JPH083177Y2 - モータのブラシホルダー構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、カーボンブラシを備えたモータのブラシホ
ルダー構造に関する。

［従来の技術］ 周知の通り、一般の直流モータにおいては、固定子
（ステータ）側に界磁磁石とブラシを設け、回転子（ロ
ータ）側に巻線と整流子を設け、この整流子と前記ブラ
シとの機械的摺動によって前記巻線の電流の方向の切替
えを行っている。ブラシには炭素を原料とする炭素ブラ
シ（カーボンブラシ）と金属材料を網状または板状に加
工した金属ブラシの２種類があるが、一般にカーボンブ
ラシが使用されている。そして、このカーボンブラシは
保持器としてのブラシホルダーによって保持され、良好
は整流作用を得るためコイルスプリング等の加圧手段に
よって整流子に所定圧にて押し付けられている。第３図
はモータのブラシホルダー構造を示す従来例で、１はカ
ーボンブラシ、２はカーボンブラシ１に電流を供給する
ための銅線等からなる接続導体、３はカーボンブラシ１
を整流子４に押し付ける加圧手段としてのコイルスプリ
ング、５はカーボンブラシ１とコイルスプリング３を収
容するブラシホルダー、６はターミナルである。ブラシ
ホルダー５は整流子４と対向する面が開放する角筒状体
に形成されて、一側面5aにブラシホルダー５の開放端７
に開口する接続導体用案内溝８を有し、この接続導体案
内溝８より前記接続導体２の一端が前記カーボンブラシ
１に接続固定されている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このような従来のブラシホルダー構造
においては接続導体用案内溝８がブラシホルダー５の開
放端７に開口されているので、カーボンブラシ１が摩耗
して短くなると、ブラシホルダー５から脱落してモータ
ロックを起こしたり、あるいはまた接続導体２がショー
トすると云った問題があった。

したがって、本考案は上述したような問題に鑑みてな
されたもので、その目的は、比較的簡単な構造でブラシ
ホルダーからの接続導体、カーボンブラシおよび加圧手
段の抜け、脱落を確実に防止し得るようにしたモータの
ブラシホルダー構造を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上記目的を達成するために、一端開放の筒状
体に形成されてカーボンブラシおよび加圧手段を収納す
るブラシホルダーの一側面に、その開放端に開口する接
続導体用案内溝を形成し、この案内溝より接続導体を前
記カーボンブラシに接続すると共にこの接続導体用案内
溝の開口端部に片持ち形状でかつ案内溝と直交する折り
曲げ自在な接続導体抜け防止片を設けたものである。

［作用］ 本考案において、接続導体用案内溝は開口端に接続導
体抜け防止片を有し、接続導体の抜けを防止する。した
がって、カーボンブラシおよび加圧手段をブラシホルダ
ーから脱落することはない。

［実施例］ 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説
明する。

第１図は本考案に係るモータのブラシホルダー構造の
一実施例を示す斜視図、第２図は接続導体用案内溝の開
口端を開いた状態を示す斜視図である。なお、図中第３
図に示した構成部品、部分と同一のものに対しては同一
符号を以て示し、その説明を省略する。これらの図にお
いて、本実施例はブラシホルダー５の接続導体用案内溝
８が形成されている一側面5aに、前記接続導体用案内溝
８の開口端部8aを塞ぎ接続導体２の抜けを防止する接続
導体抜け防止片11を設けた点に特徴を有している。この
接続導体抜け防止片11は、前記ブラシホルダー５の一側
面5aの開放端７から適宜距離離れた部分に接続導体用案
内溝８と連通するようにこの案内溝８の長手方向と直交
して形成された切り欠き溝12と前記開放端７との間の舌
片状板部を以て構成される。その他の構成は第３図と同
様である。

このような構成において、ブラシホルダー５へのカー
ボンブラシ１およびコイルスプリング３の組み込みに際
しては、第２図に示すように接続導体抜け防止片11を上
方に折り曲げて接続導体用案内溝８の開口端8aを開いて
おき、カーボンブラシ１およびコイルスプリング３をブ
ラシホルダー５に挿入すると同時に前記開口端8aから接
続導体２を接続導体用案内溝８に挿入し、しかる後前記
接続導体抜け防止片11を第１図に示すように元の状態に
戻してブラシホルダー５の一側面5aと略同一面とし、接
続導体用案内溝８の開口端8aを塞げばよい。

かしてこのような構成からなるブラシホルダー構造に
よれば、接続導体用案内溝８の開口端8aを接続導体抜け
防止片11によって塞ぎ、接続導体２の抜けを防止してい
るので、カーボンブラシ１およびコイルスプリング３の
ブラシホルダー５からの脱落を確実に防止し得るもので
ある。また、カーボンブラシ１およびコイルスプリング
３が脱落しなければ、接続導体２のショートも防止し得
る。更に、接続導体抜け防止片11をブラシホルダー５に
一体に設けているので、部品点数の増加を伴わず、その
上接続導体抜け防止片11の形成も簡単である。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係るモータのブラシホル
ダー構造によれば、ブラシホルダーの接続導体用案内溝
の開口端に片持ち形状でかつ案内溝と直交する折り曲げ
自在な接続導体抜け防止片を設け、この防止片により接
続導体の接続導体用案内溝からの抜けを防止するように
したので、カーボンブラシおよび加圧手段のブラシホル
ダーからの脱落を確実に防止することができ、モータの
故障、接続導体のショート等を未然に防止し得る。特
に、本考案においてはブラシの組付けに際して、予め抜
け防止片をブラシホルダの上面と直交するように折り曲
げて起立させることにより、案内溝の開口部を開いてお
き、この状態で接続導体を案内溝に挿入すると同時にブ
ラシをブラシホルダ内に挿入し、しかる後抜け防止片を
元の状態に折り曲げて案内溝の開口端を塞ぐようにすれ
ばよいので、ブラシおよび接続導体を挿入するための作
業性に優れ、しかも抜け防止片で案内溝の開口端を完全
に塞ぐことも可能であるため、ブラシの抜け、脱落等を
確実に防止することができる。また、構造簡易にして安
価に製作することができ、その実用的効果大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るモータのブラシホルダー構造の一
実施例を示す斜視図、第２図は接続導体用案内溝の開口
端を開いた状態を示す斜視図、第３図は従来のブラシホ
ルダー構造の斜視図である。 １……カーボンブラシ、２……接続導体、３……コイル
スプリング（加圧手段）、４……整流子、５……ブラシ
ホルダー、5a……一側面、７……ブラシホルダーの開放
端、８……接続導体用案内溝、8a……開口端、11……接
続導体抜け防止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一端開放の筒状体に形成されてカーボンブ
   ラシおよび加圧手段を収納するブラシホルダーの一側面
   に、その開放端に開口する接続導体用案内溝を形成し、
   この案内溝より接続導体を前記カーボンブラシに接続す
   ると共にこの接続導体用案内溝の開口端部に片持ち形状
   でかつ案内溝と直交する折り曲げ自在な接続導体抜け防
   止片を設けたことを特徴とするモータのブラシホルダー
   構造。