JPH08327586A - 酸素センサの異常診断装置 - Google Patents
酸素センサの異常診断装置Info
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- JPH08327586A JPH08327586A JP7138244A JP13824495A JPH08327586A JP H08327586 A JPH08327586 A JP H08327586A JP 7138244 A JP7138244 A JP 7138244A JP 13824495 A JP13824495 A JP 13824495A JP H08327586 A JPH08327586 A JP H08327586A
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Abstract
に検出する。 【構成】酸素センサは、電圧印加時に酸素濃度に対応し
たほぼ一定の限界電流を出力する電圧−電流特性を有す
る。空燃比検出ルーチンにおいて、CPUは前回の異常
診断から所定時間が経過した際に異常診断を行う(ステ
ップ105〜110)。このとき、CPUは、電圧−電
流特性上、必ず負のセンサ電流Inが流れるような負の
印加電圧Vnを酸素センサに印加する(ステップ10
5)。また、負のセンサ電流Inが「0」を含む異常判
定値Incを越える場合(In≧Inc)、断線異常で
あるとみなす(ステップ107がNO)。一方、所定時
間Taの待機後、センサ電流Inが所定の異常判定値I
ncを越える場合にもセンサ異常であるとみなす(ステ
ップ109がNO)。
Description
センサに適用される異常診断装置に関するものである。
は、排気ガス中の酸素濃度に応じて空燃比をリニアに検
出する限界電流方式の酸素センサが採用されている。こ
の限界電流方式の酸素センサは、電圧印加時に酸素濃度
に対応したほぼ一定の限界電流を出力する電圧−電流特
性を有し、前記自動車用エンジンの空燃比制御システム
では、その時の限界電流値に応じて空燃比が求められ
る。
は、そのセンサ異常を精度良く検出する技術が要望され
ており、この種の技術として例えば特開平1−2624
60号公報では、酸素センサの電圧−電流特性における
平坦領域(限界電流域)で印加電圧を徐々に変化させ、
その際の限界電流の低下の程度に応じて酸素センサの劣
化状況を診断するようにしている。
は、例えば断線時等、センサ出力が変化しないような異
常発生時にその異常を検出することができない。つま
り、上記公報の診断方法では、断線異常時のセンサ出力
が「0mA」のまま変化しない場合に、正常であると誤
判定してしまうおそれがあった。
A」であれば、断線異常であると判定することも考えら
れるが、酸素センサが正常であっても理想空燃比(スト
イキ)でセンサ出力(限界電流)が「0mA」となるた
め、単にセンサ出力を判定するだけでは確実な異常判定
を行うことができなかった。
ものであって、その目的とするところは、限界電流式酸
素センサの異常を容易に且つ正確に検出することができ
る酸素センサの異常診断装置を提供することにある。
に、請求項1に記載の発明は、電圧印加時に酸素濃度に
対応したほぼ一定の限界電流を出力する電圧−電流特性
を有する酸素センサに適用される異常診断装置であっ
て、前記酸素センサの電圧−電流特性上、正の電流又は
負の電流が流れる電圧領域の診断用電圧を印加する電圧
印加手段と、前記電圧印加手段により診断用電圧を印加
した際に、前記酸素センサにより検出される電流値が少
なくとも「0」を含む所定の電流範囲内にあれば、当該
酸素センサが異常である旨を診断する異常診断手段とを
備えることを要旨としている。
載の発明において、前記異常診断手段は、前記酸素セン
サにより検出される電流値が「0」の時に断線等の異常
であるとする。
2に記載の発明において、自動車用エンジンの排気管に
設けられ、カップ状に形成された酸素濃度検出素子の内
側に酸素濃度既知のガスを導くと共に、その外側に排気
ガスを導く酸素センサに適用され、前記異常診断手段
は、前記電圧印加手段による電圧印加から所定時間が経
過した後に前記酸素センサにより検出される電流値が少
なくとも「0」を含む所定の電流範囲内にあれば、当該
酸素センサが異常である旨を診断する。
は、酸素センサの電圧−電流特性上、正の電流又は負の
電流が流れる電圧領域の診断用電圧を印加する。異常診
断手段は、電圧印加手段により診断用電圧を印加した際
に、酸素センサにより検出される電流値が少なくとも
「0」を含む所定の電流範囲内にあれば、当該酸素セン
サが異常である旨を診断する。
素濃度に対応したほぼ一定の限界電流を出力する電圧−
電流特性を有している。この場合、同電圧−電流特性に
おいては、自動車の空燃比制御における理想空燃比であ
れば限界電流が「0」になる。また、酸素過多域(リー
ン領域)では限界電流が正の電流に、酸素過小域(リッ
チ領域)では限界電流が負の電流になる。一方、酸素セ
ンサが正常であれば、酸素濃度に関係なく正の電流又は
負の電流が流れる電圧領域が存在し、同電圧領域では理
想空燃比であっても正又は負の電流が流れる。
し、その電圧印加に伴うセンサ電流により異常診断を実
施することにより、容易に且つ正確に異常診断が実施で
きる。このとき、センサ電流が「0」を含む所定範囲内
にあれば、その時の酸素濃度に関係なく異常の旨が断定
できるため、他のソフトウエア処理等を必要とすること
なく、簡単な処理で異常診断が実現される。つまり、セ
ンサ電流がほぼ「0」の場合には、それが酸素濃度状態
によるものか、異常によるものかを判別する処理が必要
になるが、上記構成ではこれを必要としない。
手段は、酸素センサにより検出される電流値が「0」の
時に断線異常であるとする。つまり、上述の電圧領域で
はセンサ電流が流れるはずであるため、センサ電流=0
であれば、断線異常であると特定できる。
は、素子割れも考えられる。即ち、この種の限界電流式
酸素センサは、濃淡電池形で構成されているため、素子
(固体電解質からなる酸素濃度検出素子)が割れてしま
うと、素子内外が連通し、ガスの濃度差がなくなる。よ
って、センサ電流が「0」になる。そこで、本明細書で
は、断線異常とは、センサ電流が「0」になる異常のこ
とを広義に意味し、素子割れ異常をも含むものとする。
手段は、電圧印加手段による電圧印加から所定時間が経
過した後に、酸素センサにより検出される電流値が少な
くとも「0」を含む所定の電流範囲内にあれば、当該酸
素センサが異常である旨を診断する。つまり、酸素濃度
検出素子(例えば、ジルコニア等の固体電解質)をカッ
プ状に形成し、その内側に酸素濃度既知のガス(例え
ば、大気)を導くと共に、その外側に排気ガス中に導く
ようにした酸素センサでは、酸素濃度検出素子の内外の
酸素イオン伝導性を利用して限界電流を検出する。とこ
ろが、酸素濃度検出素子の内側(大気室)に通じる通路
が塞がると、同室内の酸素が欠乏し、正常な酸素濃度の
検出動作が確保できなくなる。この場合、酸素過小域
(リッチ領域)でのセンサ電流が流れなくなるが、酸素
濃度検出素子の内側(大気室)に残留する酸素により瞬
間的にはセンサ電流が流れる。従って、電圧印加後、所
定時間経ってから異常診断を行うことで、上記如く時差
的に異常の症状が現れる場合にも対処でき、正確な異常
診断が可能となる。
燃比制御装置にて具体化した第1実施例を図面に従って
説明する。
比制御装置の概要を示す構成図である。図1において、
4気筒火花点火式ガソリンエンジン(以下、単にエンジ
ンという)1には吸気管2と排気管3とが接続されてい
る。吸気管2の途中にはサージタンク4が設けられ、同
サージタンク4の上流側には、図示しないアクセルペダ
ルの踏み込み操作に連動するスロットルバルブ5が配設
されている。また、エンジン1における各気筒毎の吸気
管(吸気ポート)2には、各気筒の燃焼室7に燃料(ガ
ソリン)を噴射供給するためのインジェクタ6が配設さ
れている。
されている。イグナイタ10ではバッテリ11の電圧か
ら高電圧が生成され、その高電圧がディストリビュータ
12により各点火プラグ8に分配される。ディストリビ
ュータ12には、エンジン1のクランク軸の回転に伴い
所定のクランク角毎(例えば、30°CA毎)にクラン
ク角信号を発生するクランク角センサ21が配設されて
いる。また、サージタンク4には吸気管内圧力センサ2
2が設けられ、同センサ22により吸気管内圧力(吸気
負圧)が検出される。エンジン1のシリンダブロックに
はエンジン冷却水の温度を検出するための水温センサ2
3が設けられている。
式の酸素センサ26が設けられており、この酸素センサ
26は排気ガス中の酸素濃度に比例してリニアな検出信
号を出力する。なお、酸素センサ26の下流には図示し
ない触媒コンバータが配設されており、同コンバータに
て排気ガスが浄化されるようになっている。
(以下、ECUという)40に入力される。ECU40
は、バッテリ11を電源として動作し、イグニションス
イッチ28のオン信号によりエンジン1を始動させると
共に、エンジン運転中は酸素センサ26の出力信号に基
づいて空燃比補正係数を増減補正することで空燃比を目
標空燃比(例えば、理論空燃比)近傍にフィードバック
制御する。また、ECU40は後述するセンサ異常診断
処理を実行して酸素センサ26の異常の有無を診断し、
異常時には警告灯29を点灯して運転者に異常発生の旨
を警告する。
酸素センサ26の電圧−電流特性を示す図である。図3
(a)において、酸素センサ26は排気管3の内部に向
けて突設されており、同センサ26はカバー31、セン
サ本体32及びヒータ33に大別される。カバー31は
断面コ字状をなし、その周壁にはカバー内外を連通する
多数の小孔31aが形成されている。センサ本体32は
空燃比リーン領域における酸素濃度、若しくは空燃比リ
ッチ領域における一酸化炭素(CO)等の可燃ガス濃度
に対応する限界電流を発生する。
センサ本体32において、断面カップ状に形成された固
体電解質34の外表面には、排気ガス側電極層36が固
着され、内表面には大気側電極層37が固着されてい
る。また、排気ガス側電極層36の外側には、プラズマ
溶射法等により拡散抵抗層35が形成されている。固体
電解質34は、ZrO2 、HfO2 、ThO2 、Bi2
O3 等にCaO、MgO、Y2 O3 、Yb2 O3 等を安
定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼結体か
らなり、拡散抵抗層35は、アルミナ、マグネシャ、ケ
イ石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質からな
る。排気ガス側電極層36及び大気側電極層37は共
に、白金等の触媒活性の高い貴金属からなり、固体電解
質34の表面に多孔質の化学メッキ等にて形成されてい
る。なお、排気ガス側電極層36の面積及び厚さは、1
0〜100mm2 及び0.5〜2.0μm程度となって
おり、一方、大気側電極層37の面積及び厚さは、10
mm2 以上及び0.5〜2.0μm程度となっている。
固体電解質34は、酸素濃度検出素子に相当する。
38に収容されており、その発熱エネルギーによりセン
サ本体32(大気側電極層37、固体電解質34、排気
ガス側電極層36及び拡散抵抗層35)を加熱する。ヒ
ータ33は、センサ本体32を活性化するに十分な発熱
容量を有している。
部に露出しており、その露出部にはキャップ39が取り
付けられている。キャップ39には、大気室38に大気
を導入するための大気導入孔39aが形成されている。
サ本体32は理論空燃比点にて濃淡起電力を発生し、理
論空燃比点よりリーン領域の酸素濃度(固体電解質34
内の酸素イオンの流れ)に応じた限界電流を発生する。
この場合、酸素濃度に対応する限界電流は、排気ガス側
電極層36の面積、拡散抵抗層35の厚さ、気孔率及び
平均孔径により決定される。また、センサ本体32は酸
素濃度を直線的特性にて検出し得るものであるが、この
センサ本体32を活性化するのに約650℃以上の高温
が必要とされると共に、同センサ本体32の活性温度範
囲が狭いため、エンジン1の排気ガスのみによる加熱で
は活性領域を制御できない。そのため、ヒータ33の加
熱制御によりセンサ本体32の温度制御が実施される。
なお、理論空燃比よりもリッチ側の領域では、未燃ガス
である一酸化炭素(CO)の濃度が空燃比に対してほぼ
リニアに変化し、センサ本体32はCO濃度に応じた限
界電流を発生する。
サ26の電圧−電流特性は、当該酸素センサ26の検出
酸素濃度(空燃比)に比例するセンサ本体32の固体電
解質34への流入電流と、同固体電解質34への印加電
圧との関係が直線的であることを示す。そして、センサ
本体32が活性状態にあるとき、図示の特性線L1でも
って安定した状態を示す。かかる場合、特性線L1の電
圧軸Vに平行な直線部分がセンサ本体32の限界電流を
特定する。この限界電流の増減は空燃比の増減(即ち、
リーン・リッチ)に対応しており、空燃比がリーン側に
なるほど限界電流は増大し、空燃比がリッチ側になるほ
ど限界電流は減少する。
Vに平行な直線部分よりも小さい電圧域は抵抗支配域と
なっており、その抵抗支配域における特性線L1の傾き
は、センサ本体32における固体電解質34の内部抵抗
により特定される。この内部抵抗は温度変化に伴い変化
するため、センサ本体32の温度が低下すると内部抵抗
の増大により上記傾きが小さくなる。なお、同図におい
て、空燃比が理想空燃比(ストイキ)である場合には、
センサ電流(限界電流)が「0」となる。抵抗支配域に
おける特性線L1は、酸素センサ26の起電力により僅
かに正電圧側にずれている。
32の固体電解質34に印加電圧Vaを印加すれば、そ
の時の空燃比に対応した限界電流値Iaが検出されるこ
とになる。この場合、エンジン1が空燃比のリーン領域
のみを使用する、いわゆる”リーンバーンエンジン”で
あれば、限界電流は常に正の電流値となる。また、上記
リーンバーンエンジンでは、センサ本体32の固体電解
質34に負の印加電圧Vnを印加することにより、セン
サ本体32に流れる電流が酸素濃度に依存せず温度のみ
に比例する負のセンサ電流Inが検出される。但し、リ
ッチ領域の空燃比を検出する場合には、負側(又は正
側)の印加電圧を印加することにより、そのリッチ空燃
比に応じた負の限界電流が検出されることになる。
想空燃比(ほぼ14.7)における限界電流域(V軸に
一致した平坦域)の下限よりも小さな電圧であり、その
電圧V1以下の電圧領域(図のA1で示す領域)は、い
かなる空燃比であってもセンサ電流が負の電流値となる
領域を相当する。また、電圧V2は理想空燃比における
限界電流域の上限よりも大きな電圧であり、その電圧V
2以上の電圧領域(図のA2で示す領域)は、いかなる
空燃比であってもセンサ電流が正の電流値となる領域を
相当する。
である(但し、酸素センサ26のキャップ39を省略し
て示す)。図2において、センサ本体32の排気ガス側
電極層36には、バイアス制御回路41が接続され、同
バイアス制御回路41にはセンサ電流検出回路45を介
してセンサ本体32の大気側電極層37が接続されてい
る。バイアス制御回路41は正バイアス用直流電源4
2、負バイアス用直流電源43及び切り換えスイッチ回
路44によって構成されている。正バイアス用直流電源
42の負側電極及び負バイアス用直流電源43の正側電
極は共に排気ガス側電極層36に接続されている。
え状態にて正バイアス用直流電源42の正側電極のみを
センサ電流検出回路45に接続すると共に、第2切り換
え状態にて負バイアス用直流電源43の負側電極のみを
センサ電流検出回路45に接続する。つまり、切り換え
スイッチ回路44が第1切り換え状態にある場合、正バ
イアス用直流電源42がセンサ本体32の固体電解質3
4を正バイアスし、同固体電解質34には正方向の電流
が流れる。一方、切り換えスイッチ回路44が第2切り
換え状態にある場合、負バイアス用直流電源43が固体
電解質34を負バイアスし、同固体電解質34には負方
向の電流が流れる。
2の大気側電極層37から切り換えスイッチ回路44へ
流れる電流又はその逆方向へ流れる電流、つまり、固体
電解質34を流れる電流を検出する。また、ヒータ制御
回路46は、酸素センサ26の素子温やヒータ温度に応
じてバッテリ電源VBからヒータ33に供給される電力
をデューティ制御し、ヒータ33の加熱制御を行う。ヒ
ータ33に流れる電流は電流検出抵抗50により検出さ
れる。
電流、及びヒータ33の印加電圧をデジタル信号に変換
してマイクロコンピュータ48に出力する。マイクロコ
ンピュータ48は、各種演算処理を実行するCPU48
aやROM,RAMからなるメモリ48b等により構成
され、所定のコンピュータプログラムに従いバイアス制
御回路41及びヒータ制御回路46を制御する。エンジ
ン制御部49は、エンジン情報としての前記各種センサ
信号を入力し、吸気温、吸気負圧、冷却水温、エンジン
回転数、車速等を検知する。そして、これらのエンジン
情報に基づきインジェクタ6による燃料噴射を制御す
る。また、マイクロコンピュータ48からの異常判定信
号に従い警告灯を点灯表示させる。なお、本実施例で
は、マイクロコンピュータ48内のCPU48aにより
電圧印加手段及び異常診断手段が構成されている。
び異常診断処理の内容につい説明する。なお、図4は、
酸素センサ26の各種の異常形態を示す図である。図5
は、ECU40内のCPU48aにより実行され、空燃
比検出及び酸素センサ26の異常診断を行う空燃比検出
ルーチンを示すフローチャートである。
ンサ26の異常形態を説明する。なお、図4の特性線L
2は異常時の電圧−電流特性を示す。つまり、図4
(a)は、センサ電流が全く流れない異常(i=0)を
示す。具体的には、酸素センサ26の素子割れやワイヤ
ハーネス等の断線時には上記異常が発生する。
流れるものの、その電流値が微小である異常を示す。具
体的には、酸素センサ26を電気的に接続するコネクタ
の導通不良が発生した時に上記異常が発生する。即ち、
例えばコネクタが外れかかったり、コネクタの導通部に
錆が発生したりした場合には、コネクタの導通抵抗が約
100〜200kΩに増大し(通常は1Ω程度)、上記
事態を招く。
のみ電流が微小になる異常を示す。具体的には、例えば
酸素センサ26に取り付けられたキャップ39の大気導
入孔39a(図3参照)がゴミや油等で塞がってしまっ
た場合、同センサ26の大気室38へ大気が導入できな
くなり、同大気室38内の酸素が欠乏する(酸欠状態と
なる)。この場合、酸素センサ26の固体電解質34で
の酸素イオン伝導が妨げられ、負の電流が減少して上記
異常を招く。
する。さて、イグニションスイッチ28のオン操作に伴
うECU40への電源投入に伴い図5のルーチンが開始
され、CPU48aは、先ずステップ101で前回の異
常診断から所定時間(例えば、1〜数秒程度)が経過し
たか否かを判別する。このとき、ステップ101が否定
判別されれば、CPU48aはステップ102に進み、
それ以降の空燃比検出処理(ステップ102〜104)
を実施する。また、ステップ101が肯定判別されれ
ば、CPU48aはステップ105に進み、それ以降の
異常診断処理(ステップ105〜110)を実施する。
た場合、CPU48aはステップ102で空燃比を検出
するための印加電圧Va(図3参照)を設定し、その電
圧Vaを酸素センサ26に印加する。この場合、印加電
圧Vaは固定値であっても可変値であってもよい。印加
電圧Vaを可変値とする場合、例えば図6に示す印加電
圧設定線L3を用い、その設定線L3上でその時の限界
電流値Ia(空燃比)に応じた印加電圧Vaを設定する
(Va=Z・Ia+Ve)。但し、設定線L3の傾きZ
は素子の内部抵抗にほぼ一致し、V軸との切片Veは理
想空燃比(Ia=0mA)での限界電流域のほぼ中間点
に相当する。
テップ103で図2のセンサ電流検出回路45により検
出された限界電流値Iaを検知し、続くステップ104
で図7の限界電流−空燃比マップを用いてその時の限界
電流値Iaに対応する空燃比を求める。この空燃比の検
出結果は、マイクロコンピュータ48からエンジン制御
部49に送られ、エンジン制御部49はその時の空燃比
に応じた空燃比フィードバック制御を実行する。以後、
ステップ101が肯定判別されるまで、CPU48aは
ステップ101〜104を繰り返し実行する。
と、CPU48aはステップ105に進み、診断用電圧
としての負の印加電圧Vnを印加する。ここで「Vn」
は、図3に示す電圧−電流特性上、必ず負のセンサ電流
Inが流れるような電圧値(Vn<V1)であり、本実
施例ではVn=−0.2〔ボルト〕に設定されている。
テップ106で図2のセンサ電流検出回路45により検
出された負のセンサ電流Inを検知し、続くステップ1
07で当該負のセンサ電流Inが所定の異常判定値In
c(本実施例では、−5mA)よりも小さい値であるか
否かを判別する。このとき、例えば前述の図4(a),
(b)に示す形態の異常(断線異常等)が発生していれ
ばIn≒0〔mA〕となり、ステップ107が否定判別
される(In≧Inc)。即ち、負のセンサ電流Inは
少なくとも「0」を含む所定範囲内の電流値となる。か
かる場合、CPU48aはステップ110に進み、異常
判定信号をエンジン制御部49に対して出力する。この
とき、In=0〔mA〕であるなら、断線又は素子割れ
があるものとしてそれを特定する情報を出力してもよ
い。エンジン制御部49は、CPU48aからの異常判
定信号を受けて警告灯29を点灯表示させると共に、空
燃比フィードバック制御を中断する。
合(In<Inc)、CPU48aはステップ108に
進み、所定時間Ta(本実施例では、100ms)だけ
待機する。そして、所定時間Taの待機後、CPU48
aはステップ109で再びその時の負のセンサ電流In
が所定の異常判定値Inc(−5mA)よりも小さい値
であるか否かを判別する。この場合、酸素センサ26が
正常であれば負のセンサ電流は異常判定値Incよりも
小さく(In<Inc)、CPU48aはステップ10
9を肯定判別してステップ101に戻る。その後、CP
U48aは、再びステップ102〜104で空燃比検出
を実施する。
26が異常であればIn≧Incとなり、CPU48a
はステップ109を否定判別してステップ110に進
む。つまり、例えば前述の図4(c)に示す形態の異常
(酸欠異常)が発生した場合には、図8に示すように、
負の印加電圧Vnが印加された直後に大気室38内に残
留している酸素により瞬間的に負の電流が流れるもの
の、所定時間Taの待機中にその酸素がなくなると、酸
素センサ26の固体電解質34での酸素イオン伝導が妨
げられ、負のセンサ電流が殆ど流れなくなる。なお、図
8の実線は正常時の動作を示す。そのため、上記の酸欠
異常時には、ステップ107で正常判定された後、ステ
ップ109で異常判定される。
素センサ26の電圧−電流特性上、必ず負の電流が流れ
る電圧領域で診断用電圧(Vn)を設定し、その電圧印
加に伴うセンサ電流Inにより異常診断を実施したた
め、容易に且つ正確な異常診断が実現できる。
従来の開示技術は、主に限界電流域(電圧−電流特性の
平坦領域)に着目したものであったため、酸素センサの
断線異常を特定することが困難であったが、本実施例で
は限界電流域から外れた領域(実際には、限界電流域の
下限,上限±0.1V程度)に着目することで断線異常
を特定することができる。このとき、コネクタの導通不
良等、微小電流しか流れない異常も検出できる。
所定範囲内にあれば、その時の空燃比に関係なく異常の
旨が断定できるため、CPU48aによる他の確認処理
を必要とすることない。つまり、異常診断時の印加電流
を特定せずにセンサ電流で異常診断する場合、仮にセン
サ電流=0〔mA〕となると、それが実際に理想空燃比
であることによるものか、断線異常によるものかを判別
する処理が必要になるが、上記構成では上記処理を行わ
なくとも断線異常であると特定できる。その結果、CP
U48a(又はエンジン制御部49)による演算負荷増
大を招くことなく正確な異常診断を行うことができる。
(Vn)の印加直後に負のセンサ電流Inによる異常診
断を行うと共に、所定時間Taの待機後に再度負のセン
サ電流Inによる異常診断を行うようにしたため、酸素
センサ26の酸欠異常等、時差的に異常の症状が現れる
場合にも対処できる。
第1実施例との相違点のみを説明する。図9は第2実施
例における空燃比検出ルーチンを示すフローチャートで
ある。
は、図5のステップ101〜104の処理と同じであ
り、通常時はステップ201が否定判別されて空燃比検
出処理が実施される。また、所定の診断周期(1〜数
秒)で異常診断処理(ステップ205〜208)が実施
される。このとき、CPU48aは、ステップ205で
診断用電圧としての正の印加電圧Vpを印加する。ここ
で「Vp」は、図10に示す電圧−電流特性上、いかな
る空燃比であっても必ず正のセンサ電流Ipが流れるよ
うな電圧値(Vp>V2)であり(図10のA2領域の
電圧値)、本実施例ではVp=1.0〔ボルト〕に設定
されている。
テップ206で正のセンサ電流Ipを検出し、続くステ
ップ207で当該正のセンサ電流Ipが所定の異常判定
値Ipc(本実施例では、1mA)よりも大きい値であ
るか否かを判別する。このとき、酸素センサ26が正常
であれば正のセンサ電流Ipが異常判定値Ipcよりも
大きな値となり(Ip>Ipc)、CPU48aはステ
ップ207を肯定判別してステップ201に戻る。
示す形態の異常(断線異常等)が発生していればIp≒
0〔mA〕となり、ステップ207が否定判別される
(Ip≦Ipc)。かかる場合、CPU48aはステッ
プ208に進み、異常判定信号をエンジン制御部49に
対して出力する。エンジン制御部49は、CPU48a
からの異常判定信号を受けて警告灯29を点灯表示させ
ると共に、空燃比制御を中断する。
の印加電圧Vpを用いて異常診断を行ったが、電圧−電
流特性上、いかなる空燃比でもセンサ電流が正の電流値
となるような診断用電圧を用いることにより、上記第1
実施例と同様に、容易且つ正確に異常診断を行うことが
できる。
態にて具体化することができる。上記第1実施例では、
図5のフローで診断用電圧としての負の印加電圧Vnを
「−0.2ボルト」としたが、勿論これを変更してもよ
い。この場合、変更しうる範囲は、図3(b)のA1領
域内の電圧であればよい。
で診断用電圧としての正の印加電圧Vnを「1.0ボル
ト」としたが、勿論これを変更してもよい。この場合、
変更しうる範囲は、図3(b)のA2領域内の電圧であ
ればよい。
6の電圧−電流特性においては、抵抗支配域における特
性線L1の傾きが素子の内部抵抗値に相当する。従っ
て、この内部抵抗値から抵抗支配域の直線のV軸との切
片(V1)を求め、この「V1」を求めた上で、特性
上、必ず負のセンサ電流Inが流れる負の印加電圧Vn
を設定するようにしてもよい(Vn<V1)。
いて、負の電流を判定する際には負のセンサ電流Inが
−5mAよりも上か否かを判別し、正の電流を判定する
際には正のセンサ電流Ipが1mAよりも下か否かを判
別したが、いずれも場合にも単にセンサ電流が「0」か
否かを判別するように変更してもよい。
流式酸素センサの異常を容易に且つ正確に検出すること
ができるという優れた効果を発揮する。
サの断線異常を特定することができる。請求項3に記載
の発明によれば、診断用電圧を印加したタイミングに対
して時差的にその症状が現れる異常をも検出することが
できる。
体構成図。
電流特性を示す図。
図。
ート。
フローチャート。
酸素濃度検出素子としての固体電解質、48a…電圧印
加手段,異常診断手段としてのCPU。
Claims (3)
- 【請求項1】電圧印加時に酸素濃度に対応したほぼ一定
の限界電流を出力する電圧−電流特性を有する酸素セン
サに適用される異常診断装置であって、 前記酸素センサの電圧−電流特性上、正の電流又は負の
電流が流れる電圧領域の診断用電圧を印加する電圧印加
手段と、 前記電圧印加手段により診断用電圧を印加した際に、前
記酸素センサにより検出される電流値が少なくとも
「0」を含む所定の電流範囲内にあれば、当該酸素セン
サが異常である旨を診断する異常診断手段とを備えるこ
とを特徴とする酸素センサの異常診断装置。 - 【請求項2】前記異常診断手段は、前記酸素センサによ
り検出される電流値が「0」の時に断線等の異常である
とする請求項1に記載の酸素センサの異常診断装置。 - 【請求項3】自動車用エンジンの排気管に設けられ、カ
ップ状に形成された酸素濃度検出素子の内側に酸素濃度
既知のガスを導くと共に、その外側に排気ガスを導く酸
素センサに適用され、 前記異常診断手段は、前記電圧印加手段による電圧印加
から所定時間が経過した後に前記酸素センサにより検出
される電流値が少なくとも「0」を含む所定の電流範囲
内にあれば、当該酸素センサが異常である旨を診断する
請求項1又は2に記載の酸素センサの異常診断装置。
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