JPH08333509A - ポリ(フェニレンエーテル)、ポリ(アリーレンスルフィド)およびマレイミド化合物を含む組成物 - Google Patents

ポリ(フェニレンエーテル)、ポリ(アリーレンスルフィド)およびマレイミド化合物を含む組成物

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JPH08333509A
JPH08333509A JP5562196A JP5562196A JPH08333509A JP H08333509 A JPH08333509 A JP H08333509A JP 5562196 A JP5562196 A JP 5562196A JP 5562196 A JP5562196 A JP 5562196A JP H08333509 A JPH08333509 A JP H08333509A
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Sterling Bruce Brown
スターリング・ブルース・ブラウン
Chorng-Fure R Hwang
チョン−ファー・ロビン・ワン
Steven Thomas Rice
スティーブン・トーマス・ライス
Jr James J Scobbo
ジェームス・ジョゼフ・スコッボ,ジュニア
John B Yates
ジョン・ベニー・イエイツ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の程度の引張り強さと引張り伸びを示す
ポリ(アリーレンスルフィド)樹脂/ポリ(フェニレン
エーテル)樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ポリ(フェニレンエーテル)樹脂、ポリ
(アリーレンスルフィド)樹脂およびマレイミド化合物
を含む組成物が提供される。この組成物は改良された耐
薬品性とばり発生の少ない成形特性とを示し、さらに耐
衝撃性改良剤、難燃剤および強化用充填材を含んでいる
ことができる。この組成物を成形した物品は電気コネク
タ産業で有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、延性などの性質が高ま
ったポリ(フェニレンエーテル)樹脂とポリ(アリーレ
ンスルフィド)樹脂のブレンドに係る。
【0002】
【従来の技術】ポリ(フェニレンエーテル)樹脂は、優
れた加水分解安定性、寸法安定性、靱性、耐熱性および
誘電特性を特徴とする、広く使用されている一群の熱可
塑性エンジニアリング樹脂である。しかし、この樹脂は
他のある種の特性、たとえば耐溶剤性に欠けている。
【0003】一方、ポリ(アリーレンスルフィド)は、
結晶融解温度が高く、通常は285℃程度である結晶性
のエンジニアリング熱可塑性樹脂であり、低い可燃性、
高いモジュラス、および攻撃性の薬品や溶剤に対する優
れた耐性を特徴としている。しかし、そのガラス転移温
度は極めて低く、通常は85℃程度であり、その結果ガ
ラス繊維のような充填材で強化されていないと加熱歪み
温度が低い。加えて、ポリ(アリーレンスルフィド)樹
脂は、ポリ(フェニレンスルフィド)の場合破断するま
での引張り伸びが通常約2.5%以下、しばしば1%以
下であることから分かるように、極めて脆性である。
【0004】高い耐溶剤性、高い加熱歪み温度、良好な
延性および燃焼に対する抵抗性といった特性を有するポ
リ(アリーレンスルフィド)‐ポリ(フェニレンエーテ
ル)樹脂を含有するブレンドが製造できると期待される
かもしれない。しかし、この種のブレンドは相溶性がな
く、2種の樹脂相の相間相互作用がほとんどまたはまっ
たくないために相分離や剥離が起こる。このようなブレ
ンドから製造された成形品は一般に引張り強さと衝撃強
さが低い。そのため、これらのブレンドの特性を改良す
るために数多くの方法が考案されている。たとえば、特
開昭63−205358号では各種マレイミド化合物を
利用している。ポリ(アリーレンスルフィド)‐ポリ
(フェニレンエーテル)樹脂を含有するブレンドの特性
を改良するための他の方法では、通常、おそらくは2種
の樹脂間のコポリマーを作るために、ポリ(フェニレン
エーテル)樹脂、ポリ(アリーレンスルフィド)樹脂ま
たは両者を官能化する。得られたコポリマーは、残りの
ポリ(フェニレンエーテル)樹脂およびポリ(アリーレ
ンスルフィド)樹脂に対する相溶化剤として機能すると
考えられている。ポリ(フェニレンエーテル)樹脂とポ
リ(アリーレンスルフィド)樹脂からなる各種の相溶化
されたブレンドの例は米国特許第5,290,881
号、同第5,122,578号、同第5,292,78
9号および同第4,528,346号、欧州特許出願公
開第341422号、同第368413号および同第4
91884号、ならびに特開平3−121159号およ
び同4−213357号(すべて引用により本明細書に
含まれているものとする)に見ることができる。
【0005】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、所望の程度の
引張り強さと引張り伸びを示すポリ(アリーレンスルフ
ィド)樹脂/ポリ(フェニレンエーテル)樹脂組成物を
提供することである。
【0006】
【発明の概要】上記の必要性は、(a)ポリ(フェニレ
ンエーテル)樹脂、(b)ポリ(アリーレンスルフィ
ド)樹脂、および(c)マレイミド化合物を含み、ポリ
(フェニレンエーテル)樹脂が約600ppmより大き
い窒素含量を有するポリ(フェニレンエーテル)樹脂お
よび官能化されたポリ(フェニレンエーテル)樹脂より
成るポリ(フェニレンエーテル)樹脂群の中から選択さ
れたものである、改良された熱可塑性組成物の驚くべき
発見によって概ね満たされる。
【0007】好ましい態様の場合、本組成物はさらに、
最終組成物の全体特性をさらに高めるために官能化剤、
耐衝撃性改良剤、難燃剤および充填材を含んでいてもよ
い。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の詳細な開示】本発明で使用するポリ(フェニレ
ンエーテル)樹脂(以後「PPE」という)は、次式
(I)の構造単位を複数個含む公知のポリマーである。
【0009】
【化1】
【0010】ここで、Q1 は各々が独立してハロゲン、
第一級か第二級の低級アルキル(すなわち、約7個まで
の炭素原子を含有するアルキル)、フェニル、ハロアル
キル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、またはハロ炭
化水素オキシ(ただし、少なくとも2個の炭素原子がハ
ロゲン原子と酸素原子とを隔てている)であり、Q2
各々が独立して水素、ハロゲン、第一級か第二級の低級
アルキル、フェニル、ハロアルキル、炭化水素オキシま
たはQ1 に対して定義したようなハロ炭化水素オキシで
ある。ほとんどの場合Q1 は各々がアルキルかフェニ
ル、特にC1-4 のアルキルであり、Q2 は各々が水素で
ある。
【0011】ホモポリマーとコポリマーのPPEが両方
とも包含される。好ましいホモポリマーは2,6‐ジメ
チル‐1,4‐フェニレンエーテル単位を含有するもの
である。適切なコポリマーとしては、たとえば上記単位
と組み合わせて2,3,6‐トリメチル‐1,4‐フェ
ニレンエーテル単位を含有するランダムコポリマーがあ
る。また、ビニルモノマーまたはポリスチレンやエラス
トマーのようなポリマーをグラフトさせることによって
調製された部分構造を含有するPPE、ならびに、低分
子量ポリカーボネート、キノン類、複素環式化合物およ
びホルマールのようなカップリング剤を2つのPPE鎖
のヒドロキシ基と公知の方法で反応させて高分子量のポ
リマーとしたカップル化PPEも包含される。
【0012】PPEは通常数平均分子量が約3,000
〜40,000の範囲内であり、重量平均分子量が約2
0,000〜80,000の範囲内である。この分子量
はゲル透過クロマトグラフィーで測定される。その固有
粘度は25℃のクロロホルム中で測定して約0.15〜
0.6dl/gの範囲であるのが最も普通である。PP
Eは一般に、2,6‐キシレノールや2,3,6‐トリ
メチルフェノールのようなモノヒドロキシ芳香族化合物
の少なくとも1種を酸化カップリングさせて製造する。
このようなカップリングには一般に触媒系が使われてい
るが、このような触媒系は銅化合物、マンガン化合物ま
たはコバルト化合物のような重金属化合物の少なくとも
1種を通常は他の各種物質と組み合わせて含有している
のが典型的である。
【0013】多くの目的に対して特に有用なPPEはア
ミノアルキルを含有する末端基を少なくとも1個有する
分子からなるものである。このアミノアルキル基は通常
ヒドロキシ基に対してオルト位にある。このような末端
基を含有する生成物は、ジ‐n‐ブチルアミンやジメチ
ルアミンのような第一級か第二級の適当なモノアミンを
酸化カップリング反応混合物の成分のひとつとして配合
することによって得ることができる。また、特に銅‐ハ
ロゲン化物‐第二級または第三級アミン系の場合、典型
的には副生物のジフェノキノンが存在する反応混合物か
ら得られる4‐ヒドロキシビフェニル末端基が存在する
ことも多い。ポリマー分子のかなりの部分、典型的には
ポリマーの約90重量%を構成する部分までが、アミノ
アルキル含有末端基および4‐ヒドロキシビフェニル末
端基の少なくとも1個を含有し得る。PPEは窒素含量
が約600ppmより大きいのが好ましい。
【0014】以上のことから当業者には明らかなよう
に、本発明で使用が考えられるPPEは、構造単位また
はそれに付随する化学的特徴の変異にかかわらず、現在
知られているものすべてが包含される。本発明のひとつ
の態様の場合、PPEの少なくとも幾分かが官能化され
ているのが好ましい。官能化されたPPEは反応性の官
能基を少なくとも1個含有するPPEである。この官能
基はポリマーの末端基上に存在するかまたはポリマー鎖
の骨格に沿って存在し得る。
【0015】官能化されたPPEを製造するひとつの方
法は、(i)炭素‐炭素二重結合または炭素‐炭素三重
結合と、(ii)カルボン酸、酸無水物、酸アミド、イミ
ド、カルボン酸エステル、エポキシ、アミノ、ヒドロキ
シルまたはカルボン酸アンモニウム塩とを両方とも有す
る少なくとも1種の化合物とPPEを反応させることに
よってPPEを官能化することである。これらの化合物
は相溶化剤または官能化剤といわれることがあり、得ら
れたPPEは一般に相溶化性PPEまたは官能化された
PPEといわれる。この官能化を達成するのに使用する
典型的な化合物としては、無水マレイン酸、フマル酸、
マレイン酸ヒドラジド、メチルナド酸無水物、脂肪油
(たとえば、大豆油、キリ油、アマニ油、ごま油)、不
飽和カルボン酸(たとえば、アクリル酸、クロトン酸、
メタクリル酸、オレイン酸)、不飽和アルコール(たと
えば、アリルアルコール、クロチルアルコール)、なら
びに不飽和アミンたとえばアリルアミン、不飽和酸のト
リアルキルアミン塩(たとえばフマル酸トリエチルアン
モニウムおよびフマル酸トリ‐n‐ブチルアンモニウ
ム)がある。官能化された有用なポリフェニレンエーテ
ルを製造するための典型的な試薬は、米国特許第4,3
15,086号、同第4,755,566号および同第
4,888,397号(引用により本明細書に含まれて
いるものとする)に記載されている。
【0016】このPPEとオレフィン性化合物の反応に
開始剤を使用すると有利であることがある。本発明で使
用するのに適した開始剤としては業界で広く知られてい
る遊離基開始剤がある。特定の開始剤として各種ペルオ
キシドとヒドロペルオキシドがある。特定の例を挙げる
と、ベンゾイルペルオキシド、2,5‐ジ(t‐ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、ジクミルペルオキシド、2,5
‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルペルオキシ)ヘキ
シン‐3およびクメンペルオキシドがあり、中でも2,
5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルペルオキシ)ヘ
キシン‐3が好ましい。開始剤を使用する場合その使用
量はPPEの重量に対して約0.05重量%から約0.
5重量%まで変えることができる。
【0017】非ポリマー性脂肪族ポリカルボン酸も官能
化された適当なPPEを製造するのに有用である。相溶
化剤または官能化剤ともいわれるこのグループの化合物
には、次式(II)で表わされる脂肪族ポリカルボン酸、
酸エステルおよび酸アミドが包含される。 (II) (RI O)m R(COORIIn (CONRIII IVs ここで、Rは炭素原子2〜20個、好ましくは2〜10
個の直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素であり、R
I は水素または炭素原子1〜10個、好ましくは1〜6
個、最も好ましくは1〜4個のアルキル基、アリール
基、アシル基もしくはカルボニルジオキシ基より成る群
の中から選択され、特に好ましくは水素であり、RII
各々が独立して水素または炭素原子1〜20個、好まし
くは炭素原子1〜10個のアルキル基もしくはアリール
基より成る群の中から選択され、RII I とRIVは各々が
独立して、本質的に水素または炭素原子1〜10個、好
ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個のアルキル
基もしくはアリール基より成る群の中から選択され、m
は1に等しく、(n+s)は2以上、好ましくは2か3
に等しく、nとsは各々が0以上である。また、(OR
I )はカルボニル基に対してαかβであり、少なくとも
2つのカルボニル基は2〜6個の炭素原子によって隔て
られている。明らかなことであるが、RI 、RII、R
III 、RIVはこれらの置換基の炭素原子が6個未満であ
るときはアリールとなることができない。
【0018】適切なポリカルボン酸の代表例はクエン
酸、リンゴ酸およびアガリシン酸であり、たとえば無水
酸や水和酸のような各種市販形態を含む。本発明で有用
な酸エステルの代表例としては、たとえばクエン酸アセ
チル、クエン酸モノステアリルおよび/またはクエン酸
ジステアリルなどがある。本発明で有用な適した酸アミ
ドとしては、たとえばN,N′‐ジエチルクエン酸アミ
ド、N,N′‐ジプロピルクエン酸アミド、N‐フェニ
ルクエン酸アミド、N‐ドデシルクエン酸アミド、N,
N′‐ジドデシルクエン酸アミドおよびN‐ドデシルリ
ンゴ酸アミドがある。上記ポリカルボン酸の誘導体もま
た本発明の実施の際に使用するのに適している。適した
官能化用化合物は米国特許第4,315,086号、同
第4,755,566号および同第5,000,897
号(引用により本明細書に含まれているものとする)に
見ることができる。
【0019】PPEを適当に官能化するのに必要とされ
る上述の相溶化剤の量は、組成物中のさまざまな成分間
の相溶性を改良するのに充分な量である。PPEの量を
基準にした上述の相溶化剤の有効量は通常約8重量%ま
でであり、約0.05〜約4重量%が好ましい。最も好
ましい態様の場合、相溶化剤の量はPPEの量を基準に
して約0.1〜約3重量%の範囲である。
【0020】官能化された適当なPPE樹脂を製造する
のに有用な別の方法では、アシル官能基を含有する化合
物をPPE樹脂と反応させる。非限定例を挙げると、ク
ロロホルミルコハク酸無水物、クロロエタノイルコハク
酸無水物、トリメリト酸無水物酸塩化物、1‐アセトキ
シアセチル‐3,4‐ジ安息香酸無水物、およびテレフ
タル酸酸塩化物がある。このように官能化されたPPE
を調製するための他の例と方法は米国特許第4,60
0,741号および同第4,642,358号(いずれ
も引用により本明細書に含まれているものとする)に見
ることができる。
【0021】また、各種クロロエポキシトリアジン化合
物も官能化された適当なPPE樹脂を製造するのに有用
である。このタイプの代表的な化合物としては、2‐ク
ロロ‐4,6‐ジグリシドキシ‐1,3,5‐トリアジ
ン、2‐クロロ‐4‐(n‐ブトキシ)‐6‐グリシド
キシ‐1,3,5‐トリアジン、およびメシチルグリシ
ジルクロロシアヌレート(MGCC)ともいわれる2‐
クロロ‐4‐(2,4,6‐トリメチルフェノキシ)‐
6‐グリシドキシ‐1,3,5‐トリアジンがある。こ
れらの化合物および官能化されたPPE樹脂を製造する
方法は米国特許第4,895,945号、同第5,04
1,504号、同第5,089,566号および同第
5,096,979号(すべて引用により本明細書に含
まれているものとする)に見ることができる。
【0022】エポキシ基に関してすでに述べたようなク
ロロトリアジン化合物のオルトエステル誘導体も官能化
された適当なPPE樹脂を製造するのに有用である。こ
のオルトエステル化合物としては、たとえば2‐クロロ
‐4‐(2‐メトキシ‐2‐メチル‐1,3‐ジオキソ
ラニル)メトキシ‐6‐フェノキシ‐1,3,5‐トリ
アジンがある。適当なトリアジン化合物の製造に関して
は米国特許第5,132,373号(引用により本明細
書に含まれているものとする)を参照することができ
る。
【0023】本発明で使用できるオルトエステルモノマ
ーのその他の代表例としては、4‐アクリロイルオキシ
メチル‐2‐メトキシ‐2‐メチル‐1,3‐ジオキソ
ラン、4‐メタクリロイルオキシメチル‐2‐メトキシ
‐2‐メチル‐1,3‐ジオキソラン、4‐アクリロイ
ルオキシメチル‐2‐メトキシ‐2‐フェニル‐1,3
‐ジオキソラン、および4‐(2‐メトキシ‐2‐メチ
ル‐1,3‐ジオキソラニル)メチルビニルベンジルエ
ーテルの異性体混合物がある。各種の有用なオルトエス
テル材料の製造法およびこれらとPPEの反応は米国特
許第5,132,373号、同第5,142,049
号、同第5,171,866号、同第5,153,29
0号および同第5,212,255号(いずれも引用に
より本明細書に含まれているものとする)に見ることが
できる。
【0024】本発明で使用するポリ(アリーレンスルフ
ィド)樹脂(以後「PPS」とする)は、イオウ原子に
よって隔てられたアリーレン基を含有する公知のポリマ
ーから誘導される。好ましいポリ(アリーレンスルフィ
ド)樹脂としては、各種ポリ(フェニレンスルフィ
ド)、たとえばポリ(p‐フェニレンスルフィド)、お
よび置換ポリ(フェニレンスルフィド)がある。典型的
なPPSポリマーは、少なくとも70モル%、好ましく
は少なくとも90モル%が次の構造式(III )の繰返し
単位からなるものである。
【0025】
【化2】
【0026】この繰返し単位の量が70モル%未満であ
ると耐熱性が不十分になることがある。PPSの繰返し
単位の他の30モル%以下、好ましくは10モル%以下
は次の構造式(IV)のものであることができる。
【0027】
【化3】
【0028】ここで、R21、R22、R23、R24はそれぞ
れ独立して水素、ハロゲン、アルキル基、フェニル基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、アミノ基
およびカルボキシ基より成る群の中から選択される。本
発明のPPSは線状でも分枝でも硬化型でも、あるいは
またこれらの混合型でもよい。比較的低分子量の線状P
PSは、たとえば米国特許第3,354,129号明細
書(引用により本明細書に含まれているものとする)に
開示されている方法で製造できる。比較的高い分子量を
有する線状PPSは、たとえば米国特許第3,919,
177号明細書(引用により本明細書に含まれているも
のとする)に開示されている方法で製造できる。分枝型
PPSは、米国特許第4,749,163号(引用によ
り本明細書に含まれているものとする)に開示されてい
る分枝化剤、たとえば1,3,5‐トリクロロベンゼン
を用いて製造できる。米国特許第3,354,129
号、同第3,919,177号および同第4,749,
163号の方法で製造したポリマーの重合度は、重合
後、酸素雰囲気中またはたとえば過酸化物のような架橋
剤の存在下で加熱硬化させることによってさらに高める
ことができる。
【0029】このPPSは官能化されていてもよいし官
能化されてなくてもよい。PPSが官能化されている場
合官能基としては、アミノ基、カルボン酸基、金属カル
ボン酸塩基、ジスルフィド基、チオ基、および金属チオ
レート基があるがこれらに限定されることはない。PP
S中に官能基を導入するひとつの方法は、ハロゲンで置
換されたPPS中に置換チオフェノールを組み込むこと
を開示している米国特許第4,769,424号(引用
により本明細書に含まれているものとする)に見ること
ができる。別の方法では、所望の官能性を含有するクロ
ロ置換芳香族化合物をアルカリ金属硫化物およびクロロ
芳香族化合物と反応させる。第三の方法では、所望の官
能基を含有する二硫化物とPPSを、通常は溶融状態
で、またはクロロナフタレンのような適した高沸点溶媒
中で反応させる。
【0030】本発明で使用するPPSの溶融粘度はブレ
ンドを得ることができる限り特に限定されないが、PP
S自身の靱性の観点から少なくとも約100ポイズの溶
融粘度が好ましく、また射出成形性の観点からは約1
0,000ポイズ以下の溶融粘度が好ましい。また本発
明におけるPPSは望ましくない夾雑イオンが除かれる
ように処理してもよく、たとえば、脱イオン水に樹脂を
浸漬したり、酸、典型的には塩酸、硫酸、リン酸または
酢酸で処理したりすることができる。特開平3−23
6,930号、同1−774,562号、同1−29
9,872号および同3−236,931号(これらは
いずれも引用したことにより本明細書に含まれているも
のとする)を参照されたい。PPSの製品の用途によっ
ては非常に低い不純物レベルが好ましいことがある。通
常、この不純物レベルは、PPSの試料を燃焼させた後
に残る灰分の重量%として表わされる。一般に、PPS
の灰分含量は約1重量%未満が望ましく、約0.5重量
%未満の灰分価であるとさらに好ましく、約0.1重量
%未満の灰分価が最も好ましい。
【0031】PPE/PPS組成物に対して、少なくと
も2個のマレイミド基を有する少なくとも1種のマレイ
ミド化合物を有効量で、場合により強化用充填材と組み
合わせて添加すると、驚くべきことに、たとえば増大し
た延性や引張り特性のような有益な性質を独特の組み合
わせで有する組成物が得られることが発見された。最も
驚くべき発見のひとつは、上述の成分を有効量で組み合
わせることによって、樹脂を射出成形したときにばりの
発生がない樹脂組成物を形成することが可能であるとい
うことであった。「ばりの発生がない」樹脂組成物とい
う用語は、ばりの発生がまったくない組成物ばかりでな
くばりの発生がほとんどない組成物も含めて意味するも
のとする。
【0032】すなわち、本発明のひとつの態様において
マレイミド化合物は、このマレイミド化合物を含まない
だけで他の点は同じ組成物と比べて改良された引張り特
性のような改良された物理的特性やばりの発生がないと
いう特性を示す熱可塑性樹脂組成物を提供するのに有効
な量で添加する。「マレイミド」という用語は次式
(V)で表わされる構造を含有する化合物を意味してい
る。
【0033】
【化4】
【0034】このマレイミド化合物は液体か固体のマレ
イミド化合物であるのが典型的である。好ましいマレイ
ミド化合物は1分子当たり少なくとも2個のマレイミド
基を有するものであるが、1分子当たりで平均したマレ
イミド基の数は2より小さくてもよい(たとえば、マレ
イミド化合物は、1分子当たりのマレイミド基の数がい
ろいろである各種マレイミド化合物の混合物であっても
よい)。分子量が約200〜約10,000の範囲であ
るマレイミド化合物が好ましい。これらマレイミド化合
物はそれぞれ単独で、または2種以上の混合物として用
いられる。
【0035】適切なマレイミド化合物には各種ジアミン
化合物またはトリアミン化合物から誘導されたものが包
含される。代表的なアミン化合物を以下に挙げる。m‐
フェニレンジアミン、p‐フェニレンジアミン、4,
4′‐ジアミノジフェニルプロパン、4,4′‐ジアミ
ノジフェニルメタン(通常4,4′‐メチレンジアニリ
ンといわれている)、4,4′‐ジアミノジフェニルス
ルフィド、4,4′‐ジアミノジフェニルスルホン、
4,4′‐ジアミノジフェニルエーテル(通常4,4′
‐オキシジアニリンといわれている)、1,5‐ジアミ
ノナフタレン、3,3‐ジメチルベンジジン、3,3‐
ジメトキシベンジジン、1,3‐ジアミノ‐4‐イソプ
ロピルベンゼン、1,2‐ビス(3‐アミノプロポキ
シ)エタン、ベンジジン、m‐キシリレンジアミン、
2,4‐ジアミノトルエン、2,6‐ジアミノトルエ
ン、ビス(4‐アミノシクロヘキシル)メタン、3‐メ
チルヘプタメチレンジアミン、4,4‐ジメチルヘプタ
メチレンジアミン、2,11‐ドデカンジアミン、オク
タメチレンジアミン、3‐メトキシヘキサメチレンジア
ミン、2,5‐ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,
5‐ジメチルヘプタメチレンジアミン、3‐メチルヘプ
タメチレンジアミン、5‐メチルノナメチレンジアミ
ン、1,4‐シクロヘキサンジアミン、1,12‐オク
タデカンジアミン、ビス(3‐アミノプロピル)スルフ
ィド、N‐メチル‐ビス(3‐アミノプロピル)アミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
1,3‐ビス(4‐アミノブチル)テトラメチルジシロ
キサン、1,3‐ビス(4‐アミノプロピル)‐1,
1,3,3‐テトラメチルジシロキサン、トリス(2‐
アミノエチル)アミン、トリス(2‐アミノプロピル)
アミン、トリス(p‐アミノフェノキシ)ジメチルシラ
ン、トリアミノピリミジン、およびこのようなアミンの
混合物。
【0036】また、マレイミド化合物にはマレイミド官
能性ポリマーも包含され得る。このようなポリマーの例
としては、マレイミド官能性のポリスチレンやポリオレ
フィン(すなわち、ポリエチレンやポリプロピレン)、
マレイミド官能性のエラストマー(たとえば、EPRや
スチレンベースのブロックコポリマー)、マレイミド官
能性のポリシロキサン、マレイミド官能性のポリカーボ
ネート、ポリイミドおよびポリエーテルイミド、マレイ
ミド官能性のポリアルキレングリコールならびに類似の
官能化されたポリマーがある。
【0037】もうひとつの驚くべき発見は、官能化され
たPPEおよび少なくとも1種のマレイミド化合物をP
PSと組み合わせることによって、官能化されてないP
PEを含む比較組成物と比べて通常の自動車用溶剤に対
する耐薬品性が顕著に改良されている組成物を得ること
が可能であるということであった。すなわち、本発明の
別の態様においては、官能化されたPPEを少なくとも
1種のマレイミド化合物およびPPSと共に用いて優れ
た耐薬品性を得る。このマレイミド化合物は通常PPE
とPPSとの間の相溶性を改良するのに充分な量で添加
する。相溶性とは、ブレンドの成分(すなわちPPEと
PPS)間の全体的な相分離を最小にすることを含めて
意味する。改良された相溶性を示す指標としては、たと
えば、増大した引張り伸び、低減した剥離傾向、増大し
た延性および改良された相形態安定化がある。ブレンド
の望ましい物理的性質を部分的に決定するのはブレンド
成分間の相溶性の改良効果である。マレイミド化合物の
使用量は、マレイミド化合物の分子量およびそのマレイ
ミド化合物中で利用できる活性なマレイミド種の数にあ
る程度依存する。比較的低分子量のマレイミド化合物を
使用する場合は、比較的少ない量で組成物の成分間の相
溶性をかなり改良することができる。マレイミドが比較
的少ない数のマレイミド基をもつだけでポリマーに結合
されている場合は、組成物の成分間の相溶性を同じ程度
にするのにより大量の化合物が必要となるであろう。こ
のマレイミド化合物の量は通常組成物全体の重量を基準
にして約0.1〜約20重量%の範囲である。
【0038】本発明はさらに、PPEとPPSのいずれ
か一方または両方と相溶性のあるエラストマー性の耐衝
撃性改良剤を含有する組成物も包含する。PPEおよび
PPSに対する耐衝撃性改良剤は、通常、オレフィン、
ビニル芳香族モノマー、アクリル酸、アルキルアクリル
酸およびこれらのエステル誘導体、ならびに共役ジエン
より成る群の中から選択される1種以上のモノマーから
誘導される。特に好ましい耐衝撃性改良剤は、室温で弾
性を示す天然または合成のポリマー性材料を始めとする
ゴム質の高分子量材料である。これらには、ホモポリマ
ーとコポリマー、たとえばランダムコポリマー、ブロッ
クコポリマー、ラジアルブロックコポリマー、グラフト
コポリマーおよびコア‐シェルコポリマーならびにこれ
らの組み合わせが包含される。またこの耐衝撃性改良剤
は官能化されていてもよい。
【0039】本発明で使用可能なオレフィンポリマーお
よびオレフィンコポリマーとしては、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線
状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アイソタクチッ
クポリプロピレン、ポリ(1‐ブテン)、ポリ(4‐メ
チル‐1‐ペンテン)、などがある。別のオレフィンコ
ポリマーとしては、1種以上のα‐オレフィン、特にエ
チレンと、これと共重合可能なモノマー、たとえば酢酸
ビニル、アクリル酸、アルキルアクリル酸およびこれら
のエステル誘導体(たとえば、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチルなど)とのコポリマーが
ある。また、全体または一部が金属イオンで中和されて
いるイオノマー樹脂も適している。
【0040】特に有用な一群の耐衝撃性改良剤はビニル
芳香族モノマーから誘導されるものである。これらに
は、ABタイプまたはABAタイプのブロックコポリマ
ー、テーパー型コポリマーおよびラジアルブロックコポ
リマー、ならびにビニル芳香族‐共役ジエンコア‐シェ
ルグラフトコポリマーが包含される。ビニル芳香族モノ
マーから誘導された特に好ましい一群の樹脂は、モノア
ルケニルアレーン(通常はスチレン)ブロックと共役ジ
エン(たとえばブタジエンまたはイソプレン)ブロック
またはオレフィン(たとえばエチレン‐プロピレン、エ
チレン‐ブチレン)ブロックとを含みABブロックコポ
リマーまたはABAブロックコポリマーといわれるよう
なブロックコポリマーである。この共役ジエンブロック
は部分的に、または全体的に水素化されていてもよく、
その場合その特性はオレフィンブロックコポリマーに似
ている。
【0041】適切なABタイプのブロックコポリマー
は、たとえば米国特許第3,078,254号、同第
3,402,159号、同第3,297,793号、同
第3,265,765号および同第3,594,452
号ならびに英国特許第1,264,741号(すべて引
用により本明細書に含まれているものとする)に開示さ
れている。典型的なABブロックコポリマーの例として
は、ポリスチレン‐ポリブタジエン(SBR)、ポリス
チレン‐ポリ(エチレンプロピレン)、ポリスチレン‐
ポリイソプレンおよびポリ(α‐メチルスチレン)‐ポ
リブタジエンがある。このようなABブロックコポリマ
ーは、いくつかの販売元から市販されており、たとえば
フィリップス・ペトロリウム(Phillips Petroleum)から
ソルプレン(SOLPRENE)という商標で、シェル・ケミカル
社(Shell Chemical Co.)からクレートン(KRATON)という
商標で、またクラレ(Kuraray) からセプトン(SEPTON)と
いう商標で市販されている。
【0042】また、ABAトリブロックコポリマーとそ
の製法および所望の場合の水素化は、米国特許第3,1
49,182号、同第3,231,635号、同第3,
462,162号、同第3,287,333号、同第
3,595,942号、同第3,694,523号およ
び同第3,842,029号(いずれも引用により本明
細書に含まれているものとする)に開示されている。
【0043】トリブロックコポリマーの例として、ポリ
スチレン‐ポリブタジエン‐ポリスチレン(SBS)、
ポリスチレン‐ポリイソプレン‐ポリスチレン(SI
S)、ポリ(α‐メチルスチレン)‐ポリブタジエン‐
ポリ(α‐メチルスチレン)およびポリ(α‐メチルス
チレン)‐ポリイソプレン‐ポリ(α‐メチルスチレ
ン)がある。特に好ましいトリブロックコポリマーはシ
ェル・ケミカル社(Shell Chemical Co.)からカリフレッ
クス(CARIFLEX)およびクレートン(KRATON)という商標
で、またクラレ(Kuraray) からセプトン(SEPTON)という
商標で市販されている。
【0044】有用な耐衝撃性改良剤の別の一群は共役ジ
エンから誘導されるものである。共役ジエンを含有する
コポリマーについてはすでに上記でいろいろ挙げてある
が、別の共役ジエン系改良剤樹脂としては、たとえば、
1種以上の共役ジエンのホモポリマーおよびコポリマー
(たとえば、ポリブタジエン、ブタジエン‐スチレンコ
ポリマー、イソプレン‐イソブチレンコポリマー、クロ
ロブタジエンポリマー、ブタジエン‐アクリロニトリル
コポリマー、ポリイソプレンなどがある。エチレン‐プ
ロピレン‐ジエンモノマーゴム(EPDM)も使用でき
る。典型的な場合これらは、主としてエチレン単位から
なり、適度な量のプロピレン単位と約20モル%までの
非共役ジエンモノマー単位を含む。また、酸、オキサゾ
リン、オルト‐エステル、エポキシ、アミンまたは無水
物のような反応性の基を含有していてもよい。多くのE
PDMとその製法が米国特許第2,933,480号、
同第3,000,866号、同第3,407,158
号、同第3,093,621号および同第3,379,
701号(すべて引用により本明細書に含まれているも
のとする)に開示されている。
【0045】その他の有用な耐衝撃性改良剤としては、
α‐オレフィンとα,β‐不飽和カルボン酸のグリシジ
ルエステルとのコポリマーがある。ここでα‐オレフィ
ンとはエチレン、プロピレン、ブテン‐1などを意味す
る。これらの中ではエチレンが好ましい。α,β‐不飽
和酸のグリシジルエステルは次の一般式(VI)の化合物
である。
【0046】
【化5】
【0047】ここで、R35は水素原子または低級アルキ
ル基を表わす。α,β‐不飽和酸のグリシジルエステル
の例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジルおよびエタクリル酸グリシジルがある。エポキ
シ官能性のオレフィン系エラストマーは、このエラスト
マー組成物の重量を基準にして、約60〜約99.5重
量%のα‐オレフィンと、約0.5〜約40重量%、好
ましくは約3〜約30重量%のα,β‐不飽和カルボン
酸のグリシジルエステルとを含有するオレフィン性コポ
リマーが好ましい。この量が約0.5重量%未満である
と意図した効果を得ることができない。また、約40重
量%を越えると溶融混和中にゲル化が起こる結果生成物
の押出し安定性、成形性および機械的特性が損なわれ
る。適切なエポキシ官能性のα‐オレフィンエラストマ
ーとしては、エチレン‐アクリル酸グリシジルコポリマ
ー、エチレン‐メタクリル酸グリシジルコポリマー、エ
チレン‐メタクリル酸グリシジル‐酢酸ビニルターポリ
マー、エチレン‐メタクリル酸グリシジル‐アクリル酸
メチルターポリマー、エチレン‐アクリル酸エチル‐メ
タクリル酸グリシジルターポリマーがある。好ましいエ
ポキシ官能性のエラストマーは、住友(Sumitomo)からイ
ゲタボンド(IGETABOND) およびボンドファスト(BONDFAS
T)という商品名で、またエルフ・アトケム(Elf Atoche
m) からロタダー(LOTADER) という商品名で入手でき
る。他の適切な耐衝撃性改良剤はコア‐シェルタイプの
グラフトコポリマーである。一般にこれらのコポリマー
は、主として共役ジエンからなるゴム質のコアまたは主
として架橋アクリレートからなるゴム質のコアと、その
上で重合されたモノアルケニルアレーンモノマーおよび
/またはアクリルモノマー単独かまたは好ましくは他の
ビニルモノマーとの組み合わせから誘導された1個以上
のシェルとをもっている。これら耐衝撃性改良剤のシェ
ルはまた、反応性の基、たとえば酸基、エポキシ基、オ
キサゾリン基、オルト‐エステル基、アミン基または無
水物基を含有していてもよい。コア‐シェルコポリマー
はペレットや粉末の形態で、たとえばローム・アンド・
ハース社(Rohm and Haas Company) からEXL−333
0、EXL−3691、EXL−2600、EXL−2
607、EXL−2647、EXL−3386およびE
XL−3607などといったグレードとして広く市販さ
れており、また米国特許第3,808,180号、同第
4,034,013号、同第4,096,202号、同
第4,180,494号および同第4,292,233
号に記載されている。
【0048】また、使用した樹脂の相互貫入網目構造に
よってコアとシェルの界面が形成されていることを特徴
とするコア‐シェルコポリマーも有用である。この型で
特に好ましいのは、ジー・イー・プラスチックス(GE Pl
astics) からジェロイ(GELOY) という商品名で入手でき
米国特許第3,944,631号に記載されているAS
Aタイプのコポリマーである。
【0049】さらに、官能性の基および/または極性も
しくは活性の基を有するモノマーが上記のポリマーやコ
ポリマーと共に共重合されているかまたはその上にグラ
フトされているものも使用できる。すでに述べたエポキ
シ官能性のα‐オレフィンエラストマーはこのタイプの
有用な耐衝撃性改良剤の一例である。最後にその他の適
切な耐衝撃性改良剤として、チオコール(Thiokol) ゴ
ム、ポリスルフィドゴム、ポリウレタンゴム、ポリエー
テルゴム(たとえばポリプロピレンオキシド)、エピク
ロロヒドリンゴム、熱可塑性のポリエステルエラストマ
ーおよび熱可塑性のポリ(エーテル‐エステル)エラス
トマーとポリ(エステル‐アミド)エラストマーがあ
る。
【0050】耐衝撃性改良剤またはその他の樹脂状物質
の割合は広範囲に変えることができる。耐衝撃性改良剤
の使用量は通常、組成物の延性を改良するのに充分な量
である。ジブロックコポリマーやトリブロックコポリマ
ーのような耐衝撃性改良剤を使用する場合通常は、PP
Eの100部当たり約50部までの量で存在させる。エ
ポキシ官能性のオレフィン系エラストマーを使用する場
合通常は、PPSの100部当たり約50部までの量で
存在させる。また、その他の耐衝撃性改良剤を存在させ
てもよいし、各種耐衝撃性改良剤の混合物を利用しても
よい。
【0051】本発明の組成物には強化用充填材を添加す
ることも考えられる。適切な強化用充填材はブレンド組
成物の剛性を増大させるものである。これらの中でも繊
維状の材料が好ましく、約8〜約14μmの繊維径を有
するもの、特に低アルカリE‐ガラス製のガラス繊維が
好ましい。最終成形品でのガラス繊維の長さは、たとえ
ば約0.01〜約0.5mmが普通である。これらガラ
ス繊維はロービングとして、またはチョップトグラスフ
ァイバーもしくはミルドグラスファイバーとして使用で
き、適当な仕上げ処理が施してあってもよいしシランを
ベースとする接着促進剤(系)で処理してあってもよ
い。強化用充填材の量は組成物の全重量を基準にして約
5〜約60重量%、特に約10〜約40重量%が有利で
ある。
【0052】他の繊維状強化用材料、たとえば炭素繊
維、チタン酸カリウム単結晶繊維、石膏繊維、ウォラス
トナイト、酸化アルミニウム繊維またはアスベストも利
用できる。繊維状でない(非繊維質)充填材、たとえば
ガラスビーズ、中空ガラスビーズ、タルク、雲母、チョ
ーク、石英、天然カオリンまたは焼成カオリンも好まし
い充填材であり、これらの材料をガラス繊維と組み合わ
せてもよい。これらの充填材も、ガラス繊維と同様に、
仕上げ剤および/または接着促進剤(系)で処理してあ
ってもよい。板状構造も有する非繊維質充填材(たとえ
ばタルク、雲母または板状カオリン)とガラス繊維との
組み合わせは、加工中金型充填の方向にガラス繊維が整
列されるため、用途によっては最終組成物の異方性を低
減させるのに特に好ましい。非繊維質充填材の量は組成
物全体の全重量を基準にして0〜約50重量%の範囲と
することができる。
【0053】本発明の組成物はさらに少なくとも1種の
アルケニル芳香族化合物のポリマーを含有していてもよ
い。このタイプの適切なポリマーは塊状重合、懸濁重合
および乳化重合を始めとして業界で公知の方法によって
製造できる。一般にこれらは構造単位の少なくとも約2
5重量%が次式(VI)のアルケニル芳香族モノマーから
誘導されている。
【0054】
【化6】
【0055】ここで、R45は水素、低級アルキルまたは
ハロゲンであり、Yは水素、ビニル、ハロゲンまたは低
級アルキルであり、fは0〜5である。これらの樹脂に
は、スチレン、クロロスチレンまたはビニルトルエンの
ホモポリマー、スチレンとアクリロニトリル、ブタジエ
ン、α‐メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ジビ
ニルベンゼンおよび無水マレイン酸に代表されるモノマ
ー1種以上とのランダムコポリマー、ならびにブレンド
やグラフトを含むゴムで改質されたポリスチレン(ここ
で、ゴムはポリブタジエンかまたは約98〜65%のス
チレンと約2〜35%のジエンモノマーとのゴム質コポ
リマーである)が包含される。これらのゴムで改質され
たポリスチレンの中には耐衝撃性(ハイインパクト)ポ
リスチレン(通常「HIPS」といわれる)がある。線
状ブロックコポリマー、ラジアルブロックコポリマーま
たはテーパー型ブロックコポリマーの構造を有するスチ
レンとブタジエンの非エラストマー性ブロックコポリマ
ー組成物も使用することができる。これらは、フィナ・
オイル(Fina Oil)のような会社からフィナクリア(FINAC
LEAR) 樹脂という商標で、またフィリップス・エンジニ
アリング・レジン(Phillips Engineering Resins) から
ケイ−レジン(K-RESINS)という商標で市販されている。
【0056】アルケニル芳香族化合物が存在する場合、
組成物全体の重量を基準にして通常約1〜約25重量
%、好ましくは約5〜約15重量%の範囲で使用する。
官能化剤を除く本発明の成分比は、組成物全体に対する
重量パーセントとして表わして、PPE樹脂が約5〜約
95重量%、PPSが約5〜約95重量%、そしてマレ
イミド化合物が約20重量%までの範囲であることがで
き、さらにPPEの重量を基準にして約8重量%までの
官能化剤、約20重量%までのエポキシ官能性エラスト
マー、約20重量%までのエラストマー性ブロックコポ
リマー、約25重量%までのアルケニル芳香族ポリマー
を含む。
【0057】本発明の組成物に含まれるPPEのレベル
は組成物全体に対する重量%で表わして約5〜約95重
量%が好ましく、約25〜約40重量%がさらに好まし
く、約30〜約35重量%が最も好ましい。また本組成
物中のPPSのレベルは組成物全体の重量%として表わ
して約5〜約95重量%が好ましく、約40〜約65重
量%がさらに好ましく、約50〜約60重量%が最も好
ましい。本発明の組成物中のマレイミド化合物のレベル
は組成物全体の重量%として表わして約0.1〜約15
重量%が好ましく、約0.1〜約10重量%がさらに好
ましく、約0.5〜約8重量%が最も好ましい。さらに
本組成物が含む官能化剤のレベルはPPEに対する重量
%で表わして約8重量%までが好ましく、約0.05〜
約4重量%がさらに好ましく、約0.1〜約3重量%が
最も好ましい。また本組成物が含む少なくとも1種の耐
衝撃性改良剤のレベルは組成物全体の重量に対する重量
%として表わして約2〜約18重量%が好ましく、約3
〜約10重量%がさらに好ましく、約4〜約7重量%が
最も好ましい。
【0058】PPSとPPEの重量比は約75:25〜
約30:70の間が好ましく、約70:30〜約50:
50の間がさらに好ましく、約70:30〜約60:4
0の間であると最も好ましい。本組成物中のエポキシ官
能性エラストマーとエラストマー性ブロックコポリマー
の重量比は約15:2〜約5:10の間が好ましく、約
12:3〜約6:6の間がさらに好ましく、約10:6
〜約7:5の間であると最も好ましい。組成物中のエポ
キシ官能性エラストマーとエラストマー性ブロックコポ
リマーの合計した重量%は組成物全体の重量%として表
わして約5〜約21重量%が好ましく、約8〜約16重
量%がさらに好ましく、約10〜約14重量%が最も好
ましい。本発明の組成物は、ポリエステル樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂およびポリカーボネート樹脂
のような他の樹脂材料を含んでいないのが好ましい。組
成物の正確な割合は、部分的に、その組成物の所望とす
る最終用途およびその用途に必要とされる特性に依存し
て決定される。
【0059】本発明の組成物は、多くの電子部品用途で
重要な2つの特性である引張り強さと引張り伸びが改良
されている。さらに本組成物はばりの発生がなく、かつ
耐薬品性が高い。本発明の組成物が示すその他の有利な
特性としては小さい熱膨張係数、低い吸湿性、高い加熱
歪み温度および長期に渡る熱安定性がある。さらにまた
本組成物では落槍衝撃耐性が高まっていると共に破断時
の引張り伸びが改良されている。
【0060】本発明の組成物は、可塑剤、顔料、染料、
滑剤、離型剤、安定剤、酸化防止剤または結晶化造核剤
のような慣用の添加剤を含んでいてもよいし含まなくて
もよい。本発明の組成物を製造するには、通常、緊密な
ブレンドが生成するような条件下で成分を溶融混和す
る。このような条件としては、成分に剪断力をかけるこ
とができる単軸式か二軸式のエクストルーダーまたは類
似の混合装置内で混合することが多い。エクストルーダ
ーのベント口を介して溶融体(メルト)を真空にして組
成物中の揮発性不純物を除くのが有利なことが多い。本
発明の組成物は、自動車のボンネット内機器の電気コネ
クタ用ハウジングなどの成形品の製造に有用であり、ま
た他の各種成形品を製造するのに有用である。
【0061】
【実施例の記載】実施例 ウェルディング‐エンジニア(Welding-Engineers) 二軸
式エクストルーダーを用いて約275〜300℃の温度
で、コンパウンディング中メルトをHg柱10〜20イ
ンチの真空にして表Iの組成物を押出した。得られた組
成物を、エンゲル(Engel) 射出成形機を用い約290〜
300℃の設定温度、約120〜130℃の金型温度で
成形した。これらの組成物すべてについて、ASTMの
D638法に従って破断時の引張り降伏と引張り伸びを
試験した。
【0062】使用する実際の押出し条件は得られるブレ
ンドの物理的性質に影響し得る。本発明の好ましい一態
様では、PPEをあらかじめ官能化剤と混合して官能化
されたPPEを形成しておくのが有利である。次いで、
この官能化されたPPEを残りの成分と混合して最終組
成物を形成することができる。マレイミド化合物を添加
する前にPPEを官能化することによって、官能化剤と
PPEとの所望の反応が達成された後になるまで官能化
剤とマレイミド化合物との反応を回避することができる
と考えられる。また、PPEをマレイミド化合物と混合
する前に官能化剤と予備混合することによって、PPE
を官能化する官能化剤の利用効率が最大になる。官能化
されたPPEの製造はいくつかの方法で達成することが
できる。本発明のひとつの態様では、別の加工ステップ
においてマレイミド化合物を存在させることなく官能化
剤とPPEとを緊密に混和することによって官能化され
たPPEを作成する。次の加工ステップにおいてマレイ
ミド化合物を含めて残りの成分すべてを緊密に混和す
る。別の態様では、成分導入口を少なくとも2つもつ単
軸式エクストルーダーを使用する。この場合PPEと官
能化剤はエクストルーダーののど部(最初の導入口)に
導入してコンパウンディングする。同時に、最初の導入
口の下流にある導入口に追加の成分を導入してコンパウ
ンディングを続ける。エクストルーダーの各部は真空脱
気するのが好ましい。典型的な配合温度は約275〜3
40℃の範囲である。
【0063】以下の実施例で使用した材料は次の通り。
PPEは、ジー・イー・プラスチック(GE Plastics) か
ら入手した、25℃のクロロホルム中で測定した固有粘
度が約0.46dl/gであるポリ(2,6‐ジメチル
フェニレンエーテル)樹脂である。このPPEはメルト
を真空にして押出した後その押出したPPEをトルエン
に溶かし、メタノールを用いてPPEを沈殿させた。窒
素レベルは600ppm未満であった。
【0064】PPE−アミンはジー・イー・プラスチッ
ク(GE Plastics) から入手した、25℃のクロロホルム
中で測定した固有粘度が約0.46dl/gであり窒素
レベルが約1000ppmであるポリ(2,6‐ジメチ
ルフェニレンエーテル)樹脂である。PPE−CA G
RDはPPEと共に3重量%のクエン酸を押出すことに
よって調製した求核基含有PPEである。このPPE−
CA GRDは約110℃で乾燥し粉砕して微粉末とし
てから使用した。PPE−CA GRDの窒素レベルは
600ppm未満であった。
【0065】PPE−CAは、PPEと共に3重量%の
クエン酸を押出すことによって調製した求核基含有PP
Eである。このPPE−CAはトルエンに溶解し、メタ
ノールを用いて沈殿させ、約110℃で乾燥してから使
用した。このPPE−CAの窒素レベルは600ppm
未満であった。PPSは硬化型のPPSである。
【0066】MAL−1は4,4′‐ビスマレイミド‐
ジフェニルメタンである。表IにはPPE、PPSおよ
びマレイミド化合物を含有するブレンドの代表例を挙げ
た。これらの組成物はPPSとPPEの重量比が約6
3:37であり、マレイミド化合物の量はPPSとPP
Eの合計を基準にした重量%として表わしてある。 表 I サンプル PPEの型 マレイミド 引張り強さ a 伸び b 1 PPE 0 6602 4.0 2 PPE 1 5186 3.0 3 PPE 2 5448 3.4 4 PPE 4 5634 3.5 5 PPE−アミン 0 7757 4.7 6 PPE−アミン 1 8176 5.3 7 PPE−アミン 2 8582 5.5 8 PPE−アミン 4 9190 6.0 9 PPE−CA GRD 0 7693 5.0 10 PPE−CA GRD 1 9330 6.1 11 PPE−CA GRD 2 9146 5.8 12 PPE−CA GRD 4 8287 5.1 13 PPE−CA 0 8007 4.6 14 PPE−CA 1 9620 5.8 15 PPE−CA 2 11140 7.2 16 PPE−CA 4 10940 6.9 a 引張り強さの単位はpsi、b 引張り伸びの単位は%。 表Iのデータに示されているように、PPSとPPE−
アミンまたはPPE−CAのブレンドはマレイミド化合
物を添加すると引張り強さと引張り伸びの両方が驚異的
に改良される。アミン価が600ppm未満のPPEを
利用したサンプル1〜4を比較すると、アミン価が約6
00ppmより大きいPPEを用いて作成したサンプル
5〜8と比べて引張り特性が低下している。サンプル5
(対照)をサンプル6、7、8と比較すると分かるよう
に、マレイミド化合物を添加すると引張り強さと引張り
伸びの両方が改良された。サンプル9〜12をサンプル
1〜4とそれぞれ比較すると、PPSおよびマレイミド
化合物とコンパウンディングする前にPPEをクエン酸
で官能化すると引張り特性が驚異的に改良されている。
サンプル13〜16をサンプル9〜12とそれぞれ比較
すると、ブレンドに使用する前にPPE−CAを溶解し
沈殿させると引張り特性が驚異的に改良されることが分
かる。サンプル9〜12のPPE−CA GRDはPP
Sおよびマレイミド化合物とコンパウンディングする前
に機械的に粉砕した。表Iのデータから分かるように、
PPEは窒素含量が約600ppmより大きいかまたは
官能化されていなければならない。窒素含量が600p
pmより大きい官能化されたPPEもまた、PPSおよ
びマレイミド化合物と組み合わせると有用である。
【0067】PPSとPPE−アミンまたは官能化され
たPPEの組成物にマレイミド化合物を添加して得られ
る改良効果はいくつかのサンプルでとった走査型電子顕
微鏡写真でも明らかになる。図1は、PPSとPPE−
アミンを含有するサンプル5の形態を示す走査型電子顕
微鏡写真であり、PPE粒子の平均粒度は約10〜20
ミクロンである。図2は、PPSとPPE−アミンを含
有し、さらにマレイミド化合物を含有しているサンプル
8の形態を示す走査型電子顕微鏡写真であり、PPE粒
子の平均粒度は約2ミクロンである。PPE粒度が低下
したことおよびPPE粒子の均一性が改良されたこと
は、窒素含量が約600ppmより大きいPPEまたは
官能化されたPPEとPPSとの相溶性が改良されたこ
との証しでもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒素含量が約600ppmより大きいポリ(フ
ェニレンエーテル)樹脂とポリ(フェニレンスルフィ
ド)樹脂を含有しているサンプル5の形態を示す走査型
電子顕微鏡写真であり、ポリ(フェニレンエーテル)樹
脂粒子の平均粒度は約10〜20ミクロンである。
【図2】窒素含量が約600ppmより大きいポリ(フ
ェニレンエーテル)樹脂を含有し、かつポリ(フェニレ
ンスルフィド)樹脂と4重量%のマレイミド化合物を含
有しているサンプル8の形態を示す走査型電子顕微鏡写
真であり、ポリ(フェニレンエーテル)樹脂粒子の平均
粒度は約2ミクロンである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 53/02 LLZ C08L 53/02 LLZ 81/02 LRG 81/02 LRG (72)発明者 チョン−ファー・ロビン・ワン アメリカ合衆国、ノース・カロライナ州、 カリー、ノース・タミリン・サークル、 100番 (72)発明者 スティーブン・トーマス・ライス アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スコテ ィア、アーデン・ロード、5番 (72)発明者 ジェームス・ジョゼフ・スコッボ,ジュニ ア アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スリン ガーランズ、ウォールナット・レーン、 209番 (72)発明者 ジョン・ベニー・イエイツ アメリカ合衆国、ニューヨーク州、グレン モント、コロンバイン・ドライブ、85番

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリ(フェニレンエーテル)樹
    脂、 (b)ポリ(アリーレンスルフィド)樹脂、および (c)マレイミド化合物を含む組成物であって、ポリ
    (フェニレンエーテル)樹脂が、窒素含量が約600p
    pmより大きいポリ(フェニレンエーテル)樹脂および
    官能化されたポリ(フェニレンエーテル)樹脂より成る
    ポリ(フェニレンエーテル)樹脂群の中から選択された
    ものである組成物。
  2. 【請求項2】 官能化されたポリ(フェニレンエーテ
    ル)樹脂が、ポリ(フェニレンエーテル)樹脂の重量を
    基準にして約8重量%までの量の少なくとも1種の官能
    化剤とポリ(フェニレンエーテル)樹脂を反応させて誘
    導されたものである、請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 官能化剤が、官能化されたオレフィン性
    化合物および非ポリマー性ポリカルボン酸より成る群の
    中から選択されたものである、請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 マレイミド化合物が、少なくとも2個の
    マレイミド基を含有する固体または液体のマレイミド化
    合物からなる、請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 組成物の全重量を基準にして、ポリ(フ
    ェニレンエーテル)樹脂が約5〜約95重量%のレベル
    で存在し、ポリ(アリーレンスルフィド)樹脂が約5〜
    約95重量%のレベルで存在する、請求項1記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 マレイミド化合物が、マレイミド化合物
    を含まない以外は同じ組成物と比べて改良された物理的
    性質を示す組成物を与えるのに有効な量で存在する、請
    求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 さらに、組成物の全重量を基準にして約
    2〜約50重量%のレベルで存在する少なくとも1種の
    強化用充填材を含む、請求項5記載の組成物。
  8. 【請求項8】 強化用充填材が、ガラス繊維、炭素繊
    維、チタン酸カリウム単結晶繊維、酸化アルミニウム繊
    維、ガラスビーズ、中空ガラスビーズ、ウォラストナイ
    ト、タルク、雲母、チョーク、石英、天然カオリン、焼
    成カオリンおよびこれらの混合物より成る群の中から選
    択される、請求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 さらに、組成物の全重量を基準にして約
    2〜約20重量%のレベルで存在する耐衝撃性改良剤も
    含んでいる、請求項5記載の組成物。
  10. 【請求項10】 耐衝撃性改良剤が、(i)アルケニル
    芳香族化合物とジエンからなるブロックコポリマー、
    (ii)エポキシ官能性のα‐オレフィン系エラストマ
    ー、および(iii )(i)と(ii)の混合物より成る群
    の中から選択される、請求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 ブロックコポリマーがトリブロックコ
    ポリマーであり、このブロックコポリマーがポリスチレ
    ン末端ブロックと選択的に水素化されたジエン‐誘導中
    央ブロックからなる、請求項10記載の組成物。
  12. 【請求項12】 さらに、少なくとも1種のアルケニル
    芳香族ポリマーも含んでいる、請求項5記載の組成物。
  13. 【請求項13】 (a)ポリ(フェニレンエーテル)樹
    脂、 (b)ポリ(アリーレンスルフィド)樹脂、および (c)マレイミド化合物を含み、ポリ(フェニレンエー
    テル)樹脂が、窒素含量が約600ppmより大きいポ
    リ(フェニレンエーテル)樹脂および官能化されたポリ
    (フェニレンエーテル)樹脂より成るポリ(フェニレン
    エーテル)樹脂群の中から選択されたものである、組成
    物から製造される物品。
  14. 【請求項14】 ポリ(フェニレンエーテル)樹脂、ポ
    リ(アリーレンスルフィド)樹脂およびマレイミド化合
    物を緊密に混和することからなり、ポリ(フェニレンエ
    ーテル)樹脂が、窒素含量が約600ppmより大きい
    ポリ(フェニレンエーテル)樹脂および官能化されたポ
    リ(フェニレンエーテル)樹脂より成るポリ(フェニレ
    ンエーテル)樹脂群の中から選択されたものである、組
    成物の製造方法。
  15. 【請求項15】 本質的に、(a)ポリ(フェニレンエ
    ーテル)樹脂、(b)ポリ(アリーレンスルフィド)樹
    脂、および(c)マレイミド化合物から構成されてお
    り、ポリ(フェニレンエーテル)樹脂が、窒素含量が約
    600ppmより大きいポリ(フェニレンエーテル)樹
    脂および官能化されたポリ(フェニレンエーテル)樹脂
    より成るポリ(フェニレンエーテル)樹脂群の中から選
    択されたものである、組成物。
  16. 【請求項16】 本質的に、(a)ポリ(フェニレンエ
    ーテル)樹脂、(b)ポリ(アリーレンスルフィド)樹
    脂、(c)マレイミド化合物、および(d)少なくとも
    1種の強化用充填材から構成されており、ポリ(フェニ
    レンエーテル)樹脂が約600ppmより大きい窒素含
    量を有する、組成物。
  17. 【請求項17】 本質的に、(a)官能化されたポリ
    (フェニレンエーテル)樹脂、(b)ポリ(アリーレン
    スルフィド)樹脂、および(c)マレイミド化合物から
    構成される組成物。
  18. 【請求項18】 本質的に、(a)官能化されたポリ
    (フェニレンエーテル)樹脂、(b)ポリ(アリーレン
    スルフィド)樹脂、(c)マレイミド化合物、および
    (d)少なくとも1種の強化用充填材から構成される組
    成物。
JP5562196A 1995-03-17 1996-03-13 ポリ(フェニレンエーテル)、ポリ(アリーレンスルフィド)およびマレイミド化合物を含む組成物 Withdrawn JPH08333509A (ja)

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