JPH08332489A - 抗菌性流体分離素子 - Google Patents

抗菌性流体分離素子

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JPH08332489A
JPH08332489A JP14201495A JP14201495A JPH08332489A JP H08332489 A JPH08332489 A JP H08332489A JP 14201495 A JP14201495 A JP 14201495A JP 14201495 A JP14201495 A JP 14201495A JP H08332489 A JPH08332489 A JP H08332489A
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JP
Japan
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liquid flow
antibacterial
fluid separation
supply liquid
flow passage
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JP14201495A
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English (en)
Inventor
Shigeyoshi Nagaoka
茂好 長岡
Tetsuo Inoue
哲男 井上
Hiroyuki Gomi
弘之 五味
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 表面に孔を有する中空状の中心管の周囲に第
1の液体分離膜、分離液流路材、第2の流体分離膜およ
び供給液流路材を一組とするユニットの単組または複組
を巻き付けてなる流体分離素子において、該供給液流路
材が抗菌性を有することを特徴とする抗菌性流体分離素
子。 【目的】 供給液流路にあるネットに菌や微生物が繁殖
・付着する問題を解決するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流体分離膜を用いた流体
分離素子に関する。さらに詳しくは一般に該流体分離素
子は純水製造、海水淡水化、有価物回収、及び濃縮とい
う様に種々の液体分離に用いられているものであるが、
本発明は、該流体分離素子の供給液流路材に改良を加
え、液が通過する時に徐々に生じる供給液流路材に付着
する微生物による圧力損失を大幅に低減せしめる、安定
した性能を維持せしめるものである。
【0002】
【従来の技術】まず流体分離素子の構造を図を用いて説
明する。図1に示す如く、第1の流体分離膜3と第2の
流体分離膜4との間に分離液流路材5をはさみ込んだ構
成をなし、孔2を有する中心管1の方向のみ開口する様
に第1の流体分離膜と第2流体分離膜の残りの3方向を
接着剤等で封筒状に封止したものと供給液流路材6とを
一つのユニットとして、その単数または複数ユニットを
中心管のまわりに巻き付けて流体分離素子を構成する。
該流体分離素子の端面から供給液10を供給し他端面よ
り濃縮液12として排出させる間に流体分離膜3、4を
透過した分離液11は分離液流路材5を介して、中心管
1より取り出される。
【0003】一般に該供給液流路材に要求される機能は
均一に膜面上に液を供給し流動抵抗の少ないものが要求
される。従来では市販されているネットでポリプロピレ
ン又はポリエチレン製のものが使用されている。その従
来ネットの概略図を図2に示す。さらに断面構成を図3
に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般には供給液には菌
や微生物を多く含むため、塩素やクロラミンなど殺菌剤
を用いて、供給液中の菌や微生物を殺菌する。殺菌剤は
同時に流体分離膜を劣化させるため極力低濃度で用いる
か、殺菌したあと亜硫酸ソーダなど還元剤を用いて殺菌
剤を中和した後、流体分離素子に通液する。
【0005】この酸化剤の適性濃度は供給液中の菌や微
生物の種類や量、あるいは供給液中の金属類の種類や溶
解量によって変わる。このためプラント毎に、あるいは
同一プラントでも季節によって異なる。
【0006】このためしばしば酸化剤濃度が高すぎて流
体分離膜が劣化する、あるいは酸化剤濃度が低すぎて従
来ネットを供給液流路材に用いる場合、ネットに菌や微
生物が繁殖し、付着するため、供給液流路に狭い部分が
でき、供給液が流体分離素子中を均一に流れず、濃度分
極を起こし透過水量が低下する、あるいは分離性能が低
下する、さらに液が通過する際に生じる圧力損失を大幅
に増加せしめるなどの問題が発生する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は供給液流路にあ
るネットに菌や微生物が繁殖・付着する問題を解決する
ものであり、かかる目的は、以下の構成により基本的に
達成されるものである。
【0008】すなわち、「表面に孔を有する中空状の中
心管の周囲に第1の液体分離膜、分離液流路材、第2の
流体分離膜および供給液流路材を一組とするユニットの
単組または複組を巻き付けてなる流体分離素子におい
て、該供給液流路材が抗菌性を有することを特徴とする
抗菌性流体分離素子」である。
【0009】抗菌性の程度や抗菌スペクトラムは特に限
定されるものではないが、例えば、以下の基準にて菌数
増減値差が1.6以上より好ましくは2.6以上である
ことが挙げられる。また、銀ゼオライト等銀系無機抗菌
剤または、アミジン基乃至はグアニジン基を有する化合
物又は第4級アンモニウム塩が、後述する範囲の重量%
で含有されることにより達成される程度の抗菌性を有す
ることが好ましい。
【0010】[抗菌性の評価方法]試験方法は、菌数測
定法を採用する。試験菌体は黄色ブドウ状球菌(Sta
-phylococcus Aureus ATTC6
538p)を用いる。試験方法は減菌試料布に上記試験
菌のブイヨン懸濁液を注加し、密閉容器中で37℃、1
8時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を
測定し、次の基準に従う 。
【0011】log(B/A)>2の条件下、log
(B/C)を菌数増減値差とし、1.6以上を合格レベ
ルとする。
【0012】ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収
した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した
菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を
表わす。
【0013】抗菌性を持たせる方法としては第4級アン
モニウム塩等の含窒素化合物を後処理でネットにコーテ
ィングする方法や銀ゼオライト等銀系無機抗菌剤をネッ
ト素材の中に混入する方法がある。コーティング法にお
いてはネット部材に対して抗菌成分を0.05〜3.0
wt%付与することが望ましい。0.05wt%以下で
は抗菌性が不十分となり、3.0wt%以上ではネット
がもろくなる傾向がある。
【0014】[銀ゼオライト]本発明に用いる銀ゼオラ
イトの化合物は、下記一般式〔I 〕 Agx y z 2 (PO4 3 〔I〕 (Aはアルカリ金属、MはZr,Ti又はSn、x,y
及びzは、各々1未満の正数であり、かつx+y+z=
1である。)で示される化合物である。これは空間群R
3cに属し、各構成イオンが3次元網目を 作る化合物
である。
【0015】上式におけるAはアルカリ金属であり、具
体的にはLi,Na及びK等の金属であり、MはZr,
Ti又はSnである。
【0016】上記のリン酸塩系化合物の具体例として
は、以下のものがある。
【0017】 Ag0.010.95Li0.04Zr2 (PO4 3 Ag0.050.85Li0.10Zr2 (PO4 3 Ag0.100.80Li0.10Ti2 (PO4 3 Ag0.100.85Li0.05Zr2 (PO4 3 Ag0.200.75Na0.05Ti2 (PO4 3 Ag0.300.45Na0.25Zr2 (PO4 3 Ag0.350.60Na0.05Sn2 (PO4 3 Ag0.500.450.05Sn2 (PO4 3 Ag0.500.40Li0.10Ti2 (PO4 3 Ag0.700.250.05Ti2 (PO4 3 Ag0.920.05Li0.03Zr2 (PO4 3 上記のリン酸塩系化合物は、例えば以下のようして得ら
れる。
【0018】即ち、炭酸リチウム(Li2 CO3 )又は
炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )等のアルカリ金属を含
有する化合物、酸化ジルコニウム(ZrO2 )又は酸化
チタン(TiO2 )等のZr、Ti又はSnを含有する
化合物及びリン酸二水素アンモニウム(NH4 2 PO
4 )等のリン酸基を含有する化合物をモル比で約1:
4:6となるように混合したものを、1100〜140
0℃で焼成することにより、一般式 AM2 (PO4
3 (A及びMは上記と同じ)で示される化合物を得た
後、これを常温〜100℃における硝酸、硫酸及び塩酸
等の無機酸水溶液中に浸漬することにより、一般式H
(1-Z) Z 2 (PO4 3 で示される化合物〔II〕を
得る。更にこれを適当な濃度で銀イオンを含有する水溶
液中に浸漬することにより、一般式Agx y z 2
(PO4 3 で示される化合物〔I〕を得る。
【0019】一般に、化合物〔I〕におけるxおよびy
の値は大きい方が、高い防かび及び抗菌性を発揮させる
ことができるので、化合物〔I〕におけるzの値は小さ
い方がよく、0.3未満の値とすることが好ましい。ま
た、アルカリイオンとHイオンとのイオン交換反応の容
易性から、下限は0.05以上とするのが好ましい。
【0020】xの値が、極めて小さい場合でも防かび及
び抗菌性を発揮させることができるが、0.001未満
であると長時間防かび及び抗菌性を発揮させることが困
難となる恐れがあることと、経済性をも考慮すると、
0.01以上かつ0.5以下の値とするのが好ましい。
【0021】又、xの値は、必要とする特性及び使用条
件等に応じて、水溶液における銀の濃度又はその水溶液
に化合物〔II〕を浸漬する時間又は温度等を調整するこ
とにより、適宜調整することができる。
【0022】なお、yの値は(1−x−z)に等しい値
であるので、上記のようにx及びzの値を好ましい範囲
にすれば、yの好ましい値は0.2より大きく0.94
以下の値と自から決定される。
【0023】この化合物は熱及び光の暴露に対して安定
であり、800℃での加熱後であっても構造及び組成が
全く変化せず、又紫外線の照射によっても何等変色しな
い。従って、各種成形加工物を得る際の加工条件におい
て、従来の有機系の抗菌剤のように、加熱温度或いは遮
光条件等の制約がない。
【0024】本発明で抗菌剤として用いる銀化合物は、
以下のように銀イオンとHイオンが関与する複合作用に
より、防かび及び抗菌性を発揮する。
【0025】まず、化合物〔I〕が水分と接触すると、
銀イオンの極微量がイオン化して溶出する。防かび及び
抗菌性を発揮させるのに必要な銀イオン濃度は、対象と
なるかび、菌の種類及び環境により異なるが、数μg/
l 〜数百μg/l の範囲と言われている。
【0026】本発明の抗菌剤においては、この溶出量を
一般式におけるx及びyの値を決めれば 容易に制御で
きる。この理由は、化合物中における銀原子と酸素原子
との結合において共有性が強いため、溶出を極微量にす
ることが可能となったものと考えられる。
【0027】又、化合物〔I〕におけるHイオンは、化
合物内で酸素原子とのイオン結合によって存在し、水分
との接触によってイオン平衡に達するまで容易に遊離さ
せることができ、その結果、液性が酸性になり、酸に弱
いかび及び菌の発生を抑制するのに効果がある。
【0028】上記の複合作用は、ゼオライト等の粘土鉱
物には見られない作用である。
【0029】銀ゼオライトとしては粒子径0.3〜0.
8μm1、真比重2.5〜3.5、見掛け比重0.15
〜0.25g/cm3 、水分1%以下のものが、生産性を
損なわずに安定した性能を示す。
【0030】銀系無機抗菌剤としては東亜合成化学工業
(株)の「ノバロンAG300」などがよく知られてい
る。銀系無機抗菌剤の混入率は0.02〜3.0wt
%、好ましくは0.08〜1.2%が望ましい。0.0
2wt%以下では抗菌性が不十分となり3.0wt%以
上ではネット部材の強度など特性が変化する傾向がある [アミジン基乃至はグアニジン基を有する化合物又は第
4級アンモニウム塩]本発明で抗菌成分として用いる含
窒素化合物としては、各種の化合物が使用される。たと
えば、アミジン基、グアニジン基などの各塩基性基もし
くはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩などの塩を有する化合物および第4アンモニウム塩な
どが挙げられる。アミジン基を含有する化合物として
は、4,4´−スチルベンージカルボオキサミジンージ
イセチオネート(即ち、スチルバミン・イセチオン酸
塩)、N´ー(4−クロロー2−メチルーフェニル)ー
N,Nージメチルーメタニミド(即ち、クロルジメフォ
ルム)などを、グアニジン基を含有する化合物として
は、1,17−ジグアニジノー9−アザーヘプタデカン
(即ち、グアザチン)、p−(クロロフェニルジグアニ
ド)−ヘキサン(即ち、クロルヘキシジン)、p−ベン
ゾキノン−アミジノーハイドラゾンーチオセミカルバゾ
ン(即ち、アンバゾン)などを、第4アンモニウム塩と
しては、ベンザルコニウム・クロライド、ベンゼトニウ
ム・クロライドなどをそれぞれ挙げることができる。勿
論、これらの化合物は一例であり、上記以外の化合物を
も用いうることはいうまでもない。上記化合物の中でも
高い安全性を有し、かつタンパク質などが存在しても抗
菌力が低下しないという点で、p−(クロロフェニルジ
グアニド)−ヘキサンまたはその塩が好適である。
【0031】かかる塩基性官能基を有する抗菌成分は、
これと反応する酸性基含有重合体(単独重合体でも共重
合体でもよい)と反応させた上、用いることが好まし
い。酸性基含有重合体を構成する酸性基含有単量体とし
ては、スルホン基、カルボキシル基、ホスホン基、フェ
ノール性ー水酸基などの各酸性基、もしくはこれらのナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの塩を有
する単量体が挙げられる。
【0032】スルホン基を有する単量体としては、スチ
レンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン
酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタ
クリレート、3−クロロー4−ビニルベンゼンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、2−アクリロイルオキシベンゼンスルホン酸、2−
アクリロイルオキシナフタレン−2−スルホン酸、2−
メタクリロイルオキシナフタレン−2−スルホン酸、2
−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシフロピルスル
ホン酸などを、カルボキシル基を含有する単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、3−ブテン−1,
2,3−トリカルボン酸、4−ペンテノイック酸など
を、ホスホン基を有する単量体としては、アリルホスホ
ン酸、アシドホスフオキシエチルメタクリレート、3−
クロロ−2−アシッドホスフオキシプロピルメタクリレ
ート、1−メチルビニルホスホン酸、1−フェニルビニ
ルホスホン酸、2−フェニルビニルホスホン酸、2−メ
チル−2−フェニルビニルホスホン酸、2−(3−クロ
ロフェニル)ビニルホスホン酸、2−ジフェニルビニル
ホスホン酸などを、フェノール性水酸基を有する単量体
としては、o−オキシスチレン、o−ビニルアニソール
などを挙げることができる。
【0033】かかる単量体は、単独で用いても2種以上
を併用してもよい。またこれらの酸性基を有する単量体
と共重合可能な他の単量体を併用してもよい。かかる単
量体としては、最終製品である抗菌性繊維の用途に応じ
て広い範囲から選択することができる。その具体例とし
て、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、スチ
レンおよびその誘導体、ブタジエン、アクリルアミドお
よびその誘導体、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒド
ロキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
【0034】重合方法としては、エマルジョン重合法、
溶液重合法、塊状重合法など通常の重合法がいずれも採
用できる。なかでもエマルジョン重合法は得られる重合
体の粒子表面に酸性基が多く分布する傾向があるので好
ましく用いられる。
【0035】かかる単量体を重合してなる酸性基含有重
合体を、塩基性基含有抗菌成分と反応させることにより
抗菌性反応生成物が得られる。
【0036】また第4アンモニウム塩の中で、風合変化
ならびに摩擦堅牢度の低下を伴うことなく、安全性の高
い抗菌防臭効果を達成するものとして、式[III ]で表
わされる化合物は特に好ましく用いられる。
【0037】
【化1】 (R1 は炭素数12〜16のアルキル基、R2 ,R3
4 は炭素数1〜2のアルキル基、Buはブチル基を示
す。) 式[III ]において、R1 の炭素数が12〜16のアル
キル基とするものであって、炭素数が11以下または1
7以上では抗菌力が不十分となる。
【0038】また、式[III ]において、R2 ,R3
4 を炭素数1〜2のアルキル基とするものであって、
炭素数を3以上とすると粘度が上がり製造上好ましくな
く、また水に対する溶解性が低くなる。
【0039】第4アンモニウム塩基の中和に用いられる
陰イオンとしては、防錆性の理由からアルキルリン酸イ
オンが選択される。さらにアルキル基としては、炭素数
が4、即ち、ブチル基が選択されるものである。ブチル
基としては、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter
t−ブチル基のいずれも好ましく用いられる。
【0040】アルキル基の炭素数が3以下では、安全性
の面で好ましくなく、アルキル基の炭素数が5以上では
粘度が高くなり合成が難しくなるとともに、アルキル基
の数が1と2であるアルキルリン酸イオンの混合物とな
り、安全性の面で好ましくない。
【0041】また、メラミン系化合物との併用により、
さらに持続性に優れた抗菌性を有し、安全かつ容易に繊
維材料に抗菌性を付与することができ、しかも加工装置
を腐蝕させることがない抗菌性樹脂の使用はさらに好ま
しい。
【0042】本発明において、抗菌性樹脂は、下記式
[IV]または式[V ]で示される第4アンモニウム塩化
された1価または2価のリン酸エステル基を有するビニ
ル系重合体または共重合体からなっている。
【0043】
【化2】
【化3】 (上記式[IV]と式[V ]中、Rは高分子主鎖または有
機残基を示し、R1 は炭素数8〜18のアルキル基を示
し、R2 は炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基ま
たは置換アリール基を示す。) 上記式[IV]または式[V ]で示される第4アンモニウ
ム塩化されたリン酸エステル基を有するビニル系重合体
または共重合体は優れた抗菌性を有している。しかも、
両性を有する高分子物質であるため、合成繊維や天然繊
維に強固に付着させることができる。このため、持続
性、洗濯耐久性に優れた抗菌性繊維構造物を得ることが
できる。また、水溶液や水ーアルコール混合溶液として
得られるため、繊維材料への適用が容易であり、かつ装
置を腐蝕させることがないという利点を有している。
【0044】次に、本発明で使用するメラミン系化合物
の例としては、下記一般式で示されるものが挙げられ
る。
【0045】
【化4】 式中、R0 〜R2 :−H、−OH、−C6 5 、Cn
2n+1 (n :1〜10)、−COOCn 2n+1 (n :
1〜20)、−CONR3 4 、−NR3 4(R3
4 :−H、−OH)、−OCn H2n+1 、−CH2
n 2n+1、−CH2 COOn 2n+1 (n :1〜2
0)、−CH2 OH、−CH2 CH2OH、−CONH
2 、−CONHCH2 OH、−O(X−O)n
5 (X:−C2 4 −、−C3 6 −、−C4 8 −、
n :1〜1500、R4 :−H、−CH3 、−C
2 5 、−C3 7 ) 上記一般式のなかでも好ましい化合物は、R0 、R1
−NR3 4 である化合物であり、そのなかでもR2
−CONR3 4 、−NR3 4 であるものがより好ま
しい。更にR3 、R4 が−CH2 OH、−CH2 CH2
OH、−CONH2 、−CONHCH2 OHである化合
物が特に好適である。
【0046】かかるこれらの化合物は一例であり、上記
以外の化合物や誘導体も用いうることはいうまでもな
い。
【0047】メラミン系化合物は、重合性官能基を少な
くとも2個有するものが繊維表面で形成される樹脂被膜
の耐久性が向上し好適である。
【0048】かくして、抗菌成分として前記抗菌単独成
分あるいは抗菌成分が酸性基含有重合体または/及び共
重合体と反応した抗菌性反応生成物と被膜形成主要成分
としてのメラミン系化合物とからなる抗菌性被膜が繊維
構造体を構成している繊維表面に形成されるものである
が、該膜の耐久性に対する作用機構としては、上記被膜
形成主要成分であるメラミン系化合物が、繊維基質ポリ
マ内で重合あるいは架橋し2次元又は3次元構造化する
と同時にその一部が繊維基質ポリマの官能基とも化学結
合を惹起し、網状不溶化して繊維に強固に固着するため
該膜の耐久性を著しく向上させて、優れた耐温水洗濯性
および耐ドライクリーニング性を発揮させることができ
るのである。
【0049】上記抗菌成分と該被膜形成主要成分を繊維
構造体に付与する方法の代表例としては、上記成分を含
有する水性液に重合開始剤あるいは架橋触媒を添加した
同一処理浴で該構造体をパッテイングまたはスプレー処
理したのち、湿潤下で反応処理する方法がある。反応は
室温以上の温度で行なうことができるが、通常は蒸熱処
理する。上記2成分を別浴で処理することもできる。す
なわち、まず抗菌成分を含有する処理浴で繊維構造体を
パッテイングまたはスプレー処理した後、乾熱または蒸
熱処理し、次に該被膜形成主要成分を含む水性液に重合
開始剤または架橋触媒を添加した別処理浴で該構造体を
パッテイングまたはスプレー処理し、蒸熱処理すること
もできる。
【0050】重合開始剤は、アルキレングリコール単位
を有するアクリル系化合物を重合反応させるときに使用
される。具体例としては過硫酸アンモン、過硫酸カリ、
アゾビスイソブチロニトリル等、一般的なビニル重合開
始剤でよく、またかかる重合開始剤の種類を選択するこ
とにより適宜所望処理条件で被膜処理することができ
る。
【0051】一方、触媒はメラミン系化合物を架橋反応
させる時に使用され、具体例としてはギ酸、酢酸をはじ
めとする各種の有機カルボン酸及びそれらのアンモニウ
ム、ナトリウム、カリウム等の有機塩及び硫酸、過硫
酸、塩酸、リン酸、硝酸等のアンモニウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄
等の無機塩及びこれらの複塩などが挙げられる。勿論、
上記した化合物は限定されない。
【0052】この蒸熱処理は80〜140℃、好ましく
は100〜130℃で0.5〜30分間の条件で行な
う。乾熱処理は、80〜150℃、好ましくは100〜
130℃で乾燥した後、100〜220℃、好ましくは
140〜190℃で0.5〜5分間の条件で行なう。
【0053】本発明方法に従って、パッテイングまたは
スプレー処理するのに用いる処理液中には、撥水剤、吸
水剤、帯電防止剤、等、他の薬剤を添加してもよい。
【0054】また、抗菌剤をコーティング時、抗菌剤の
定着性を向上させたりする等のその他の添加剤を用いて
もよい。特に限定されるものではないが、かかる定着性
を向上させる薬剤としてはメラニン系化合物があげられ
る。前記効果が達成されるのならば特に限定されるもの
ではないがメラニン系化合物を0.05〜2.0wt%
付与することが望ましく、より好ましくは0.1〜1.
2wt%である。また、添加方法は、抗菌剤溶液に混合
してもよいし、抗菌剤のコーティングの前後でもよい
が、抗菌効果及び定着効果を高めるためには両者が混合
していることが好ましく、よって、両者を混合してコー
ティングするか、いずれかのコーティング液が完全乾燥
する前に引く続いてコーティングすることが好ましい。
【0055】この方法はネットに代えて、供給液流路に
用いられる表面に凸凹を有するフィルムであってもよ
い。
【0056】流路材の材質としてはポリプロピレン、ポ
リエチレン、ナイロン、ポリエステルなどがピッチは
1.5〜4.5mm1、厚みは0.5〜1.0mmのネット
状物が望ましい。
【0057】本発明の抗菌性流体分離素子の用い方、用
途として特に限定されるものではなく、分離膜などを適
宜選択することなどにより、液体から液体の分離、液体
から気体の分離、あるいは分離対象の液体として水溶液
あるいは非水溶液などを選択することも可能である。特
に好適には、水溶液の分離、例えば、海水淡水化、超純
水の製造、ジュース、だし等の食品での成分濃縮で用い
ることが挙げられる。かかる水溶液の分離においては、
分離膜としては架橋性ポリアミド膜が特に適している。
【0058】
【実施例】次に本考案による実施例を示す。
【0059】ピッチ3.8mm×3.8mm厚み0.8mmの
ポリプロピレン製ネットを用いた流体分離素子を用いて
比較テストを行った。
【0060】実施例1は、銀ゼオライト(ノバロンAG
300)を1%混入した抗菌性を持つネットを用いた流
体分離素子である。比較例1は従来のポリプロピレン製
ネットを用いた流体分離素子である。供給水として河川
水を用い、塩素を0.5ppm添加しついで亜硫酸ソー
ダを5ppm添加し圧力15kg/cm2 流体分離素子に通
水し回収率が20%で6か月運転した。 その時の分離
性能、透過水量、圧力損失は表1の通りであり、本発明
のサンプル1の効果が証明された。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】以上の通り、本発明の流体分離素子は、
従来のものに比べて抗菌性を持たせた供給液流路材を用
いる事により、分離性能、透過水量の低下が小さく、圧
力損失の増加も少ないことが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】流体分離素子であって、その一部を切断、巻き
ほぐした状態を示す外観図である。
【図2】供給液流路材として使用されているネットの上
面図である。
【図3】前記図2のA−A方向断面図である。
【符号の説明】
1:中心管 2:孔 3:第1の流体分離膜 4:第2の流体分離膜 5:分離液流路材 6:供給液流路材 7:端板 8:端板 9:シール材 10:供給液 11:分離液 12:濃縮液 13:フィラメントワインデング 14:ストランド1 15:ストランド2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/50 560 C02F 1/50 560E B01D 39/14 B01D 39/14 G 39/16 39/16 C 63/10 63/10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給液流路材が抗菌性を有することを特
    徴とする抗菌性流体分離素子。
  2. 【請求項2】 表面に孔を有する中空状の中心管の周囲
    に第1の液体分離膜、分離液流路材、第2の流体分離膜
    および供給液流路材を一組とするユニットの単組または
    複組を巻き付けてなることを特徴とする抗菌性流体分離
    素子。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の流体分離素子において、
    該供給液流路材が抗菌性を持つネットであることを特徴
    とする抗菌性流体分離素子。
  4. 【請求項4】 供給液流路材が、抗菌性を持つ表面に凹
    凸溝を有するフィルムであることを特徴とする請求項1
    記載の抗菌性流体分離素子。
  5. 【請求項5】 供給液流路材に銀ゼオライトを含んでい
    ることを特徴とする請求項1記載の抗菌性流体分離素
    子。
  6. 【請求項6】 供給液流路材にアミジン基乃至はグアニ
    ジン基を有する化合物又は第4級アンモニウム塩を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の抗菌性流体分離素
    子。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の流体分離素子を用いるこ
    とを特徴とする水溶液の分離処理方法。
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