JPH08295810A - カラーフィルタ用顔料および着色組成物 - Google Patents

カラーフィルタ用顔料および着色組成物

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JPH08295810A
JPH08295810A JP10185195A JP10185195A JPH08295810A JP H08295810 A JPH08295810 A JP H08295810A JP 10185195 A JP10185195 A JP 10185195A JP 10185195 A JP10185195 A JP 10185195A JP H08295810 A JPH08295810 A JP H08295810A
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JP
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pigment
parts
color filter
green
coloring composition
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Application number
JP10185195A
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English (en)
Inventor
Shigeyuki Ehashi
重行 江橋
Akimitsu Mochizuki
明光 望月
Akio Sato
昭生 佐藤
Tetsuro Oizumi
哲朗 大泉
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Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】分光特性、特に透明性が優れ、かつ耐熱性や耐
光性などの諸耐性の優れたカラーフィルタが得られるエ
ロー顔料、オレンジ顔料およびそれらを用いた着色組成
物。 【構成】下記(1)で示される芳香族アミンの2種以上
の混合物のジアゾ化反応物と、5−アセトアセチルアミ
ノベンズイミダゾロンとをカップリング反応させること
により得られるベンズイミダゾロン系エローカラーフィ
ルタ用顔料。および該顔料を含む顔料組成物。 (ただし、式中のXとYは互いに独立して、−H、−N
2 、−CONHR1、−COOR2 、−CF3 、−C
N、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭
素数1〜18のアルコキシ基を表し、R1 は−H、炭素
数1〜18のアルキル基またはアリール基を表し、R2
は−Hまたは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー液晶ディスプレ
ー等の表示デバイスに用いられるカラーフィルタの製造
を目的とする顔料およびこれらの顔料を用いた着色組成
物に関する。さらに詳しくは、一般的にストライプフィ
ルタまたはマトリックスフィルタと呼ばれるパターン部
分を形成するためのカラーフィルタに用いる顔料および
これらの顔料を用いた着色組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルタは、ガラス等の透明な基
板の表面に2種以上の色相の微細な帯(ストライプ)を
平行または交差して配置したもの、あるいは微細な画素
を縦横一定の配列に配置したものからなっている。画素
サイズは数10〜数100ミクロンという微細な形状で
あり、しかも色相毎に所定の順序で整然と配列される。
このため、カラーフィルタの製造法については、種々の
方法が提案されている。
【0003】カラーフィルタは高い透明性が必要とされ
るために、染料を用いて着色する染色法と呼ばれる方法
が行われてきた。たとえば、被染色性の感光性物質をガ
ラス等の基板に塗布し、続いて一つのフィルタ色のパタ
ーン露光を行い、未露光部分を現像工程で洗い取って残
ったパターン部分を該フィルタ色の染料で染色するとい
った操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによ
り、カラーフィルタを製造することができる。この方法
は染料を使用するので透過率が高く、カラーフィルタの
光学特性は優れているが、耐光性や耐熱性等に限界があ
り、諸耐性に優れかつ透明性の高い色材が望まれてい
た。
【0004】そこで、染料の代わりに耐光性や耐熱性が
優れる有機顔料が用いられるようになったが、顔料を用
いたカラーフィルタでは染料のような光学特性、特に高
い透明性を得ることは困難であった。すなわち、通常の
市販されている顔料では、基本的な構成単位である一次
粒子が大きすぎて、強力な機械的エネルギーで分散して
も、染料なみの透明性は得られない場合が多く、カラー
フィルタ用の顔料として必ずしも満足できるものではな
く、したがって市販の顔料を用いた着色組成物もカラー
フィルタ用に改良する必要があった。
【0005】また、現在市販されている顔料は、カラー
フィルタ用として開発されたものではないために、一般
に単一の顔料だけではカラーフィルタとしての分光スペ
クトルを得るのは困難であり、顔料を2種類以上混ぜて
調色することが必要となっている。カラーフィルタのう
ち、グリーンについては、耐光性や耐熱性の優れたフタ
ロシアニン顔料のC.I.ピグメントグリーン7および
36が一般に用いられているが、単一のグリーン顔料だ
けでは十分な分光特性が得られず、このためエロー顔料
を加えてスペクトルを調整する必要がある。エロー顔料
としては、色相、透明性などの点からC.I.ピグメン
トエロー83や139が一般的に用いられている。しか
しながら、これらの顔料で調整(調色)したグリーンの
フィルタは、480nm付近にショルダーを有する分光
透過率曲線となるために、染色法に比べると色純度が劣
り、カラーディスプレーとしての色再現に限界があっ
た。したがって、グリーンの調色用として分光特性の優
れたエロー顔料の開発が必要となった。また、C.I.
ピグメントエロー83や139以外の市販のエロー顔料
では、透明性が劣っているために、このままではカラー
フィルタ用の調色用の顔料として必ずしも満足できるも
のではない。
【0006】さらに、カラーフィルタのうち、レッドに
ついては、耐光性や耐熱性の優れたジアミノジアントラ
キノニル顔料のC.I.ピグメントレッド177などが
用いられているが、グリーンと同様に単一の顔料だけで
は十分な分光特性が得られず、このためエロー顔料また
はオレンジ顔料を加えて分光スペクトルを調整する必要
がある。グリ−ンと同様に市販のC.I.ピグメントエ
ロー83や139を加えて調色しても透明性が劣ってい
るために、カラーフィルタ用のレッドとして十分に満足
できるものではなく、したがって、レッドの調色用とし
ても透過率などの分光特性の優れたエロー顔料およびオ
レンジ顔料の開発が必要となった。
【0007】通常の塗料、インキなどでは、一般に分散
度を上げていくと透明性が向上するが、サンドミル、3
本ロ−ルミル、ボ−ルミルなどの分散機では一次粒子ま
で分散されるとそれ以上透明性を上げるのは困難であ
る。通常の分散機での分散工程は、主に顔料の一次粒子
の凝集体である二次粒子をほぐして一次粒子の状態に近
い分散体を得る工程であり、それ以上の透明性を得るに
は一次粒子の更に細かい顔料を使う必要がある。高速の
サンドミルは、顔料の微粒子化に優れており、顔料によ
っては一次粒子を更に微細な粒子にすることも可能であ
るが、この場合は非常に多大なエネルギーを要する。ま
た、一次粒子を微細にする手段として、顔料を濃硫酸、
ポリりん酸などの強酸に溶解して冷水に注入して、顔料
の微細粒子を析出させる方法が知られているが、この方
法では顔料の強酸に対する溶解性や安定性の点で用いる
顔料が著しく制限される。また、この方法で得られる微
細化した顔料は、乾燥すると強い二次凝集を起こすた
め、カラーフィルタ用の着色組成物を製造する際の分散
工程で多大なエネルギーが必要となってしまうことが多
い。
【0008】さらに顔料の一次粒子を微細にする方法と
して、顔料と食塩や芒硝などの水溶性無機塩の混合物を
少量のポリエチレングリコ−ルなどの溶剤で湿らせて、
ニーダーなどの強い力で摩砕した後、無機塩と溶剤を水
洗除去、乾燥して一次粒子の微細な顔料を得る方法があ
る。この方法も摩砕のために多大なエネルギーを必要と
し、かつ大量の水洗排水の処理に多大なコストがかかる
ために、生産コストが高くなってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、グリーン顔料、レ
ッド顔料などと本発明で得られるベンズイミダゾロン系
エロー顔料との混合物およびこれらの着色組成物を用い
ることにより、分光特性、特に透明性が良好でかつ耐熱
性、耐光性などの諸耐性に優れたカラーフィルタとなる
ことを見出し、本発明に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、カ
ラーフィルタに用いる顔料、特にグリーン顔料、レッド
顔料などを優れた分光特性にするための調色用(調整
用)のベンズイミダゾロン系エロー顔料およびオレンジ
顔料およびこれらの着色組成物に関する。本発明の調色
用のベンズイミダゾロン系エロー顔料は、下記一般式
(1)で示される芳香族アミンの2種類以上の混合物の
ジアゾ化反応物と、5−アセトアセチルアミノベンズイ
ミダゾロン(2)とをカップリング反応させることによ
り得られる。
【化2】 (ただし、式中のXとYは互いに独立して、−H、−N
2 、−CONHR1、−COOR2 、−CF3 、−C
N、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭
素数1〜18のアルコキシ基を表し、R1 は−H、炭素
数1〜18のアルキル基またはアリール基を表し、R2
は−Hまたは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
【0011】
【化3】
【0012】更に、本発明は、上記エロー顔料をC.
I.ピグメントレッド177に添加してなるカラーフィ
ルタ用レッド顔料組成物に関する。更に、本発明は、上
記エロー顔料をC.I.ピグメントグリーン7または
C.I.ピグメントグリーン36に添加してなるカラー
フィルタ用グリーン顔料に関する。更に、本発明は、上
記カラーフィルタ用顔料を透明樹脂に分散させてなるカ
ラーフィルタ用着色組成物に関する。更に、本発明は、
さらに塩基性顔料誘導体を添加してなる上記カラーフィ
ルタ用着色組成物に関する。
【0013】本発明の一般式(1)で示される芳香族ア
ミンの置換基のうち、ハロゲン原子としては、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子など、アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、ヘキシ
ル基など、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基、ブトキシ基、ステアリルオキシ基、オレイルオキ
シ基など、R1 としては、上記のアルキル基、フェニル
基、トリル基、エチルフェニル基など、R2 としては、
上記のアルキル基などがそれぞれ挙げられるが、これら
の置換基に限られるものではない。
【0014】本発明のベンズイミダゾロン系顔料は、青
味エローから赤味オレンジの色相を有しており、調色用
の顔料として幅広く使うことができる。本発明のベンズ
イミダゾロン系顔料の製造方法について詳細に説明する
と、表1(アミノ基の置換位置を1とする)に具体的に
示したような芳香族アミンを2種類以上任意の割合で混
合、好ましくは使用する芳香族アミンの全モル数に対し
て異なる芳香族アミンを1%モル数以上の割合で混合し
て、常法にしたがってジアゾ化反応を行う。本発明の特
に好ましい芳香族アミンの混合例を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】本発明のベンズイミダゾロン系顔料は、ジ
アゾ化した芳香族アミンと5−アセトアセチルアミノベ
ンズイミダゾロンとカップリング反応させることにより
製造することができ、一般式(3)の2種類以上の化合
物分子が顔料の結晶粒子を形成している。
【0018】
【化4】
【0019】上記の芳香族アミンは、通常は水中で塩酸
や硫酸などの鉱酸の存在下で亜硝酸ナトリウムを用いて
好ましくは20℃以下でジアゾ化反応を行いジアゾ液を
製造する。ジアゾ化反応は水以外のアルコール、アセト
ン、ジオキサンなどの親水性溶剤を用いて、同様に塩酸
や硫酸などの鉱酸の存在下で亜硝酸ナトリウムを用いる
ことによっても実施できる。
【0020】一方、5−アセトアセチルアミノベンズイ
ミダゾロンは、通常は水に当モル量あるいはそれ以上の
水酸化ナトリウムや水酸化カリウムとともに室温下で加
えて水溶液として、いわゆるカップラー液を調製する。
また、5−アセトアセチルアミノベンズイミダゾロンを
水酸化ナトリウムや水酸化カリウムとともに水に溶解し
て、酢酸などの酸を加えて微細な5−アセトアセチルア
ミノベンズイミダゾロンを析出させた弱酸性から中性の
スラリー液をカップラー液として使うことが多い。ま
た、上記のジアゾ化反応と同様にアルコール、アセト
ン、ジオキサンなどの親水性溶剤を用いることもでき
る。このカップラー液に上記の方法で調製したジアゾ液
を室温下または加熱下で注入することによってカップリ
ング反応(混合カップリング)を行い、本発明のベンズ
イミダゾロン系カラーフィルタ用顔料は製造できる。
【0021】カップリング反応は、酸性でもアルカリ性
のもとでもスムーズに進行するが、好ましくはpH3〜
pH9に塩酸や水酸化ナトリウム水溶液でpH調整しな
がら実施した方が鮮明な顔料が得られる。また、カップ
リング反応時に非イオン、カチオン、アニオン、両イオ
ンなどの各種の界面活性剤、ロジンなどの各種の水溶性
樹脂、酢酸ブチル・キシレン・イソブチルアルコールな
どの各種の有機溶剤などを加えて顔料の表面処理を行う
と乾燥凝集などが防止でき分散が容易になる。
【0022】ロジンで表面処理を行う場合は、カップリ
ング反応を終えた後に反応液をアルカリ性とし各種のロ
ジンのナトリウム水溶液を加え、さらに塩化カルシウム
や塩化バリウムなどを加えて不溶性のロジン塩とし顔料
表面を被覆する。塩化カルシウムや塩化バリウムなどを
加えずに、鉱酸などで酸性として顔料表面をロジンで被
覆してもよい。ロジンとしては、ガムロジン、重合ロジ
ン、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン、フ
マール化ロジン、ウッドロジンなどを使うことができ
る。
【0023】上記の製造方法の特徴は、芳香族アミンを
2種類以上任意の割合で混合してジアゾ化反応してカッ
プリング反応を行うことであり、この方法によって得ら
れるベンズイミダゾロン系顔料は、化学構造の異なる2
種類以上の化合物の混合物であるが、混合した芳香族ア
ミンを個別にジアゾ化反応して得られるそれぞれの純粋
な顔料の単純な混合物とは粒子の大きさ、形、表面積、
結晶性などの物理的な性質が全く異なることを見い出し
た。この性質の違いは、化学構造の異なる分子が結晶構
造中でランダムに配列することによってもたらされる。
特に、混合しないで1種類の芳香族アミンをジアゾ化反
応し、カップリング反応させて得られる純粋なベンズイ
ミダゾロン系顔料に比べると、顔料の一次粒子が著しく
小さく、したがって表面積が著しく大きな顔料となる。
カラーフィルタには、高い透明性が必要でありそのため
には用いる顔料の一次粒子が微細であるほど好ましく、
本発明のベンズイミダゾロン系顔料は、カラーフィルタ
用の調色に最適であることを見い出した。
【0024】本発明のベンズイミダゾロン系顔料を用い
た場合には、高い透明性つまり分光スペクトル的には、
高い透過率を持ち、かつ色純度の高いカラーフィルタが
製造できる。また、本発明のベンズイミダゾロン系顔料
は均一で微細な顔料粒子であるために、着色組成物を用
いて皮膜を形成した場合には、その皮膜表面の光沢値は
高くなる。また、極めて微細な粒子で製造できるため、
市販の顔料を多大なエネルギーを使ってさらに微細化す
る必要がなく、工業的により有利である。本発明で得ら
れるベンズイミダゾロン系顔料は、一次粒子の凝集も極
めて弱くこれらの顔料を用いた着色組成物を製造する際
の分散工程でも多大なエネルギーを使う必要がなく容易
に分散でき、より安価に着色組成物を製造することがで
きる。さらに本発明で得られるベンズイミダゾロン系顔
料は、C.I.ピグメントエロー12、13、14、8
3などのアゾ系顔料などと比べて極めて優れた耐熱性、
耐光性を有しており、液晶デバイスの製作時の熱加工で
も極めて安定しており、熱による分光特性などの劣化が
ない。
【0025】本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、
調色が必要なレッド顔料、グリーン顔料などと上記の方
法で得られた調色用ベンズイミダゾロン系顔料を透明樹
脂および溶剤とともに分散し、あるいは、顔料を予め透
明樹脂と機械的に混練したのち溶剤または樹脂溶液を加
えて分散して製造する。また、別途に調色が必要なレッ
ド顔料、グリーン顔料、本発明のベンズイミダゾロン系
顔料の着色組成物をそれぞれ調製しておいて、混ぜ合わ
せて調色してもよい。
【0026】レッド顔料の代表的なものとしてC.I.
ピグメントレッド177(チバガイギー社製:クロモフ
タルレッドA2B)が挙げられるが、本発明のベンズイ
ミダゾロン系顔料は、その他のレッド顔料例えばアゾ系
顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料など下記に
示すような種々の顔料の調色に有効に使うことができ
る。 (C.I.ピグメントレッド)9、97、122、12
3、149、168、177、178、180、18
7、190、192、208、209、215、21
6、217、220、223、224、226、22
7、228、240
【0027】また、グリーン顔料の代表的なものとして
C.I.ピグメントグリーン7や36(東洋インキ製造
社製:リオノールグリーンY−101、リオノールグリ
ーン6YK)などが挙げられるが、その他のフタロシア
ニン系顔料の調色にも有効に使うことができる。これら
のレッド顔料またはグリーン顔料と本発明のベンズイミ
ダゾロン系顔料を使うことにより、透明性以外の分光特
性、例えば色純度なども優れたカラーフィルタを製造で
きる。
【0028】ベンズイミダゾロン系顔料、レッド顔料、
グリーン顔料の透明樹脂への分散には、二本ロール、三
本ロール、サンドミル、ニ−ダーなどの各種の分散機を
使うことができる。また、これらの分散を良好とするた
めに、適宜、各種界面活性剤、顔料の誘導体などの分散
助剤を添加できる。顔料の誘導体としては、有機色素に
末端置換基としてジアルキルアミノ基などを導入した塩
基性化合物、例えば次の一般式(4)、(5)などを使
うことができるが、これらの顔料の誘導体に限られるも
のではない。これらの塩基性顔料誘導体は、本発明のベ
ンズイミダゾロン系顔料に対して5〜10重量%用いる
のが好ましい。
【0029】
【化5】
【0030】(ただし式中、Aは、CO、SO2 、CH
2 NHCOCH2 などの連結基、Bはアルキル基、nは
1〜8の整数を表す。) 顔料の誘導体などの分散助剤は顔料の分散に優れ、分散
後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、本発明
の極めて微細な粒子のベンズイミダゾロン系顔料の特性
を最大限に引出し、著しく低い粘度の着色組成物となり
透明性の極めて優れた色純度の高いカラ−フィルタが製
造できる。また、これらの誘導体は、本発明のベンズイ
ミダゾロン系顔料を分散する時に添加しても良いが、本
発明のベンズイミダゾロン系顔料を製造する際に、表1
の芳香族アミンと下記の一般式(6)、(7)などの芳
香族アミンを混合して同時にジアゾ化反応、次いでカッ
プリング反応を行ってもよい。
【0031】
【化6】
【0032】(ただし、式中A、Bおよびnは、一般式
(4)、(5)と同じ意味を表す。) また、レッド、グリーンなどの調色が必要な顔料にもそ
れぞれに適した顔料の誘導体などの分散助剤を同時に加
えて着色組成物を調製してもよい。これらの顔料の誘導
体としては、ジアントラキノニル顔料やフタロシアニン
顔料などに一般式(4)や(5)と同様に、末端に酸ア
ミド基やトリアジニル基を介してジアルキルアミノ基な
どの塩基性置換基を導入した化合物などを使うことがで
きる。
【0033】透明樹脂は、可視光領域の400〜700
nmの全波長領域において透過率が80%以上、好まし
くは95%以上の樹脂であり、熱硬化性樹脂、熱可塑性
樹脂、感光性樹脂等が用いられる。また、放射線照射に
より硬化し、樹脂と同様の塗膜を形成するモノマーおよ
びまたはオリゴマーも本発明では透明樹脂として用いる
ことができる。したがって、透明樹脂は、モノマー、オ
リゴマーを混合していないものでもよく、混合したもの
でもよい。また、モノマー、オリゴマーを単独で透明樹
脂として用いてもよい。紫外線照射により硬化を行うと
きには、光開始剤などが用いられる。しかしながら、カ
ラーフィルタの製造における後の工程において、高温加
熱処理が行われるため、加熱処理においても耐性の良い
樹脂を用いることが必要である。また、後の工程におい
て種々の溶剤やアルカリ薬品などによる処理も行われる
ため、形成された画像の耐溶剤性も必要である。
【0034】熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂としては、例
えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合
体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢
酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、フェノ−ル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、アル
キッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹
脂、環化樹脂、エポキシ樹脂、セルロース類、ポリブタ
ジエン、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラ
ミン樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。
【0035】感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基などの反応性の置換基を有する線状高分
子にイソシアネ−ト基、アルデヒド基、エポキシ基など
を介して、(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸などの光
架橋性基を導入した樹脂などが用いられる。スチレン無
水マレイン酸共重合物やαオレフィン無水マレイン酸な
どの酸無水物を含む線状高分子のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)ア
クリル化合物ハーフエステルも感光性樹脂として用いる
ことができる。
【0036】モノマー、オリゴマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、ビニルアセテート、N−ヒドロキシメチルアクリル
アミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、スチレン、酢酸ビ
ニル、各種アクリル酸エステル、各種メタクリル酸エス
テル、アクリロニトリル、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レートのカプロラクトン付加物のヘキサアクリレート、
メラミンアクリレート、エポキシアクリレートプレポリ
マーなどを挙げることができる。光開始剤としては、ア
セトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チ
オキサントン系、カルバゾール系、イミダゾール系、ト
リアジン系化合物が用いられる。
【0037】カラーフィルタ用着色組成物には、着色剤
を十分に分散させるため、およびガラスなどの基板上に
0.2〜5ミクロンの膜厚となるように塗布するために
溶剤を用いる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノ
ン、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジ
エチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル
−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノ
ール、イソブチルケトン、石油系溶剤などが挙げられ、
単独もしくは混合して用いる。
【0038】本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用
いてグラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセッ
ト印刷インキ、シルクスクリーン印刷インキ、溶剤現像
型あるいはアルカリ現像型着色レジストなどを製造する
ことができる。これらの印刷インキ、着色位レジスト剤
などは、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ
などの手段にて5μ以上の粗大粒子、好ましくは1μ以
上の粗大粒子さらに好ましくは0.5μ以上の微小粒子
および混入した塵の除去を行い製造する。
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例において「部」は全て重量部を示し、「%」
は全て重量%を示す。
【0039】(実施例1)1−アミノ−2−メトキシベ
ンゼン6.2部(表1の芳香族アミン25)、1−アミ
ノ−4−ニトロベンゼン(表1の芳香族アミン3)6.
9部および35%塩酸31部を氷水200部に加え、つ
いで水50部に亜硝酸ナトリウム7.0部を溶解した溶
液を5℃以下で加えて1時間攪拌してジアゾ化反応を行
いジアゾ液を調製した。一方、氷水1000部に5−ア
セトアセチルアミノベンズイミダゾロン23.3部、水
酸化ナトリウム16部を10℃以下で攪拌して溶解し、
この溶液に12%酢酸水溶液220部を10℃以下で攪
拌しながら加えて5−アセトアセチルアミノベンズイミ
ダゾロンの微細な結晶を析出させ、およそpH5の弱酸
性のカップラー液を調製した。このカップラー液を攪拌
しながら、上記のジアゾ液を20℃以下で加えて3時間
攪拌し、さらに70℃まで加熱して1時間攪拌した後、
濾過水洗し80℃で乾燥して目的とするベンズイミダゾ
ロン系エロー顔料(顔料a)37部を得た。
【0040】次に140mlマヨネ−ズ瓶に直径2mm
のスチールボール150部、上記の顔料aを4部、C.
I.ピグメントレッド177(チバガイギー社製:クロ
モフタルレッドA2B)10部、顔料誘導体(一般式
(5)でnが2、Bがブチル基、トリアジニル基はアゾ
基のp位)0.4部、アクリル系樹脂(ブチルメタクリ
レート50%、ブチルアクリレート30%、メタクリル
酸20%からなるアクリル共重合体)13部、アノン6
0部を入れ、ペイントコンディショナーで3時間分散し
てカラーフィルタ用のレッドの着色組成物を調製した。
調製した着色組成物をNo.10のバーコーターでPE
Tフィルムに展色し110℃で10分間乾燥して、分光
光度計を用いてこの展色物の透過率などの分光特性や表
面の光沢値(60°変角光沢値)を測定した。また、レ
ッドの展色物については、液晶ディスプレーのバックラ
イトのレッドの波長610nmにおける透過率を判定の
基準とした。同時に耐アルカリ性試験も行い、結果を表
3にまとめた。なお、実際にカラーフィルタを製造する
に当たっては、上記の方法で得られた着色組成物に各種
のモノマーや重合開始剤を加えて使用するが、基本的に
はこの段階の着色組成物の特性によって、得られるカラ
ーフィルタの透過率などの分光特性や耐熱性、耐光性な
どの諸耐性が決まる。
【0041】(比較例1)上記の顔料aの合成方法で1
−アミノ−4−ニトロベンゼンを混ぜないで、1−アミ
ノ−2−メトキシベンゼン12.3部だけを用いて、上
記実施例1と同様にして純粋なベンズイミダゾロン系エ
ロー顔料bを36部得た。また、1−アミノ−2−メト
キシベンゼンを混ぜないで、1−アミノ−4−ニトロベ
ンゼンだけを用いて、上記実施例1と同様にして純粋な
ベンズイミダゾロン系エロー顔料cを38部得た。顔料
aの代わりに、顔料bと顔料cとをそれぞれ2部ずつ混
合した合計4部(顔料aとほぼ同じ組成)を用いて、実
施例1と同様にしてレッドの着色組成物を調製し、展色
物を作成しその特性を測定した。結果を表3で比較した
が、表から明らかなように本発明のベンズイミダゾロン
系エロー顔料aは、それぞれ単独に合成した顔料bおよ
び顔料cを混ぜたものに比べて、高い透過率と高い光沢
値を有しておりカラーフィルタ用の優れた顔料であり、
これを用いた着色組成物から高品位のカラーフィルタが
得られる。
【0042】(実施例2)実施例1の1−アミノ−2−
メトキシベンゼン6.2部の代わりに1−アミノ−2、
5−ジクロロベンゼン(表1の芳香族アミン15)4.
9部、1−アミノ−4−ニトロベンゼン6.9部の代わ
りに1−アミノ−2−トリフロロメチルベンゼン(表1
の芳香族アミン12)11.3部を用いて、同様にジア
ゾ化反応および5−アセトアセチルアミノベンズイミダ
ゾロン23.3部とのカップリング反応を行って、ベン
ズイミダゾロン系エロー顔料dを40部得た。次に実施
例1と同様に顔料aの代わりに顔料dを用いて、レッド
の着色組成物を調製し展色物を作成して、その特性を測
定した。その結果を表3にまとめた。
【0043】(比較例2)上記実施例2において、1−
アミノ−2−トリフロロメチルベンゼンを混ぜないで、
1−アミノ−2,5−ジクロロベンゼン16.2部だけ
を用いて、実施例1と同様にして純粋なベンズイミダゾ
ロン系エロー顔料eを40部得た。また、1−アミノ−
2,5−ジクロロベンゼンを混ぜないで、1−アミノ−
2−トリフロロメチルベンゼン16.1部だけを用い
て、同様にして純粋なベンズイミダゾン系エロー顔料f
を40部得た。顔料aの代わりに、顔料eを1.2部と
顔料fを2.8部とを合計4部混合(顔料dとほぼ同じ
組成)して、実施例1と同様にC.I.ピグメントレッ
ド177を用いてレッドの着色組成物を調製し展色物を
作成してその特性を測定した。結果を表3で比較した
が、表から明らかなように本発明のベンズイミダゾロン
系顔料dは、それぞれ単独に合成した顔料eおよび顔料
fを混ぜたものに較べて、高い透過率と高い光沢値を有
しており、カラーフィルタ用の優れた顔料であり、これ
を用いた着色組成物から高品位のカラーフィルタが得ら
れる。
【0044】(実施例3)アントラニル酸(表1の芳香
族アミン9)1.4部、1−アミノ−2−ニトロ−4−
クロロベンゼン(表1の芳香族アミン5)15.5部お
よび35%塩酸31部を氷水300部に加え、ついで水
50部に亜硝酸ナトリウム7.0部を溶解した溶液を5
℃以下で加えて1時間攪拌してジアゾ化反応を行いジア
ゾ液を調製した。一方、氷水1500部に5−アセトア
セチルアミノベンズイミダゾロン23.3部、水酸化ナ
トリウム16部を10℃以下で攪拌して溶解し、この溶
液に12%酢酸水溶液220部を10℃以下で攪拌しな
がら一気に加えて5−アセトアセチルアミノベンズイミ
ダゾロンの微細な結晶を析出させ、およそpH5の弱酸
性のカップラー液を調製した。このカップラー液を攪拌
しながら、上記のジアゾ液を20℃以下で加えて3時間
攪拌し、さらに80℃まで加熱して1時間攪拌した後、
濾過水洗し80℃で乾燥して目的とするベンズイミダゾ
ロン系オレンジ顔料(顔料g)を40部得た。
【0045】次に140mlマヨネ−ズ瓶に直径2mm
のスチールボール150部、上記の顔料gを3部、C.
I.ピグメントレッド177(チバガイギー社製:クロ
モフタルレッドA2B)11部、顔料誘導体(一般式
(4)でAがCO、nが3、Bがnブチル基、酸アミド
基はアゾ基のp位)0.3部、アクリル系樹脂(スチレ
ン15%、2−ヒドロキシアクリレート13%、アクリ
ル酸20%、メタクリル酸メチル12%、メタクリル酸
ブチル40%からなる共重合体)14部、シクロヘキサ
ノン60部を入れ、ペイントコンディショナーで3時間
分散してカラーフィルタ用のレッドの着色組成物を調製
した。調製した着色組成物をNo.10のバーコーター
でPETフィルムに展色し110℃で10分間乾燥し
て、分光光度計を用いてこの展色物の透過率などの分光
特性や表面の光沢値(60°変角光沢値)を測定した。
同時に耐アルカリ性試験も行い、その結果を表3にまと
めた。
【0046】(比較例3)上記の顔料gの合成方法でア
ントラニル酸を混ぜないで、1−アミノ−2−ニトロ−
4−クロロベンゼン17.2部だけを用いて、上記実施
例3と同様にして純粋なベンズイミダゾロン系オレンジ
顔料hを41部得た。また、1−アミノ−2−ニトロベ
ンゼンを混ぜないで、アントラニル酸13.7部だけを
用いて、上記実施例3と同様にして純粋なベンズイミダ
ゾロン系エロー顔料iを38部得た。顔料gの代わり
に、顔料hを2.7部と顔料iを0.3部つ混合した合
計3部(顔料gとほぼ同じ組成)を用いて、実施例3と
同様にしてレッドの着色組成物を調製し、展色物を作成
しその特性を測定した。結果を表3で比較したが、表か
ら明らかなように本発明のベンズイミダゾロン系オレン
ジ顔料gは、カラーフィルタ用の優れた顔料であり、こ
れを用いた着色組成物から高品位のカラーフィルタが得
られる。
【0047】(実施例4)実施例3のアントラニル酸
1.4部の代わりに、1−アミノ−ベンゼン−3,5−
ジカルボン酸エチル(表1の芳香族アミン11)11.
8部、1−アミノ−2−ニトロ−4−クロロベンゼン1
5.5部の代わりに1−アミノ−4−クロロベンゼン
(表−1の芳香族アミン14)6.4部を用いて、同様
にジアゾ化反応および5−アセトアセチルアミノベンズ
イミダゾロン23.3部とのカップリング反応を行っ
て、ベンズイミダゾロン系エロー顔料jを41部得た。
次に実施例3と同様に顔料gの代わりに顔料jを3部用
いて、C.I.ピグメントレッド177(チバガイギー
社製:クロモフタルレッドA2B)11部の代わりに
C.I.ピグメントグリーン36(東洋インキ製造社
製:リオノールグリーン6YK)11部を用いてグリー
ンの着色組成物を調製し展色物を作成して、その特性を
測定した。なおグリーンの展色物については、液晶ディ
スプレーのバックライトのグリーンの波長545nmに
おける透過率を判定の基準とした。結果を表3にまとめ
た。
【0048】(比較例4)上記実施例3において、1−
アミノ−ベンゼン−3,5−ジカルボン酸エチルを混ぜ
ないで、1−アミノ−4−クロロベンゼン12.8部だ
けを用いて、実施例3と同様にして純粋なベンズイミダ
ゾロン系エロー顔料kを37部得た。また、1−アミノ
−4−クロロベンゼンを混ぜないで、1−アミノ−ベン
ゼン−3,5−ジカルボン酸エチルエステル23.6部
だけを用いて、同様にして純粋なベンズイミダゾン系エ
ロー顔料lを45部得た。顔料jの代わりに、顔料kを
1.3部と顔料lを1.7部とを合計3部混合(顔料j
とほぼ同じ組成)して、実施例3と同様にしてC.I.
ピグメントグリーン36(東洋インキ製造社製:リオノ
ールグリーン6YK)11部を用いてグリーンの着色組
成物を調製し展色物を作成してその特性を測定した。結
果を表3で比較したが、表から明らかなように本発明の
ベンズイミダゾロン系エロー顔料jは、カラーフィルタ
用の優れた顔料であり、これを用いた着色組成物から高
品位のカラーフィルタが得られる。
【0049】(実施例5)アントラニル酸(表1の芳香
族アミン9)8.8部、1−アミノ−2−トリフロロメ
チルベンゼン(表1の芳香族アミン12)4.8部、1
−アミノ−2−メトキシベンゼン(表1の芳香族アミン
25)2.5部および35%塩酸31部を氷水200部
に加え、ついで水50部に亜硝酸ナトリウム7.0部を
溶解した溶液を5℃以下で加えて1時間攪拌してジアゾ
化反応を行いジアゾ液を調製した。一方、氷水1500
部に5−アセトアセチルアミノベンズイミダゾロン2
3.3部、水酸化ナトリウム16部を10℃以下で攪拌
して溶解し、この溶液に12%酢酸水溶液220部を1
0℃以下で攪拌しながら一気に加えて5−アセトアセチ
ルアミノベンズイミダゾロンの微細な結晶を析出させ、
およそpH5の弱酸性のカップラー液を調製した。この
カップラー液を攪拌しながら、上記のジアゾ液を20℃
以下で加えて3時間攪拌し、さらに80℃まで加熱して
1時間攪拌した後、濾過水洗し80℃で乾燥して目的と
するベンズイミダゾロン系オレンジ顔料(顔料m)を3
7部得た。
【0050】次に140mlマヨネ−ズ瓶に直径2mm
のスチールボール150部、上記の顔料mを3部、C.
I.ピグメントグリーン36(東洋インキ製造社製:リ
オノールグリーン6YK)11部、顔料誘導体(一般式
(4)でAがSO2 、nが2、Bがnブチル基、酸アミ
ド基はアゾ基のp位)0.3部、C.I.ピグメントグ
リーン36の分散助剤として銅フタロシアニンにSO2
NH(CH2 2 N(CH3 2 基を導入した化合物
0.5部、アクリル系樹脂(ブチルメタクリレート45
%、ブチルアクリレート35%、メタクリル酸20%か
らなるアクリル共重合体)10部、シクロヘキサノン5
0部を入れ、ペイントコンディショナーで3時間分散し
てカラーフィルタ用のレッドの着色組成物を調製した。
調製した着色組成物をNo.10のバーコーターでPE
Tフィルムに展色し110℃で10分間乾燥して、分光
光度計を用いてこの展色物の透過率などの分光特性や表
面の光沢値(60°変角光沢値)を測定した。その結果
を表3にまとめた。
【0051】(比較例5)顔料mの代わりにベンズイミ
ダゾロン系顔料i、fおよびbをそれぞれ1.5部、
0.9部、0.6部を混ぜて3.0部を用いて、実施例
5と同様にしてC.I.ピグメントグリーン36(東洋
インキ製造社製:リオノールグリーン6YK)11部を
用いてグリーンの着色組成物を調製し展色物を作成して
その特性を測定した。結果を表2で比較したが、表から
明らかなように本発明のベンズイミダゾロン系エロー顔
料mは、カラーフィルタ用の優れた顔料であり、これを
用いた着色組成物から高品位のカラーフィルタが得られ
る。
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】2種類以上の芳香族アミンを混合してジ
アゾ化反応を行い、次いで5−アセトアセチルアミノベ
ンズイミダゾロンとカップリング反応させることによっ
てカラーフィルタ用のベンズイミダゾロン系エロー顔料
およびオレンジ顔料を得ることができた。これを用いた
着色組成物を使うことにより、優れた分光特性、特に高
い透明性を持ち、色純度が高く、かつ耐熱性、耐光性な
どの諸耐性の優れたカラーフィルタが製造できた。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 昭生 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 大泉 哲朗 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で示される芳香族アミン
    の2種以上の混合物のジアゾ化反応物と、5−アセトア
    セチルアミノベンズイミダゾロンとをカップリング反応
    させることにより得られるベンズイミダゾロン系カラー
    フィルタ用顔料。 【化1】 (ただし、式中のXとYは互いに独立して、−H、−N
    2 、−CONHR1、−COOR2 、−CF3 、−C
    N、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭
    素数1〜18のアルコキシ基を表し、R1 は−H、炭素
    数1〜18のアルキル基またはアリール基を表し、R2
    は−Hまたは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】請求項1記載のエロー顔料をC.I.ピグ
    メントレッド177に添加してなるカラーフィルタ用レ
    ッド顔料組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載のエロー顔料をC.I.ピグ
    メントグリーン7またはC.I.ピグメントグリーン3
    6に添加してなるカラーフィルタ用グリーン顔料。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のカラーフィルタ用顔料
    を透明樹脂に分散させてなるカラーフィルタ用着色組成
    物。
  5. 【請求項5】さらに塩基性顔料誘導体を添加してなる請
    求項4記載のカラーフィルタ用着色組成物。
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