JPH08303532A - 遊星歯車装置 - Google Patents

遊星歯車装置

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JPH08303532A
JPH08303532A JP11052495A JP11052495A JPH08303532A JP H08303532 A JPH08303532 A JP H08303532A JP 11052495 A JP11052495 A JP 11052495A JP 11052495 A JP11052495 A JP 11052495A JP H08303532 A JPH08303532 A JP H08303532A
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JP
Japan
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press
planetary gear
punched
gear
internal gear
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Application number
JP11052495A
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English (en)
Inventor
Junichi Tani
潤一 谷
Hiroki Ishida
裕樹 石田
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Tsubakimoto Chain Co
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H1/00Toothed gearings for conveying rotary motion
    • F16H1/28Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
    • F16H1/46Systems consisting of a plurality of gear trains each with orbital gears, i.e. systems having three or more central gears

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】遊星歯車への負荷を等配でき、かつ低コストで
しかも静粛性などに優れた遊星歯車装置を提供する。 【構成】太陽歯車2と、太陽歯車2を囲む内歯車3と、
キャリア4に前記太陽歯車2、内歯車3に噛合う遊星歯
車5を回転自在かつ一体に支持させた遊星キャリア体6
とからなる遊星変速段Uを筒状のハウジング部材7内に
組込む遊星歯車装置であって、前記内歯車3は、内歯部
3Aをプレス抜きされたリング状のプレス抜き板9を積
層した打抜き積層体からなり、前記プレス抜き板9に
は、一面に設けた凸状の錐部T1を有する嵌入突起10
Bと、この凸状の錐部T1が嵌合できかつ他面に設けた
凹状の錐部T2を有する嵌入凹所10Aとからなり、し
かも積層により隣り合うプレス抜き板9がずれ可能に内
歯部3Aが位相合わせされる位相合わせ嵌合部10を形
成するとともに、前記プレス抜き板9の外周面と前記ハ
ウジング部材の内周面との間に間隙を設け、かつこの間
隙に、防振材を配したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス抜きされたプレ
ス抜き板の打抜き積層体を内歯車として用いるととも
に、積層されたプレス抜き板の微小なずれを許容するこ
とによって、遊星歯車に作用する負荷を均等に配分で
き、しかも静粛性などに優れた遊星歯車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽歯車、内歯車、およびキャリアに回
転支持される複数の遊星歯車を用いる内歯車形式の遊星
歯車装置は周知であり、減速、増速のための変速機構と
して多用されている。
【0003】このような遊星歯車装置においては、キャ
リアには太陽歯車の周囲を転動する遊星歯車が枢支さ
れ、又この遊星歯車は、そのピッチ円の公転軌跡と等し
いピッチ円径を具える大径の内歯車に噛合する。従っ
て、キャリア、遊星歯車の僅かな動的アンバランスなど
によっては、各遊星歯車に負荷が均等に配分(以下、
「等配」という)されないことがあり、太陽歯車ないし
は内歯車との噛合いとともに振動、騒音が生じ安定した
出力を得られないという問題がある。
【0004】従来、このような問題を解決すべく、遊星
歯車の等配機構としては、例えば図13に示すように、
遊星歯車aとキャリアbとを連結する遊星軸cに、圧縮
部材e、スリーブf、ブッシュdなどの管状集合体を介
在させることにより、負荷に応じた遊星軸cの傾動を可
能として、各遊星歯車aの負荷の等配を図るものが提案
されている。
【0005】又図14に示すように、遊星歯車aのピッ
チ円に等しい外径の円板hを、遊星歯車aの両側位置に
てキャリアbに遊星軸cにて同軸支持するとともに、内
歯車iには、内歯車iのピッチ円に等しい内径のリング
状支持板jを左右両側に設けて、前記円板hを案内する
ことにより遊星歯車aを内歯車iのピッチ円に沿わせて
案内しうるものなども提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
に示したものでは、管状集合体を形成するために1つの
遊星歯車について多くの異なる部品を必要とし、製造工
程、製品コストを増大させるとともに、遊星軸cの撓み
により、遊星歯車aの、とりわけ歯幅方向キャリア側の
歯に負荷が集中しやすくなるという問題がある。
【0007】又図14に示したものでは、前記と同様
に、部品点数が多く、製造工程、製品コストをともに増
大させるとともに、左右の円板h、hやリング状支持板
jの厚み分だけ、遊星歯車機構の軸方向の寸法が大とな
り、装置の小型化を困難とする他、遊星歯車aの数が少
なくなるにつれ、円板hとリング状支持板jとの接触点
が少なくなり、満足のいく負荷の等配を実現しえないな
どの問題がある。
【0008】加うるに、遊星歯車装置に用いる内歯車
は、太陽歯車の周囲を転動する遊星歯車のピッチ円の外
縁軌跡と等しいピッチ円径を具えているために、他の歯
車に比して大型となり、しかも内歯車であるために、機
械による歯切り加工も、シェービング盤、ブローチ盤な
どに制約されて高価となり、特に高い増減速比をうるた
めに、複数の遊星変速段を用いるときには、その段数ご
とに内歯車が必要となり、装置コストが増大する原因と
なっている。
【0009】本発明者らは、従来とは異なる観点から遊
星歯車装置について研究を重ねた結果、第一に、内歯車
には、プレス抜きにより内歯部を成形したプレス抜き板
の打抜き積層体を用いることによりコストの上昇を抑え
うること、第二に、この積層されたプレス抜き板を微小
量位置ずれ可能に歯の位相を合わせて積層することによ
り、遊星歯車の偏った負荷に内歯車が追従し荷重の等配
を図りうること、第三に、プレス抜き板の位置ずれなど
は、プレス抜き板の外周面とハウジング部材の内周面と
の間に設けた防振材により吸収させてハウジングへの振
動伝達を和らげ低騒音化を図りうること、などを見い出
し本発明を完成させたのである。
【0010】即ち、本発明は、遊星歯車への負荷を等配
でき、かつ低コストでしかも静粛性などに優れた遊星歯
車装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、太陽
歯車と、この太陽歯車を囲む内歯車と、キャリアに前記
太陽歯車、内歯車に噛合う遊星歯車を回転自在かつ一体
に支持させた遊星キャリア体とからなる遊星変速段を筒
状のハウジング部材内に組込む遊星歯車装置であって、
前記内歯車は、内歯部をプレス抜きされたリング状のプ
レス抜き板を積層した打抜き積層体からなり、前記プレ
ス抜き板には、その一面に設けた凸状の錐部を有する嵌
入突起と、この凸状の錐部が嵌合できかつ他面に設けた
凹状の錐部を有する嵌入凹所とからなり、しかも積層に
より隣り合うプレス抜き板の前記凸状の錐部と、凹状の
錐部との嵌合によって、ずれ可能に内歯部が位相合わせ
される位相合わせ嵌合部を形成するとともに、前記プレ
ス抜き板の外周面と前記ハウジング部材の内周面との間
に間隙を設け、かつこの間隙に、防振材を配したことを
特徴とする遊星歯車装置である。
【0012】又、請求項2の発明は、前記打抜き積層体
は、両外側に位置するプレス打抜き板の各外側の面の凸
状の錐部及び凹状の錐部を、前記ハウジング部材に設け
られかつ接近する向きに付勢された離間可能な凹状の錐
部及び凸状の錐部にそれぞれ嵌合させたことを特徴とし
ている。
【0013】さらに、請求項3の発明では、プレス抜き
板は、少なくとも外周面の一縁に、面取り部を具えると
ともに、前記防振材は、重なるプレス抜き板の前記面取
り部により形成される周方向の取付け溝に嵌入されるO
リングであることを特徴としている。
【0014】
【作用】内歯車として、プレス抜きされた内歯部を有す
るプレス抜き板の打抜き積層体を用いているために、生
産が能率化でき安価となしうる他、品質が安定する。又
必要な強さに応じて積重ね枚数を変更し内歯車の強度を
も調整しうる。さらにプレス抜き加工として、ファイン
ブランキング加工を採用したときには、打抜き板の板厚
を大とすることなく高精度に打抜きでき、歯部精度を高
めうる。
【0015】さらに内歯車は、プレス抜き板の打抜き積
層体からなるリング状をなすため、同厚さの一体品の場
合と較べて半径方向の剛性が低下し、半径方向への可撓
性が高まる。その結果、遊星歯車に偏った負荷が作用し
ても、これに噛み合う内歯車の内歯部は容易に撓むこと
ができ、遊星歯車の荷重の等配を可能とする。
【0016】又高精度加工が可能なファインブランキン
グ加工を含め、プレス加工に際してのプレス抜き板に
は、図4に一点鎖線で示すように、ブランクの雌型への
打込みに際して外縁が円弧にぬすみ状に変形するぬきだ
れmが生じやすい。このようなぬきだれmは、プレス抜
き板が重なることによって隣り合うプレス抜き板との間
に小さな凹部を形成し、この凹部が潤滑油、グリース溜
りとなって潤滑材の持ちを良好とし、歯車の耐久性の向
上に役立つことも出来る。
【0017】又凸状の錐部を有する嵌合凸部と、凹状の
錐部を有する嵌合凹所との位置ずれ可能な嵌合による位
相合わせ嵌合部を用いることにより、プレス抜き板の内
歯部の並び、位相を揃えることが容易となる他、プレス
抜き板に、例えば半径方向の力が作用したとき、互いに
重なるプレス抜き板は、互いの錐部、つまり傾斜した面
に沿って半径方向に微小量位置ずれしうる結果、前記プ
レス抜き板の撓みと相俟って、遊星歯車の負荷に追従
し、各遊星歯車への荷重等配をなしうる。
【0018】さらに、プレス抜き板は、その外周面とハ
ウジング部材の内周面との間の間隙に配置した防振材を
介して取り付けられている結果、内歯車に周方向、半径
方向の緩衝機能を付与でき、前記プレス抜き板の位置ず
れに際しての衝撃を緩和し、偏った負荷の吸収にも役立
ちうる。さらに、プレス抜き板の位置ずれは、直接ハウ
ジング部材に伝達するのが抑制されるため、振動、音の
外部への発散を防止し、装置の低騒音化、低振動化が可
能となる。
【0019】ところで、プレス抜き板は、遊星歯車の負
荷による位置ずれに際して、図7に一点鎖線で示すよう
に重なる錐部に案内されて移動する結果、半径方向及び
軸方向に微小量dy、dxだけ移動することとなる。請
求項2の発明によれば、このようなプレス抜き板の軸方
向の移動を、このプレス抜き板の積層体を両側から支持
するハウジング部材に設けた凹状の錐部、凸状の錐部が
離間することによって円滑に許容でき、しかも凹状の錐
部、凸状の錐部は互いに接近する向きに付勢されている
結果、負荷の減少に伴ってプレス抜き板を積層する向き
に付勢でき、錐部による位相合わせを修正しうる点で好
ましい。
【0020】なお、請求項3の発明のようにプレス抜き
板の外周面の一縁に形成した面取り部によって、防振材
を取付ける取付け溝を形成でき、かつ前記防振材として
ゴム製のOリングを用いるときには、構造組立を簡易化
しうる。
【0021】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1〜6において遊星歯車装置1は、太陽歯車2
と、内歯車3と、キャリア4に遊星歯車5を回転自在か
つ一体に組み込んだ遊星キャリア体6とからなる1段以
上の遊星変速段Uをハウジング部材7に組込んでおり、
前記内歯車3は、本例ではファインブランキング加工に
よりプレス抜きされた複数のプレス抜き板9…を積重ね
た打抜き積層体を用いており、かつ遊星歯車装置1は、
本実施例では電動機Mを有するフランジ形式のギヤーモ
ートルとして形成される。
【0022】遊星変速段Uは、本例では、入力側及び出
力側の2段の遊星変速段Ui、Uo(i,oは入力側、
出力側を区別するときに要すれば用いる。以下同じ)を
含んでいる。
【0023】入力側の遊星変速段Uiは、前記電動機M
のロータ軸、即ち遊星歯車装置1の入力軸11先端に形
成される太陽歯車2iと、ハウジング部材7に支持され
この太陽歯車2iを囲む内歯車3iと、結合軸21…、
支持軸22…により結合される2枚のキャリア4iA、
4iB間の前記支持軸22に複数の遊星歯車5i…を枢
支してなる遊星キャリア体6iとによって構成される。
なお太陽歯車2iは、入力軸11を直接歯切りする他、
別体にて構成しても良い。
【0024】出力側の遊星変速段Uoは、前記キャリア
4iBの中心に固定される太陽歯車2oと、ハウジング
部材7に支持されこの太陽歯車2oを囲む内歯車3o
と、2枚のキャリア4oA、4oB間に同様に遊星歯車
5o…を回転自在に支持させた遊星キャリア体6oとか
ら構成され、かつ出力側の前記キャリア4oBは出力軸
12の後端に固定されている。
【0025】又前記ハウジング部材7は、前記電動機M
のステータを囲む有底筒状のモータハウジングHmがそ
のステータを前にこえて延在する挿着部24と、この挿
着部24に挿入される入力側のブラケットB1と、挿着
部21前端に嵌入される出力側のブラケットB2と、
入、出力側のブラケットB1、B2間において入力側に
配置される第1のスペーサ13Aと、内歯車3iを隔て
る第2のスペーサ13Bとからなる。なお第2のスペー
サ13Bと出力側のブラケットB2との間に内歯車3o
が配される。
【0026】前記第1のスペーサ13A、第2のスペー
サ13Bは、本実施例では、前記キャリア4iA、4i
B、4oAの外周面を保持する軸受リングとして機能
し、前記キャリアを太陽歯車2i、2oと同心に回転さ
せる他、前記第1のスペーサ13Aと前記ブラケットB
1との間にはバネ手段としてのバネ機能を有するバネ座
金、波座金などの座金Wを介在させている。
【0027】又挿着部24は、遊星変速段Uを収納しう
るとともに、ステータを収納する部分に比して内径を大
として形成することによって、前記入力側のブラケット
B1を位置決めする段差25を有する。なお、入力側の
ブラケットB1の軸受b1と、モータハウジングHmの
後壁の軸受b2とによって入力軸11、即ち太陽歯車2
iを、挿着部24と同芯に支持している。
【0028】又出力側のブラケットB2は、図1、図2
に示すように、4隅に取付ボルトが通る取付孔を有する
フランジ27に、前記挿着部24に嵌入固定される外筒
部28と、挿着部24と同芯、従って入力軸11および
その太陽歯車2iと同芯に出力軸12を軸受b3、b4
により支持する内筒部29とを設け、前記モータハウジ
ングHmに回転不能に固着されている。なお入力軸1
1、出力軸12はシールS1、S2によって軸封されて
いる。
【0029】なおモータハウジングHmは、電動機Mを
形成するための長さとし、遊星変速段Uを収納するため
のハウジング部材とは結合可能に分離することもでき
る。
【0030】次に、前記内歯車3i、3oは、本例では
プレス抜き板9を3層に積層した打抜き積層体からな
り、プレス抜きの手段としてファインブランキング加工
を採用している。
【0031】ファインブランキング加工とは、周知のよ
うに、1923年にスイス人フリッツ シセス(Fritz
Schicess)氏が提案したもので、板押えと逆押えとを具
え、極めて小のクリアランスのパンチ・ダイを用いて板
材に圧縮力を作用させて延性を高めることにより、割れ
による破断面の発生を抑制したプレス方法であり、本発
明者等は金属板が薄板であるとき、かかる加工がとくに
切断面が美麗かつ高精度であることに着目して、薄板の
プレス抜き板9…を重ねて打抜き積層体とすることによ
り安価かつ使用に耐える精度の内歯車3を製造しうるこ
とを見出したのである。
【0032】プレス抜き板9は、本例では図5、図6に
示すように、内歯部3Aを有しその歯先円となる内周面
9aと、合わせ位置確認用の凹溝31を有するこの内周
面9aと同芯な外周面9bとを打抜きにより形成したリ
ング状をなすとともに、位相合わせ嵌合部10を形成し
ている。
【0033】前記プレス抜き板9は、例えば前記外周面
9bの外径を50〜120mm程度としており、又このと
き内周面9aの前記内歯部3Aは、モジュール0.5〜
1.25程度としている。プレス抜きにおいては板厚が
小さくなるに従い打抜き精度も向上するため、このよう
な小さいモジュールの打抜きが可能となる点で好まし
い。
【0034】そして前記プレス抜き板9の板厚は、例え
ば1.5〜3、5mm程度、本例では2.2〜2.8mm程
度とし、かつクロムモリブデン鋼などの強度、靱性に優
れる合金鋼からなる板材が好適に採用されうる。なお、
プレス抜き板9の板厚が、2.5mm程度のとき、0.7
モジュール程度が可能であることも確かめている。
【0035】さらにプレス抜き板9は、打抜き後、歪取
り処理を行うこともでき、また液浸、窒化、タフトライ
ドなどの適宜の表面、歯部の硬化処理を行うのもよく、
そのとき可能な限り低温短時間での処理とするなど歪を
生成しないものがよい。
【0036】このように、内歯車3として、例えばファ
インブランキング加工による精密プレス抜きされた打抜
き積層体を用いているために、生産が能率化でき安価と
なしうる他、品質が安定化する。さらに高精度に打抜き
でき歯部精度を高め、しかも必要な強さに応じて積重ね
枚数を変更し内歯車3の強度をも調整しうる。
【0037】又、内歯車3はプレス抜き板9…の打抜き
積層体からなるリング状をなすため、同厚さの一体品の
場合と較べて半径方向の剛性が低下することとなり、半
径方向への可撓性を高め、歯当たりの改善にも役立つ。
又図4に一点鎖線で示すように、ブランクの雌型への打
込みに際して生じるぬきだれmは、潤滑油、グリース溜
りとなって潤滑材の持ちを良好とし、内歯車3の耐久性
を向上しうる。
【0038】次に、プレス抜き板9の前記位相合わせ嵌
合部10は、該プレス抜き板9の一面に設けた凸状の錐
部T1を有する嵌入突起10Aと、この凸状の錐部T1
が嵌合できかつ他面に設けた凹状の錐部T2を有する嵌
入凹所10Bとからなり、しかも積層により隣り合うプ
レス抜き板9の前記凸状の錐部T1と、凹状の錐部T2
との嵌合によって、位置ずれ可能に内歯部3Aを位相合
わせしうる。
【0039】前記凸状の錐部T1、凹状の錐部T2は、
図6から明らかな如く本例ではともに先鋭の円錐状、か
つ互いに嵌まり合う同形をなし、内歯部3Aの歯の位相
と関連づけて形成されている。即ち、嵌入突起10Aと
嵌入凹所10Bとが表裏で同位置であると、隣合うプレ
ス抜き板9の前記突起と凹所とが嵌入することにより、
全てのプレス抜き板9の内歯部3A…の歯すじを軸方向
に正しく位相を整一させて揃えることができる。また、
凹部10Aと凸部10Bとが表裏で同位置、同形とし
て、本例ではプレスの半抜きによって形成し加工性を高
めている。
【0040】又、嵌入突起10A、嵌入凹所10Bは、
互いに嵌合しうる錐部T1、T2を有する結果、一の遊
星歯車5の偏った負荷により、プレス抜き板9に半径方
向又は円周方向の力が作用したとき、相互に重なるプレ
ス抜き板9の位置ずれを前記錐部T1、T2に沿って円
滑になし、前記プレス抜き板9の撓みと相俟って遊星歯
車5の負荷に追従でき、各遊星歯車5に荷重を等配しう
る。
【0041】又、プレス抜き板9は、前記位置ずれに際
して、図7の一点鎖線で示す如く半径方向及び軸方向に
微小量dy、dxだけ移動する。かかるプレス抜き板9
の軸方向移動は、第1のスペーサ13Aが、前記座金W
を変形させつつ前記ブラケットB1へ近づく微小移動を
なすことによって円滑に許容できる。
【0042】しかも座金Wは、バネ機能により常時、第
1のスペーサ13AをブラケットB2側に向けて付勢し
ている結果、遊星歯車5の負荷の減少とともにプレス抜
き板9を積層する向きに付勢でき、前記位置ずれを修正
しうる点で好ましいものとなる。なお、各プレス抜き板
9は、位置ずれに際し、図7に示す場合の他、負荷に応
じていわゆる階段状のように、夫々半径方向に異なる移
動量にて位置ずれすることを可能とする。
【0043】なお前記嵌入突起10Aは、図8に示すよ
うに、凸状の錐部T1と、平坦な先端面F1とから断面
台形状に構成するとともに、嵌入凹所10Bは、この嵌
入突起10Aと同形の凹状の錐部T2と、平坦な底面F
2とから構成しても良い。
【0044】さらには図9に示すように、嵌入突起10
Aの突出量HTと、嵌入凹所10Bとの凹み量HOとを
HT>HOとして違えることにより、プレス抜き板9を
積層した際に該プレス抜き板間に微小な間隙を形成する
こともでき、このとき、突起と凹所の各体積をほぼ等し
くすることにより、プレスによる半抜き加工を可とす
る。かかる構成によれば、内歯車3の半径方向の剛性を
適度に弱め、プレス抜き板の撓み易さを向上しうる点で
好ましく、前記錐部T1、T2の傾斜角度θ(図9に示
す)は、20°〜60°程度、好ましくは35°〜45
°程度とする。
【0045】また、表裏の嵌入突部10Aと、嵌入凹所
10Bとを、内歯車3の全幅において、内歯車3と遊星
歯車5の噛み合いのバックラッシュの範囲内となるよう
に表裏で周方向に微小に角度ずれさせることもできる。
これによって、積層により、前記バックラッシュの範囲
内で歯すじが傾いて内歯部3Aの位相が揃うことにな
り、遊びのない噛み合いの歯車伝達を可能とする。
【0046】次に、上述の位相合わせ嵌合部10は、図
5に示す如く、半径方向線を挟む角度α、β、γ(図5
に示す)が不等角、例えば90°、120°、150°
とする前記半径線上に設けられる。なお1つの角度のみ
が他の角度と異なるのみでもよい。
【0047】その結果、嵌入突部10B,嵌入凹所10
Aは、内歯部3Aの位相に対しては、常に一定位置でし
か嵌合しないこととなり、手作業、又は機械的な自動組
立てを容易とし、嵌合誤りをなくす。又3等分位置を中
心として角度をずらせた3位置以上の位置に設けること
により、プレス抜き板9を同芯で重ねることを確実にす
る。
【0048】さらに図4に拡大して示すごとく、内歯車
3iの入力側で外側となるプレス抜き板9の外側面の嵌
入凹所10Bを、ハウジング部材7である第1のスペー
サ13Aの出力側の面に設けた凸状の錐部T1を有する
嵌入突起10Cに嵌め合わせる。又内歯車3iの出力側
で、外側となるプレス抜き板9の外側の面の嵌入凸部1
0Aは、第2のブラケットB2の入力側の隣り合い面の
凹状の錐部T2を有する嵌入凹所10Fに嵌合させてい
る。
【0049】同様に、内歯車3oの入力側となる面の嵌
入凹所10Bは、第2のスペーサ13Bの出力側で隣り
合う面の凸状の錐部T1を有する嵌入凸部10Gと嵌合
させる。又内歯車3oの出力側で外側となる面の嵌入突
部10Aは、出力側のブラケットB2の凹状の錐部T2
を有する嵌入凹所10Hと嵌合させている。
【0050】又第1のスペーサ13Aの入力側の面に
は、ブラケットB1との間に前述の如く座金Wを介在さ
せたことにより、この座金Wの変形によって第1のスペ
ーサ13Aは、微小量dLだけ軸方向にのみ移動でき、
この移動量dLは、各嵌入凸部10Aと嵌入凹所10B
との嵌合量よりも小さく、内歯車、第1、第2のスペー
サ、ブラケットB1、B2などの嵌合はずれが生じない
ように構成されている。
【0051】従って、内歯車3、スペーサ13、ブラケ
ットB1,B2は、それぞれ嵌入突部10A、嵌入凹所
10Bが隣り合い面の突部、凹所10A〜10Hが互い
に微小にずれ可能に嵌合しうるとともに、全体の嵌合は
ずれを防止されて回り止めされる。
【0052】なお嵌入突部10A、嵌入凹所10Bは図
示の向きとは逆でもよく、又隣合う面で嵌合できさえす
れば、周方向、半径方向の位置をかえるのもよい。又嵌
入突部10A、嵌入凹所10Bは、所謂円錐状の他、四
角錐、三角錐などの非円形状など種々な形状の錐部を採
用しうる他、本明細書でいう「錐部」には、図10に示
すような球表面をなすものをも包含する意と定義する。
このとき、プレス抜き板の位置ずれを容易とするべく、
球の半径以下の突出量及び凹み量とするのが良い。
【0053】又第1、第2のスペーサ13A、13B、
ブラケットB1、B2など、プレス成形、ダイキャスト
成形など成形品としないときには、全て凹部とし、先端
に錐部を有する位置合わせピンなどを介して位相合わせ
してもよい。
【0054】又前記プレス抜き板9の凹溝31は、本例
では、対角線上に外周面の2か所で設けられ、又凹溝3
1は、位相の整一のための他、例えばく字金物(図示せ
ず)を長手方向に挿入するなど打抜き積層体の一体化の
ために利用することができる。
【0055】又、各プレス抜き板9の外周面9b、およ
び第1、第2のスペーサ13A、13Bの外周面13b
の直径d1は、本実施例では、図4に示すようにいずれ
も前記モータハウジングHmの前記挿着部24の内周面
24aの内径Dよりもやや小に成形されることにより、
前記入力側、出力側のブラケットB1、B2が向き合う
面間において半径間隙Gを生じさせている。
【0056】他方、各プレス抜き板9の外周面9bの少
なくとも一方の縁部(本例では両側縁)、およびスペー
サ13A、13Bの外周面13bの少なくとも一方の縁
部(本例では両側縁)には連続した面取り部15が設け
られ、従って積重ねることによって隣り合うこととなる
プレス抜き板9、スペーサ13A、13B間の外周に
は、各2つの各面取り部15、15が合体した例えばU
又はV字状の取付け溝16が形成される。この取付け溝
16に、本例ではOリングである例えばゴム(耐油ゴ
ム)からなる防振材17を夫々配している。
【0057】なお防振材17は、断面円形の他、三角
状、星状など各種の非円形状、さらには管状とすること
もできる。又防振材17は、取付け溝16と予め接着さ
せてもよく、そのとき予め環状とすることなく、1〜数
本の紐状体とすることもできる。さらに前記取付け溝1
6の深さは、ゴムの半径方向高さの1/2より大、2/
3以下程度と、嵌入深さを比較的大きくし、前記ハウジ
ング部材7への取付けに際しての外れを防ぐのがよい。
なおプレス抜き板9、スペーサ13の外周面9b、13
bには、ゴム被覆層を焼付け、形成するのもよく、又ゴ
ムシートを配するのもよい。
【0058】又プレス抜き板9、スペーサ13は、ハウ
ジング部材7の挿着部24の内周面24aと当接する前
記防振材17を介在させて、この挿着部24に支持され
る。その結果、プレス抜き板9の打抜き積層体である内
歯車3には周方向、半径方向に緩衝機能を付与され、遊
星歯車5との噛み合いに際しての衝撃に加え、遊星歯車
に偏った負荷が作用したときに、前記プレス抜き板9の
微小ずれを吸収するのに役立つ。
【0059】従って、緩和された衝撃、振動自体が、防
振材17により、吸収、緩和されモータハウジングHm
への伝達が抑制されるため、振動、音の外部への発散を
防止し、装置の低騒音化、低振動化が可能となる。
【0060】さらに本例では、Oリングからなる防振材
17を用いているため、低コストであり、かつ取付けも
容易となり、装置全体の構造の簡易化、価格の低減を図
りうるとともに、前記したスペーサ13との組み合わせ
により、内歯車3などを単に積み重ねて組み立てること
により形成でき、さらに低コスト化しうる。
【0061】このように、防振材17が遊星変速段Uか
ら生じる振動、騒音が前記モータハウジング部材に伝わ
ることを防止し、ハウジング部材7が例えば金属からな
る場合であっても、内歯車3とハウジング部材7との間
の前記振動、騒音の発生、伝達を減じ、かつ内歯車3と
遊星歯車5との歯当たりの緩衝、芯出しにも役立てるこ
とができる。
【0062】又本実施例においては、前記第1、第2の
スペーサ13A、13Bは、キャリア4iA,4iB、
4oAを回転支持するのに使用される。又このとき、ス
ペーサ13A、13Bの防振材17も、遊星キャリア体
6i,6oの回転に伴う振動を、挿着部24をへて外部
に伝わるのを遮断する。
【0063】さらに第1、第2のスペーサ13A、13
Bは、同心な内周面13a、外周面13bを有するリン
グ状をなすことによって、前記のように、入力軸11と
同心なモータハウジングHmの前記挿着部24に防振材
17を介して外周面13bが挿着されることによって、
その内周面13aは、入力軸11と同心となる。
【0064】なお第1、第2のスペーサ13A、13B
は、全体が合成樹脂、含油メタル、軸受メタルなどの、
好ましくは自己潤滑性の軸受材からなるか、図4に示す
ごとく、環状の基体13nと、その内周側に配され突起
状の係止部13P1、13P2により抜け止めされる前
記軸受材からなる薄板環状の支持片13mとにより構成
することもできる。
【0065】なお、内周面13aは、前記内歯車3i,
3oの各歯先円直径よりも小とするとともに、第1のス
ペーサ13Aは、遊星キャリア体6iの入力側のキャリ
ア4iAを支持し、第2のスペーサ13Bは、遊星キャ
リア体6iの出力側のキャリア4iBと、遊星キャリア
体6oの入力側のキャリア4oAとを共に入力軸11と
同心に支持する。
【0066】従って、第2のスペーサ13Bは、第1の
スペーサ13Aよりも約2倍の軸方向の幅に形成され
る。このように遊星キャリア体6i、6oがともに第2
のスペーサ13Bで同芯に保持されることによって、2
つの遊星キャリア体6i、6o間の同芯性を高める。な
お遊星キャリア体6oの出力側のキャリア4oBは、前
記のごとく、出力軸12の後端に固定されることによっ
て、挿着部24、即ち入力軸11と同芯となる。
【0067】なお第1、第2のスペーサ13A、13B
に回転支持される前記キャリア4iA、キャリア4i
B、及びキャリア4oAは、外周面4bが、各支持され
るスペーサ13A,13Bの内周面13aと当接しうる
直径の円形をなし、かつキャリアの外周面4bと、スペ
ーサ13A,13Bの内周面13aとの半径方向の間隙
gは、採用する歯車精度の中心距離の公差に応じて決定
される。
【0068】又、遊星キャリア体6iのキャリア4i
A、4iB、及び遊星キャリア体6oのキャリア4o
A、4oBは、ともに両端段付きの複数の前記結合軸2
1…、及び結合軸21と同形の複数の支持軸22…によ
り互いに一体に結合されるとともに、支持軸22…に
は、円筒軸受35、スラスト軸受36、36(図1にの
み略示する)を介在させて、夫々前記遊星歯車5i,5
oを可回転に支持し、これによって前記遊星キャリア体
6i、6oを構成する。また遊星キャリア体6iは、キ
ャリア4iA、キャリア4iBが前記スペーサ13A、
13Bの内周面13aで案内されることにより、入力軸
11と同心に保持される。
【0069】また、遊星キャリア体6iの出力側のキャ
リア4iBは、その中心部に出力側に向いて突出するボ
ス部39を有し、そのボス部39の中心孔によって、出
力側の遊星変速段Uoの太陽歯車2oの後端の小径部分
2oAを嵌入して固定し、これにより太陽歯車2oは、
太陽歯車2iと同芯となる。なお固定には、キー、切欠
き、ローレット、圧入、接着など、周知の各種の方法が
採用しうる。
【0070】この遊星歯車段Uiは、キャリア体6iの
遊星歯車5iが、ロータ軸である入力軸11の太陽歯車
2i、前記回り止めされた内歯車3iと噛合することに
より、入力軸11の回転数を歯数比に応じて定まる周知
の減速比で減速した遊星歯車5iの公転速度で、遊星変
速段Uoの太陽歯車2oを回転させることとなる。
【0071】同様に、遊星キャリア体6oは、入力側の
キャリア4oAが前記スペーサ13Bの内周面13aで
案内され、かつ出力側のキャリア4oBが前記出力軸1
2の後端で固定されることにより、入力軸11と同心に
保持され、回転する。
【0072】その結果、この遊星キャリア体6oは、遊
星歯車5oが、太陽歯車2o、前記回り止めされた内歯
車3oと噛合することにより、前記回転数で回転する太
陽歯車2oの回転数を歯数比に応じて定まる周知の減速
比でさらに減速した遊星歯車5oの公転速度で、キャリ
ア4oBを介して前記出力軸12を回転させる。
【0073】このように、本例では、キャリア4i、4
iB、4oAがスペーサ13A、13Bがなす軸受リン
グに枢支されることによって、遊星キャリア体6は太陽
歯車2と同芯に回転でき、かつ支持を均一とする他、構
造を簡易化すると同時に、軸方向の長さを低減できる。
【0074】図12は、本発明の他の実施例を示してい
る。この実施例では、前記第2のスペーサ13Bを、前
記挿着部24にネジNにて軸方向及び周方向を共に固定
された固定スペーサB1と、この固定スペーサB1に座
金W2を介して軸方向に微小移動可能な可動スペーサB
2とから構成されている点に特徴を有し、他の点は前記
実施例と同様としている。
【0075】この実施例によれば、座金W、W2のバネ
定数を各内歯車3i、3oに作用する負荷に応じて違え
ることにより、内歯車3i、3oの各プレス抜き板9の
軸方向移動を個別に吸収でき、かつ位置ずれを修正しう
る点で好ましい。
【0076】なお、バネ手段として、本例では座金を例
示したが、図11に示すように、第1のスペーサ13A
を案内する軸31と、スプリング32とからなる付勢具
とすることでも良い。
【0077】さらに本発明の遊星歯車装置においては、
前記実施例の他、電動機Mを用いない所謂減速、増速装
置とし、またフランジ型に変えて脚付とし、さらには1
又は3以上の遊星変速段を用いることもできる。また、
出力側の遊星キャリア体6bの出力側のキャリア4oB
を出力軸と一体に製作し、かつブラケットをボルト、ネ
ジを用いて固定するなど、本発明の装置は種々変形しう
る。
【0078】
【発明の効果】このように、本発明の遊星歯車装置は、
内歯車として、プレス抜きされた内歯部を有するプレス
抜き板の打抜き積層体を用いているために、生産が能率
化でき安価となしうる他、必要な強さに応じて積重ね枚
数を変更し内歯車の強度をも調整しうるとともに、打抜
き積層体からなるリング状をなすため、同厚さの一体品
の場合と較べて半径方向の剛性が低下し、半径方向への
可撓性を高め、遊星歯車と内歯車との歯当たりの向上に
も役立つ。
【0079】又、プレス抜き板は、ブランクの雌型への
打込みに際して外縁が円弧にぬすみ状に変形するぬきだ
れは、プレス抜き板が重なって隣り合うプレス抜き板と
の間に小さな凹部を形成し、この凹部が潤滑油、グリー
ス溜りとなって潤滑材の持ちを良好とし、歯車の耐久性
の向上に役立つことも出来る。
【0080】さらに、凸状の錐部を有する嵌合凸部と、
凹状の錐部を有する嵌合凹所との位置ずれ可能な嵌合に
よる位相合わせ嵌合部を用いることにより、プレス抜き
板の内歯部の並び、位相を揃えることが容易とし、か
つ、遊星歯車に偏った負荷が作用したときには、互いの
錐部に沿って半径方向に微小量位置ずれしうる結果、前
記プレス抜き板の撓みと相俟って遊星歯車の偏負荷に追
従でき各遊星歯車への荷重等配を可能とする。
【0081】しかも、プレス抜き板は、その外周面とハ
ウジング部材の内周面との間の間隙に配置した防振材を
介して取り付けられているために、内歯車に周方向、半
径方向の緩衝機能を付与でき、前記プレス抜き板の位置
ずれに際しての衝撃、振動を緩和し、又偏った負荷の吸
収、緩和にも役立し、低騒音化を図りうる。
【0082】又、請求項2の発明ではプレス抜き板の位
置ずれは、ハウジング部材に設けた凹状の錐部、凸状の
錐部が離間することによって円滑に許容でき、しかも凹
状の錐部、凸状の錐部は互いに接近する向きに付勢され
ている結果、負荷の減少とともにプレス抜き板を積層す
る向きに付勢して位置ずれを自動修正しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】その要部を示す分解斜視図である。
【図4】内歯車とスペーサと防振材との組立状態を例示
する断面図である。
【図5】プレス抜き板を例示する正面図である。
【図6】その断面図である。
【図7】プレス抜き板のずれを説明する断面図である。
【図8】位相合わせ嵌合部の他の実施例を示す断面図で
ある。
【図9】位相合わせ嵌合部の他の実施例を示す断面図で
ある。
【図10】位相合わせ嵌合部の他の実施例を示す断面図
である。
【図11】本発明の他の実施例を説明する部分断面図で
ある。
【図12】本発明の他の実施例を説明する断面図であ
る。
【図13】従来の等配機構を説明する断面図である。
【図14】従来の等配機構を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 遊星歯車装置 2、2i、2o 太陽歯車 3、3i、3o 内歯車 4、4iA、4iB、4oA、4oB キャリア 5、5i、5o 遊星歯車 6、6i、6o 遊星キャリア体 7 ハウジング部材 9 プレス抜き板 10 位相合わせ嵌合部 10A 嵌入突起 10B 嵌入凹所 10C 嵌入突起 10D 嵌入凹所 11 入力軸 12 出力軸 13、13A、13B スペーサ 17 防振材 Ui、Uo 遊星変速段 T1 凸状の錐部 T2 凹状の錐部 W、W2 座金

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】太陽歯車と、この太陽歯車を囲む内歯車
    と、キャリアに前記太陽歯車、内歯車に噛合う遊星歯車
    を回転自在かつ一体に支持させた遊星キャリア体とから
    なる遊星変速段を筒状のハウジング部材内に組込む遊星
    歯車装置であって、 前記内歯車は、内歯部をプレス抜きされたリング状のプ
    レス抜き板を積層した打抜き積層体からなり、 前記プレス抜き板には、その一面に設けた凸状の錐部を
    有する嵌入突起と、この凸状の錐部が嵌合できかつ他面
    に設けた凹状の錐部を有する嵌入凹所とからなり、しか
    も積層により隣り合うプレス抜き板の前記凸状の錐部
    と、凹状の錐部との嵌合によって、ずれ可能に内歯部が
    位相合わせされる位相合わせ嵌合部を形成するととも
    に、 前記プレス抜き板の外周面と前記ハウジング部材の内周
    面との間に間隙を設け、かつこの間隙に、防振材を配し
    たことを特徴とする遊星歯車装置。
  2. 【請求項2】前記打抜き積層体は、両外側に位置するプ
    レス打抜き板の各外側の面の凸状の錐部及び凹状の錐部
    を、前記ハウジング部材に設けられかつ接近する向きに
    付勢された離間可能な凹状の錐部及び凸状の錐部にそれ
    ぞれ嵌合させてなる請求項1記載の遊星歯車装置。
  3. 【請求項3】前記プレス抜き板は、少なくとも外周面の
    一縁に、面取り部を具えるとともに、前記防振材は、重
    なるプレス抜き板の前記面取り部により形成される周方
    向の取付け溝に嵌入されるOリングである請求項1乃至
    2記載の遊星歯車装置。
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