JPH0832342A - フェーズドアレイ電波シーカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 そのアンテナの前方にブロッキングが存在す
る場合にも、良好なアンテナパターンを形成することが
できる電波シーカを実現する。 【構成】 ビーム制御器４により位相のみでなく振幅も
それぞれ独立に制御することができる複数の可変出力モ
ジュール３を上記ビーム制御器４に接続したことによっ
て、アンテナビームの指向方向をいずれの方向にとって
も、また飛しょう体の頭部にブロッキング１が存在する
場合にも低サイドローブ化された良好なアンテナパター
ンを得ることが可能となり、また、この前方に他のシー
カを配置し、これと組み合わせた複合シーカとして、電
波シーカの探知性能、耐電子的妨害性能の向上を図るこ
とが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ブロッキングが存在す
る飛しょう体等に適用される機体固定方式のフェーズド
アレイ電波シーカに関する。

【０００２】

【従来の技術】フェーズドアレイ電波シーカのアンテナ
は、図４（ａ）に示すようにメインローブ１５とサイド
ローブ１６からなるアンテナパターンを形成する。

【０００３】このアンテナパターンは、通常は図４
（ｂ）に示すようにサイドローブ１６に対してメインロ
ーブ１５が大きいが、アンテナの前方の飛しょう体の頭
部にブロッキングが存在する場合には、図４（ｃ）に示
すように歪み、サイドローブレベルが上昇して耐電子的
妨害性能が低下する。

【０００４】従来のフェーズドアレイ電波シーカにおい
ては、このサイドローブレベルの上昇を抑制するため、
図５に示すようにアンテナ面の端の方には低出力のモジ
ュール１０を、中心付近に高出力のモジュール１１を配
置してアンテナパターンを調整していた。

【０００５】なお、上記低出力、高出力のモジュール１
０，１１は、位相に関してはアンテナビームの指向方向
に応じてモジュール１０，１１毎に制御されるが、出力
（すなわち、振幅）は常に一定であった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来のフェーズドアレ
イ電波シーカにおいては、ブロッキングによって送受信
電波が妨げられると、前記のようにブロッキングのない
場合に比べてアンテナパターンが歪み、サイドローブレ
ベルの上昇、アンテナゲインの低下、指向性の低下を生
じることがあった。

【０００７】アンテナゲインの低下、指向性の低下につ
いては、送信出力の増大、信号処理での補正によって対
処できる。一方、サイドローブレベルの上昇について
は、アンテナの端の方に低出力モジュールを、中心付近
に高出力モジュールを配すことによって最適なアンテナ
パターンを形成し対処してきた。

【０００８】しかしながら、ブロッキングのアンテナへ
の影響は、アンテナビームの指向方向によって異なるた
め、アンテナビームの指向方向を変更すると、最適なア
ンテナパターンを維持できなかった。

【０００９】また、あらゆるアンテナビームの指向方向
で低サイドローブにするため、端の方のモジュールを全
て低出力化すると、アンテナゲインが低下し、探知距離
が短くなるという課題があった。本発明は上記の課題を
解決しようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のフェーズドアレ
イ電波シーカは、飛しょう体の前部に配設されビーム制
御器が設けられたフェーズドアレイ方式の電波シーカに
おいて、上記ビーム制御器に接続されそれぞれが出力す
る送信波の位相及び振幅がそれぞれ独立に上記ビーム制
御器により制御可能な複数の可変出力モジュールを備え
たことを特徴としている。

【００１１】

【作用】上記において、複数の可変出力モジュールは、
それぞれが出力する送信波の位相及び振幅がビーム制御
器によりそれぞれ独立に制御可能なため、アンテナパタ
ーンのメインローブを形成する可変出力モジュールの出
力を高出力、サイドローブを形成するものの出力を低出
力とすることができる。

【００１２】そのため、ブロッキングのある場合でも、
探知距離を低下させずにサイドローブレベルを低く抑え
ることができ、常に良好なアンテナパターンを形成する
ことが可能となり、耐電子的妨害性能の低下を防ぐこと
ができる。

【００１３】また、ブロッキングとなる他のシーカを前
方に置くことが可能となり、他のフェーズドアレイ電波
シーカと組み合わせて複合シーカを成立させることが可
能となる。

【００１４】

【実施例】本発明の一実施例を図１により説明する。図
１に示す本実施例は、飛しょう体９の頭部のレドーム２
の先端にブロッキング１が設けられた飛しょう体９内に
配設され他の装置から制御信号等を入力する信号処理部
７、同処理部７に接続された受信器５と送信源部６、お
よび同受信器５と送信源部６に接続されるとともに上記
信号処理部７に直接接続されたビーム制御器４を備えた
フェーズドアレイ電波シーカ８において、上記レドーム
２の後方に設けられそれぞれ上記ビーム制御器４に接続
された複数の可変出力モジュール３を備えている。

【００１５】上記において、信号処理部７は他の装置か
らの制御信号を受けて受信器５からの信号を処理し、送
信源部６及びビーム制御器４に制御信号を出力する。ビ
ーム制御器４は信号処理部７からの角度信号を受けて、
各可変出力モジュール３の位相を制御するとともに振幅
も制御し、低サイドローブ化を促進する。

【００１６】そのため、ブロッキング１が存在する場合
で、アンテナビームの指向方向がいかなる方向の場合で
あっても低サイドローブ化された良好なアンテナパター
ンが得られる。

【００１７】上記可変出力モジュール３については、そ
の詳細を図２に示すように内部に低出力モジュール１０
と低出力モジュール１１が設けられたものであり、ビー
ム制御器４からの制御信号を受けて、アンテナビームの
指向方向に応じた最適なアンテナパターンを形成するた
めに、低出力モジュール１０か高出力モジュール１１の
いずれかを選択して出力するものである。

【００１８】上記低出力モジュール１０と高出力モジュ
ール１１の選択について、図３により説明する。アンテ
ナビームを正面に向ける場合には、図３（ａ）に示すよ
うにアンテナ中心付近のモジュールを高出力状態Ｈと
し、端の方のモジュールを低出力状態Ｌとする。これに
より、正面方向のゲインが高くなり、サイドローブは小
さくなる。

【００１９】また、アンテナビームを正面からずれた方
向とする場合には、図３（ｂ）に示すように中心よりや
や端にずれたモジュール群を高出力状態Ｈとし、その両
側を低出力状態Ｌとする。これにより、ビームの指向方
向でゲインを高く確保でき、サイドローブを低く抑える
ことができる。

【００２０】そのため、電波シーカが出力するアンテナ
ビームが正面の方向からずれた場合や、飛しょう体の頭
部にブロッキングが存在する場合であって正面方向にア
ンテナビームを放射する場合にも、常に良好なアンテナ
パターンを形成することが可能になる。

【００２１】

【発明の効果】本発明のフェーズドアレイ電波シーカ
は、ビーム制御器により位相のみでなく振幅もそれぞれ
独立に制御することができる複数の可変出力モジュール
を上記ビーム制御器に接続したことによって、アンテナ
ビームの指向方向をいずれの方向にとっても、また飛し
ょう体の頭部にブロッキングが存在する場合にも低サイ
ドローブ化された良好なアンテナパターンを得ることが
可能となり、また、この前方に他のシーカを配置し、こ
れと組み合わせた複合シーカとして、電波シーカの探知
性能、耐電子的妨害性能の向上を図ることが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の説明図で、（ａ）は電波シ
ーカ、（ｂ）は電波シーカが搭載される飛しょう体の説
明図である。

【図２】上記一実施例に係る可変出力モジュールの説明
図である。

【図３】上記一実施例に係る作用説明図で、（ａ）はア
ンテナビームが正面に向いている場合、（ｂ）はアンテ
ナビームが正面からずれた方向に向いている場合の説明
図である。

【図４】アンテナパターンの説明図で、（ａ）は標準的
な形状、（ｂ）はブロッキングがない場合、（ｃ）はブ
ロッキングがある場合の説明図である。

【図５】従来の電波シーカの説明図である。

【符号の説明】

１ ブロッキング ２ レドーム ３ 可変出力モジュール ４ ビーム制御器 ５ 受信器 ６ 送信源部 ７ 信号処理部 ８ 電波シーカ ９ 飛しょう体 １０ 低出力モジュール １１ 高出力モジュール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 飛しょう体の前部に配設されビーム制御
   器が設けられたフェーズドアレイ電波シーカにおいて、
   上記ビーム制御器に接続されそれぞれが出力する送信波
   の位相及び振幅がそれぞれ独立に上記ビーム制御器によ
   り制御可能な複数の可変出力モジュールを備えたことを
   特徴とするフェーズドアレイ電波シーカ。