JPH08294905A - 木質材の改質方法 - Google Patents

木質材の改質方法

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JPH08294905A
JPH08294905A JP10421095A JP10421095A JPH08294905A JP H08294905 A JPH08294905 A JP H08294905A JP 10421095 A JP10421095 A JP 10421095A JP 10421095 A JP10421095 A JP 10421095A JP H08294905 A JPH08294905 A JP H08294905A
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JP
Japan
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woody material
resistance
impregnated
drying
oil
Prior art date
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Pending
Application number
JP10421095A
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English (en)
Inventor
Shigeru Morishita
滋 森下
Akihisa Azuma
明久 東
Takayo Ogawa
貴代 小川
Takahisa Honda
貴久 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Daiken Trade and Industry Co Ltd filed Critical Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Publication of JPH08294905A publication Critical patent/JPH08294905A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性,耐寸法安定性,耐干割れ性に優れ、
生産性が高く、自然環境に悪影響を与えず、汎用性を有
する木質材が得られる木質材の改質方法を提供すること
にある。 【構成】 乾性油または半乾性油にフェノール性抗菌物
質を添加,混合して処理液を得る。ついで、この処理液
を木質材に注入,含浸した後、乾燥,硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木質材に抗菌性物質を
付与する木質材の改質方法に関する。より具体的には、
カビ等による木質材の美観の低下、木材腐朽菌やシロア
リ等による外観や強度の低下を防止する木質材の改質方
法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来か
ら、木質材に防カビ、防腐、防蟻等の性能を付与するた
め、CCA(クロム化砒酸銅)、クレオソート、PCP
(ペンタクロルフェノール)等の溶液を木質材に含浸処
理することが知られている。
【0003】しかしながら、これらの薬剤は溶剤に溶解
して使用したり、水性エマルジョンとして使用すること
が多いので、木質材に薬剤を含浸させた後、水等の溶剤
を木質材から除去する乾燥工程が必要である。このた
め、生産性が低いだけでなく、乾燥中の木質材に干割れ
が生じて商品価値を下げる等の不具合を生じることがあ
った。また、これら薬剤の中には、木質材から溶脱して
自然環境に流出すると、悪影響を与えるものがある。さ
らに、CCAを使用すると、木材が緑色に変色し、クレ
オソート等を使用すると、木材が濃い茶色に変色して自
然な風合いの木材が得られず、このような変色した木材
は高い装飾的価値を必要とする場所に使用できず、汎用
性に乏しい。そして、耐水性や耐寸法安定性等について
は、従来の薬剤の含浸処理だけでは十分でないという問
題点があった。
【0004】本発明は、前記問題点に鑑み、耐水性,耐
寸法安定性に優れ、生産性が高く、自然環境に悪影響を
与えず、汎用性を有する木質材が得られる木質材の改質
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、ヨウ素価100以上の植物油にフェノール
性抗菌物質を添加,混合して得た処理液を木質材に注
入,含浸した後、乾燥,硬化する木質材の改質方法にあ
る。
【0006】ヨウ素価100以上の植物油は、固化乾燥
して木質材に耐水性,耐寸法安定性,耐干割れ性を付与
するとともに、後述するフェノール性抗菌物質と反応
し、溶脱しないようにこれを木質材中に固定し、木質材
の耐久性を著しく向上させるためのものである。そし
て、ヨウ素価100以上としたのは、ヨウ素価100未
満の不乾性油では乾燥しにくく、ベトツキ感が解消しな
いからである。具体的には、ヨウ素価100〜130の
半乾性油およびヨウ素価130以上の乾性油が挙げら
れ、具体例としては、ゴマ油,ナタネ油,綿実油,大豆
油,ヒマワリ油,アマニ油,サフラワー油,トール油,
キリ油等が挙げられる。
【0007】フェノール性抗菌物質は、木質材に高い抗
菌性を付与し、防カビ性,防腐性,防蟻性を向上させる
ためのものであり、例えば、クレゾール、グァイヤコー
ル、オルシノール、チモール、オイゲノール、バニリ
ン、アリザリン、カテキン等が挙げられる。
【0008】前述のフェノール性抗菌物質は、乾性油ま
たは半乾性油100重量部に対し、0.5ないし20重
量部添加される。0.5重量部未満であると、十分な抗
菌性を木質材に付与できないからであり、20重量部を
越えると、添加量を増やしても、抗菌性向上の効果が乏
しいからである。
【0009】このようにして調整した処理液には、乾性
油または半乾性油とフェノール性抗菌物質との反応を促
進する酸性触媒を添加してもよい。このような酸性触媒
としては、例えば、パラトルエンスルフォン酸、リン
酸、硫酸等が挙げられる。
【0010】また、前記処理液には、乾性油または半乾
性油の酸化重合反応を早め、乾燥,硬化を促進する活性
ドライヤー、補助ドライヤーを添加してもよい。前記活
性ドライヤーとしては、例えば、マンガン、コバルト等
が挙げられ、前記補助ドライヤーとしては、例えば、
鉛、カルシウム、セリウム、ジルコニウム、亜鉛、鉄、
銅、バリウムが挙げられる。
【0011】なお、前記酸性触媒,補助ドライヤーおよ
び活性ドライヤーの種類,添加量は、処理液のライフ,
保存,処理時間等を総合的に勘案して適宜選択できる。
【0012】木質材は、その樹種および形状は問わない
が、例えば、木材角材,木材板材,木材単板,中比重繊
維板,パーティクルボード,合板,LVL,集成材等が
挙げられる。
【0013】前記処理液を木質材に含浸処理する方法
は、木質材の形状、用途および所望の抗菌性能等に応じ
て既存の方法から適宜選択できる。例えば、塗布法、浸
漬法、減圧法、加圧法、減圧加圧法等の通常手段を適宜
選択すればよい。なお、厚さ1mm以下の薄い木質単板に
処理液を含浸処理する場合や、木質材の表面層だけに処
理液を含浸処理する場合には、密閉容器内に収納して行
う減圧法、加圧法、減圧加圧法等の強制注入法以外の方
法、例えば、塗布法や浸漬法によっても含浸処理は可能
である。
【0014】なお、木質材の表面に処理液が多量に残存
していると、表面に付着した処理液がそのまま硬化して
外観が悪くなることがあるので、含浸処理する処理液を
加温して粘性を小さくし、表面に余分な処理液が残存し
ないようにしてもよく、あるいは、通常の処理液で木質
材を含浸処理した後、加熱した乾性油を主成分とする液
体中に浸漬し、木質材の表面に付着した余分な処理液を
洗い流してもよく、また、前述の両者を組み合わせても
よい。このような処理により、木質材の表面に余分な処
理液が残存しないだけでなく、木質材が膨潤して処理液
が含浸しやすくなるとともに、処理液の乾燥の度合いが
早くなり、ベトツキ感やそれに伴う取り扱い性を改善で
きるという利点がある。
【0015】処理液を含浸させた木質材の乾燥,硬化工
程は、木質材中の乾性油または半乾性油を空気中の酸素
に触れさせて酸化重合する工程であり、温度は特に限定
するものではなく、室温以下で放置しておいても達成で
きるが、乾燥,硬化を促進するために処理液を含浸した
木質材を加熱してもよい。また、処理液を含浸した直後
の木質材表面にはベトツキがあり、ゴミ等が付着しやす
いので、塵埃等のない清浄な空気中で乾燥,硬化させる
ことが好ましい。
【0016】
【実施例】
(実施例)厚さ1.0cm、幅3.5cm、長さ3.5cmの気
乾状態のベイツガ材を密閉容器内に収納して圧力6kPa
まで減圧する。一方、アマニ油90重量部に、フェノー
ル性抗菌物質としてのグァイヤコール10重量部、酸性
触媒としてパラトルエンスルフォン酸0.1重量部、活
性ドライヤーとしてナフテン酸コバルト0.5重量部を
添加,混合して処理液を得、この処理液を圧力6kPaま
で減圧した前記密閉容器内に注入して30分間減圧注入
した。そして、前記密閉容器内を一旦常圧にもどした
後、密閉容器内を圧力1MPaで30分間維持して処理
液をベイツガ材に加圧注入した。ついで、処理液を含浸
したベイツガ材を温度100℃のドライヤー内で60分
間加熱した後、常温で2週間放置し、乾燥硬化させて試
験片を得た。
【0017】この試験片の重量増加率は58%であり、
干割れ等の外観上の欠点はほとんど見受けられなかっ
た。また、この試験片にJIS−Z−2911に準拠し
たカビ抵抗性試験を行ったところ、菌の接種部分に菌糸
の発育は見受けられず、カビ抵抗性は良好であった。さ
らに、前記試験片を水中に24時間浸漬したところ、そ
の抗膨脹能は46%であり、良好な寸法安定性を有して
いた。
【0018】(比較例)アマニ油99.5重量部にナフ
テン酸コバルト0.5重量部を添加,混合して得た処理
液を使用する点を除き、他は前述の実施例と同様に処理
して試験片を得た。
【0019】この試験片の重量増加率は63%であり、
干割れ等の外観上の欠点は実施例と同様にほとんど見受
けられなかった。また、この試験片にJIS−Z−29
11に準拠したカビ抵抗性試験を行ったところ、菌糸の
発育部分は試験片の全面積の3分の1を越え、カビ抵抗
性は実施例よりも劣ることがわかった。さらに、この試
験片を水中に24時間浸漬したところ、その抗膨脹能は
43%であり、実施例とほぼ同様であった。
【0020】以上の試験結果から、防カビ性において比
較例よりも実施例の方が優れていることがわかった。
【0021】
【発明の効果】乾性油または半乾性油にフェノール性抗
菌物質を添加,混合した処理液を木質材に含浸処理する
と、フェノール性抗菌物質によって木質材に高い抗菌性
を付与でき、防カビ性、防腐性、防蟻性等を向上させる
ことができる。また、乾性油または半乾性油が乾燥,硬
化することにより、木質材に耐水性,耐寸法安定性およ
び耐干割れ性等を付与できる。さらに、フェノール性抗
菌物質が乾性油または半乾性油と反応し、木質材からフ
ェノール性抗菌物質が溶脱しないように固定できるの
で、前述の効果と相俟って木質材の耐久性が著しく向上
する。そして、処理液を木質材に含浸処理した後に乾性
油または半乾性油を除去する工程を必要としないので、
従来例よりも生産性が向上するとともに、乾燥工程にお
ける干割れ等の発生を防止でき、歩留まりが向上すると
いう効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 貴久 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨウ素価100以上の植物油にフェノー
    ル性抗菌物質を添加,混合して得た処理液を木質材に注
    入,含浸した後、乾燥,硬化することを特徴とする木質
    材の改質方法。
JP10421095A 1995-04-27 1995-04-27 木質材の改質方法 Pending JPH08294905A (ja)

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JP10421095A JPH08294905A (ja) 1995-04-27 1995-04-27 木質材の改質方法

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JP10421095A JPH08294905A (ja) 1995-04-27 1995-04-27 木質材の改質方法

Publications (1)

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JPH08294905A true JPH08294905A (ja) 1996-11-12

Family

ID=14374609

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JP10421095A Pending JPH08294905A (ja) 1995-04-27 1995-04-27 木質材の改質方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6911618B1 (en) 2004-02-03 2005-06-28 Hitachi Metals, Ltd. Method of producing minute metal balls

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6911618B1 (en) 2004-02-03 2005-06-28 Hitachi Metals, Ltd. Method of producing minute metal balls

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