JPH08297026A - 上部旋回式建設機械のピッチング制振装置 - Google Patents

上部旋回式建設機械のピッチング制振装置

Info

Publication number
JPH08297026A
JPH08297026A JP7127293A JP12729395A JPH08297026A JP H08297026 A JPH08297026 A JP H08297026A JP 7127293 A JP7127293 A JP 7127293A JP 12729395 A JP12729395 A JP 12729395A JP H08297026 A JPH08297026 A JP H08297026A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pitching
gyro
rotation speed
hydraulic motor
rotating body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7127293A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Ito
光一郎 伊藤
Seiuemon Kajikawa
政右衛門 梶川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP7127293A priority Critical patent/JPH08297026A/ja
Priority to TW085103854A priority patent/TW328554B/zh
Priority to PCT/JP1996/001130 priority patent/WO1996034154A1/ja
Priority to KR1019960013230A priority patent/KR960037996A/ko
Publication of JPH08297026A publication Critical patent/JPH08297026A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
    • E02F9/00Component parts of dredgers or soil-shifting machines, not restricted to one of the kinds covered by groups E02F3/00 - E02F7/00
    • E02F9/08Superstructures; Supports for superstructures
    • E02F9/10Supports for movable superstructures mounted on travelling or walking gears or on other superstructures
    • E02F9/12Slewing or traversing gears
    • E02F9/121Turntables, i.e. structure rotatable about 360°
    • E02F9/123Drives or control devices specially adapted therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G21/00Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces
    • B60G21/08Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces characterised by use of gyroscopes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/02Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
  • Machine Tool Units (AREA)
  • Sawing (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 車体全体を大型化することなくピッチングを
抑えることができると共に、効果的な制振作用が得ら
れ、また整備性も損なわれない上部旋回式建設機械のピ
ッチング制振用ジャイロスタビライザ装置を提供する。 【構成】 下部走行体3上に旋回軸Sを中心にして水平
に旋回自在な上部旋回体2と、上部旋回体2の前方にモ
ーメントが掛かるように取着された作業機とを有する上
部旋回式建設機械1において、大きな慣性モーメントを
有し、かつ駆動モータ12によってジャイロ軸J回りに
高速回転している回転体11と、回転体11のジャイロ
軸Jに直交するプリセッション軸Pの回りに回転体11
を揺動自在に支持する支持部材13とを備えたジャイロ
スタビライザ10を上部旋回体2上に取着し、かつ、ジ
ャイロ軸J及びプリセッション軸Pのいずれか一方を前
記旋回軸Sと平行にすると共に、他の一方を上部旋回体
2の前後方向と平行に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上部旋回式建設機械の
ピッチングを制振するために適用されるジャイロスタビ
ライザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設機械の車体上に旋回軸の回りに旋回
自在な上部旋回体を有すると共に、上部旋回体に作業機
を備えている、例えば油圧ショベルや移動式クレーン等
のいわゆる上部旋回式建設機械が、市場で多く使用され
ている。このような上部旋回式建設機械においては、作
業機による作業時に上部旋回体の前方にモーメントが掛
かり、これによって前後方向の振れ、すなわちピッチン
グが発生する。この様子を油圧ショベルを例にとって説
明すると、油圧ショベルは、通常図33に示すような構
成となっている。この図において、油圧ショベル1は下
部走行体3上に旋回自在な上部旋回体2を有し、上部旋
回体2の前端側に鉛直面内に揺動可能なブーム4を備え
ている。また、ブーム4の先端にアーム5を、さらにア
ーム5の先端にバケット6をそれぞれ鉛直面内に揺動可
能なように備えている。そして、油圧ショベル1で掘削
作業時には、オペレータは上記ブーム4、アーム5及び
バケット6の各作業機操作レバーを操作して作業機を駆
動する。このとき、掘削作業に伴って作業機を鉛直方向
に揺動したり停止させたりするので、車体全体がピッチ
ングの振動をする。このピッチングは図33の矢印Bで
示すように、旋回軸Sが地表面と交わった点Cを支点に
し、作業機の向いている上部旋回体2の前後方向に振動
する。
【0003】このような車体の振動は、オペレータにと
って乗り心地が悪いばかりでなく作業機を操作しにくい
ので、作業性が良くなく疲労し易い。また、振動によっ
て車体各部品の取り付け部の緩み、磨耗等を招き易いと
いう問題がある。従来は、このピッチングを小さくする
ために、上部旋回体2の後端部にカウンタウェイト7を
設け、ピッチングに対する車体の慣性イナーシャを大き
くしている。従って、ピッチングをできるだけ抑えるに
はカウンタウェイト7の重量が大きいほど良い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カウン
タウェイト7の重量を大きくすると、旋回駆動用の油圧
モータや油圧ポンプ等の出力も大きくしなければなら
ず、これに伴い各部品が大型化して車体全体が大型にな
り、高価なものとなる。また、油圧ショベルにおいては
後方の重量が大きくなり、バケット刃先の掘削力が減少
したり、後方転倒の危険性が増加する等の問題が生じ
る。本発明は、上記課題を解決するために、車体全体を
大型化することなくピッチングを抑えることができると
共に、効果的な制振作用が得られ、また整備性も損なわ
れない上部旋回式建設機械のピッチング制振装置を提供
することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係わる上部旋回式建設機械のピッチング制
振装置は、下部走行体3上に旋回軸Sを中心にして水平
に旋回自在な上部旋回体2と、上部旋回体2にモーメン
トが掛かるように取着された作業機とを有する上部旋回
式建設機械1において、大きな慣性モーメントを有し、
かつ駆動モータ12によってジャイロ軸J回りに高速回
転している回転体11と、回転体11のジャイロ軸Jに
直交するプリセッション軸Pの回りに回転体11を揺動
自在に支持する支持部材13とを備えたジャイロスタビ
ライザ10を上部旋回体2上に取着し、かつ、ジャイロ
軸J及びプリセッション軸Pのいずれか一方を前記旋回
軸Sと平行にすると共に、他の一方を上部旋回体2の作
業機モーメント軸方向と平行に配置している。
【0006】また、ジャイロモーメントの旋回成分及び
左右方向(いわゆる、ローリング)成分をキャンセルし
てピッチングの制振に係わるモーメントのみを生かすこ
とにより、効果的な制振モーメントが得られる。よっ
て、上記の上部旋回式建設機械のピッチング制振装置に
おいて、 前記ジャイロスタビライザ10は少なくとも
2個以上設け、その中の少なくとも1個のジャイロスタ
ビライザ10の回転体11は、ジャイロ軸J回りの回転
方向を他の回転体11と反対方向に回転させても良い。
【0007】ジャイロスタビライザ装置が持っている大
きな質量(慣性モーメント)は、カウンタウェイトの一
部として利用することができる。よって、上記の上部旋
回式建設機械のピッチング制振装置において、ジャイロ
スタビライザ10は、旋回軸Sから後方の上部旋回体2
上に設けた方が良い。さらに、小型のジャイロスタビラ
イザ装置を少なくとも2個以上分散して使用し、車体後
方の視界性を得るようにしても良い。よって、上記ジャ
イロスタビライザ10を2個以上設けたときは、ジャイ
ロスタビライザ10は、旋回軸Sから後方で、かつ上部
旋回体2の側端部又は後端部に設けた方が望ましい。
【0008】また、制御目標値に近づくようにプリセッ
ション軸回りの角速度をアクティブに制御すると、より
安定的に制振することができる。よって、上記の上部旋
回式建設機械のピッチング制振装置において、前記ジャ
イロスタビライザ10の支持部材13に取着され、ピッ
チング角速度を検出するピッチング角速度検出器16
と、前記回転体11のプリセッション軸P回りの回転角
度を検出するプリセッション角度検出器15と、ピッチ
ング角速度検出器16が検出したピッチング角速度とプ
リセッション角度検出器15が検出したプリセッション
角度とを入力し、このピッチング角速度、ピッチング角
速度の微分値及びピッチング角速度の積分値の内の少な
くとも一つ以上から求められるプリセッション軸回転角
速度の指令値を演算すると共に、入力した前記プリセッ
ション角度が予め決められた所定の大きさの許容最大値
より小さいときは前記演算された値のプリセッション軸
回転角速度指令を出力する演算装置20と、このプリセ
ッション軸回転角速度指令に基づいて、動力信号を出力
するモータ駆動装置30と、この動力信号によってプリ
セッション軸Pの回りに回転体11を回転させるプリセ
ッション軸駆動モータ14とを付設しても良い。
【0009】また、上記のプリセッション軸回りの角速
度をアクティブに制御するとき、その角速度をフィード
バック制御によって精度良く制御した方が、安定したジ
ャイロモーメントを得ることができる。よって、上記の
上部旋回式建設機械のピッチング制振装置は、前記回転
体11のプリセッション軸P回りの回転速度を検出する
回転速度検出器(19)と、前記演算装置20からのプリセ
ッション軸回転角速度指令と回転速度検出器(19)からの
回転速度とを比較し、この偏差が小さくなるようなプリ
セッション軸駆動モータ14の動力信号を出力するモー
タ駆動装置30とを備えた方が好ましい。
【0010】また、ジャイロスタビライザ装置に使用す
る回転体自転用の油圧モータへの圧油供給を一時的に停
止して、この分を他の作業機や走行の油圧アクチュエー
タへ供給することによって、一時的な負荷の増加に対応
できる。よって、上記の上部旋回式建設機械のピッチン
グ制振装置は、前記駆動モータ12が油圧モータ12a
であるピッチング制振装置であって、この油圧モータ1
2aと前記回転体11の間に加設されたクラッチ40
と、作業機用又は走行用のアクチュエータ66と、アク
チュエータ66の負荷状態を表す信号を出力する運転状
態入力手段41と、油圧ポンプ33から吐出される圧油
を油圧モータ12aに供給するか否かを切り換える方向
切換弁42と、運転状態入力手段41から入力された前
記負荷状態を表す信号によって、少なくともアクチュエ
ータ66の出力の増加が必要と判断したときに、クラッ
チ40に切断指令を出力すると共に、油圧ポンプ33か
らの圧油をタンクへ、あるいは、油圧ポンプ33からの
圧油をアクチュエータ66へ切り換えるように方向切換
弁42に指令を出力する演算装置50とを備えた方が好
ましい。
【0011】また、上記のように油圧モータへの圧油供
給を一時的に停止してジャイロスタビライザを惰性運転
させるときには、その回転数を検出して監視して所定の
範囲以内の入るようにすると、ジャイロモーメントの大
きさを安定させることができる。よって、上記の上部旋
回式建設機械のピッチング制振装置は、前記回転体11
に取着され、回転体11の回転速度を検出する回転速度
検出器55と、前記クラッチ40の切断状態で、かつ回
転速度検出器55から入力された回転速度が予め決めら
れた所定の最小回転速度より小さいときは、クラッチ4
0に接続指令を出力して回転体11の回転を加速させ、
また前記回転速度が予め決められた所定の最大回転速度
より大きいときは、クラッチ40に切断指令を出力して
回転体11を惰性回転させる演算装置50とを備えた方
が望ましい。
【0012】また、前述のジャイロスタビライザ装置に
使用する回転体自転用の油圧モータを一時的に油圧ポン
プとして使用し、これをメインのポンプの補助的なもの
に利用すると、他の作業機や走行の油圧アクチュエータ
からの一時的な負荷の増加に容易に対応し易い。よっ
て、上記の上部旋回式建設機械のピッチング制振装置
は、前記駆動モータ12が油圧モータ12aであるピッ
チング制振装置であって、作業機用又は走行用のアクチ
ュエータ66と、アクチュエータ66の負荷状態を表す
信号を出力する運転状態入力手段41と、油圧ポンプ3
3から吐出される圧油を油圧モータ12aに供給する
か、あるいは、油圧モータ12aが駆動されるときに生
じる圧油をアクチュエータ66に供給するかのいずれか
に切り換える方向切換弁43と、運転状態入力手段41
から入力された前記負荷状態を表す信号によって、少な
くともアクチュエータ66の出力の増加を必要と判断し
たときに、油圧モータ12aが駆動されるときに生じる
圧油をアクチュエータ66に供給するように方向切換弁
43に指令を出力する演算装置50とを備えた方が望ま
しい。
【0013】また、上記ジャイロスタビライザ装置に使
用する回転体自転用の油圧モータを油圧ポンプとして使
用する場合も、この回転体の回転速度が所定の範囲を越
えたときは、その回転数を検出して監視して所定の範囲
以内に入るようにすると、ジャイロモーメントの大きさ
を安定させることができる。よって、上記の上部旋回式
建設機械のピッチング制振装置は、前記油圧モータ12
aと前記回転体11の間に加設されたクラッチ40と、
回転体11に取着され、回転体11の回転速度を検出す
る回転速度検出器55と、回転体11によって油圧モー
タ12aが駆動されているとき、かつ回転速度検出器5
5から入力された回転速度が予め決められた所定の最小
回転速度より小さいとき、あるいは、前記回転速度が予
め決められた所定の最大回転速度より大きいときは、回
転体11を惰性回転させるようにクラッチ40に切断指
令を出力する演算装置50とを備えた方が好ましい。
【0014】さらに、上記回転体自転用の油圧モータと
して、斜板又は斜軸の傾斜角を変更することによって回
転速度を制御できる油圧モータを使用すると、精度良く
回転速度を一定に制御でき、ジャイロモーメントの大き
さを安定させることができる。よって、上記の上部旋回
式建設機械のピッチング制振装置は、前記油圧モータ1
2a又は前記駆動モータ12がその斜板又は斜軸の傾斜
角を変更することによってその回転速度を制御できる油
圧モータ12bであるピッチング制振装置であって、前
記回転体11に取着され、回転体11の回転速度を検出
する回転速度検出器55と、回転速度検出器55から入
力された回転速度が予め決められた所定の最大回転速度
より大きくなったときは、前記回転速度がこの最大回転
速度を越えないように、油圧モータ12bの斜板又は斜
軸の傾斜角を制御する指令を出力する演算装置50とを
備えた方が好ましい。
【0015】また、上記回転体自転用の油圧モータとし
て、斜板又は斜軸の傾斜角を変更することによって回転
速度を制御できる油圧モータを使用し、かつこれを一時
的に油圧ポンプに利用する場合、上記斜板又は斜軸の傾
斜角を制御してこの油圧モータからの吐出量が一定にな
るように制御した方が良い。よって、上記の上部旋回式
建設機械のピッチング制振装置は、前記油圧モータ12
aがその斜板又は斜軸の傾斜角を変更することによって
回転速度を制御できる油圧モータ12bであるピッチン
グ制振装置であって、前記回転体11に取着され、回転
体11の回転速度を検出する回転速度検出器55と、回
転体11の惰性回転により駆動された油圧モータ12b
が圧油を吐出しているとき、油圧モータ12bからの吐
出量が一定になるように、回転速度検出器55より入力
した回転速度の変化に対応して油圧モータ12bの斜板
又は斜軸の傾斜角を制御する指令を出力する演算装置5
0とを備えた方が好ましい。
【0016】また、上記の上部旋回式建設機械のピッチ
ング制振装置において、前記回転体11又は前記駆動モ
ータ12は、前記ジャイロスタビライザ10の構成機器
と異なった、大きな慣性モーメントを有して高速回転し
ている建設機械搭載機器60であっても良い。
【0017】また、上記の上部旋回式建設機械のピッチ
ング制振装置において、前記建設機械搭載機器60はエ
ンジン63であっても良い。
【0018】
【作用】ジャイロスタビライザ装置を上部旋回体上に設
け、そのジャイロ軸及びプリセッション軸に直交する軸
が上部旋回体のピッチング軸と平行になるようにジャイ
ロスタビライザ装置の支持部材を取着する。建設機械の
ピッチングにより生じる外力モーメントがジャイロ軸を
ピッチング軸回りに回転させると、ジャイロ効果により
プリセッション軸回りにジャイロスタビライザの回転体
が回転させられる。さらに、このプリセッション軸回り
の回転体の回転によって、ピッチング軸回りに上記外力
モーメントと逆方向にこれと釣り合うようなジャイロモ
ーメントが受動的に発生する。このジャイロモーメント
が、ピッチングを抑えるように作用する。
【0019】複数個のジャイロスタビライザ装置を配置
し、この内の少なくとも一個以上のジャイロスタビライ
ザ装置の回転体の自転方向を他と反対にすると、それぞ
れのジャイロモーメントのピッチング方向以外の成分を
お互いに打ち消し合うようにできる。このとき、ピッチ
ングを制振する方向のそれぞれのモーメントを合成した
モーメントだけが作用し、効果的な制振が可能となる。
【0020】また、大きな質量を有するジャイロスタビ
ライザ部を旋回軸より後部の上部旋回体上に配置する
と、カウンタウェイトの一部として利用できるので、車
体全体の重量を軽量化でき、全体として小型化できる。
特にカウンタウェイトの近傍に設けると、その効果も大
きくなり、また車体後部からの整備性も良い。さらに、
ジャイロスタビライザ装置を複数個の小型なジャイロス
タビライザを使用して構成し、これらを分散して上部旋
回体の後端部及び後部側面端部に配置すると、車体後方
の視界性を損なうことが無く、また側面及び後部からの
整備性も改善される。
【0021】また、ジャイロスタビライザ装置のプリセ
ッション軸を駆動モータで回転させると、これにより前
述と同様にジャイロモーメントがジャイロ軸及びプリセ
ッション軸に直交する軸の回りに発生する。このよう
に、アクティブにジャイロモーメントを発生させてアク
ティブにピッチングを制振することができる。このとき
は、プリセッション軸角速度を制御して、ピッチング角
度、ピッチング角速度及びピッチング角加速度等が所定
の制御目標値になるように最適なジャイロモーメントを
発生できるので、ピッチングをより効果的に制振するこ
とができる。プリセッション軸角速度を制御する際、プ
リセッション角度が所定値以上になったら、この角速度
制御を停止する。これにより、作業中に旋回方向のジャ
イロモーメントによって上部旋回体が大きく旋回するこ
とを防止する。
【0022】回転体の自転用駆動モータとして油圧モー
タを使用するとき、回転体と駆動モータ間にクラッチを
設け、かつ油圧モータへの圧油の供給又は供給停止を切
り換える方向切換弁を設ける。建設機械の作業機や走行
の一時的な出力増加の要求があったら、上記油圧モータ
への圧油の供給を停止し、この分の油量を作業機や走行
の方へ供給する。これにより、作業機や走行の一時的な
出力増加が可能となり、作業を効率的に行うことができ
る。尚、このとき、クラッチを切断すると上記回転体は
惰性運転で角運動量を維持できるので、この角運動量で
ジャイロモーメントを発生させ、これによるピッチング
の制振が可能となる。
【0023】また、回転体の自転用油圧モータへの圧油
の供給方向を正方向又は逆方向に切り換える方向切換弁
を設け、上記油圧モータが圧油を供給されてモータとし
て回転中に上記方向切換弁を逆方向に切り換える。する
と、この油圧モータはフライホイール効果で回転体に蓄
積されたエネルギーによって惰性回転を継続し、タンク
から油を吸引し、それを圧油として吐出するようにな
る。このとき、この油圧モータは油圧ポンプとして作用
している。よって、前述のように建設機械の作業機や走
行の一時的な出力増加の要求があったとき、油圧モータ
をメインポンプの補助的なポンプとして使用して上記一
時的な出力増加の要求に対してさらに効果的に対応でき
る。
【0024】上記回転体の惰性運転中又は上記油圧ポン
プモードで運転中に、回転体の回転速度が所定値以下に
なったとき、これらのモード運転を解除して通常の油圧
モータによる加速運転を行なう。これにより、回転体の
回転速度が低下してピッチングの制振能力が低下するこ
とを防止できる。また、回転体の回転速度が所定値以上
になったときは、回転体の惰性運転を行なって回転体の
回転速度がそれ以上上がらないようにする。よって、回
転体の角運動量を一定に維持できる。この結果、ジャイ
ロモーメントが回転体の速度変化によって受ける影響が
小さくなり、ピッチングを安定的に制振できる。また、
回転速度が所定値以上になり機器が損傷するのを防止で
きる。
【0025】さらに、回転体の自転用油圧モータとして
その斜板や斜軸を制御できる油圧モータを用いると、斜
板や斜軸を制御することによって回転体の回転速度をよ
り精度良く安定させることができる。よって、ジャイロ
モーメントが回転体の速度変化によって受ける影響を小
さくでき、この結果ピッチングをさらに安定的に制振で
きる。また、同じく斜板や斜軸を制御できる油圧モータ
を油圧ポンプモードで使用するとき、回転体の回転速度
の変化に伴って上記斜板や斜軸を制御すると、そのポン
プの吐出量を一定にすることができる。よって、回転体
の回転速度の変化が上記ポンプの吐出量に与える影響を
無くすことができる。したがって、油圧ポンプモードで
使用しても作業機や走行の速度安定性が良い。
【0026】また、プリセッション軸の角速度指令をピ
ッチング角加速度の大きさに比例定数を掛けて演算で求
めるような制御アルゴリズムにおいて、回転体の回転速
度の変化によってジャイロモーメントの大きさが影響を
受けないように、上記比例定数の大きさを回転体の回転
速度の変化に対応して補正する。この結果、発生するジ
ャイロモーメントを精度良く制御できるので、ピッチン
グの制振効果がさらに向上する。
【0027】通常高速回転で使用されている建設機械搭
載の電気機器や制御機器及び他の回転機器等をジャイロ
スタビライザとして利用することにより、搭載する機器
の数を減少することができるので、車体の軽量化や整備
性向上を図れる。
【0028】
【実施例】以下に、図を参照しながら油圧ショベルの例
を用いて実施例を説明するが、他の上部旋回式建設機械
の場合でも作用及び効果は同じである。また、以下の油
圧ショベルの図では履帯式の下部走行体を示している
が、ホイール式走行体であっても良い。第一実施例から
第四実施例は、ジャイロスタビライザの自転軸がその軸
に垂直な軸の回りにモーメントを受けると、それと釣り
合うようなモーメント(いわゆる、ジャイロモーメン
ト)がパッシブに発生するので、そのパッシブなジャイ
ロモーメントを利用してピッチングを抑える例を示して
いる。まず、図1から図3に基づいて第一実施例を説明
する。図1及び図2はそれぞれ、上部旋回体2上にジャ
イロスタビライザ10を備えた油圧ショベル1の側面図
及び平面図を表している。本実施例では、1個のジャイ
ロスタビライザ10を備えており、そのジャイロ軸Jは
旋回軸Sと平行になっている。
【0029】図3は、ジャイロスタビライザ10の詳細
を表した斜視図である。図3において、回転体11は大
きな慣性モーメントを持っており、駆動モータ12によ
ってジャイロ軸Jの回りに高速回転している。また回転
体11は、ジャイロ軸Jに直交する軸P(以後、プリセ
ッション軸と呼ぶ)の回りに回転自在なように支持部材
13によって支持されている。いま、外力によってモー
メントMが生じ、ジャイロ軸J及びプリセッション軸P
に直交した軸Qの回りにジャイロ軸Jが角速度ωq で回
転させられたとする。このとき、ジャイロモーメントM
J は、回転体11の持つ角運動量及び角速度ωq の積に
比例した大きさで、かつ上記モーメントMと逆方向に発
生する。
【0030】図1及び図2に示すように、本実施例では
ジャイロ軸Jが旋回軸Sと平行になり、かつプリセッシ
ョン軸Pが旋回軸Sと直交するように、ジャイロスタビ
ライザ10の支持部材13を上部旋回体2に取着してい
る。このとき、ジャイロモーメントMJ が発生する軸Q
は、上部旋回体2及び作業機の長手方向に対して直交す
る水平な軸(以後、ピッチング軸と呼ぶ)と平行にな
る。図示されたBの方向に油圧ショベル1がピッチング
すると、ジャイロ軸JにモーメントMが作用し、ジャイ
ロ軸Jが軸Qの回りに回転するので、このモーメントM
と釣り合うジャイロモーメントMJ が逆方向に発生す
る。このジャイロモーメントMJ によって、油圧ショベ
ル1のピッチングを制振することができる。尚、プリセ
ッション軸に適当なバネ要素とダンパー要素(共に図示
せず)を設けることにより、さらに有効にピッチングを
制振できる。
【0031】またジャイロスタビライザ10は、ジャイ
ロ軸Jが旋回軸Sと直交し、かつプリセッション軸Pが
旋回軸Sと平行になるように、その支持部材13を上部
旋回体2に取着されても良い。図4及び図5にはこの実
施例を示しており、前記実施例に対してジャイロスタビ
ライザ10の取着方向のみが異なっている。この取着方
向のときでも、軸Qはピッチング軸と平行になり、図6
に示すように、ジャイロ軸Jに作用するモーメントMと
釣り合うジャイロモーメントMJ が軸Qの回りに逆方向
に発生するのは前記と同様である。したがって、ジャイ
ロモーメントMJ によって、油圧ショベル1のピッチン
グを制振することができる。
【0032】次に、第二実施例において、複数個のジャ
イロスタビライザを上部旋回体2に設ける場合を説明す
る。まず、2個のジャイロスタビライザを設ける例を説
明するが、図7はその油圧ショベル1の平面図を表し、
図8は2個のジャイロスタビライザ10の説明図であ
る。この実施例では2個のジャイロスタビライザ10
は、それぞれのジャイロ軸Jが旋回軸Sと平行になり、
かつそれぞれの軸Qがピッチング軸と平行になるよう
に、その支持部材13を上部旋回体2に取着される。こ
のとき、2つのプリセッション軸Pは互いに平行とな
り、かつ旋回軸Sと直交する。
【0033】2個のジャイロスタビライザ10は、前述
同様にそれぞれ各ジャイロ軸J回りに高速回転する回転
体11とこれを駆動するモータ12を有し、この回転体
11はそれぞれ各プリセッション軸Pの回りに回転自在
なように支持部材13によって支持されている。ここ
で、2つの回転体11の各ジャイロ軸J回りの回転方向
はお互いに逆にする。このとき、ピッチングによってそ
れぞれのジャイロ軸Jに軸Q回りのモーメントMが作用
すると、2つの回転体11はそれぞれのプリセッション
軸Pの回りにお互いに逆方向にプリセッションされる。
そして、それぞれのジャイロモーメントMJ1及びMJ2を
合成したモーメントが上記モーメントMに釣り合うよう
に、MJ1及びMJ2が発生する。上述のように2つの回転
体11がお互いに逆方向にプリセッションされるので、
ジャイロモーメントMJ1及びMJ2のピッチング方向以外
の成分はお互いに打ち消し合って、ピッチングを制振す
る方向のモーメントが残る。
【0034】上記の如く、2個のジャイロスタビライザ
10を設けても、ピッチングを制振できる。このとき、
それぞれの回転体11の各ジャイロ軸J回りの回転方向
をお互いに逆にした方が、よりピッチングの制振効果が
大きくなる。尚、2個のジャイロスタビライザ10を、
第一実施例の図4で示した例と同様に、それぞれのプリ
セッション軸Pが旋回軸Sと平行になり、かつそれぞれ
の軸Qがピッチング軸と平行になるように、支持部材1
3を上部旋回体2に取着しても良い。このとき、2つの
ジャイロ軸Jは互いに平行となり、かつ旋回軸Sと直交
する。この場合の作用及び効果は、上記と変わらない。
【0035】また、3個以上のジャイロスタビライザを
上部旋回体2に設けることもできる。ジャイロスタビラ
イザを取着する方向は、上述の2個の場合と同様に2通
りの方向が有り、それぞれのジャイロ軸Jを旋回軸Sと
平行にしても、又はそれぞれのプリセッション軸Pを旋
回軸Sと平行にしても良い。このときの作用及び効果
も、上記同様で変わらない。さらに、複数個の回転体1
1の内の1個以上を、他と逆の方向に各ジャイロ軸J回
りに回転させると、上述同様プリセッション時に発生す
る各ジャイロモーメントMJ のピッチング方向以外の成
分をお互いに打ち消すことができるので、ピッチングの
制振効果をより大きくできる。
【0036】次に、第3実施例を図9から図12に基づ
いて説明する。前述のように、大きなジャイロモーメン
トを発生するには、ジャイロスタビライザは大きな角運
動量を持っていることが必要であり、このために比較的
大きな慣性モーメントを持つ回転体を高速回転させてい
る。よって、建設機械のピッチングを制振できるような
ジャイロスタビライザは比較的大きな質量を有してい
る。本実施例は、この大きな質量をカウンタウェイトの
一部として利用する例を示している。図9及び図10
は、ジャイロスタビライザの設置可能範囲を示してお
り、それぞれ油圧ショベル1の側面図及び平面図を表し
ている。ここで、設置可能範囲Rは斜線で縁取りされた
領域で示されており、旋回軸Sより後部の上部旋回体2
の部分である。ジャイロスタビライザをカウンタウェイ
トの一部として利用する場合は、この設置可能範囲Rの
中のなるべくカウンタウェイト7に近い後部にジャイロ
スタビライザを設けた方が効果が大きくなる。
【0037】図11及び図12は、上記の理由に基づい
て、一個のジャイロスタビライザ10をカウンタウェイ
ト7に近い後部に設けた実施例を示しており、それぞれ
その側面図及び平面図を表している。図にはジャイロス
タビライザ10のジャイロ軸Jを旋回軸Sに平行にした
場合を示しているが、これに限定するものではなく、前
実施例で示したような、プリセッション軸Pを旋回軸S
に平行にした場合でも作用及び効果は同じである。ジャ
イロスタビライザ10をこのように配置すると、カウン
タウェイト7を軽量化することができるので車体全体の
軽量化を図れると共に、後方から近く配置されるので整
備性も改善される。
【0038】第四実施例は、ジャイロスタビライザを上
部旋回体の後部に設けたことによる車体後方の視界性悪
化を無くし、視界性を改善する例を示す。図13及び図
14は、それぞれ本実施例の側面図及び平面図を表して
いる。この図において、小型なジャイロスタビライザ1
0を2個設けると同時に、この2個を上部旋回体2の後
部の側面端部に分けて取着している。このとき、ジャイ
ロスタビライザ10を取着する方向はこれまでの説明と
同様の方向で良く、作用も同様である。また、3個以上
の小型なジャイロスタビライザ10を設けるときは、そ
れぞれを上記同様に上部旋回体2の後部近傍及び後部側
面端部に分けて取着しても良い。
【0039】1個のジャイロスタビライザだけでピッチ
ングを制振するには前述のごとくそれが大型になる傾向
があるので、その配置によって車体後方の視界性が悪化
することが多い。これを解決するために、上記のごと
く、1個のジャイロスタビライザを複数個のより小型な
ジャイロスタビライザに代用させて配置すると共に、こ
れらによって合成されるジャイロモーメントが等価的に
1個の場合のジャイロモーメントと同等になるように分
散させることができる。この結果、上部旋回体2の上部
の出っ張りが小さくなり、また各ジャイロスタビライザ
間から後方の視野を確保できるので、車体後方の視界性
が改善される。
【0040】また、複数個の小型なジャイロスタビライ
ザ10を車体後方のカウンタウェイト7近傍及び後部側
面端部に分散して設けたので、前述同様に車体全体の軽
量化を図れると共に、後方及び側面からの整備性も改善
される。
【0041】次に、第五実施例を図15から図24に基
づいて説明する。第五実施例は、ジャイロスタビライザ
のプリセッション軸の角速度を制御し、ピッチングを制
振するようなジャイロモーメントをアクティブに制御す
る場合を示している。図15はこの場合のジャイロスタ
ビライザ部を表しており、また図16はそのときのプリ
セッション軸を制御するための制御構成ブロック図の一
実施例を表している。まず、図15を参照しながらジャ
イロスタビライザ部を説明する。ジャイロスタビライザ
10は前実施例と同様なのでここでの説明は省略し、こ
れまでと異なる構成を説明する。プリセッション軸駆動
モータ14はジャイロスタビライザ10の回転体11を
プリセッション軸P回りに回転駆動するもので、例えば
油圧モータや電動モータを使用することができる。ピッ
チング角速度検出器16は、ピッチングによって生じる
モーメントMがジャイロ軸Jを軸Q回りに回転させたと
きの、ジャイロ軸Jの軸Q回り回転角度θq の角速度ω
q を検出するものである。
【0042】ここで、ジャイロ効果に基づくジャイロス
タビライザ10の作動を簡単に説明すると、ジャイロ軸
Jをプリセッション軸P回りに所定の方向に角速度ωp
で回転させたとき、ジャイロ軸J及びプリセッション軸
Pに直交している軸Q回りに、数式「MJ =ωp ×I×
ωk 」で表されるジャイロモーメントMJ が上記角速度
ωp の方向に対応した方向に発生する。ここに、Iは回
転体11の慣性モーメントで、ωk は回転体11の角速
度であって、「I×ωk 」は回転体11の角運動量を表
している。したがって、回転体11の角運動量が一定の
とき、ジャイロ軸Jの上記プリセッション軸P回りに回
転する角速度ωp の大きさを制御することによって、発
生するジャイロモーメントMJ の大きさが制御可能とな
る。
【0043】本実施例は、上記のジャイロ効果に基づく
作用をピッチングのアクティブな制振に適用するもので
ある。ただし、ジャイロ軸Jのプリセッション軸P回り
の回転角度θp (以後、プリセッション角度と呼ぶ)が
90度近傍になると、言い換えるとジャイロ軸Jが水平
に近くなると、上記ジャイロモーメントMJ は水平面内
でのみ作用する。よって、ピッチングの制振効果は全く
無くなってピッチング方向以外の成分、この場合は旋回
方向(いわゆる、ヨーイング)成分だけが発生する。し
たがって、プリセッション角度を許容される所定の最大
角度以内に制御する必要がある。
【0044】以下に、図16に基づいてプリセッション
軸を制御するための制御構成を説明する。ピッチング角
速度検出器16はピッチングの角速度を検出してこの角
速度信号を演算装置20へ出力し、またプリセッション
角度検出器15はプリセッション角度を検出してこの角
度信号を演算装置20へ出力する。演算装置20は、上
記ピッチング角速度信号及びプリセッション角度信号を
基にして、回転体11をプリセッション軸P回りに回転
駆動するプリセッション軸駆動モータ14の回転指令を
演算し、この回転指令をモータ駆動装置30へ出力す
る。モータ駆動装置30は、この回転指令に基づいてプ
リセッション軸駆動モータ14の駆動動力信号を出力す
る。
【0045】次に、本実施例の具体的な構成及び作動に
ついて、図17及び図18を参照して詳細に説明する。
図17は、プリセッション軸を油圧モータによって制御
するための制御回路ブロック図の一実施例を表してい
る。本実施例では、ピッチング角速度検出器16及びプ
リセッション角度検出器15として、それぞれジャイロ
スコープ及びポテンショメータを使用しているが、これ
に限定するものではなく、機能が同等の他の検出器であ
っても良い。
【0046】演算装置20は、例えばマイクロコンピュ
ータ(以下、CPUと言う)を中枢にして構成されたマ
イクロコンピュータシステムである。CPU21は一般
的なマイクロコンピュータであって、その内部に記憶装
置、演算処理装置、実行制御装置及び入出力インターフ
ェース部等を備えている。また演算装置20はその他
に、システムプログラム等を記憶するROM22、演算
結果や制御データを記憶するRAM23、前記ジャイロ
スコープ及びポテンショメータからのアナログ信号を入
力するA/DコンバータのA/D24及びA/D25、
油圧モータ駆動用の方向切換弁31へ指令信号を出力す
るための出力レジスタ26、及びCPU21がデータ入
出力するためのバス27等から構成されている。
【0047】油圧モータ14aはジャイロ軸Jをプリセ
ッション軸P回りに回転させるためのプリセッション軸
駆動モータ14であり、方向切換弁31は油圧モータ1
4aを駆動する圧油の方向を切り換えるものである。ま
た、油圧ポンプ33は油圧モータ14aへ圧油を供給す
るもので、油圧ショベル等に搭載されている作業機及び
走行装置駆動用油圧ポンプを使用しても良い。
【0048】上記出力レジスタ26から出力されたモー
タ正回転指令S1 は方向切換弁31の操作ソレノイド3
1dに接続され、同じくモータ負回転指令S2 は方向切
換弁31の操作ソレノイド31eに接続される。モータ
正回転指令S1 及びモータ負回転指令S2 が共に出力さ
れてないときは、方向切換弁31は中立位置31bにあ
るので、油圧ポンプ33から吐出される圧油は油圧モー
タ14aに供給されず、よって油圧モータ14aは停止
している。モータ正回転指令S1 が操作ソレノイド31
dに出力されたときは、方向切換弁31が31aの位置
に切り換わり、油圧ポンプ33からの圧油は管路35を
介して油圧モータ14aの正回転側ポートに流入し、そ
の流出油は管路36を介してタンク34へドレーンされ
る。このとき、油圧モータ14aは流入する油量に比例
した所定の角速度で正回転する。また、モータ負回転指
令S2 が操作ソレノイド31eに出力されたときは、方
向切換弁31が31cの位置に切り換わり、油圧ポンプ
33からの圧油は管路36を介して油圧モータ14aの
負回転側ポートに流入し、その流出油は管路35を介し
てタンク34へドレーンされる。このとき、油圧モータ
14aは流入する油量に比例した所定の角速度で負回転
する。
【0049】プリセッション軸P回りの回転を制御して
ピッチングを安定的に抑えるには、ピッチング角θq 、
ピッチング角速度ωq 及びピッチング角加速度αq 等に
基づく予め設定された制御目標関数を最小にするような
制御出力を得ることによって可能となる。例えば、一般
的に良く知られているPID制御により、ピッチング角
θq 、ピッチング角速度ωq 及びピッチング角加速度α
q 等が所定の目標値になるように制御する方法がある。
以下に、このPID制御による一実施例を具体的に説明
するが、制御方法及びそのアルゴリズム等がこれに限定
されないことは言うまでもない。
【0050】まず、説明の簡単のためにピッチング角速
度ωq を制御対象とする場合を説明し、この場合の制御
目標は例えば「ピッチング角速度ωq =0」に設定され
ていると仮定する。図18はこの制御の一実施例を説明
するためのCPU21の演算処理フローチャートを表し
ており、以下図18を参照して制御フローを説明する。
【0051】(ステップ100)ピッチング角速度検出
器16からピッチング角速度ωq を入力し、ステップ1
01へ進む。 (ステップ101)ピッチング角速度ωq と予めメモリ
(ROM22又はRAM23)に記憶している不感帯設
定値とを比較する。この不感帯設定値は、ピッチング角
速度ωq がある程度小さい範囲のときは、プリセッショ
ン軸Pの角速度ωp の制御によるピッチングの制振は行
わないようにするためのものであり、予めピッチング角
速度の0値を含む所定の範囲に設定される。このステッ
プでは、ピッチング角速度ωq の極性が正で、かつピッ
チング角速度ωq の絶対値が不感帯設定値より大きいと
きはステップ105へ進み、そうでないときはステップ
102へ進む。
【0052】(ステップ102)ピッチング角速度ωq
と上記不感帯設定値とを比較し、ピッチング角速度ωq
の極性が負で、かつピッチング角速度ωq の絶対値が不
感帯設定値より大きいときはステップ103へ進み、そ
うでないときはステップ107へ進む。 (ステップ103)プリセッション角度検出器15から
プリセッション角度θp を入力し、このプリセッション
角度θp と予めメモリ(ROM22又はRAM23)に
記憶している許容最大値θpMAXとを比較する。この許容
最大値θpMAXは、前述したようなジャイロモーメントM
J のピッチング方向以外の成分をなるべく小さくしてピ
ッチングの制振効果を大きくするために、プリセッショ
ン角度が許容される所定角度以内に入っているかを判定
できるように設定されるものである。プリセッション角
度θp が許容最大値θpMAX以下のときはステップ104
へ進み、そうでないときはステップ107へ進む。
【0053】(ステップ104)この時点での状態は、
ピッチング角速度ωq が負の大きな値になっていて、か
つプリセッション角度θp が上記許容最大値θpMAX以下
の制御可能範囲にある状態である。よって、このステッ
プでは、ピッチング角速度ωq と反対方向にジャイロモ
ーメントMJ を発生させるように、油圧モータ14aの
負回転指令S2 を出力する。この結果、方向切換弁31
が31cの位置に切り換わり、油圧モータ14aは所定
の大きさのプリセッション軸回転角速度ωp で負回転す
る。ただし、ここでは、油圧モータ14aが負回転した
ときにジャイロモーメントMJ が負のピッチング角速度
ωq と反対方向に発生するように、各制御の極性が設定
されているものとする。この後、処理は先頭のステップ
100へ戻って以上を繰り返す。
【0054】(ステップ105)プリセッション角度検
出器15からプリセッション角度θp を入力し、このプ
リセッション角度θp と前記許容最大値θpMAXとを比較
する。プリセッション角度θp が上記許容最大値θpMAX
以下のときはステップ106へ進み、そうでないときは
ステップ107へ進む。
【0055】(ステップ106)この時点での状態は、
ピッチング角速度ωq が正の大きな値になっていて、か
つプリセッション角度θp が上記許容最大値θpMAX以下
の制御可能範囲にある状態である。よって、このステッ
プでは、ピッチング角速度ωq と反対方向にジャイロモ
ーメントMJ を発生させるように、油圧モータ14aの
正回転指令S1 を出力する。この結果、方向切換弁31
が31aの位置に切り換わり、油圧モータ14aは所定
の大きさのプリセッション軸回転角速度ωp で正回転す
る。この後、処理は先頭のステップ100へ戻って以上
を繰り返す。同じく、油圧モータ14aが正回転したと
きにジャイロモーメントMJ が正のピッチング角速度ω
q と反対方向に発生するように、各制御の極性が設定さ
れているものとする。
【0056】(ステップ107)ステップ102からこ
のステップに来たときの状態は、ピッチング角速度ωq
が前記不感帯設定値の範囲以内に入っているので、プリ
セッション軸Pの回転制御を停止する必要がある。ま
た、ステップ103又はステップ105からこのステッ
プに来たときの状態は、プリセッション角度θp が許容
最大値θpMAX以上になっているので、プリセッション軸
Pの回転制御を一時的に停止する必要がある。よってこ
のステップでは、油圧モータ14aの正回転指令S1 及
び負回転指令S2 の出力を停止する。この後、処理は先
頭のステップ100へ戻って以上を繰り返す。
【0057】上記のステップ104及び106におい
て、油圧モータ14aが回転駆動されることによりプリ
セッション軸が所定の大きさの角速度ωp で回転し、角
速度ωp に比例したジャイロモーメントMJ がピッチン
グ角速度ωq と反対方向に発生する。そして、ステップ
101及びステップ102では、ピッチング角速度ωq
が極小さい0近傍の値になるまで油圧モータ14aが回
転駆動され、0近傍の値になったらステップ107で油
圧モータ14aの回転が停止されてジャイロモーメント
MJ の発生を停止する。このようにして、以上の演算処
理フローに従って制御が行われると、ピッチング角速度
ωq を小さくする方向にジャイロモーメントMJ を発生
し、ピッチングが制振できる。
【0058】次に、プリセッション軸駆動モータ14と
して電動モータを使用する場合の一実施例を説明する。
図19に、そのプリセッション軸制御回路ブロック図を
示す。本実施例では、電動モータとして直流モータを使
用した例を上げるが、交流モータでも作用及び効果は変
わらない。ここでは、上記の油圧モータの場合の構成と
異なっている直流モータ14bと直流モータ駆動アンプ
32について説明する。直流モータ14bは、前述の油
圧モータ14aと同様にプリセッション軸の回転制御用
であり、その電機子コイルAの端子A1及びA2間に印
加される直流電圧の大きさに比例した角速度でモータが
回転するものである。ここでは、端子A1がA2に対し
て正となる電圧が印加されると直流モータ14bは正回
転し、また端子A1がA2に対して負となる電圧が印加
されると直流モータ14bは負回転するものと仮定す
る。
【0059】直流モータ駆動アンプ32は直流モータ1
4bを駆動するパワーアンプであり、演算装置20から
出力されるモータの正回転指令S1 及び負回転指令S2
の信号を入力し、この指令信号に対応した回転方向に直
流モータ14bが回転するようにモータ駆動する。演算
装置20からモータの正回転指令S1 が出力されると、
直流モータ駆動アンプ32は予め設定された角速度で直
流モータ14bが正回転するように、端子A1がA2に
対して正の所定の電圧を印加する。また、モータの負回
転指令S2 が出力されると、電動モータ駆動アンプ32
は予め設定された角速度で直流モータ14bが負回転す
るように、端子A1がA2に対して負の所定の電圧を印
加する。
【0060】さて、このような構成で直流モータ14b
を制御する場合の制御目標を前述同様に「ピッチング角
速度ωq =0」に設定したとき、CPU21の演算処理
フローチャートは上記で説明した図18と全く同じにし
ても良い。このときの、作用及び効果は変わらない。
尚、以上の制御フローの説明の中で、複数個のジャイロ
スタビライザを設けてその内の1個以上の回転体の回転
方向を他と反対方向にしている場合は、ピッチング角速
度ωq を小さくするためのプリセッション軸駆動モータ
14の回転指令の極性を考慮する必要がある。すなわ
ち、回転体の回転方向が他と反対方向であるジャイロス
タビライザに対しては、これまで説明したプリセッショ
ン軸駆動モータ14の回転指令S1 及びS2 をお互いに
逆に出力すれば良い。
【0061】次に、図16と同じ構成において、プリセ
ッション軸の角速度ωp の指令値がピッチング角加速度
αq に比例するようにプリセッション軸を制御する場合
の一実施例について説明する。この場合の制御目標は、
Kを比例定数とすると、数式「角速度ωp −K×角加速
度αq =0」で表される。このことは、以下の理由で説
明される。前述したように、ピッチングによって発生す
るモーメントMはピッチング角加速度αq に比例してお
り、一方プリセッション軸の回転制御により発生するジ
ャイロモーメントMJ は角速度ωp に比例している。し
たがって、モーメントMとジャイロモーメントMJ が比
例するように、言い換えると大きさが等しくかつ反対方
向になるように角速度ωp を制御すれば、前実施例のよ
うなピッチング角速度ωq を制御目標にした場合に比べ
てより安定的にピッチングを制振できる。
【0062】図20は、ピッチング角加速度αq に比例
するように角速度ωp を制御するための、油圧モータに
よる制御回路ブロック図の一実施例を表している。この
図で前述の図17と異なる構成について、以下に説明を
加える。D/A28は、角速度ωp の指令信号S3 を出
力するD/Aコンバーターであり、CPU21から出力
されたNビット(Nは2以上の自然数とする)のディジ
タルデータをアナログ信号に変換する。Nが大きいほ
ど、角速度ωp の制御は滑らかになる。サーボアンプ3
8は、上記角速度ωp の指令信号S3 を入力すると同時
に、油圧モータ14aの回転速度(これは、プリセッシ
ョン軸の角速度ωp に相当)信号S4を入力し、この2
つの信号の偏差が0になるように出力電流を制御するも
のである。この出力電流信号は、流量制御サーボ弁37
の操作ソレノイド37dに接続されている。
【0063】流量制御サーボ弁37はその出力する流量
を制御するもので、操作ソレノイド37dに入力された
上記サーボアンプ38の出力電流信号の大きさに比例し
てその内部にあるスプールの変位量を制御することによ
り、流量を制御する。ここで、操作ソレノイド37dの
電流信号が0のときは流量制御サーボ弁37は中立位置
37bにあって、このとき油圧ポンプ33から吐出され
た圧油は圧油入力ポートから入力され、そのまま戻りポ
ートからタンク34へドレーンされる。アクチュエータ
側の2つのポートは、それぞれ管路35及び管路36を
介して油圧モータ14aの正回転時の流入ポート及び負
回転時の流入ポートに接続されている。
【0064】油圧モータ14aにその回転速度を検出す
るモータ角速度検出器19を取着し、このモータ角速度
検出器19が出力したモータ角速度信号S4 を前記サー
ボアンプ38のフィードバック入力端子へ接続する。モ
ータ角速度検出器19は、例えばタコジェネレータやパ
ルスジェネレータ等を使用することができる。
【0065】ここで、サーボアンプ38と流量制御サー
ボ弁37と油圧モータ14aの作動について説明する。
角速度ωp の指令信号S3 は、0Vを中心にして正と負
に振れるアナログ電圧信号とする。油圧モータ14aを
正回転させるときは指令信号S3 に正の電圧信号を出力
し、負回転させるときは指令信号S3 に負の電圧信号を
出力するものと仮定する。いま、サーボアンプ38に正
の電圧信号の指令信号S3 が入力されると、この指令信
号S3 と油圧モータ14aの回転速度S4 との偏差が小
さくなるように、サーボアンプ38は流量制御サーボ弁
37の操作ソレノイド37dに電流信号を出力する。
【0066】このとき電流信号は正の電流信号となり、
流量制御サーボ弁37のスプールは37a側に電流信号
の大きさに従った変位量だけ移動する。よって、この変
位量に比例した流量の圧油が管路35を介して油圧モー
タ14aの正回転時の流入ポートに流入し、反対側のポ
ートから流出して管路36を介してタンク34にドレー
ンする。油圧モータ14aは上記流量に比例した回転速
度で正回転し、この回転速度信号(プリセッション軸の
角速度ωp に相当)S4がサーボアンプ38にフィード
バックされる。このようにして、正回転の指令信号S3
に追従して油圧モータ14aが正回転するように、油圧
モータ14aがフィードバック制御される。
【0067】反対に、サーボアンプ38に負の電圧信号
の指令信号S3 が入力されると、この指令信号S3 と油
圧モータ14aの回転速度S4 との偏差が小さくなるよ
うに、サーボアンプ38は流量制御サーボ弁37の操作
ソレノイド37dに電流信号を出力する。このとき電流
信号は負の電流信号となり、流量制御サーボ弁37のス
プールは37c側に電流信号の大きさに従った変位量だ
け移動する。よって、この変位量に比例した流量の圧油
が管路36を介して油圧モータ14aの負回転時の流入
ポートに流入し、反対側のポートから流出して管路35
を介してタンク34にドレーンする。油圧モータ14a
は上記流量に比例した回転速度で負回転し、この回転速
度信号S4がサーボアンプ38にフィードバックされ
る。このようにして、同様に負回転の指令信号S3 に追
従して油圧モータ14aが負回転するように、油圧モー
タ14aがフィードバック制御される。
【0068】上記構成による制御目標を数式「角速度ω
p −K×角加速度αq =0」で表した場合の演算処理フ
ローチャートを図21に示している。これに基づいて、
制御フローを説明する。 (ステップ110)ピッチング角速度検出器16からピ
ッチング角速度ωq を入力し、ステップ111へ進む。 (ステップ111)ピッチング角速度ωq からピッチン
グ角加速度αq を演算する。ピッチング角加速度αq を
求めるには例えば、微小時間Δtの間にピッチング角速
度ωq がΔωq だけ変化したとき、数式「αq =Δωq
÷Δt」によって近似的に求めることができる。この
後、ステップ112へ進む。
【0069】(ステップ112)プリセッション角度検
出器15からプリセッション角度θp を入力し、このプ
リセッション角度θp と予めメモリ(ROM22又はR
AM23)に記憶している許容最大値θpMAXとを比較す
る。この許容最大値θpMAXは、前述したものと同じであ
る。プリセッション角度θp が許容最大値θpMAX以下の
ときはステップ113へ進み、そうでないときはステッ
プ115へ進む。 (ステップ113)プリセッション軸の角速度指令値V
θを数式「Vθ=K×αq 」によって求める。ここに、
αq は前ステップで求めたピッチング角加速度であり、
Kは安定的に制振できるように所定値に設定された正の
定数とする。この後、ステップ114へ進む。
【0070】(ステップ114)ピッチング角加速度α
q と反対方向にジャイロモーメントMJ を発生させるよ
うに、上記で求めた角速度指令値Vθに相当する油圧モ
ータ14aの角速度指令信号S3 を出力する。この結
果、例えばピッチング角加速度αq が正のときは、正の
角速度指令信号S3 がサーボアンプ38へ出力される。
これによって、正の角速度指令信号S3 の大きさに比例
した角速度で、しかもこの指令信号S3 に追従して油圧
モータ14aが正回転する。ここで、油圧モータ14a
が正回転したときにジャイロモーメントMJ が正のピッ
チング角加速度αq と反対方向に発生するように、各制
御の極性が設定されているものとする。ピッチング角加
速度αq が負のときも、上記と同様である。この後、処
理は先頭のステップ110へ戻って以上を繰り返す。
【0071】(ステップ115)プリセッション角度θ
p が許容最大値θpMAX以上になっているので、プリセッ
ション軸Pの回転制御を一時的に停止する。よってこの
ステップでは、油圧モータ14aの角速度指令信号S3
を出力停止する。この後、処理は先頭のステップ110
へ戻って以上を繰り返す。
【0072】上記のステップ113においてピッチング
角加速度αq に比例したプリセッション軸の角速度指令
値Vθが求められ、またステップ114においてこの角
速度指令値Vθに相当する角速度指令信号S3 がサーボ
アンプ38へ出力される。サーボアンプ38及び流量制
御サーボ弁37は、この角速度指令信号S3 の符号に合
った回転方向で、かつその大きさに比例した角速度で油
圧モータ14aが回転するように制御する。これによっ
て、プリセッション軸Pがピッチング角加速度αq に比
例した大きさの角速度ωp で回転し、角速度ωp に比例
した大きさのジャイロモーメントMJ がピッチング角加
速度αq と反対方向に発生する。このようにして、以上
の演算処理フローに従って制御が行われると、ピッチン
グ角加速度αq を小さくする方向にジャイロモーメント
MJ を発生し、ピッチングがより安定的に制振できる。
【0073】上記実施例の油圧モータ14aの代わりに
電動サーボモータ14bを使用することもでき、次にそ
の一実施例を示す。図22は、直流サーボモータ14b
及びその駆動用のサーボアンプ39を使用した一実施例
の制御回路ブロック図であり、前実施例と異なる構成に
ついて以下に説明する。直流サーボモータ14bはプリ
セッション軸の回転制御用であり、その電機子コイルA
の端子A1及びA2間に印加される直流電圧の大きさに
比例した角速度でモータが回転する。ここでは、端子A
1がA2に対して正となる電圧が印加されると直流サー
ボモータ14bは正回転し、また端子A1がA2に対し
て負となる電圧が印加されると直流サーボモータ14b
は負回転するものと仮定する。サーボアンプ39は、演
算装置20のD/A28から出力されるプリセッション
軸角速度ωp の指令信号S3 を入力すると同時に、直流
サーボモータ14bの回転速度(これは、プリセッショ
ン軸の角速度ωp に相当)信号S4を入力し、この2つ
の信号の偏差が0になるように出力電圧を制御するもの
である。この出力電圧信号は、直流サーボモータ14b
の電機子コイルAの端子A1及びA2に接続されてい
る。
【0074】このような構成で直流サーボモータ14b
を制御する場合の制御目標を前述同様に「角速度ωp −
K×角加速度αq =0」に設定したとき、CPU21の
演算処理フローチャートは上記で説明した図21と全く
同じにしても良い。このとき、作用及び効果は変わらな
い。また、複数個のジャイロスタビライザを設けてその
内の1個以上の回転体の回転方向を他と反対方向にする
場合においても、回転体の回転方向が他と反対方向であ
るジャイロスタビライザに対しては、これまで説明した
制御フローのプリセッション軸駆動モータ14の回転指
令S3 の極性を逆に出力すれば良い。
【0075】これまでの説明では、ピッチング角速度ω
q 又はピッチング角加速度αq を所定値にすることを制
御目標にしてプリセッション軸P回りの回転速度を制御
する実施例を示した。この他に、ピッチング角θq を所
定値にすることを制御目標にすることもでき、この場合
の制御構成ブロック図は図23で表される。図23の例
では、ピッチング角度検出器17をジャイロスタビライ
ザ部に設け、これにより検出したピッチング角度信号を
演算装置20に入力し、演算装置20はピッチング角θ
q が所定値になるようにジャイロ軸Jのプリセッション
軸P回りの角速度ωp を制御する。この結果、発生する
ジャイロモーメントMJ がピッチングを制振することが
できる。ここでピッチング角度検出器17は、例えば傾
斜計やジャイロコンパス等であっても良いし、または前
実施例のピッチング角速度検出器16から出力されたピ
ッチング角速度信号を積分して得るようにしても良い。
【0076】一般的に、ピッチング角θq 、ピッチング
角速度ωq 及びピッチング角加速度αq 等に基づく制御
目標を組み合わせて予め設定された制御目標関数を最小
にするような制御出力を得ることによって、ピッチング
をより安定的に抑えられることは良く知られている。図
24にはその場合の一実施例の制御構成ブロック図を示
しており、この例ではピッチング角θq 、ピッチング角
速度ωq 及びピッチング角加速度αq をそれぞれピッチ
ング角度検出器17、ピッチング角速度検出器16及び
ピッチング角加速度検出器18で検出するようにしてい
る。これらの検出器は、例えば前述のようにピッチング
角速度信号を積分してピッチング角を得るようにしても
良く、またピッチング角速度信号を微分してピッチング
角加速度を得るようにしても良い。そして、他の構成は
前述と同様であるが、演算装置20は例えばマイクロコ
ンピュータシステムであって、その演算結果に基づくモ
ータ角速度指令信号を出力し、モータ駆動装置30はモ
ータ駆動用サーボアンプであり、プリセッション軸駆動
モータ14はジャイロ軸Jをプリセッション軸P回りに
回転駆動するサーボモータである。
【0077】上記構成によってピッチング角θq 、ピッ
チング角速度ωq 及びピッチング角加速度αq 等に基づ
く制御目標を組み合わせた制御目標関数を使用してプリ
セッション軸P回りの角速度ωp を制御する場合の演算
処理フローチャートは、具体的にはここでは示していな
い。しかしながら、前述のごとく一般的に良く知られて
いるPID制御によって各種の補正をしながら角速度ω
p の最適な制御信号を得ることができる。またさらに、
その他の制御手法、例えば統計的手法による最適制御ア
ルゴリズムやファジー理論による制御アルゴリズム等を
用いれば、より効果的にかつ安定してピッチングを制振
できる角速度ωp の最適制御信号を得られる。
【0078】次の第六実施例は、ジャイロスタビライザ
駆動モータ12に油圧モータを使用している場合で、作
業機用や走行用の油圧アクチュエータが出力増加を必要
とするときに、ジャイロスタビライザ駆動用の前記油圧
モータへの圧油供給を一時的に停止するか、あるいは、
前記油圧モータを油圧ポンプとして使用することができ
る例を示す。これは、ジャイロスタビライザの回転体が
大きな慣性モーメントを有しているので、高速回転して
いる回転体がフライホイール効果で大きなエネルギーを
蓄積していることを利用している。例えば、上記ジャイ
ロスタビライザ駆動用油圧モータに圧油を供給する油圧
ポンプは、通常、建設機械の作業機用や走行用の油圧ア
クチュエータへ圧油を供給しているメイン油圧ポンプと
共用する方が、経済性や設置スペースの面で望ましい。
この場合に、作業機や走行の出力増加が必要になったと
き、ジャイロスタビライザ駆動用油圧モータへの供給を
一時的に停止させ、この余った油圧ポンプ出力を作業機
用や走行用の油圧アクチュエータへ回すことができる。
あるいは、ジャイロスタビライザの回転体の蓄積エネル
ギーを利用して上記油圧モータを油圧ポンプとして作動
させ、この出力を作業機用や走行用の油圧アクチュエー
タへ回すことによって出力を増加することができる。
【0079】図25は本実施例のジャイロスタビライザ
部を示しており、この図においてジャイロスタビライザ
駆動モータ12は油圧モータであり、クラッチ40を介
して回転体11を高速回転させる。図26はこの場合の
上記油圧モータの制御回路ブロック図の一例を表してお
り、この図に従って詳細に説明する。演算装置50は例
えばマイクロコンピュータシステムで構成されていて、
その主要部は前述の演算装置20と同様の構成である。
よって、演算装置50と演算装置20の構成の主要部を
共用しても良い。方向切換弁42の操作ソレノイド部4
2cに出力する切り換え信号S5 及びクラッチ40に出
力するクラッチ接続及び切断の切り換え信号S6 は、共
に演算装置50の出力レジスタ(図示せず)から出力さ
れる信号で、それぞれ例えば1ビットのオン又はオフ信
号である。
【0080】方向切換弁42は油圧ポンプ33から吐出
される圧油を油圧モータ12aへ供給するか又は供給停
止するかを切り換えるもので、その操作ソレノイド部4
2cに上記切り換え信号S5 が入力される。方向切換弁
42の油圧モータ12a側の出力ポートは、管路45を
介して油圧モータ12aの流入ポートに接続されてい
る。また、油圧ポンプ33から吐出される圧油は、管路
47を介して方向切換弁42の入力ポートへ導かれると
共に、管路49を介して例えば走行用の方向切換弁44
の入力ポートへ導かれる。尚ここで、方向切換弁44は
走行用の油圧アクチュエータ66を駆動するものであ
り、作業機用の方向切換弁及び油圧アクチュエータにつ
いても同様とする。
【0081】切り換え信号S5 が圧油供給信号のとき
は、方向切り換え弁42は42aの位置に切り換わり、
油圧ポンプ33から吐出される圧油は管路45を介して
油圧モータ12aへ流入し、油圧モータ12aから流出
する圧油はタンク34へドレーンされる。このとき、油
圧モータは所定方向へ回転する。切り換え信号S5 が圧
油供給停止信号のときは、方向切り換え弁42は42b
の位置に切り換わり、油圧ポンプ33から吐出される圧
油は方向切り換え弁42から先へは供給されず、油圧モ
ータ12aの回転が停止する。このとき、油圧モータ1
2aへ供給されていた油量の分が管路49を介して作業
機用や走行用の方向切換弁及び作業機用や走行用の油圧
アクチュエータへ供給される。尚、方向切り換え弁42
の入力ポートの圧力が規定値より大きくならないよう
に、リリーフ弁67を設けている。
【0082】クラッチ40は、油圧モータ12aの駆動
力を回転体11に伝達又は遮断するものであり、演算装
置50から出力されるクラッチ接続及び切断の切り換え
信号S6 によって作動する。クラッチ40が切断される
と、回転体11はそのフライホイール効果で惰性回転す
ることができる。運転状態入力手段41は、建設機械の
作業機や走行の負荷状態を表す信号を演算装置50に入
力するものである。この入力された負荷状態信号は、作
業機や走行の現在の出力状況及びその出力増加必要性、
エンジン回転数検出による油圧ポンプ出力状況等を表
す。また、この運転状態入力手段41は、オペレータが
作業機や走行の出力増加が必要と判断したとき操作でき
るようなスイッチであっても良い。
【0083】本実施例における演算処理フローチャート
を、図27によって説明する。 (ステップ120)運転状態入力手段41から負荷状態
信号を入力し、ステップ121に進む。 (ステップ121)入力された負荷状態信号により、ジ
ャイロスタビライザ駆動油圧モータ12aへの圧油供給
を停止するかどうかを判断し、停止するときはステップ
122へ進み、そうでないときはステップ123へ進
む。 上記判断の仕方として、例えば油圧ショベルの作業機掘
削力が不足して来たとき、走行速度をさらに増速したい
とき、エンジン回転数が低下して来たとき等に油圧モー
タ12aへの圧油供給を停止すると判断する。 (ステップ122)クラッチ40の切断指令を出力する
と同時に、ジャイロスタビライザ駆動油圧モータ12a
への圧油供給停止指令を出力する。 (ステップ123)ジャイロスタビライザ駆動油圧モー
タ12aへの圧油供給指令を出力すると同時に、クラッ
チの接続指令を出力する。
【0084】このような構成における作用は、次のよう
になる。もし、作業機や走行の負荷が一時的に増加して
それに伴う出力の増加が必要になったとき、クラッチ4
0を切断すると同時に、切換弁42にジャイロスタビラ
イザ駆動油圧モータ12aへの圧油供給停止指令を出力
する。これによって、油圧ポンプ33が油圧モータ12
aへ供給していた圧油を上記作業機用又は走行用の油圧
アクチュエータに供給することができる。この結果、作
業機又は走行の出力が増加され、効率よい作業ができ
る。また、このときジャイロスタビライザ10は回転体
11の慣性モーメントによって惰性回転する(以後、惰
性運転と呼ぶ)ので、ジャイロモーメントによるピッチ
ングの制振制御が可能となる。尚、惰性運転中に長い間
制振制御を行うと、回転体11の蓄積エネルギが消耗さ
れて回転数が低下して来る。よって、惰性運転は必要な
ときのみ短時間だけ行なうようにする。
【0085】さらに次の実施例として、上記のごとくジ
ャイロスタビライザ駆動油圧モータ12aへの圧油供給
を停止するだけでなく、この油圧モータを油圧ポンプと
して使用してメインの油圧ポンプ33の補助機能を持た
せた例を説明する。この場合のジャイロスタビライザ部
を図28に、また油圧モータの制御回路ブロック図の一
例を図28に示し、以下に、前記実施例と異なる構成に
ついて説明する。回転速度検出器55は回転体11の回
転速度を検出するものであり、クラッチ40から見て回
転体11側に取着される。この回転速度信号S9 は、演
算装置50へ入力される。
【0086】また、クラッチ40が切断されているとき
は回転体11及び回転速度検出器55が惰性運動を行
い、これによってジャイロスタビライザのジャイロモー
メントは発生できる。油圧モータ12bは、斜板又は斜
軸の傾斜角制御によってその回転速度を制御できるもの
であり、この斜板又は斜軸の傾斜角は流量制御サーボ弁
68が出力する流量に比例するようになっている。この
流量制御サーボ弁68の操作ソレノイド68aへ演算装
置50から出力される傾斜角制御指令信号S8 が接続さ
れ、この傾斜角制御指令信号S8 の電流の大きさに比例
して、流量制御サーボ弁68の出力流量が制御される。
【0087】方向切換弁43は、油圧モータ12bをポ
ンプモード又はモータモードに切り換える切換弁で、そ
の操作ソレノイド部43cに演算装置50から出力され
る切り換え信号S7 が入力される。方向切換弁43の油
圧モータ12b側の2つの出力ポートは、それぞれ管路
45及び46を介して油圧モータ12bの流入ポート及
び流出ポートに接続される。切り換え信号S7 がモータ
モードのときは、方向切換弁43は43bの位置に切り
換わり、油圧ポンプ33から吐出される圧油は管路47
を通って方向切換弁43に流入し、さらに管路45を介
して油圧モータ12bへ流入する。そして、油圧モータ
12bから流出する圧油は管路46、管路48b及び管
路48aを介してタンク34へドレーンされる。こうし
て、油圧モータ12bは所定方向に回転する。このと
き、油圧ポンプ33から吐出される圧油は管路49を介
して例えば走行用の方向切換弁44及び油圧モータ66
に導かれ、48aを介してタンク34へドレーンされ
る。
【0088】また、切り換え信号S7 がポンプモードの
ときは、方向切り換え弁43は43aの位置になる。こ
れと共にクラッチ40が接続されているときは、回転体
11がその蓄積エネルギーによって惰性運動を行ってい
るので、油圧モータ12bは駆動させられて上記モータ
モード時と同じ方向に回転を継続する。この結果、タン
ク34の中の油が管路48a、管路48b、方向切り換
え弁43a及び管路45を経由して油圧モータ12bの
流入ポートへ吸引され、惰性運動している油圧モータ1
2bによって圧油として流出される。これは油圧モータ
12bが油圧ポンプとして作動していることを表し、こ
の油圧モータ12bから吐出される圧油は管路46、方
向切り換え弁43a及び管路47へ導かれ、この圧油と
油圧ポンプ33から吐出される圧油とは合流し、管路4
9を介して作業機用や走行用の方向切り換え弁に流入す
る。
【0089】上記構成の場合の演算装置50の一実施例
の演算処理フローチャートを、図30によって説明す
る。 (ステップ130)回転速度検出器55から回転体11
の回転速度信号S9 を入力し、ステップ131へ進む。 (ステップ131)回転体の回転速度信号S9 の大きさ
が、予め決められた最低回転速度ωKLより小さいかどう
か判定し、小さいときはステップ132へ進み、そうで
ないときはステップ137へ進む。 (ステップ132)このときの状態がポンプモードなら
ば、クラッチ40への指令信号S6 としてクラッチ切断
を出力し、回転体11は惰性運転を行なう。油圧モータ
12bは回転体11から切断されるので圧油を吐出する
のに回転エネルギを失って停止し、ポンプモードが解除
される。またこのときの状態がモータモードならば、そ
のまま油圧モータ12bをモータモードで回転させる。
ステップ133へ進む。
【0090】(ステップ133)運転状態入力手段41
から負荷状態信号を入力し、ステップ134に進む。 (ステップ134)負荷状態信号をみて、走行又は作業
機の出力増加の要求はあるか判定する。要求があるとき
はステップ135へ進み、無いときはステップ136へ
進む。 (ステップ135)上記惰性運転又はモータモード運転
の継続を行なう。この後、ステップ130へ戻り以上を
繰り返す。 (ステップ136)惰性運転のときは、方向切り換え弁
43の操作ソレノイド部43cへの切り換え信号S7 と
してモータモードを出力した後、クラッチ40への指令
信号S6 としてクラッチ接続を出力してモータモードに
し、回転体11を加速する。この後、ステップ130へ
戻り以上を繰り返す。
【0091】(ステップ137)回転体11の回転速度
信号S9 の大きさが、予め決められた最高回転速度ωKH
より大きいかどうか判定し、多きいときはステップ13
8へ進み、そうでないときはステップ139へ進む。 (ステップ138)傾斜角制御指令信号S8 を出力して
油圧モータ12bの斜板又は斜軸の傾斜角を制御し、油
圧モータ12bの回転速度が所定速度になるようにす
る。尚、油圧モータ12bがその斜板又は斜軸の傾斜角
を制御できないタイプのときは、クラッチ40への指令
信号S6 にクラッチ切断を出力し、惰性運転を行なって
も良い。この後、ステップ139へ進む。
【0092】(ステップ139)運転状態入力手段41
から負荷状態信号を入力し、ステップ140に進む。 (ステップ140)負荷状態信号をみて、走行又は作業
機の出力増加の要求はあるか判定する。要求があるとき
はステップ141へ進み、無いときはステップ142へ
進む。 (ステップ141)方向切り換え弁43の操作ソレノイ
ド部43cへの切り換え信号S7 としてポンプモードを
出力した後、クラッチ40への指令信号S6 としてクラ
ッチ接続を出力してポンプモードにする。次に、ステッ
プ142へ進む。 (ステップ142)油圧ポンプとして吐出する量が一定
になるように、回転体11の回転速度信号S9 の変化量
に合わせて傾斜角制御指令信号S8 を出力し、油圧モー
タ12bの斜板又は斜軸の傾斜角を制御する。ここで、
油圧モータ12bの回転速度が最高回転速度ωKHより小
さくなるようにする。
【0093】尚、前述したように、ジャイロ軸Jをプリ
セッション軸P回りに角速度ωp で回転したとき発生す
るジャイロモーメントMJ の大きさは、回転体11の角
運動量に比例する。よって、回転体11の回転速度が変
化すると、発生するジャイロモーメントMJ の大きさも
変化するので、安定したジャイロモーメントが得られな
い。このため、ピッチングを安定的に制振することがで
きない。このような場合は、回転体11の回転速度の変
化の影響を小さくするように、前実施例における角速度
ωp の指令値を求めるための前述の比例定数Kの大きさ
を変化させることによって、この影響を小さくできる。
【0094】さて第七実施例は、建設機械等に搭載され
ている機器60の内、例えば電気機器の中で、通常高速
回転している状態で使用されている機器をジャイロスタ
ビライザとして利用する例を示している。これらの回転
機器の中である程度大きな角運動量を有するものは、そ
の自転軸(ジャイロ軸Jとする)に直交するプリセッシ
ョン軸Pを設けることによって、ジャイロスタビライザ
として利用可能となる。図31にその実施例を示してお
り、以下これについて説明を行なう。油圧モータ61に
よって発電機62を駆動している場合、発電機62は通
常慣性モーメントの大きな回転子を有しているので、前
記ジャイロスタビライザ10の回転体11として利用可
能である。また反対に、電動モータで油圧ポンプを駆動
している場合には、電動モータの電機子をジャイロスタ
ビライザ10の回転体11として利用することができ
る。このような電気機器の回転軸をジャイロ軸Jとし、
これに直交する軸の回りに電気機器が揺動自在になるよ
うに支持し、これをプリセッション軸Pとする。
【0095】このようにして、通常使用している高速回
転電気機器をジャイロスタビライザとして利用すると、
建設機械に搭載する電気機器や制御機器の数を減らすこ
とができ、車体の軽量化や機器間のスペースの確保によ
る整備性の向上を図れる。
【0096】また、建設機械搭載機器60の中で、他の
回転機器を利用した実施例を図32に示しているが、こ
の例はエンジンを利用している。エンジン63はメイン
エンジンとは別に補助的な機能を持つために設けられて
おり、例えば油圧ポンプ64や発電機等を駆動するため
に設けられる。エンジン63及び油圧ポンプ64の自転
軸をジャイロ軸Jとし、これに直交する軸の回りにエン
ジン63及び油圧ポンプ64等が揺動自在になるように
支持し、これをプリセッション軸Pをする。この構成に
よって、エンジン63をジャイロスタビライザ10の回
転体11として利用することが可能となる。この例にお
いても、新たに他のジャイロスタビライザを設けずに済
むので、車体の軽量化や整備性の向上を図れる。
【0097】
【発明の効果】ジャイロスタビライザ装置を上部旋回体
上に設け、建設機械のピッチングにより生じる外力のモ
ーメントと逆方向に、ジャイロモーメントを受動的に発
生させるようにしたので、ジャイロモーメントがピッチ
ングを抑えられる。この結果、カウンタウェイト等を大
きくしてピッチングを抑えるよりも車体の大きさを小型
化できる。複数個のジャイロスタビライザ装置を配置す
るとき、この内の少なくとも一個以上のジャイロスタビ
ライザ装置の回転体の自転方向を他と反対にすると、そ
れぞれのジャイロモーメントのピッチング方向以外の成
分がお互いに打ち消し合う。よって、ピッチングを制振
する方向のそれぞれのモーメントを合成したモーメント
だけが作用し、効果的な制振が可能となる。
【0098】また、大きな質量を有するジャイロスタビ
ライザ部を旋回軸より後部の上部旋回体上に配置する
と、カウンタウェイトの一部として利用できるので、車
体全体の重量を軽量化でき、全体として小型化できる。
特にカウンタウェイトの近傍に設けると、その効果も大
きくなり、また車体後部からの整備性も良い。さらに、
ジャイロスタビライザ装置を複数個の小型なジャイロス
タビライザを使用して構成し、これらを分散して上部旋
回体の後端部及び後部側面端部に配置すると、車体後方
の視界性を損なうことが無く、また側面及び後部からの
整備性も改善される。
【0099】また、ジャイロスタビライザ装置のプリセ
ッション軸を駆動モータで回転させ、これによりジャイ
ロモーメントをアクティブに発生させてピッチングを制
振させることができる。このときは、ピッチング角度、
ピッチング角速度及びピッチング角加速度等が所定の制
御目標値になるように、プリセッション軸角速度を制御
して最適なジャイロモーメントを発生できるので、ピッ
チングをより効果的に制振することができる。プリセッ
ション軸角速度を制御する際、プリセッション角度が所
定値以上になったら、この角速度制御を停止する。これ
により、作業中に旋回方向のジャイロモーメントによっ
て上部旋回体が急に旋回する等の危険性が少なくなる。
【0100】回転体の自転用駆動モータとして油圧モー
タを使用するとき、回転体と駆動モータ間にクラッチを
設け、かつ油圧モータへの圧油の供給又は供給停止を切
り換える方向切り換え弁を設けたので、建設機械の作業
機や走行の一時的な出力増加の要求に答えることができ
る。すなわち、上記一時的な出力増加の要求があった
ら、上記油圧モータへの圧油の供給を停止し、この分の
油量を作業機や走行の方へ供給できるので、作業が効率
的になる。尚、このとき、クラッチを切断するので上記
回転体は惰性運転して角運動量を維持でき、この角運動
量でジャイロモーメントを発生させ、これによるピッチ
ングの制振が可能となる。
【0101】また、回転体の自転用油圧モータへの圧油
の供給方向を正方向又は逆方向に切り換える方向切り換
え弁を設けると、この油圧モータを油圧ポンプとして利
用できる。よって、上記のように建設機械の作業機や走
行の一時的な出力増加の要求があったとき、油圧モータ
をメインポンプの補助的なポンプとして使用し、上記一
時的な出力増加の要求に対してさらに効果的に対応でき
る。
【0102】上記回転体の惰性運転中又は上記油圧ポン
プモードで運転中に、回転体の回転速度が所定値以下に
なったとき、これらのモード運転を解除して通常の油圧
モータ加速運転を行なうようにしたので、回転体の回転
速度が低下してピッチングの制振能力が低下することを
防止できる。また、回転体の回転速度が所定値以上にな
ったとき、回転体の惰性運転を行なって回転体の回転速
度がそれ以上上がらないようにしたので、回転体の角運
動量を一定に維持できる。これによって、ジャイロモー
メントが回転体の速度変化によって受ける影響を小さく
でき、この結果ピッチングを安定的に制振できる。
【0103】さらに、回転体の自転用油圧モータとして
その斜板や斜軸を制御できる油圧モータを用いると、斜
板や斜軸を制御することによって回転体の回転速度をよ
り精度良く安定させることができる。よって、ジャイロ
モーメントが回転体の速度変化によって受ける影響を小
さくでき、この結果ピッチングをさらに安定的に制振で
きる。また、同じく斜板や斜軸を制御できる油圧モータ
を用いると、この油圧モータを油圧ポンプモードで使用
するときに回転体の回転速度の変化によってそのポンプ
の吐出量が変化するのを防止できる。したがって、油圧
ポンプモードで使用しても作業機や走行の速度安定性が
良い。
【0104】そして、プリセッション軸の角速度指令を
ピッチング角加速度の大きさに比例定数を掛けて演算で
求めるような制御アルゴリズムにおいて、回転体の回転
速度の変化によってジャイロモーメントの大きさが影響
を受けないように、上記比例定数の大きさを回転体の回
転速度の変化に対応して補正するようにした。この結
果、発生するジャイロモーメントの精度が良くなり、ピ
ッチングの制振効果がさらに向上する。
【0105】通常高速回転で使用されている建設機械搭
載の電気機器や制御機器及び他の回転機器等をジャイロ
スタビライザとして利用することにより、搭載する機器
の数を減少することができるので、車体の軽量化や整備
性向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第一実施例のジャイロスタビラ
イザ装置が取着された油圧ショベルの側面図である。
【図2】本発明に係わる第一実施例のジャイロスタビラ
イザ装置が取着された油圧ショベルの平面図である。
【図3】本発明に係わる第一実施例のジャイロスタビラ
イザ装置の説明図である。
【図4】本発明に係わる第一実施例の他の例を表す油圧
ショベルの側面図である。
【図5】本発明に係わる第一実施例の他の例を表す油圧
ショベルの平面図である。
【図6】本発明に係わる第一実施例の他の例を表すジャ
イロスタビライザ装置の説明図である。
【図7】本発明に係わる第二実施例のジャイロスタビラ
イザ装置が取着された油圧ショベルの平面図である。
【図8】本発明に係わる第二実施例のジャイロスタビラ
イザ装置の説明図である。
【図9】本発明に係わる第三実施例を説明する油圧ショ
ベルの側面図である。
【図10】本発明に係わる第三実施例を説明する油圧シ
ョベルの平面図である。
【図11】本発明に係わる第三実施例のジャイロスタビ
ライザ装置が取着された油圧ショベルの側面図である。
【図12】本発明に係わる第三実施例のジャイロスタビ
ライザ装置が取着された油圧ショベルの平面図である。
【図13】本発明に係わる第四実施例のジャイロスタビ
ライザ装置が取着された油圧ショベルの側面図である。
【図14】本発明に係わる第四実施例のジャイロスタビ
ライザ装置が取着された油圧ショベルの平面図である。
【図15】本発明に係わる第五実施例のジャイロスタビ
ライザ装置の説明図である。
【図16】本発明に係わる第五実施例のプリセッション
軸制御機能ブロック図である。
【図17】本発明に係わる第五実施例の油圧モータによ
るプリセッション軸制御回路ブロック図である。
【図18】本発明に係わる第五実施例のプリセッション
軸制御フローチャートである。
【図19】本発明に係わる第五実施例の電動モータによ
るプリセッション軸制御回路ブロック図である。
【図20】本発明に係わる第五実施例の他の例の油圧モ
ータによるプリセッション軸制御回路ブロック図であ
る。
【図21】本発明に係わる第五実施例の他の例のプリセ
ッション軸制御フローチャートである。
【図22】本発明に係わる第五実施例の他の例の電動モ
ータによるプリセッション軸制御回路ブロック図であ
る。
【図23】本発明に係わる第五実施例の二番目の例のプ
リセッション軸制御機能ブロック図である。
【図24】本発明に係わる第五実施例の三番目の例のプ
リセッション軸制御機能ブロック図である。
【図25】本発明に係わる第六実施例のジャイロスタビ
ライザ装置の説明図である。
【図26】本発明に係わる第六実施例の油圧モータによ
る回転体回転制御回路ブロック図である。
【図27】本発明に係わる第六実施例の油圧モータによ
る回転体回転制御フローチャートである。
【図28】本発明に係わる第六実施例の他の例のジャイ
ロスタビライザ装置の説明図である。
【図29】本発明に係わる第六実施例の他の例の油圧モ
ータによる回転体回転制御回路ブロック図である。
【図30】本発明に係わる第六実施例の他の例の油圧モ
ータによる回転体回転制御フローチャートである。
【図31】本発明に係わる第七実施例の電気機器をジャ
イロスタビライザ装置として利用する例の説明図であ
る。
【図32】本発明に係わる第八実施例のエンジンをジャ
イロスタビライザ装置として利用する例の説明図で有
る。
【図33】従来の油圧ショベルの掘削時ピッチングの説
明図である。
【符号の説明】
1…建設機械、2…上部旋回体、3…下部走行体、4…
ブーム、5…アーム、6…バケット、7…カウンターウ
ェイト、10…ジャイロスタビライザ、11…回転体、
12…ジャイロスタビライザ駆動モータ、12a…ジャ
イロスタビライザ駆動油圧モータ、13…ジャイロスタ
ビライザ支持部材、14…プリセッション軸駆動モー
タ、14a…油圧モータ、14b…電動モータ、15…
プリセッション角度検出器、16…ピッチング角速度検
出器、17…ピッチング角度検出器、18…ピッチング
角加速度検出器、19…回転速度検出器、20…演算装
置、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24
…A/D、25…A/D、26…出力レジスタ、27…
バス、28…D/A、30…モータ駆動装置、31…方
向切換弁、32…直流モータ駆動アンプ、33…油圧ポ
ンプ、34…タンク、35…管路、36…管路、37…
流量制御サーボ弁、38…サーボアンプ、39…サーボ
アンプ、40…クラッチ、41…運転状態入力手段、4
2…方向切換弁、43…方向切換弁、44…方向切換
弁、45…管路、46…管路、47…管路、48…管
路、49…管路、50…演算装置、55…回転体回転速
度検出器、60…油圧モータ、61…発電機、62…エ
ンジン、63…油圧ポンプ、66…油圧アクチュエー
タ、67…リリーフ弁、68…流量制御サーボ弁 J…ジャイロ軸、P…プリセッション軸、S…旋回軸、
C…旋回軸の接地点、B…ピッチング方向、Q…ジャイ
ロモーメント軸(ピッチング軸)、M…モーメント、M
J …ジャイロモーメント、MJ1,MJ2…ジャイロモーメ
ント、R…設置可能範囲、θq …ピッチング角、ωq …
ピッチング角速度、αq …ピッチング角加速度、θp …
プリセッション角、ωp …プリセッション角速度、ωk
…回転体回転角速度

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部走行体(3) 上に旋回軸(S) を中心に
    して水平に旋回自在な上部旋回体(2) と、上部旋回体
    (2) にモーメントが掛かるように取着された作業機とを
    有する上部旋回式建設機械(1) において、 大きな慣性モーメントを有し、かつ駆動モータ(12)によ
    ってジャイロ軸(J) 回りに高速回転している回転体(11)
    と、 回転体(11)のジャイロ軸(J) に直交するプリセッション
    軸(P) の回りに回転体(11)を揺動自在に支持する支持部
    材(13)とを備えたジャイロスタビライザ(10)を上部旋回
    体(2) 上に取着し、かつ、 ジャイロ軸(J) 及びプリセッション軸(P) のいずれか一
    方を旋回軸(S) と平行にすると共に、他の一方を上部旋
    回体(2) の作業機モーメント軸方向と平行に配置したこ
    とを特徴とする上部旋回式建設機械のピッチング制振装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記ジャイロスタビライザ(10)は少なくとも2個以上設
    け、その中の少なくとも1個のジャイロスタビライザ(1
    0)の回転体(11)は、ジャイロ軸(J) 回りの回転方向を他
    の回転体(11)と反対方向に回転させることを特徴とする
    上部旋回式建設機械のピッチング制振装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記ジャイロスタビライザ(10)は、旋回軸(S) から後方
    の上部旋回体(2) 上に設けたことを特徴とする上部旋回
    式建設機械のピッチング制振装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 前記ジャイロスタビライザ(10)は、旋回軸(S) から後方
    で、かつ上部旋回体(2) の側端部又は後端部に設けたこ
    とを特徴とする上部旋回式建設機械のピッチング制振装
    置。
  5. 【請求項5】 前記ジャイロスタビライザ(10)の支持部
    材(13)に取着され、ピッチング角速度を検出するピッチ
    ング角速度検出器(16)と、 前記回転体(11)のプリセッション軸(P) 回りの回転角度
    を検出するプリセッション角度検出器(15)と、 ピッチング角速度検出器(16)が検出したピッチング角速
    度とプリセッション角度検出器(15)が検出したプリセッ
    ション角度とを入力し、このピッチング角速度、ピッチ
    ング角速度の微分値及びピッチング角速度の積分値の内
    の少なくとも一つ以上から求められるプリセッション軸
    回転角速度の指令値を演算すると共に、入力した前記プ
    リセッション角度が予め決められた所定の大きさの許容
    最大値より小さいときは前記演算された値のプリセッシ
    ョン軸回転角速度指令を出力する演算装置(20)と、 このプリセッション軸回転角速度指令に基づいて、動力
    信号を出力するモータ駆動装置(30)と、 この動力信号によってプリセッション軸(P) の回りに回
    転体(11)を回転させるプリセッション軸駆動モータ(14)
    とを付設したことを特徴とする請求項1、2、3又は4
    記載の上部旋回式建設機械のピッチング制振装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記回転体(11)のプリセッション軸(P) 回りの回転速度
    を検出する回転速度検出器(19)と、 前記演算装置(20)からのプリセッション軸回転角速度指
    令と回転速度検出器(19)からの回転速度とを比較し、こ
    の偏差が小さくなるようなプリセッション軸駆動モータ
    (14)の動力信号を出力するモータ駆動装置(30)とを備え
    たことを特徴とする上部旋回式建設機械のピッチング制
    振装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか一つの請求項
    において、前記駆動モータ(12)が油圧モータ(12a) であ
    るピッチング制振装置であって、 この油圧モータ(12a) と前記回転体(11)の間に加設され
    たクラッチ(40)と、 作業機用又は走行用のアクチュエータ(66)と、 アクチュエータ(66)の負荷状態を表す信号を出力する運
    転状態入力手段(41)と、 油圧ポンプ(33)から吐出される圧油を油圧モータ(12a)
    に供給するか否かを切り換える方向切換弁(42)と、 運転状態入力手段(41)から入力された前記負荷状態を表
    す信号によって、少なくともアクチュエータ(66)の出力
    の増加が必要と判断したときに、クラッチ(40)に切断指
    令を出力すると共に、油圧ポンプ(33)からの圧油をタン
    クへ、あるいは、油圧ポンプ(33)からの圧油をアクチュ
    エータ(66)へ切り換えるように方向切換弁(42)に指令を
    出力する演算装置(50)とを備えたことを特徴とする上部
    旋回式建設機械のピッチング制振装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記回転体(11)に取着され、回転体(11)の回転速度を検
    出する回転速度検出器(55)と、 前記クラッチ(40)の切断状態で、かつ回転速度検出器(5
    5)から入力された回転速度が予め決められた所定の最小
    回転速度より小さいときは、クラッチ(40)に接続指令を
    出力して回転体(11)の回転を加速させ、また前記回転速
    度が予め決められた所定の最大回転速度より大きいとき
    は、クラッチ(40)に切断指令を出力して回転体(11)を惰
    性回転させる演算装置(50)とを備えたことを特徴とする
    上部旋回式建設機械のピッチング制振装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から6のいずれか一つの請求項
    において、前記駆動モータ(12)が油圧モータ(12a) であ
    るピッチング制振装置であって、 作業機用又は走行用のアクチュエータ(66)と、 アクチュエータ(66)の負荷状態を表す信号を出力する運
    転状態入力手段(41)と、 油圧ポンプ(33)から吐出される圧油を油圧モータ(12a)
    に供給するか、あるいは、油圧モータ(12a) が駆動され
    るときに生じる圧油をアクチュエータ(66)に供給するか
    のいずれかに切り換える方向切換弁(43)と、 運転状態入力手段(41)から入力された前記負荷状態を表
    す信号によって、少なくともアクチュエータ(66)の出力
    の増加を必要と判断したときに、油圧モータ(12a) が駆
    動されるときに生じる圧油をアクチュエータ(66)に供給
    するように方向切換弁(43)に指令を出力する演算装置(5
    0)とを備えたことを特徴とする上部旋回式建設機械のピ
    ッチング制振装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記油圧モータ(12a) と前記回転体(11)の間に加設され
    たクラッチ(40)と、 回転体(11)に取着され、回転体(11)の回転速度を検出す
    る回転速度検出器(55)と、 回転体(11)によって油圧モータ(12a) が駆動されている
    とき、かつ回転速度検出器(55)から入力された回転速度
    が予め決められた所定の最小回転速度より小さいとき、
    あるいは、前記回転速度が予め決められた所定の最大回
    転速度より大きいときは、回転体(11)を惰性回転させる
    ようにクラッチ(40)に切断指令を出力する演算装置(50)
    とを備えたことを特徴とする上部旋回式建設機械のピッ
    チング制振装置。
  11. 【請求項11】 請求項7又は9において、前記油圧モ
    ータ(12a) がその斜板又は斜軸の傾斜角を変更すること
    によってその回転速度を制御できる油圧モータ(12b) で
    あるピッチング制振装置であって、 前記回転体(11)に取着され、回転体(11)の回転速度を検
    出する回転速度検出器(55)と、 回転速度検出器(55)から入力された回転速度が予め決め
    られた所定の最大回転速度より大きくなったときは、前
    記回転速度がこの最大回転速度を越えないように、油圧
    モータ(12b) の斜板又は斜軸の傾斜角を制御する指令を
    出力する演算装置(50)とを備えたことを特徴とする上部
    旋回式建設機械のピッチング制振装置。
  12. 【請求項12】 請求項1から6のいずれか一つの請求
    項において、前記駆動モータ(12)がその斜板又は斜軸の
    傾斜角を変更することによって回転速度を制御できる油
    圧モータ(12b) であるピッチング制振装置であって、 前記回転体(11)に取着され、回転体(11)の回転速度を検
    出する回転速度検出器(55)と、 回転速度検出器(55)から入力された回転速度が予め決め
    られた所定の最大回転速度より大きくなったときは、前
    記回転速度がこの最大回転速度を越えないように、油圧
    モータ(12b) の斜板又は斜軸の傾斜角を制御する指令を
    出力する演算装置(50)とを備えたことを特徴とする上部
    旋回式建設機械のピッチング制振装置。
  13. 【請求項13】 請求項9において、前記油圧モータ(1
    2a) がその斜板又は斜軸の傾斜角を変更することによっ
    て回転速度を制御できる油圧モータ(12b) であるピッチ
    ング制振装置であって、 前記回転体(11)に取着され、回転体(11)の回転速度を検
    出する回転速度検出器(55)と、 回転体(11)の惰性回転により駆動された油圧モータ(12
    b) が圧油を吐出しているとき、油圧モータ(12b) から
    の吐出量が一定になるように、回転速度検出器(55)より
    入力した回転速度の変化に対応して油圧モータ(12b) の
    斜板又は斜軸の傾斜角を制御する指令を出力する演算装
    置(50)とを備えたことを特徴とする上部旋回式建設機械
    のピッチング制振装置。
  14. 【請求項14】 請求項10において、前記油圧モータ
    (12a) がその斜板又は斜軸の傾斜角を変更することによ
    って回転速度を制御できる油圧モータ(12b)であるピッ
    チング制振装置であって、 前記回転体(11)の惰性回転により駆動された油圧モータ
    (12b) が圧油を吐出しているとき、油圧モータ(12b) か
    らの吐出量が一定になるように、回転速度検出器(55)よ
    り入力した回転速度の変化に対応して油圧モータ(12b)
    の斜板又は斜軸の傾斜角を制御する指令を出力する演算
    装置(50)を備えたことを特徴とする上部旋回式建設機械
    のピッチング制振装置。
  15. 【請求項15】 請求項1から14のいずれか一つの請
    求項において、 前記回転体(11)又は前記駆動モータ(12)は、前記ジャイ
    ロスタビライザ(10)の構成機器と異なった、大きな慣性
    モーメントを有して高速回転している建設機械搭載機器
    (60)であることを特徴とする上部旋回式建設機械のピッ
    チング制振装置。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 前記建設機械搭載機器(60)はエンジン(63)であることを
    特徴とする上部旋回式建設機械のピッチング制振装置。
JP7127293A 1995-04-27 1995-04-27 上部旋回式建設機械のピッチング制振装置 Pending JPH08297026A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7127293A JPH08297026A (ja) 1995-04-27 1995-04-27 上部旋回式建設機械のピッチング制振装置
TW085103854A TW328554B (en) 1995-04-27 1996-04-02 Sawing-vibration inhibitory device for an upper rotatory construction machine
PCT/JP1996/001130 WO1996034154A1 (fr) 1995-04-27 1996-04-25 Dispositif amortisseur des mouvements de tangage pour engin de chantier a partie superieure pivotante
KR1019960013230A KR960037996A (ko) 1995-04-27 1996-04-26 상부선회식 건설기계의 피칭제진장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7127293A JPH08297026A (ja) 1995-04-27 1995-04-27 上部旋回式建設機械のピッチング制振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08297026A true JPH08297026A (ja) 1996-11-12

Family

ID=14956385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7127293A Pending JPH08297026A (ja) 1995-04-27 1995-04-27 上部旋回式建設機械のピッチング制振装置

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JPH08297026A (ja)
KR (1) KR960037996A (ja)
TW (1) TW328554B (ja)
WO (1) WO1996034154A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016166505A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 住友重機械工業株式会社 ショベル、ショベルの制振方法
JP2016166504A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 住友重機械工業株式会社 ショベル、ショベルの制振方法
CN112762902A (zh) * 2020-12-24 2021-05-07 张志高 一种市政建设用多功能定点测绘工具

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2451093B (en) * 2007-07-17 2009-12-02 Royal Shakespeare Company Oscillation damper
FR2930615B1 (fr) * 2008-04-28 2012-12-28 Peugeot Citroen Automobiles Sa Dispositif gyroscopique antivibratoire et vehicule automobile utilisant le dispositif
JP5319587B2 (ja) * 2010-03-25 2013-10-16 ニチユ三菱フォークリフト株式会社 産業車両
GB2483443A (en) * 2010-09-07 2012-03-14 Royal Shakespeare Company An oscillation damping system
KR101402667B1 (ko) * 2012-07-27 2014-06-03 현대중공업 주식회사 굴삭기 선회각 계측 시스템
JP6521691B2 (ja) * 2015-03-26 2019-05-29 住友重機械工業株式会社 ショベル
CN114485565B (zh) * 2021-12-31 2024-05-17 潍柴动力股份有限公司 液压泵马达用机械式斜盘倾角指示器及液压泵马达

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05272585A (ja) * 1992-03-30 1993-10-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 回転揺れ制振装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016166505A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 住友重機械工業株式会社 ショベル、ショベルの制振方法
JP2016166504A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 住友重機械工業株式会社 ショベル、ショベルの制振方法
CN112762902A (zh) * 2020-12-24 2021-05-07 张志高 一种市政建设用多功能定点测绘工具

Also Published As

Publication number Publication date
TW328554B (en) 1998-03-21
WO1996034154A1 (fr) 1996-10-31
KR960037996A (ko) 1996-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109477502B (zh) 控制器单元及液压驱动***
JP6474718B2 (ja) 建設機械の油圧制御装置
EP2749700B1 (en) Rotation control device and construction machine including rotation control device
JP2009167673A (ja) 作業装置
JPH08297026A (ja) 上部旋回式建設機械のピッチング制振装置
JPH08297027A (ja) 走行作業車両の制振装置
JP5584539B2 (ja) 作業機械の作業範囲制御装置
JP5970625B1 (ja) 建設機械、ハイブリッド油圧ショベル、および電動発電機の出力トルク制御方法
JPH07180192A (ja) 油圧シヨベルの転倒防止装置
EP3059351B1 (en) Hybrid-type construction machine
JP2000104290A (ja) 建設機械の制御装置
US20220154426A1 (en) Excavator
JPH08302750A (ja) 上部旋回式建設機械の旋回装置
JP7227817B2 (ja) 作業機械
JP2009027873A (ja) 旋回体の駆動制御装置
WO2020100562A1 (ja) 作業機械
JPH0418165B2 (ja)
JP3426427B2 (ja) 旋回体の油圧制御装置
JP2002356879A (ja) 作業機械
JPH0437888B2 (ja)
JPH09235758A (ja) 旋回式作業機用制御装置
JP2003194150A (ja) 油圧作業機の振動抑制装置
JP2001140285A (ja) 建設機械の制御装置及びその制御方法
JP2024097573A (ja) 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム、作業機械
JP2020143544A (ja) 建設機械