JPH0831623B2 - 超電導接合装置 - Google Patents
超電導接合装置Info
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- JPH0831623B2 JPH0831623B2 JP1004869A JP486989A JPH0831623B2 JP H0831623 B2 JPH0831623 B2 JP H0831623B2 JP 1004869 A JP1004869 A JP 1004869A JP 486989 A JP486989 A JP 486989A JP H0831623 B2 JPH0831623 B2 JP H0831623B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速,低消費電力でスイッチング動作を行う
超電導スイッチング装置等超電導エレクトロニクスの分
野に係り、とくに液体窒素温度で動作可能な超電導接合
装置に関するものである。
超電導スイッチング装置等超電導エレクトロニクスの分
野に係り、とくに液体窒素温度で動作可能な超電導接合
装置に関するものである。
Y−Ba-Cu酸化物あるいはBi-Sr-Ca-Cu酸化物等の酸化
物系超電導材料は、臨界温度が90K以上であり、液体窒
素温度において完全な超電導性を示すものである。これ
らY−Ba-Cu酸化物等の超電導材料をエレクトロニクス
の分野に応用するためには基本的な超電導素子であるジ
ョセフソン接合、すなわち超電導接合装置を得る必要が
ある。
物系超電導材料は、臨界温度が90K以上であり、液体窒
素温度において完全な超電導性を示すものである。これ
らY−Ba-Cu酸化物等の超電導材料をエレクトロニクス
の分野に応用するためには基本的な超電導素子であるジ
ョセフソン接合、すなわち超電導接合装置を得る必要が
ある。
Y−Ba-Cu酸化物あるいはBi-Sr-Ca-Cu酸化物を用いた
超電導接合装置としては、これら酸化物の多結晶体から
成る一枚の超電導薄膜を用い、この一部分に薄幅の狭い
くびれを形成する。多結晶超電導薄膜の結晶粒界部は電
流を通したときに超電導弱結合すなわちジョセフソン接
合としての特性を示す。このようないわゆる粒界ジョセ
フソン接合の構造と特性に関してはアプライド フィジ
ックス レターズ,51巻,20号(1987年)第200頁から第2
02頁(Applied Physics Letters,Vol.51,No.20(1987)
pp.200-202)に記載されている。
超電導接合装置としては、これら酸化物の多結晶体から
成る一枚の超電導薄膜を用い、この一部分に薄幅の狭い
くびれを形成する。多結晶超電導薄膜の結晶粒界部は電
流を通したときに超電導弱結合すなわちジョセフソン接
合としての特性を示す。このようないわゆる粒界ジョセ
フソン接合の構造と特性に関してはアプライド フィジ
ックス レターズ,51巻,20号(1987年)第200頁から第2
02頁(Applied Physics Letters,Vol.51,No.20(1987)
pp.200-202)に記載されている。
しかしながら上記従来技術は以下に述べる問題点を有
した。すなわち粒界ジョセフソン接合は微小なジョセフ
ソン接合の集合体であり、微小なジョセフソン接合が直
列および並列に接続された状態にある。ジョセフソン接
合の直列接続はとくに全体としての特性を低下させる。
要素となるジョセフソン接合の臨界電流および電圧−電
流特性がすべて等しければ、ジョセフソン接合全体の電
圧−電流特性の形態は同一である。直列につながったジ
ョセフソン接合の臨界電流および電圧−電流特性が互に
異なる場合、ジョセフソン接合全体の電圧−電流特性に
おいて零電圧近傍で丸味が見られる。このような丸味を
有する特性は互に異なる電圧−電流特性を加算してみれ
ば明らかである。電圧−電流特性における丸味の存在は
スイッチング素子を構成したときの利得の低下、あるい
は超電導量子干渉デバイスを構成したときの感度の低下
につながる。要素となるジョセフソン接合を人工的に形
成することのできない粒界ジョセフソン接合において、
要素となるジョセフソン接合特性の不一致による接合全
体特性の丸味の存在は避け難いところである。
した。すなわち粒界ジョセフソン接合は微小なジョセフ
ソン接合の集合体であり、微小なジョセフソン接合が直
列および並列に接続された状態にある。ジョセフソン接
合の直列接続はとくに全体としての特性を低下させる。
要素となるジョセフソン接合の臨界電流および電圧−電
流特性がすべて等しければ、ジョセフソン接合全体の電
圧−電流特性の形態は同一である。直列につながったジ
ョセフソン接合の臨界電流および電圧−電流特性が互に
異なる場合、ジョセフソン接合全体の電圧−電流特性に
おいて零電圧近傍で丸味が見られる。このような丸味を
有する特性は互に異なる電圧−電流特性を加算してみれ
ば明らかである。電圧−電流特性における丸味の存在は
スイッチング素子を構成したときの利得の低下、あるい
は超電導量子干渉デバイスを構成したときの感度の低下
につながる。要素となるジョセフソン接合を人工的に形
成することのできない粒界ジョセフソン接合において、
要素となるジョセフソン接合特性の不一致による接合全
体特性の丸味の存在は避け難いところである。
そこで本発明の目的は、粒界ジョセフソン接合に特有
の丸味を持った特性を示さず、単一ジョセフソン接合と
しての特性を有する超電導接合装置を提供することにあ
る。
の丸味を持った特性を示さず、単一ジョセフソン接合と
しての特性を有する超電導接合装置を提供することにあ
る。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用し
た。
た。
すなわちY−Ba-Cu酸化物、あるいはBi-Sr-Ca-Cu酸化
物をはじめとする酸素を成分として含む超電導材料を電
極として用いたサンドイッチ形超電導接合装置を形成す
ることにより、粒界ジョセフソン接合に特有な直列接続
による劣化した特性を有さず、単一接合としてのジョセ
フソン接合特性を得る。2枚の超電導電極によって挟ま
れたトンネル障壁層としては、超電導電極材を構成する
元素の中から選ばれた元素の組合せによって半導体およ
び絶縁体を形成するとともに、その結晶構造を超電導電
極材とは異ならしめることにより得る。たとえばY−Ba
-Cu酸化物を超電導電極とするジョセフソン接合におい
て、非晶質Y−Ba-Cu酸化物あるいはBaとYの原子位置
が不規則なY−Ba-Cu酸化物結晶をトンネル障壁層とし
て用いる。
物をはじめとする酸素を成分として含む超電導材料を電
極として用いたサンドイッチ形超電導接合装置を形成す
ることにより、粒界ジョセフソン接合に特有な直列接続
による劣化した特性を有さず、単一接合としてのジョセ
フソン接合特性を得る。2枚の超電導電極によって挟ま
れたトンネル障壁層としては、超電導電極材を構成する
元素の中から選ばれた元素の組合せによって半導体およ
び絶縁体を形成するとともに、その結晶構造を超電導電
極材とは異ならしめることにより得る。たとえばY−Ba
-Cu酸化物を超電導電極とするジョセフソン接合におい
て、非晶質Y−Ba-Cu酸化物あるいはBaとYの原子位置
が不規則なY−Ba-Cu酸化物結晶をトンネル障壁層とし
て用いる。
さらに以上のごとき方法によって得られる酸化物トン
ネル障壁層と超電導電極材の両界面にAu,PtあるいはAg
等の貴金属を挿入することにより超電導接合装置を得
る。
ネル障壁層と超電導電極材の両界面にAu,PtあるいはAg
等の貴金属を挿入することにより超電導接合装置を得
る。
上に述べた超電導接合装置における超電導電極材料と
トンネル障壁層材料との組合せの例示およびそれらの製
法の例示は以下の通りである。
トンネル障壁層材料との組合せの例示およびそれらの製
法の例示は以下の通りである。
まずYとBaとCuの組成比が化学量論組成、すなわち1:
2:3であるY−Ba-Cu酸化物薄膜を上下電極とする場合、
Y−Ba-Cu酸化物薄膜はスパッタリング等の製膜手段を
用いて、600℃以上の高基板温度にて形成することによ
り、膜形成後の熱処理を施すことなしに超電導特性を得
ることができる。さらに300℃以下の基板温度で同一組
成のY−Ba-Cu酸化物の極薄層すなわち膜厚1〜10nmの
非晶質薄膜をスパッタリング等の方法により形成し、ト
ンネル障壁層とする。Y−Ba-Cu酸化物薄膜は基板温度6
00℃〜700℃にて堆積させることにより超電導結晶を得
ることができるが、非晶質状態のY−Ba-Cu酸化物薄膜
は750℃以下の熱処理によって結晶化させることはでき
ない。したがってY−Ba-Cu酸化物薄膜を積重ねること
によってもトンネル障壁層部分が結晶化することはな
い。
2:3であるY−Ba-Cu酸化物薄膜を上下電極とする場合、
Y−Ba-Cu酸化物薄膜はスパッタリング等の製膜手段を
用いて、600℃以上の高基板温度にて形成することによ
り、膜形成後の熱処理を施すことなしに超電導特性を得
ることができる。さらに300℃以下の基板温度で同一組
成のY−Ba-Cu酸化物の極薄層すなわち膜厚1〜10nmの
非晶質薄膜をスパッタリング等の方法により形成し、ト
ンネル障壁層とする。Y−Ba-Cu酸化物薄膜は基板温度6
00℃〜700℃にて堆積させることにより超電導結晶を得
ることができるが、非晶質状態のY−Ba-Cu酸化物薄膜
は750℃以下の熱処理によって結晶化させることはでき
ない。したがってY−Ba-Cu酸化物薄膜を積重ねること
によってもトンネル障壁層部分が結晶化することはな
い。
トンネル障壁層をAu,Y−Ba-Cu酸化物およびAuのサン
ドイッチ形状にする場合、Y−Ba-Cu酸化物電極材の形
成方法は前記方法と同一とする。トンネル障壁層に関し
ては両側Au膜の膜厚を1〜30nmの範囲とし、Y−Ba-Cu
酸化物の膜厚を1〜10nmの範囲とする。Au膜の形成温度
は室温とし、Y−Ba-Cu酸化物薄膜の形成温度および組
成は任意とする。
ドイッチ形状にする場合、Y−Ba-Cu酸化物電極材の形
成方法は前記方法と同一とする。トンネル障壁層に関し
ては両側Au膜の膜厚を1〜30nmの範囲とし、Y−Ba-Cu
酸化物の膜厚を1〜10nmの範囲とする。Au膜の形成温度
は室温とし、Y−Ba-Cu酸化物薄膜の形成温度および組
成は任意とする。
超電導電極材をBi-Sr-Ca-Cu酸化物とした場合も同様
の超電導接合装置構造および製造方法とする。トンネル
障壁層材としてAuに代えてAgあるいはPt等を用いる場合
も同様である。
の超電導接合装置構造および製造方法とする。トンネル
障壁層材としてAuに代えてAgあるいはPt等を用いる場合
も同様である。
本発明にかかる超電導接合装置は以下の点で超電導ト
ンネル特性を得るのに必要な性能を有している。
ンネル特性を得るのに必要な性能を有している。
一般にY−Ba-Cu酸化物をはじめとする酸化物系超電
導材料はコヒーレンス長さが短く、超電導特性がとぎれ
やすい。たとえばY−Ba-Cu酸化物のコヒーレンス長さ
は1.4nmであり、この値は斜方晶ペロブスカイト型結晶
のC軸方向の格子定数とほぼ等しい。さらにY−Ba-Cu
酸化物に異種材料を接続した場合、コンタクト抵抗が増
大しやすい。これはY−Ba-Cu酸化物等の酸化物超電導
材料に異種物質、たとえば金属は半導体を接触させた場
合、界面におけるY−Ba-Cu酸化物の酸素原子が拡散
し、酸素濃度が減少するとともに、超電導特性が劣化す
るか、あるいは界面の超電導性が消失するからである。
Y−Ba-Cu酸化物中の酸素濃度が斜方晶結晶として本来
あるべき値から減少するに従って、超電導臨界温度が93
Kから低下し、Y原子の濃度に相当する酸素濃度が失わ
れた時点で超電導性が消失する。とくにY−Ba-Cu酸化
物中の酸素原子は結合が弱く、不安定であるからこのよ
うな現象が生じやすい。超電導電極とトンネル障壁層の
界面において、超電導状態から半導体あるいは絶縁状態
に不連続に変化することが望ましい。上に述べたごと
き、界面における超電導特性の劣化は、とくにコヒーレ
ンス長さの短い酸化物超電導材料を用いた場合、超電導
トンネル特性を得難くする。
導材料はコヒーレンス長さが短く、超電導特性がとぎれ
やすい。たとえばY−Ba-Cu酸化物のコヒーレンス長さ
は1.4nmであり、この値は斜方晶ペロブスカイト型結晶
のC軸方向の格子定数とほぼ等しい。さらにY−Ba-Cu
酸化物に異種材料を接続した場合、コンタクト抵抗が増
大しやすい。これはY−Ba-Cu酸化物等の酸化物超電導
材料に異種物質、たとえば金属は半導体を接触させた場
合、界面におけるY−Ba-Cu酸化物の酸素原子が拡散
し、酸素濃度が減少するとともに、超電導特性が劣化す
るか、あるいは界面の超電導性が消失するからである。
Y−Ba-Cu酸化物中の酸素濃度が斜方晶結晶として本来
あるべき値から減少するに従って、超電導臨界温度が93
Kから低下し、Y原子の濃度に相当する酸素濃度が失わ
れた時点で超電導性が消失する。とくにY−Ba-Cu酸化
物中の酸素原子は結合が弱く、不安定であるからこのよ
うな現象が生じやすい。超電導電極とトンネル障壁層の
界面において、超電導状態から半導体あるいは絶縁状態
に不連続に変化することが望ましい。上に述べたごと
き、界面における超電導特性の劣化は、とくにコヒーレ
ンス長さの短い酸化物超電導材料を用いた場合、超電導
トンネル特性を得難くする。
これに対して本発明にかかる超電導接合装置は、トン
ネル障壁層に酸化物超電導材料と共通する材料を用いて
いる。したがって超電導電極材とトンネル障壁層の界面
において、超電導電極材の酸素濃度が低下し、超電導特
性劣化層が生じることはない。この理由はトンネル障壁
層材においても酸素原子の拡散による混入が無い程に十
分な酸素濃度、すなわち、Y:Ba:Cuの組成比が1:2:3に対
して7に近い組成比の酸素をあらかじめ保持させるから
である。さらにAu,PtあるいはAg等貴金属の挿入は酸素
原子の相互拡散を防止する。したがって超電導電極材か
らトンネル障壁層に向けて不連続に超電導状態から絶縁
状態に分布させることができる。
ネル障壁層に酸化物超電導材料と共通する材料を用いて
いる。したがって超電導電極材とトンネル障壁層の界面
において、超電導電極材の酸素濃度が低下し、超電導特
性劣化層が生じることはない。この理由はトンネル障壁
層材においても酸素原子の拡散による混入が無い程に十
分な酸素濃度、すなわち、Y:Ba:Cuの組成比が1:2:3に対
して7に近い組成比の酸素をあらかじめ保持させるから
である。さらにAu,PtあるいはAg等貴金属の挿入は酸素
原子の相互拡散を防止する。したがって超電導電極材か
らトンネル障壁層に向けて不連続に超電導状態から絶縁
状態に分布させることができる。
以下、本発明の実施例を以下に示す。
[実施例1] Y−Ba-Cu酸化物から成る第1図に示すごとき超電導
接合装置を以下に示す工程により作製した。基板材には
結晶方位が(100)のMgO単結晶1を用いた。高周波マグ
ネトロンスパッタリング装置を用い、Arと酸素の混合ガ
ス雰囲気中において放電を行うことにより、厚さ400nm
のY−Ba-Cu酸化物薄膜2を形成した。膜形成時の基板
温度は700℃とし、高周波印加電力は100W、膜堆積速度
は3nm/min、混合ガス圧力は0.6Pa、酸素ガス分圧は50%
とした。ターゲット材にはY−Ba-Cu酸化物の焼結体を
用いた。基板温度700℃で製膜を行い、かつ組成をY、B
aおよびCuの比が1:2:3になるように調製することによ
り、超電導相のY−Ba-Cu酸化物薄膜2を得た。トンネ
ル障壁層5の形成条件は以下の条件により行った。すな
わち、下部電極薄膜を形成するのに用いたのと同一のタ
ーゲットを用い、基板温度を300℃以下に保った状態
で、スパッタリング法により膜厚3nmのY−Ba-Cu酸化物
薄膜5を得た。Y,BaおよびCuの組成比は1:2:3となるよ
うに調整した。さらにY−Ba-Cu酸化物薄膜から成る上
部電極3を同じく、高周波マグネトロンスパッタリング
法により形成した。薄膜の形成条件は下部電極薄膜2と
同一とし、膜厚は600nmとした。MgO製のマスクを用いる
ことにより、幅0.5mmでトンネル障壁層4および下部電
極薄膜2に対して直交する細線状パタンを得た。以上の
工程によりY−Ba-Cu酸化物から成る十字状超電導接合
装置を得た。
接合装置を以下に示す工程により作製した。基板材には
結晶方位が(100)のMgO単結晶1を用いた。高周波マグ
ネトロンスパッタリング装置を用い、Arと酸素の混合ガ
ス雰囲気中において放電を行うことにより、厚さ400nm
のY−Ba-Cu酸化物薄膜2を形成した。膜形成時の基板
温度は700℃とし、高周波印加電力は100W、膜堆積速度
は3nm/min、混合ガス圧力は0.6Pa、酸素ガス分圧は50%
とした。ターゲット材にはY−Ba-Cu酸化物の焼結体を
用いた。基板温度700℃で製膜を行い、かつ組成をY、B
aおよびCuの比が1:2:3になるように調製することによ
り、超電導相のY−Ba-Cu酸化物薄膜2を得た。トンネ
ル障壁層5の形成条件は以下の条件により行った。すな
わち、下部電極薄膜を形成するのに用いたのと同一のタ
ーゲットを用い、基板温度を300℃以下に保った状態
で、スパッタリング法により膜厚3nmのY−Ba-Cu酸化物
薄膜5を得た。Y,BaおよびCuの組成比は1:2:3となるよ
うに調整した。さらにY−Ba-Cu酸化物薄膜から成る上
部電極3を同じく、高周波マグネトロンスパッタリング
法により形成した。薄膜の形成条件は下部電極薄膜2と
同一とし、膜厚は600nmとした。MgO製のマスクを用いる
ことにより、幅0.5mmでトンネル障壁層4および下部電
極薄膜2に対して直交する細線状パタンを得た。以上の
工程によりY−Ba-Cu酸化物から成る十字状超電導接合
装置を得た。
上記条件で形成したY−Ba-Cu酸化物薄膜の構造は別
に形成した厚膜によって調べた結果によれば非晶質であ
った。上記のごとく形成せる超電導接合装置の特性は、
ジョセフソン電流を有するとともに超電導接合に特有の
ヒステリシスを有する。
に形成した厚膜によって調べた結果によれば非晶質であ
った。上記のごとく形成せる超電導接合装置の特性は、
ジョセフソン電流を有するとともに超電導接合に特有の
ヒステリシスを有する。
[実施例2] Y−Ba-Cu酸化物から成る第2図に示すごとき超電導
接合装置を以下に示す工程により作製した。基板材には
結晶方位が(100)のMgO単結晶1を用いた。高周波マグ
ネトロンスパッタリング装置を用い、Arと酸素の混合ガ
ス雰囲気中において放電を行うことにより、厚さ400nm
のY−Ba-Cu酸化物薄膜2を形成した。膜形成時の基板
温度は700℃とし、高周波印加電力は100W、膜堆積速度
は3nm/min、混合ガス圧力は0.6Pa、酸素ガス分圧は50%
とした。ターゲット材にはY−Ba-Cu酸化物の焼結体を
用いた。基板温度700℃で製膜を行い、かつ組成をY、B
aおよびCuの比が1:2:3になるように調製することによ
り、超電導相のY−Ba-Cu酸化物薄膜2を得た。トンネ
ル障壁層5は以下の方法により形成した。すなわち、下
部電極薄膜2を形成したのと同一のスパッタリング装置
中において、Au板をターゲット材として、Au薄膜6のス
パッタリングによる膜形成を行う。膜厚は3nmとする。
つぎに下部電極薄膜2を形成するのに用いたのと同一の
ターゲットを用い、基板温度を300℃以下に保った状態
で、スパッタリング法により膜厚3nmのY−Ba-Cu酸化物
薄膜5を得る。Y,BaおよびCuの組成比は1:2:3となるよ
うに調製した。さらにこの上に上記方法により膜厚3nm
のAu膜6を形成する。さらにY−Ba-Cu酸化物薄膜から
成る上部電極3を同じく、高周波マグネトロンスパッタ
リング法により形成した。薄膜の形成条件は下部電極薄
膜2と同一とし、膜厚は600nmとした。MgO製のマスクを
用いることにより、幅0.5mmでトンネル障壁層4および
下部電極薄膜2に対して直交する細線状パタンを得た。
以上の工程によりY−Ba-Cu酸化物から成る十字状超電
導接合装置を得た。
接合装置を以下に示す工程により作製した。基板材には
結晶方位が(100)のMgO単結晶1を用いた。高周波マグ
ネトロンスパッタリング装置を用い、Arと酸素の混合ガ
ス雰囲気中において放電を行うことにより、厚さ400nm
のY−Ba-Cu酸化物薄膜2を形成した。膜形成時の基板
温度は700℃とし、高周波印加電力は100W、膜堆積速度
は3nm/min、混合ガス圧力は0.6Pa、酸素ガス分圧は50%
とした。ターゲット材にはY−Ba-Cu酸化物の焼結体を
用いた。基板温度700℃で製膜を行い、かつ組成をY、B
aおよびCuの比が1:2:3になるように調製することによ
り、超電導相のY−Ba-Cu酸化物薄膜2を得た。トンネ
ル障壁層5は以下の方法により形成した。すなわち、下
部電極薄膜2を形成したのと同一のスパッタリング装置
中において、Au板をターゲット材として、Au薄膜6のス
パッタリングによる膜形成を行う。膜厚は3nmとする。
つぎに下部電極薄膜2を形成するのに用いたのと同一の
ターゲットを用い、基板温度を300℃以下に保った状態
で、スパッタリング法により膜厚3nmのY−Ba-Cu酸化物
薄膜5を得る。Y,BaおよびCuの組成比は1:2:3となるよ
うに調製した。さらにこの上に上記方法により膜厚3nm
のAu膜6を形成する。さらにY−Ba-Cu酸化物薄膜から
成る上部電極3を同じく、高周波マグネトロンスパッタ
リング法により形成した。薄膜の形成条件は下部電極薄
膜2と同一とし、膜厚は600nmとした。MgO製のマスクを
用いることにより、幅0.5mmでトンネル障壁層4および
下部電極薄膜2に対して直交する細線状パタンを得た。
以上の工程によりY−Ba-Cu酸化物から成る十字状超電
導接合装置を得た。
上記のごとく形成せる超電導接合装置の特性は、ジョ
セフソン電流を有するとともに超電導接合に特有のヒス
テリシスを有する。さらにヒステリシスを有するため
に、粒界ジョセフソン接合に特有の零電圧近傍における
電圧−電流特性の丸味は存在しない。
セフソン電流を有するとともに超電導接合に特有のヒス
テリシスを有する。さらにヒステリシスを有するため
に、粒界ジョセフソン接合に特有の零電圧近傍における
電圧−電流特性の丸味は存在しない。
以上のごとき超電導接合装置の製造方法,構造および
特性はY−Ba-Cu酸化物に限ったものではなく、Bi-Sr-C
a-Cu酸化物、Tl-Ba-Ca-Cu酸化物等他の酸化物系高臨界
温度超電導材料を用いた場合も同様に適用可能である。
特性はY−Ba-Cu酸化物に限ったものではなく、Bi-Sr-C
a-Cu酸化物、Tl-Ba-Ca-Cu酸化物等他の酸化物系高臨界
温度超電導材料を用いた場合も同様に適用可能である。
本発明によれば、超電導接合装置において以下の効果
を有する。
を有する。
(1) 酸化物系超電導材料を用いたサンドイッチ形超
電導接合装置の形成を可能にする。すなわち、ジョセフ
ソン効果の4.2K以上における高温度における利用を可能
にする。
電導接合装置の形成を可能にする。すなわち、ジョセフ
ソン効果の4.2K以上における高温度における利用を可能
にする。
(2) ヒステリシス特性を有するために、磁場信号を
印加したときの接合電流の調節幅を従来の粒界ジョセフ
ソン接合と比較して大きくとれる。このことは超電導量
子干渉デバイス磁束計に適用したときの感度向上,スイ
ッチング素子に用いたときの利得向上につながる。
印加したときの接合電流の調節幅を従来の粒界ジョセフ
ソン接合と比較して大きくとれる。このことは超電導量
子干渉デバイス磁束計に適用したときの感度向上,スイ
ッチング素子に用いたときの利得向上につながる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例1にかかる超電導接合装置の断
面図、第2図は本発明の実施例2にかかる超電導接合装
置の断面図である。 1……MgO基板、2……Y−Ba-Cu酸化物下部電極薄膜、
3……Y−Ba-Cu酸化物上部電極薄膜、5……Y−Ba-Cu
非晶質トンネル障壁層、6……Au薄膜。
面図、第2図は本発明の実施例2にかかる超電導接合装
置の断面図である。 1……MgO基板、2……Y−Ba-Cu酸化物下部電極薄膜、
3……Y−Ba-Cu酸化物上部電極薄膜、5……Y−Ba-Cu
非晶質トンネル障壁層、6……Au薄膜。
Claims (4)
- 【請求項1】酸素を成分として含む超電導材料からなる
2枚の超電導電極と、上記2枚の超電導電極によって挾
まれたトンネル障壁層を有する超電導接合装置におい
て、上記トンネル障壁層は、上記超電導電極と構成元素
および組成比が同じで非晶質状態である半導体あるいは
絶縁体材料によって構成されることを特徴とする超電導
接合装置。 - 【請求項2】上記酸素を成分として含む超電導材料が、
Y−Ba-Cu酸化物あるいはBi-Sr-Ca-Cu酸化物であること
を特徴とする請求項1記載の超電導接合装置。 - 【請求項3】上記トンネル障壁層と上記超電導電極の界
面に貴金属が挾まれて成ることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の超電導接合装置。 - 【請求項4】上記貴金属としてAu,PtあるいはAgを用い
ることを特徴とする請求項3記載の超電導接合装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1004869A JPH0831623B2 (ja) | 1989-01-13 | 1989-01-13 | 超電導接合装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1004869A JPH0831623B2 (ja) | 1989-01-13 | 1989-01-13 | 超電導接合装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02186681A JPH02186681A (ja) | 1990-07-20 |
JPH0831623B2 true JPH0831623B2 (ja) | 1996-03-27 |
Family
ID=11595681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1004869A Expired - Lifetime JPH0831623B2 (ja) | 1989-01-13 | 1989-01-13 | 超電導接合装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0831623B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2819871B2 (ja) * | 1991-07-02 | 1998-11-05 | 住友電気工業株式会社 | 超電導装置の作製方法 |
JPH0476967A (ja) * | 1990-07-19 | 1992-03-11 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 超電導装置および作製方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63274190A (ja) * | 1987-05-06 | 1988-11-11 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 超電導薄膜 |
JPS63299281A (ja) * | 1987-05-29 | 1988-12-06 | Toshiba Corp | 超伝導素子 |
JPS6446990A (en) * | 1987-08-17 | 1989-02-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Josephson element and manufacture thereof |
-
1989
- 1989-01-13 JP JP1004869A patent/JPH0831623B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02186681A (ja) | 1990-07-20 |
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