JPH08313539A - 容器およびこの容器を用いた液体撹拌・洗浄・磁性体微粒子捕集方法並びに該容器を用いた免疫化学検査装置 - Google Patents

容器およびこの容器を用いた液体撹拌・洗浄・磁性体微粒子捕集方法並びに該容器を用いた免疫化学検査装置

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JPH08313539A
JPH08313539A JP14005295A JP14005295A JPH08313539A JP H08313539 A JPH08313539 A JP H08313539A JP 14005295 A JP14005295 A JP 14005295A JP 14005295 A JP14005295 A JP 14005295A JP H08313539 A JPH08313539 A JP H08313539A
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liquid
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thin tube
magnetic
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JP14005295A
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Inventor
Koichi Wakatake
孝一 若竹
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Nittec KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁性体微粒子を利用した免疫化学検査法にお
いて、この磁性体微粒子の捕集を、極めて高精度で安定
的に、かつ、高速で行うことができ、以って、磁性体微
粒子を用いた免疫化学検査に対する信頼性を飛躍的に向
上させることができると共に、検査別に分かれている検
査装置を一台に集約して、この種の検査の全自動化及び
汎用化を図ることができる容器を提供すると共に、併せ
て、この容器を用いて新規な液体撹拌・洗浄・磁性体微
粒子捕集方法並びに免疫化学検査装置を提供する。 【構成】 磁性体微粒子を利用した免疫化学検査等に用
いられる容器を、有底の略凹状に形成された少なくとも
一対の液体収納部を容器本体に並設すると共に、これら
各液体収納部の底部を、細管で連通接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性体微粒子を利用し
た免疫化学検査に好適な容器に係り、特に、磁性体微粒
子の捕集効率を飛躍的に向上させて、検査精度を大幅に
安定化させることができる全く新規な容器およびこの容
器を用いた液体撹拌・洗浄・磁性体微粒子捕集方法並び
に該容器を用いた免疫化学検査装置に関する。
【0002】
【従来技術】周知のように、近年では、抗原−抗体反応
を利用した酵素免疫測定法(EIA法)や、イムノアッ
セイの標識化合物として化学発光性化合物を抗原または
抗体に標識する化学発光法(CLIA法)や酵素活性物
質を化学発光性化合物に用いて高感度に検出する化学発
光酵素法(CLEIA法)等の化学発光法(CL法)等
が公知であるが、測定感度(吸光光度法10-9mol/l ,
蛍光法10-14 mol/l,化学発光法1.7×10-18 mol
/l )から、現在では、化学発光法が主流となってい
る。
【0003】ところで、これらの各免疫化学検査法にお
いては、磁性体微粒子の表面に抗原や抗体を感作した磁
性体微粒子を用いる方法や、ラテックスの表面に抗原や
抗体を感作したラテックスを用いる方法、球状のビーズ
の表面に抗原や抗体を感作したビーズを用いる方法、或
は、セル内壁面に抗原や抗体をコーテイングした方法等
が公知であるが、反応時間を考えた場合には、磁性体微
粒子等の磁性体を利用した方法が、反応時間が短いため
圧倒的に有利である。
【0004】しかしながら、磁性体微粒子を利用した従
来の免疫化学検査法にあっては、容器内で浮遊または沈
澱する磁性体微粒子を、容器内で複数回にわたって捕集
し、或は、浮遊状態をつくり、磁性体微粒子の洗浄或は
試薬との反応を行なわなければならないが、その処理過
程で磁性体微粒子の捕集や攪拌の精度を高く保つことが
非常に難しく、これが、この磁性体微粒子を利用した免
疫化学検査法の汎用自動化を阻む大きな原因となってい
るのが現状である。
【0005】このような磁性体微粒子を利用した免疫化
学検査工程のフローを図11に基づきより具体的に説明
すると、先ず、容器1内に所要量の検体が分注され、か
つ、該容器1内に磁性体微粒子液2が分注されて均一に
撹拌された状態がステップaに示されている。
【0006】このステップaの状態において、一定時間
反応(抗原−抗体反応)された後、ステップbにおいて
該容器1内の磁性体微粒子3が磁石Mにより吸着され
る。
【0007】この後、ステップcで磁性体微粒子3を除
いた液体がピペット等により吸引廃棄される。
【0008】次に、ステップdで洗浄液4が分注された
後、ステップeでこの洗浄液4がピペット等で吸引廃棄
される。このステップdとステップeの洗浄工程は、複
数回行われる。このステップdからステップeまでの洗
浄工程は、抗原−抗体反応に必要不可欠なB(抗原抗体
反応した相:BOUND相)/F(抗原抗体反応がして
いない相:FREE相)分離の工程である。
【0009】この後、所定の標識液試薬5がステップf
で所要量分注され、磁石Mによる磁性体微粒子の吸着状
態が解除され、次に、ステップgで攪拌されて反応が均
一化されて、ステップhに示すように、インキュベイシ
ョン(恒温反応)された後、反応を進行させる。
【0010】この後、CLIA法およびCLEIA法で
は、特に図示はしないが、測定は磁性体微粒子の反応液
が発光検出セルに吸引され、その発光量をPMT(光電
子増倍管)で測定する。
【0011】
【従来技術の課題】以上の説明からも明らかなように、
この種の磁性体微粒子を利用した免疫化学検査法では、
B/F分離のため複数回にわたって上記磁性体を容器1
の内壁に捕集し、洗浄しなければならないため、確実に
すべての磁性体微粒子を捕集することが困難であるから
磁性体微粒子が洗浄段階で流出し易い。
【0012】また、磁性体微粒子の捕集比率が一定では
ないため、測定精度に対する信頼性が非常に低く、ま
た、容器1の内径が大きいため、容器1の内壁に磁性体
微粒子の全てを確実に吸着させるまでの時間に長い時間
を必要とし、これが検査に要する時間を長大化させる一
因となっていた等、根本的な問題を有していた。
【0013】ところで、生化学的検査や凝固検査・薬物
検査並びにEIA法やラテックス凝集法で測定する免疫
血清検査では、所定の反応の後、特定波長の吸収・散乱
等を測定し、定量しているが、反応液を反応管に入った
まま直接測定するのが一般的である。
【0014】しかしながら、従来の分析装置では、測定
の原理の違いから、一部の項目を除くEIA法やCLI
A法およびCLEIA法による免疫血清検査は、他と一
緒に処理することはなく、専用の分析装置で分析してい
るのが現状である。
【0015】免疫血清検査は、感度の面から抗原−抗体
を感作した磁性体微粒子を使って測定するのが、上記し
たように一般的であるので、その反応過程においてB/
F分離という作業が必ず必要となるため、高感度なEI
A法による検査を一の測定方法によりそれぞれ独自の装
置で行なっており同じ装置で行なうことができなかっ
た。
【0016】この発明は、かかる現状に基づき創案され
たものであって、その目的とするところは、磁性体微粒
子を利用した免疫化学検査法において、この磁性体微粒
子の捕集を、極めて高精度で安定的に、かつ、高速で行
うことができ、以って、磁性体微粒子を用いた免疫化学
検査に対する信頼性を飛躍的に向上させることができる
と共に、この種の検査装置の全自動化及び他の検査との
共用化を図ることができる容器およびこの容器を用いた
液体撹拌・洗浄・磁性体微粒子捕集方法並びに該容器を
用いた免疫化学検査装置を提供しようとするものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明にあっては、磁性体微粒子を利用した免疫
化学検査等に用いられる容器を、有底の略凹状に形成さ
れた液体収納部を少なくとも2以上容器本体に並設する
と共に、これら各液体収納部の底部を、細管で連通接続
して、磁性体微粒子をほぼ100%近く捕集することが
できるようにしたことを特徴とするものである。
【0018】この発明において、上記細管は、容器本体
の底部に沿って配管し、或は、容器本体の垂直面に沿っ
て配管し、若しくは、液体収納部間に配管して構成する
ことができる。勿論、磁性体微粒子の捕集効果を上げる
ため、上記細管を蛇行させて形成するのが望ましい。
【0019】また、この発明にあっては、反応試料をフ
ローセル等に吸引することなく、容器に収容したまま光
学測定できるようにするため、上記液体収納部の底部高
さを異ならしめると共に、上記容器本体の低く形成され
た液体収納部側の下部部分を少なくとも透明に形成して
測定光が透光できるように構成することができる。
【0020】さらに、この発明にあっては、このように
構成された容器を用いて液体の攪拌を行うことができ
る。この場合には、上記容器の一方の液体収納部内に液
体を収納し、該液体に圧力を付与し、或は、逆から吸引
することで、細管を通って液体が空の他の液体収納部へ
と移送させることで行うことができる。
【0021】またさらに、この発明にあっては、このよ
うに構成された容器を用いて磁性体微粒子の捕集を確
実、かつ、高速で行うこともできる。この場合には、上
記容器の一方の液体収納部内に液体を収納し、該液体に
圧力を付与し、或は、逆から吸引して液体が細管を通る
ときに、前記容器本体の外側に配設された磁力体の磁力
によって、該液体内に含有されている磁性体微粒子を上
記細管内で捕集する。
【0022】そして、また、この発明では、このように
構成された容器を用いて液体収納部内と細管内および磁
性体微粒子を洗浄することもできる。前記容器本体の外
側に配設された磁力体の磁力によって、該洗浄液内に含
有されている磁性体微粒子を上記細管内で捕集し、この
状態を保持したまま容器の一方の液体収納部からに洗浄
液を流し、該洗浄液に圧力を付与し、或は、逆から吸引
して洗浄液が細管を通って液体収納部間を往復させるこ
とで行うことができる。
【0023】このように構成された容器及び液体撹拌・
洗浄・磁性体微粒子捕集方法を利用することで、この発
明にあっては、全く新規な免疫化学検査装置を構成する
ことができる。
【0024】この免疫化学検査装置は、上記容器を複数
個用意し、これら各容器を移送路に沿って順次移送する
手段と、該容器の液体収納部の一方に検体試料を分注す
る手段と、該検体試料が分注された液体収納部に磁性体
微粒子を含有する試薬を分注する手段と、標識試薬等を
分注する手段と、上記液体収納部の上部開口部に着脱自
在に装着される加圧・吸引手段と、この加圧・吸引手段
によって細管内を流れる磁性体微粒子を細管内で吸着す
る磁力体と、上記液体収納部の上部開口部に嵌着され液
体収納部内に加圧・吸引圧を作用させることで一方の液
体収納部内の液体を前記細管を通して他の液体収納部へ
と圧送する手段と、発光の測定手段と、を有して構成す
ることができる。
【0025】そして、この発明にかかる免疫化学検査装
置では、上記容器を直列に配設すると共に、所定位置で
前記磁力体を接離させることで、前記磁性体微粒子を含
有する液体を前記細管内に通して該磁性体微粒子を細管
内で捕集し、或は、該捕集状態を解除するように構成
し、または、上記容器を直列に配設すると共に、前記磁
力体を各容器毎に配設し、所定位置で前記容器を昇降さ
せることで、前記細管内を通る液体中に含有されている
磁性体微粒子を細管内で捕集し、或は、該捕集状態を解
除するように構成するのが望ましい。
【0026】尚、この発明において、磁性体を吸着する
磁力体は、永久磁石或は電磁石をいうものとする。
【0027】また、この発明において、磁性体微粒子と
は、常磁性フェライト微粒子や常磁性鉄微粒子等の磁性
体をいう。
【0028】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づき、この
発明を詳細に説明する。
【0029】図1は、この発明の第1実施例に係る容器
10を示しており、該容器10は、ガラスまたは合成樹
脂で形成された略直方体に形成された容器本体11と、
上記容器本体11に形成された一対の液体収納部14
A,14Bと、該液体収納部14A,14Bの底部を連
通接続する細管15と、から構成されている。
【0030】上記容器本体11は、この実施例では、反
応液をフローセルに導いて測定する反応液の発光量を容
器本体11の側面から直接取り出せるように少なくとも
細管15の反対側および底部が透明な材質で形成されて
いる。勿論、反応液をフローセルに導いて測定する場合
は、不透明材質で形成されていてもよい。
【0031】液体収納部14A,14Bは、断面略凹状
に形成されており、その上部開口周縁部は徐々に縮径さ
れて傾斜面14a,14bを形成していると共に、その
底部14c,14dは漏斗状に傾斜して形成されてい
る。勿論、この傾斜面14a,14bは絶対要件ではな
い。
【0032】また、細管15は、その両端部が上記液体
収納部14A,14Bの底部14c,14dと連通接続
されていると共に、その中途部は、上記凹部13側へと
延設された後、上部へと略逆U字状に配設されており、
該中途部の両垂直管部15a,15bで磁性体微粒子を
効率的に捕集できるように構成されている。
【0033】このように構成されてなる容器10を用い
て磁性体微粒子を用いた免疫化学検査を行う場合の一例
を図2に基づき説明すると、先ず、ステップaで一方の
液体収納部14Aに、検体試料に磁性体微粒子含有試薬
を添加して免疫反応液を生成する。
【0034】次に、ステップbにおいて、前記凹部13
に磁石12を接近させ、この状態で液体収納部14Bの
上部に吸引ノズル16を密に嵌着し、吸引作動を実施す
る。これにより、液体収納部14A内の免疫反応液は上
記細管15を通って他方の液体収納部14Bへと移送さ
れる。この過程において、細管15内を通る免疫反応液
に含有されている磁性体微粒子は、上記細管15の中途
部の両垂直管部15a,15bで、磁力体12の磁力作
用によって両垂直管部15a,15b内に捕捉吸着さ
れ、この後、液体収納部14B内に流入した磁性体微粒
子を含有していない免疫反応液は、上記加圧・吸引ノズ
ル16を通って吸引廃棄される。
【0035】この後、ステップcにおいて、洗浄水供給
ノズル17が液体収納部14Aの上部に密に嵌着され、
該洗浄水供給ノズル17から洗浄水が液体収納部14A
に供給され、該液体収納部14A内に供給された洗浄水
は、上記加圧・吸引ノズル16の吸引作動によって上記
細管15から液体収納部14Bを経て、上記加圧・吸引
ノズル16を通って吸引廃棄される。このとき、磁力体
12による磁性体微粒子の吸着は継続されているので、
液体収納部14A・細管15・液体収納部14Bの内部
は勿論、磁力体12により吸着された磁性体微粒子も洗
浄される。
【0036】次に、ステップdで、磁石が離され、液体
収納部14A内に試薬が試薬ピペット(図示せず)を介
して分注される。
【0037】この状態からステップeで、別の加圧・吸
引ノズル16’が再び液体収納部14Bの上部に密に嵌
着され、吸引作動して液体収納部14A内に収容された
試薬を細管15を経て液体収納部14Bへと移送する。
このとき、上記細管15の中途部の両垂直管部15a,
15b内に吸着されていた磁性体微粒子は、細管15内
を流れる試薬と混合し、攪拌されながら液体収納部14
Bへと送られる。
【0038】この後、液体収納部14B内に移送された
磁性体微粒子含有試薬は、また別の加圧・吸引ノズル1
6''の加圧作動によって細管15から液体収納部14A
へと逆送され、該試薬の混合攪拌が効率的に行われる
(ステップf)。以上のようにしてB/F分離が行なわ
れ、この状態(ステップg)から次の反応・測定工程へ
と移る。尚、ステップg以降の工程は特に図示はしな
い。
【0039】図3には、図1に示す容器10を用い、か
つ、図2および図7に示す処理工程が適用された免疫化
学検査装置の一例が示されている。
【0040】この免疫化学検査装置は、直線状に形成さ
れた容器搬送路20と、この容器搬送路20の始端部に
配設された容器ストッカ21と、検体試料分注位置aで
検体試料を分注するオートサンプラー22及びサンプル
ピペット装置23と、第1試薬分注位置bで磁性体微粒
子が含有された第1試薬等を分注する第1試薬ピペット
24と、第1攪拌位置cに配設された第1攪拌装置25
と、この第1攪拌位置cの下流に配設された永久磁石2
6と、第1廃液位置dで磁性体微粒子が除かれた反応液
を吸引廃棄する第1廃液装置27と、この第1廃液位置
dの下流に配設された永久磁石28と、第2廃液位置e
で磁性体微粒子が除かれた反応液を吸引廃棄する第2廃
液装置29及び洗浄液供給装置30と、第2廃液位置e
の下流に配設された第2試薬分注位置fで酵素標識液等
の第2試薬を分注する第2試薬ピペット31と、第2攪
拌位置gに配設された第2攪拌装置32と、第3試薬分
注位置hで基質液及び反応停止液等の第3試薬を分注す
る第3試薬ピペット33と、第3攪拌位置iに配設され
た第3攪拌装置34と、光学測定位置jで容器10の液
体収納部14内から磁性体微粒子を除く反応液を吸引し
フローセル35に導入する反応液吸引装置36と、上記
フローセル35に導入された反応液の反応状態を光学測
定する光学測定装置37と、から構成されている。
【0041】容器ストッカ21は、図1に示す容器10
が複数個ストックされており、所定のタイミングで上記
容器搬送路20の始端部へと順次送られる。
【0042】オートサンプラ22は、正逆回転するテー
ブル38の外側に検体試料が収容された着脱自在なサン
プル容器39がループ状に配設されていると共に、この
サンプル容器39列の内側には、各サンプル容器39と
同数のチップ40が着脱自在に装着されている。
【0043】サンプルピペット装置23は、ピペット
(図示せず)がレール41に沿って直線状に往復移動す
ると共に、チップ40の脱着位置およびサンプル容器3
9から所要量の検体試料を吸引する位置並びに上記検体
試料分注位置aでピペットが昇降し、かつ、洗浄位置
(図示せず)においてピペット内部が洗浄させるように
該ピペットを駆動制御するように構成されている。
【0044】第1試薬ピペット24と第2試薬ピペット
31及び第3試薬ピペット33は、ピペットアームが軸
を中心として回動して、各試薬吸引位置で測定項目に対
応する試薬を所要量吸引した後、この吸引された各試薬
を容器10の一方の液体収納部14A内に分注するもの
で、その具体的な構成は、従来の各種自動分析装置に配
備されている公知の試薬ピペット装置と同様であるの
で、その詳細な説明をここでは省略する。
【0045】また、上記第1試薬と第2試薬及び第3試
薬が収容された試薬ボトル(図示せず)は、正逆回転す
る試薬テーブル53にセットされており、該試薬テーブ
ル53は、制御部(図示せず)からの指令に基づき、第
1試薬と第2試薬及び第3試薬が収容された各試薬ボト
ルを、第1試薬吸引位置,第2試薬吸引位置及び第3試
薬吸引位置へと正確に移送するように駆動制御されてい
る。
【0046】第1攪拌装置25と第2攪拌装置32及び
第3攪拌装置34は、図2でいう加圧・吸引ノズルを構
成するもので、該ノズルにポンプPを連通接続して構成
されている。
【0047】永久磁石26,28は、所定のタイミング
で昇降して容器10の細管(図示せず)を流れる磁性体
微粒子を捕集し、或は、捕集状態を解除するように構成
されている。勿論、これら永久磁石26,28に代えて
電磁石で構成することもできる。
【0048】第1廃液装置27と第2廃液装置29は、
反応容器10の液体収納部14Aまたは14B内の液体
(洗浄液を含む)を吸引廃棄するもので、第1廃液装置
27の液体吸引管路には、シリンダ42と切換弁43が
介設されている。
【0049】洗浄液供給装置30は、B/F分離を行な
うための洗浄液を反応容器10の液体収納部14Aまた
は14Bに供給するもので、洗浄液タンク44内の洗浄
液をシリンダ45および切換弁46を介して供給するよ
うに構成されている。
【0050】反応液吸引装置36は、光学測定位置jで
容器10の液体収納部14内から反応液を吸引しフロー
セル35に導入するもので、二方弁47と吸引ポンプ4
8と、から構成されている。
【0051】光学測定装置37は、上記フローセル35
内に導入された反応液の微弱な化学発光量を集光ミラー
49で集光して光電子増倍管50で受光するもので、こ
の詳細な構成は、公知のフローセルと光電子増倍管を用
いた光学測定装置と同様であるので、その詳細な説明を
ここでは省略する。尚、図中符号51は、容器搬送路2
0の終端部に配設された使用済容器10の廃棄容器であ
る。
【0052】次に、上記構成からなる免疫化学検査装置
の作用について説明すると、スタートスイッチ(図示せ
ず)をオンさせると、容器ストッカ21から容器10が
順次容器搬送路20へと送出され、各容器10は、順
次、検体試料分注位置aへと送られる。
【0053】そして、この検体試料分注位置aでは、チ
ップ40が装着されたサンプルピペット装置23を介し
てオートサンプラー22のサンプル容器39内から検体
試料が吸引され、この吸引された検体試料が容器10の
一方の液体収納部14A内に分注される。
【0054】この後、上記容器10は、第1試薬分注位
置bへと送られ、該第1試薬分注位置bで第1試薬ピペ
ット24を介して第1試薬ボトル内から磁性体微粒子が
含有された第1試薬を吸引した後、上記液体収納部14
Aへと分注する。
【0055】次に、上記容器10は、第1攪拌位置cへ
と送られ、該第1攪拌位置cでは、前記加圧・吸引ノズ
ルが液体収納部14Aまたは14Bに嵌着され、加圧あ
るいは吸引作動して反応液を細管を通して他方の液体収
納部14Bまたは14Aへと移送し、撹拌を行なう。
【0056】この後、上記容器10は、永久磁石26で
磁性体微粒子を細管内で吸着されて第1廃液位置dまで
移送され、該第1廃液位置dで磁性体微粒子を除く反応
液が第1廃液装置27を介して吸引廃棄されると共に、
次の第2廃液位置eで永久磁石28により磁性体微粒子
が細管内に吸着されたままの状態で、該磁性体微粒子を
除く反応液が第2廃液装置29により吸引廃棄され、こ
の後、洗浄液供給装置30から洗浄液が供給されてB/
F分離処理が行なわれる。
【0057】このB/F分離が終了した容器10は、次
に、第2試薬分注位置fへと移送され、該第2試薬分注
位置fで、第2試薬ピペット31を介して第2試薬ボト
ル内から酵素標識液等の第2試薬が含有された第2試薬
が吸引され、上記液体収納部14Aへと分注される。
【0058】次に、上記容器10は、第2攪拌位置gへ
と送られ、該第2攪拌位置gでは、前記加圧・吸引ノズ
ルが液体収納部14Aまたは14Bに嵌着され、加圧あ
るいは吸引作動して反応液を細管を通して他方の液体収
納部14Bまたは14Aへと移送し、撹拌が行なわれ
る。
【0059】この後、上記容器10は、第3試薬分注位
置hへと移送され、該第3試薬分注位置gで、第3試薬
ピペット33を介して第3試薬ボトル内から基質液また
は反応停止液等の第3試薬が吸引され、上記液体収納部
14Aへと分注される。
【0060】次に、上記容器10は、第3攪拌位置iへ
と送られ、該第3攪拌位置iでは、前記加圧・吸引ノズ
ルが液体収納部14Aまたは14Bに嵌着され、加圧あ
るいは吸引作動して反応液を細管を通して他方の液体収
納部14Bまたは14Aへと移送し、撹拌が行なわれ
る。
【0061】このようにして反応が進んだ試料が収容さ
れた容器10は、次に光学測定位置jへと移送され、該
光学測定位置jでは、反応液吸引装置36により、容器
10の液体収納部14内から反応液が吸引されてフロー
セル35に導入され、該フローセル35では、光学測定
装置37により化学発光量が測定される。そして、測定
が終了した容器10は、この後、廃棄容器51へと廃棄
される。
【0062】図4は、本発明の第2実施例に係る容器6
0を示しており、この容器60は、合成樹脂で形成され
た略直方体に形成されたカセット状の容器本体61と、
該容器本体61に形成された一対の液体収納部64A,
64Bと、該液体収納部64A,64Bの底部を連通接
続する細管65と、上記液体収納部64A,64Bの側
方に並設された断面略U字状に形成された複数個の試薬
収納部63,63,63と、から構成されており、上記
細管65は、図4(b)に示すように、容器本体61の
底部を蛇行させて形成されている。従って、磁力体12
は、図4(a)に示すように、容器本体61の底面に近
接して配設され、かつ、該底面から離れるように駆動さ
れる。従って、この実施例の場合には、上記磁力体12
は電磁石で構成する方が、機構が簡略化されるので望ま
しい。
【0063】上記容器本体61は、その外表面が、化学
発光量が測定される部位を除いて遮光着色処理されてお
り、PMT等の微弱な化学発光測定に対して迷光を遮断
するように構成されるのが望ましい。勿論、反応液を別
の容器に取り出して測定する場合には、その必要はな
い。尚、上記試薬収納部63,63,63には、反応工
程に対応する試薬が予め分注されており、ピペットノズ
ル等でこれを適宜吸引して液体収納部64A,64Bへ
と分注するように構成されている。
【0064】また、液体収納部64A,64Bは、前記
液体収納部14A,14Bと同様に構成すればよいた
め、その詳細な説明をここでは省略する。さらに、この
実施例では、加圧・吸引ノズル66は、液体収納部64
A,64Bの上部に嵌着される2本のノズル部67A,
67Bを有して構成されている他は、基本的な構成・作
用は前記加圧・吸引ノズル16と同様に構成すればよい
ため、その詳細な説明をここでは省略する。
【0065】このように細管65を、容器本体61の底
部に蛇行させて形成することで、一つの磁力体12によ
る磁性体微粒子の捕集効率が大幅に向上し、その結果、
検体試料等の液体収納部64A,64B間の移送速度を
大幅に向上させることができ、処理時間を大幅に短縮化
することができる。
【0066】図5は、本発明の第3実施例に係る容器7
0を示しており、この容器70は、合成樹脂で形成され
た容器本体71に、底部71A,71Bの高さが異なる
液体収納部74A,74Bが形成されていると共に、こ
れら液体収納部74A,74Bの底部71A,71B
は、細管75により連通接続されている。
【0067】そして、上記液体収納部74Bが形成され
た容器本体71の底部71Bは、液体収納部74Aが形
成された容器本体71の底部71Aよりも低く形成され
ていると共に、該容器本体71の底部71Bの少なくと
も上記底部71Aより下方部分は、光が透過するように
透明に形成されている。尚、図中符号76,76は、光
を透過する部分で透明に形成されている。
【0068】このように容器本体71の底部71Bの光
が透過する部分を透明に構成することで、液体収納部7
4Bに収容された反応液をフローセルや他の容器に移し
替えることなく、液体収納部74Bに収容したまま直接
測定することができるので、装置の構成を大幅に簡略化
することができる。また、目的によっては、反応液をフ
ローセルや他の容器に移して測定する方法も同時に行う
ことができるという効果がある。
【0069】また、この実施例では、上記細管75の中
途部を、容器本体71の液体収納部74A側に逆U字状
に立ち上がり形成し、磁性体微粒子の捕集手段により光
路が遮断されないように構成されている。
【0070】このように構成されてなる容器70により
磁性体微粒子を用いた免疫化学検査(EIA法)を行う
場合の一例を図6に基づき説明すると、先ず、ステップ
aで一方の液体収納部74Bに、検体試料に磁性体微粒
子含有試薬を添加して免疫反応液を生成する。
【0071】次に、ステップbにおいて、前記容器本体
71の液体収納部74A側に磁力体12を接近させ、こ
の状態で液体収納部74A,74Bの上部に加圧・吸引
ノズル16を密に嵌着し、一方の加圧ノズル16Aから
はエアーを液体収納部74Bに移送すると共に、吸引ノ
ズル16Bは吸引作動を実施する。これにより、液体収
納部74B内の免疫反応液は上記細管75を通って他方
の液体収納部74Aへと移送される。この過程におい
て、細管75内を通る免疫反応液に含有されている磁性
体微粒子は、上記細管75の中途部の両垂直管部75
a,75bで、磁力体12の磁力作用によって両垂直管
部75a,75b内に捕捉吸着され、この後、液体収納
部74A内に流入した磁性体微粒子を含有していない免
疫反応液は、上記加圧・吸引ノズル16の吸引ノズル1
6Bを通って吸引廃棄される。
【0072】この後、ステップcにおいて、洗浄水供給
ノズル17が液体収納部74Bの上部に密に嵌着され、
該洗浄水供給ノズル17から洗浄水が液体収納部74B
に供給され、該液体収納部74ABに供給された洗浄水
は、上記加圧・吸引ノズル16の吸引ノズル16Bの吸
引作動によって上記細管75から液体収納部74Bを経
て、上記加圧・吸引ノズル16の吸引ノズル16Bを通
って吸引廃棄される。このとき、磁力体12による磁性
体微粒子の吸着は継続されているので、液体収納部74
A・細管75・液体収納部74Bの内部は勿論、磁力体
12により吸着された磁性体微粒子も洗浄される。
【0073】次に、ステップdで、磁石が離され、液体
収納部74A内に試薬が試薬ピペット(図示せず)を介
して分注される。
【0074】この状態からステップeで、別の加圧・吸
引ノズル16の加圧ノズル16Cが液体収納部74Aの
上部に密に嵌着され、加圧作動して液体収納部74A内
に収容された試薬を細管75を経て液体収納部74Bへ
と移送する。このとき、上記細管75の中途部の両垂直
管部75a,75b内に吸着され捕集されていた磁性体
微粒子は、細管75内を流れる試薬と混合し、攪拌され
ながら液体収納部74Bへと送られる。この後、ステッ
プfでは吸引ノズル16Dによる反応液の吸引作動が行
なわれ、また、ステップgでは加圧ノズル16Eによる
加圧が行なわれて、液体収納部74A,74Bへの反応
液の移送が繰り返されて撹拌が行なわれる。
【0075】そして、ステップgで所定時間反応が行な
われ、この後、液体収納部74B内の磁性体微粒子含有
反応液は、ステップhで示すように、加圧ノズル16F
による液体収納部74Aへの移送過程で、磁力体12に
より細管75内部に吸着されて捕集され、反応液が液体
収納部74Aへと送られ、この後、該液体収納部74A
内の反応液は、ステップiで示すように、吸引ノズル1
6Gによって再び液体収納部74Bへと移送されて、残
存する磁性体微粒子が確実に磁力体12の作用により細
管75内に捕集された後、該液体収納部74B内に収容
される。この後に、液体収納部74Bの透明部76から
測定光を通すことで、反応液が液体収納部74Bに収容
されたままの状態で測定される(ステップj)。また、
化学発光測定法のCLIA法およびCLEIA法の場合
は、透明部76からの発光量をPMT等で直接測光する
か、或は、フローセルや他の容器に移して測定するよう
にする。
【0076】図7は、本発明の第4実施例に係る容器8
0を示しており、この容器80は、合成樹脂で形成され
た容器本体81に、底部81A,81Bの高さが異なる
液体収納部84A,84Bが形成されていると共に、こ
れら液体収納部84A,84Bの底部81A,81Bを
細管85で連通接続し、該細管85の中途部を、容器本
体81の前面側に略逆W字状に蛇行させて形成して、磁
力体12を容器本体81の前面側に接離可能に配設した
他は、他の構成・作用・効果は前記第3実施例と同様で
あるので、その詳細な説明をここでは省略する。
【0077】図8は、本発明の第5実施例に係る容器9
0を示しており、この容器90は、合成樹脂で形成され
た容器本体91に、底部91A,91Bの高さが異なる
液体収納部94A,94Bが形成されていると共に、こ
れら液体収納部94A,94Bの底部91A,91Bを
細管95で連通接続し、該細管95の中途部を、容器本
体91の液体収納部94側前面部に略逆W字状に蛇行さ
せて形成し、かつ、該細管95の中途部の高さを、液体
収納部94Aよりも低い位置に納めるように形成して、
磁力体12を容器本体91の前面側に接離可能に配設し
た他は、他の構成・作用・効果は前記第4実施例と同様
であるので、その詳細な説明をここでは省略する。勿
論、この場合、化学発光の測定は、図8(a)で示すよ
うに、容器本体91の左右方向から行なわれるため、上
記細管95が光路を遮り、測定が不能となる心配もな
い。
【0078】このように構成されてなる容器90により
磁性体微粒子を用いた免疫化学検査を行う場合の一例を
図9に基づき説明すると、先ず、ステップaで一方の液
体収納部94Aに、検体試料に磁性体微粒子含有試薬を
添加して免疫反応液を生成する。
【0079】次に、ステップbにおいて、前記容器本体
91の液体収納部94B側に磁石12を接近させ、この
状態で液体収納部94A,94Bの上部に加圧・吸引ノ
ズル16を密に嵌着し、一方の加圧ノズル16Aからは
エアーを液体収納部94Aに移送すると共に、吸引ノズ
ル16Bは吸引作動を実施する。これにより、液体収納
部94A内の免疫反応液は上記細管95を通って他方の
液体収納部94Bへと移送される。この過程において、
細管95内を通る免疫反応液に含有されている磁性体微
粒子は、上記細管95の中途部の両垂直管部95a,9
5bで、磁石12の磁力作用によって両垂直管部95
a,95b内に吸着されて捕集され、この後、液体収納
部94B内に流入した磁性体微粒子を含有していない免
疫反応液は、上記加圧・吸引ノズル16の吸引ノズル1
6Bを通って吸引廃棄される。
【0080】この後、ステップcにおいて、洗浄水供給
ノズル17が液体収納部94Aの上部に密に嵌着され、
該洗浄水供給ノズル17から洗浄水が液体収納部94A
に供給され、該液体収納部94Aに供給された洗浄水
は、上記加圧・吸引ノズル16の吸引ノズル16Cの吸
引作動によって上記細管95から液体収納部94Bを経
て、上記加圧・吸引ノズル16の吸引ノズル16Cを通
って吸引廃棄される。このとき、磁石12による磁性体
微粒子の吸着は継続されているので、液体収納部94A
・細管95・液体収納部94Bの内部は勿論、磁石12
により吸着された磁性体微粒子も洗浄される。
【0081】次に、ステップdで、磁石が離され、液体
収納部94B内に試薬が試薬ピペット(図示せず)を介
して分注される。
【0082】この状態からステップeで、上記加圧・吸
引ノズル16の加圧ノズル16Dが液体収納部94Bの
上部に密に嵌着され、加圧作動して液体収納部94B内
に収容された試薬を細管95を経て液体収納部94Aへ
と移送する。このとき、上記細管95の中途部の両垂直
管部95a,95b内に吸着されていた磁性体微粒子
は、細管95内を流れる試薬と混合し、攪拌されながら
液体収納部94Aへと送られる。この後、ステップfで
は吸引ノズル16Eによる吸引作動が行なわれ、また、
ステップgでは加圧ノズル16Fによる加圧作動が行な
われて、液体収納部94A,94Bへの反応液の移送が
繰り返されて撹拌が行なわれる。
【0083】この後、反応液の測定直前で、液体収納部
94A内の磁性体微粒子含有反応液は、ステップhで示
すように、加圧ノズル16Gによる液体収納部94Bへ
の移送過程で、磁石12により細管95内部に吸着さ
れ、磁性体微粒子を除く反応液が液体収納部94Bへと
送られ、反応液が液体収納部94Bに収容されたままの
状態で測定される(ステップi)。
【0084】かかる作業が終了した後、ステップjで両
液体収納部94A,94B内は洗浄液で洗浄され、該洗
浄液が両液体収納部94A,94Bから吸引廃棄されて
再使用が可能な状態となる。
【0085】図5と図7および図8に示す各容器70,
80,90は、容器移送路が直線状またはループ状に配
列され、かつ、この直線状またはループ状に配列された
容器をステップ送りさせる方式の免疫化学検査装置に好
適である。
【0086】図10には、図5に示す容器70を用い、
かつ、免疫反応液の呈色反応状態を比色測定するEIA
法による免疫化学検査装置の一例が示されている。勿
論、磁石12の配置位置を各容器の細管形成状態に対応
させて配置した場合には、図7または図8に示す容器8
0,90も同様の免疫化学検査装置に適用することがで
きる他、図3に示す免疫化学検査装置にも同様に適用す
ることができる。
【0087】この免疫化学検査装置は、複数個の容器7
0がループ状に配列されたテーブル100と、この容器
テーブル100を正逆回転させる駆動装置(図示せず)
と、検体試料が収容されたサンプルカセット101に保
持されたサンプル容器102を順次サンプリング位置ま
で移送するオートサンプラー103と、このサンプル容
器102内から所要量の検体試料を吸引して容器本体7
1の液体収納部74B内に分注するサンプリングピペッ
ト104と、上記容器70が移送されるラインに沿って
配設された第1試薬ピペット105,第1撹拌装置10
6,第1B/F分離装置107,第2試薬ピペット10
8,第2撹拌装置ピペット109,第2B/F分離装置
110,第3試薬ピペット111,第3撹拌装置11
2,第4試薬ピペット113,第4撹拌装置114,磁
性体微粒子捕集装置115,光学測定装置116および
洗浄装置117と、上記テーブル100の右側に配設さ
れた第1・第2試薬テーブル118と、上記テーブル1
00の左側に配設された第3・第4試薬テーブル119
と、から構成されている。
【0088】複数個の容器70がループ状に配列された
テーブル100は、図示しないが、パルスモータ等で構
成された公知の駆動装置によって、例えば、1容器づつ
1ピッチで間欠移送し、あるいは、360度±1容器分
ステップ回転して各容器70を順次サンプリング位置
a,第1試薬分注位置b,第1撹拌位置c,第1B/F
分離位置d,第2試薬分注位置e,第2撹拌位置f,第
2B/F分離位置g,第3試薬分注位置h,第3撹拌位
置i,第4試薬分注位置j,第4撹拌位置k,磁性体微
粒子捕集位置l,光学測定位置mおよび洗浄位置nへと
移送するように駆動制御されている。
【0089】オートサンプラー103は、検体試料が収
容されたサンプルカセット101に保持されたサンプル
容器102を順次サンプリング位置まで移送するもの
で、上記サンプルカセットの移送機構は、カッセット横
送り機構とカセット縦送り機構からなる公知のカセット
移送機構と同様であるので、その詳細な説明をここでは
省略する。
【0090】サンプリングピペット104は、サンプリ
ング位置に到達したサンプリング容器102内から所要
量の検体試料を吸引し、これをサンプリング位置aに到
達した容器本体71の液体収納部74B内に分注するよ
う昇降回転駆動され、サンプルを分注した後は、図示し
ない洗浄装置により洗浄されて再使用される。
【0091】第1試薬ピペット105,第2試薬ピペッ
ト108,第3試薬ピペット111および第4試薬ピペ
ット113は、ピペットが保持されたアームを軸12
0,121,122,123を支点として往復回動およ
び昇降自在に構成されており、上記第1試薬ピペット1
05は、第1・第2試薬テーブル118の外側にセット
された第1試薬ボトル124内から所要量の、例えば、
磁性体微粒子が含有された第1試薬を吸引してこれを第
1試薬分注位置bに到達した容器70内に分注するよう
に構成されている。
【0092】また、第2試薬ピペット108は、第1・
第2試薬テーブル118の内側にセットされた第2試薬
ボトル125内から所要量の、例えば、標識液等の第2
試薬を吸引してこれを第2試薬分注位置eに到達した容
器70内に分注するように構成されている。
【0093】さらに、第3試薬ピペット111は、第3
・第4試薬テーブル119の外側にセットされた第3試
薬ボトル126内から所要量の、例えば、基質液等の第
3試薬を吸引してこれを第3試薬分注位置hに到達した
容器70内に分注するように構成されている。
【0094】また、第4試薬ピペット113は、第3・
第4試薬テーブル119の内側にセットされた第4試薬
ボトル127内から所要量の、例えば、反応停止液等の
第4試薬を吸引してこれを第4試薬分注位置jに到達し
た容器70内に分注するように構成されている。
【0095】第1撹拌装置106,第2撹拌装置10
9,第3撹拌装置112,第4撹拌装置114は、前記
図6で示した加圧・吸引ノズル16と全く同様に構成さ
れており、所定のタイミングで昇降するように駆動制御
されている。
【0096】第1B/F分離装置107,第2B/F分
離装置110は、洗浄ノズル17と永久磁石12とから
構成されており、該永久磁石12は、この実施例では、
昇降手段により接離するように構成されている。
【0097】尚、この永久磁石12は、この実施例では
テーブル100の外側に配置されているが、これは高さ
が低い液体収納部74Aが外側に配置されているためで
あり、該液体収納部74Aが内側に配置される場合に
は、上記永久磁石12はテーブル100の内側に配置さ
れる。
【0098】また、この発明では、上記永久磁石12を
各容器70の間に出し入れ自在に配置して構成し、また
は、B/F分離の位置に必要な個数の永久磁石を容器7
0間に出し入れできるように永久磁石のみを固定したリ
ングを上記テーブル100の下に配設し、このリングを
磁性体微粒子の捕集時に容器70間に挟んで、テーブル
100が静止しているときのみ磁性体微粒子を捕集し、
測定のため容器70が回転移送されているときには、上
記リングを下降させるように構成することもでき、或
は、このリングをテーブル100と一緒に回転させるよ
うに構成してもよい。
【0099】磁性体微粒子捕集装置115は、例えば、
反応停止液等の第4試薬が分注された免疫反応液中に浮
遊する磁性体微粒子を捕集して反応液のみを容器70の
液体収納部70Bへと送るように作用し、その配置等
は、上記第1B/F分離装置107,第2B/F分離装
置110の永久磁石12と同様に構成されている。
【0100】光学測定装置116は、磁性体微粒子捕集
装置115で捕集されて除去された免疫反応液の呈色反
応状態を光学的に比色測定するもので、光源128と、
分光器129と、から構成されており、分光器129で
分光された各波長光は、各波長毎に電圧値に変換されて
その吸光度が計測される。
【0101】洗浄装置117は、光学測定が終了した容
器の液体収納部74A,74Bおよび細管75内を洗浄
して再使用できるようにするもので、洗浄回数は複数回
行なわれる。この洗浄液の供給は、前記洗浄ノズルで行
ない、また、洗浄廃液は、吸引ノズルで行なわれる。
【0102】尚、図10に示す免疫化学検査装置の構成
は、あくまでも、本発明の一適用例を例示したものであ
り、この発明にあってはこれに限定されるものではな
く、磁性体微粒子を用いた各種免疫化学検査の処理フロ
ーに対応させて適宜変更して適用できることは勿論であ
る。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にあって
は、磁性体微粒子を利用した免疫化学検査法において、
この磁性体微粒子の捕集を、極めて高精度で安定的に、
かつ、高速で行うことができるように容器を構成するこ
とで、磁性体微粒子を用いた免疫化学検査に対する信頼
性を飛躍的に向上させることができると共に、この種の
検査装置の全自動化は勿論、他の検査も一台の装置で同
時に検査することができる等の画期的な効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る容器の構成を示し
ており、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右
側面図である。
【図2】同第1実施例に係る容器を用いた磁性体微粒子
の捕集・撹拌工程の処理フローである。
【図3】同第1実施例に係る容器を用いた一免疫化学検
査装置の概略的な構成を示す説明図である。
【図4】この発明の第2実施例に係る容器の構成を示し
ており、(a)は正面断面図、(b)は底面図、(c)
は右側面図である。
【図5】この発明の第3実施例に係る容器の構成を示し
ており、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左
側面図、(d)は右側面図である。
【図6】同第3実施例に係る容器を用いた磁性体微粒子
の捕集・撹拌工程の処理フローである。
【図7】この発明の第4実施例に係る容器の構成を示し
ており、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左
側面図、(d)は右側面図である。
【図8】この発明の第5実施例に係る容器の構成を示し
ており、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左
側面図、(d)は右側面図である。
【図9】同第5実施例に係る容器を用いた磁性体微粒子
の捕集・撹拌工程の処理フローである。
【図10】同第5実施例に係る容器を用いた一免疫化学
検査装置の概略的な構成を示す説明図である。
【図11】従来の化学発光法に基づく免疫化学検査法の
処理工程例を示す処理工程フロー図である。
【符号の説明】
10,60,70,80,90 容器 11,61,71,81,91 容器本体 12 磁力体(永久磁石) 14A,64A,74A,84A,94A 液体収納部 14B,64B,74B,84B,94B 液体収納部 15,65,75,85,95 細管 16 加圧・吸引ノズル 17 洗浄ノズル

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底の略凹状に形成された液体収納部を
    少なくとも2以上容器本体に並設すると共に、これら各
    液体収納部の底部を、細管で連通接続したことを特徴と
    する容器。
  2. 【請求項2】 前記細管は、容器本体の底部に沿って配
    管されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 【請求項3】 前記細管は、容器本体の垂直面に沿って
    配管されていることを特徴とする請求項1に記載の容
    器。
  4. 【請求項4】 前記細管は、前記液体収納部間に配管さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  5. 【請求項5】 前記細管は、蛇行させて形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載の容器。
  6. 【請求項6】 前記液体収納部の底部の高さを異ならし
    めると共に、前記容器本体の低く形成された液体収納部
    側の下部部分を少なくとも透明に形成して測定光が透光
    できるように構成したことを特徴とする請求項1乃至請
    求項5のいずれかに記載の容器。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    の容器の一方の液体収納部内に液体を収納し、該液体に
    圧力を付与し、或は、逆から吸引することで、細管を通
    って液体が空の他の液体収納部へと移送させることで、
    液体の撹拌が行なわれることを特徴とする容器を用いた
    液体の撹拌方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    の容器の一方の液体収納部内に液体を収納し、該液体に
    圧力を付与し、或は、逆から吸引して液体が細管を通る
    ときに、前記容器本体の外側に配設された磁力体の磁力
    によって、該液体内に含有されている磁性体微粒子を上
    記細管内で捕集することを特徴とする容器を用いた磁性
    体微粒子の捕集方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    の容器の一方の液体収納部内に洗浄液を収納し、該洗浄
    液に圧力を付与し、或は、逆から吸引して液体が細管を
    通るときに、前記容器本体の外側に配設された磁力体の
    磁力によって磁性体微粒子を捕集した状態を保持したま
    ま上記洗浄液を液体収納部間で往復させることで、液体
    収納部内と細管内および磁性体微粒子を洗浄することを
    特徴とする容器を用いた洗浄方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至6のいずれかに記載の容
    器を複数個用意し、これら各容器を移送路に沿って順次
    移送する手段と、該容器の液体収納部の一方に検体試料
    を分注する手段と、該検体試料が分注された液体収納部
    に磁性体微粒子を含有する試薬を分注する手段と、標識
    試薬等を分注する手段と、上記液体収納部の上部開口部
    に着脱自在に装着される加圧・吸引手段と、この加圧・
    吸引手段によって細管内を流れる磁性体微粒子を細管内
    で捕集する磁力体と、上記液体収納部の上部開口部に嵌
    着され液体収納部内に加圧・吸引圧を作用させることで
    一方の液体収納部内の液体を前記細管を通して他の液体
    収納部へと送る手段と、発光を測定する手段と、を有し
    て構成されてなる前記容器を用いた免疫化学検査装置。
  11. 【請求項11】 前記容器を直列に配設すると共に、所
    定位置で前記磁力体を接離させることで、前記細管内を
    通る液体中に含有されている磁性体微粒子を細管内で捕
    集し、或は、該捕集状態を解除することを特徴とする請
    求項10に記載の免疫化学検査装置。
  12. 【請求項12】 前記容器を直列に配設すると共に、前
    記磁力体を各容器毎に配設し、所定位置で前記容器を昇
    降させることで、前記細管内を通る液体中に含有されて
    いる磁性体微粒子を細管内で捕集し、或は、該捕集状態
    を解除することを特徴とする請求項10に記載の免疫化
    学検査装置。
JP14005295A 1995-05-16 1995-05-16 容器およびこの容器を用いた液体撹拌・洗浄・磁性体微粒子捕集方法並びに該容器を用いた免疫化学検査装置 Pending JPH08313539A (ja)

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