスの
容積を削減することができて、トップランドクレビスに
起因した未燃ガスの発生を抑制して、排出ガスの浄化を
促進することや、機関の燃費を向上させることができる
ようになる。
【図１】本発明の一実施例としての内燃機関用ピストン
構造を示すピストンの頂面図である。
構造を示すピストンの頂面図である。
【図２】本発明の一実施例としての内燃機関用ピストン
構造を示すピストンの要部断面図（図１のＥ−Ｅ矢視断
面図）であり、図６，図８，図１０と対応する。
構造を示すピストンの要部断面図（図１のＥ−Ｅ矢視断
面図）であり、図６，図８，図１０と対応する。
【図３】本発明の一実施例としての内燃機関用ピストン
構造の第１変形例を示すピストンの要部断面図である。
構造の第１変形例を示すピストンの要部断面図である。
【図４】本発明の一実施例としての内燃機関用ピストン
構造の第２変形例を示すピストンの要部断面図である。
構造の第２変形例を示すピストンの要部断面図である。
【図５】従来の内燃機関用ピストン構造を示す断面図で
ある。
ある。
【図６】従来の内燃機関用ピストン構造を示す要部断面
図（図５のＦ部拡大図）である。
図（図５のＦ部拡大図）である。
【図７】従来の内燃機関用ピストン構造を示すピストン
の頂面図である。
の頂面図である。
【図８】従来の内燃機関用ピストン構造を示すピストン
の要部断面図（図７のＧ−Ｇ矢視断面図）である。
の要部断面図（図７のＧ−Ｇ矢視断面図）である。
【図９】従来の内燃機関用ピストン構造を示すピストン
の頂面図である。
の頂面図である。
【図１０】本発明の課題を示すためのピストンの要部断
面図（図８に対応する図）である。
面図（図８に対応する図）である。
【符号の説明】 １ ピストン １Ａ ピストン外周面 １Ｂ ピストン頂面 ２ ピストンリング ３ シリンダ ３Ａ シリンダ内周面 ４ トップランドクレビス ５ 燃焼室 ６ バルブリセス ７ バルブリセス ８ ピストンリング用環状溝８ １０，１０Ａ，１０Ｂ 凹み部 ＨＦ１ 熱流れ
Claims (4)
- 【請求項１】 シリンダ内を往復動するとともに吸排バ
ルブとの干渉を避けるべく燃焼室を区画する頂面にバル
ブリセスを形成された内燃機関用ピストンにおいて、 該ピストンの外周面のうち該頂面近傍で且つ該バルブリ
セスに近接する位置に該シリンダ内面との間隔を確保す
べく凹み部が形成されていることを特徴とする、内燃機
関用ピストン構造。 - 【請求項２】 該バルブリセスが、該頂面の複数箇所に
形成され、該凹み部が各バルブリセスに対応するように
して該外周面上に複数形成されていることを特徴とす
る、請求項１記載の内燃機関用ピストン構造。 - 【請求項３】 該外周面に、ピストンリング装着用溝部
が周方向に沿って形成され、該凹み部が該ピストンの軸
心線方向には該頂面から該溝部にわたって形成されてい
ることを特徴とする、請求項１又は２記載の内燃機関用
ピストン構造。 - 【請求項４】 該ピストンの外周プロフィルが、該ピス
トンの熱膨張の大きい方向に対して熱膨張の小さい方向
の方が長くなるように設定された楕円形状に形成されて
いることを特徴とする、請求項１〜３のいずれかに記載
の内燃機関用ピストン構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13956295A JPH08334055A (ja) | 1995-06-06 | 1995-06-06 | 内燃機関用ピストン構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13956295A JPH08334055A (ja) | 1995-06-06 | 1995-06-06 | 内燃機関用ピストン構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08334055A true JPH08334055A (ja) | 1996-12-17 |
Family
ID=15248162
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13956295A Withdrawn JPH08334055A (ja) | 1995-06-06 | 1995-06-06 | 内燃機関用ピストン構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08334055A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006094532A1 (en) * | 2005-03-11 | 2006-09-14 | Honeywell International, Inc. | Shape detail of a piston to avoid jamming within a distorted bore |
| EP1739294A1 (en) * | 1997-05-20 | 2007-01-03 | Nissan Motor Co., Ltd. | Piston for a direct injection gasoline engine |
| JP2010530051A (ja) * | 2007-06-15 | 2010-09-02 | フェデラル−モーグル コーポレイション | ピストンおよびピストンを用いた内燃エンジン、および当該ピストンの製造方法 |
-
1995
- 1995-06-06 JP JP13956295A patent/JPH08334055A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1739294A1 (en) * | 1997-05-20 | 2007-01-03 | Nissan Motor Co., Ltd. | Piston for a direct injection gasoline engine |
| WO2006094532A1 (en) * | 2005-03-11 | 2006-09-14 | Honeywell International, Inc. | Shape detail of a piston to avoid jamming within a distorted bore |
| US8029235B2 (en) | 2005-03-11 | 2011-10-04 | Honeywell International Inc. | Shape detail of a piston to avoid jamming within a distorted bore |
| JP2010530051A (ja) * | 2007-06-15 | 2010-09-02 | フェデラル−モーグル コーポレイション | ピストンおよびピストンを用いた内燃エンジン、および当該ピストンの製造方法 |
| KR101468257B1 (ko) * | 2007-06-15 | 2014-12-03 | 페더럴-모걸 코오포레이숀 | 피스톤 및 그 피스톤이 있는 내연 기관 그리고 그 피스톤을 제조하는 방법 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020806 |