JPH08332574A - プラズマト−チ - Google Patents

プラズマト−チ

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JPH08332574A
JPH08332574A JP7142181A JP14218195A JPH08332574A JP H08332574 A JPH08332574 A JP H08332574A JP 7142181 A JP7142181 A JP 7142181A JP 14218195 A JP14218195 A JP 14218195A JP H08332574 A JPH08332574 A JP H08332574A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パイロットアーク時、高周波を使用しない汎
用性が高いプラズマト−チを提供する。高周波ノイズを
発生せずパイロットア−ク起動の信頼性を高くする。 【構成】 放電電極(1);放電電極(1)の先端に対向する
ガス噴射口(2g)を有し放電電極(1)の先端部を包囲する
ノズル部材(2,3);ノズル部材(2,3)を支持する第1支持
部材(Ua);放電電極(1)を支持する電極台(8);前記電極
台(8)を、それが支持する放電電極(1)の先端が前記ガス
噴射口(2g)に近付く突き出し方向およびその逆の退避方
向に摺動可能に支持し、電極台(8)との間に、電極台(8)
を退避方向に押す水圧を与える冷却水通流空間(PS)を有
する第2支持部材(Ub);電極台(8)を突出し方向に駆動
するばね手段(S1);および、前記ガス噴射口(2g)に気体
を供給するための流路(22)ならびに前記冷却水通流空間
(PS)に冷却水を通流するための給水路(20a)および排水
路(20r)を有し、第1支持部材(Ua)および第2支持部材
(Ub)を支持する基体(B);を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラズマト−チに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金属板の切断あるいは溶接に用い
られるプラズマト−チは、高周波電源により電極とノズ
ルの間の絶縁を破壊し、パイロットアークを発生させる
ものが一般的である。しかし、この方法においては、高
周波ノイズの影響によりロボット等の周辺機器に用いら
れている電気回路が誤動作をするという問題がある。実
開昭53−117537号公報には、ノズルのガス噴射
口の中心軸と軸心を合せた電極をその長手方向すなわち
該中心軸に沿う方向に移動可能に支持し、圧縮コイルス
プリングで電極をガス噴射口から離れた位置(プラズマ
ア−ク切断,溶接時の作動位置)に置き、ア−クをスタ
−トするときには、作業者がト−チ外部から電極台を押
して圧縮コイルスプリングを圧縮し電極先端をガス噴射
口に突き入れてノズルと接触させる構造が開示されてい
る。これは、ア−クスタ−トに作業者の操作を必要とす
る。
【0003】このような人手操作を省略するために、す
なわちア−クスタ−トを自動で行なうために、特開平3
−106572号公報に提示したプラズマト−チは、圧
縮コイルスプリングでノズル部材と電極棒を接触させて
おき、ノズル部材内に供給されるプラズマ用ガスの圧力
で、ノズル部材と電極棒を相対的に引き離してパイロッ
トア−クをスタ−トするものとした。これにより、高周
波,高電圧を使用することなくパイロットアークを発生
させることが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プラズマガ
スを供給するまでは、電極棒の先端がガス噴射口に進入
しそれを実質上閉じているので、ト−チ内圧が高く、ノ
ズル部材から電極棒を引き離す力は比較的に大きい。し
かし、電極棒の先端がガス噴射口から離れ始めると、こ
れによってパイロットア−クがノズル部材と電極棒の間
に発生するが、プラズマガスがガス噴射口から出るので
ト−チ内圧が低下する。その後、圧縮コイルスプリング
の反発力に抗して、ノズルのガス噴射口よりある程度離
れた作動位置(プラズマア−ク切断,溶接時の位置)に
電極棒の先端を位置させ、この状態を維持する必要があ
る。すなわち、ガス噴射口よりプラズマガスを吹き出し
つつ、ト−チ内圧を、圧縮コイルスプリングの反発力を
越える支持圧に維持する必要がある。これは、プラズマ
ガス供給に関して、1つの条件が新たに加わることにな
る。すなわち、プラズマガス供給源は、圧縮コイルスプ
リングの反発力を越える支持圧をもたらす圧力、かつ、
ガス噴射口の口径×所要の流速分の流量、のプラズマガ
スをプラズマト−チに供給しなければならない。このよ
うなプラズマガス供給は、プラズマ切断又は溶接に対し
て制約条件となり、例えばガス噴射口の口径(使用ノズ
ル部材のサイズ)を固定せざるを得ないとか、噴射ガス
流速を固定もしくは極く狭い範囲に限定せざるを得ない
とか、プラズマト−チの汎用性が低下し、適用作業(切
断,溶接)が限定される可能性が高い。
【0005】また、ガス噴射口に当接した電極棒を引き
離す(退避駆動する)場合、静止摩擦および静止慣性に
より、電極棒が移動を開始するまでの所要駆動力は移動
を開始してからの所要駆動力よりも高い。したがって駆
動の始めには高圧が必要である。パイロットア−クを生
起するとき、その直前は電極棒の先端がガス噴射口を塞
いでいるのでト−チ内圧が高く、電極棒が退避してパイ
ロットア−クを生起するときガス噴射口が開いてそれか
らプラズマガスが噴射してト−チ内圧が下がるので、ト
−チに供給するプラズマガス圧をパイロットア−ク起動
時に時系列で切換える必要はないが、電極棒がガス噴射
口から離れるとき瞬間的に高い流速でプラズマガスが噴
射し、電極棒を退避位置に維持するためのプラズマガス
圧が高い(したがって電極棒の先端がガス噴射口を塞い
でいるときのト−チ内圧も高い)ときには、この瞬間的
に高い流速のガス噴射(初期噴射)により、生成しかか
ったパイロットア−クが吹き消されて、パイロットア−
ク起動に失敗する確率が高くなる。
【0006】本発明は、汎用性が高い自動ア−クスタ−
トのプラズマト−チを提供することを第1の目的とし、
電極棒を退避駆動するための流体圧を低くすることを第
2の目的とし、パイロットア−ク起動の信頼性を高くす
ることを第3の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の第1番の発明のプ
ラズマト−チ(図1)は、放電電極(1);放電電極(1)の先
端に対向するガス噴射口(2g)を有し放電電極(1)の先端
部を包囲するノズル部材(2,3);ノズル部材(2,3)を支持
する第1支持部材(Ua);放電電極(1)を支持する電極台
(8);前記電極台(8)を、それが支持する放電電極(1)の
先端が前記ガス噴射口(2g)に近付く突き出し方向および
その逆の退避方向に摺動可能に支持し、電極台(8)との
間に、電極台(8)を退避方向に押す水圧を与える冷却水
通流空間(PS)を有する第2支持部材(Ub);電極台(8)を
突出し方向に駆動するばね手段(S1);および、前記ガス
噴射口(2g)に気体を供給するための流路(22)ならびに前
記冷却水通流空間(PS)に冷却水を通流するための給水路
(20a)および排水路(20r)を有し、第1支持部材(Ua)およ
び第2支持部材(Ub)を支持する基体(B);を備える。
【0008】第1番の発明の一実施例(第1実施例:図1)
は、電極台(8)は、突き出し方向の移動で排水路(20r)と
冷却水通流空間(PS)の間(20ri)の通流面積を絞り、退避
方向の移動で広げるものとした。また、放電電極(1)周
りの空間を介してガス噴射口(2g)に連通する開口(12a)
と、該開口(12a)内に装着され該空間の圧力をト−チ外
部に放出するリリ−フ弁(11,S2)を備えるものとした。
【0009】本願の第2番の発明のプラズマト−チ(図
7)は、放電電極(1);放電電極(1)を支持する電極台
(8);放電電極(1)の先端に対向するガス噴射口(2g)を有
し放電電極(1)の先端部を包囲するノズル部材(2,3);ノ
ズル部材(2,3)を、そのガス噴射口(2g)が放電電極(1)か
ら離れる突き出し方向およびその逆の退避方向に摺動可
能に支持し、ノズル部材(2,3)との間に、ノズル部材(2,
3)を突き出し方向に押す水圧を与える冷却水通流空間(P
S)を有する第1支持部材(Ua);ノズル部材(2,3)を退避
方向に駆動するばね手段(S1);および、前記ガス噴射口
(2g)に気体を供給するための流路(22)ならびに前記冷却
水通流空間(PS)に冷却水を通流するための給水路(20f)
および排水路(20a)を有し、第1支持部材(Ua)および電
極台(8)を支持する基体(B);を備える。
【0010】第2番の発明の一実施例(第2実施例:図7)
は、ノズル部材(2,3)は、退避方向の移動で排水路(20a)
と冷却水通流空間(PS)の間(20ai)の通流面積を絞り、突
き出し方向の移動で広げるものとした。また、放電電極
(1)周りの空間を介してガス噴射口(2g)に連通する開口
(12a)と、該開口(12a)内に装着され該空間の圧力をト−
チ外部に放出するリリ−フ弁(11,S2)を備えるものとし
た。
【0011】なお、理解を容易にするためにカッコ内に
は、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項
に付した記号を、参考までに付記した。
【0012】
【作用および効果】第1番の発明によれば、第2支持部
材(Ub)が、放電電極(1)を支持する電極台(8)を、放電電
極(1)の先端がガス噴射口(2g)に近付く突き出し方向お
よびその逆の退避方向に摺動可能に支持し、ばね手段(S
1)が、電極台(8)を突出し方向に駆動するので、これに
より放電電極(1)の先端がガス噴射口(2g)に当る。この
状態でノズル部材(2,3)と放電電極(1)の間にパイロック
ア−クを発生するための電圧を印加すると、両者間にパ
イロット電流が流れる。
【0013】第2支持部材(Ub)が、電極台(8)を退避方
向に押す水圧を与える冷却水通流空間(PS)を有し、基体
(B)が、冷却水通流空間(PS)に冷却水を通流するための
給水路(20a)および排水路(20r)を有するので、これらの
水路(20a,20r)を通して冷却水通流空間(PS)に冷却水を
通流すると、冷却水通流空間(PS)の水圧が電極台(8)を
退避方向に押す。この水圧をばね手段(S1)の駆動力より
高く設定することにより、ばね手段(S1)の力に抗して電
極台(8)が退避方向に移動する。このときノズル部材(2,
3)と放電電極(1)の間に接触開放ア−クが発生し、それ
がパイロックア−ク(ある程度の空隙を飛ぶア−ク)に
移行又は発展する。すなわちパイロットア−クが自動的
に発生する。プラズマト−チにおいて公知の、切断又は
溶接のためのメインア−クの生成を経て、所要の切断作
業又は溶接作業を行なった後に、プラズマ電源を遮断し
てア−クを消滅させ、そして冷却水の供給を停止する
と、冷却水通流空間(PS)の水圧が低下して、ばね手段(S
1)の力で電極台(8)が突き出し方向に駆動されて、放電
電極(1)の先端がガス噴射口(2g)に当る。
【0014】このプラズマト−チによれば、ア−ク発生
のための電極台(8)の退避方向への駆動が冷却水の水圧
によって実現し、切断又は溶接作業中は、ばね手段(S1)
の力に抗して電極台(8)を退避位置に留めるに必要な圧
力(維持圧)以上の冷却水圧を維持すればよい。所要の冷
却が実現する流量が確保されかつ機構上許される範囲内
であれば、冷却水圧は該維持圧以上であればいくら高く
てもよく、プラズマト−チのガス噴射口の口径,プラズ
マガス圧および流量に何らの制約を与えない。したがっ
てプラズマト−チの汎用性が高い。
【0015】第1番の発明の一実施例(第1実施例:図1)
では、電極台(8)が、突き出し方向の移動で排水路(20r)
と冷却水通流空間(PS)の間(20ri)の通流面積を絞り、退
避方向の移動で広げるので、パイロットア−ク起動前に
は排水通流面積が小さく、冷却水通流空間(PS)に高い水
圧が加わり、電極台(8)はその静止摩擦および静止慣性
に打勝つ強い力が加わる。電極台(8)が移動を開始する
と移動に伴って冷却水通流空間(PS)の排水通流面積が広
がり、冷却水の通流流量が増し、十分な冷却が行なわれ
る。冷却水圧は、パイロットア−ク起動前から、パイロ
ットア−ク起動後電極台(8)を退避位置に維持しかつ所
要の冷却効果を得るに十分な圧力であればよく、広い排
水通流面積のままで静止状態の電極台(8)を移動させる
に必要な高圧は必要でなく、水圧を切換える操作を格別
に加える必要もない。
【0016】また、放電電極(1)周りの空間を介してガ
ス噴射口(2g)に連通する開口(12a)と、該開口(12a)内に
装着され該空間の圧力をト−チ外部に放出するリリ−フ
弁(11,S2)を備えるので、放電電極(1)の先端がガス噴射
口(2g)を閉じているとき、ト−チ内空間のプラズマガス
圧はリリ−フ弁(11,S2)の解放圧(弁開となる最低圧)
以下に維持され、パイロットア−ク生成のために放電電
極(1)が退避方向に駆動されてガス噴射口(2g)から離れ
るときのガス噴射(初期噴射)速度は低く、生成しかか
ったパイロットア−クを吹き消してしまう確率が低減
し、パイロットア−ク起動の信頼性が向上する。
【0017】第2番の発明によれば、第1支持部材(Ua)
が、ノズル部材(2,3)を、そのガス噴射口(2g)が放電電
極(1)から離れる突き出し方向およびその逆の退避方向
に摺動可能に支持し、ばね手段(S1)が、ノズル部材(2,
3)を退避方向に駆動するので、これによりガス噴射口(2
g)が放電電極(1)の先端に当る。この状態でノズル部材
(2,3)と放電電極(1)の間にパイロックア−クを発生する
ための電圧を印加すると、両者間にア−ク(接触開放ア
−ク)を生ずる。
【0018】第1支持部材(Ua)が、ノズル部材(2,3)を
突き出し方向に押す水圧を与える冷却水通流空間(PS)を
有し、基体(B)が、冷却水通流空間(PS)に冷却水を通流
するための給水路(20f)および排水路(20a)を有するの
で、これらの水路(20f,20a)を通して冷却水通流空間(P
S)に冷却水を通流すると、冷却水通流空間(PS)の水圧が
ノズル部材(2,3)を突き出し方向に押す。この水圧をば
ね手段(S1)の駆動力より高く設定することにより、ばね
手段(S1)の力に抗してノズル部材(2,3)が突き出し方向
に移動する。このときノズル部材(2,3)と放電電極(1)の
間に接触開放ア−クが発生していると、それがパイロッ
クア−ク(ある程度の空隙を飛ぶア−ク)に移行又は発
展する。すなわちパイロットア−クが自動的に発生す
る。プラズマト−チにおいて公知の、切断又は溶接のた
めのメインア−クの生成を経て、所要の切断作業又は溶
接作業を行なった後に、プラズマ電源を遮断してア−ク
を消滅させ、そして冷却水の供給を停止すると、冷却水
通流空間(PS)の水圧が低下して、ばね手段(S1)の力でノ
ズル部材(2,3)が退避方向に駆動されて、ガス噴射口(2
g)が放電電極(1)の先端に当る。
【0019】このプラズマト−チによれば、ア−ク発生
のためのノズル部材(2,3)の突き出し方向への駆動が冷
却水の水圧によって実現し、切断又は溶接作業中は、ば
ね手段(S1)の力に抗してノズル部材(2,3)を突き出し位
置に留めるに必要な圧力(維持圧)以上の冷却水圧を維持
すればよい。所要の冷却が実現する流量が確保されかつ
機構上許される範囲内であれば、冷却水圧は該維持圧以
上であればいくら高くてもよく、プラズマト−チのガス
噴射口の口径,プラズマガス圧および流量に何らの制約
を与えない。また、通常使用している冷却水及び水圧を
そのまま使用出来るので特別な付加装置を必要としなく
て済む。したがってプラズマト−チの汎用性が高い。
【0020】第2番の発明の一実施例(第2実施例:図7)
では、ノズル部材(2,3)が、退避方向の移動で排水路(20
a)と冷却水通流空間(PS)の間(20ai)の通流面積を絞り、
突き出し方向の移動で広げるので、パイロットア−ク起
動前には排水通流面積が小さく、冷却水通流空間(PS)に
高い水圧が加わり、ノズル部材(2,3)にはその静止摩擦
および静止慣性に打勝つ強い力が加わる。ノズル部材
(2,3)が移動を開始すると移動に伴って冷却水通流空間
(PS)の排水通流面積が広がり、冷却水の通流流量が増
し、十分な冷却が行なわれる。冷却水圧は、パイロット
ア−ク起動前から、パイロットア−ク起動後ノズル部材
(2,3)を突き出し位置に維持しかつ所要の冷却効果を得
るに十分な圧力であればよく、広い排水通流面積のまま
で静止状態のノズル部材(2,3)を移動させるに必要な高
圧は必要でなく、水圧を切換える操作を格別に加える必
要もない。
【0021】また、放電電極(1)周りの空間を介してガ
ス噴射口(2g)に連通する開口(12a)と、該開口(12a)内に
装着され該空間の圧力をト−チ外部に放出するリリ−フ
弁(11,S2)を備えるので、放電電極(1)の先端がガス噴射
口(2g)を閉じているとき、ト−チ内空間のプラズマガス
圧はリリ−フ弁(11,S2)の解放圧(弁開となる最低圧)
以下に維持され、パイロットア−ク生成のためにノズル
部材(2,3)が突き出し方向に駆動されてガス噴射口(2g)
が放電電極(1)から離れるときのガス噴射(初期噴射)
速度は低く、生成しかかったパイロットア−クを吹き消
してしまう確率が低減し、パイロットア−ク起動の信頼
性が向上する。
【0022】また、起動時リリーフ弁(11,S2)よりプラ
ズマガスを放出することでカバー(C)の内空間(22ri)に
残留している電極消耗に有害な空気を外部に放出できる
効果もある。
【0023】さらにパイロットアークの着火点が電極
(1)の先端とノズル(2)のガス噴射口(2g)との間で行なわ
れ、両者間の接触開放アーク時には、ある程度のプラズ
マガス圧力でパイロットアークがガス噴射口(2g)の出口
方向に押し出されるためパイロットアークの炎がノズル
(2)の先端部から吹き出す理想的なパイロットアークが
与えられる。
【0024】本願の各発明の他の目的および特徴は、図
面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0025】
【実施例】
−第1実施例− 図1は、第1発明の一実施例の、使用待機の初期状態で
ある時の縦断面図であり、図2は、切断又は溶接に使用
中の状態を示す縦断面図である。タングステン棒1の一
端は円錐形に突出しており、これを先端と称し、もう一
端を尾端と称する。タングステン棒1の先端の周囲に
は、タングステン棒1の先端を囲むように中空の略円錐
形である金属製のノズル2がある。ノズル2の、タング
ステン棒1の先端の円錐形にならうように円錐形となっ
た先端部中心には、タングステン棒1の先端と対向する
裏側面より、トーチ外部に対面する表側面に通じる小径
の円形開口がありこれがガス噴射口2gである。ノズル
2は、中空の略円筒形であるノズル台3の先端部に固着
されている。
【0026】ノズル台3には、内部にその側周面に沿っ
て形成される円筒形の水路があり、ノズル2に固着され
た先端部の内側周面に、リング状のセンタリングストー
ン4が固着されている。タングステン棒1はこのセンタ
リングスト−ン4の中心を貫通し、その軸心はノズル2
およびノズル台3の中心軸と実質上一致している。タン
グステン棒1は、ノズル台3に固着されたセンタリング
スト−ン4に対して、その中心軸に沿う方向(図1上で
左右方向:突き出し/退避方向)に移動可能である。な
お、センタリングストーン4には、ガス噴射口2gに対
向する先端面からその裏側の後端面に通じる通気孔が開
けられている。
【0027】ノズル台3は、大略で中空筒状の第1支持
部材Uaの中心位置に固着されている。第1支持部材U
aの先端には、シ−ルドガス噴出口を有するねじリング
5の小径の雄ねじがねじ込まれており、ねじリング5の
大径の雄ねじにシ−ルドキャップ6がねじ結合してい
る。
【0028】第1支持部材Uaは基体Bで支持されてい
る。基体Bのシ−ルドガス流路21に送り込まれるシ−
ルドガスは、第1支持部材Uaのリング状の空間に入
り、ねじリング5のシ−ルドガス噴出口を通ってシ−ル
ドキャップ6に出て、シ−ルドキャップ6の先端開口か
らノズル2の外空間に出る。
【0029】基体Bの円柱形内空間には、第1支持部材
Ua後端(右端)を受ける絶縁スペ−サ7があり、この
絶縁スペ−サ7は、基体Bに固着された第2支持部材U
bで受けられている。第2支持部材Ubには、タングス
テン棒1の中心軸に沿う方向に移動可能に電極台8が挿
入されている。電極台8の内部には、先端部をスリット
の切込みにより周方向に4分割したチャック9が挿入さ
れねじ込まれている。カバーCの案内リング10を電極
台8に対してねじ込みによりチャック9の先端部が電極
台8の先端部の内部の円錐内壁面(テ−パ面)に押し付
けられてタングステン棒1の軸心に向かう方向に曲がろ
うとしてタングステン棒1を強圧する。これによりタン
グステン棒1は電極台8に対して一体に固着されてい
る。
【0030】第2支持部材Ubに後端部の雄ねじにリン
グ状の座金13がねじ結合され、この座金13が圧縮コ
イルスプリングS1の後端を受けている。スプリングS
1の先端は電極台8に当り、電極台8を左方向(突き出
し方向)に押し、これによりタングステン棒1の先端が
一部ガス噴射口2g内に入ってノズル2に当っている。
カバ−Cの内部には案内リング10があり、電極台8の
後端部がこの案内リング10内に進入してネジ結合し、
かつ、支持部材Ubに対して、左右方向(突き出し/退
避方向)に移動可能である。
【0031】第1支持部材Uaの内部には、基体Bの往
水路20fの、部材Uaに対向する開口の位置に、リン
グ状の給水溝があり、この給水溝と往水路20fの開口
とを連通とする横穴が第1支持部材Uaに開けられてお
り、この横穴が基体Bの往水路20fの開口と整合して
いる。またノズル台3には、その内部の円筒状の冷却水
通流空間を該横穴と連通する横穴があり、これにより往
水路20fに供給された冷却水はノズル台3内部の冷却
水通流空間に至る。該冷却水通流空間は、後端部で、第
1支持部材Uaの内部のリング状の排水溝に連通してお
り、ノズル台3内部の冷却水通流空間に入った冷却水
は、該排水溝を通って基体Bの絶縁水路20aに出る。
【0032】絶縁水路20aの冷却水は第2支持部材U
bの内部の冷却水通流空間PSに入る。この冷却水通流
空間PSを電極台8の先端側細径部が貫通しており、電
極台8の中央部の太径部(ランド)の左向き端面(段差
面)に、空間PS内の圧力(水圧)が加わる。
【0033】第2支持部材Ubの内部には、冷却水通流
空間PSと連なる、電極台8の中央部の太径部を中心軸
に沿う方向に移動自在に案内する太径の空間があり、こ
の空間の左端部(20ri)に、基体Bの復水路20r
の開口があり、第2支持部材Ubの横穴20riが、該
太径の空間と復水路20rの開口とを連通としている。
図1に示すように、スプリングS1が電極台8を介して
タングステン棒1を突き出してノズル2に当てていると
きには、電極台8の中央部の太径部の左端が横穴20r
iまで進み、横穴20riの実効通流面積(空間PSと
復水路20rの通流開口面積)は僅少である。
【0034】第1支持部材Uaと第2支持部材Ubの間
には、絶縁スペ−サ7により空間が形成されそこに、基
体Bのプラズマガス流路22を通してプラズマガスが供
給される。該空間に入ったプラズマガスは、ノズル台3
の内部の中心にあってタングステン棒1が通る空間を通
って、またセンタリングスト−ン4の通気孔を通って、
更にガス噴射口2gを通って、ノズル2の外部に出る。
【0035】電極カバ−Cにはキャップ12がねじ結合
している。キャップ12の内部には、弁棒11を中心軸
に沿う方向に移動自在に案内する空間があり、そこに圧
縮コイルスプリングS2およびフランジ付弁棒11が挿
入されている。弁棒11にはカバ−Cの後端開口を閉じ
るOリングが装着されている。キャップ12には、弁棒
11のフランジより後端側の位置に、キャップ内空間と
連通する横穴(圧力解放口)12aがある。図1に示す
ようにタングステン棒1の先端がノズル2のガス噴射口
2gを閉じているときプラズマガス流路22にプラズマ
ガスを供給すると、ト−チ内部の、タングステン棒1周
りの圧力が上昇する(最高でプラズマガス供給圧)。こ
の圧力が圧縮コイルスプリングS2で定まる設定圧を越
えると、弁棒11が右方に移動してOリングが電極カバ
−Cの右端開口から離れ、プラズマガス供給前に滞留し
ていた空気がまず放出され次いで供給されたプラズマガ
スが放出されて、ト−チ内部の、プラズマガスが通流し
うる空間の圧力が設定圧未満に維持される。
【0036】なお、タングステン棒1は、チャック9/
電極台8/第2支持部材Ub/電極給電リ−ド(図示せ
ず)の経路で図示しない電源回路に接続され、ノズル2
は、ノズル台3/第1支持部材Ua/ノズル給電リ−ド
(図示せず)の経路で図示しない電源回路に接続され
る。
【0037】ト−チにプラズマガス,シ−ルドガス,冷
却水ならびに動作電圧のいずれも加わっていないときに
は、図1に示すように、電極台8がスプリングS1で突
き出し方向(左方)に押され、タングステン棒1の先端
がノズル2に当っている。なお、タングステン棒1のノ
ズル2に対する長さ設定は、水圧をかけた状態で(作業
状態)カバーCを右回しでチャック9を電極台8に対し
て締め付けることで、タングステン棒1をチャックし固
定設定する。図1には、電極台8の中央位置の太径部の
左段差面が第2支持部材Ubの段差面に当っている状態
(電極台8が、突き出しリミット位置にある状態)を示
すが、その状態よりも電極台8に対するタングステン棒
1の突き出し長を長くすると(作業設定位置)、タング
ステン棒1の先端がノズル2に当って電極台8は図1に
示す位置P1Aよりもやや右側に位置することになり、
ノズル2に対するタングステン棒1の接触圧は高く確実
に接触する(スプリングS1の反発力がそのまま加わ
る)。
【0038】シ−ルドガスは切断,溶接等の作業中(メ
インア−クによるワ−クの加工中)に必要なものであ
り、メインア−ク起動に応答して供給が開始され、メイ
ンアークが停止したときに供給が停止される。シ−ルド
ガスの供給タイミングに関しての説明は省略して、図1
に示すト−チの動作を説明する。
【0039】まずプラズマガス流路22へのプラズマガ
スの供給を開始すると、タングステン棒1周りの残留空
気を押しつつそこにプラズマガスが入って行く。このと
き、タングステン棒1がノズルのガス噴射口2gを塞い
でいるので、タングステン棒1周りの圧力が上昇する。
この圧力が設定圧に達すると弁棒11が右移動して、タ
ングステン棒1周りの気体(最初は残留空気)が横穴1
2aから出る。
【0040】次に、電極台8/ノズル台3間に、パイロ
ットア−ク起動電圧を印加し、往水路20fへの冷却水
の供給を開始すると、ノズル2/タングステン棒1の間
に短絡電流を生じると共に、冷却水通流空間PSの冷却
水圧が設定値に達したところで電極台8が右方(退避方
向)に移動し、図2に示すように、タングステン棒1が
ノズル2から離れ、このように離れる間に、ノズル2/
タングステン棒1間の接触火花が、空隙を絶縁破壊しな
がらア−クを生じ、プラズマ放電(パイロットア−ク)
となる。すなわちパイロットア−クが起動する。一方、
電極台8が右移動することにより、横穴20riの実効
通流面積(空間PSと復水路20rの通流開口面積)が
広がり、大量の冷却水が往水路20f/ノズル台3/絶
縁水路20a/冷却水通流空間PS/復水路20rに流
れる。これにより冷却水通流空間PSの圧力はやや低下
するが、スプリングS1の押し力より大きいので、電極
台8は、その右方リミット位置(図2)に留まる。
【0041】図1に示すタングステン棒1の位置が突き
出し位置、図2に示す位置が退避位置である。
【0042】図3に、図1に示すプラズマト−チを駆動
する駆動系統を示すとともに、図4に各駆動系統を制御
するシーケンス回路を示す。また、図5には、該シ−ケ
ンス回路によって現われるプラズマト−チの動作タイミ
ングを示す。以上の図に従い、図1に示すプラズマト−
チを用いる溶接工程を説明する(シールドガス回路は省
略)。
【0043】図3を参照すると、ポンプPMはその電源
接点が閉となると、水タンク30より冷却水を汲み上げ
てプラズマト−チのノズル台3及びタングステン台8近
傍の水路に冷却水を循環させる。また、ソレノイドSP
のオンによりプラズマガス流路22に通じるバルブを開
としてプラズマガスをタングステン棒1先端に送り込
む。電極台8は主電源90及びパイロット電源80の負
極に接続される。パイロット電源80の正極は電流検出
回路40を介してノズル2に接続される。また、主電源
90の正極はワーク(加工対象物)Wに接続される。
【0044】図3及び図4を参照すると、図4に示され
る接点R1C1はリレーコイルR1の常開接点であり、同
じく接点Ta及び接点TbはそれぞれタイマT1および
タイマT2の常開接点であるとともに、図3に示される
接点RpC1及び図4に示されるRpC2は図3に示すリレ
ーコイルRpの常開接点である。また、図4に示される
接点RiC1は図3に示す電流検出回路40内のリレーコ
イルRiの常開接点である。なお、図3に示される接点
RmC1は、図4に示されるリレーコイルRmの常開接点
である。
【0045】図4に示すスタートスイッチSW1を押す
と、ストップスイッチSW2が常閉であるので、リレー
コイルR1,ソレノイドSP及びタイマT1がオンとな
り、接点R1C1は自己保持接点であり、閉となることに
よりリレーコイルR1,ソレノイドSP及びタイマT1
のオン状態がスイッチSW1がオフとなっても継続され
る。また、接点R1C1が閉となり、タイマT2がオン待
機状態(接点RiC1が閉となるとオンになる)となる。
ソレノイドSPのオンにより、プラズマガス流路22に
通じるバルブが開となり、プラズマガス(本実施例にお
いてはアルゴンArを使用している。)がプラズマガス
流路22を通じてタングステン棒1先端に送り込まれ
る。タングステン棒1周囲に圧縮されていたプラズマガ
スはキャップ12の圧力解放口12aより外部に放出さ
れる(プラズマガスリリーフ)。そしてタイマT1のタ
イムオーバにより接点Taが閉となり、リレーコイルR
pがオン状態となるので接点RpC1が閉となり、電極台
8/ノズル2間にタングステン棒1を介してパイロット
電流RIが流れる。パイロット電流RIが流れると電流
検出回路40がそれを検知し、内部のリレーコイルRi
をオンにする。これにより既にオン待機状態であったタ
イマT2がオンとなり、タイマT2のカウントオーバ後
にポンプPMの電源接点が閉となる。ポンプPMは水タ
ンク30より冷却水を汲み上げてプラズマト−チのノズ
ル台3及び電極台8近傍の水路に冷却水を循環させる。
【0046】電極台8近傍の水路に冷却水が満たされる
と、その水圧により前述のように電極台8及びそれに固
着されたタングステン棒1が退避位置(図2)に押さ
れ、パイロット電流が流れた状態でノズル2よりタング
ステン棒1の先端が離れるとパイロットアークがタング
ステン棒1/ノズル2間に起動する。例えばここで、パ
イロットアークが起動しなかった場合は、電極台8/ノ
ズル2間は電気的に絶縁状態にある為、電流検出回路4
0内のリレーコイルRiがオフとなり、ポンプPMの電
源接点が開となり、冷却水の循環が停止するのでスプリ
ングS1の付勢力により再度タングステン棒1/ノズル
2間が接触する。この時ストップスイッチSW2が押さ
れていなければ接点RpC2は自己保持を続けており、電
極台8/ノズル2間にパイロット電流RIが流れてタイ
マT2をオンとする。プラズマト−チは、パイロットア
ークが起動するまで以上の動作を繰り返す。
【0047】パイロットアークが起動すると、プラズマ
ト−チはパイロットアークを維持したままでメインアー
クのスタート待機状態となる。待機状態において、メイ
ンアークのスタートスイッチSW3がオンになると、リ
レーコイルRmがオンとなり、接点RmC1を閉とする。
これにより、電極台8を介してタングステン棒1/ワー
クW間にメイン電流が流され、メインアークがタングス
テン棒1/ワークW間に起動する。スイッチSW3は、
ここでは押す度にオンとオフが切り換わるものである。
【0048】ストップスイッチSW2が押されることに
より接点R1C1の自己保持が解除され、全てのリレー、
接点が元の状態に戻る。
【0049】図6には、電極台8の冷却水により先端側
面にかかる単位面積あたりの水圧をポンプPMの水圧対
応で示す。本実施例においては、ポンプPM水圧を5k
g/cm2とした。
【0050】−第2実施例− 図7に第2実施例を示す。この実施例では、ノズル台3
が第1支持部材Uaに、タングステン棒1の長手方向
(中心軸に沿う方向)に移動自在に支持されており、ね
じリング5で支えられた圧縮コイルスプリングS1が、
ノズル台3を右方(退避方向)に押している。電極台8
にはチャック9が挿入され、このチャック9をタングス
テン棒1が貫通している。電極台8に、電極カバ−Cに
固着された案内リング10がねじ結合しており、電極カ
バ−Cをねじ締め方向に廻わすことにより案内リング1
0が電極台8に対してチャック9を押し込み、これによ
りチャック9の、スリットにより周方向4分割された後
端部がタングステン棒1の軸心方向に加圧され、これに
よりタングステン棒1が電極台8に固着されている。こ
のようにチャック9を締め付けた状態では、電極台8が
基体Bに固定されているので、タングステン棒1は固定
である。
【0051】第1支持部材Uaの内部には、基体Bの往
水路20fの、部材Uaに対向する開口の位置に、リン
グ状の給水溝PSがあり、この給水溝PSと往水路20
fの開口とを連通とする横穴が第1支持部材Uaに開け
られており、この横穴が基体Bの往水路20fの開口と
整合している。またノズル台3の円筒状の冷却水通流空
間は給水溝に連通し、これにより往水路20fに供給さ
れた冷却水は給水溝PSを通ってノズル台3内部の冷却
水通流空間に至る。該冷却水通流空間は、後端部で、第
1支持部材Uaの内部のリング状の排水溝に連通してお
り、ノズル台3内部の冷却水通流空間に入った冷却水
は、該排水溝に入る。この排水溝に絶縁水路20aの入
口が対向する位置に該排水路に連通する横穴20aiが
あるが、図7に示すようにノズル台3がスプリングS1
の力で右方リミット位置(退避位置)に押されていると
きには、ノズル台3の後端がこの横穴20aiと排水溝
との間を実質上遮断している。給水溝PSの水圧が上昇
すると、これがスプリングS1の反発力に抗してノズル
台3を左方(突き出し方向)に押し出し、ノズル台3が
横穴20aiと排水溝の間から左方に退避するので、冷
却水は絶縁水路20aに出て電極台8の冷却水流路に入
り、そして電極台8から復水路20rに出る。第1支持
部材Uaと第2支持部材Ubの間には、絶縁スペ−サ7
により空間が形成されそこに、基体Bのプラズマガス流
路22を通してプラズマガスが供給される。該空間に入
ったプラズマガスは、ノズル台3の内部の中心にあって
タングステン棒1が通る空間を通って、またセンタリン
グスト−ン4の通気孔を通って、更にガス噴射口2gを
通って、ノズル2の外部に出る。
【0052】電極カバ−Cにはキャップ12がねじ結合
している。キャップ12の内部には、弁棒11を中心軸
に沿う方向に移動自在に案内する空間があり、そこに圧
縮コイルスプリングS2およびフランジ付弁棒11が挿
入されている。弁棒11にはカバ−Cの後端開口を閉じ
るOリングが装着されている。キャップ12には、弁棒
11のフランジより後端側の位置に、キャップ内空間と
連通する横穴(圧力解放口)12aがある。図7に示す
ようにタングステン棒1の先端がノズル2のガス噴射口
2gを閉じているときプラズマガス流路22にプラズマ
ガスを供給すると、ト−チ内部の、タングステン棒1周
りの圧力が上昇する(最高でプラズマガス供給圧)。こ
の圧力が圧縮コイルスプリングS2で定まる設定圧を越
えると、弁棒11が右方に移動してOリングが電極カバ
−Cの右端開口から離れ、プラズマガス供給前に滞留し
ていた空気がまず放出され次いで供給されたプラズマガ
スが放出されて、ト−チ内部の、プラズマガスが通流し
うる空間の圧力が設定圧未満に維持される。
【0053】なお、タングステン棒1は、チャック9/
電極台8/電極給電リ−ド(図示せず)の経路で図示し
ない電源回路に接続され、ノズル2は、ノズル台3/第
1支持部材Ua/ノズル給電リ−ド(図示せず)の経路
で図示しない電源回路に接続される。
【0054】ト−チにプラズマガス,シ−ルドガス,冷
却水ならびに動作電圧のいずれも加わっていないときに
は、図7に示すように、ノズル台3がスプリングS1で
退避方向(右方)に押され、タングステン棒1の先端が
ノズル2に当っている。なお、タングステン棒1のノズ
ル2に対する長さ設定は、水圧をかけた状態(作業状
態)で、電極カバ−Cの、電極台8に対するねじ締めを
緩めて電極台8に対するタングステン棒1の突き出し長
を図示しないタングステン棒長さ設定治具をガス噴出口
2gより押入し、タングステン棒1の先端を当てた状態
でチャック9を締め直しする突き出し長調整により、任
意に調整,設定することができる。図7には、ノズル台
3の後端面が支持部材Uaの排水溝の壁面に当っている
状態(ノズル台3が退避リミット位置にある状態)を示
すが、その状態よりも電極台8に対するタングステン棒
1の突き出し長を長くすると(作業状態)、タングステ
ン棒1の先端がノズル2に当ってノズル2は図7に示す
位置P1Bよりもやや左側に位置することになり、ノズ
ル2に対するタングステン棒1の接触圧は高い(スプリ
ングS1の反発力がそのまま加わる)。
【0055】シ−ルドガスは溶接の作業中(メインア−
クによるワ−クの加工中)に必要なものであり、メイン
ア−ク起動に同期して開始してもよいので、シ−ルドガ
スの供給タイミングに関しての説明は省略して、図7に
示すト−チの動作を説明する。
【0056】まずプラズマガス流路22へのプラズマガ
スの供給を開始すると、タングステン棒1周りの残留空
気を押しつつそこにプラズマガスが入って行く。このと
き、タングステン棒1がノズルのガス噴射口2gを塞い
でいるので、タングステン棒1周りの圧力が上昇する。
この圧力が設定圧に達すると弁棒11が右移動して、タ
ングステン棒1周りの気体(最初は残留空気)が横穴1
2aから出る。
【0057】次に、電極台8/ノズル台3間に、パイロ
ットア−ク起動電圧を印加し、往水路20fへの冷却水
の供給を開始すると、ノズル2/タングステン棒1の間
に短絡電流を生じると共に、給水溝PSの冷却水圧が設
定値に達したところでノズル台3が左方(突き出し方
向)に移動し、図8に示すように、タングステン棒1が
ノズル2から離れ、このように離れる間に、ノズル2/
タングステン棒1間の接触火花が、空隙を絶縁破壊しな
がらア−クを生じ、プラズマ放電(パイロットア−ク)
となる。すなわちパイロットア−クが起動する。一方、
ノズル台3が左移動することにより、横穴20aiの実
効通流面積(ノズル台3の排水溝と横穴20aiとの間
の通流開口面積)が広がり、大量の冷却水が往水路20
f/ノズル台3/絶縁水路20a/電極台8/復水路2
0rに流れる。これにより給水溝PSの圧力はやや低下
するが、スプリングS1の押し力より大きいので、ノズ
ル台3は、その左方位置(図8)に留まる。
【0058】図7に示すノズル台3の位置が退避位置、
図8に示す位置が突き出し位置である。
【0059】図7に示す第2実施例のプラズマト−チ
も、図3に示す駆動系統と同様な構成(ただしト−チは
第2実施例のもの)の駆動系統に組込んで、図4に示す
シ−ケンス回路で制御して、図5に示すような動作タイ
ミングを実現することができる。
【0060】また、パイロットアーク着火動作タイミン
グとして、スタート起動SW1と同時にポンプPMをO
Nにし、タイミングにより着火時のみポンプPMをOF
Fにしてタングステン棒1とノズル2を接触させ、パイ
ロット電流検出後、再度ポンプPMをONにしてパイロ
ットアークを着火させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1発明の一実施例の、使用待機の初期状態
である時の縦断面図である。
【図2】 図1示す第1発明の一実施例の、切断又は溶
接に使用中の状態を示す縦断面図である。
【図3】 図1に示すプラズマト−チを駆動する駆動系
統を示す。
【図4】 図3に示す各駆動系統を制御するシーケンス
回路である。
【図5】 図4に示すシ−ケンス回路によって現われる
プラズマト−チの動作タイミングを示す。
【図6】 (a)は第1発明の一実施例の、電極台8の
冷却水により先端側面にかかる単位面積あたりの水圧を
ポンプPMの水圧対応で示すグラフであり、(b)は第
1発明の一実施例の電極台8の冷却水により先端側面に
かかる単位面積あたりの水圧をポンプPMの水圧対応で
示す表である。
【図7】 第二実施例の、使用待機の初期状態である時
の縦断面図である。
【図8】 図7に示す第二実施例の、切断又は溶接に使
用中の状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:タングステン棒 2:ノズル 3:ノズル台 4:センタリングス
トーン 5:ねじリング 6:シールドキャッ
プ 7:絶縁スペーサ 8:電極台 9:チャック 10:案内リング 11:弁棒 12:キャップ 20f:往水路 20r:復水路 21:シールドガス流路 22:プラズマガス流
路 80:パイロット電源 90:主電源 SP:ソレノイド PM:ポンプ S1,S2:スプリング Ua,Ub:支持部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電電極;放電電極の先端に対向するガス
    噴射口を有し放電電極の先端部を包囲するノズル部材;
    ノズル部材を支持する第1支持部材;放電電極を支持す
    る電極台;前記電極台を、それが支持する放電電極の先
    端が前記ガス噴射口に近付く突き出し方向およびその逆
    の退避方向に摺動可能に支持し、電極台との間に、電極
    台を退避方向に押す水圧を与える冷却水通流空間を有す
    る第2支持部材;電極台を突出し方向に駆動するばね手
    段;および、 前記ガス噴射口に気体を供給するための流路ならびに前
    記冷却水通流空間に冷却水を通流するための給水路およ
    び排水路を有し、第1支持部材および第2支持部材を支
    持する基体;を備えるプラズマト−チ。
  2. 【請求項2】 電極台は、突き出し方向の移動で排水路
    と冷却水通流空間の間の通流面積を絞り、退避方向の移
    動で広げる、請求項1記載のプラズマト−チ。
  3. 【請求項3】放電電極;放電電極を支持する電極台;放
    電電極の先端に対向するガス噴射口を有し放電電極の先
    端部を包囲するノズル部材;ノズル部材を、そのガス噴
    射口が放電電極から離れる突き出し方向およびその逆の
    退避方向に摺動可能に支持し、ノズル部材との間に、ノ
    ズル部材を突き出し方向に押す水圧を与える冷却水通流
    空間を有する第1支持部材;ノズル部材を退避方向に駆
    動するばね手段;および、 前記ガス噴射口に気体を供給するための流路ならびに前
    記冷却水通流空間に冷却水を通流するための給水路およ
    び排水路を有し、第1支持部材および電極台を支持する
    基体;を備えるプラズマト−チ。
  4. 【請求項4】 ノズル部材は、退避方向の移動で排水路
    と冷却水通流空間の間の通流面積を絞り、突き出し方向
    の移動で広げる、請求項3記載のプラズマト−チ。
  5. 【請求項5】 放電電極周りの空間を介してガス噴射口
    に連通する開口と、該開口内に装着され該空間の圧力を
    ト−チ外部に放出するリリ−フ弁を備える、請求項1,
    請求項2,請求項3又は請求項4記載のプラズマト−
    チ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007188689A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 大気圧プラズマ処理方法及び装置
JP2007188811A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Nippon Steel Weld Prod & Eng Co Ltd プラズマトーチ

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