JPH083094B2 - 高品質のか焼コークスを製造する方法及び装置 - Google Patents

高品質のか焼コークスを製造する方法及び装置

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JPH083094B2
JPH083094B2 JP60083574A JP8357485A JPH083094B2 JP H083094 B2 JPH083094 B2 JP H083094B2 JP 60083574 A JP60083574 A JP 60083574A JP 8357485 A JP8357485 A JP 8357485A JP H083094 B2 JPH083094 B2 JP H083094B2
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furnace
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    • C10L9/00Treating solid fuels to improve their combustion
    • C10L9/08Treating solid fuels to improve their combustion by heat treatments, e.g. calcining
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C10B7/00Coke ovens with mechanical conveying means for the raw material inside the oven
    • C10B7/02Coke ovens with mechanical conveying means for the raw material inside the oven with rotary scraping devices

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は高品質のか焼コークスを製造する方法および
装置に関し、さらに特に(しかしこれに限られない
が)、高度の粒子強度をもったか焼針状コークス(calc
ined needle coke)を製造する方法および装置に関す
る。
金属の化合物を含有する融解物の電解によって原料か
ら或る金属を製造する際に使用することが意図されてい
るコークスまたはアーク炉における超高力電極用のグラ
フアイトカーボンの製造用として意図されているコーク
スは実質上、例えば炭化水素のような揮発物の無いもの
でなければならない。したがって、このような目的のた
めの原料コークス(石油系原料コークスおよびそれに類
似の原料コークスの場合のいわゆる“生のコークス”)
は揮発物の無いコークスか焼物を生成するに適した高い
温度でか焼される。石油を起源とする炭化水素物質のコ
ーキングによって得られる石油コークスの場合には、か
焼は約1300〜1500℃およびより高温、例えば1400℃の温
度で行なわれる。他の源泉(例えば石炭、コールター
ル、亜炭など)から得られるコークスから揮発物をのぞ
くために、類似の、または異なるか焼温度を使用するこ
とができる。
本発明を石油コークスに関連して以下に詳細に記載す
るが、本発明は他の源泉例えば石炭、亜炭および他の炭
素質物質および炭化水素物質から得られるコークスにも
等しく適用されることが理解されるべきである。
上記の目的に使用されるコークスは実質上揮発物が無
いことが好ましいだけでなく(例えば残留水素の含有量
が0.01〜0.03重量%よりも少ないことが好ましい)、高
い粒子強度、粒度分布の特定範囲および(または)絶対
密度の特定範囲を含む他のきびしい品質規格に合致する
ことが好ましい。高度の粒子強度を有することは高温度
および変動温度のもとで使用される、高い機械的強度を
有する黒煙電極の製造に特に重要である。
従来の技術 か焼したコークスの製造方法及び製造装置については
良く記録が集められており、一般的に述べると2つのカ
テゴリー、すなわち回転式窯炉を用いるものと、炉床回
転式炉を用いるものとに分けられる。
広い用語として、「回転式窯炉法」は下向きに傾斜し
ている回転円筒の上端部に適当な充填原料を供給し、該
回転円筒内に於て充填原料はそれから揮発物が駆逐する
よう熱にされされ、その結果、生成物は該円筒の底部端
から低揮発性のコークス化物質を回収することからなる
ものである。ところで揮発物の駆逐のために必要な熱
は、(イ)円筒内に部分的に伸びている火炎中の、ある
いは(ロ)加熱燃焼ガスが別の燃焼室から円筒内に導入
され、その結果コークスおよび加熱ガスが円筒内を通過
中、互いに向流になるような別の燃料室中の、何れかの
燃焼支持性ガス(通常空気)で燃料を燃焼することによ
り提供される。幾つかの例に於ては、駆逐される揮発物
は、充填原料をか焼コークスに転換するため必要な幾分
かの熱を生成するように、例えば円筒内に於て燃焼され
る。
つぎに一般的な用語として、「炉床回転式炉法」は中
心垂直軸の周りに回転する、平らなあるいは受け皿型の
炉床の外周に、充填原料を供給することからなるもので
ある。
該炉床は、か焼コークス化物質を排出する中心の孔お
よび充填原料が外周から中心の孔へ通常スパイラルの路
を作るような定置の撹拌機またはスキを有している。
該炉床は、定置の屋根の下に置かれ、かつ燃料はそれ
が炉床を横切り通過する時、屋根と充填原料加熱用炉床
との間の空間に於て、燃焼支持性ガス(通常空気)で、
燃焼される。
充填原料から駆逐された揮発物もまた、この空間で燃
焼され、それにより熱の供給量を増やす。か焼コークス
化物質は、該炉床からその中心の孔を経て排出され、か
つ円筒状または下方向にテーパーを有する容器に受け入
れられ、かつ揮発可能物質の逃散のための附加的期間を
提供するよう、達成される最高温度に近い温度に於て均
熱(soaking)される。
該炉床は実質的に平らであってもよい。あるいは、外
側リムからまたはリムと中心孔間の位置からの何れかか
ら中心の孔へ向って、下向きに傾斜していてもよい。炉
床回転式炉の詳細な説明は、米国特許第3,475,286号
(クレンメラー等:Klemmerer et.al.)を参照された
い。回転式窯か焼コークスは、通常、各種目的に合格す
るような品質のものである。しかし、炉床回転か焼コー
クスと比較して、か焼コークスの収量は、より低い。
(典型的には4〜6重量%より低い)。また、回転式窯
設備のための投資金額はその操作費用よりも高い。
前述の如き不利益は、回転式窯か焼コークスのより一
層高いコストとして反映している。
炉床回転式か焼コークスは、通常多くの目的に受け入
れられる。しかして、その顕著の欠点は、その砕けやす
さと、低い粒子強度である。アーク炉用超高力電極に必
要な、プレミアム級高品質か焼コークスは、粒度分布の
品質規格を含む、きびしい品質規格に合致するものでな
ければいけない。かゝる電極用コークスは、良好な粒子
強度の、粗(coarse)か焼コークスを、ある最小割合で
含有する必要があり、かつ従来このような品質規格に合
致せしめる事は不可能であった。
本発明の背景 本発明者らは、選択された範囲の原料供給物質が、水
素でもって処理なしに、および中間冷却なしでもっての
2段階に於て加熱され、かつ特定の加熱速度より大きく
ないように保持された第1段階に最大加熱速度を有し、
かつ両段階に於ける温度が緊密に調節された時、プレミ
アム級高品質コークスの品質規格に合致する高度の粒子
強度を有するか焼コークスが、実質的に一貫性をもって
製造されることを見出した。(たヾし、原料供給物質の
揮発物含量の特定割合を、第1段階で駆逐すること。)
さらに、本発明者らは、回転式窯炉にまさるすべての不
随的効果と共に、炉床回転式炉がプレミアム級高品質コ
ークスを製造するため使用可能であることを見出した。
(だヾし該炉は、以下に特定しかつ記載するような特殊
な方法で構成し、しかも特殊な方法で操作する必要があ
る。) 本発明の概要 本発明は、第1の局面に於て、生のコークスから高品
質のか焼石油コークスを製造する方法に関するもので、
かつ次のような工程からなるものである; (a) 生のコークスの乾燥重量を基準として14重量%
を超えない揮発物含量を有する生のコークスを最初の加
熱段階に供給すること、 (b) 最初の加熱段階において前記生のコークスを、
添加水素の不存在下で、コークスから放出される揮発物
及び燃料と燃焼支持性ガスとの調節された速度での燃焼
のみによって実質上保持される加熱環境に暴露し、生の
コークスの揮発物含量の50〜90重量%が除かれ、かつコ
ークス全体の温度が650〜850℃の範囲となるまで、100
℃/分を超えないコークス加熱速度を与えること、 (c) 工程(b)によって製造した加熱されたコーク
スを、中間処理工程または冷却工程なしに650〜850℃の
範囲の全体の温度においてつぎのか焼工程に送ること、 (d) 該か焼工程において、前記加熱されたコークス
を、コークスの温度を1350〜1470℃の範囲の全体の温度
まで上昇させ、かつ少くとも10分間の平均時間にわたっ
てその温度を保持するように、燃焼支持性ガスによって
コークスから放出される可燃物及び燃料の燃焼のみによ
って維持される加熱された環境に暴露すること、および (e) か焼工程(d)から高品質のコークスを回収す
ること、 の諸工程からなる。
本発明は、第2の局面に於て、生の石油コークスから
高品質の石油コークスを製造するための炉床回転式炉で
あり、つぎのような構成のものである。すなわち、中央
の円形の孔を構成する円形の回転炉床、その中央の垂直
な軸線のまわりに回転するための炉床を載せる手段、そ
の炉床の上に間隔を置いて設けられた定置の屋根、炉の
内部から熱ガスが外部へ逃散するのを防ぐための環状の
壁、(イ)中央の孔の外側のか焼域の外周と、(ロ)環
状の壁によって結合されている環状の予熱域の内周とを
構成するための、定置の屋根から下方向へたれ下ってい
る環状の放射遮蔽物、コークス粒子が予熱域からか焼域
へ通過することを許すのに十分な幅であるが、中央のか
焼域から環状の予熱域への熱の放射を実質上防ぐために
は十分にせまい垂直の隙間を、炉床で構成する放射遮蔽
物、1350〜1600℃の範囲の温度を発生させるため、燃料
およびか焼域中で炉床上の燃焼支持性ガスによってコー
クスから放出される揮発物を燃焼させるためのバーナー
手段、燃料ならびに環状の予熱域中で炉床上の燃焼支持
性ガスによってコークスから放出される揮発物を燃焼さ
せ、かつ予熱域において650〜850℃の範囲の温度にコー
クスを加熱するため、予熱域において650〜900℃の範囲
の温度を発生させるための実質上の主たる熱源として役
立つバーナー手段、環状の予熱域の炉床の外側の区域に
生の石油コークスの粒子を加えるための手段、中央の垂
直軸線まわりに炉床を回転させるための手段、放射遮蔽
物と炉床と間の垂直の隙間を通して環状の予熱域の外側
の区域から中央のか焼域へコークス粒子を移動させるた
めの撹拌手段、中央のか焼域の外周から中央の孔へコー
クスを移動させるための撹拌手段、及び中央の孔からコ
ークスを回収するための中央の孔の下のコークス回収手
段、からなる。
本発明の前記第1の局面については、石油コークス充
填原料を、別個の段階でか焼することが既に提案されて
いた。
英国特許明細書第1,603,924(興亜石油)は、加熱炉
の3つまたはそれ以上の段階におけるジレード、コーキ
ング法により得られる可燃揮発物と水とを含む生のコー
クスをか焼するための方法を記載ならびに特許請求して
いる。該炉は連続的に結合されており、かつその中にお
いて各炉中の雰囲気の調整および温度の制御が独立に遂
行することができ、しかも該方法は、(各炉において示
される順番により)つぎの各工程を遂行することからな
る; (a) 生のコークス中に含まれている水分を蒸発し、
かつ該コークスを予熱する、 (b) 乾燥コークスから揮発物を蒸発除去、燃焼す
る、 (c) (b)工程からのコークスを、加熱、か焼す
る。
記載の具体例に於て、三つの独立の炉の夫々一つは回
転式窯炉であるが、上記特許文献はその他の種類の炉
(例えば炉床回転式炉)が各回転式窯炉に代えて使用し
得ることに言及している。明らかに、回転式窯炉に関連
する欠点が夫々の上記炉に当てはまり、三つの回転式窯
炉またはその他の種類の炉を上記特許の方法の実施に使
用した場合、投資金額は非常に大きい。更に、コークス
を一つの炉から次の炉に移す場合、或る量のコークスの
冷却と分子状酸素との接触の危険性ないしは事実とが避
けられないであろう。本発明者らは高品質または最高品
質の最終か焼コークスを生成するため生コークス中に含
有される50重量%以上90重量%以下の揮発物を第一加熱
段階中で除去する必要があり、好ましくは揮発物の除去
量が55〜85重量%の範囲、例えば60〜80重量%の範囲と
すべきであることが重要であると決定した。英国特許第
1,603,924号の表中のデータは揮発物の約91重量%が三
つの炉の第二番目の炉中に除去されていることを示して
おり、生コークスが1100〜1300℃の範囲の初期温度で向
流ガスに露出される三つの炉のうちの第一番目の炉中で
付加量の揮発物が発生されるものと予想することが理に
かなっている。
英国特許第1,603,924号と類似の提案がコア・オイル
社(Koa oil Company)の英国特許出願第2,043,676号に
記載されており、部分的に揮発物が除かれ、かつ乾燥さ
れたコークスを第三番目の炉に通す前に該コークスを冷
却するという付加的工程が設けられている。
英国特許出願第2,093,061 A号は (a) 2.5重量%より大きい硫黄含有量および少くと
も7重量%の揮発分を有する原料石油コークスを、酸性
化雰囲気中で250℃〜450℃の範囲の温度で30分間未満の
時間加熱し、 (b) 上記の酸化されたコークスを添加水素を含有す
る雰囲気中で該コークスの硫黄含有量を1.5重量%以下
の硫黄が最終段階で除去される必要があるような水準に
減ずるに充分な期間加熱し、 (c) 上記の部分脱硫されたコークスを添加水素の不
在下で1350℃〜1600℃の範囲の温度で該コークスの硫黄
含有量を1.5〜2.5重量%の範囲内に減ずるに充分な期間
加熱する、 ことからなる上記原料石油コークスから1.5〜2.5重量%
の範囲の硫黄含有量および少くとも78g/100ccの振動嵩
比重(vibrated bulk density)を有するか焼石油コー
クスを製造する三段階法を記載している。
比較のため、英国特許出願第2,093,061 A号は第一段
階を490〜850℃で行って生コークスの揮発物の70重量%
以下を除き、その後この部分的に揮発物を除いたコーク
スを少くとも1500℃の温度で30〜70分加熱してコークス
をか焼、脱硫するという米国特許第4,160,814号に記載
の二段階か焼法につき言及している。また英国特許第2,
093,061 A号は比較の目的のため、4.4重量%の硫黄含有
量および10.5重量%の揮発分を有する生コークスを650
℃で1時間か焼し、1400℃で更に1時間か焼するという
二段階か焼法を記載している。最終か焼物は1.9重量%
の硫黄含有量(すなわち56.8重量%の硫黄損失)と、加
えて低嵩密度(振動嵩密度、VBD)とを有しており、後
者は弱い粒子強度のか焼物であることを示している。本
発明者らは高品質のか焼コークス、すなわち比較的高粒
子強度と低脆砕性(low friability)のか焼コークスが
か焼方法を主コークスの硫黄含有量が有意に消失されな
い、例えば10重量%以下、好ましくは5重量%以下、更
に好ましくは3.5重量%以下、最も好ましくは3.0重量%
以下だけ消失されるように行った場合にのみ得ることが
出来ることを確立したのである。この理由は充分には理
解されていないが、硫黄の有意な損失へと導く上記の条
件がまたコークス粒子中に、微細孔と破損を生じ、これ
により粒子の強度および脆砕性(friability)に悪影響
を及ぼすものと推定される。コークス粒子の硫黄含有量
の減少を生じるものと考えられる因子は、以下のものを
含む。
(i) 生コークスの過渡に速い加熱速度、 (ii) 生コークスの初期の脱揮発物中の生コークスの
揮発分の過渡の速度、および (iii) 有意な脱硫を生ずるのに充分な時間コークス
を脱硫条件に露出すること。
因子(i)および(ii)は生コークスの初期脱揮発物
を行う時間および温度に依存する。本発明によれば、第
一段階のコークスの最高全体温度は850℃であり、平均
コークス加熱速度は100℃/分以下であり、第一段階の
脱揮発物量は生コークス中の全揮発物の50〜90重量%の
範囲である。因子(iii)に関して、第二段階中のコー
クスの最高全体温度は1470℃以下である。1470℃を超え
る温度は、特にコークスが硫黄の損失に充分な時間1470
℃を越える全体温度を有している場合に、か焼コークス
生成物の粒径および脆砕性に悪影響を及ぼすことがわか
る。
本発明の方法の実施に於て、最終か焼段階中のコーク
スの全体温度は1350〜1470℃の範囲であり、一般には良
好な品質のか焼コークスはコークスを最終か焼段階にか
ける間の時間を1350〜1470℃の範囲の下限の方の全体温
度では一層長くし上記範囲の上限の方の全体温度では一
層短くする時に得られる。
前記米国特許第4,160,814号に相当する英国特許出願
である英国特許第2,016,512号は第一段階か焼を回転式
窯中で行ってコークスを490〜850℃の温度に加熱し第二
段階か焼を回転式窯中で行ってコークスを1500℃を越え
る温度に加熱し過半量の残存硫黄を除去するという、高
硫黄含有量(約4重量%の硫黄)の生コークスを原料と
する二段階か焼方法を記載している。上記方法は低硫黄
(約0.5重量%硫黄)か焼物を得るという目的を達成せ
んと意図しているが、第二か焼段階中のコークスの高温
度はコークスから硫黄の損失とそれに伴う粒子強度の低
下を生起する。
英国特許第2,078,775 A号は、 (a) 少くとも3.5重量%の硫黄含有量と少くとも7
重量%の揮発分を有する原料石油コークスを添加水素の
不在下で600℃〜800℃の範囲の温度で該コークスの揮発
分を3〜6重量%の範囲の値に減ずるに充分な時間加熱
し、 (b) この部分的に揮発物を除いたコークスを、添加
水素を含有する雰囲気中で600℃〜800℃の範囲の温度で
該コークスの硫黄含有量を2.8〜3.3重量%の範囲の水準
に減ずるに充分の期間加熱し、ついで (c) 上記の部分脱硫されたコークスを添加水素の不
在下に1350℃〜1600℃の範囲の温度で上記コークスの硫
黄含有量を1.8〜2.5重量%の範囲内に減ずるに充分の期
間加熱する、 ことからなる上記原料石油コークスから1.8〜2.5重量%
の範囲の硫黄含有量及び少くとも78g/100ccの振動嵩密
度を有しているか焼石油コークスの製造方法を記載して
いる。
この方法は第一か焼段階と最終のか焼段階との間に水
素−脱硫工程をはさむこと以外は英国特許出願第2,016,
512 A号の方法と類似する。上記方法中の硫黄の高損失
は低粒子強度のコークスか焼物をもたらす。更に、追加
の工程に於ける水素の使用は操作費用を大巾に追加しか
焼コークス生成物の費用に反映される。比較のため、英
国特許出願第2,078,775 Aはまた例えば第一段階で700℃
で1時間、第二段階で1500℃で25分間加熱を行う高硫黄
コークスのその他の段階のか焼を記載している。複数の
段階のいずれかで水素を使用してコークスを脱硫するか
否かは明らかではないが、第二段階の高温は硫黄含有量
(50重量%)の過渡の損失に反映されるようにか焼生成
物の粒子強度を疑いなく減少する。英国特許第2,078,77
5 Aは更に、4.8重量%の硫黄含有量を有する生コークス
を出発原料とし1.9重量%の硫黄含有量(60.4重量%の
硫黄損失)と低粒子強度および高脆砕性のか焼コークス
であることを示すその他の性質とを有するか焼物を最終
的に得るその他の二段階か焼法を記載している。
英国特許明細第1,129,322号及び相応する米国特許第
3,448,012号は、加熱チャンバー、チャンバー中に設置
された炉床、炉床中央の物質排出口、炉床上に物質の床
を形成するために炉床の外周付近の炉床に物質を供給す
るための装置、炉床上に配置され、かつ炉床と撹拌棒と
の間の相対的動きに対して物質排出口に向けて連続的に
内方に炉床上の物質を移動させるために配置した一定間
隔毎に設けた撹拌棒、少くとも一つの内部域と少くとも
一つの外部域とにチャンバーを分ける少くとも一つの仕
切装置からなる炉床回転式炉を記載し特許請求してい
る。上記仕切り装置は上端と下端とを有し、仕切り装置
の上端は実質的にガス不浸透性で、かつチャンバー壁に
機械的に固定された密封を形成するようにチャンバーを
包囲する壁と接合し、仕切り装置は下端において実質的
にガス不透過性の密封を形成するために、炉床に向って
下方に広がり、かつ床の頂上に近接して配置されかつ実
質的に平行する下端を有する。ただし、ガス用の排出口
は少くとも一つの内部域から与えられ、内部域からの排
気ガスまたは排気ガスによって加熱されたガスが外部域
の少くとも一部分を通過するようにコンジット装置が少
くとも一つの外部域中の吸入口に排気装置を接続し、そ
れによって炉床上の物質が実質上仕切り装置の下を通っ
て連続的に内方に移動し、かつそれによって内部チャン
バーと外部チャンバー間のほんの少しのガスの流れが床
の頂上と仕切り装置の下端との間に生じる。
仕切り装置の目的は、炉内部を異なる温度域に分離
し、かつ一つの域から他の域へのガスの通過を妨げる密
封を与えることである。好ましい具体例において、外部
域は、内部域中のコークスから発生する揮発物および燃
料の燃焼により生ずる高温煙道ガスによって加熱され
る。英国特許第1,219,322号(2ページ、94〜102行)に
は、「各域内の温度は、個々の域に望ましい温度を与え
るに十分な割合で、各域内で揮発物を減少させかつそれ
らを酸化する自発的プロセスによって制御できる。ある
いは、バーナーまたは冷風送風機のような冷却装置を、
種々の範囲内に温度を制御するために使用することがで
きる。」と記載され、さらに内部域および外部域におい
てそれぞれ使用するバーナーについて、4ページ、28〜
30行にさらに記載がある。
しかし、2つのチャンバーの外部は、その内でのコー
クスの揮発を避けるために500゜F(260℃)以下の温度
で生のコークスを乾燥することを単に目的とするもので
あり、その後の工程が内部チャンバー中、例えば2000゜
F(1093℃)以上の温度で行われることは、4ページ、
43〜62行から明らかである。これは原料コークスが外部
域中で特定の限度内で乾燥および揮発物除去が行われ、
さらに内部域内で最終か焼に供される本発明の炉床回転
式炉と目的および運転において全く異なるものである。
これらの相異は、本発明の炉の構成に反映されている。
英国特許第1,219,322号に記載あるいは示唆されてい
ない本発明の炉の別の特徴は、放射遮蔽物の底がその中
に間隙を有する完全な円または環を形成することであ
る。一方、英国特許第1,219,322号においては、仕切り
またはカーテン壁62は間隙、切り欠きまたは小窓68を有
するように形成され、あるいはそれらの末端の隣接する
対との間に間隙を有する多数の弧に形成され、それによ
ってコークスは実質的に全てその間隙を通って外部チャ
ンバーから内部チャンバーに動かされる。従って、間隙
の弧が炉を通って単位時間当りのコークス処理量を制限
する。これに対し、本発明の炉内の配置は、放射遮蔽物
の存在によって炉の能力が制限されることなしに、コー
クスが外部域から内部か焼域へ放射遮蔽物と炉床の間の
間隙を通って移動するものである。
本発明の一つの具体例において、外部域の屋根は環状
放射遮蔽物の基礎に対して下向きかつ内向きに傾斜し、
最後に内部域上の高温域の側面と境界をなし、それによ
って、運転の間、実質的に輻射熱が高温域から外部域に
直接受取られることがない。
好ましくは、高温域は少くとも一部分放射によって内
部域内で炉床上のコークスを加熱するように内部域の炉
床に向って下向きに輻射熱を反射する形状である屋根を
有する。
前記の揮発物を含有する生のコークスは、14重量%以
下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8.5重
量%以下の揮発物を含む。好ましい具体例において、揮
発物含有率は、5〜8重量%の範囲、例えば約7重量%
である。
本発明の方法の局面について、第一加熱段階および続
くか焼段階は単一の炉内で行われることが好ましい。好
ましくは、該単一の炉は炉床回転式炉である。
好ましくは、か焼工程から回収されるコークスは、少
くとも1275℃の平均温度で少くとも10分間、より好まし
くは15〜30分間の時間維持される。この温度維持または
均熱時間は、その残留水素及びその他の揮発物含有率の
観点及びその他の点からコークス製品の質を改良する。
生のコークス供給物の粒子径は、名目上は100mmまで
であることができ、実際には150mmまでの粒子径の部分
(例えば15%まで)を含む。しかし、好ましくは、生の
コークスの粒子径は名目上最大50mmであるが、実際には
幾分大きな径(だいたい、厳密ではなく、例えば最大80
mmまで)の粒子の部分を少し(例えば15%まで)有する
供給物を通常使用する。
好ましくは、第一加熱段階からか焼工程に移動するコ
ークスの大半の温度は、730〜780℃例えば740〜760℃の
範囲である。
第一加熱段階における雰囲気の平均温度は、800〜900
℃、より好ましくは830〜870℃の範囲に好ましくは調節
され、かつ第一の段階におけるコークスの平均滞留時間
は、0.2〜2.0時間、好ましくは0.25〜1.5時間、例えば
0.3〜1.0時間の範囲であることができる。第一加熱段階
における最も好ましい滞留時間または滞留時間は、温度
および単位時間当りの処理量に依存する。約850℃の温
度では、滞留時間は、高い単位時間当りの処理量での0.
5時間から低い単位時間当りの処理量での1時間までに
変動できる。
第一加熱段階における温度および滞留時間は、100℃
/分を超えない割合で、より好ましくは60℃/分までの
例えば35〜45℃/分の範囲の割合でコークスを加熱し、
第一加熱段階において揮発物含有率の50〜90重量%を生
のコークス供給物から駆逐または除去るように選択され
る。好ましくは、第一加熱段階における揮発物損失は、
55〜85重量%、より好ましくは60〜80重量%、最も好ま
しくは65〜75重量%の範囲である。
本発明の方法の重要な結果は、か焼コークス製品の硫
黄含有率が原料コークスフィードのそれと非常に異なる
ことである。ほぼ一定値に硫黄含有率を維持すること
は、か焼コークスに高い安定性と硬度を与えることが見
出され、そのため高い、優れた品質のか焼コークスのた
めの品質規格に合致する。生のコークスからか焼コーク
スへの転換の間に硫黄の損失があるが、硫黄の損失は好
ましくは生のコークス中の硫黄重量の8重量%以下、よ
り好ましくは4重量%以下の損失、さらに好ましくは2.
5重量%以下の損失である。原料の生のコークスの硫黄
のそのような有益な低い損失は、本発明の方法の2つの
加熱段階における温度および滞留時間から得られる。硫
黄損失の大部分は第2加熱段階において起り、従って第
2加熱段階におけるコークスがさらされる最高温度の注
意深い制御が重要である。鋼製造用アーク炉に使用され
る電極の製造に有用なより高く優れた品位のか焼コーク
スの製造のための本発明の実施において、生のコークス
の硫黄含有率は、1.33重量%(乾燥コークス基準)以下
でなければならず、好ましくは1.0重量%以下、より好
ましくは0.85重量%以下である。多くの用途のために、
商業的に許容されうるか焼物が、生のコークスの乾燥重
量基準で0.5重量%(以上)の硫黄のような、0.2重量%
以上の硫黄含有率、例えば0.4重量%の硫黄、を有する
生のコークスから開始する本発明の方法によって経済的
に製造できる。
か焼段階において、コークスは、第一加熱段階からの
部分的に揮発物の除かれたコークスを揮発性物質の非常
に低い残留含有率(例えば、0.05重量%以下の水素、好
ましくは0.035重量%以下の水素、最も好ましくは0.030
重量%以下の水素)を有する硬いか焼コークス製品に変
換するために、1350〜1470℃、好ましくは1400〜1460
℃、より好ましくは1415〜1445℃の範囲の温度に加熱さ
れる。か焼段階におけるコークスの平均滞留時間は、少
くとも10分であり、2時間ぐらいであることができ(か
焼段階における温度とコークスの単位時間当りの処理割
合に依存する)、好ましくは0.3〜1.5時間、例えば0.5
〜1.2時間の範囲である。多くの場合、30〜60分の滞留
時間または平均滞留時間がコークスをか焼するためには
通常適当である。か焼段階においてコークスがさらされ
る雰囲気の温度の注意深い制御は、コークスが過渡の高
い温度にさらされることがないようにするために重要な
ことである。発明者らは、1470、例えば1490℃以上のコ
ークス温度は、低粒子密度、従って低粒子強度をもたら
す因子について急激に反対の変化を生じさせ、最適な粒
子特性は前記したようなより好ましい範囲を有する1350
〜1470℃の温度範囲において得られると信じている。コ
ークスがさらされる雰囲気温度は、好ましくは1380〜15
65℃の範囲であり、輻射および伝導によるコークスへの
熱伝導効率および滞留時間に依存する。ほとんどの場
合、雰囲気温度は1480℃〜1560℃、より好ましくは1490
〜1555℃の範囲であることができる。高いコークス単位
時間当りの処理量においては(例えば、本発明の方法の
実施用装置の設計単位時間当りの処理量あるいはほぼそ
の量においては)、温度範囲の高端部に近い温度が好ま
しく、低コークス単位時間当りの処理量においては、相
応する低温度が高品質あるいは優れた品質のか焼コーク
スを与えるであろう。
か焼工程からのか焼コークスは、いわゆる均熱ピット
(heat−soaking pit)に回収され、そしてここで高品
質のコークスとしての品質、特に揮発物質の含有量が非
常に低く、好ましくは高い真の密度(例えば、2.10〜2.
18、好ましくは2.12〜2.15)、そして硬くて比較的粉化
しにくい、やや粗い粒子(例えば30〜50mm)を含む粒度
分布を有する特性を得るために高温でさらに熟成(ag
e)される。このか焼したコークスは、均熱ピットに、1
200〜1470℃で、好ましくは1300〜1450℃で、平均10〜4
0分、好ましくは15〜30分保持される。か焼工程からの
新しくか焼したコークスを添加する場合を除き、均熱ピ
ット中のコークスに熱は加えられない。熟成または均熱
したコークスをピットから取り出し、つぎにか焼コーク
スの製造を心得ている人に知られているような適した方
法で冷却する。
本発明の装置の概略に関して、炉床回転式炉は、予備
加熱およびか焼域を所望の温度に維持するためのバーナ
ーを備えている。それぞれの帯域のバーナーに、燃料の
供給速度を調整するための手段を備えるのが好ましい。
バーナーに対して、燃料の供給速度を調整するためにそ
れぞれの帯域の温度または代表的な温度に応答する手段
を設けることができる。代表的な温度を例えばそれぞれ
の帯域から出る燃料ガスの温度とすることができる。
炉は、10〜40分、例えば10〜30分、好ましくは15〜30
分間の滞留時間または滞留時間を与えるために、前記コ
ークス回収手段として働く、均熱ピットである容器を備
えるのが好ましい。この均熱ピットには、滞留時間の終
りに均熱ピットからコークスを排出するための排出手段
を備えることができる。この均熱ピットは耐火物を内張
りした鋼材で構成することができ、かつ炉床とともに回
転するように炉床と一体とすることができる。回転か焼
炉の炉床と一体となった均熱ピットは、英国特許明細書
第1,219,322およびその対応米国特許第3,448,012に記載
され図示されている。
炉の放射遮断物は、円周上に隙間を有しないのが好ま
しい。このような隙間は、英国特許第1,219,322および
米国特許第3,448,012のカーテンウオールに設けられて
おり、カーテンウオールの外側、つまり外部域から内部
域(例えばこれらの特許の第3図から明らかなように)
にコークスを通過させる単一の手段を構成している。こ
れに反して、本発明の炉は、放射遮蔽物の底部と炉床と
の間の垂直な隙間を通って、すべてのコークスが予備加
熱域からか焼域へと移動する。これにより、コークスの
磨砕を減少し、多量の処理量をこなすことができる。
放射遮蔽物の底部と炉床との間の垂直の好ましい隙間
は、50〜100cm、より好ましくは60〜90cmである。これ
らの範囲の寸法の隙間は、直接放射および予備加熱域で
の対流により、か焼域から大量の熱が逃げるのを実質適
に妨げるほど小さいが、保全、調査および修理のために
帯域間に作業員が出入りできるのには十分大きい。しか
しながら、隙間を通る出入りが重要とは思われない場合
には、より寸法の小さいものが好適である。この場合、
隙間の垂直上の拡がりは、40〜60cmとすることができ
る。
好ましい実施態様において、炉は、予熱域および高温
域の両方からの煙道ガスを排出するために、高温域に1
つの煙出口を有することができ、かつ炉床邪魔板との間
の隙間は、予熱域から高温域へコークスと同様煙道ガス
を通過させるのに十分大きいのが好ましい。しかしなが
ら、それらの代りにまたはこれに加えて、予熱域は、予
熱域で生成した煙道ガスを排出するための独自の煙道を
有することができる。後者の場合、放射遮蔽物の底部ま
たは邪魔板と炉床との間の垂直隙間は、15〜45cm、例え
ば20〜40cmとすることができ、これによって予熱域から
中央か焼域にこの隙間を通して煙道ガスの少くともいく
らかを通過させることができるようになる。
本発明の炉の好ましい態様においては、予熱域の屋根
は、環状邪魔板の基礎に対して、内部方向でかつ下方に
傾斜しており、その環状邪魔板はか焼域の炉床の上の高
温領域の側部に結合しており、高温域から直接放射熱が
予熱域に入るのを防いでいる。この好ましいタイプの実
施態様においては、高温域は予熱域の平均の高さよりも
上に位置しており、ここで燃料が燃焼され、温度を、好
ましくは1400〜1600℃、例えば1475〜1575℃(一般的に
本発明の炉の多くの他の構造のものについても多くの場
合、これらの温度範囲が典型的な温度範囲である。)と
する。熱は、壁やか焼域の屋根からの放射により、燃焼
している燃料の炎から直接か焼域の炉床に放射されてく
る。
次に本発明を、実施例および図面を用いて、さらに具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。この図面は、当業者に公知または自明な事項に
ついての詳細な記載をはぶき、当業者が本発明を理解す
るために必要な特徴事項を示したものである。この図面
は、特定の寸法を意図するものではなくて、本発明の非
限定的な実施例の一般的な特性を具体的に示すためのも
のである。
すべての図面中の同じまたは類似の特徴を表わすため
に同一の引用番号を用いた。
第1図の実施態様においては、炉10は、中央の穴に向
って下方に傾斜した回転テーブルまたは炉床11を有して
いる。穴の下部は、均熱ピット12であり、炉床11から落
ちてくるコークスを受けとり、矢印23で示したようにそ
こからか焼したコークスを回収する。炉床の上部に固定
した屋根部材13が設けられている。炉床11の縁から上方
に拡がっている側壁15に対して、密封された(例えば、
番号14aによって示すように公知のタイプのウオーター
シールまたはサンドシール手段によって)下方に拡がる
側壁14を屋根部材13の外部縁が有している。炉床11は、
適当な大歯車16および/または電動機(図示せず)によ
って動かされるラックとピニオンのような当業界で公知
の他の手段上に支持されかつこれによって回転させられ
る。炉内部から煙道ガスを煙道ガス排出ダクト18に排出
するために、屋根部材13に穴17が設けられている。環状
邪魔板19は、中央の高温燃焼チャンバー20の外部境界を
定めるために、屋根部材13から下方にのびている。邪魔
板19の底は、炉床11の側部上部とは十分な距離(例えば
約50cm)が設けられており、これによって邪魔板19の下
のコークスおよび煙道ガスを炉床の半径方向の外側領域
から炉床の中央にある孔へと移動できるようにしている
が、燃焼チャンバー20からの放射および熱ガスが邪魔板
19の半径方向外側領域に影響を及ぼすのを防いでいる。
もしも、保全、調査および修理のために、邪魔板19の底
部と炉床11の側部上部との間の隙間に通ずる出口を設け
るのが望ましい場合には、その隙間の寸法を約80cmとす
ることができる。導管320によって原料石油コークス
(例えば、ジレード・コーカー(delayed cokerか
ら))を炉床の外部領域に供給する。高品質のか焼コー
クスを製造するために、揮発分が14重量%以下、硫黄分
が1.33重量%以下(コークスの乾燥重量基準で)の生の
コークスを選択する。高品質のか焼物を製造するため
に、好ましくは、コークスの乾燥重量を基準として揮発
物が約7重量%で、硫黄分が約1.0重量%以下(例えば
約0.6重量%)のものが選ばれる。炉床上外縁に付着し
たコークスを炉床中央の孔の方向に内部をらせん状に移
動させるために、屋根13からたれ下る撹拌棒24を設ける
のが好ましい。コークス層中のすべてのコークスをコー
クス層上の雰囲気にさらすために、コークス層をほり返
えす別の撹拌棒(図示せず)を設けるのが好ましい。コ
ークス層の平均厚みを約15〜40cm、好ましくは20〜30c
m、例えば約25cmとするのが望ましい。
炉床の中央の孔に向かうら旋状の通路に沿ってコーク
ス粒子を推進させ、コークス層中のコークスをひっくり
返すための撹拌棒はよく知られている。このような撹拌
棒およびその配置は米国特許第3,859,172号、英国特許
第1,272,880号(および対応する米国特許第3,652,404
号)、英国特許第1,345,845号(および米国特許第3,47
0,184号)および英国特許第1,440,883号(および米国特
許第3,788,800号)詳細に記載されている。従ってここ
ではさらに詳細に説明しない。燃焼ガスおよび空気はそ
れぞれのマニホルド25から、バフル19の外面と側壁14、
15の内面との間の環状空間21内の燃焼バーナー26に一定
速度で供給され、その内部の温度を650〜850℃、好まし
くは700〜800℃、さらに好ましくは約750℃に保ち、原
料コークスが空間21を通過する際に全体の加熱速度が好
ましくは100゜/分以下、さらに好ましくは60℃/分以
下(例えば最も好ましくは約40℃/分で予熱されるよう
になっている。このコークスは空間21内で0.25〜1.5時
間、好ましくは0.3〜1.3時間(例えば0.4〜1.25時間)
滞留することができ、高温の燃焼室20の条件にはじめて
さらされる際に600〜850℃、好ましくは700〜850℃、例
えば約750℃の全体温度でバフル19の下部を通過する。
ここに記載した好ましい実施態様では、環状の予熱空間
21は煙道ガスすなわち燃焼ガスをそこから排出するため
の独立した煙道を備えておらず、またバフルの底部と炉
床との間隙は約80cm sであり、コークスおよび煙道ガス
が予熱ゾーン21からか焼ゾーンに通過することができる
が予熱ゾーン21にあるコークスがか焼ゾーンから熱を受
取ることを実質的に妨げるようになっている。室20はル
ーフ13から下方に伸びるバーナー27を備えており、この
バーナーには適切に制御された量の空気および燃料が供
給され、室20内の温度を少くとも1375℃、好ましくは14
50〜1560℃、例えば約1500〜1550℃の温度に保つように
なっている。撹拌棒24の回転ならびに推進作用によっ
て、コークスが室20からの放射およびその他の高温の影
響にさらされ、コークスの揮発物含量が極めて低い水準
まで低下するようになっている。燃焼室20の下方で炉床
上にあるコークスは燃焼および放射の効果によって約14
70℃まで加熱されその温度に維持されてか焼される。約
1460〜1480℃(例えば約1470℃)でか焼されたコークス
は均熱炉12内に受入れられ、そこから不安定な揮発物質
の最後の残留物が逃げ出すことができる。か焼コークス
は平均温度約1400℃において平均時間約20分間この均熱
炉中で加熱均熱される。ライン23を通って均熱炉12から
取り出されたか焼コークス(か焼物)は残留揮発物の量
が極めて低く(例えば0.01〜0.03重量%の水素)、優れ
た粒子分布と高度の粒子安定性を備えており、これらは
より高級なプレミアムグレードのか焼コークス(例えば
ニードルコークス)のための基準を満たすものである。
好ましくは環状空間21内の運転条件は、生コークス原
料の揮発物含量の90重量%以下、しかしながら好ましく
は少くとも50重量%(さらに好ましくは55〜85重量%、
例えば60〜80重量%、最も好ましくは約70重量%)が空
間21の予熱部分によって構成される第一加熱段階におい
て除去され、残りが高温燃焼室20を含む部分によって構
成される次の加熱段階において除去され、さらに少量が
加熱均熱炉12における加熱均熱工程において除去される
ような条件である。
第1図に示すように、煙道ガス中に残留する燃焼物質
を燃焼させるためにライン28から燃焼室20を出ていく煙
道ガス中に空気を導入してもよい。
第1図の炉床の建設の方法は、その任務に適する便利
な任意の形態をとることができる。好ましい実施態様で
は、炉床は上記引用した特許文献のいずれかに示されて
いるように、例えば英国特許第1,055,857号とりわけ、
英国特許第1,219,322号(および対応する米国特許第3,4
48,012号)の炉床に類似したスチール製構造部材に支持
された断熱材料とすることができる。耐熱炉床の構造安
定性をさらに大きくするために構造スチール部材と耐熱
炉床との間に薄い、例えば2〜4mmのスチールシートの
軟鋼床を設けてもよい。炉床の回転構造スチール部材に
取付けられた電動モーターによって駆動されるピニオン
を炉床の下側に取付けられた円形のラックに係合するこ
とによって行われる。ピニオン、電動モーターおよびラ
ックはこの技術分野に慣用のものであり、英国特許第1,
219,322号第3ページ第1〜4行に記載されているよう
に当業者によく知られているので図面には示されていな
い。本発明の炉床のその他の部分の構造の様式は、ここ
に引用した特許文献中に対応する部分が存在する場合に
は、これに類似のものとすることができる。加熱均熱炉
は好ましくは炉床と一体化されており、炉床の中心垂直
軸の周りに炉床と共に回転するようになっている。しか
しこれとは別に例えば英国特許第1,345,106号および対
応する米国特許第3,763,011号に記載され、示されてい
るような、炉床とは独立に回転式のものとしてもよい。
炉床は水平に対して比較的小さな角度で中央の孔に向
って傾斜しており、この角度は好ましくはコークスの静
止する角度よりも十分に低いものである。この角度は8
゜〜12゜例えば約10゜とすることができる。
次に第2図について説明する。この第2図はルーフな
らびに環状バフルの配置を除き第1図とほぼ同じであ
る。第1図および第2図に共通の事項は同じ参照番号を
つけてある。説明を明確にするためひ撹拌棒24は完全な
形では示されていない。図から明らかなように固定ルー
フ113は円形であり、回転炉床11が中央の穴の均熱炉12
との連結点に向って傾斜しているのと同じように中央開
口部114を向って下向きにかつ内向きに傾斜している。
ルーフ113と炉床11は同じ角度であるいはわずかに異な
った角度で下向きに傾斜することができる。好ましくは
この角度は同一であり、8゜〜12゜例えば約10゜とする
ことができる。環状バフル119は開口114の縁部から上方
に伸びて高温燃焼室120の側壁を形成し、その頂部は煙
道ガスが煙道ダクト18に逃げ出すための中央の孔17を備
えたキャップ部材121によって閉鎖されている。
燃焼ガスおよび空気は、それぞれの供給ライン26およ
び27からそれぞれのバーナーを通って、空間21および12
0に対して、この空間21、120の温度を炉床のそれぞれの
部分においてコークスを望ましい温度(ここに具体的に
示したように)まて、例えばそれぞれ800〜900℃および
1380〜1565℃の温度まで加熱するのに適切な範囲に維持
するのに十分な量の一定の速度で供給される。第2図の
炉の形状は、予熱部分21のコークスがバフル119の想像
上の下向きの幾何学的突起に到達するまで燃焼室120か
らの放射およびその他の高温の影響から遮蔽されるよう
な形状である。
燃焼室120からの放射およびその他の高温の影響から
予熱部分21にあるコークスをより強力に遮蔽するため
に、予熱部分21と高温部分120との間のコークスとガス
の通路のための間隙を小さくする耐熱材料性の下向きに
伸びる環状バフル122(破線で示されている)を設けて
もよい。バフル122の底部と炉床11との間の間隙は、予
熱部分21と高温部分120の間を通って保全、点検および
/または修理のために接近できるようにすることが望ま
しい場合には約80cm sとすることができる。またこのよ
うに接近する必要がない場合には、バフル122を炉床11
に対してさらに下向きに伸ばして近づけ、その間隙を、
運転の際の炉床11のコークスの層の深さにほぼ等しい約
15〜25cm sとしてもよい。第2図において示された間隙
は約80cm sの間隙である。
予熱部分21および高温部分において除去される揮発性
物質の絶対量および相対量は当業者に容易に明らかな手
段によって第1図の実施例の場合とほぼ同じように第2
図の実施例について調整される。
次に第3図について説明する。第3図は、第3図の回
転炉床211がほぼ平らである(第1図に示すように中央
の孔に向って下向きに傾斜している代わりに)点を除き
第1図のものとほぼ同じであることがわかる。回転炉床
211中をコークスが供給ダクト320から炉床内に入る外側
部分から、均熱炉12の上方にある中央の穴までの移動は
撹拌棒24によって行われる。追加の撹拌棒(図には示さ
れていない)が設けられコークス層を掘り返し、コーク
ス層内のすべてのコークスが炉床内の条件にさらされる
ようにすることが好ましい。
第4図について説明すると、この図に示された炉は回
転炉床311が実質的に平らであり、この点において第3
図の炉床211に類似している外は第2図の炉によく似て
いることがわかる。第4図の実施例にも、第2図につい
て先に説明したように任意の追加の耐熱バフル122か破
線で示されており、内側部分から外側部分に通り抜ける
ことができる高温のガスと放射の量をさらに少なくする
ために内側と外側の室の連結点における間隙を小さくす
るようになっている。先に説明したようにバフル122の
底部と炉床との間隙は、この部分の間を通って点検、保
全および/または修理を行うのに適切なもの(第4図に
示すように)とすることができる(この場合約80cm sの
間隙が設けられることになろう)。あるいはそのような
必要がない場合には、この間隙はコークスおよび煙道ガ
スが予熱ゾーン21から高温ゾーンまで移動するのに十分
な程度であればよく、この場合約60cm sまたはそれより
わずかに少ない間隙(例えば45〜55cm s)が適当であ
る。第3図の実施態様と同様に、撹拌棒24が設けられ、
炉床内を外側部分から中央の穴までコークスが移動する
のを促進するようになっている。さらに好ましくは、例
えば、取分け、英国特許第1,272,880号および米国特許
第3,652,404号、英国特許第1,345,845号および米国特許
第3,740,184号、英国特許第1,440,833号および米国特許
第3,788,800号においてこの目的のために記載されてい
る種類の追加の撹拌棒(図には示されていない)を設け
てコークス層をひっくり返し、すべてのコークスを燃焼
室内の条件に暴露し、それぞれのコークス粒子が燃焼室
内の高温条件に直接にさらされる時間を少なくすること
によってコークスの加熱速度を小さくし、かつより高温
のコークス粒子からの熱伝導によってコークス層中のコ
ークス粒子を加熱するようにされる。上記の事柄はすべ
て炉床中のコークス粒子の温度をそれぞれの場所におい
て比較的均一にし、もし炉床上のある場所から他の場所
にコークス粒子が移動する際にその温度が大きく変化す
るのを防止することを目的としていることが明らかであ
ろう。図に示すように均熱炉312は円錐台形で下向きに
次第に細くなっており、この点において第1図〜第3図
に示した円筒状の均熱炉とは異なっている。中央高温燃
焼室120のルーフ221は、煙道開口217と煙道ダクト218が
室120の垂直軸に対して偏心的に配置されているのに対
して、第2図ではこれらが室120の垂直軸に対して同心
的に配置されている点を除き、第2図の炉のルーフ121
に類似している。
第5図に示す実施態様を参照して以下説明する。第5
図の炉は第4図の炉と一般に類似でありかつ第2図の炉
とも類似であるが、次の点で異なっている。下方に傾斜
している環状屋根113(すなわち、予熱域12における炉
床411の半径方向の外側部)の下の炉床411が実質的に水
平であるため、屋根113と炉床の外側部との間の垂直距
離は、屋根113の内縁から上方に延びて高温燃焼域120の
外周すなわち横方向の境界を形成している環状邪魔板11
9を屋根113の半径方向の内側部が接合している場合、外
周から屋根113の半径方向の内側部へ半径方向を内部に
向って通過するときに、漸増的に減少する。屋根113の
内側部の下の位置から半径方向を内部に向って、炉床41
1は、均熱ピット312の入口を形成する中心の孔に向って
下り方向かつ内部方向に傾斜している。炉床の内側部の
下方傾斜角度はコークスの安息角より小さくて、8〜12
゜、適当には約10゜であってもよい。撹拌棒(図示せ
ず)が、生コークスの供給パイプ312から炉床411の外側
水平部上にコークスを置いて、一般に螺旋的に内方へ向
う路に沿って炉床411を横切りかつ均熱ピット312へと通
過せしめるために設けられる。撹拌棒はすでに言及され
かつ本明細書中で引用した文献中にすでに記載された型
のものであってもよい。炉床411の外周域から均熱ピッ
ト312への入口における炉床の半径方向の内側部の該中
心孔へと、コークスを通過せしめるための撹拌棒に加え
て、初めに炉床411上のコークス層の底部にあるコーク
ス粒子を炉内で加熱条件に暴露するために、コークスに
対してほり返し作用を与えるための他の撹拌棒(図示せ
ず)を設ける。その結果、炉に供給されたコークスは全
て、予熱域21内で予熱条件に暴露されかつその後、高温
燃焼域の下の炉床に沿って通過する場合、か焼条件に暴
露される。この方法でコークスをほり返しかつそれによ
ってコークスを全て暴露するための撹拌棒は、好ましく
は本発明の炉の他の実施態様すべてにおいて設けられる
と理解される。
均熱ピット312からのコークスの排出を調節するため
の手段は第5図から明らかである。広義にいえば、該手
段は、取付け設備351上に炉の中心軸のまわりに回転す
るために取付けられた送出テーブル350を含んでいる。
均熱ピット312の排出孔352から出るコークスは、回転送
出テーブル350上で受け取られ、出口導管353へ送り出さ
れて、矢印23で表わされたように、コークス冷却装置
(図示せず)へ排出される。上記目的のために当業にお
いて周知な任意のタイプの適当な撹拌棒(図示せず)
を、排出孔352から出口導管353へのコークスの排出を助
けるために設けてもよい。
第6図は、第5図の炉と大部分類似の炉の特徴のいく
つかを平面図で示しており、均熱ピット312に対して中
心排出孔を有する炉床411および約120゜離れて配置され
た三セットの撹拌棒24を包含している。これらの撹拌棒
のセットは、それぞれ、第6図において参照番号124で
一般に示されている。
第7図は、第6図の線A−Aに対して描いた側面図に
おいて、炉床411の外側水平部および下方に傾斜してい
る屋根113を示している。屋根は炉の周辺から比較的浅
い角度(例えば、約11゜)で下り方向かつ内部方向に傾
斜し、次いで点113aの軌跡(すなわち円)から軌跡113b
と同様に、より大きい角度(例えば、平均して約30゜)
で下り方向かつ内部方向に傾斜し、その後屋根は、高温
域120の境界となる邪魔板119の下方端に接合する軌跡11
3cまで水平である。
一つの実施態様と関連して示されている装置の特徴お
よび/または項目を他の実施態様と関連して示される装
置の特徴および/または項目と組合せて実行可能にかつ
実用的に使用してもよいと理解すべきである。また、記
載した実施態様はそれぞれ、温度の高い方の帯域と低い
方の帯域とを離隔するため単一の連続環状邪魔板を有し
ているけれども、炉内を2段階より多い加熱段階に離隔
するように、1つより多い邪魔板を設けてもよい。
本発明の実施によって、コークスに比較的速い昇温速
度を受けさせるように作動しまたは作動されうる装置に
おいて、粒子強度の高いか焼コークスを得ることができ
ることは驚くべきことである。
次の比較シュミレーションは本発明の実施により得ら
れた利点を示している。
試験1 室温において、乾燥生コークス基準で、14重量%未満
の揮発物含量および1.33重量%未満の硫黄含量を有する
代表的な生の石油コークス試料を、窯(キルン)内で約
1000℃の温度に約20分間暴露して、通常の炉床回転式炉
内の条件をシュミレートした。20分後、試料は約1000℃
の温度を達成した。試料を窯から取り出した。か焼コー
クスの粒子はひどく割れ目が入っておりかつ非常に脆い
ことがわかった。
試験2 試験1と同じ生コークスの別の試料を用いたが約1100
℃の窯温度を用いて、試験1を繰返した。か焼コークス
の品質は、試験1のか焼コークス製品よりも幾分劣って
いることがわかった。
試験3および4 試験1で用いたのと同じ生コークスの試料を、一連の
異なった試験実験において、最初第一加熱段階において
比較的低い温度に暴露し、そして第二加熱段階において
約1100℃の温度に暴露する前に室温(約20℃)に冷却し
た。各加熱段階において、試料を暴露する温度をほぼ達
成するのに充分長い間、試料は暴露された。その結果を
表1に示す。
実験2および3は、特に、第二段階の高温へのコーク
スの暴露に直ちに至るまでの臨界的期間であると認めら
れるものにおけるコークスの処理において、本発明の方
法をシュミレートする。従前は、生の石油コークスを硬
い、低脆砕性のか焼コークスに変換する際にかなりの問
題があった。本発明の方法および装置により低脆砕性を
有する硬いコークスをむらなくかつ比較的簡単な方法で
製造することが可能になる。当業者ならば、実験2およ
び3の低脆砕性のか焼コークスは、最終か焼温度があま
りに低いが故に、一段高級なグレードのコークスの品質
規格に合致しないと認識するであろう。しかし、本発明
者らは、650〜850℃の範囲の温度に直ちにあらかじめ加
熱したコークスを1350〜1470℃の範囲の温度で10分〜2
時間の範囲の時間の間か焼することによって、アーク炉
のための超高力電極の製造に使用するのに適した低脆砕
性の硬い結晶構造を有する一段高級な品質のコークスが
得られることを確証した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の1つのタイプの炉床回転式コークス
か焼炉の断面正面図を示し、第2図は、本発明の別のタ
イプの炉床回転式炉の断面正面図である。第3図、第4
図および第5図も、それぞれ本発明の別の炉床回転式炉
の断面正面図である。第6図は、第5図に示したのと類
似の炉床回転式炉の断面平面図であり、炉床、撹拌棒の
配置および他の特徴を示す。第7図は、第6図の炉の一
部の断面正面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オツトー マンフレツト キルシユバウム ドイツ連邦共和国 2104 ハンブルク 92 ベルクハイド 68 (72)発明者 クラウス アルノ プフアイフアー ドイツ連邦共和国 7517 ヴアルトブロン 1 セント バルバラストラーセ 42 (56)参考文献 特開 昭54−123101(JP,A) 特開 昭53−102901(JP,A)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 生のコークスの乾燥重量を基準と
    して14重量%を超えない揮発物含量を有する生のコーク
    スを最初の加熱段階に供給すること、 (b) 最初の加熱段階において前記生のコークスを、
    添加水素の不存在下で、コークスから放出される揮発物
    及び燃料と燃焼支持性ガスとの調節された速度での燃焼
    のみによって実質上保持される加熱環境に暴露し、生の
    コークスの揮発物含量の50〜90重量%が除かれ、かつコ
    ークス全体の温度が650〜850℃の範囲となるまで、100
    ℃/分を超えないコークス加熱速度を与えること、 (c) 工程(b)によって製造した加熱されたコーク
    スを、中間処理工程または冷却工程なしに650〜850℃の
    範囲の全体の温度においてつぎのか焼工程に送ること、 (d) 該か焼工程において、前記加熱されたコークス
    を、コークスの温度を1350〜1470℃の範囲の全体の温度
    まで上昇させ、かつ少くとも10分間の平均時間にわたっ
    てその温度を保持するように、燃焼支持性ガスによって
    コークスから放出される可燃物及び燃料の燃焼のみによ
    って維持される加熱された環境に暴露すること、および (e) か焼工程(d)から高品質のコークスを回収す
    ること、 の諸工程を含む、生のコークスから高品質のか焼石油コ
    ークスを製造する方法。
  2. 【請求項2】最初の加熱段階およびつぎのか焼工程が一
    つの炉の中で行われる特許請求の範囲第(1)項記載の
    方法。
  3. 【請求項3】一つの炉が炉床回転式炉である特許請求の
    範囲第(1)項または第(2)項記載の方法。
  4. 【請求項4】工程(e)において回収されるコークスが
    少くとも10分間にわたり少くとも1275℃の温度に保持さ
    れる特許請求の範囲第(1)〜(3)項のいずれか1項
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】工程(a)における生のコークス供給物の
    粒子径が100mm以下である特許請求の範囲(1)〜
    (4)項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】工程(c)におけるコークスの全体の温度
    が730〜780℃の範囲にある特許請求の範囲(1)〜
    (5)項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】工程(d)において、コークスの全体の温
    度を1410〜1450℃の範囲の温度に上昇させ、かつその温
    度に保持する特許請求の範囲第(1)〜(6)項のいず
    れか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】コークスが15〜30分の範囲の時間にわた
    り、前記温度に保持される特許請求の範囲第(1)〜
    (7)項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】工程(b)および(d)の加熱された環境
    の少くとも一つにおける温度を監視する工程およびその
    中の温度をそれぞれの選択された温度範囲に保持するた
    めにその環境への燃料の供給速度を調節する工程を含む
    特許請求の範囲第(1)〜(8)項のいずれか1項に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】中央の円形の孔を構成する円形の回転炉
    床、その中央の垂直な軸線のまわりに回転するための炉
    床を載せる手段、その炉床の上に間隔を置いて設けられ
    た定置の屋根、炉の内部から熱ガスが外部へ逃散するの
    を防ぐための環状の壁、中央の孔の外側のか焼域の外周
    および環状の壁によって結合されている環状の予熱域の
    内周を構成するための定置の屋根から下方向へたれ下っ
    ている環状の放射遮蔽物、コークス粒子が予熱域からか
    焼域へ通過することを許すのに十分な幅であるが、中央
    のか焼域から環状の予熱域への熱の放射を実質上防ぐに
    は十分にせまい垂直のすき間を炉床で構成する放射遮蔽
    物、1350〜1600℃の範囲の温度を発生させるために、燃
    料およびか焼域中で炉床上の燃焼支持性ガスによってコ
    ークスから放出される揮発物を燃焼させるためのバーナ
    ー手段、燃料および環状の予熱域中で炉床上の燃焼支持
    性ガスによってコークスから放出される揮発物を燃焼さ
    せかつ予熱域において650〜850℃の範囲の温度を発生さ
    せるための実質上の主たる熱源として役立たせるための
    バーナー手段、環状の予熱域の炉床の外側の区域に生の
    石油コークスの粒子を加えるための手段、中央の垂直軸
    線のまわりに炉床を回転させるための手段、放射遮蔽物
    と炉床との垂直のすき間を通して環状の予熱域の外側の
    区域から中央のか焼域へコークス粒子を移動させるため
    の撹拌手段、中央のか焼域の外周から中央の孔へコーク
    スを移動させるための撹拌手段および中央の孔からコー
    クスを回収するための中央の孔の下のコークス回収手段
    を含む、生の石油コークスから高品質の石油コークスを
    製造するための炉床回転式炉。
  11. 【請求項11】当該域の一つまたは両域における温度を
    監視するための手段、および両域内の温度をそれぞれの
    温度範囲に保持するために両域内への燃料の供給速度を
    調節するための手段、を含む特許請求の範囲第(10)項
    記載の炉。
  12. 【請求項12】当該コークス回収手段が、か焼域中の中
    央の孔から受け入れられるかまたは回収される熱コーク
    スに対して10〜30分の範囲の滞留時間を与えるために均
    熱ピットを構成する容器および滞留時間の終りにおいて
    熱浸透ピットからコークスを排出するための排出手段を
    含む特許請求の範囲第(10)項または第(11)項記載の
    炉。
  13. 【請求項13】予熱域の屋根が環状の邪魔板の基礎に対
    して内側に、かつ下側に傾斜しており、この環状の邪魔
    板はか焼域の炉床上の高温度区域の側に結合しており、
    そして予熱域中において直接に高温度区域から放射熱の
    受領を実質上妨げる特許請求の範囲第(10)〜(12)項
    のいずれか1項記載の炉。
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