JPH08323910A - 積層多孔膜及びそれからなる非水溶媒型電池用セパレーター - Google Patents

積層多孔膜及びそれからなる非水溶媒型電池用セパレーター

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JPH08323910A
JPH08323910A JP7159897A JP15989795A JPH08323910A JP H08323910 A JPH08323910 A JP H08323910A JP 7159897 A JP7159897 A JP 7159897A JP 15989795 A JP15989795 A JP 15989795A JP H08323910 A JPH08323910 A JP H08323910A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 寸法安定性、突刺強度および機械的強度が優
れ、かつ通常は微細孔が貫通しておりイオン透過性ある
いは通気性を保持しているが、加熱されることにより非
水溶媒を取り込み膨潤し微細孔を閉塞できる積層多孔膜
およびそれからなる非水溶媒型電池用セパレーターを提
供する。 【構成】 結晶性樹脂または非晶性樹脂からなる細孔を
有する支持体層と合成樹脂からなる微細孔を有する多孔
膜層とが積層された多孔膜において、支持体層を構成す
る結晶性樹脂の融点または非晶性樹脂のガラス転移点よ
り低い温度で多孔膜層を構成する合成樹脂が非水溶媒に
より膨潤して多孔膜層の微細孔が閉塞することを特徴と
する積層多孔膜、および前記積層多孔膜からなる非水溶
媒型電池用セパレーター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂多孔膜の微細
孔が膨潤により閉塞する積層多孔膜および非水溶媒型電
池用セパレーターに関する。さらに詳しくは、支持体層
と特定の合成樹脂多孔膜層とが積層された多孔膜の(1)
寸法安定性、(2)突刺強度および(3)機械的強度が優れ、
かつ通常は微細孔が貫通しておりイオン透過性あるいは
通気性を保持しているが、加熱されることにより非水溶
媒を取り込み膨潤し微細孔を閉塞できる積層多孔膜およ
びそれからなる非水溶媒型電池用セパレーターに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、様々な多孔膜が開発されており、
フィルター、電解膜、非水溶媒型電池のセパレーターと
して使用されている。特に、非水溶媒型電池のセパレー
ターとしては、リチウム2次電池等の充放電時における
樹枝状のリチウム金属結晶(デンドライト)の形成によ
る正負電極の接触、セパレーターの収縮による正負電極
の接触およびセパレーターの突刺強度不足で生じる電極
貫通による正負電極の接触等に起因する電池の過熱に対
し、安全性を有することが必要とされるが、これまでに
知られているポリオレフィン単層多孔膜では達成するこ
とが困難であった。
【0003】上記の安全性を付与するものとしては、特
開平2−77108号公報および特公平4−38101
号公報に記載の高融点ポリオレフィン系樹脂多孔膜層と
低融点ポリオレフィン系樹脂多孔膜層との積層体からな
るセパレーターが挙げられる。すなわち、これらの発明
によれば、短絡が発生して電池内に過大な電流が流れて
も、その際に発生する熱により低融点ポリオレフィン系
樹脂多孔膜層を構成するポリオレフィン系樹脂が溶融
し、閉塞封止され、電流の流れを止めて過熱を抑制する
という効果、および溶融閉塞される低融点ポリオレフィ
ン系樹脂多孔膜層を保持するために高融点ポリオレフィ
ン系樹脂多孔膜層を積層させ短絡の再度発生を防止する
効果があると解される。
【0004】しかしながら、従来のポリオレフィン系樹
脂多孔膜およびポリオレフィン系樹脂積層多孔膜のセパ
レーターは、(1)高温での寸法安定性および(2)突刺強度
が低いために、正負電極の接触を防ぐには十分ではな
い。また正負電極の接触による過熱を抑えるためには、
低い温度(100〜140℃程度)でセパレーターが溶
融閉塞することが望まれるが、従来のポリオレフィン系
セパレーターでは、突刺強度、引張強度、寸法安定性が
良好なものは閉塞温度が高く、逆に閉塞温度の低いもの
は突刺強度、引張強度、寸法安定性に劣る傾向にあっ
た。
【0005】また、非水溶媒型電池、例えばリチウム電
池およびリチウムイオン電池は、電池を高エネルギー密
度とするために、緊密に正電極、セパレーターおよび負
電極の順に重ねて巻き込まれることが必要であり、(3)
このために非水溶媒型電池用セパレーターには引張強度
が必要とされる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情に鑑み鋭意検討した結果、支持体層と、この支持体層
の融点またはガラス転移点と特定の関係にありかつ膨潤
が可能である特定の合成樹脂多孔膜層を設けることによ
り、寸法安定性および機械的強度に優れた積層多孔膜が
得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の第1によれば、結晶性
樹脂からなる細孔を有する支持体層(A1)と合成樹脂
からなる微細孔を有する多孔膜層(B)とが積層された
多孔膜において、支持体層(A1)を構成する結晶性樹
脂の融点より低い温度で多孔膜層(B)を構成する合成
樹脂が非水溶媒により膨潤して多孔膜層(B)の微細孔
が閉塞することを特徴とする積層多孔膜が提供される。
また本発明の第2によれば、非晶性樹脂からなる細孔を
有する支持体層(A2)と合成樹脂からなる微細孔を有
する多孔膜層(B)とが積層された多孔膜において、支
持体層(A2)を構成する非晶性樹脂のガラス転移点よ
り低い温度で多孔膜層(B)を構成する合成樹脂が非水
溶媒により膨潤して多孔膜層(B)の微細孔が閉塞する
ことを特徴とする積層多孔膜が提供される。さらに本発
明の第3によれば、前記本発明の第1または第2の積層
多孔膜からなる非水溶媒型電池用セパレーターが提供さ
れる。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】[支持体層(A1),(A2)]本発明の積
層多孔膜を構成する細孔を有する支持体層(A1)又は
(A2)の形状としては、多孔膜層(B)を構成する合
成樹脂が膨潤した際に積層多孔膜の形状が維持できれば
編織布又は不織布などの網目状、多孔膜状等のいずれで
も構わない。特に、本発明の支持体層としては多孔膜状
であることが好ましい。
【0009】(結晶性樹脂)支持体層(A1)を構成す
る結晶性樹脂としては、多孔膜層(B)が膨潤する温度
において溶融しない樹脂を適宜選択すればよい。好まし
くは、融点が160℃以上である結晶性樹脂であり、例
えば、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、
ポリ3−メチルブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−1
1、ナイロン−12、ナイロン−66等のポリアミド系
樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエー
テルケトン等が挙げられる。より好ましくは、ポリプロ
ピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリ3−メチル
ブテンおよびこれらを構成する単量体からなる共重合
体、若しくはこれらの混合物である。該結晶性樹脂の融
点が160℃以上であれば、高温下、例えば電池の正負
電極の接触に起因する過熱においても合成樹脂多孔膜層
(B)を支持する機能が保持され易い。また積層多孔膜
を製造する際にも高温に耐えられるので、高温で熱処理
することが可能であり、一層の寸法安定性を有し、後記
するように非水溶媒型電池セパレーターとして用いたと
きにも、突刺強度や引張強度を向上させることが出来
る。
【0010】(非晶性樹脂)また、支持体層(A2)を
構成する非晶性樹脂としては、DSC(示差走査熱量
計)を用いた融点測定で明確な結晶溶融ピークを示さな
い樹脂であり、多孔膜層(B)が膨潤する温度において
軟化しない樹脂を適宜選択すればよい。好ましくは、ガ
ラス転移点が140℃以上である非晶性樹脂であり、例
えば、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド等が挙げ
られる。より好ましくは、ポリカーボネートである。該
非晶性樹脂のガラス転移点が140℃以上であれば、支
持体層(A1)を構成する結晶性樹脂の場合と同様、高
温下、例えば電池の正負電極の接触に起因する過熱にお
いても合成樹脂多孔膜層(B)を支持する機能が保持さ
れ易い。また積層多孔膜を製造する際にも高温に耐えら
れるので、高温で熱処理することが可能であり、一層の
寸法安定性を有し、後記するように非水溶媒型電池セパ
レーターとして用いたときにも、突刺強度や引張強度を
向上させることが出来る。
【0011】[合成樹脂多孔膜層(B)]多孔膜層
(B)を構成する合成樹脂としては、本発明の積層多孔
膜を非水溶媒型電池セパレーターとして使用する場合、
非水溶媒に対し膨潤し、多孔膜層(B)の微細孔が閉塞
可能な樹脂であればよく、例えば、フッ化ビニリデン系
樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアク
リロニトリル、ポリスチレン等が挙げられる。好ましく
は、融点若しくはガラス転移点が150℃以上である合
成樹脂であり、例えばフッ化ビニリデン系樹脂、ポリエ
ーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアクリルニトリル
等が挙げられる。
【0012】さらに、多孔膜層(B)を構成する合成樹
脂の融点若しくはガラス転移点が150℃以上である場
合には、該合成樹脂は、100〜140℃の温度範囲で
非水溶媒を取り込み膨潤し、多孔膜層(B)を閉塞する
ことが好ましい。本発明の積層多孔膜は、多孔膜層
(B)の微細孔の閉塞する機構が膨潤によるために、多
孔膜層(B)を構成する合成樹脂の融点若しくはガラス
転移点よりも低い温度で閉塞されることとなる。前記閉
塞機構を利用するために、本発明の細孔を有する結晶性
樹脂からなる支持体層(A1)若しくは細孔を有する非
晶性樹脂からなる支持体層(A2)が多孔膜層の場合に
は、従来の高融点ポリオレフィン系樹脂多孔膜層と低融
点ポリオレフィン系樹脂多孔膜層との積層体からなるセ
パレーターに比べ、多孔膜を製造する際の熱処理、即ち
樹脂に可塑剤を混合して製膜し、それを抽出した後の乾
燥や延伸後の熱固定等の熱処理がより高温で行えるた
め、優れた突刺強度、引張強度及び寸法安定性を有する
こととなる。また、非水溶媒型電池用セパレーターとし
て使用した場合には、100〜140℃の温度範囲より
も高温で膨潤し多孔膜層(B)を閉塞するものでは、短
絡が生じ過熱しても閉塞までに時間がかかるため、安全
性が低下する。
【0013】本発明において多孔膜層(B)を構成する
樹脂が膨潤することにより、多孔膜層(B)が閉塞する
が、膨潤とは、一般に認識されている通り、合成樹脂が
溶媒を吸収して体積を増大させる現象である。また膨潤
には無限膨潤(溶解)と有限膨潤とがあるが、無限膨潤
する前記フッ化ビニリデン系樹脂等も溶媒量が少なけれ
ば溶解に達しなくても微細孔が閉塞することとなる。膨
潤の程度は多孔膜(B)を構成する樹脂と溶媒との組み
合わせで異なるので、多孔膜の用途、使用温度に応じて
多孔膜(B)と溶媒の組み合わせを適宜選択すすること
が出来る。膨潤に及ぼす要因は種々あるので、膨潤の程
度は後記の「膨潤により閉塞する温度」により使用する
非水溶媒を固定して評価することができる。
【0014】[積層構成] (結晶性樹脂からなる支持体層(A1)と多孔膜層
(B)との組み合わせ)本発明の第1にかかる積層多孔
膜の層構成は、支持体層(A1)/多孔膜層(B)の2
層構造、多孔膜層(B)/支持体層(A1)/多孔膜層
(B)又は支持体層(A1)/多孔膜層(B)/支持体
層(A1)の3層構造等、少なくとも支持体層(A1)/
多孔膜層(B)の2層構造を含めた多層構造であればよ
い。また、多孔膜層(B)/支持体層(A1)/多孔膜
層(B)の多孔膜層(B)を構成する樹脂は同じでも異
なっていてもよく、支持体層(A1)/多孔膜層(B)
/支持体層(A1)の支持体層(A1)を構成する樹脂は
同じでも異なっていてもよい。突刺強度、引張強度およ
び寸法安定性を向上させるためには、支持体層と多孔膜
層とを構成する樹脂の両方が融点又はガラス転移点の高
いものであることが好ましく、例えば、フッ化ビニリデ
ン系樹脂からなる多孔膜層(B)とポリプロピレン、ポ
リ4−メチルペンテン−1、ポリ3−メチルブテン等の
ポリオレフィン系樹脂からなる多孔膜層(A1)との2
層多孔膜又は3層多孔膜が挙げられる。これらの組み合
わせとしては、例えば(フッ化ビニリデン系樹脂/ポリ
プロピレン)2層多孔膜、(フッ化ビニリデン系樹脂/
ポリ4−メチルペンテン−1)2層多孔膜、(ポリプロ
ピレン/フッ化ビニリデン系樹脂/ポリプロピレン)3
層多孔膜、(ポリ4−メチルペンテン−1/フッ化ビニ
リデン系樹脂/ポリ4−メチルペンテン−1)3層多孔
膜、(ポリ4−メチルペンテン−1/フッ化ビニリデン
系樹脂/ポリプロピレン)3層多孔膜、(フッ化ビニリ
デン系樹脂/ポリプロピレン/フッ化ビニリデン系樹
脂)3層多孔膜、(フッ化ビニリデン系樹脂/ポリ4−
メチルペンテン−1/フッ化ビニリデン系樹脂)3層多
孔膜が挙げられる。この中でも、(フッ化ビニリデン系
樹脂/ポリプロピレン)2層多孔膜、(フッ化ビニリデ
ン系樹脂/ポリ4−メチルペンテン−1)2層多孔膜、
(ポリ4−メチルペンテン−1/フッ化ビニリデン系樹
脂/ポリ4−メチルペンテン−1)3層多孔膜、(ポリ
4−メチルペンテン−1/フッ化ビニリデン系樹脂/ポ
リプロピレン)3層多孔膜がより好ましい。
【0015】(非晶性樹脂からなる支持体層(A2)と
多孔膜層(B)との組み合わせ)本発明の第2にかかる
積層多孔膜の層構成は、支持体層(A2)/多孔膜層
(B)の2層構造、多孔膜層(B)/支持体層(A2
/多孔膜層(B)又は支持体層(A2)/多孔膜層
(B)/支持体層(A2)の3層構造等、少なくとも支
持体層(A2)/多孔膜層(B)の2層構造を含め多層
構造であればよい。また、多孔膜層(B)/支持体層
(A2)/多孔膜層(B)の多孔膜層(B)を構成する
樹脂は同じでも異なっていてもよく、支持体層(A2
/多孔膜層(B)/支持体層(A2)の支持体層(A2
を構成する樹脂は同じでも異なっていてもよい。突刺強
度、引張強度および寸法安定性を向上させるためには、
支持体層と多孔膜層とを構成する樹脂の両方が融点又は
ガラス転移点の高いものであることが好ましく、例え
ば、フッ化ビニリデン系樹脂からなる多孔膜層(B)と
ポリカーボネート、ポリエーテルイミド等の非晶性樹脂
からなる多孔膜層(A2)との2層多孔膜又は3層多孔
膜が挙げられる。これらの組み合わせとしては、例えば
(フッ化ビニリデン系樹脂/ポリカーボネート)2層多
孔膜、(ポリカーボネート/フッ化ビニリデン系樹脂/
ポリカーボネート)3層多孔膜、(ポリカーボネート/
フッ化ビニリデン系樹脂/ポリエーテルイミド)3層多
孔膜、(フッ化ビニリデン系樹脂/ポリカーボネート/
フッ化ビニリデン系樹脂)3層多孔膜が挙げられる。こ
の中でも、(フッ化ビニリデン系樹脂/ポリカーボネー
ト)2層多孔膜、(ポリカーボネート/フッ化ビニリデ
ン系樹脂/ポリカーボネート)3層多孔膜がより好まし
い。
【0016】[平均空孔率]本発明の積層多孔膜の平均
空孔率は30〜65%、好ましくは30〜55%、さら
に好ましくは35〜45%である。平均空孔率が30%
未満では多孔膜としての機能が達成できず、非水溶媒型
電池用セパレーターとして使用した場合には非水溶媒の
吸収保持量が少なくなるため、セパレーターの電気抵抗
が高くなり電池としての性能が低下する。一方、平均空
孔率が65%を越えると突刺強度および引張強度等の機
械的強度が低下する。
【0017】[平均孔径]本発明の積層多孔膜の平均孔
径は0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μm、
さらに好ましくは0.1〜1μmである。平均孔径が
0.01μm未満では通気性又はイオン透過性が低下
し、非水溶媒型電池用セパレーターとして使用した場合
には電気抵抗が高くなり電池としての機能が十分でな
い。一方、平均孔径が5μmを越えると閉塞しにくくな
り、非水溶媒型電池用セパレーターとして使用した場合
には、電極から滑落したカーボン等の電極活物質が通過
し易く短絡発生率が大きくなる。
【0018】[膜の厚さ]本発明の積層多孔膜の厚さと
しては10〜50μmが好ましく、15〜25μmの範
囲がさらに好ましい。積層多孔膜の厚さが10μm未満
では機械的強度が十分でなく、非水溶媒型電池用セパレ
ーターとして使用した場合には短絡を起こし易いという
問題も生じる。一方、積層多孔膜の厚さが50μmを越
えると巻き型電池の場合、電池1個当たりのセパレータ
ーの占める体積割合が高くなるため、電極面積を減らす
こととなり、電池容量が低下し好ましくない。
【0019】支持体層(A1)又は(A2)、特に、結晶
性樹脂又は非晶性樹脂多孔膜の厚さとしては、5〜47
μmが好ましく、7〜20μmの範囲がさらに好まし
い。支持体層(A1)又は(A2)の厚さが5μm未満で
は多孔膜層(B)が膨潤閉塞後の機械的強度が十分でな
く、非水溶媒型電池用セパレーターとして使用した場合
には短絡をおこし易いという問題も生じる。
【0020】多孔膜層(B)の厚さとしては、3〜45
μmが好ましく、5〜20μmの範囲がさらに好まし
い。多孔膜層(B)の厚さが3μm未満では膨潤閉塞が
十分でなく、非水溶媒型電池用セパレーターとして使用
した場合には短絡発生による過熱を抑えることができな
く、電極がセパレーターを突刺し易く、再度短絡し易く
なる。以下に本発明の積層多孔膜の製造方法について説
明する。
【0021】[製造方法]結晶性樹脂からなる支持体層
(A1)、非晶性樹脂からなる支持体層(A2)および多
孔膜層(B)の製造としては、支持体層(A1)、
(A2)および多孔膜層(B)を構成する樹脂に可塑剤
を混合した組成物を製膜し、その後、膜から抽出溶媒を
用いて可塑剤を抽出し、多孔膜とするのが1つの方法で
ある。
【0022】例えば、多孔膜層(B)を構成する樹脂が
フッ化ビニリデン系樹脂の場合には次のように製造する
ことが可能である。
【0023】フッ化ビニリデン系樹脂の可塑剤として
は、フッ化ビニリデン系樹脂を可塑化するものであり、
例えば、アジピン酸−プロピレングリコ−ル系、アジピ
ン酸−1,3−ブチレングリコ−ル系等のアジピン酸系
ポリエステル、セバシン酸−プロピレングリコール系、
セバシン酸−1,3−ブチレングリコール系等のセバシ
ン酸系ポリエステル、アゼライン酸−プロピレングリコ
ール系、アゼライン酸−1,3−ブチレングリコール系
等のアゼライン酸系ポリエステル、脂肪族の二塩基酸と
グリコールからなる脂肪族系ポリエステル可塑剤、ジオ
クチルフタレート等のフタル酸ジエステル可塑剤等が例
示されるが、フッ化ビニリデン系樹脂との相溶性の点か
ら特にアジピン酸系ポリエステルが好ましい。また、可
塑剤の配合量は、空孔率を考慮して、フッ化ビニリデン
系樹脂100重量部に対し30〜250重量部であり、
好ましくは40〜170重量部、より好ましくは50〜
120重量部である。
【0024】成形時の樹脂組成物の溶融温度としては1
70〜250℃が好ましく、より好ましくは180〜2
40℃である。押出は好ましくはTダイを用い、厚さ3
〜45μm、より好ましくは5〜20μmの範囲に製膜
する。
【0025】前記で得られたフィルムから可塑剤を抽出
するための溶媒としては、フッ化ビニリデン系樹脂を溶
解せず、可塑剤を溶解できるものであれば特に限定され
ない。例えば、アルコ−ル類ではメタノ−ル、イソプロ
ピルアルコ−ルなど、塩素化炭化水素類では塩化メチレ
ン、1,1,1−トリクロロエタンなどの溶媒を例示で
きる。
【0026】前記の溶媒による抽出方法は温度10〜1
50℃、好ましくは15〜100℃、さらに好ましくは
20〜50℃の抽出溶媒中に放置する。また、適宜振動
を加え抽出を加速することができる。可塑剤抽出後は、
多孔質膜の乾燥のため温度50〜150℃で、0.5〜
360分間熱処理をする。
【0027】また、支持体層(A1)を構成する樹脂が
ポリオレフィン系樹脂の場合には次のように製造するこ
とが可能である。
【0028】ポリオレフィン系樹脂の可塑剤としては、
ポリオレフィン系樹脂を可塑化するものであり、例え
ば、フタル酸ジエステル、アゼライン酸−プロピレング
リコール系、アゼライン酸−1,3−ブチレングリコー
ル系等のアゼライン酸系ポリエステル等の脂肪族の二塩
基酸とグリコールからなる脂肪族系ポリエステル、リン
酸エステル、グリコールエステル、エポキシ化合物が例
示されるが、ポリオレフィン系樹脂との相溶性の点から
特にフタル酸系ポリエステルが好ましい。また、可塑剤
の配合量は、空孔率を考慮して、ポリオレフィン系樹脂
100重量部に対し30〜250重量部であり、好まし
くは40〜200重量部、より好ましくは50〜150
重量部である。
【0029】成形時の樹脂組成物の溶融温度としては1
80〜340℃が好ましく、より好ましくは200〜2
70℃である。押出は好ましくはTダイを用い、厚さ3
〜45μm、より好ましくは5〜20μmの範囲に製膜
する。
【0030】前記で得られたフィルムから可塑剤を抽出
するための溶媒としては、ポリオレフィン系樹脂を溶解
せず、可塑剤を溶解できるものであれば特に限定されな
い。例えば、トリクロロメタン、トリクロロエタン等の
ハロアルカン、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン、酢酸エチル等の低級カルボン酸エステル、メタノー
ル等の低級アルコール、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素などの溶媒を例示できる。
【0031】前記の溶媒による抽出方法は温度10〜1
50℃、好ましくは15〜100℃、さらに好ましくは
20〜50℃の抽出溶媒中に放置する。また、適宜振動
を加え抽出を加速することができる。可塑剤抽出後は、
多孔質膜の乾燥のため温度50〜150℃で、0.5〜
360分間熱処理をする。
【0032】また、支持体層(A2)を構成する樹脂が
ポリカーボネート樹脂の場合には次のように製造するこ
とが可能である。
【0033】ポリカーボネート樹脂の可塑剤としては、
ポリカーボネート樹脂を可塑化するものであり、例え
ば、フタル酸ジエステル、アゼライン酸−プロピレング
リコール系、アゼライン酸−1,3−ブチレングリコー
ル系等のアゼライン酸系ポリエステル等の脂肪族の二塩
基酸とグリコールからなる脂肪族系ポリエステル、リン
酸エステル、グリコールエステル、エポキシ化合物が例
示される。また、可塑剤の配合量は、空孔率を考慮し
て、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し30〜2
50重量部であり、好ましくは40〜200重量部、よ
り好ましくは50〜150重量部である。
【0034】成形時の樹脂組成物の溶融温度としては1
80〜340℃が好ましく、より好ましくは200〜2
70℃である。押出は好ましくはTダイを用い、厚さ3
〜45μm、より好ましくは5〜20μmの範囲に製膜
する。
【0035】前記で得られたフィルムから可塑剤を抽出
するための溶媒としては、ポリカーボネート系樹脂を溶
解せず、可塑剤を溶解できるものであれば特に限定され
ない。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール等の低級アルコールを例示できる。
【0036】前記の溶媒による抽出方法は温度10〜1
50℃、好ましくは15〜100℃、さらに好ましくは
20〜50℃の抽出溶媒中に放置する。また、適宜振動
を加え抽出を加速することができる。可塑剤抽出後は、
多孔質膜の乾燥のため温度50〜150℃で、0.5〜
360分間熱処理をする。
【0037】本発明の積層多孔膜は、共押出法又は予め
製膜した各多孔膜を熱プレス、熱ロール等を用いてラミ
ネートする方法、点融着等により積層されたものであっ
てもよい。支持体層(A1)が多孔膜層以外の場合に
は、上記の方法で得られた多孔膜(B)に支持体層(A
1)を接合する方法で積層多孔膜を得るのが好ましい。
一方、支持体層(A1)が多孔膜である場合には共押出
法が製造工程の少なさの面から好ましい。
【0038】例えば、共押出法を採用した場合、支持体
層(A1)を構成する合成樹脂がポリオレフィン系樹脂
であり、多孔膜層(B)を構成する合成樹脂がフッ化ビ
ニリデン系樹脂である積層多孔膜を例に説明すると次の
ように製造できる。
【0039】可塑剤としては、上記のポリオレフィン系
樹脂の可塑剤およびフッ化ビニリデン系樹脂の可塑剤か
らそれぞれ選択でき、同じ可塑剤又は同一溶媒で抽出可
能な可塑剤の組み合わせを用いるのが好ましい。成形時
の樹脂組成物の溶融温度としては、ポリオレフィン系樹
脂およびフッ化ビニリデン系樹脂の両者とも170〜2
70℃が好ましく、より好ましくは180〜260℃で
ある。押出は好ましくはTダイを用い、製膜する。得ら
れたフィルムから可塑剤を抽出するための溶媒として
は、ポリオレフィン系樹脂およびフッ化ビニリデン系樹
脂を溶解せず、可塑剤を溶解できるものであれば特に限
定されない。一方の合成樹脂の可塑剤のみしか溶解しな
いものであっても、一方の可塑剤を除去後、もう一方の
可塑剤を除去しうる溶剤を用いればよい。抽出温度は1
5〜150℃、好ましくは15〜100℃、さらに好ま
しくは20〜50℃の抽出溶媒中に放置する。また、適
宜振動を加え抽出を加速することができる。可塑剤抽出
後は、多孔質膜の乾燥のため温度50〜150℃で、
0.5〜360分間熱処理をする。
【0040】積層多孔膜は、機械的強度の観点から、一
軸または二軸に延伸されることが好ましい。また、寸法
安定性の観点からは延伸後に各多孔膜層を構成する樹脂
組成物が溶融する温度より低い温度で熱処理を行うこと
が好ましい。突刺強度、引張強度および寸法安定性を向
上させるためには、熱処理温度を高くすることが好まし
いので、この点から支持体層と多孔膜層とを構成する樹
脂の両方が融点又はガラス転移点の高いものであること
が好ましい。
【0041】本発明の積層多孔膜は、非水溶媒型電池用
セパレーターとして使用でき、下記の非水溶媒で膨潤し
得る多孔膜層(B)を構成する樹脂を適宜選択して用い
ればよい。非水溶媒型電池に使われる非水溶媒として
は、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボ
ネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル溶
媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状
カルボン酸エステル溶媒、ジメトキシメタン、1,2−
ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン等の鎖
状エーテル溶媒、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキ
ソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、4−メチル−
1,3−ジオキソラン等の環状エーテル溶媒、ギ酸メチ
ル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状カルボン
酸エステル溶媒、ジメチルカーボネート、エチルメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状炭酸エス
テル溶媒、アセトニトリル、スルフォラン、3−メチル
スルフォラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン等のその
他の有機溶媒の1種又は2種以上の組み合わせが挙げら
れる。例えば、多孔膜層(B)がフッ化ビニリデン系樹
脂からなる場合、環状炭酸エステル類と鎖状エーテル類
もしくは鎖状炭酸エステル類の組み合わせが好ましく、
より好ましくは、プロピレンカーボネートと1,2−ジ
メトキシエタン、プロピレンカーボネートとジメチルカ
ーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボ
ネート、プロピレンカーボネートとエチルメチルカーボ
ネートの組み合わせである。
【0042】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例、比較例における測定は下記方法に依った。
【0043】[1.平均孔径]平均孔径は、測定エリア
20mmφの試験片を用いASTM F−316−86
に準拠したエタノ−ルのハーフドライ法によって求め
た。
【0044】[2.空孔率]試料(5cm×5cm)を
ミネラルオイル(Aldrich社製)に6時間浸漬
し、表面のミネラルオイルを十分に拭き取った後の重量
(W2)を測定し、該試料の浸漬前の重量(W1)及び
ミネラルオイルの密度(ρ)より空孔体積(V1)を次
式:V1=(W2−W1)/ρ、により求めた。空孔率
(P)は、見掛け体積(V2:厚さ及び寸法により計算
される値)と空孔体積(V1)とから、次式:P=V1
/V2×100(%)、により計算した。
【0045】[3.膨潤により閉塞する温度の測定]多
孔膜試料に電解液(プロピレンカーボネートと1,2−
ジメトキシエタンの1:1の混合溶媒に1mol/lの
過塩素酸リチウムを溶解した物)を含浸させた後、5c
2の白金電極2枚で挟んで固定し、測定セルとした。
この測定セルを加熱しながら、電極間に直流4Vの電圧
を印加し、回路電流から直流抵抗(Ω・cm2)の変化
を測定した。このとき、次式:(Y℃における直流抵
抗)/(100℃における直流抵抗)=2、を満足する
温度(Y℃)を膨潤による閉塞が起こった温度とした。
【0046】[4.結晶性樹脂の融点測定]示差走査熱
量計(DSC)を用いたASTM−D3418に準拠し
た方法で融点を測定した。
【0047】[5.引張強伸度の測定]引張強伸度測定
機((株)オリエンテック社製テンシロンRTM−10
0型)を用いて、幅10mm×長さ100mmの積層多
孔膜の試験片を、チャック間距離50mm、引張速度1
00mm/分の条件下で破断強度及び破断までの伸び量
を測定し、次式:破断点応力(MPa)=[破断点強度
(Kgf)/試験片の引張前の断面積(cm2)]×
0.0981、から破断点応力及び次式:破断点伸度
(%)=[破断までの伸び量:変位量(mm)/50
(mm)]×100、から破断点伸度を求めた。
【0048】[6.突刺強度の測定]引張強伸度測定機
((株)オリエンテック社製テンシロンRTM−100
型)の圧縮モードを用いて、サンプル固定治具に53m
mφの円形の試験片をセットし、先端部のR=0.5m
mの円錐形の突刺治具で、圧縮速度(突刺速度)120
mm/分で突刺強度を測定した。なお、突刺治具により
試験片が破断したときの荷重を破断点荷重(gf)と
し、突刺治具が試験片に触れた点(変位の原点)から破
断に至るまでの突刺治具の変位量を破断点変位(mm)
とした。本発明における突刺強度(gf・mm)とは、
変位の原点から破断点に至るまでの各変位点ごとの荷重
の積算値である。
【0049】[7.熱収縮率の測定]サンプルとなる積
層多孔膜を100mm×100mmに切り出し、60℃
のオーブン中で1時間熱処理した。熱処理前後の長さの
寸法変化率を測定し、次式:収縮率(%)={[(熱処
理前のサンプルの長さ−熱処理後のサンプルの長さ)]
/(熱処理前のサンプルの長さ)}×100、で収縮率
を計算した。
【0050】(実施例1)B層を構成する樹脂としてポ
リフッ化ビニリデン(呉羽化学工業(株)社製、商品
名:KF、融点178℃)100重量部に対し、アジピ
ン酸系ポリエステル可塑剤(旭電化工業(株)社製、商
品名:PN−640)50重量部を、2軸押出機を用い
て240℃で溶融混合し、ペレット化した。A層を構成
する樹脂としてポリ4−メチルペンテン−1(三井石油
化学工業(株)社製、商品名:TPX、融点235℃)
100重量に対し、65重量部のアジピン酸系ポリエス
テル可塑剤(旭電化工業(株)社製、商品名:PN−6
40)を、2軸押出機を用いて260℃で溶融混合し、
ペレット化した。得られたペレットを幅370mmの3
層共押出用Tダイの設置された3台の押出機から溶融押
出して、A層/B層/A層からなる溶融シートを成形
し、80℃のチルロール上で冷却して、多孔膜原反を得
た。得られた原反を200mm四方に切り出し、30℃
のイソプロピルアルコール中で超音波を当てながら、5
分間処理した。乾燥後、室温で1.5倍に1軸延伸した
後、120℃で30分間熱処理を行って積層多孔膜を得
た。得られた積層多孔膜の断面を偏向顕微鏡を用いて観
察したところ、A層/B層/A層の厚みは各8μm/9
μm/8μmであった。また、上記測定方法で得られた
積層多孔膜の物性を表1に示した。
【0051】(比較例1)B層を構成する樹脂として電
解液に膨潤しないポリプロピレン(チッソ(株)社製、
商品名:チッソポリプロ、融点165℃)100重量部
に対し、アジピン酸系ポリエステル(旭電化工業(株)
社製、商品名:PN−640)70重量部を、2軸押出
機を用いて240℃で溶融混合し、ペレット化した。A
層を構成する樹脂としてポリ4−メチルペンテン−1
(三井石油化学工業(株)社製、商品名:TPX、融点
235℃)100重量に対し、65重量部のアジピン酸
系ポリエステル(旭電化工業(株)社製、商品名:PN
−640)を、2軸押出機を用いて260℃で溶融混合
し、ペレット化した。得られたペレットを幅370mm
の3層共押出用Tダイの設置された3台の押出機から溶
融押出して、A層/B層/A層からなる溶融シートを成
形し、80℃のチルロール上で冷却して、多孔膜原反を
得た。得られた原反を200mm四方に切り出し、30
℃のイソプロピルアルコール中で超音波を当てながら、
5分間処理した。乾燥後、室温で1.5倍に1軸延伸し
た後、120℃で30分間熱処理を行って積層多孔膜を
得た。得られた積層多孔膜の断面を偏向顕微鏡を用いて
観察したところ、A層/B層/A層の厚みは各8μm/
9μm/8μmであった。また、上記測定方法で得られ
た積層多孔膜の物性を表1に示した。
【0052】(比較例2)B層を構成する樹脂として電
解液に膨潤しないポリブテン−1(三井石油化学工業
(株)社製、商品名:ビューロン、融点123℃)10
0重量部に対し、アジピン酸系ポリエステル(旭電化工
業(株)社製、商品名:PN−640)80重量部を、
2軸押出機を用いて240℃で溶融混合し、ペレット化
した。A層を構成する樹脂としてポリ4−メチルペンテ
ン−1(三井石油化学工業(株)社製、商品名:TP
X、融点235℃)100重量に対し、65重量部のア
ジピン酸系ポリエステル(旭電化工業(株)社製、商品
名:PN−640)を、2軸押出機を用いて260℃で
溶融混合し、ペレット化した。得られたペレットを幅3
70mmの3層共押出用Tダイの設置された3台の押出
機から溶融押出して、A層/B層/A層からなる溶融シ
ートを成形し、80℃のチルロール上で冷却して、多孔
膜原反を得た。得られた原反を200mm四方に切り出
し、30℃のイソプロピルアルコール中で超音波を当て
ながら、5分間処理した。乾燥後、室温で1.5倍に1
軸延伸した後、60℃で30分間熱処理を行って積層多
孔膜を得た。得られた積層多孔膜の断面を偏向顕微鏡を
用いて観察したところ、A層/B層/A層の厚みは各
7.5μm/10μm/7.5μmであった。また、上
記測定方法で得られた積層多孔膜の物性を表−1に示し
た。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の積層多孔膜によれば、寸法安定
性および機械的強度に優れている。また、前記積層多孔
膜からなる本発明の非水溶媒型電池用セパレーターによ
れば、突刺強度、引張強度に優れている上、短絡が発生
して電池内に過大な電流が流れても、その際に発生する
熱により膨潤可能な合成樹脂多孔膜が非水溶媒を取り込
んで膨潤し、比較的低温で細孔が閉塞封止され、電流の
流れを止めて過熱を抑制するという効果を有する。また
本発明の非水溶媒型電池用セパレーターは寸法安定性に
も優れているので、セパレーターの収縮による正負電極
の接触を防止することができる。さらに、本発明の非水
溶媒型電池用セパレーターは機械的強度が優れているこ
とから、セパレーターの引き裂きを生じないで非水溶媒
型電池を製造することができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性樹脂からなる細孔を有する支持体
    層(A1)と合成樹脂からなる微細孔を有する多孔膜層
    (B)とが積層された多孔膜において、支持体層
    (A1)を構成する結晶性樹脂の融点より低い温度で多
    孔膜層(B)を構成する合成樹脂が非水溶媒により膨潤
    して多孔膜層(B)の微細孔が閉塞することを特徴とす
    る積層多孔膜。
  2. 【請求項2】 非晶性樹脂からなる細孔を有する支持体
    層(A2)と合成樹脂からなる微細孔を有する多孔膜層
    (B)とが積層された多孔膜において、支持体層
    (A2)を構成する非晶性樹脂のガラス転移点より低い
    温度で多孔膜層(B)を構成する合成樹脂が非水溶媒に
    より膨潤して多孔膜層(B)の微細孔が閉塞することを
    特徴とする積層多孔膜。
  3. 【請求項3】 支持体層(A1)が融点160℃以上の
    結晶性樹脂からなる多孔膜層であり、合成樹脂の融点若
    しくはガラス転移点が150℃以上である請求項1記載
    の積層多孔膜。
  4. 【請求項4】 支持体層(A2)がガラス転移点140
    ℃以上の非晶性樹脂からなる多孔膜層であり、合成樹脂
    の融点若しくはガラス転移点が150℃以上である請求
    項2記載の積層多孔膜。
  5. 【請求項5】 支持体層(A1)が融点160℃以上の
    結晶性樹脂からなる多孔膜層であり、合成樹脂の融点若
    しくはガラス転移点が150℃以上であり、温度範囲1
    00〜140℃で合成樹脂が非水溶媒により膨潤して多
    孔膜層(B)の微細孔が閉塞することを特徴とする請求
    項1または3記載の積層多孔膜。
  6. 【請求項6】 支持体層(A2)がガラス転移点140
    ℃以上の非晶性樹脂からなる多孔膜層であり、合成樹脂
    の融点若しくはガラス転移点が150℃以上であり、温
    度範囲100〜140℃で合成樹脂が非水溶媒により膨
    潤して多孔膜層(B)の微細孔が閉塞することを特徴と
    する請求項2または4記載の積層多孔膜。
  7. 【請求項7】 支持体層(A1)を構成する結晶性樹脂
    がポリオレフィン系樹脂であり、多孔膜層(B)を構成
    する合成樹脂がフッ化ビニリデン系樹脂である請求項
    1、3、5の何れかに記載の積層多孔膜。
  8. 【請求項8】 支持体層(A2)を構成する非晶性樹脂
    がポリカーボネート樹脂であり、多孔膜層(B)を構成
    する合成樹脂がフッ化ビニリデン系樹脂である請求項
    2、4、6の何れかに記載の積層多孔膜。
  9. 【請求項9】 積層多孔膜の平均空孔率が30〜65%
    である請求項1〜8に何れかに記載の積層多孔膜。
  10. 【請求項10】 積層多孔膜の平均孔径が0.01〜5
    μmである請求項1〜9に何れかに記載の積層多孔膜。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかに記載の積層
    多孔膜からなる非水溶媒型電池用セパレーター。
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