JPH08296012A - 銅合金の製造方法 - Google Patents

銅合金の製造方法

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JPH08296012A
JPH08296012A JP10513795A JP10513795A JPH08296012A JP H08296012 A JPH08296012 A JP H08296012A JP 10513795 A JP10513795 A JP 10513795A JP 10513795 A JP10513795 A JP 10513795A JP H08296012 A JPH08296012 A JP H08296012A
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JP
Japan
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copper alloy
heat treatment
cold rolling
thermal conductivity
alloy
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Application number
JP10513795A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Yamamoto
佳紀 山本
Takeshi Shimada
健 嶋田
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機械的強度と熱伝導性とを併せ備えた銅合金の
製造方法を提供する。 【構成】NiとSiを含有する銅合金に対して行う溶体
化熱処理工程と時効熱処理工程との間に冷間圧延工程を
介在させ、この冷間圧延を加工度30〜60%の範囲内
にて行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銅合金の製造方法に関
し、特に、例えば、リードフレーム等の構成材料として
使用されるときの重要特性、即ち機械的強度と熱伝導性
とに優れた有用な銅合金の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ICやLSI等の半導体素子類を搭載す
るリードフレームは、製造工程中における変形を防止す
るための高い機械的強度、打ち抜きや曲げ加工時におけ
る良好な加工性、発生熱を外部に放出するための優れた
熱伝導性、或いはメッキ密着性や半田付性、更には耐食
性や耐熱性など様々な特性が要求されるが、中でも機械
的強度と熱伝導性の両特性は今後のリードフレームの将
来を展望するときに極めて重要な要素となる。
【0003】即ち、リードフレームへ搭載する素子類の
小型化と高密度化が今後より一層進展することは明らか
であるが、このことはリードフレームの薄肉化を直接意
味するものであり、従ってこのような趨勢に対処するた
めには、優れた機械的強度を有するリードフレームが必
要であり、そして次には高密度集積化に伴う発生熱増加
に対応できるようなより高い熱伝導性を備えていること
が重要となる。
【0004】一般にリードフレームの構成材料として
は、42合金(Fe−42%Ni)や銅系合金が主とし
て使用されているが、前者の材料は65kgf/mm2
以上の引張強度を有しているように強度面では高く評価
できる反面、導電率が約3%(IACS)と極めて低い
ことから、導電率と同じ傾向を示す熱伝導特性は当然な
がら良くない。このため搭載素子の小型化と高密度化に
対処するためには、本質的に導電性つまり熱伝導性に優
れた銅系合金に依存せざるを得ないことになるが、周知
のようにこの材料は機械的強度が充分ではない。
【0005】この銅系合金の機械的強度を高める方法と
しては、一部特定組成の銅合金を対象とした高温での溶
体化熱処理と中低温での時効熱処理の工程とを有する方
法が知られている。この方法は溶体化の工程によって合
金成分を銅母相中にいったん固溶させた後、適当な温度
条件下で時効処理を施すことによって合金成分と銅或い
は合金成分同士の化合物を母相中に均一且つ微細な形状
で析出させ、この分散析出によって材料の強度を上昇さ
せ、同時に一方では固溶合金成分が少ないことにより良
好な導電性即ち熱の伝導性をも確保しようとするもので
ある。以上の溶体化熱処理と時効熱処理による分散析出
によって材料強度を高めると共に、熱伝導性をも高く維
持し得る可能性のある代表的銅合金として、Cu(銅)
−Ni(ニッケル)−Si(シリコン)合金が知られて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この合金の場
合、NiとSiの濃度を高くすると機械的強度が向上す
る一方で熱伝導性が低くなるという性質があり、従って
逆に濃度を低めに抑える場合には熱伝導性を高く確保で
きる反面、当然乍ら機械的強度の向上が望めなくなるこ
とから、これら互いに相矛盾する熱伝導性と機械的強度
とを同時に而も適切な水準に併備させることは極めて困
難であるとされてきた。
【0007】従って、本発明の目的は、銅系合金に対し
て高い機械的強度と良好な熱伝導性とを同時に付与する
ことのできる銅合金製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の目的を達
成するため、NiとSiを含有する銅合金に対して溶体
化熱処理と時効熱処理を施すための工程を加工工程の中
に含む銅合金の製造方法において、これら溶体化熱処理
工程と時効熱処理工程との間に冷間圧延工程を介在させ
ると共に、この冷間圧延工程における加工度をして30
〜60%の範囲内に設定したことを特徴とする銅合金の
製造方法を提供するものである。
【0009】本発明は銅系合金としてCu−Ni−Si
合金を選定し、この合金を対象として溶体化熱処理と時
効熱処理とを行う際に、これら二つの工程間へ冷間圧延
工程を付加させれば当該銅合金の機械的強度と熱伝導性
とを変化させることが可能であることを発見し得たこ
と、そして更にこの冷間圧延における加工度が30〜6
0%の範囲内に設定されたときに、初めて高い機械的強
度と良好な熱伝導性とを併せ持つ有用な銅合金が得られ
ることを見い出したものである。若し、この冷間圧延時
の加工度を30%未満に設定する場合には、時効後の導
電率の回復が不足して熱伝導性に充分なものが得られな
くなり、逆に60%を超えて設定すると、機械的強度の
向上が不充分になって本発明の目的達成は困難になる。
【0010】尚、機械的強度と熱伝導性とはNiの含有
量によっても影響を受けることから、この物質の量はで
きるだけ1.0〜5.0重量%の範囲内に押さえること
が望ましい。Niの量がこの範囲を下回ると機械的強度
が不足するようになり、逆にこの範囲を超過する場合に
は導電性つまり熱伝導性が低下するようになり、好まし
くない。又、Siの量も同様な意味で0.2〜1.0重
量%の範囲内にあることが望ましく、この範囲よりも少
なくなると機械的強度不足を招く傾向が生じ、逆にこの
範囲を超えると良好な熱伝導性を備えた銅合金が得にく
くなる。
【0011】本発明によって製造される銅合金は、少な
くとも65kgf/mm2 の引張強度と、少なくとも4
0%(IACS)の導電率とを備えているべきである。
Znは本発明によって得られる銅合金をリードフレーム
等へ適用するときに効果を発揮するもので、半田付界面
の劣化を防止する作用がある。その含有量は下限におい
ては実用的な劣化防止効果を確保するため、そして上限
においてはこれを加えることによる導電性への悪影響防
止のために、0.1〜1.5重量%の範囲内に設定すべ
きである。
【0012】脱酸剤として添加されるPは0.003〜
0.3重量%の範囲内において使用することが望まし
い。この範囲を下回ると効果が得られず、逆にこの範囲
を超えると導電性への悪影響があり、好ましくない。
尚、所謂不可避的な不純物が本発明によって得られる銅
合金の中に含有されることは当然であり、更には本発明
の主旨を阻害しない範囲内において他の成分を加えるこ
とは何等差し支えない。
【0013】
【作用】NiとSiとを含有する銅合金に対して溶体化
熱処理と時効熱処理とを施す際に、これら両処理工程間
に冷間圧延加工を介在させることによって銅合金の機械
的強度と導電性即ち熱伝導性とを変化させ、そしてこの
変化の因子となる冷間圧延時の加工度を最適な範囲に設
定することによって目標水準の機械的強度と熱伝導性と
を併せ備えた銅合金を製造する。
【0014】
【実施例】表1は本発明の実施例と比較例において使用
された銅合金における銅以外の成分と、その含有量とを
示したものである。先ず表1の実施例と比較例の各銅合
金から厚さ150mmの銅塊を製作し、更にこの銅塊を
対象に850°Cの温度下にて熱間圧延を施すことによ
って各10mm厚の銅板を製作した。
【0015】次にこれらの板を焼鈍、冷間圧延し、そし
てこれを繰り返すことによって所定厚さの板状体を製作
した後、引き続きこの板状体を850°Cの温度に加熱
し、然る後これを急冷することによって溶体化熱処理を
施した。次にこのようにして得られた各例の板状体に対
して夫々表1に表示した加工度の冷間圧延加工を加え、
然る後これらを対象に450°Cにて60分間の時効熱
処理を施し、夫々所定のサンプルを製作した。
【表1】 (備考)引張強度と導電率は、前者については65kg
f/mm2 以上を、後者については40%以上を夫々評
価基準として設定し、これらの評価基準をクリアできた
ものを合格(○)、クリアできなかったものを不合格
(×)とした。
【0016】
【発明の効果】以上の結果からも明らかなように、本発
明の銅合金は何れも目標水準を超える機械的強度と導電
率(即ち熱伝導性)とを有していることが認められる
が、このことは搭載素子の小型化に伴って今後益々薄肉
化し、そして高い熱伝導性を求められる、例えば、リー
ドフレーム類の構成材料として最適の材料であることを
意味するものであり、従って本発明がこの分野にもたら
す効果には極めて大きなものがある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NiとSiを含有する銅合金に対して溶体
    化熱処理と時効熱処理を行うための工程を加工工程の中
    に含む銅合金の製造方法において、前記溶体化熱処理工
    程と時効熱処理工程との間に冷間圧延工程を介在させ、
    この冷間圧延工程における加工度を30〜60%の範囲
    内に設定することを特徴とする銅合金の製造方法。
  2. 【請求項2】前記銅合金が0.1〜1.5重量%のNi
    と、0.2〜1.0重量%のSiと、0.1〜1.5%
    のZnとを含有していることを特徴とする請求項第1項
    記載の銅合金の製造方法。
  3. 【請求項3】前記銅合金が0.003〜0.3重量%の
    Pを含有していることを特徴とする請求項第2項記載の
    銅合金の製造方法。
JP10513795A 1995-04-28 1995-04-28 銅合金の製造方法 Pending JPH08296012A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007084927A (ja) * 2005-08-26 2007-04-05 Hitachi Cable Ltd 銅合金製バッキングプレートおよび該銅合金の製造方法
JP2007084928A (ja) * 2005-08-26 2007-04-05 Hitachi Cable Ltd 銅合金製バッキングプレートおよび該銅合金の製造方法
JP2007119845A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Hitachi Cable Ltd 剪断加工性に優れる高強度銅合金材およびその製造方法

Cited By (4)

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JP4556842B2 (ja) * 2005-10-27 2010-10-06 日立電線株式会社 剪断加工性に優れる高強度銅合金材およびその製造方法

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