JPH08319162A - 誘電体磁器及びその製造方法 - Google Patents

誘電体磁器及びその製造方法

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JPH08319162A
JPH08319162A JP7342415A JP34241595A JPH08319162A JP H08319162 A JPH08319162 A JP H08319162A JP 7342415 A JP7342415 A JP 7342415A JP 34241595 A JP34241595 A JP 34241595A JP H08319162 A JPH08319162 A JP H08319162A
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JP
Japan
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composition
dielectric
porcelain
ceramic
platinum
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JP7342415A
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Takayuki Kikuchi
菊池  尊行
Tadashi Odagiri
正 小田切
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 測定周波数が10GHzにおけるQ値が40
000以上、更には50000以上の著しく高い誘電体
磁器並びにその有効な製造方法を提供し、また40GH
zを越えるような高周波帯においても適用可能な誘電体
磁器及びその製造方法を提供すること。 【構成】 一般式:Bax Mgy Taz w (但し、x
+y+z=1であり、wはBa、Mg、Taの陽イオン
の合計の電荷を中和し、磁器全体として電気的に中性と
する数である)にて表される組成を有する誘電体磁器で
あって、該式中、0.500≦x≦0.505、0.1
60≦y≦0.165、0.332≦z≦0.338で
あると共に、白金を実質的に含有しないように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、誘電体磁器及びその製造方法に
係り、特に、40GHzを越えるような高周波に好適に
適用し得る高周波用誘電体磁器と、その有利な製造方法
に関するものである。
【0002】
【背景技術】近年、特開昭53−60544号公報や特
開昭58−206003号公報や特開平5−19401
7号公報等において明らかにされている複合ペロブスカ
イト型結晶構造を有するBaO−MgO−Ta25
の誘電体磁器は、BaO−ZnO−Ta25 系誘電体
磁器と同様に、高周波用の高Q材料として有望であるこ
とが認められているが、そのようなBaO−MgO−T
25 系の誘電体磁器にあっても、そのQ値(at
10GHz)が50000を越えるものは、未だ実現さ
れておらず、40000を越えるQ値のものも、単に、
一、二の報告が為されているのみである。
【0003】例えば、特開平5−54718号公報に
は、その実施例13に、Ba(SnxMgy Taz )O
w 組成において、x=0.005、y=0.330、及
びz=0.665の時に、46000のQ値を有する誘
電体磁器が得られたことが明らかにされているが、それ
は、あくまでも、Sn添加の組成を採用した場合のもの
であって、BaOとMgOとTa25 のみから構成さ
れる誘電体磁器とは異なるものとなっている。
【0004】また、「JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PH
YSICS 」VOL.30、No.9B(1991)、 pp.234
7〜2349には、Ba(Mg,Ta)O3 −BaSn
3系高Q誘電体共振器材料が明らかにされ、そこで
は、基本的には、Snの添加効果について述べられてい
るが、またSnを添加しないBa(Mg1/3 、T
2/3)O3 組成において、換言すれば化学量論的組成
において、Q=43000のものが得られたことも明ら
かにされている。しかしながら、そこでは、その高いQ
値が得られた理由については、何等言及されておらず、
単に、製造プロセスは標準的な合成方法を採用したとさ
れ、その具体的な製造条件については、何等の説明も為
されてはいない。
【0005】一方、BaO−MgO−Ta25 系誘電
体磁器は、従来より、化学量論的組成、つまりBa(M
1/3 、Ta2/3 )O3 を満たす組成(Ba+Mg+T
a=1とすると、Ba=0.500、Mg=0.16
7、Ta=0.333に相当する)が最も望ましいと考
えられてきており、特開平5−194017号公報に
も、そのことが明らかにされているが、そのような化学
量論的組成を採用した従来のBaO−MgO−Ta2
5 系誘電体磁器のQ値は低く、そのために、必要な特性
が得られないという問題を内在するものであった。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にした為されたものであって、その解決すべき課題と
するところは、測定周波数が10GHzにおけるQ値が
40000以上、更には50000以上の著しく高い誘
電体磁器並びにその有効な製造方法を提供することにあ
り、また、40GHzを越えるような高周波帯において
も適用可能な誘電体磁器及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【解決手段】そして、そのような課題を解決すべく、本
発明者らが種々の検討を行なった結果、BaO−MgO
−Ta25 系誘電体磁器において、その化学量論的組
成から外れた極く近傍の狭い領域の組成において、Q値
の向上に著しく寄与する組成依存領域が存することが見
い出され、また、焼成時に焼成容器等から発生した白金
が誘電体磁器中に不純物として混入し、それがQ値特性
に著しい悪影響をもたらしている事実が見い出されたの
である。
【0008】特に、白金は高温でも極めて安定であると
ころから、従来より、誘電体磁器の焼成に際して、高温
度が作用する焼成容器や支持治具、セッター等に、白金
製のものが、一般に用いられてきている。しかしなが
ら、白金製の焼成容器等においても、高温、長時間の状
態では、重量減少が惹起されることが認められており、
それは、白金の蒸発によるものである。尤も、その量は
非常に微量であり、従来では誘電体磁器に何等の影響も
もたらすものではないと考えられてきたのであるが、本
発明者らの検討によって、そのような蒸発した白金が、
微量においても、焼成される誘電体磁器内に混入するこ
とによって、誘電体磁器特性、特にQ値に大きな影響を
もたらすことが明らかとなったのである。
【0009】本発明は、上記した二つの知見に基づい
て、白金を実質的に含有しないようにして、極めて狭い
特定の組成範囲に維持せしめることにより、従来技術で
は極めて困難であった、測定周波数が10GHzにおけ
るQ値が40000以上のBaO−MgO−Ta25
系誘電体磁器を実現したものであって、その特徴とする
ところは、一般式:Bax Mgy Taz w (但し、x
+y+z=1であり、wはBa、Mg、Taの陽イオン
の合計の電荷を中和し、磁器全体として電気的に中性と
する数である)にて表される組成を有する誘電体磁器で
あって、該式中、0.500≦x≦0.505、0.1
60≦y≦0.165、0.332≦z≦0.338で
あると共に、白金を実質的に含有しない、測定周波数が
10GHzにおけるQ値が40000以上の特性を有す
る誘電体磁器にある。
【0010】また、本発明は、一般式:Bax Mgy
z w (但し、x+y+z=1であり、wはBa、M
g、Taの陽イオンの合計の電荷を中和し、磁器全体と
して電気的に中性とする数である)にて表される組成を
有する誘電体磁器であって、該式中、0.501≦x≦
0.503、0.162≦y≦0.164、0.334
≦z≦0.336であると共に、白金を実質的に含有し
ない、測定周波数が10GHzにおけるQ値が5000
0以上の特性を有する誘電体磁器をも、その要旨とする
ものである。
【0011】そして、かかる本発明に従う誘電体磁器を
製造するに際しては、該誘電体磁器を与える原料組成物
を、600℃〜900℃の温度で、少なくとも1分以
上、保持することにより、仮焼せしめた後、セラミック
ス製容器内において、白金材料を存在せしめることな
く、焼成することからなる手法が採用されることとなる
のである。
【0012】また、上記した本発明に従う誘電体磁器
は、それを与える原料組成物を仮焼せしめた後、セラミ
ックス製容器内において、該誘電体磁器を構成する成分
若しくはその原料又はその仮焼物若しくは焼成体の存在
下、白金材料を存在せしめることなく、焼成することか
らなる手法によっても、有利に、製造され得るものであ
る。
【0013】さらに、前記した本発明に従う誘電体磁器
は、それを与える原料組成物を、600℃〜900℃の
温度で、少なくとも1分以上、保持することにより、仮
焼せしめた後、セラミックス製容器内において、該誘電
体磁器を構成する成分若しくはその原料又はその仮焼物
若しくは焼成体の存在下、白金材料を存在せしめること
なく、焼成することからなる手法を採用することによっ
て、より効果的に製造され得るのである。
【0014】
【発明の実施の形態】ところで、このような本発明に従
う誘電体磁器を製造するに際しては、前記一般式:Ba
x Mgy Taz w (x、y、z、wは、前記規定の通
りである)で表される組成を有する誘電体磁器を与える
ように、BaO源原料、MgO源原料及びTa25
原料が調合されて、原料組成物が調製されることとなる
が、本発明で重要なことは、誘電体磁器の出来上がり
(焼成後)の組成であって、最終的に前記一般式にて示
される組成となるように、それぞれの原料を配合せしめ
る必要がある。
【0015】従って、例えば、長時間の焼成を行なう場
合、焼成中に誘電体磁器の組成が変化し、そしてその組
成が変化した結果、焼成時間によってQ値が異なるとい
う結果が生じることがあるところから、そのような焼成
時における変化を見越して、原料組成物が調合せしめら
れる必要があるのである。また、後述するように、原料
組成物の組成が、前記一般式にて規定される組成(最終
組成)と異なっていても、焼成時において、それを補う
ような組成の粉末等の材料を、焼成るつぼの如き焼成容
器内に投入して、出来上がりの組成を、前記一般式にて
規定される組成範囲内に制御することも可能である。な
お、ここで用いられるBaO源原料、MgO源原料、T
25 源原料は、何れも、Ba、Mg、Taの酸化物、
水酸化物の他、炭酸塩等の無機酸塩、酢酸塩等の有機酸
塩等の形態において用いられることとなる。
【0016】そして、かかるBaO源原料、MgO源原
料及びTa25 源原料からなる原料成分は、焼成条件
を考慮して、目的とする誘電体磁器組成を与えるように
調合され、混合粉砕せしめられて、均一な原料組成物と
された後、それには、従来と同様な仮焼操作が施される
こととなる。尤も、この仮焼工程においては、600℃
〜900℃の仮焼温度を採用して、1分間以上、好まし
くは1時間〜4時間の仮焼操作を実施することが望まし
く、これによって、本発明の目的とする特性を有利に実
現せしめることが出来る。なお、仮焼温度が900℃を
越えるようになると、仮焼物が固くなり、その粉砕工程
における玉石の摩耗等からの不純物の混入が惹起される
ようになる問題もあり、また、600℃未満の仮焼で
は、焼結体に不均一が生じ、割れ等の問題も惹起され
る。
【0017】次いで、このようにして、仮焼して得られ
た仮焼物は、その後、常法に従って粉砕され、更に必要
に応じて造粒された後、所望の形状に成形され、そして
公知の焼成操作に従って焼成されることとなるが、その
際、焼成るつぼの如き焼成容器やセッター等の部材は、
非白金製とされ、焼成系内に白金材料が存在しないよう
にされる。けだし、従来から高温で安定とされている白
金にあっても、BaO−MgO−Ta25 系誘電体磁
器の焼成において採用される焼成温度、例えば1500
〜1700℃の高温の焼成温度下においては、ある程度
揮発して、誘電体磁器中に混入するようになり、それ
が、誘電体磁器の特性に悪影響をもたらしていたからで
ある。
【0018】本発明にあっては、そのような白金の混入
を避け、誘電体磁器中に白金が実質的に含有されないよ
うに、具体的には1ppm以下の含有量とされ、これに
よって、得られる誘電体磁器の特性を著しく向上せしめ
得たのである。特に、本発明にあっては、そのような焼
成系内に白金材料が存在しないように、焼成るつぼの如
き焼成容器としては、セラミックス製容器が用いられ、
またセッター等にあっても、セラミックス製のものが有
利に用いられることとなるが、なかでも、高純度のマグ
ネシアセラミックスからなる焼成るつぼやセッターが有
利に用いられることとなる。
【0019】また、かかる焼成に際しては、長時間の焼
成によって、得られる誘電体磁器の組成が変化して、前
記した一般式にて規定される組成から外れる恐れがある
ところから、目的とする誘電体磁器を構成する成分若し
くはその原料又はその仮焼物若しくは焼成体の存在下に
おいて、焼成を行ない、その焼成雰囲気を調製すること
が望ましい。具体的には、焼成系内に、誘電体磁器を構
成するBa、Mg、Ta、Oの各成分が、単独で或いは
その原料の形態において、または誘電体磁器を与える仮
焼物の形態において、更には焼成された磁器そのものの
形態において、存在せしめられるのである。そして、そ
の存在によって、最終の誘電体磁器の組成が前記一般式
を満足するように制御されるのである。従って、目的と
する誘電体磁器を与える原料組成物の組成が最終の誘電
体磁器の組成範囲から外れていても、それを補うような
組成の誘電体磁器構成成分の粉末等の上記した材料を、
焼成るつぼの如き焼成容器内に投入して、焼成操作を実
施すれば、得られる誘電体磁器の出来上がりの組成を目
的とする範囲内に制御することが出来るのであり、これ
によって、そのQ値を効果的に高めることが出来るので
ある。
【0020】かくして得られる前記一般式:Bax Mg
y Taz w で表される組成を有する本発明に従う誘電
体磁器は、従来から望ましいとされている化学量論的組
成(x=0.500、y=0.167、z=0.33
3)から僅かに外れ、その近傍組成:0.500≦x≦
0.505、0.160≦y≦0.165、0.332
≦z≦0.338、x+y+z=1、好ましくは0.5
01≦x≦0.503、0.162≦y≦0.164、
0.334≦z≦0.336、x+y+z=1なる、極
めて狭い領域の組成を満たすようにされ、以て目的とす
る測定周波数が10GHzにおけるQ値の著しい向上、
即ち、かかるQ値が40000を越え、50000に達
するような特性を有する誘電体磁器を得ることが出来る
こととなったのである。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。また、
本発明には、以下に示される実施例の他にも、本発明の
趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づい
て、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものである
ことが、理解されるべきである。
【0022】先ず、高純度の炭酸バリウム、酸化マグネ
シウム及び酸化タンタルを、各焼成条件下、下記表1に
て示される最終の誘電体磁器組成を与える所定のモル比
となるように、それぞれ秤量し、ジルコニア玉石と共
に、エタノール中で湿式混合した後、乾燥せしめ、そし
てその乾燥物を、マグネシアるつぼ内で、800℃×2
時間、仮焼した。次いで、この得られた仮焼物を、ジル
コニア玉石と共に、エタノール中で湿式粉砕せしめ、そ
して100メッシュの篩を通して造粒した後、一軸プレ
ス装置を用いて仮成形し、更に、その得られた仮成形体
に対して、4トン/cm2 の荷重をかけて、CIP成形
することにより、12mm×5mmの矩形の各種の成形
体を得た。
【0023】次いで、このようにして得られた各種組成
の成形体について、次のような焼成操作を実施した。先
ず、実験No.1〜16の成形体については、マグネシア
セラミックスからなる焼成るつぼを用い、その焼成るつ
ぼ内に、各成形体に用いた粉砕仮焼物をそれぞれ100
g程投入し、そしてその中のマグネシアセッター上に、
焼成されるべき成形体を載置して、1650℃で24時
間の焼成を行なった。なお、実験No.17の成形体の焼
成に際しては、焼成るつぼとして白金製るつぼを用い、
また実験No.18の成形体の焼成に際しては、マグネシ
ア製焼成るつぼを用いるものの、セッターとしては、白
金板を用いた。更に、実験No.19の成形体の焼成にあ
っては、1000℃×2時間の仮焼工程を経た仮焼物を
用いて成形されてなる成形体を用いている以外は、実験
No.1〜16の成形体と同様にして、誘電体磁器を製造
した。
【0024】かくして得られた実験No.1〜19の各種
の誘電体磁器(焼結体)について、その磁器組成を湿式
分析法にて分析すると共に、比誘電率、測定周波数が1
0GHzにおけるQ値及び焼結密度について評価し、そ
れらの結果を、下記表1に示した。なお、湿式分析法に
よる磁器組成の分析は、BaとTaを重量法により定量
し(これによりBaとTaは沈殿分離される)、その
後、キレート滴定法にてMgを定量することにより、行
なった。また、実験No.9、17及び18において得ら
れた誘電体磁器(焼結体)に含まれるPt含有量につい
ても分析し、その結果を、下記表2に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】かかる表1及び表2の結果から明らかな如
く、前記一般式におけるx、y及びzを満たす、本発明
に従う実験No.5、7、8、9、13の磁器組成物にあ
っては、何れも、Ptの含有は検出されず、且つQ値
が、40000以上、更には50000を越える優れた
特性を有するものであった。これに対して、前記一般式
のx、y及びzの何れかを満たさない組成の実験No.1
〜4、6、10〜12、14〜16のものにあっては、
更にはそのような組成を満たしても、誘電体磁器(焼結
体)中にPtが含有される実験No.17、18のものに
あっては、Q値の低いものとなった。
【0028】また、上記と同様に仮焼して得られた仮焼
粉砕粉の組成が、下記表3に示されるものを用いて、上
記と同様にして得られた成形体(矩形板)について、焼
成時間を種々異ならしめて、上記と同様にして焼成し、
その得られた焼成体(誘電体磁器)について、Q値及び
x、y、zの値を上記と同様にして調べ、その結果を、
下記表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】この表3の結果から明らかな如く、仮焼粉
砕粉、ひいては原料組成物の組成が最終の誘電体磁器組
成を外れていても、長時間の焼成操作を実施することに
よって、x、y及びzの各値が本発明の規定範囲内とな
った場合においては、優れたQ値が実現されるのであ
る。
【0031】さらに、下記表4には、マグネシア製焼成
るつぼ内に、成形体と同一組成の仮焼粉砕粉を投入した
場合と、成形体とは異なる組成の仮焼粉砕粉を投入した
場合における、得られた焼結体(誘電体磁器)の最終組
成並びにQ値についての結果が示されているが、仮焼粉
組成、ひいては原料組成物組成が、本発明の範囲外であ
っても、焼成るつぼ内に投入される仮焼粉砕粉の組成に
よっては、本発明の範囲内となる焼結体を得ることが出
来、それによって、得られた焼結体のQ値も、効果的に
改善され得ることが認められる。
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従うBaO−MgO−Ta25 系誘電体磁器は、そ
の化学量論的組成の極く近傍の狭い領域の組成を満たす
ように調製され、且つ白金を実質的に含有しないように
された誘電体磁器であって、これにより、マイクロ波帯
域において高いQ値を有し、しかも大きな比誘電率を有
しており、40GHzを越えるような高い周波数帯に特
に有利に適用可能な誘電体磁器であるところに、大きな
技術的意義を有するものである。また、そのような優れ
た特徴を有する誘電体磁器は、特定の仮焼操作を採用す
ることにより、或いはそれと共に、若しくはそれに代え
て、誘電体磁器構成成分若しくはその原料等の存在下に
て、焼成雰囲気を調整しつつ、また、白金材料を存在せ
しめることなく、焼成を行なうことにより、工業的に有
利に製造され得ることとなったのであって、そこに、本
発明の大きな技術的意義が存するのである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:Bax Mgy Taz w (但
    し、x+y+z=1であり、wはBa、Mg、Taの陽
    イオンの合計の電荷を中和し、磁器全体として電気的に
    中性とする数である)にて表される組成を有する誘電体
    磁器であって、該式中、0.500≦x≦0.505、
    0.160≦y≦0.165、0.332≦z≦0.3
    38であると共に、白金を実質的に含有しない、測定周
    波数が10GHzにおけるQ値が40000以上の特性
    を有する誘電体磁器。
  2. 【請求項2】 一般式:Bax Mgy Taz w (但
    し、x+y+z=1であり、wはBa、Mg、Taの陽
    イオンの合計の電荷を中和し、磁器全体として電気的に
    中性とする数である)にて表される組成を有する誘電体
    磁器であって、該式中、0.501≦x≦0.503、
    0.162≦y≦0.164、0.334≦z≦0.3
    36であると共に、白金を実質的に含有しない、測定周
    波数が10GHzにおけるQ値が50000以上の特性
    を有する誘電体磁器。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の誘電体磁器を製
    造する方法にして、該誘電体磁器を与える原料組成物
    を、600℃〜900℃の温度で、少なくとも1分以
    上、保持することにより、仮焼せしめた後、セラミック
    ス製容器内において、白金材料を存在せしめることな
    く、焼成することを特徴とする誘電体磁器の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の誘電体磁器を製
    造する方法にして、該誘電体磁器を与える原料組成物を
    仮焼せしめた後、セラミックス製容器内において、該誘
    電体磁器を構成する成分若しくはその原料又はその仮焼
    物若しくは焼成体の存在下、白金材料を存在せしめるこ
    となく、焼成することを特徴とする誘電体磁器の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の誘電体磁器を製
    造する方法にして、該誘電体磁器を与える原料組成物
    を、600℃〜900℃の温度で、少なくとも1分以
    上、保持することにより、仮焼せしめた後、セラミック
    ス製容器内において、該誘電体磁器を構成する成分若し
    くはその原料又はその仮焼物若しくは焼成体の存在下、
    白金材料を存在せしめることなく、焼成することを特徴
    とする誘電体磁器の製造方法。
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Cited By (9)

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