JPH08327472A - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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JPH08327472A
JPH08327472A JP13228895A JP13228895A JPH08327472A JP H08327472 A JPH08327472 A JP H08327472A JP 13228895 A JP13228895 A JP 13228895A JP 13228895 A JP13228895 A JP 13228895A JP H08327472 A JPH08327472 A JP H08327472A
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JP
Japan
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shaft
gear
torque sensor
slider
torque
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Application number
JP13228895A
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English (en)
Inventor
Akira Asaoka
昭 浅岡
Kiyoshi Takeuchi
潔 竹内
Akihiro Hanamura
昭宏 花村
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不感帯が生じることがなく、低コストなトル
クセンサの提供。 【構成】 入力トルクに応じて相対回転変位するように
連結されたシャフト3およびピニオン4と、シャフト3
とピニオン4との間の相対回転変位に応じた量だけ所定
のスライダ12を軸方向に移動させる変換機構と、スラ
イダ12の軸線方向の変位を検出するセンサ15とを備
え、変換機構は、シャフト3,ピニオン4およびスライ
ダ12のそれぞれに固定される3つのピン16a,16
bおよび16cを有し、相対回転変位により変形してス
ライダ12を軸線方向に移動する起歪体14により構成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の動力舵取り装
置のトルクセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の技術としては、例えば、
実開平4−115040号公報に開示されたものがあ
り、図10にその概略構成を示す。図において、シャフ
ト3およびピニオン4は、トーションバー2を介して連
結されており、不図示のステアリングホイールを回転す
るとシャフト3のトルク印加部3aにトルクが印加さ
れ、トーションバー2が捩れてシャフト3とピニオン4
との間に相対回転変位が生じる。この相対回転変位は、
伝達板100,ピン101,ベアリング101aから成
る変換機構によってスライダ102の軸方向の変位に変
換され、スライダ102の軸方向の変位は、アーム10
3および伝達部材104によって容量型センサ105に
伝達される。伝達部材104の先端にはセンサ105の
変位伝達部材(不図示)が取り付けられており、この変
位伝達部材の変位がセンサ105によって検出される。
【0003】図11は上述した変換機構の動作を説明す
る図であり、(a)は図10のQ−Q断面図で、(b)
はシャフト3とピニオン4との間に相対回転変位が生じ
たときの伝達板100の動作を示す図である。図におい
て、101(1)はスライダ102に設けられたピンを示
し、101(2)および101(3)はそれぞれシャフト3お
よびピニオン4に設けられたピンを示している。各ピン
101(1)〜101(3)の一端は伝達板100に設け
られた孔に挿入され、各孔の径はピン101(1)〜1
01(3)の径より大きく形成されている。図11(a)
に示すように、伝達板100,ピン101,ベアリング
101aからなる変換機構は、シャフト3の周囲に3箇
所設けられている。シャフト3がB1方向に回転する
と、ピニオン4はピニオン歯部4bと噛合しているラッ
ク9の抵抗力を受けるため、トーションバー2が捩れて
シャフト3とピニオン4との間に相対回転変位が生じ
て、伝達板100が図11(b)の二点鎖線で示すよう
に変位する。その結果、スライダ102に設けられたピ
ン101(1)も図の様に変位し、スライダ102は図1
0に示すA方向(軸方向)に変位する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したト
ルクセンサにおいては、ピン101(3)に対するピン1
01(2)および101(1)の変位は平面内における変位で
は無いため、変換機構が支障なく動作するためには、ピ
ン101とそのピン101が挿入された伝達板100の
孔と間の摺動部にはガタが必要となる。しかしながら、
この摺動部のガタのために、トーションバー2に捩れが
生じてもスライダ102が軸方向に変位せず、実際に生
じたシャフト3とピニオン4との間の相対回転変位がセ
ンサ105によって検出されない、いわゆる不感帯が生
じ、トルク印加部3aに加えられたトルクを正確に検出
することができないという問題点があった。
【0005】このような問題点を解消するトルクセンサ
が特開平3−137530号公報に開示されている。こ
のトルクセンサでは、スライダの内周面に設けられたボ
ールがシャフトの外周に形成された螺旋溝に沿って移動
可能に構成され、スライダがピニオンによって回転規制
されているため、このボールの移動によりシャフトとピ
ニオンとの間の相対回転変位が生じたときにスライダが
軸方向に移動する。このようにして、シャフトとピニオ
ンとの間の相対回転変位をスライダの軸方向の変位に変
換している。また、ボールと螺旋溝とのガタを解消する
ためにスプリングによってボールに予圧を与えている。
このような構成では、ボールおよび螺旋溝の加工を高精
度に行う必要があり、さらに、ボールに予圧を与える機
構を設けなければならないため、加工等の製造コストが
高くなるという欠点がある。
【0006】本発明の目的は、不感帯が生じることがな
く、低コストなトルクセンサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】実施例を示す図1,2,
7および8に対応付けて説明する。図2に対応付けて説
明すると、請求項1の発明は、入力トルクに応じて相対
回転変位するように連結された入力軸3および出力軸4
と、入力軸3と出力軸4との間の相対回転変位に応じた
量だけ所定の移動部材12を軸方向に移動させる変換手
段30と、移動部材12の軸線方向の変位を検出する検
出手段15とを備える動力舵取り装置のトルクセンサに
適用され、変換手段30は、入力軸3,出力軸4および
移動部材12のそれぞれに固定される3つの固定部16
a,16bおよび16cを有し、相対回転変位により変
形して移動部材12を軸線方向に移動する起歪体14に
より構成されていることにより上述の目的を達成する。
請求項2の発明のトルクセンサでは、起歪体14はT字
形状の弾性部材であって、固定部16a,16bおよび
16cが弾性部材の3つの端部にそれぞれ設けられてい
る。図7および8に対応付けて説明すると、請求項3の
発明は、入力トルクに応じて相対回転変位するように連
結された入力軸3および出力軸4と、入力軸3と出力軸
4との間の相対回転変位に応じた量だけ所定の移動部材
50を軸方向に移動させる変換手段40と、移動部材5
0の軸線方向の変位を検出する検出手段15とを備える
動力舵取り装置のトルクセンサに適用され、変換手段4
0は、出力軸4と一体に回転する第1の歯車51と、第
1の歯車51と噛合するように入力軸3に回転可能に取
り付けられ、相対回転変位に伴って第1の歯車51によ
り回転される第2の歯車53と、第2の歯車53の回転
に連動して移動部材50を軸線方向に移動する伝達部5
5と、第1の歯車51と第2の歯車53との間のバック
ラッシュを除去するために第2の歯車53に付勢力を与
える第1の付勢手段59と、移動部材50と伝達部55
との間のガタを除去するために移動部材50に付勢力を
与える第2の付勢手段57とにより構成されていること
により上述の目的を達成する。請求項4の発明のトルク
センサでは、伝達部55は、第2の歯車53にその回転
軸から偏心して突設され、端部が移動部材50に回転可
能に係合するピンである。
【0008】
【作用】請求項1の発明のトルクセンサでは、起歪体1
4は、入力軸3に入力されたトルクによって生じる入力
軸3と出力軸4との間の相対回転変位に応じて変形し、
移動部材12を軸線方向に移動する。請求項3の発明の
トルクセンサでは、伝達部55は、第1の歯車51によ
り回転される第2の歯車53の回転と連動して移動部材
50を軸線方向に移動する。第1の付勢手段59は第2
の歯車に、第2の付勢手段57は移動部材50にそれぞ
れ付勢力を与える。請求項4の発明のトルクセンサで
は、第2の歯車53の回転軸の回りを回転するピン55
は、移動部材50を軸線方向に移動される。
【0009】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0010】
【実施例】以下、図1〜図9を参照して本発明の実施例
を説明する。 −第1実施例− 図1〜6は本発明の第1実施例を示す図であって、本発
明によるトルクセンサを車両用の動力舵取り装置に適用
した例である。図1はトルクセンサの断面図であり、ハ
ウジング1内には、トーションバー2を介して入力軸で
ある中空のシャフト3および出力軸であるピニオン4
が、ベアリング5,6および7によって回転自在に支持
されている。シャフト3の中空部分に配置されたトーシ
ョンバー2は、トーションバー2の端部に設けられた圧
入部2aがシャフト3のトルク印加部3aに圧入され、
ピン8によりシャフト3に結合されている。一方、トー
ションバー2の他方の端部に設けられた圧入部2bはピ
ニオン4のシャフト3側の端部に設けられた凹部4aに
圧入され、トーションバー2とピニオン4とが結合され
ている。
【0011】シャフト3のトルク印加部3aには図示し
ないステアリングコラムユニットが取り付けられ、ピニ
オン4のピニオン歯部4bがラック9と噛合している。
そのため、操縦者がステアリングホイールを操舵したと
きの操舵力はトルク印加部3aへ捩りトルクとして印加
され、シャフト3,トーションバー2およびピニオン4
を介してラック9に伝達される。なお、ラック9には、
図示しないモータの出力軸が歯車等を介して連結されて
いる。
【0012】ステアリングホイールが回転されてトルク
印加部3aにトルクが印加されると、ピニオン4にラッ
ク9からの抗力が生じるため、トーションバー2が捩れ
てシャフト3とピニオン4との間に回転方向の変位のず
れ、すなわち相対的な回転変位が発生する。センサ15
によって検出されたこの変位に基づいて、トルク印加部
3aに印加されたトルクが不図示の制御部によって算出
される。制御部は、トルク印加部3aに加えられたトル
クを打ち消すように、すなわち、ステアリングホイール
の回転する方向にピニオン4が回転するようにモータに
よりラック9を駆動する。
【0013】シャフト3のピニオン4側の端部には、ピ
ニオン4に形成された溝4cに係合する凸部3bが形成
されている。凸部3bと溝4cとの間には、シャフト3
の回転方向に関して隙間が設けられており、この隙間が
許す範囲内においてシャフト3とピニオン4との相対回
転変位が可能である。そのため、シャフト3に過大なト
ルクが印加された場合でも、シャフト3とピニオン4と
の相対回転変位が所定の値以下に規制されているため、
トーションバー2の過大な捩れによる破損が防止され
る。一般的に、この隙間は相対回転変位の最大値が角度
で±5度程度となるように設定されている。10は、シ
ャフト3およびピニオン4のそれぞれの軸心を同一にす
ると共に、両部材がガタが無く滑らかに回転するように
シャフト3とピニオン4の間に設けられたブッシュであ
る。なお、外部からの粉塵の進入を防止するために、シ
ャフト3とハウジング1との間にオイルシール11が配
設されている。
【0014】図2は、図1に示す変換機構30およびセ
ンサ15を説明する図である。シャフト3の外周には円
筒状のスライダ12が軸方向に摺動可能に装着されてお
り、スライダ12の図示右端部にはフランジ12aが形
成され、フランジ12aにはリング形状の磁石13が一
体に成形されている。ハウジング1には、この磁石13
と対向する感磁素子18とこの感磁素子18を保持する
センサハウジング15aとを有するセンサ15が取り付
けられ、感磁素子18の信号はコネクタ19およびハー
ネス20を介して不図示の制御部に入力される。
【0015】一方、スライダ12の外周に沿ってT字形
を成す起歪体14が設けられ、起歪体14の三つの端部
にはピン16a,16bおよび16cが軸心方向に突設
されている。図2(c)に示すように、ピン16aに隣
接する位置には、切欠17aが設けられて小さな力でも
容易に歪む起歪部14aが形成されている。同様に、ピ
ン16bに隣接する位置には切欠17bおよび起歪部1
4bが、ピン16cに隣接する位置には切欠17cおよ
び起歪部14cが形成されている。そのため、ピン16
a〜16cに力が作用したときに、起歪部14a〜14
cは容易に歪むことができる。ピン16aはピニオン4
に形成された凹部4hに、ピン16bはスライダ12に
形成された凹部12hに、ピン16cはシャフト3に形
成された凹部3hにそれぞれ圧入され、これによりスラ
イダ12は起歪体14を介してシャフト3およびピニオ
ン4に連結されることになる。なお、ピン16cは、ス
ライダ12と干渉しないように、スライダ12に設けら
れた矩形の孔12bを貫通して凹部3hに圧入されてい
る。
【0016】図3は、感磁素子18としてホールICを
用いた場合(a)と、MR素子(磁気抵抗素子)を用い
た場合(b)とを示す図であり、いずれも磁石13側か
らセンサ15を見たものである。図の矢印方向はシャフ
ト3の軸方向を示しており、シャフト3とピニオン4と
の相対回転変位によりスライダ12が軸方向に移動する
と、この方向に二点鎖線で示す磁石13が変位する。図
3(a)では、磁石13の周方向と同一方向に沿って二
つのホールIC21aおよび21bが磁石13から等し
い距離に配置されている。221はホールIC21a,
21bに内蔵されているホールエレメントであり、ホー
ルIC21a,21bはこのホールエレメント221を
通過する磁束の大きさを検出する。なお、ホールICを
2つ設けているのは、ホールIC21aおよび21bの
出力信号を比較することによって、センサ15の故障を
検出するためである。
【0017】一方、図3(b)では、第1のMRエレメ
ント対22aおよび第2のMRエレメント対22bがそ
れぞれ前記ホールIC21aおよび21bと同一位置に
配置されている。MRエレメント対22aおよび22b
には、後述するように2つのMRエレメント222aお
よび222bが差動対として内蔵されている。磁気抵抗
素子の場合も、2つのMRエレメント対22a,22b
の出力信号を比較することによって、センサ15の故障
を検出している。
【0018】次に、本実施例の動作を説明する。図1に
示すシャフト3のトルク印加部3aに加わるトルクが0
の場合、すなわち、操舵系が直進状態にある場合にはト
ーションバー2の捩れは無く、スライダ12および起歪
体14は図2に示す状態にある。このとき、起歪体14
のピン16a〜16cには力が作用しておらず、起歪部
14a〜14cには歪が生じない。図1に示すように矢
印B1方向(トルク印加部3aからピニオン4側を見て
右回り)のトルクがシャフト3に加わった場合、ピニオ
ン4にはラック9からの抵抗力が働くため、シャフト3
とピニオン4を連結するトーションバー2が捩れる。こ
のときの変換機構30の動作を、図4を用いて説明す
る。
【0019】図4において、(a)はスライダ12およ
び起歪体14を含む部分の図、(b)は(a)のF−F
線に沿った断面図である。図4(b)に示すように、ト
ーションバー2が捩れてシャフト3とピニオン4との相
対回転変位がx度だけ生じると、シャフト3の凹部3h
に圧入されたピン16cは、ピン16aに対してx度だ
けB1方向に回転する。このとき、図4(c)に示すよ
うに、ピン16cがピン16aに対してxに応じた量だ
けB1方向にズレるため、起歪部14a,14cが図の
ように歪み、スライダ12に圧入されたピン16bが図
のA方向(軸方向)に移動して起歪部14bが歪む。ピ
ン16bの移動によりスライダ12が軸方向(矢印A方
向)にxに依存した量dだけ移動する。一方、トルクが
B1方向と逆回転方向に加えられた場合は、同様にし
て、スライダ12は矢印Aとは反対方向に移動する。
【0020】スライダ12がA方向にdだけ移動する
と、磁石13はセンサ15の感磁素子18に対してdだ
け軸方向にズレる。図5は感磁素子18がホールIC2
1である場合の動作を説明する図であり、磁石13とホ
ールIC21との位置関係を示している。ホールIC2
1の感度は図5(a)に示すようにホールエレメント2
21を通過する磁力線の方向に依存しており、J1方向
のときにはプラスで最大、J3のときにはマイナスで最
大となり、J2およびJ4方向のときには0となる。
【0021】図5(b)および図5(c)は、ホールI
C21と磁石13の磁力線13aとの関係を示す図であ
る。図5(b)は、シャフト3にトルクが加わっておら
ずスライダ12の移動量が0の場合であり、センサ15
の上側に示した矢印はホールエレメント221を通過す
る磁力線の方向を示しており、この図では磁力線の方向
はJ2方向になる。一方、図5(c)は、シャフト3に
トルクが加えられてスライダ12がA方向に移動した場
合であり、ホールエレメント221を通過する磁力線の
方向はJ5方向(右斜め上方向)であって、感度はJ1
方向とJ2方向の中間になる。
【0022】図5(d)は、ホールエレメント221に
おける磁力線の方向がJ1〜J5のときのホール素子2
1の出力電圧V1〜V5を示している。図では横軸がス
ライダ12の移動量dを、縦軸が出力電圧をそれぞれ示
している。トルク0の状態からトルクが印加されてシャ
フト3が図4のようにB1方向に回転すると、スライダ
12がA方向に移動して、ホールIC21の出力電圧は
V2からV5を経てV1で最大となり、その電圧変化は
V10となる。一方、トルク0の状態からシャフト3が
逆方向に回転すると、スライダ12が図5(b)の状態
から−A方向に移動して、出力電圧はV2から小さくな
りV3で最小になる。
【0023】図6は感磁素子がMR素子である場合の動
作を説明する図であり、図5(a)〜図5(d)と同様
の図である。MRエレメント対22a,22bのそれぞ
れは、二つのMRエレメント222a,222bを内蔵
している。図6(a)は、MR素子22のMRエレメン
ト222a,222bを通過する磁力線13aの方向と
MRエレメント222a,222bの感度との関係を示
すものであり、磁力線がJ1およびJ3方向のときMR
エレメント222a,222bの感度が0で、J2およ
びJ4方向のときは感度が最大となる。
【0024】図6(b)はスライダ12の移動量dが0
の場合であって、MRエレメント222aおよび222
bを通過する磁力線の方向はセンサ15の上側に示すよ
うにそれぞれJ6方向(右斜めした方向)およびJ5方
向(右斜め上方向)となり、このときの感度は両エレメ
ントとも等しく、J1方向の感度とJ2方向の感度の中
間になる。一方、シャフト3にトルクが加わり図6
(c)のようにスライダ12がA方向に移動した場合、
MRエレメント222aおよび222bを通過する磁力
線の方向はそれぞれJ2およびJ1方向となり、MRエ
レメント222aの感度は最大、MRエレメント222
bの感度は0となる。
【0025】図6(d)は、スライダ12が移動したと
きのMRエレメント222aおよび222bの出力電圧
を示しており、V1,V2,V3,V5およびV6はM
Rエレメントを通過する磁力線の方向がJ1,J2,J
3,J5およびJ6の場合の出力電圧である。なお、V
1=V3およびV5=V6である。トルク0の状態から
トルクが印加されてシャフト3が図4のようにB1方向
に回転すると、スライダ12がA方向に移動してMRエ
レメント222aの出力電圧がV6からV2へと増加す
ると共に、MRエレメント222bの出力電圧はV5か
らV1へと減少する。よって、スライダ12がA方向に
移動したときのMRエレメント対22の出力は、V20
=V2−V1となる。一方、トルク0の状態からシャフ
ト3が逆方向に回転すると、スライダ12が図6(b)
の状態から−A方向に移動して、MRエレメント222
aの出力電圧はV5からV3に減少すると共に、MRエ
レメント222bの出力電圧はV6からV2に増加し、
MRエレメント対22の出力はV3−V2=V1−V2
=−V20となる。
【0026】センサ15によって検出されたシャフト3
とピニオン4との相対回転変位に関する信号は、コネク
タ19およびハーネス20を介して不図示の制御部に入
力され、シャフト3に加えられたトルクが算出される。
この算出されたトルクに基づいてラック9に連結された
モータが駆動されることにより、操舵系が駆動される。
【0027】本実施例のトルクセンサでは、起歪体14
のピン16aはピニオン4の凹部4hに、ピン16bは
スライダ12の凹部12hに、ピン16cはシャフト3
の凹部3hにそれぞれ圧入されているため、起歪体14
とシャフト3,ピニオン4およびスライダ12との間に
はガタが無い。そのため、シャフト3とピニオン4との
間の相対回転変位により起歪体14が変形すると、変形
に応じてスライダ12がシャフト3の軸方向に移動する
ため、相対回転変位を軸方向に変換する際に不感帯が発
生せず、センサの検出精度を向上することができる。ま
た、従来のようにボールや螺旋溝を形成したり、ボール
と螺旋溝とのガタを解消するためにボールに予圧を与え
る機構を設ける必要がないため、製造コストを最小限に
低減することができる。
【0028】以上の実施例においては、変換機構におい
てT字形状の起歪体14を用いたが、シャフト3とピニ
オン4の相対回転変位をスライダ12の軸方向変位に変
換する形状であればT字形状に限らず、例えば三角形で
もよい。また、起歪部の数は四つ以上でもよい。
【0029】−第2実施例− 図7〜図9は本発明の第2の実施例を示す図であり、上
述した第1実施例と同様に車両用の動力舵取り装置に本
発明を適用した例である。なお、第1実施例と同様の部
位および部材には同一の符号を付し、重複する説明は省
略する。図7は第2実施例のトルクセンサの断面図であ
り、図1と同様の図である。スライダ50は図1のスラ
イダ12とほぼ同様の形状であるが、図8に示すように
そのピニオン4側の端部には同一形状の3つの切欠50
aが120度間隔で形成されている。51はピニオン4
の外周に一体に溶着されてピニオン4と一体に回転する
周回ギア、52はシャフト3に固定されている外リン
グ、53は外リング52に設けられて周回ギア51と噛
合する歯車であって、これらは変換機構を構成してい
る。
【0030】図8は変換機構40の詳細を説明する図で
ある。外リング52の内周面には120度の間隔で三つ
の支柱52aが突設され、これらの支柱52aの先端が
スライダ50の切欠50aを通ってシャフト3に取り付
けられる。これにより、外リング52はシャフト3と一
体に回転する。また外リング52の内周面には、3つの
歯車53が120度間隔でピン54により回転可能に取
り付けられている。これらの歯車53は上述したように
周回ギア51に噛合され、周回ギア51の回転に伴って
各歯車53がピン54を中心に回転する。各歯車53の
スライダ50側の面にはスライダピン55が回転軸であ
るピン54から偏心して突設されており、各スライダピ
ン55の先端がスライダ50に形成された凹部50bに
回転可能に挿入されている。
【0031】周回ギア51にはスプリングホルダ56a
が、スライダ50にはスプリングホルダ56bがそれぞ
れ三箇所ずつ設けられ、これらのスプリングホルダ56
aおよび56bの間にスプリング57がそれぞれ配設さ
れている。スプリング57はスライダ50を周回ギア5
1方向へ付勢しているため、ピン55とスライダ50の
凹部50bとのガタが解消される。また、各歯車53の
スライダ50側の面にはスプリングホルダ58aが設け
られるとともに、外リング52の内周にはスプリングホ
ルダ58bが三箇所設けられ、これらのスプリングホル
ダ58aおよび58b間にスプリング59が配設されて
いる。各スプリング59によって各歯車53と周回ギア
51とのバックラッシュを解消するように付勢されてい
る。
【0032】次に、図9を用いて、本実施例のトルクセ
ンサの動作を説明する。図9(a)および(b)は磁石
13と感磁素子18の位置関係を示す図であり、(c)
は(b)のR方向から見た図である。なお、(c)で
は、動作が分りやすいように外リング52を省略して示
した。図9(a)は、シャフト3に加わるトルクが0の
場合を示し、このためトーションバー2の捩れが無く、
磁石13は感磁素子18とズレが無く対向している。図
9(b)のようにシャフト3にB1方向のトルクが印加
されると、ピニオン4にラック9からの抵抗力が加わる
ため、トーションバー2が捩れてシャフト3とピニオン
4との回転角のズレが生ずる。
【0033】図9(c)に示すように、シャフト3とピ
ニオン4とのズレの角度がx度のとき、ピニオン4はシ
ャフト3に対してB1方向と反対のB2方向にx度だけ
相対的に回転することになる。周回ギア51はピニオン
4と一体に回転するため、周回ギア51に噛合している
歯車53がP方向に回転し、歯車53に設けられたピン
55が55(1)から55(2)の位置まで移動する。その結
果、スライダ50は、ピン55の軸方向の移動量dだけ
A方向に移動する。このスライダ50の移動に伴って磁
石13が感磁素子18に対して軸方向にずれ、感磁素子
18の出力が変化する。これにより第1実施例と同様に
スライダ50の軸方向の変位を検出することができる。
なお、図9(c)では動作が分かりやすいように、回転
角のズレを実際よりも大きく示した。
【0034】以上説明した第2実施例のトルクセンサで
は、スプリング57によりスライダ50を歯車53に設
けられたピン55に押圧することによって、スライダ5
0とピン55とのガタを解消すると共に、スプリング5
9により歯車53および周回ギア51のバックラッシュ
を解消するように付勢しているため、第1実施例と同様
の効果を得ることができる。
【0035】本実施例では、周回ギア51の回転変位を
歯車53に設けられたピン55を用いてスライダ50の
軸方向変位に変換しているが、例えば、スライダ50の
切欠50aにラックを形成し、このラックと噛合し歯車
53と一体に回転する歯車によって軸方向変位に変換し
てもよい。
【0036】以上説明した実施例と請求の範囲との対応
において、シャフト3は入力軸を、ピニオン4は出力軸
を、スライダ12,50は移動部材を、変換機構30お
よび40は変換手段を、センサ15は検出手段を、周回
ギア51は第1の歯車を、歯車53は第2の歯車を、ピ
ン55は伝達部を、スプリング59は第1の付勢手段
を、スプリング57は第2の付勢手段をそれぞれ構成し
ている。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、3つの固定部によって入力軸,出力軸および移動部
材に固定された起歪体が、入力軸と出力軸との間の相対
回転変位により変形することによって移動部材が軸線方
向に移動するため、起歪体と入力軸および出力軸との間
にガタが無く、また、請求項3の発明では、第1の付勢
手段によって第1の歯車と第2の歯車の間のバックラッ
シュを除去し、第2の付勢手段によって移動部材と伝達
部との間のガタを除去しているため、これらガタ等に起
因する検出手段の不感帯が発生することがない。さら
に、螺旋溝,ボールおよびボールへの予圧機構を備えて
ガタを除去している従来のトルクセンサに比べ、変換手
段を簡単な構成としているため従来よりコストを低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトルクセンサの第1実施例を示す
断面図。
【図2】図1のトルクセンサの変換機構部分を説明する
図であって、(a)は側面図、(b)は(a)のC−C
断面図、(c)は起歪体を説明する図。
【図3】図1のトルクセンサのセンサを説明する図であ
って、(a)は感磁素子がホールICの場合を、(b)
感磁素子がMR素子の場合をそれぞれ示す。
【図4】図1のトルクセンサの変換機構の動作を説明す
るであって、(a)は側面図、(b)は(a)のF−F
断面図、(c)は起歪体の動作を説明する図。
【図5】ホールICの動作を説明する図であって、
(a)は磁力線の方向と感度を示す図、(b)および
(c)は磁石の位置とホールICの感度を説明する図、
(d)は移動量とホールICの出力電圧の関係を示す
図。
【図6】MR素子の動作を説明する図であって、(a)
は磁力線の方向と感度を示す図、(b)および(c)は
磁石の位置とMRエレメントの感度を説明する図、
(d)は移動量とMRエレメントの出力電圧の関係を示
す図。
【図7】本発明によるトルクセンサの第2実施例を示す
断面図。
【図8】図7のトルクセンサの変換機構を説明する図で
あって、(a)は図7のL−L断面図、(b)は斜視
図。
【図9】変換機構の動作を説明する図であって、(a)
は印加トルクが0の場合、(b)はB1方向にトルクが
印加された場合、(c)は(b)のR矢視図。
【図10】従来のトルクセンサを示す断面図。
【図11】図10のトルクセンサの変換機構を説明する
図であって、(a)は図10のQ−Q断面図、(b)は
伝達板の動作を説明する図。
【符号の説明】
2 トーションバー 3 シャフト 4 ピニオン 12,50 スライダ 13 磁石 14 起歪体 14a,14b,14c 起歪部 15 センサ 16a,16b,16c,54,55 ピン 17a,17b,17c 切欠 30,40 変換機構 51 周回ギア 52 外リング 53 歯車 56a,56b,58a,58b スプリングホルダ 57,59 スプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力トルクに応じて相対回転変位するよ
    うに連結された入力軸および出力軸と、 前記入力軸と前記出力軸との間の相対回転変位に応じた
    量だけ所定の移動部材を軸方向に移動させる変換手段
    と、 前記移動部材の軸線方向の変位を検出する検出手段とを
    備える動力舵取り装置のトルクセンサにおいて、 前記変換手段は、前記入力軸,前記出力軸および前記移
    動部材のそれぞれに固定される3つの固定部を有し、前
    記相対回転変位により変形して前記移動部材を軸線方向
    に移動する起歪体により構成されていることを特徴とす
    るトルクセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトルクセンサにおい
    て、 前記起歪体はT字形状の弾性部材であって、前記固定部
    が前記弾性部材の3つの端部にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とするトルクセンサ。
  3. 【請求項3】 入力トルクに応じて相対回転変位するよ
    うに連結された入力軸および出力軸と、 前記入力軸と前記出力軸との間の相対回転変位に応じた
    量だけ所定の移動部材を軸方向に移動させる変換手段
    と、 前記移動部材の軸線方向の変位を検出する検出手段とを
    備える動力舵取り装置のトルクセンサにおいて、 前記変換手段は、前記出力軸と一体に回転する第1の歯
    車と、 前記第1の歯車と噛合するよう前記入力軸に回転可能に
    取り付けられ、前記相対回転変位に伴って第1の歯車に
    より回転される第2の歯車と、 前記第2の歯車の回転に連動して前記移動部材を軸線方
    向に移動する伝達部と、 前記第1の歯車と前記第2の歯車との間のバックラッシ
    ュを除去するために前記第2の歯車に付勢力を与える第
    1の付勢手段と、 前記移動部材と前記伝達部との間のガタを除去するため
    に前記移動部材に付勢力を与える第2の付勢手段とによ
    り構成されていることを特徴とするトルクセンサ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のトルクセンサにおい
    て、 前記伝達部は、前記第2の歯車にその回転軸から偏心し
    て突設され、端部が前記移動部材に回転可能に係合する
    ピンであることを特徴とするトルクセンサ。
JP13228895A 1995-05-30 1995-05-30 トルクセンサ Pending JPH08327472A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8161827B2 (en) 2008-05-30 2012-04-24 Sony Corporation Torque measuring apparatus and actuator drive control system

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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