JPH08292151A - 光学的計測による光輝材含有塗膜の光輝材種の推定方法 - Google Patents

光学的計測による光輝材含有塗膜の光輝材種の推定方法

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JPH08292151A
JPH08292151A JP9839395A JP9839395A JPH08292151A JP H08292151 A JPH08292151 A JP H08292151A JP 9839395 A JP9839395 A JP 9839395A JP 9839395 A JP9839395 A JP 9839395A JP H08292151 A JPH08292151 A JP H08292151A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光輝材を含む塗膜の光輝材種の同定とその配
合推定の方法を提供する。 【構成】 光源から塗膜表面に光を照射し、該塗膜表面
の微細な面積からの反射光の強度を所定の評価面積全体
について顕微光沢計を用いて測定し、得られた反射光強
度データについて頻度分布を求める。次に、この頻度分
布を適当な関数モデルで近似する。そして、得られたパ
ラメータの挙動から塗膜中の光輝材の種別と配合を推定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的計測による光輝
材含有塗膜の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、光輝材を含む光輝材含有塗膜は、高意匠性塗色とし
て自動車外板色等に多用されている。光輝材含有塗膜
は、アルミやマイカなどのりん片状の光輝性顔料を用い
ており、光輝材の種類、粗細、塗膜中での配向度などに
応じて光輝感、干渉色などが異なり、通常の着色顔料だ
けを用いた塗膜とは異なった反射光分布による独特の光
学的効果を与える。工業用途の塗装においては、塗装ラ
インの管理により塗膜中の光輝材顔料の配向はおおむね
ある管理された幅に入っている。従って工業用途、特に
自動車外板塗装においては、使用する光輝材種(種類と
粒径など)が、塗膜の光輝感の主たる決定要因となって
いる。
【0003】光輝材を含有するメタリック塗膜のメタリ
ック感を特徴づける因子としては、明るさ、光輝感(き
らきら感)、光学的異方性(プロップ効果)があげられ
る。このうち、明るさと光学的異方性については、ある
程度の評価が可能である。しかし、きらきら感について
は、何をどのように評価すればいいのかが分かっていな
かった。きらきら感は、光輝材粒子からの強い反射光に
より生じ、光輝材の種類、粒子径などにより変化する。
ところで、同一種の光輝材(たとえばアルミ顔料)であ
っても、異なった粒径を有すると、光輝感が異なる。そ
こで、たとえば、メタリック塗装のために異なった粒径
のアルミ顔料を混合して塗膜を形成すると、種々の光輝
感が表現できる。このように複数の光輝材顔料を配合し
た塗膜がある場合、その塗膜の配合を光学的計測により
推定することができれば、その推定配合からなる塗料を
作成し、その塗色を再現できる。従来は、複数の光輝材
顔料を用いていると思われる塗膜について、熟練者が経
験的に配合を推定していた。光輝材含有塗色を光学的に
計測して光輝材種とその配合を推定できると経験が少な
くても塗色を再現できるが、従来は、光学計測により配
合を推定することはできなかった。
【0004】なお、顕微光沢計により微細面積の反射光
強度の分布を測定して、その波形(山高さ、ピッチ長な
ど)を解析することにより光輝感が評価できることが報
告されている。しかし、この方法は、複数の光輝材顔料
を混合した混合系塗色には対応しきれない。また、光輝
材を含む塗膜の評価方法としては、特開平6−1179
34号公報にて、光輝材を含む塗膜の塗装深み感の評価
方法が知られている。深み感は、塗膜の奥からの反射に
より生じると言われている。深み感は、透明感を前提と
するので、この方法では、カラークリア層の厚みを変え
て塗面の輝度を測定し深み感を評価している。しかし、
深み感の評価は、本願発明の課題である同一光輝材にお
ける光輝材種や配合の推定とは別の技術的課題である。
【0005】本発明の目的は、光学的計測による光輝材
含有塗膜の光輝材配合推定方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光輝材を含
む塗膜の光輝材種を推定する方法では、光源から塗膜表
面に光を照射し、正反射光が入射しない角度から受光し
て該塗膜表面の微細な面積からの反射光の強度を所定の
評価面積全体について測定し、この測定より得られた反
射光強度データについて頻度分布を求める。次に、この
頻度分布を次の関数
【数2】 N=aRsexp(−Rs/(2b2))+Cexp(−(Rs−D)2/E) (1) (ここに、Nは反射光強度Rsでの頻度を表し、a、
b、C、DおよびEは計算により得られるパラメータで
ある)で近似する。そして、得られたパラメータの値か
ら塗膜中の光輝材の粗細を推定する。好ましくは、上記
の反射光強度の測定が顕微光沢計を用いて行われる。
【0007】
【作用】本発明では、光輝材含有塗膜の「微細面積での
反射光の不均一さ」に注目し、反射光強度の頻度分布を
求める。反射光強度の頻度分布の挙動は、頻度分布のピ
ーク部分(最頻度値)を表わすのに適した関数と頻度分
布の高反射光強度側のテール部分を表わすのに適した関
数との和である関数モデル(1)で表現することができる
ことが分かった。この関数モデルを用いて得られたパラ
メータから、同一光輝材の単一系顔料と混合系顔料の位
置関係を表わすことが可能であることがわかった。これ
により、パラメータを解析することにより光輝材含有塗
色の特徴づけが可能となり、塗膜中の光輝材種の種類や
その配合の推定が非破壊で可能になった。また、顕微光
沢計を用いると、反射光強度の測定が精度よく行える。
【0008】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
について説明する。光輝材種と粗細の評価においては、
まず、(1) 顕微光沢計を用いて、塗膜の所定の評価面
を光で照射し、評価面内の微細単位面積ごとに反射光の
強度を測定し、この操作を所定の評価面積全体について
おこない、評価面積全体の反射光強度の分布を測定す
る。次に、(2) 得られた測定データについて、頻度分
布を求め、この頻度分布の挙動を2つの関数の和である
関数モデルで表現し、塗膜中の光輝材種(互いに異なっ
た粒径を有する)と配合を評価する。以下で、これらに
ついて例を用いてさらに詳しく説明する。いうまでもな
いことであるが、本願発明の特徴は、対象とする光輝材
含有塗膜の所定の評価面積について得られた反射光強度
データの頻度分布の挙動より該塗膜中の光輝材種とその
配合を推定することにあるのであり、反射光強度データ
の計測方法に関しては下に述べる方法に限定されるもの
ではない。たとえば、CCDカメラを用いてもよい。
【0009】まず、光輝材含有塗膜の微細面積での反射
光の不均一さを所定の評価面積全体について測定する。
図1は測定系を示す。この測定系は、大別して、顕微光
沢計12と制御用パソコン14からなる測定部10と、
測定値の解析と視覚化のための2台のパソコン22、2
4からなる解析部20の2つからなる。測定部10で計
測された反射光強度データは、磁気媒体を介して、解析
部20の解析用パソコン22に転送され、反射光強度分
布の評価を行なう。その結果は、視覚化用パソコン24
に送られ、最終的な評価を行なう。
【0010】図2は、微細面積での反射光の光学的測定
の概略を示す。反射光は、顕微光沢計12により測定さ
れる。顕微光沢計12において、ハロゲンランプ(光源)
の光を入射光30として、サンプル(塗膜)32へ、膜面
の法線に対して30度の角度から照射させる。そして、
反射光34を50μm径のスポット光に絞り、法線に対
して20度の角度(正反射光が入射しない角度)で受光
し、光電変換素子などにより最大4.999Vの電圧に
変換する。反射光強度値は、このときの電圧を1000
倍した値とする。顕微光沢計12の測定感度(レンジ)
は、供試試験サンプル全てにおいて同じ測定感度にする
必要がある。また、試験サンプル中最大の反射光強度を
示すサンプル塗膜の反射光強度データが飽和しない測定
感度(レンジ)で測定をおこなう必要がある。
【0011】測定においては、塗膜をX方向に20mm
移動して、0.2mm間隔で、微細面積での反射光の不
均一さを測定し、1走査線上での測定を完了する。この
走査が完了すると起点に戻り、Y方向に0.2mm移動
させ、先ほどと同様の走査を行ない、これをY方向に2
0mm移動するまで合計100回繰り返す。所定の評価
面積全体での走査線数は総計101本となる。この光輝
材種評価用の所定測定面積は20×20=400mm2
である。図3は、1走査線上での反射光強度データの1
例を示し、この反射光強度が所定間隔ごとにサンプリン
グされ、頻度分布において計数される。ここで、微細面
積、微細単位面積、所定評価面積の関係について述べ
る。微細面積とは、反射光を絞っているスポット径50
μmをさし、塗面上の瞬時の被測定面積(ほぼ50μm
径の円)に対応する。
【0012】顕微光沢計12においては、光電変換素子
からのアナログ出力データを12ビットのA/Dコンバ
ータで、塗面上の移動距離に換算して200μm毎にA
/D変換し、磁気媒体に記録している。従って1走査線
について記録される反射光の強度のデータの個数は10
1個となっている。所定評価面積全体の測定ではY方向
の間隔も0.2mm毎におこなっている。従って、1回
の計測では所定評価面積(X方向×Y方向=20mm×
20mm=400mm2)を0.2mm×0.2mm(=
0.04mm2)の微細単位面積に細分する。微細単位面
積に対応するデータ数はX方向、Y方向とも101個で
総計10,201個であり、概していえば所定評価面積
400mm2を約10,000個の微細単位面積(0.04
mm2)に分割し評価しているといえる。
【0013】微細単位面積を0.2mm×0.2mmに設
定した理由は、塗面を人間が観察するときの分解能が
(塗板と人間の目の距離を25〜30cmとして)個人
差もあるがだいたい100μmのオーダーであることに
よる。また、塗面上、X方向、Y方向は任意であるから
X方向、Y方向の分解能を等しくして計測、解析するこ
とが必要となり、このため微細単位面積を0.2mm×
0.2mmと設定した。
【0014】所定評価面積400mm2の設定理由であ
るが、評価面積は大きい程好ましいのは言うまでもない
が、仮にX方向、Y方向各々1,000個のデータを採
取するとなると1,000×1,000=100万個のデ
ータ取りが必要であり、計測時間、解析時間を考慮する
と現実的ではない。他方、X方向、Y方向各々10個の
データであれば、100個のデータしかなく、これは確
率統計的に意味ある結果が得られる数ではない。また、
評価面積の大きさ(2mm×2mm)からして塗面全体を
推定しうる面積としては小さすぎる。
【0015】以上の様に、塗面の様子を代表しうる適度
な面積であること、計測、解析に要する時間が実用的で
あること、人間の目の分解能に対応していることなどの
総合的な判断から、微細単位面積(0.2mm×0.2m
m)、評価面積(400mm2)、反射光強度データ個数
(約1万個)を決定した。
【0016】次に、アルミ塗色サンプルの作成について
説明する。まずブリキ板上に中塗層(グレー)(25〜
30μm厚)を塗装焼付する。そして、その上に光輝材
(アルミ)を含むメタリックベース層(20μm厚)と、
このメタリックベース用の透明なクリヤー塗装(アクリ
ル系樹脂)(30〜40μm厚)をウェットオンウェット
で順次塗装し、焼付した。メタリックベース層における
光輝材は、本実施例ではすべて同一材料種(アルミ顔料)
の顔料である。単一系の光輝材としては、自動車外板塗
色用として市販されている互いに粒径の異なる荒目アル
ミ顔料、中目アルミ顔料、細目アルミ顔料の3種であ
り、それぞれ、約20μm、約16μm、約8μmのD
50粒径(粒径分布の計測で得られる粒径分布曲線の積
算頻度分布の50%点に対応する粒径)を有する。これ
らのアルミ顔料は、同一ミルを用いて製造されるもので
あり、製造時間の長さにより粒径が異なってくる。ま
た、混合系の光輝材としては、荒目と中目のアルミ顔料
を混合したもの(荒目/中目アルミ顔料)、荒目と細目
のアルミ顔料を混合したもの(荒目/細目アルミ顔料)
および中目と細目のアルミ顔料を混合したもの(中目/
細目アルミ顔料)の3種である。表1と表2は、市販の
単一系アルミ顔料と混合系アルミ顔料について、各試験
サンプルの光輝材種、光輝材濃度(単一系はPWC(Pi
gment Weight Concentration)で14%)、光輝材濃度
比(混合系は合計でPWCが14%)などを示す。な
お、表2において、光輝材濃度の左側/右側の数値は、
左側/右側に示した顔料の重量比を表わす。
【0017】
【表1】
【表2】
【0018】次に、測定データの解析方法の概略を説明
する。図4は、それぞれ約20μm、約16μm、約8
μmの平均粒径を有する荒目アルミ顔料、中目アルミ顔
料、細目アルミ顔料を含む3種の塗色についての反射光
強度の測定結果を示す。荒目アルミ顔料を有する塗膜
は、鋭く大きいピークを有し、細目アルミ顔料を有する
塗膜は、これと対照的に、ほぼランダムな小さい反射光
挙動を示す。また、図5は、混合系の荒目/中目アルミ
顔料、荒目/細目アルミ顔料および中目/細目アルミ顔
料を含む3種の塗色についての反射光強度の測定結果を
示す。これらの図は、測定部10で計測された全サンプ
ルについての反射光強度データの一部である。
【0019】次に、所定評価面積全体の測定データより
得られた反射光強度から頻度を求める。図6〜図11
は、それぞれ、荒目アルミ顔料、中目アルミ顔料、細目
アルミ顔料、荒目/中目アルミ顔料、荒目/細目アルミ
顔料および中目/細目アルミ顔料を含む塗膜について得
られた頻度分布を示す。単一系サンプルでは、粒径の大
きいもの(光輝感が大きいもの)(図6)は、頻度が、低
反射光強度領域で小さく、高反射光強度側に「テール」
を引いた形になっている。また、粒径が小さくなると
(図8)、低反射光強度領域の頻度が大きく、頻度分布
の形は吊り鐘形に近くなる。一方、アルミ顔料を混合し
た混合系サンプルでは、低反射光強度領域の頻度が、混
合の影響を受けて単独で用いた場合の中間になるが、高
反射光強度領域では、単一系における挙動に近い挙動が
みられることが分かった。
【0020】次に、これらの実測頻度データを表現する
関数形を求めた。代表的な確率密度関数には、一様分布
(方形分布)、正弦波分布、ガウス分布、レーレー分
布、マックスウエル分布などがあるが、次の2つの式
(2)、(3)の関数形の和(式(1)で表す)の関数モデル
が実測データの挙動を再現することが分かった。図6〜
図11の各グラフにおける実線は、式(1)の関数モデル
を頻度データに合わせた結果を示す。ここに、式(2)
は、頻度分布のテール部分の近似に適した関数モデルで
あり、単一系の荒目顔料の塗色は、主にこの式で表せ
る。また、式(3)は、ガウス分布と同じであり、ピーク
部分に適した関数モデルであり、単一系の細目顔料の塗
色は、主にこの式で表せる。
【数3】 N=aRsexp(−Rs/(2b2)) (2) ここに、Nは頻度を表し、Rsは反射光強度を表す。ま
た、a、bはパラメータであるが、bは分散、すなわち
分布の拡がりを表すと考えられる。
【数4】 N=Cexp(−(Rs−D)2/E) (3) ここに、C、D、Eはパラメータであり、DとEは各々
ガウス分布において平均値と分散を表すパラメータであ
る。
【数5】 N=aRsexp(−Rs/(2b2))+Cexp(−(Rs−D)2/E) (1)
【0021】式(4)と(5)は、配合を推定するため
に仮定した変換式である。式(2)において、aはb-2
を含む。そこで、式(4)により、分散項bを含まない
値a’に変換する。同様に、ガウス分布を考慮すると、
C'は、分散項Eの逆数を含むので、式(5)により、
分散項Eを含まない値Cに変換する。すなわち、a'と
C'は、頻度分布のピークの高さに関連したパラメータ
である。
【数6】 a'=ab2/定数 (4)
【数7】 C'=C(E/2)0.5*定数 (5)
【0022】他の関数モデルも検討したが、良い結果は
得られなかった。比較例として、図12は、レーレー分
布((6)式)を用いた場合であり、図13は、レーレー分
布とガウス分布との和((7)式)を用いた場合である。
【数8】 N=fRsexp(−Rs 2/(2g2)) (6) ここに、gは分散項を表し、fは、パラメータである。
【数9】 N=fRsexp(−Rs 2/(2g2))+Cexp(−(Rs−D)2/E) (7) ここに、fとg、C、D、Eは、頻度分布の近似計算に
より得られるパラメータである。これらの図における実
線が得られた関数を表わす。明らかに、これらのモデル
関数は、現実の頻度分布の近似に適していない。
【0023】次に、こうして得られたパラメータa、b
などの変化の挙動を検討する。図14、図15および図
16は、表1、2に示した6試料におけるパラメータa
とb、a'とb、a'とC'についての関係を示す。いず
れの図においても、単一系顔料については、細目、中
目、荒目の順にパラメータは直線的に変化する。したが
って、使用される光輝材顔料のパラメータがあらかじめ
測定されていれば、これらの量を測定することによりア
ルミ種を同定できることが分かる。また、図15におい
て、分散項bを消去することを意図したa'について、
混合系顔料のデータも考慮すると、比較的性質の似てい
る荒目、中目の混合系である荒目/中目は両者の中間に
位置し、荒目、中目と細目の混合系においては異なる挙
動を示すことがわかる。すなわち、細目の混合系におい
ては、荒目、中目と細目を混合することによりa’(頻
度分布の高さ)は余り変化せず、分布の分散項bすなわ
ち拡がりが減少することがわかる。
【0024】さらに、図16において、a'とC'は、反
比例するという結果が得られた。荒目アルミ顔料、中目
アルミ顔料、細目アルミ顔料の3種について、平均粒径
が大きくなるほどa'(テール部分を示す関数の高さを
示す項)が大きくなり、C'(ピーク部分を示す関数の
高さを示す項)が小さくなる。これは、テール部分を表
す式(2)の寄与が平均粒径が大きいほど大きいことを意
味し、妥当な結果である。混合系の光輝材について、荒
目/中目アルミ顔料の結果は、荒目顔料と中目アルミ顔
料の間に位置し、中目/細目アルミ顔料の結果は、中目
アルミ顔料と細目アルミ顔料の間に位置していて、妥当
な結果である。また、荒目/細目アルミ顔料の結果は、
荒目アルミ顔料の近くに位置するが、荒目/細目混合系
ではテール部分の関数の高さはほとんど荒目顔料が支配
していることも示し、これは経験的な結果とよく一致し
ている。
【0025】以上の結果より、頻度分布の挙動を、テー
ル部分の表現に適した関数(2)とピーク部分の表現に適
した関数(3)の和である関数モデル(1)で表現すること
により、単一系と混合系の位置関係を表わすことが可能
であることが分かった。すなわち、混合系光輝材の頻度
分布は、単一系光輝材の頻度分布の線形和として表現し
得ると推定される。そして、式(1)による近似と、式
(4)、(5)による変換は、複数の顔料の配合の推定に使
用できることが分かる。
【0026】
【発明の効果】反射光強度の頻度分布の挙動は、適当な
関数モデルで表現することができることが分かった。こ
れにより、光輝材含有塗色の特徴づけが可能となり、同
一光輝材(たとえばアルミ)の光輝材種の同定やその配
合の推定が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 測定装置のブロック図である。
【図2】 顕微光沢計を用いた反射光強度測定の概略を
示す図である。
【図3】 顕微光沢計で計測された1走査線上の反射光
強度データの1例を示すグラフである。
【図4】 単一系の3種の試験サンプルの反射光強度デ
ータの1例のグラフである。
【図5】 混合系の3種の試験サンプルの反射光強度デ
ータの1例のグラフである。
【図6】 荒目アルミ顔料を含む塗膜の反射光強度の頻
度分布のグラフである。
【図7】 中目アルミ顔料を含む塗膜の反射光強度の頻
度分布のグラフである。
【図8】 細目アルミ顔料を含む塗膜の反射光強度の頻
度分布のグラフである。
【図9】 荒目/中目アルミ顔料を含む塗膜の反射光強
度の頻度分布のグラフである。
【図10】 荒目/細目アルミ顔料を含む塗膜の反射光
強度の頻度分布のグラフである。
【図11】 中目/細目アルミ顔料を含む塗膜の反射光
強度の頻度分布のグラフである。
【図12】 頻度分布のモデル関数としてレーレー分布
を用いた場合のグラフである。
【図13】 頻度分布のモデル関数としてレーレー分布
とガウス分布とを用いた場合のグラフである。
【図14】 6試料におけるパラメータaとbの関係を
示すグラフである。
【図15】 6試料におけるパラメータa'とbの関係
を示すグラフである。
【図16】 6試料におけるパラメータa'とC'につい
ての関係を示すグラフである。
【符号の説明】
12…顕微光沢計、 14…パソコン、30…入射光、
32…塗膜、 34…反射光。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光輝材を含む塗膜の光輝材種を推定する
    方法であって、 光源から塗膜表面に光を照射し、正反射光が入射しない
    角度から受光して該塗膜表面の微細な面積からの反射光
    の強度を所定の評価面積全体について測定し、 この測定より得られた反射光強度データについて、頻度
    分布を求め、 次に、この頻度分布を次の関数 【数1】 N=aRsexp(−Rs/(2b2))+Cexp(−(Rs−D)2/E) (1) (ここに、Nは反射光強度Rsでの頻度を表し、a、
    b、C、DおよびEは計算により得られるパラメータで
    ある)で近似し、 得られたパラメータの値から塗膜中の光輝材の粗細を推
    定することを特徴とする光学的計測による光輝材含有塗
    膜の光輝材種の推定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された方法において、上
    記の反射光強度の測定が顕微光沢計を用いて行われるこ
    とを特徴とする方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114117595A (zh) * 2021-11-15 2022-03-01 中铁大桥勘测设计院集团有限公司 涂装面积的计算方法、装置、设备及可读存储介质

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CN114117595A (zh) * 2021-11-15 2022-03-01 中铁大桥勘测设计院集团有限公司 涂装面积的计算方法、装置、设备及可读存储介质
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