JPH08309533A - 亜鉛めっき鋼板のマグパルスアーク溶接方法 - Google Patents

亜鉛めっき鋼板のマグパルスアーク溶接方法

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JPH08309533A
JPH08309533A JP11579095A JP11579095A JPH08309533A JP H08309533 A JPH08309533 A JP H08309533A JP 11579095 A JP11579095 A JP 11579095A JP 11579095 A JP11579095 A JP 11579095A JP H08309533 A JPH08309533 A JP H08309533A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピット、ブローホールなどの気孔欠陥の発生
を極めて少なくすることができるとともに、立向き溶接
や横向き溶接などの難姿勢溶接においてもビード垂れ落
ちのない外観の良好な溶接ビードを得られるようにす
る。 【構成】 亜鉛めっき鋼板をマグパルスアーク溶接する
に際し、C:0.02〜0.10重量%、Si:0.3
〜0.7重量%及びMn:1.5〜3.0重量%を基本
合金成分として含有する亜鉛めっき鋼板溶接用ソリッド
ワイヤと、ArガスとCO2 ガスとの混合ガスで構成さ
れてCO2 ガス混合比率が5〜10体積%であるシール
ドガスとを用い、ピーク電流値を450〜600A、ピ
ーク電流期間を1.0〜2.0msとし、下記短絡移行
率rの値がr=0.7〜1.0の範囲となるように溶接
電圧を設定してベース電流期間中に短絡による溶滴移行
を行わせ、亜鉛めっき鋼板をマグパルスアーク溶接す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ピット、ブローホー
ルなどの気孔欠陥の発生を極めて少なくすることができ
るようにした亜鉛めっき鋼板のマグパルスアーク溶接方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、亜鉛めっき鋼板は、その
表面に亜鉛又は亜鉛を含む合金をめっき処理(溶融めっ
き、合金化溶融めっき、電気めっき等)して防錆処理を
施した耐食性に優れた鋼板である。亜鉛めっき鋼板の主
な用途は薄板分野が多く、自動車産業では自動車車体部
材として、また住宅産業では軽量鉄骨住宅用部材とし
て、亜鉛めっき鋼板の使用が拡大してきている。
【0003】亜鉛めっき鋼板をガスシールドアーク溶接
する場合、鋼板の融点よりはるかに低い沸点(906
℃)の亜鉛が溶接時の熱によって蒸気化し、その亜鉛蒸
気が溶融池に侵入して溶融金属凝固過程で浮上・放出さ
れずに欠陥として残存し、これによって溶接金属にピッ
ト(ビード表面に開口した気孔)、ブローホール(溶接
金属の内部に存在する気孔)などの気孔欠陥を多発す
る。
【0004】このような気孔欠陥の発生を防止するた
め、重ね継手を構成する二枚の被溶接部材の間に亜鉛蒸
気を逃がすために0.5mm程度の開先ギャップを設け
るようにした方法や、溶融金属に侵入した亜鉛蒸気の浮
上・放出を促進する目的で低粘度・低表面張力の溶融金
属が得られる亜鉛めっき鋼板用溶接ワイヤと、Arガス
とCO2 ガスとの混合ガスでCO2 ガス混合比率が50
体積%以下であるシールドガスとを用いて、マグ(Me
tal Active Gas)溶接、あるいは、溶接
ワイヤにピーク電流とベース電流とを交互に繰り返し供
給するマグパルスアーク溶接を行う方法(特開平1−3
09796号)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
開先ギャップを設ける方法では、開先ギャップの管理に
手間がかかり実用的でなかった。低粘度・低表面張力の
溶融金属が得られる亜鉛めっき鋼板用溶接ワイヤを用い
る方法では、特に立向き溶接や横向き溶接などの難姿勢
溶接において溶接ビードが垂れ落ち易いという不具合が
あり、また、ピット、ブローホールなどの気孔欠陥の発
生を低減する点においても改良の余地があった。
【0006】この発明は、亜鉛めっき鋼板をアーク溶接
するに際し、ピット、ブローホールなどの気孔欠陥の発
生を極めて少なくすることができるとともに、立向き溶
接や横向き溶接などの難姿勢溶接においてもビード垂れ
落ちのない外観の良好な溶接ビードを得ることができ
る、亜鉛めっき鋼板のマグパルスアーク溶接方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、亜鉛
めっき鋼板をマグパルスアーク溶接するに際し、C:
0.02〜0.10重量%、Si:0.3〜0.7重量
%及びMn:1.5〜3.0重量%を基本合金成分とし
て含有する亜鉛めっき鋼板溶接用ソリッドワイヤと、A
rガスとCO2 ガスとの混合ガスで構成されてCO2
ス混合比率が5〜10体積%であるシールドガスとを用
い、ピーク電流値を450〜600A、ピーク電流期間
を1.0〜2.0msとし、下記短絡移行率rの値がr
=0.7〜1.0の範囲となるように溶接電圧を設定し
てベース電流期間中に短絡による溶滴移行を行わせ、亜
鉛めっき鋼板をマグパルスアーク溶接することを特徴と
する亜鉛めっき鋼板のマグパルスアーク溶接方法であ
る。短絡移行率r=(単位時間tあたりの1パルス1短
絡溶滴移行が行われたパルス数)/(単位時間tあたり
のパルス回数)
【0008】請求項2の発明は、前記請求項1の発明に
おいて、前記ワイヤが、更にMo:0.1〜0.5重量
%を含有していることを特徴とする亜鉛めっき鋼板のマ
グパルスアーク溶接方法である。
【0009】
【作用】本発明者らは、まず、亜鉛蒸気による気孔(ピ
ット、ブローホール)形成のメカニズムを調査した。そ
の結果、以下に述べるようなことがわかった。図8は、
ピット、ブローホールの原因となる亜鉛蒸気の発生位置
を説明するための図である。溶融池に侵入して気孔の原
因となる亜鉛蒸気の発生位置を調査したところ、溶接ビ
ードに隣接した重ね部分(図8の領域a)からの亜鉛蒸
気が気孔の原因になっていることが判明した。図8の領
域cの亜鉛は、その沸点になるまで加熱されず気孔の原
因にはならない。また、溶接ビードが形成される部分
(図8の領域b及び領域d)の亜鉛は、溶接アークによ
る熱あるいは溶融金属による熱によって瞬時に蒸発・気
化して溶融池中には侵入せず、もし侵入したとしてもす
ぐに浮上・放出される。
【0010】これに対して、領域aにあった亜鉛は、溶
接時の熱によって蒸気化するが、溶融池中に侵入するま
でには若干の時間的遅れがあり、溶融池が冷却・凝固し
始める時に溶融池中に侵入することになる。このため、
この侵入した亜鉛蒸気が、浮上・放出するまえに溶融金
属が凝固し、溶接金属中にピット(ビード表面に開口し
た小孔)、ブローホールとして残存することになる。
【0011】以上の調査結果から、ピットやブローホー
ルを低減するためには、亜鉛蒸気の発生量を減らすこ
と、亜鉛蒸気の溶融池への侵入を抑制すること、が必
要であることがわかった。前記を実現するには、溶接
入熱を小さくすることにより前記領域aを狭くし、その
結果として亜鉛蒸気の発生量を減らすことができる。ま
た前記を実現するには、溶融金属の粘度を高めたり、
溶融金属の冷却速度を速めたりすればよく、溶接入熱を
小さくすることで冷却速度を速めることができる。
【0012】この溶接入熱は、周知のように、溶接電
流、溶接電圧及び溶接速度の3因子で決定されるもので
あって、溶接電流と溶接電圧が低いほど、また溶接速度
が大きいほどその値が小さくなる。このうち溶接速度と
溶接電流は、一般に使用されている直流定電圧特性の溶
接電源(ワイヤ定速送給制御式)による溶接では、溶接
ビード量(単位長さあたりの溶着金属量)を左右するも
のである。溶接入熱を小さくするため、溶接電流を小さ
くし溶接速度を大きくすると、溶接ビードが細くなって
溶接部の継手性能が低下する。
【0013】低入熱溶接を行うため、溶接ビード量を減
らすことなく溶接電流を低下させるには、ワイヤ径をよ
り細くしたり、ワイヤ突出し長さをより長くしたりし
て、ワイヤの電気抵抗によるジュール発熱を利用するこ
とが考えられる。しかしながら、より細径の溶接ワイヤ
を用いることには、溶接材料価格が高くなるという不具
合があり、ワイヤ突出し長さを長くすることには、溶接
線に対するワイヤ狙い位置の位置ずれが起こり易くなっ
て、溶接ロボット等による自動溶接への適用が難しいと
いう不具合がある。
【0014】そこで本発明者らは、亜鉛めっき鋼板のア
ーク溶接について種々の検討を重ねた結果、溶接ワイヤ
の化学組成、シールドガス組成及びマグパルス溶接条件
の三者を適切に組み合わせることで、溶接ビード量を減
らすことなく溶接入熱を小さくするとともに溶融金属の
粘度を高め、これによってピットやブローホールの発生
を極めて少なくできることを見出し、この発明に到達し
たのである。
【0015】まず、この発明によるマグパルスアーク溶
接方法で用いる亜鉛めっき鋼板溶接用ソリッドワイヤの
基本合金成分の限定理由は次の通りである。
【0016】Cの含有量は、0.02〜0.10重量%
の範囲とする。Cは溶接金属の強度が母材に対して適当
な値になるように添加する。Cの含有量が0.02重量
%未満では、溶接金属の強度が低下するとともに、アー
クが不安定となって溶接作業性が悪くなる。一方、Cの
含有量が0.10重量%を超えると、溶接金属の強度が
高くなりすぎ、また、溶滴中に発生するCOガスによる
スパッタの発生量が多くなって溶接作業性が悪くなる。
【0017】Mnの含有量は、1.5〜3.0重量%の
範囲とし、Siの含有量は、0.3〜0.7重量%の範
囲とする。Mn及びSiは、溶接金属の強度を調整する
ための元素であり、また溶融金属中の酸素と反応して、
過剰な酸素をスラグとして溶融池外へ除去するための脱
酸剤として作用する。溶融金属の粘度・表面張力は、
C、Mn及びSiの各元素の含有量によっても影響を受
けるが、最も大きな影響を酸素により受け、酸素が少な
いほど高くなる。低入熱溶接を行うことに加えて、溶融
金属中の脱酸力を強化すると、高粘度・高表面張力とな
り亜鉛蒸気の侵入が抑制され、気孔欠陥の低減に効果が
ある。一方、Mn及びSiを多く添加すれば脱酸力が大
きくなるが、溶接ワイヤ自体の硬度が高くなり、溶接ワ
イヤの製造に際しその伸線工程でワイヤ断線が発生し易
くなって生産性が低下すること、溶接金属の強度が高く
なりすぎること等の不具合が生じる。
【0018】図9はMn含有量をパラメータとしたとき
の、Si含有量とブローホール発生数との関係の一例を
示す図である。ブローホールは、X線透過写真で観察さ
れるところの大きさが1mm以上のものを計数した。こ
の図9に示す結果は、各種の試作溶接ワイヤを用いて、
板厚が2.3mmで目付量が45g/m2 の亜鉛めっき
鋼板をギャップゼロで重ね、その下向き重ねすみ肉のマ
グパルスアーク溶接を行って得たものである。溶接条件
は、ワイヤ直径:1.2mm、シールドガス組成:Ar
+20%CO2 、シールドガス流量:20リットル/m
in、ワイヤ送給速度:7m/min、溶接速度:12
0cm/min、ワイヤ突出し長さ:15mm、ピーク
電流値:470A、ピーク電流期間:1.6ms、短絡
移行率r:0.03〜0.95である。
【0019】図9に示すように、Mn、Siともにその
含有量が多いとブローホール発生数は少なく、Mn量が
1.5重量%以上の範囲にあれば、Si量がMn量に比
較して低レベルの0.3〜0.7重量%でもブローホー
ル発生数は少なくなる。MnおよびSiによる溶融金属
中の脱酸速度は、Mn/Si値に依存しており、Mn/
Si値が小さいと遅くなる。脱酸速度が遅いと、溶融金
属中の活性な酸素が増加することにより溶融金属の粘度
が低下し、亜鉛蒸気の侵入を抑制できなくなる。
【0020】このようなことから、Mn量が1.5重量
%未満、Si量が0.3重量%未満では、溶融金属の高
粘度・高表面張力化による溶融金属への亜鉛蒸気の侵入
抑制効果が得られず、一方、Mn量が3.0重量%超
え、Si量が0.7重量%超えでは、溶接ワイヤ製造時
にワイヤ断線が発生し易く溶接ワイヤ生産性が低下し、
また、溶接金属の強度が母材(主として軟鋼・490N
/mm2 級高張力鋼)に対して高すぎる値となる。
【0021】この発明によるマグパルスアーク溶接方法
で用いる亜鉛めっき鋼板溶接用ソリッドワイヤは、C、
Si及びMnを基本合金成分とし、残部がFe及び不可
避不純物とするものであるが、必要によってMoを0.
1〜0.5重量%の範囲で含有するものでもよい。Mo
は溶融金属の粘度を高める元素であり、溶融金属への亜
鉛蒸気の侵入抑制に効果がある。ただし、含有量が0.
1重量%未満では溶融金属の高粘度化への効果は無く、
0.5重量%を超えると、溶接金属の強度が母材に対し
て高すぎる値となる。
【0022】なお、不可避不純物として含有されるP及
びSについては、ともに0.05重量%以下が望まし
い。P、Sはともに溶接部の割れ発生に対する感受性が
高くなる元素であり、Pの含有量は、できる限り少ない
ことが望ましいが、0.05重量%以下であれば溶接部
品質を阻害するものではないためである。なお、Sにつ
いても前記同様ではあるが、Sが溶融金属の表面張力や
粘度を低下させる元素でもあって、溶融金属の粘度を高
くして亜鉛蒸気の侵入を抑制するというこの発明の狙い
の一つに反するものであることから、Sの含有量は少な
いことが望ましい。
【0023】次に、シールドガス組成の限定理由につい
て述べる。
【0024】鋼のガスシールドアーク溶接では、アーク
を安定して発生させるには電離電圧の低い酸化物の存在
が不可欠であり、Arガスを主成分として含むシールド
ガスには、CO2 ガス、あるいはO2 ガスを混合させる
ことが必要となる。ところが、CO2 ガスは活性ガスで
あるから、シールドガスがArガスとCO2 ガスとの混
合ガスで構成される場合、CO2 ガスからアーク熱によ
ってO2 ガスが発生し、このO2 ガスは溶融金属の粘度
・表面張力を低下させる。前述したようにこの発明のポ
イントは、溶接入熱を小さくし、溶融金属の粘度を高
め、これによって亜鉛蒸気が溶融金属中に侵入すること
を抑制する点にあるので、活性ガスであるCO2 ガスの
混合比率を適正に規定する必要がある。
【0025】図10はArガスを主成分として含むシー
ルドガスにおけるCO2 ガス、またはO2 ガスの混合比
率とブローホール指数BHとの関係の一例を示す図であ
る。評価値であるブローホール指数BHはブローホール
発生数に比例するものであり、その定義については図4
に基づき後述する。この図10に示す結果は、マグ溶接
用市販ワイヤ(JIS YGW−15)を用いて、板厚
が2.3mmで目付量が45g/m2 の亜鉛めっき鋼板
をギャップゼロで重ね、その下向き重ねすみ肉のマグパ
ルスアーク溶接を行って得たものである。溶接条件は、
ワイヤ直径:1.2mm、ワイヤ送給速度:7m/mi
n、溶接速度:120cm/min、ワイヤ突出し長
さ:15mm、ピーク電流値:470A、ピーク電流期
間:1.6ms、短絡移行率r:0〜0.91、であ
る。
【0026】図10から、CO2 ガス混合比率が増加す
るにつれてブローホール欠陥も増加するが、CO2 ガス
混合比率が20体積%を超えると逆にブローホール欠陥
は減少する傾向となることがわかる。また、O2 ガスに
ついても、O2 ガス混合比率が10体積%を超えるとブ
ローホール欠陥は減少する傾向となることがわかる。こ
れは、O2 ガスを混合して用いる場合、活性度が高くそ
の混合比率が10体積%を超えると、溶融金属の粘度・
表面張力を低下させ、溶融金属中に侵入した亜鉛蒸気が
浮上・放出されやすくなって、ブローホール発生数が減
少したものである。また、CO2 ガスを混合して用いる
場合、その混合比率が20体積%を超えると、前記O2
ガスの場合と同様にして、ブローホール発生数が減少し
たものである。
【0027】しかしながら、溶融金属の粘度・表面張力
を低下させることで気孔欠陥を減らすようにした場合に
は、前述したように、立向き溶接や横向き溶接などの難
姿勢溶接において溶接ビードが垂れ落ち易いという欠点
がある。
【0028】そこで、この発明では、溶融金属の高粘度
化による亜鉛蒸気の溶融金属中への侵入を抑制するた
め、シールドガスとして、ArガスとCO2 ガスとの混
合ガスで構成され、CO2 ガス混合比率が5〜10体積
%であるシールドガスを用いるようにしている。CO2
ガス混合比率が10体積%を超えると、ワイヤ成分によ
る溶融金属の高粘度化の効果を低下させることになり、
5体積%を下回ると、アーク不安定になる。
【0029】次に、この発明によるマグパルスアーク溶
接方法で用いるパルス溶接条件について説明する。
【0030】亜鉛蒸気の発生量そのものを減らすととも
に、亜鉛蒸気の溶融金属中への侵入を抑制するために
は、溶接入熱を小さくすればよい。そして、溶接ビード
量を減らすことなく低入熱の溶接を行うには、溶接電圧
を低くすればよい。図11は溶接電圧とブローホール指
数BHとの関係の一例を示す図である。この図11に示
す結果は、この発明方法で用いる亜鉛めっき鋼板溶接用
ソリッドワイヤ(ワイヤ径:1.2mm)と、Arガス
93%とCO2 ガス7%との混合ガスでなり、流量20
リットル/minのシールドガスを用い、板厚が2.3
mmで目付量が45g/m2 の亜鉛めっき鋼板をギャッ
プゼロで重ね、その下向き重ねすみ肉のマグパルスアー
ク溶接を行って得たものである。溶接条件は、ワイヤ送
給速度:7m/min、溶接速度:120cm/mi
n、ピーク電流値:470A、ピーク電流期間:1.6
ms、短絡移行率r:0〜1.0、である。
【0031】図11から、溶接電圧値が低いほどブロー
ホール欠陥は減少することがわかる。しかし、溶接電圧
を低くしようとして下げ過ぎると、溶接ワイヤの未溶融
先端部が溶融池の中に突っ込んでアーク切れを起こして
溶接が不可能となる、いわゆるワイヤスティック(ワイ
ヤスタッビング)が発生する。このワイヤスティックを
生じることなく溶接可能な下限の溶接電圧が溶接ワイヤ
の材質によって異なることもあって、溶接電圧を低く設
定する際に、その適正溶接電圧設定値を定めることは容
易でなかった。
【0032】そこで本発明者らは亜鉛めっき鋼板のマグ
パルスアーク溶接について、その溶滴移行現象と溶接電
圧との関係に着目して検討した。その結果、1パルス周
期ごとの溶滴移行として、1パルス周期のベース電流期
間中に短絡による1回の溶滴移行を行うという1パルス
1短絡溶滴移行(図5参照)が大部分となるように溶接
電圧を設定すれば、低溶接入熱化のために溶接電圧を低
くしてもワイヤスティックを生じることなく安定したア
ーク溶接を行えることがわかった。また、これによって
溶接電圧設定値の適・不適を、溶接電圧そのものの値で
はなく、数値化可能な溶滴移行状態から判定することが
でき、適正溶接電圧値の設定調整も容易に行えることが
わかった。
【0033】図5はマグパルスアーク溶接における1パ
ルス1短絡溶滴移行の状態を示す模式図である。同図に
示すように、1パルス1短絡溶滴移行では、ピーク電流
Pが流されるピーク電流期間TP 中に溶接ワイヤ先端
に形成された溶滴は、ベース電流期間TB 中に溶融池に
1回短絡接触して移行する。なお、この溶滴短絡時に十
分な短絡電流が供給可能なマグパルスアーク溶接電源を
使用すると、溶滴短絡時におけるスパッタの発生が少な
くてよい。
【0034】図6はマグパルスアーク溶接における溶接
電圧と短絡移行率rとの関係を説明するための説明図で
ある。ここで、短絡移行率rをr=(単位時間tあたり
の1パルス1短絡溶滴移行が行われたパルス数)/(単
位時間tあたりのパルス回数)と定義すると、短絡移行
率r=1.0は、単位時間t(例えば1秒間)における
各パルス周期において、すべてのパルス周期で1パルス
1短絡溶滴移行となることを表している。そして、1パ
ルス周期ごとに1パルス1短絡溶滴移行となるときの溶
接電圧値、つまり、短絡移行率r=1.0となるときの
溶接電圧値が、低溶接入熱化のために溶接電圧を低くし
てもワイヤスティックを生じることなく安定したアーク
溶接を行える下限で且つ最適な電圧値である。
【0035】そして、図6に示すように、溶接電圧を徐
々に増加するにともなって、短絡移行率rは1.0より
小となり、2パルスあるいは3パルスに1回の割合で1
パルス1短絡溶滴移行が行われるようになる。さらに溶
接電圧を増加させると、短絡移行率rはゼロとなり、短
絡による溶滴移行は行われず、ピーク電流期間TP 中に
溶接ワイヤ先端に形成された溶滴は、ベース電流期間T
B 中に短絡接触することなく離脱し、1パルス1溶滴移
行(スプレー移行)が行われるようになる。したがっ
て、低溶接入熱化のために溶接電圧を低くしてもワイヤ
スティックを生じることなく安定したアーク溶接を行え
るようにするためには、r=0.7〜1.0の範囲とな
るように溶接電圧を設定すればよい。溶接電圧を短絡移
行率r=1.0となるときの値よりも低くするとワイヤ
スティックが生じ、溶接電圧を増加して短絡移行率がr
=0.7よりも小さくなると、低溶接入熱化が達成でき
ないからである。
【0036】溶滴移行形態が1パルス1短絡溶滴移行と
なっているか否かは、次のようにして知ることができ
る。図7はマグパルスアーク溶接において1パルス1短
絡溶滴移行状態における溶接電流・電圧波形を波形記録
計で記録し、それをトレースしたものである。ノイズの
影響があり、特にピーク期間での波形は大きなノイズの
ために帯状に記録されてはいるものの、その波形は、基
本的には前記図5の模式図に示すものと同じである。
【0037】図7より理解されるように、溶接電圧が、
ベース電流期間中に溶滴が溶融池に短絡接触すると急減
してほぼゼロとなり、次いでアークが再発生すると急上
昇するので、短絡状態と非短絡状態とを明確に区別で
き、ベース電流期間中における短絡の有無を容易に知る
ことができる。例えば、スレッシュホールド値(例えば
10V)設定し、このスレッシュホールド値と溶接電圧
検出値とを比較することで、短絡・非短絡を判断するこ
とができる。このようにして溶滴移行形態が1パルス1
短絡溶滴移行であるか否かを検出することができる。そ
して、これに基づいて後述する短絡移行率測定器によっ
て溶接中の短絡移行率rを自動的に求め、短絡移行率測
定器によって検出表示されたその時の短絡移行率値を見
ながら、r=0.7〜1.0の範囲となるように溶接電
圧を手動調整したり、あるいは自動調整したりすること
で、気孔欠陥の抑制に適した溶接電圧を設定することが
できる。
【0038】さて、前述したように、この発明によるマ
グパルスアーク溶接方法で用いる亜鉛めっき鋼板溶接用
ソリッドワイヤやシールドガスとしては、溶融金属が高
粘度・高表面張力となるようなものを選定している。し
たがって、パルス波形パラメータは、高粘度・高表面張
力の溶滴を安定して移行させることができる値である必
要がある。そこで、ピーク電流値は450〜600A、
ピーク電流期間は1.0〜2.0msの範囲がよい。ピ
ーク電流値が450Aを下回ると、溶滴を短絡移行させ
るに十分な大きさまで成長させることができない。一
方、ピーク電流値が600Aを上回ると、ピーク電流期
間での入熱が大きくなりすぎ、低溶接入熱化が達成でき
なくなる。また、ピーク電流期間が1.0msを下回る
と、溶滴を短絡移行させるに十分な大きさまで成長させ
ることができず、短絡時に未溶融のワイヤが溶融池に突
っ込み易くなる。一方、ピーク電流期間が2.0msを
上回ると、ピーク期間中に溶滴が離脱するようになり、
ベース期間中に未溶融のワイヤが溶融池に突っ込むこと
になる。
【0039】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
図1はこの発明による方法の実施に用いられる、短絡移
行率測定器を備えたマグパルスアーク溶接電源の構成を
示すブロック図である。
【0040】図1において、51はインバータ式マグパ
ルスアーク溶接電源であり、52は溶接電源51の遠隔
制御箱で、ピーク電流とベース電流とからなる溶接電流
や、溶接電圧などを手動にて設定し調整するためのもの
である。53は母材WPに向けて溶接ワイヤSWを送給
するためのワイヤ送給モータ、54は溶接電圧検出器、
55は溶接電流検出器である。60は短絡移行率測定器
であり、溶接電圧検出器54と溶接電流検出器55との
出力信号に基づいて前述した短絡移行率rを測定し、そ
の測定値を数値表示するものである。
【0041】前記短絡移行率測定器60を構成する短絡
時間測定器61は、溶接電圧検出器54からの出力信号
とスレッシュホールド値とを比較することで短絡中か否
かを判別し、短絡中であることを示す信号、すなわち短
絡時間信号を比較器62に出力する。比較器62は、短
絡時間測定器61から与えられた短絡時間信号と、基準
短絡時間設定器63からの基準短絡時間信号とを比較
し、短絡時間信号が基準短絡時間信号の大きさの範囲内
であれば正常であるとして、ベース期間短絡判定器64
に短絡発生信号を送出する。この比較動作は、溶滴の移
行を伴わない微小時間の短絡や、母材WPへの溶接ワイ
ヤSWの突っ込みのような異常に長時間の短絡などの異
常短絡と、安定した短絡溶滴移行とを区別するために行
う。
【0042】一方、ピーク・ベース期間判定器65は、
溶接電流検出器55からの出力信号に基づいてベース電
流期間である場合にはベース期間短絡判定器64にベー
ス期間信号を送出する。そして、ベース期間短絡判定器
64は、前記短絡発生信号と前記ベース期間信号とをも
とにしてベース電流期間中に短絡による溶滴移行が行わ
れたと判断し、計数・演算回路66に短絡溶滴移行発生
信号を出力する。
【0043】計数・演算回路66は、ベース期間短絡判
定器64からの前記短絡溶滴移行発生信号と、ピーク・
ベース期間判定器65からのパルス回数を表す信号とを
計数し、単位時間あたりのパルス回数とその単位時間あ
たり短絡の回数(1パルス1短絡溶滴移行が行われたパ
ルス数)とから、短絡移行率rを演算して求め、その値
を表示器67に数値表示する構成となっている。
【0044】溶接者は、表示器67に表示された短絡移
行率rを見ながら、r=0.7〜1.0の範囲となるよ
うに遠隔制御箱52により溶接電圧を手動調整して、マ
グパルスアーク溶接を行う。
【0045】図2はこの発明による方法の実施に用いら
れる、短絡移行率測定機能および溶接電圧自動調整機能
を備えたマグパルスアーク溶接電源の構成を示すブロッ
ク図である。
【0046】図2において、1は3相交流電力供給部で
ある。この3相交流電力供給部1から供給される交流電
流は、第1整流回路2で直流に整流され、平滑用コンデ
ンサ3により平滑される。この直流電流はインバータ4
によって高周波交流電流に変換される。トランス5はイ
ンバータ4の出力を溶接用電圧に降圧する。トランス5
からの溶接用に降圧された高周波交流電流は第2整流回
路6により溶接用直流電流に整流される。この直流電流
が平滑用のリアクトル7を介して溶接ワイヤSWと母材
WP間に供給されて、アーク溶接が行われるようなって
いる。
【0047】10は溶接電圧検出器、11は溶接電流検
出器である。溶接ワイヤSWはワイヤ送給モータ13で
駆動されるワイヤ送給ローラ14によって母材WPに向
けて送給され、溶接ワイヤSWと母材WP間にアークを
発生させて溶接が行われる。ワイヤ送給モータ制御回路
12は、図示しないワイヤ送給速度設定器からの送給速
度設定信号に基づき送給モータ13の回転速度を制御す
るものである。
【0048】制御部30は、インバータ4を制御して、
溶接ワイヤSWと母材WP間に所定値のピーク電流とベ
ース電流とを交互に繰り返し供給する制御などを行うた
めのものである。この制御部30のパルス波形選択回路
28は、ベース期間設定回路24、ベース電流設定回路
25、ピーク期間設定回路26及びピーク電流設定回路
27からの各設定信号を受けて、それらの各設定信号に
基づくインバータ制御信号を電力制御回路29に与え
る。電力制御回路29は、溶接電流検出器11からの出
力信号をフィードバックしながら、所定値のピーク電流
及びベース電流が出力されるようにインバータ4を制御
する。
【0049】次に短絡移行率rを測定し、溶接電圧を自
動調整して設定する構成について説明する。短絡時間測
定器15は、溶接電圧検出器10からの出力信号とスレ
ッシュホールド値とを比較することで短絡中か否かを判
別し、短絡中であることを示す信号、すなわち短絡時間
信号を第1比較器17に出力する。比較器17は、短絡
時間測定器15からの短絡時間信号と、基準短絡時間設
定器16からの基準短絡時間信号とを比較し、短絡時間
信号が基準短絡時間信号の大きさの範囲内であれば正常
であるとして、ベース期間短絡判定器18に短絡発生信
号を送出する。この比較動作は、溶滴の移行を伴わない
微小時間の短絡や、母材WPへの溶接ワイヤSWの突っ
込みのような異常に長時間の短絡などの異常短絡と、安
定した短絡溶滴移行とを区別するために行うものであ
る。
【0050】ベース期間短絡判定器18は、パルス波形
選択回路28からのベース期間信号と前記短絡発生信号
とをもとにしてベース電流期間中に短絡による溶滴移行
が行われたと判断し、計数・演算回路19に短絡溶滴移
行発生信号を出力する。計数・演算回路19は、この短
絡溶滴移行発生信号と、パルス波形選択回路28からの
パルス回数を表す信号とを計数し、単位時間あたりのパ
ルス回数とその単位時間あたり短絡の回数(1パルス1
短絡溶滴移行が行われたパルス数)とから、短絡移行率
rを演算して求め、これを第2比較器21に出力する。
【0051】第2比較器21は、計数・演算回路19か
らの短絡移行率測定値と、r=0.7〜1.0の範囲で
設定可能な短絡移行率設定器20からの短絡移行率設定
値とを比較し、測定値>設定値の場合には、その差に応
じた溶接電圧増加信号を加算器23に与え、溶接電圧設
定器22の出力に前記増加信号が加算さるようにし、逆
に測定値<設定値の場合には、その差に応じた溶接電圧
減少信号を加算器23に与え、溶接電圧設定器22の出
力から前記減少信号が減算さるようにする。そして、ベ
ース期間設定回路24は、加算器23からの出力信号に
基づいてベース期間を増減してパルス周波数を増減制御
することでワイヤ溶融エネルギを加減調整する。これに
よって0.7〜1.0の範囲で設定された前記短絡移行
率設定値となるように溶接電圧が自動調整されるように
構成されている。
【0052】前記溶接電源を用いて、表1及び表2に示
す溶接ワイヤ、溶接条件にて亜鉛めっき鋼板のマグパル
スアーク溶接を実施し、ブローホール発生状況を調べ
た。溶接は、図3に示す溶接要領(下向き姿勢、重ね継
手、ギャップゼロ)で重ねすみ肉溶接を行った。共通溶
接条件は、電源極性:DCRP、溶接ワイヤ直径:1.
2mm、ワイヤ送給速度:7m/min、溶接速度:1
20cm/min、ワイヤ突出し長さ:15mm、であ
る。供試鋼板としては、亜鉛目付量が両面各々45g/
2 、板厚2.3mm、板幅75mm、長さ500mm
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を使用した。ブローホール
発生状況は、溶接部のX線透過写真により、図4に示す
ブローホール指数BHで評価した。結果を表1、表2に
示す。
【0053】なお、表1及び表2において、No.1〜
4では、短絡移行率rの値は、波形記録計で記録紙に記
録した溶接電圧波形を解析して求めたものである。N
o.27〜34では、前記図1に示す短絡移行率測定器
60を備えたインバータ式マグパルスアーク溶接電源を
使用した。また、No.5〜26では、前記図2に示す
短絡移行率測定機能及び溶接電圧自動調整機能を備えた
マグパルスアーク溶接電源を使用した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】表1及び表2より理解されるように、この
発明によるマグパルスアーク溶接方法によると、そのブ
ローホール指数がいずれも50以下と低く、ピット、ブ
ローホールなどの気孔欠陥の発生を極めて少なくするこ
とができた。また、この発明によるマグパルスアーク溶
接方法によると、亜鉛蒸気の溶融池への侵入を抑制する
手段のひとつとして溶融金属の粘度を高めるようにした
ので、立向き溶接や横向き溶接などの難姿勢溶接におい
てもビード垂れ落ちのない外観の良好な溶接ビードを得
ることができた。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による亜鉛
めっき鋼板のマグパルスアーク溶接方法によると、亜鉛
めっき鋼板を溶接するに際し、溶接ワイヤの化学組成、
シールドガス組成及びマグパルス溶接条件の三者を適切
に組み合わせ、溶接ビード量を減らすことなく溶接入熱
を小さくするとともに溶融金属の粘度を高めて、亜鉛蒸
気の発生量そのものを減らすとともに亜鉛蒸気の溶融池
への侵入を抑制するようにしたものであるから、ピッ
ト、ブローホールなどの気孔欠陥の発生を極めて少なく
することができるとともに、立向き溶接や横向き溶接な
どの難姿勢溶接においてもビード垂れ落ちのない外観の
良好な溶接ビードを得ることができ、溶接組立てによる
亜鉛めっき鋼板の適用拡大に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による方法の実施に用いられる、短絡
移行率測定器を備えたマグパルスアーク溶接電源の構成
を示すブロック図である。
【図2】この発明による方法の実施に用いられる、短絡
移行率測定機能および溶接電圧自動調整機能を備えたマ
グパルスアーク溶接電源の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】この発明の実施例における溶接要領を示す説明
図である。
【図4】ブローホール指数の説明図である。
【図5】マグパルスアーク溶接における1パルス1短絡
溶滴移行の状態を示す模式図である。
【図6】マグパルスアーク溶接における溶接電圧と短絡
移行率rとの関係を説明するための説明図である。
【図7】マグパルスアーク溶接において1パルス1短絡
溶滴移行状態における溶接電流・電圧波形を波形記録計
で記録し、それをトレースしたものである。
【図8】ピット、ブローホールの原因となる亜鉛蒸気の
発生位置を説明するための図である。
【図9】Mn含有量をパラメータとしたときの、Si含
有量とブローホール発生数との関係の一例を示す図であ
る。
【図10】Arガスを主成分として含むシールドガスに
おけるCO2 ガス、またはO2 ガスの混合比率とブロー
ホール指数との関係の一例を示す図である。
【図11】溶接電圧とブローホール指数との関係の一例
を示す図である。
【符号の説明】
4…インバータ 10,54…溶接電圧検出器 11,
55…溶接電流検出器 15…短絡時間測定器 16…基準短絡時間設定器 1
7…第1比較器 18…ベース期間短絡判定器 19…
計数・演算回路 20…短絡移行率設定器 21…第2
比較器 22…溶接電圧設定器 23…加算器 24…
ベース期間設定回路 25…ベース電流設定回路 26
…ピーク期間設定回路 27…ピーク電流設定回路 2
8…パルス波形選択回路 29…電力制御回路 30…
制御部 51…インバータ式マグパルスアーク溶接電源 52…
遠隔制御箱 60…短絡移行率測定器 SW…溶接ワイ
ヤ WP…母材 ZM…亜鉛めっき層 WB…溶接ビー
ド WT…溶接トーチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 35/30 320 B23K 35/30 320A H02M 9/00 H02M 9/00 B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛めっき鋼板をマグパルスアーク溶接
    するに際し、C:0.02〜0.10重量%、Si:
    0.3〜0.7重量%及びMn:1.5〜3.0重量%
    を基本合金成分として含有する亜鉛めっき鋼板溶接用ソ
    リッドワイヤと、ArガスとCO2 ガスとの混合ガスで
    構成されてCO2 ガス混合比率が5〜10体積%である
    シールドガスとを用い、ピーク電流値を450〜600
    A、ピーク電流期間を1.0〜2.0msとし、下記短
    絡移行率rの値がr=0.7〜1.0の範囲となるよう
    に溶接電圧を設定してベース電流期間中に短絡による溶
    滴移行を行わせ、亜鉛めっき鋼板をマグパルスアーク溶
    接することを特徴とする亜鉛めっき鋼板のマグパルスア
    ーク溶接方法。 短絡移行率r=(単位時間tあたりの1パルス1短絡溶
    滴移行が行われたパルス数)/(単位時間tあたりのパ
    ルス回数)
  2. 【請求項2】 前記ワイヤが、更に、Mo:0.1〜
    0.5重量%を含有するものである請求項1記載の亜鉛
    めっき鋼板のマグパルスアーク溶接方法。
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