JPH08290649A - インクジェット記録用シート及びその記録方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 鏡像記録された透明シートの記録面裏側を観
察面とし、ソリッドインクにおいても耐水性および光沢
のあるインクジェット記録用シートを提供する。 【構成】 インクジェット記録用シート３を、透明シー
ト１と、該透明シート１の当接面側１ａの一部もしくは
全部に粘着部２ａが設けられた不透明シート２とにより
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鏡像記録された透明シ
ートの記録面裏側を観察面とする記録方法に使用するイ
ンクジェット記録用シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】鏡像記録された透明シートの記録面裏側
を観察面とする記録方法は、例えば特公平１ー２０９９
４号公報に開示されているように、透明な基材とインク
受理層よりなる記録用シートに記録を行い、インク受理
層に浸透されたインクによって形成された画像を透明な
基材側から見る方法がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この方法の場合、イン
クジェット記録後に特別な操作をすることなしに耐水性
で光沢のある記録画像が得られる。しかし、上記した記
録用シートは、インクの粘性が低くインク受理層に浸透
可能なリキッドインクには対応可能であるが、インクの
粘性が高く記録用シートに到達後すぐに固化するソリッ
ドインクの場合は対応できないという問題があった。

【０００４】本発明は、インクの粘性が高く記録用シー
トに到達後すぐに固化するソリッドインクにおいても、
耐水性で光沢のある記録画像が得られるようにしたイン
クジェット記録用シートを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的は、インクジェ
ット記録用シートを、透明シートと、該透明シートの当
接面側の一部もしくは全部に粘着部が設けられた不透明
シートにより構成することにより達成される。

【０００６】また、前記不透明シートの粘着部を透明も
しくは半透明とすることにより達成される。

【０００７】更に、粘着部側の不透明シートにあらかじ
め模様を施し、また、透明シートに紫外線吸収処理を施
すことにより達成される。

【０００８】そして、インクジェット記録用シートの透
明シートに鏡像記録を行い、該透明シートの記録面側に
前記不透明シートの粘着部を貼り合わせ、透明シートの
記録面裏側を観察面とすることにより達成される。

【０００９】

【作用】上記手段においては、鏡像記録された透明シー
トの記録面側に、粘着部を設けた不透明シートが相対し
て貼り合わせられるので、インクの密封性が保て、しか
も透明シートの記録面裏側からは不透明シートの模様が
透けて見える。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図面を参照して説明する。

【００１１】図１は本発明の一実施例を示すインクジェ
ット記録用シートの断面図である。

【００１２】１はポリエステルフィルムからなる透明シ
ート、２は白色の普通紙からなる不透明シートであっ
て、該不透明シートの透明シート当接面の全面には半透
明な粘着部２ａ、及び粘着部２ａの他への粘着を防ぐ保
護シート２ｂが設けられている。これら透明シート１と
不透明シート２とで本発明によるインクジェット記録用
シート３が構成されている。

【００１３】なお、透明シート１と不透明シート２の大
きさは同一であることが望ましい。

【００１４】図２は透明シートに鏡像記録後、その記録
面側に不透明シートの粘着部を相対するよう貼り合わせ
た状態を示す断面図である。

【００１５】透明シート１の片面（不透明シート当接
面）にはインクジェット記録装置により鏡像記録された
ソリッドインク４が付着している。ソリッドインク４は
溶融時の粘度が高く、更に、透明シート１に到達後すぐ
に固化するので図示のように盛り上がった断面形状で透
明シート１に付着することは周知の通りである。

【００１６】一方、不透明シート２は図１で説明した粘
着部２ａを覆う保護シート２ｂを剥がして、透明シート
１の記録面側１ａに相対するよう貼り合わせている。従
って、ソリッドインク４は透明シート１と不透明シート
２との間に粘着部２ａを介して密封された状態になるた
め、外部からの水等の進入を防ぐことができる。

【００１７】次に、インクジェット記録用シート３を見
る方向について説明すると、透明シート１の記録面裏側
１ｂの矢印Ａ方向が観察方向となる。矢印Ａ方向よりソ
リッドインク４を観察すると、透明シート１による光沢
が得られるばかりでなく、ソリッドインク４の断面形状
のフラットな面の方向に当るため、光の乱反射が少なく
なり、色の冴えがよくなる。また、ソリッドインク４が
付着しているところ以外は粘着部２ａが半透明のため、
透明シート１を通して白色の普通紙からなる不透明シー
ト２が見えることになる。

【００１８】以上の説明では、不透明シート２の全面を
半透明の粘着部２ａが覆う例を示したが、不透明シート
２の外周の縁のみを粘着部２ａで構成しても良い。この
場合、外周縁の粘着部２ａより内側の部分の透明度が上
がるので、透明シート１を通した不透明シート２が見え
方が良くなる。この場合でも、ソリッドインク４は透明
シート１と不透明シート２との間に密封された状態にな
るため、外部からの水等の進入を防ぐことができる。

【００１９】図３は、図２における不透明シート２の粘
着部２ａ側に木目の模様２ｃをあらかじめ描いておいた
状態を示す平面図である。４ａはソリッドインク４で透
明シート１上に記録された文字であり、文字４ａ以外の
ところは不透明シート２に描かれた木目の模様２ｃが透
けて見えるため、まるで、木の上に文字を描いたように
見せることができる。また、透明シート１に紫外線吸収
処理を施せば屋外における色あせを小さくすることがで
きる。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、透明シートの記録面側
に不透明シートの粘着部が相対するよう貼り合わせられ
るので、インクは透明シートと不透明シートとの間に密
封された状態になり、外部からの水等の進入を防ぐこと
ができる。そして、記録面裏側よりインクを観察するこ
とにより、光沢のある記録画像を得ることができる。

【００２１】また、不透明シートにあらかじめ模様を施
すことによりにより、透明シートを透かして見たときの
不透明シートの見え方に変化をもたせることができる。

【００２２】更に、透明シートに紫外線吸収処理を施せ
ば、太陽光に当ってもインクの色あせを小さくすること
が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示すインクジェット記録
用シートの断面図

【図２】 本発明による透明シートの記録面側に不透明
シートの粘着部を貼り合わせた状態を示す断面図

【図３】 本発明の他の実施例を示す平面図

【符号の説明】

１は透明シート、１ａは記録面側、１ｂは記録面裏側。
２は不透明シート、２ａは粘着部、２ｂは保護シート、
２ｃは木目模様、３はインクジェット記録用シート、４
はソリッドインク、４ａは文字である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明シートと、該透明シートの当接面側
   の一部もしくは全部に粘着部が設けられた不透明シート
   により構成されたことを特徴とするインクジェット記録
   用シート。
2. 【請求項２】 前記不透明シートの粘着部が透明もしく
   は半透明からなる請求項１記載のインクジェット記録用
   シート。
3. 【請求項３】 前記粘着部側の不透明シートにあらかじ
   め模様を描いたことを特徴とする請求項１または請求項
   ２記載のインクジェット記録用シート。
4. 【請求項４】 前記透明シートに紫外線吸収処理を施し
   たことを特徴とする請求項１〜請求項３記載のインクジ
   ェット記録用シート。
5. 【請求項５】 請求項１記載のインクジェット記録用シ
   ートを用いた記録方法であって、前記インクジェット記
   録用シートの透明シートに鏡像記録を行い、該透明シー
   トの記録面側に前記不透明シートの粘着部を貼り合わ
   せ、透明シートの記録面裏側を観察面としたことを特徴
   とする記録方法。