JPH08311301A - カレンダ成形用abs系樹脂組成物 - Google Patents

カレンダ成形用abs系樹脂組成物

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JPH08311301A
JPH08311301A JP12401295A JP12401295A JPH08311301A JP H08311301 A JPH08311301 A JP H08311301A JP 12401295 A JP12401295 A JP 12401295A JP 12401295 A JP12401295 A JP 12401295A JP H08311301 A JPH08311301 A JP H08311301A
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JP
Japan
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weight
abs resin
resin composition
film
flow rate
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JP12401295A
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Tomoyuki Fujisawa
朋幸 藤沢
Nobuo Yamauchi
信雄 山内
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ABS系樹脂100重量部に重量平均分子量
6万以上のポリカプロラクトンを0.5〜5重量部含有
し、かつ温度220℃、荷重10kgでのメルトフロー
レートが5〜30g/10分であるカレンダ成形用AB
S系樹脂組成物、及び該樹脂組成物に温度230℃、荷
重3.8kgでのメルトフローレートが5g/10分以
上15g/10分以下のメタクリル樹脂を5重量%以上
50重量%以下含有してなるカレンダ成形用ABS系樹
脂組成物。 【効果】 カレンダ成形における成形性、及びフィルム
成形品の耐薬品性、耐光性に優れたABS系樹脂組成物
を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カレンダ成形用ABS
系樹脂組成物及びカレンダ成形で得られるABS系樹脂
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は、汎用樹脂の中でも家
庭電気機器部品、自動車の各種内外装部品、オフィス家
具部品等と幅広い用途に使用されている。スチレン系樹
脂の中でも、ABS樹脂は耐薬品性、機械的強度のバラ
ンスが優れている樹脂であり、近年、環境問題から塩化
ビニル樹脂が欧州等で制限されているため、その代替材
料としても使用され始めている。
【0003】カレンダ成形法による輸出用フィルムがそ
の1つであり、現在、ABS樹脂が主に使用されてい
る。しかし、ABS樹脂でカレンダ成形を行うと高温の
ロールから剥がれにくいというロール剥離性、高温ロー
ルの熱と大気中の酸素によって変色を起こすという熱劣
化性から、カレンダ法によってABS樹脂フィルムを製
造するのは困難であった。そこで、従来から離形剤、可
塑剤を配合して、フィルムの製造を行うことが主流とな
っている。しかし、離形剤、可塑剤を使用するとフィル
ム表面に肌荒れが生じやすくなる。変色防止に関して
も、各種添加剤を添加すると、離形剤の場合と同様にフ
ィルム表面に肌荒れが生じやすくなる。そこで、配合
剤、添加剤の添加ではなく、ポリマーアロイもしくは樹
脂自体により成形性を改良する方法が望まれている。
【0004】また、一般家庭では、汚れの拭き取りにア
ルコール系を主成分とした液体が洗浄用として使われる
ことがあることから、カレンダ成形により作成されたA
BS樹脂フィルムを、家具の扉の保護、加飾フィルム等
の用途に使用するにはアルコール系に対する耐薬品性が
要求される。一般にABS樹脂は、耐光性、耐薬品性、
特にアルコール系に弱く、さらに、家具の扉の保護、加
飾フィルム等の用途では、カレンダ成形時、貼り付け時
と成形歪みが2重に加えられることから、一般のABS
樹脂を用いた場合には、アルコール系の洗浄剤が使用さ
れると割れ、クラックの発生がかなり多くなるという問
題があった。
【0005】
【発明が解決しようする課題】本発明は、耐熱劣化性、
ロール剥がれ性に優れ、かつ日常的に充分な耐薬品性、
耐光性を有するカレンダフィルムを可能にする、カレン
ダ成形性に優れるABS系樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のとおり
である。 1.ABS系樹脂100重量部に重量平均分子量6万以
上のポリカプロラクトンを0.5重量部以上5重量部以
下含有し、かつ温度220℃、荷重10kgのメルトフ
ローレートが5g/10分以上30g/10分以下であ
るカレンダ成形用ABS系樹脂組成物。 2.ABS系樹脂100重量部に重量平均分子量6万以
上のポリカプロラクトンを0.5重量部以上5重量部以
下、及び温度230℃、荷重3.8kgのメルトフロー
レートが5g/10分以上15g/10分以下のメタク
リル樹脂を5重量%以上50重量%以下含有し、かつ温
度220℃、荷重10kgのメルトフローレートが5g
/10分以上30g/10分以下であるカレンダ成形用
ABS系樹脂組成物。 3.上記1又は2のカレンダ成形用ABS系樹脂組成物
を用い、カレンダ成形により製造されたカレンダフィル
ム。
【0007】ここで、本発明について以下に詳しく説明
する。本発明でいうABS系樹脂とは、ブタジエンを含
む単量体から作られたゴムに、芳香族ビニル、シアン化
ビニルを含む単量体をグラフト重合して得られたグラフ
ト重合体、及び芳香族ビニル−シアン化ビニル−共重合
可能な他の単量体から製造される共重合体を含む樹脂で
ある。
【0008】グラフト重合体に使用されるゴムはブタジ
エンを含むことが必須であり、その他に芳香族ビニルや
シアン化ビニル、アクリル酸エステル、カルボン酸ビニ
ル化合物等ブタジエンと共重合する他の単量体を共重合
することもできる。ブタジエンはゴム中に70重量%以
上含むことが望ましく80重量%以上含むことがさらに
望ましい。例としてはポリブタジエン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、アクリルロトリル−ブタジエン共重合
体などのジエン系共重合体、水添ジエン系重合体などが
あげられる。この中でもポリブタジエンが望ましい。
【0009】グラフト重合体は、上記ゴムに芳香族ビニ
ル、シアン化ビニルをグラフト重合して得られるが、そ
の際に必要に応じ、アクリル酸エステル、カルボン酸ビ
ニル化合物、マレイミド系ビニル化合物等の共重合可能
な他の単量体を共にグラフト重合に用いることもでき
る。グラフト重合体中におけるゴムは5重量%ないし7
0重量%となるように調節されることが好ましく10重
量%ないし60重量%となるよう調節されることがさら
に好ましい。グラフト重合される単量体中における芳香
族ビニル化合物は30重量%から80重量%となるよう
調節されることが望ましく、40重量%から70重量%
となるよう調節されることがさらに望ましい。グラフト
重合される単量体中におけるシアン化ビニル化合物は5
重量%から80重量%となるよう調節されることが望ま
しく、10重量%から70重量%となるよう調節される
ことがさらに望ましい。
【0010】芳香族ビニル−シアン化ビニル−共重合可
能な他の単量体から製造される共重合体はグラフト重合
体のグラフト重合過程でまたは別個に芳香族ビニル、シ
アン化ビニルを共重合することによって得られるが、そ
の際に必要に応じ、アクリル酸エステル、カルボン酸ビ
ニル化合物、マレイミド系ビニル化合物等の共重合可能
な他の単量体を共に用いることもできる。共重合体中に
おける芳香族ビニル化合物は30重量%から80重量%
となるよう調節されることが望ましく、40重量%から
70重量%となるよう調節されることがさらに望まし
い。共重合体中におけるシアン化ビニル化合物は5重量
%から80重量%となるよう調節されることが望まし
く、10重量%から70重量%となるよう調節されるこ
とがさらに望ましい。
【0011】ゴム、グラフト重合体、および芳香族ビニ
ル−シアン化ビニル−共重合可能な他の単量体から製造
される共重合体に使用される芳香族ビニルとしては、ス
チレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ブ
ロモスチレン、p−メチルスチレンなどがあげられ、1
種類または2種類以上を混合して用いる。この中でもス
チレン、α−メチルスチレンが望ましい。またゴム、グ
ラフト重合体および芳香族ビニル−シアン化ビニル−共
重合体可能な他の単量体から製造される共重合体に、そ
れぞれ異なった芳香族ビニルを用いても同一の芳香族ビ
ニルを用いてもよい。
【0012】同様に、ゴム、グラフト重合体および芳香
族ビニル−シアン化ビニル−共重合可能な他の単量体か
ら製造される共重合体に使用されるシアン化ビニルとし
ては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙
げられ、1種類又は2種類以上を混合して用いる。やは
りそれぞれ異なったシアン化ビニルでも同一のシアン化
ビニルでもかまわない。
【0013】またグラフト重合体および芳香族ビニル−
シアン化ビニル−共重合可能な他の単量体から製造され
る共重合体に使用されるマレイミド系ビニル化合物とし
ては、アルキル基炭素数1〜4であるN−アルキル置換
マレイミド、N−フェニルマレイミド、核置換N−フェ
ニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどが
挙げられる。この中でもN−フェニルマレイミドが望ま
しい。また、N−置換マレイミドとしては例えば無水マ
レイン酸を共重合したのちにアニリンなどを用いてイミ
ド化したものも含まれる。
【0014】またグラフト重合体および芳香族ビニル−
シアン化ビニル−共重合可能な単量体から製造される共
重合体に使用されるアクリル酸エステルとしては、メチ
ルメタクリレートなどのアルキル基炭素数1〜12個の
メタクリル酸アルキルエステル、メチルアクリレートな
どのアルキル基炭素数1〜12のアクリル酸アルキルエ
ステルが挙げられる。またグラフト重合体および芳香族
ビニル−シアン化ビニル−共重合可能な他の単量体から
製造される共重合体に使用されるカルボン酸ビニル化合
物としては、アクリル酸、無水マレイン酸、メタクリル
酸などが挙げられる。ゴムの製造は溶液重合、塊状重
合、乳化重合いずれにても行える。後工程のグラフト重
合を乳化状態でおこなう場合には溶液あるいは塊状重合
によって製造した後に必要ならば乳化するか、もとから
乳化重合によって製造される。
【0015】グラフト重合体は、上記で得られたゴムに
芳香族ビニル、シアン化ビニル、共重合可能な他の単量
体をグラフト重合させることにより得られる。グラフト
重合は溶液重合、塊状重合、乳化重合いずれにても行え
るが、乳化重合が望ましい。このグラフト重合の過程で
非グラフト共重合体が副成することがあるが、これは芳
香族ビニル−シアン化ビニル−共重合可能な他の単量体
から製造される共重合体に含まれる。芳香族ビニル−シ
アン化ビニル−共重合可能な他の単量体から製造される
共重合体を別工程にて製造する場合は溶液重合、塊状重
合、乳化重合いずれにてもおこなうことができる。
【0016】本発明のABS系樹脂は、前記のグラフト
重合体および芳香族ビニル−シアン化ビニル−共重合可
能な他の単量体から製造される共重合体を含むが、必要
に応じて他の熱可塑性樹脂を、またその他に滑剤、帯電
防止剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤、
発泡剤、繊維状および粒状無機質充填剤、あるいはまた
熱可塑性樹脂組成物において一般的に用いられるその他
の配合剤、添加剤を配合することも可能である。他の熱
可塑性樹脂としてはポリカーボネート、熱可塑性ポリウ
レタン、ポリエステル等を挙げることができる。
【0017】本発明のABS系樹脂と各成分の混合には
ベント付き押出機、プラストミル、ニーダー、バンバリ
ーミキサー、ブラベンダーなどの熱可塑性樹脂に一般的
に用いられる各種混合装置を用いることができる。これ
らのうちベント付き押出機が望ましい。第1の発明では
重量平均分子量6万以上のポリカプロラクトンが0.5
重量部以上5重量部以下含有されることが必要であり、
重量平均分子量7万以上のものが1重量部以上4重量部
以下含有されることが好ましい。
【0018】本発明においてはポリカプロラクトンは、
高結晶性、生分解性、低融点の高分子量熱可塑性プラス
チックスであり、耐薬品性改良剤として使用される。重
量平均分子量が6万未満であると、耐薬品性改良剤とし
ての効果が少ないため、配合量を多くする必要があり、
成形性が悪くなる。また、材料費が高くつき経済的にも
好ましくない。製造上、分子量は約8万までのものしか
生産されていない。ポリカプロラクトンの配合量が0.
5重量部未満であると、配合量が少ないため、耐薬品性
の効果が現れにくい。5重量部より多いと成形性が悪く
なる。また、材料費が高くつき、経済的に好ましくな
い。
【0019】第1の発明においては、メルトフローレー
トがJIS規格K7210に準ずる方法で5g/10分
以上30g/10分以下、好ましくは7g/10分以上
20g/10分以下に調節される必要がある。メルトフ
ローレートが5g/10分未満の場合は、カレンダロー
ルの温度が200℃以上でなければ成形ができないので
温度が高く、冷却に時間がかかってしまい生産性が悪く
なる。メルトフローレートが30g/10分より大きい
と伸長粘度が低くく、引き取りするときにネッキングを
生じやすく上手く引き取れなくなってしまう。メルトフ
ローレートの調節は、ABS系樹脂組成物中のゴム量や
グラフト重合粒子径、芳香族ビニル−シアン化ビニルを
含む単量体を重合して得られる共重合体の分子量などに
よって行われる。グラフト重合体粒子径は0.05μm
以上1μm以下、共重合体の分子量は3万以上20万以
下に調節されるのが好ましい。
【0020】第2の発明は、メルトフローレートがAS
TM規格D1238(I)に準ずる方法で5g/10分
以上15g/10分以下、好ましくは8g/10分以上
13g/10分以下のメタクリル樹脂を5重量%以上5
0重量%以下含有する。メタクリル樹脂のメルトフロー
レートが5g/10分未満であると、ロール温度をかな
り上げなければならず、冷却に時間がかかり、生産性が
落ちてしまう。また、15g/10分より大きいと伸長
粘度が低くくなるため、引き取り時にネッキングを起こ
し、巻き取りにくくなる。また、配合量が5重量%以上
50重量%以下と調節されるが、20重量%以上45重
量%以下に調節されることが好ましい。配合量が5重量
%未満であると耐熱劣化性、耐光性の効果が見られず、
50重量%より多いと成形性が悪くなる。
【0021】第2の発明のメタクリル樹脂が含有された
ABS系樹脂組成物のメルトフローレートはJIS規格
K7210に準ずる方法で5g/10分以上30g/1
0分以下、好ましくは7g/10分以上20g/10分
以下に調節される。メルトフローレートが5g/10分
未満の場合は、カレンダロール温度を高くしなければフ
ィルム状に成形できず、冷却効率が悪くなる。メルトフ
ローレートが30g/10分より高いと溶融時の伸長粘
度が低く成りすぎてしまい、フィルム引き取り時にネッ
キングが生じやすくフィルムの製造が困難となる。
【0022】第3の発明は、第1又は第2の発明のAB
S系樹脂組成物を用いて製造されるカレンダフィルムで
あり、このフィルムの厚みは好ましくは0.1mm以上
10mm以下であり、より好ましくは0.2mm以上
0.4mm以下である。このカレンダフィルムは一般的
なカレンダ成形法で製造できる。まず原料と安定剤、顔
料などをプリミキサ等で予備混合し、混練装置に供給
し、連続的に組み合わされたロールに投入圧延する。こ
れを冷却し、両端を切って幅を揃えて自動巻き取りする
方法である。このフィルムを使用すれば、耐光性、耐薬
品性に優れた家具の扉等の住宅関係の保護、加飾フィル
ムとなる。従来のABS樹脂を用いると耐光性、耐薬品
性が悪いため、洗浄にアルコール系の洗浄剤が使用され
ると割れ、クラックが発生しやすい。
【0023】以下、本発明の実施例を説明する。
【0024】
【実施例】
【0025】
【実施例1〜3】表1に示す量の重量平均分子量7万の
ポリカプロラクトンを、表1に示すアクリロニトリル/
スチレン/ブタジエン組成比(重量比)のABS樹脂中
に配合して、ヘンシェルミキサーにより、均一に分散さ
せた後、1軸押出機でペレット状に押し出す。ペレット
状に押し出された組成物は、メルトフローレートがJI
S規格K7210に準ずる方法で8g/10分となり、
配合前のABS樹脂のメルトフローレートと殆ど変わり
なかった。上記組成物を、カレンダ成形機(西村工機
(株)製 NS−200(J)W)を用い、温度195
℃でカレンダ成形し、厚さ0.2mmのカレンダフィル
ムを作成した。
【0026】その結果、カレンダロールからの剥がれ性
が極めて良好であり、表面も肌荒れがなく、きれいであ
った。また、組成物の溶融時間も早くなり、生産性の向
上も可能となった。カレンダ成形されたフィルムを、温
度130℃で熱成形し、合板上に貼り付け、その耐薬品
性を確認した。耐薬品性はメタノールをフィルム表面に
塗布し、割れ、クラックが発生するかを観察した。その
結果、割れ、クラックの発生は認められなかった。結果
を表1に示す。なお、剥がれ性は、フィルムがカレンダ
ロールから剥がれる場合を○、カレンダロールから剥が
れない場合を×とした。フィルム外観は、皺がなく、肌
荒れのないきれいな場合を○、皺があり、肌荒れのある
場合を×とした。耐薬品性は、割れ、クラックの発生が
目視で認められない場合を○、割れ、クラックの発生の
認められた場合を×とした。
【0027】
【比較例1〜2】重量平均分子量7万のポリカプロラク
トン及び表1に示すアクリロニトリル/スチレン/ブタ
ジエン組成比(重量比)のABS樹脂を、表1に示す量
用いた以外は、実施例1〜3と同様にしてカレンダフィ
ルムを成形した。結果を表1に示す。
【0028】
【実施例4〜6】表2に示すアクリロニトリル/スチレ
ン/ブタジエン組成比(重量比)のABS樹脂に、重量
平均分子量7万のポリカプロラクトンと、メタクリル樹
脂(旭化成工業(株)製 デルペット560F,670
N,80N)を表2に示す量配合し、ヘンシェルミキサ
ーで均一に分散させた後、1軸押出機でペレット状に押
し出した。押し出されたペレット状のABS樹脂組成物
を、8インチのテストロールを用い、ロール温度195
℃、フィルム厚さ0.2mmでカレンダ成形した。その
結果、カレンダロールからの剥がれ性が極めて良好であ
った。また、ABS系樹脂組成物100重量部に対し
て、AS樹脂中に分散された酸化チタン顔料(AS樹
脂:酸化チタン=2:8)10重量部添加して白色のフ
ィルムを成形し、スガ試験機(株)のSMカラーコンピ
ューターSM−3型でロール滞留時間を変えて色調変化
を測定した。表2に示すように熱による変化は小さかっ
た。測定におけるブランク品は白色のプレス成形品(厚
さ約0.2mm)を用いた。耐光性は、サンシャイン・
スーパーロングライフウェザーメーター(スガ試験機
(株)製 WEL−SUN−DCH型)を用いて、大気
温度63℃、降雨なしで測定した。ブランク品は暴露時
間0時間の物を用いた。また、全てのサンプルはロール
滞留時間5分の物を用いた。結果を表2、表3に示す。
耐薬品性に関しては、割れ、クラックの発生は認められ
なかった。その結果は表2、表3のように従来の塩化ビ
ニル樹脂フィルムと同等の値となり、良好であった。
【0029】
【比較例3〜6】重量平均分子量7万のポリカプロラク
トン、表2に示すアクリロニトリル/スチレン/ブタジ
エン組成比(重量比)のABS樹脂及びメタクリル樹脂
を表2に示す量用いた以外は実施例4〜6と同様にして
カレンダフィルムを成形した。結果を表2、表3に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明のABS系樹脂組成物は、カレン
ダー成形性に優れ、かつ得られたフィルムは優れた耐熱
劣化性、ロール剥がれ性、耐薬品性、耐光性を有し、家
具等の表面保護もしくは加飾のフィルムとして大いに有
用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ABS系樹脂100重量部に重量平均分
    子量6万以上のポリカプロラクトンを0.5重量部以上
    5重量部以下含有し、かつ温度220℃、荷重10kg
    のメルトフローレートが5g/10分以上30g/10
    分以下であるカレンダ成形用ABS系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ABS系樹脂100重量部に重量平均分
    子量6万以上のポリカプロラクトンを0.5重量部以上
    5重量部以下、及び温度230℃、荷重3.8kgのメ
    ルトフローレートが5g/10分以上15g/10分以
    下のメタクリル樹脂を5重量%以上50重量%以下含有
    し、かつ温度220℃、荷重10kgのメルトフローレ
    ートが5g/10分以上30g/10分以下であるカレ
    ンダ成形用ABS系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のカレンダ成形用A
    BS系樹脂組成物を用い、カレンダ成形により製造され
    るカレンダフィルム。
JP12401295A 1995-05-23 1995-05-23 カレンダ成形用abs系樹脂組成物 Withdrawn JPH08311301A (ja)

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