JPH08289877A - 組織の興奮伝播過程のシミュレーション方法及びこの方法を使用した組織内電磁気現象診断装置 - Google Patents

組織の興奮伝播過程のシミュレーション方法及びこの方法を使用した組織内電磁気現象診断装置

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JPH08289877A
JPH08289877A JP9879195A JP9879195A JPH08289877A JP H08289877 A JPH08289877 A JP H08289877A JP 9879195 A JP9879195 A JP 9879195A JP 9879195 A JP9879195 A JP 9879195A JP H08289877 A JPH08289877 A JP H08289877A
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JP9879195A
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Shigeharu Oyu
重治 大湯
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】心臓や脳等の興奮伝播のシミュレーションで興
奮伝導速度や導電率の非等方性を表現が容易で、しかも
短時間でシミュレーションを行う。 【構成】ネットワークにより構成した心臓モデルで、ダ
イクストラ法を使用して興奮伝播過程をシミュレーショ
ンし、体表面の電位・磁場から組織内の電磁気活動を推
定する逆問題を解くもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、脳( 神経系 )又は心
臓等の興奮伝播過程のシミュレーション方法及びこの方
法を使用した診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】体表面上で測定した電位分布( 磁場分布
)から心臓内の電気現象( 心内起電力分布 )を推定する
心電図逆問題( 心磁図逆問題 )は2次元分布から3次元
分布の推定であり、本質的に解を決定することができな
い。
【0003】そこで同様の構造を持つ心電図逆問題の分
野では、心内起電力を単一や複数の移動双極子でモデル
化したり、心外膜電位や心内外膜の興奮到達時刻を推定
対象とすることが試みられている。さらに、その後の理
論的検討で体表面電位図から安定に推定できるパラメー
タ数は十数個、推定される心外膜電位の分解能は1cm
程度であることが示された。
【0004】解の安定性を保ったまま高い分解能を得る
ためには、心起電力に関する電気生理的法則条件の積極
的な導入が必要であるという観点から、心臓内の興奮伝
播の順序を計算機でシミュレートし、その結果を拘束条
件とすることが古くから考えられている。計算機内に心
臓興奮伝播モデルを構築し、シミュレーションの結果か
ら心電図を導出する。実測の心電図との差が最小となる
ように心臓モデルを修正し、病巣の部位や大きさなどを
推定するのである。従来は手作業で行っていたが現在で
は計算機能力の進歩により不可能ではない領域に入って
きている。心磁図は心電図より肺や血液などの導電率不
均質性の影響を受けにくいといわれ、心磁図の利用によ
り興奮伝播過程シミュレーションに基礎をおく逆問題が
現実のものとなることが期待される。
【0005】従来、興奮伝播過程のシミュレーションに
は心筋を数千個から数万個のユニットに分割し、1ステ
ップ毎に隣接するユニット間で興奮を伝播させ、心臓全
体の興奮が伝播するまでステップを繰り返すユニット分
割モデル( セル分割モデル )が知られている。
【0006】心筋線維はおよそ心室壁と平行に走ってお
り、この心筋線維に沿う方向には興奮は速く伝播し、直
交方向には遅く伝播する。これを興奮伝導の非等方性と
いうが、上述したユニット分割モデルでは、ユニットの
規則的な配列に依存する不自然な形状の興奮波面が得ら
れるので、興奮伝導速度や導電率の非等方性の表現もア
ルゴリズム上容易でない。
【0007】そこで、心臓を多数の四面体により構成
し、各頂点に興奮伝導特性などのパラメータを指定する
四面体分割モデルが提案された。四面体内では特性が連
続に変化するように線形補間する。興奮波面は3角形分
割し、ある時間ステップ毎に各頂点を移動していき興奮
波面の伝播をシミュレートする。上記パラメータをテン
ソルで表現することにより、興奮伝導や導電率の非等方
性の表現も可能となる。興奮伝播波面は3角形のパッチ
で表現され、3角形の頂点をその点での興奮伝導速度を
もとに時間ステップ分ずつ進めることにより、興奮伝播
過程全体を表現する。
【0008】この方法では興奮伝導速度や導電率の非等
方性が自然な形で表現できるが、興奮波面が衝突する際
の処理が困難であるとか、3角形の一部が心臓の内外壁
に到達した時の処理に問題があるため正確なシミュレー
ションを行うには3角形を細かくする必要があり、計算
量が膨大なものとなり、一回の興奮伝播過程シミュレー
ションに30分程度かかるものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従
来、心臓の興奮伝播のシミュレーションとして提案され
たユニット分割モデルでは、興奮伝導速度や導電率の非
等方性の表現が容易でないという問題があった。
【0010】また、四面体分割モデルでは、興奮伝導速
度や導電率の非等方性を自然な形で表現できるが、計算
量が膨大なものとなり一回の興奮伝播のシミュレーショ
ンに時間が長くかかり過ぎるという問題があった。
【0011】さらに、従来興奮伝播過程シミュレーショ
ンを逆問題解法の安定性向上に利用する利点は指摘され
ていたが、具体的方法については示されていない。これ
は興奮伝播過程のシミュレーションを利用する逆問題解
法には、潜在的に膨大な計算時間がかかり、実用的な方
法が見出だされていないという問題があった。
【0012】そこでこの発明は、心臓、脳や神経系等の
組織の興奮伝播のシミュレーションにおいて興奮伝導速
度や導電率の非等方性を表現が容易であり、しかも短時
間でシミュレーションを行うことができる組織の興奮伝
播過程のシミュレーション方法及びこの方法を使用した
組織内電磁気現象診断装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、組織を複数
の節点及びこれらの各節点から近傍の節点へ辺を接続し
て構成されたネットワークによりモデル化し、興奮はネ
ットワークを介して伝播すると仮定して、ネットワーク
の各辺に対して興奮伝播所要時間を設定し、ダイクスト
ラ法により各節点における興奮到達時刻を算出して、組
織の興奮伝播過程をシミュレートするものである。
【0014】また、別の発明は、組織を複数の節点及び
各節点から近傍の節点へ接続されたネットワークにより
モデル化し、興奮はネットワークを介して伝播すると仮
定して、ネットワークの各辺に対して興奮伝播所要時間
を設定し、ダイクストラ法により各節点における興奮到
達時刻を算出して、組織の興奮伝播過程をシミュレート
するシミュレーション手段と、シミュレーションにおけ
る組織の形状、興奮伝導特性又は電気的性質等に関する
各種パラメータを設定するパラメータ設定手段と、シミ
ュレーション手段によりシミュレートした結果に基いて
組織の電位図又は磁場図の少なくとも一方を作成する電
磁場図作成手段と、この電磁場図作成手段により作成さ
れた電位図又は磁場図の少なくとも一方と実際に測定さ
れた電位図又は磁場図とを比較して、最適化手法を使用
してパラメータ設定手段により設定された各種パラメー
タを最適化する最適化手段とを設けたものである。
【0015】
【作用】このような構成の発明においては、興奮波面は
ネットワークの節点の同一到達時刻として、ダイクスト
ラ法により短時間で計算することができる。また、ネッ
トワークの形状及びネットワークの各辺の興奮伝播所要
時間の設定により、興奮伝導速度や導電率の非等方性が
自然な形で表現される。
【0016】また、別の発明においては、ミュレーショ
ンにおける組織の形状又は電気的性質に関する各種パラ
メータがパラメータ設定手段により設定され、シミュレ
ーション手段により、組織の興奮伝播過程がシミュレー
トされる。
【0017】このシミュレートした結果に基いて、電磁
場図作成手段により電位図又は磁場図の少なくとも一方
が作成される。例えば組織として心臓の例をあげれば、
心電図又は心磁図の少なくとも一方が作成される。
【0018】最適化手段は、その作成された電位図又は
磁場図の少なく一方と実際に測定された電位図又は磁場
図とを比較して、最適化手法を使用して各種パラメータ
を最適化する。
【0019】
【実施例】この発明の第1実施例を図1乃至図6を参照
して説明する。なお、この第1実施例においては、組織
としての心臓の興奮伝播過程をシミュレートする組織内
電磁気現象診断装置にこの発明を適用したもので、その
心臓モデルは、四面体分割モデルの心臓モデルを基礎と
して構築する。
【0020】図1( a )及び図1( b )は、四面体分割
モデルの心臓モデルの右心室及び左心室を示す図であ
り、図2は、その心臓モデルの心室全体を示す図であ
る。この心臓モデルは、501個の四面体で心室が構成
され、各四面体の各頂点にはそれぞれ興奮伝導速度テン
ソル、導電率テンソル、活動電位振幅等が設定されてい
る。
【0021】興奮伝導速度テンソルは、心筋線維に沿う
方向に興奮は速く伝導し、直交する方向には遅く伝導す
るという興奮伝導の非等方性を表現するためのもので、
興奮伝導速度テンソルSの均質な心筋の一点から興奮が
開始した時、その点からベクトルtの方向への興奮伝導
速度vは、次に示す式( 1 )により与えられる楕円体状
になる。
【0022】
【数1】
【0023】なお、ベクトルtの右上付きTはベクトル
tの転置行列である。導電率テンソルは導電率の非等方
性を表現するため等に良く使用され、導電率テンソルは
2階の対称テンソルであり、3×3の対称行列として表
現される。
【0024】この実施例の心臓モデルでは、心臓の心筋
中に仮想的なネットワークを想定し、興奮はそのネット
ワークの節点を接続する辺上のみを伝播すると近似す
る。従って、上述した四面体モデルの心臓モデルで、四
面体の頂点をネットワークの節点とし四面体の辺をネッ
トワークの辺として考えることもできる。しかし、この
場合には、ネットワークの張り方が粗いため、精度を高
く興奮伝播過程のシミュレーションを行うことができな
い。
【0025】そこで、図3に示すようにネットワークを
さらに細分化する。なお、図3は簡単のためネットワー
クを2次元的に表現したもので、太線が元の四面体1個
を示すものである。細分化は、四面体の各辺をN等分に
分割する新たな節点を設け、元の四面体の各頂点を新た
な各節点とをそれぞれ新たな辺で接続して行われる。
【0026】この実施例のネットワークは、各辺の節点
間を興奮が伝播するのに要する時間、すなわち興奮伝播
所要時間rを全ての辺について計算して完成される。辺
の両節点間の興奮伝播所要時間rは、例えば興奮伝導速
度をパラメータとして考慮すれば、次に示す式( 2 )に
より算出される。
【0027】
【数2】
【0028】ここで、X1 ,X2 は両節点の位置ベクト
ルであり、Sは前述した興奮伝導速度テンソル、sは積
分変数であり、節点と節点とを接続する辺を経路とした
積分である。なお、プルキンエ線維に相等する部位のネ
ットワークの辺の興奮伝導速度は、生理学的な知見に基
いてここでは250cm/sに設定する。
【0029】図4は、この発明を適用した組織内電磁気
現象診断装置の要部回路構成を示すブロック図である。
1は、制御部本体を構成するCPU(central processin
g unit )である。このCPU1が行う処理のプログラム
データが記憶されたROM(read only memory)2、前記
CPU1が処理を行う時に使用する各種メモリのエリア
が形成されたRAM(random access memory)3、通信回
線や外部装置( 例えばプリンタ )等と接続されるI/O
ポート4は、それぞれシステムバス5を介して前記CP
U1と接続されている。
【0030】また前記CPU1は前記システムバス5を
介して、例えばフロッピーディスク装置やハードディス
ク装置等の記憶装置6とのデータの伝送制御を行う記憶
装置インターフェイス7、キーボード8とのデータの伝
送制御を行うキーボードインターフェイス9、心電図や
心磁図等や各種データを表示する表示器10を制御する
表示コントローラ11と接続されている。
【0031】このような構成の第1実施例においては、
興奮伝播過程のシミュレーションは図5に示す興奮伝播
過程シミュレーション処理の流れのように行う。まず、
ステップ1( ST1 )の処理として、上述したように、
心臓の位置、向き、大きさ、形状等のパラメータによ
り、四面体分割モデルから細分化されたネットワークを
形成するネットワーク形成処理を行う。ステップ2( S
T2 )の処理として、この形成されたネットワークの各
辺について、例えば前述した式( 2 )により各節点間の
興奮伝播所要時間を算出して設定する。
【0032】ステップ3( ST3 )の処理として、左心
室の最も早期に興奮する部位( 興奮の出発点と見られる
部位 )に相当する節点を数箇所選択し、その興奮開始時
刻を生理学的知見に基いて設定する。右心室に対しても
同様の節点を数箇所選択し、その興奮開始時刻を設定す
る。なお、これらの各節点の興奮開始時刻は、例えば0
msから15msまでの時刻となる。
【0033】ステップ4( ST4 )の処理として、ネッ
トワークにおいて興奮が伝播する他の全ての節点の興奮
到達時刻を、ダイクストラ法を使用して算出する。ダイ
クストラ法とは、グラフ理論で知られている最短経路問
題を解くアルゴリズムで、隣接する節点間の距離を指定
したネットワークにおいて、ネットワークの任意の2点
間の最短距離を求めるものである。このステップ4で
は、その2点間の距離を興奮伝播所要時間に置換えるこ
とにより、ダイクストラ法を興奮伝播ネットワークの各
節点の興奮到達時刻を決定するのに使用している。
【0034】ダイクストラ法を使用した興奮到達時刻の
算出は、以下に説明するようにして行う。なおここで
は、簡単のために図6に示す2次元的ネットワークの例
で説明する。N個( 図6では7個 )の節点をni (i=1,
…,N) とし、この各節点を接続するM本( 図6では13
本 )の辺について、各辺の両端の節点をne ,nf とし
てその興奮伝播所要時間をrefとする。
【0035】初期興奮節点に選択した節点は、予め与え
られた初期興奮時刻が興奮開始時刻であると仮に設定し
ておき、それ以外の節点の興奮開始時刻は非常に大きな
値を仮に設定しておく。
【0036】これを初期状態としてダイクストラ法のア
ルゴリズムを実行する。最初に全ての節点の中で仮の興
奮開始時刻が一番早い節点na を選択する。次に節点n
a に隣接し、この節点na より興奮開始時刻が遅い全て
の節点の興奮開始時刻を計算する。具体的にはもし、隣
接する節点nx の当初の興奮開始時刻より、その節点n
a の興奮開始時刻にその節点na からその節点nx への
興奮伝播所要時間raxを加えた興奮到達時刻が早い( 前
の )ときには、計算した新たな興奮到達時刻でその節点
nx の興奮開始時刻を置換える修正を行う。
【0037】次に、節点na より興奮開始時刻が遅い全
ての節点の中で、最も興奮開始時刻が早い節点を選択す
る。この節点をここではnb とする。そして同様にこの
節点nb に隣接し、この節点nb より興奮開始時刻が遅
い全ての節点についてその興奮開始時刻を上述した方法
により修正する。このような処理をnx が遅い節点が見
つからなくなるまで繰り返せば、全ての節点の興奮開始
時刻が決定できる。
【0038】なお、ダイクストラ法としては、ここで説
明した方法を基本として様々なバリエーションが考えら
れ、これらの様々なバリエーションは全て本発明に適用
できるものである。例えば、グラフのデータ構造として
ヒープを使用するものや、2次元配列を使用するものが
あるが、計算量とメモリの記憶容量の大きさの兼ね合い
でバランスの取れたものを選択するのが良い。前述した
ステップ4の処理で他の全ての節点の興奮到達時刻を算
出すると、この興奮伝播過程シミュレーション処理を終
了するようになっている。
【0039】なお、心起電力分布は四面体毎に計算を行
う。上述した興奮伝搬シミュレーション処理により得ら
れた四面体の各頂点の興奮開始時刻が現在着目する時刻
tを跨いでいれば、その四面体に起電力が存在すると判
断する。その起電力の大きさは、興奮伝導波面と、その
四面体の断面の面積と、活動電位振幅と、導電率テンソ
ルとにより計算することができる。全ての四面体に対し
て同様の処理を行うことにより心臓内起電力分布を計算
することができる。上述した心臓内起電力分布の計算
は、従来の四面体分割心臓モデルと同様の方法である。
【0040】心電図は、各四面体の起電力をx,y,z
成分毎に総和することにより導出することができ、心磁
図は、各四面体の起電力が体外に作る磁場を総和するこ
とにより導出することができる。
【0041】このように第1実施例によれば、心筋の興
奮伝播経路を四面体分割モデルに基いてネットワークで
近似した心臓モデルにより、ダイクストラ法を使用して
興奮伝播過程を計算してシミュレートしているいるの
で、ユニット分割モデル( セル分割モデル )のように不
自然な興奮波面となることがなく、興奮伝播の非等方性
を自然な形で表現することができ、四面体分割モデルと
同等の精度で興奮伝播過程シミュレーションを行うこと
ができる。しかも、四面体分割モデルに比べて、そのシ
ミュレーション( 計算 )にかかる時間を大幅に短縮する
ことができる。
【0042】この発明の第2実施例を図7及び図9を参
照して説明する。なお、この第2実施例では、前述した
第1実施例における興奮伝播過程のシミュレーションを
使用して、体表面上の電位分布( 磁場分布 )から心臓内
の電気現象を推定するための組織内電磁現象診断装置に
この発明を適用したものである。この第2実施例の組織
内電磁現象診断装置は、前述した第1実施例の組織内電
磁現象診断装置の要部回路構成( 図4参照 )と基本的に
は同一なので、ここでは、その説明を省略する。
【0043】図7は、この組織内電磁現象診断装置の要
部機能構成を示すブロック図である。 心臓モデル設定
部21は、心臓の位置・向き・形状設定部21-1、刺激
伝導系分布設定部21-2、興奮伝導速度分布設定部21
-3、導電率分布設定部21-4、活動電位振幅分布設定部
21-5等から構成されている。これらの各設定部にはそ
れぞれのパラメータが設定されるようになっている。
【0044】興奮伝播過程シミュレーション部22は、
前記心臓モデル設定部21により設定された各種パラメ
ータに基いて、前述した第1実施例で説明した興奮伝播
過程シミュレーションを実行する。すなわち、前記心臓
モデル設定部21により設定された各種パラメータに基
いて心臓モデルを節点と辺とからなるネットワークとし
て構成し、各辺の興奮到達時間を設定して、全ての節点
の興奮開始時刻をダイクストラ法を使用して算出する。
【0045】電位・磁場計算部23は、前記興奮伝播過
程シミュレーション部22により算出された全ての節点
の興奮開始時刻に基いて、四面体毎に現在着目する時刻
tについて心臓内起電力分布を計算する。さらに各四面
体の起電力をx,y,z成分毎に総和して電位を計算
し、各四面体の起電力が体外に作る磁場を総和して磁場
を計算する。
【0046】心電図・心磁図作成・表示部24は、前記
電位・磁場計算部23により算出された電位及び磁場に
基いて心電図及び心磁図を作成し、この作成した心電図
及び心磁図を操作者の表示指令操作があると表示する。
【0047】最適化処理部25は、前記心電図・心磁図
作成・表示部24で作成された心電図及び心磁図と実際
に測定された心電図及び心磁図と比較してその差を算出
し、その差が小さくなるように前記心臓モデル設定部2
1に対して各種パラメータの設定値の修正制御を行う。
【0048】このような構成の第2実施例では、CPU
1は、図8に示す心臓形状最適化処理を実行する。ま
ず、ステップ11( ST11 )の処理として、心臓の位
置・向き・形状のパラメータ以外の各パラメータ、刺激
伝導系分布、興奮伝導速度分布、導電率分布、活動電位
振幅分布のパラメータに標準的な正常例の固定値を設定
する。
【0049】ステップ12( ST12 )の処理として、
心臓の位置・向き・形状のパラメータを変数として適当
な初期値を設定する。この心臓の位置のパラメータは、
座標x,y,zの数値として設定され、心臓の向きのパ
ラメータは、体軸に対する心臓の長軸の関係をオイラー
角θ,φ,ψの数値として設定される。心臓の形状のパ
ラメータは、図9( a )及び図9( b )に示すような幾
何学的形状として必要寸法D、L、s、t、u、R、C
の数値として設定される。なお、この第2実施例では心
臓の形状等のパラメータとして13個のパラメータ群に
よるセットの一例で説明するが、心臓の形状等のパラメ
ータとして他のセットのパラメータ群を使用しても良い
ものである。ステップ13( ST13 )の処理として、
前述した興奮伝播過程シミュレーション処理( 図5参照
)を行う。
【0050】この興奮伝播過程シミュレーション処理を
終了すると、ステップ14( ST14 )の処理として、
そのシミュレーション処理の結果( 全ての節点の興奮開
始時刻 )から心臓内起電力分布を算出し、この心臓内起
電力分布から電位分布及び磁場分布を計算する。
【0051】ステップ15( ST15 )の処理として、
計算して得た電位分布及び磁場分布から心電図及び磁場
図を作成する。ステップ16( ST16 )の処理とし
て、この作成した心電図及び心磁図と実際に測定された
心電図及び心磁図とを比較して、その差( 又は差を示す
指数 )を算出する。
【0052】ステップ17( ST17 )の処理として、
その算出された差に基いて心臓の位置・向き・形状のパ
ラメータの設定が最適か否かを判定する。ここで、心臓
の位置・向き・形状のパラメータの設定は最適ではない
と判定すると、ステップ18( ST18 )の処理とし
て、その差が小さくなるように、心臓の位置・向き・形
状のパラメータを修正し再設定して、再び前述したステ
ップ13の処理に戻るようになっている。また、心臓の
位置・向き・形状のパラメータの設定が最適と判定する
と、この心臓形状最適化処理を終了するようになってい
る。
【0053】なお、心臓の位置・向き・形状のパラメー
タを修正し再設定して、最適な心臓の位置・向き・形状
のパラメータを推定する問題は、一般的に知られている
非線形最適化法で解くことができ、非線形最適化法の効
率的なアルゴリズムとしては、現在ニュートン法、共役
勾配法、最急降下法、シンプレックス法、シミュレーテ
ッドアニーリング法等が提案されている。
【0054】このように第2実施例によれば、第1実施
例と同様な効果を得ることができ、さらに、従来心臓形
状の個人差による推定の不安定さがあるため、逆問題解
法として実用的な方法が見出だされていなかったが、心
臓の位置・向き・形状を推定対象とすることにより、心
臓の位置・向き・形状の各パラメータの最適値を得るこ
とができ、逆問題解法を実現することができる。
【0055】この発明の第3実施例を図10を参照して
説明する。なお、前述した第2実施例が心臓の位置・向
き・形状を推定したのに対して、この第3実施例は、刺
激伝導系分布のパラメータを推定する点が異なる点であ
る。従って、この第3実施例の組織内電磁気現象診断装
置の要部回路構成( 図4参照 )及び基本的な機能構成(
図7参照 )については、前述した実施例の組織内電磁現
象診断装置と基本的に同一なので、ここではその説明を
省略する。
【0056】CPU1は、図10に示す刺激伝導系分布
最適化処理を実行する。まず、ステップ21( ST21
)の処理として、刺激伝導系分布のパラメータ以外の各
パラメータ、心臓の位置・向き・形状、興奮伝導速度分
布、導電率分布、活動電位振幅分布のパラメータに標準
的な正常例の固定値を設定する。
【0057】ステップ22( ST22 )の処理として、
刺激伝導系分布のパラメータを変数として適当な初期値
を設定する。この刺激伝導系分布のパラメータは、プル
キンエ線維の分布と初期興奮位置、初期興奮時刻として
設定される。プルキンエ線維の分布は、モデルのネット
ワーク中の全ての辺( 又は節点 )の中で、プルキンエ線
維の位置に相当する辺( 又は節点 )を列挙した表で表現
される。初期興奮位置及び初期興奮時刻についても同様
に表で表現される。なお、後述する興奮伝播過程シミュ
レーション処理において、表に該当する辺( 又は節点間
の辺 )の興奮伝播所要時間の算出には、特別な演算処理
が施される。
【0058】ステップ23( ST23 )の処理として、
前述した興奮伝播過程シミュレーション処理( 図5参照
)を行う。この興奮伝播過程シミュレーション処理を終
了すると、ステップ24( ST24 )の処理として、そ
のシミュレーション処理の結果( 全ての節点の興奮開始
時刻 )から心臓内起電力分布を算出し、この心臓内起電
力分布から電位分布及び磁場分布を計算する。
【0059】ステップ25( ST25 )の処理として、
計算して得た電位分布及び磁場分布から心電図及び磁場
図を作成する。ステップ26( ST26 )の処理とし
て、この作成した心電図及び心磁図と実際に測定された
心電図及び心磁図とを比較して、その差( 又は差を示す
指数 )を算出する。
【0060】ステップ27( ST27 )の処理として、
その算出された差に基いて刺激伝導系分布のパラメータ
の設定が最適か否かを判定する。ここで、刺激伝導系分
布のパラメータの設定は最適ではないと判定すると、ス
テップ28( ST28 )の処理として、その差が小さく
なるように、刺激伝導系分布のパラメータを修正し再設
定して、再び前述したステップ23の処理に戻るように
なっている。また、刺激伝導系分布のパラメータの設定
が最適と判定すると、この刺激伝導系分布最適化処理を
終了するようになっている。
【0061】なお、刺激伝導系分布のパラメータを修正
して再設定する方法としては、組合わせ最適化手法を適
用することができる。組合わせ最適化手法のアルゴリズ
ムとしては、現在シミュレーテッドアニーリング法や遺
伝的アルゴリズム等が提案されている。
【0062】このように第3実施例によれば、第1実施
例と同様な効果を得ることができ、さらに、従来刺激伝
導系分布が個人差による推定の不安定さがあるため、逆
問題解法として実用的な方法が見出だされていなかった
が、刺激伝導系分布を推定対象とすることにより、刺激
伝導系分布の各パラメータの最適値を得ることができ、
逆問題解法を実現することができる。
【0063】この発明の第4実施例を図11を参照して
説明する。この第4実施例は、興奮伝導速度分布を推定
対象としたものである。従って、この第4実施例の組織
内電磁気現象診断装置の要部回路構成( 図4参照 )及び
基本的な機能構成( 図7参照)については、前述した実
施例の組織内電磁現象診断装置と基本的に同一なので、
ここではその説明を省略する。
【0064】CPU1は、図11に示す興奮伝導速度分
布最適化処理を実行する。まず、ステップ31( ST3
1 )の処理として、興奮伝導速度分布のパラメータ以外
の各パラメータ、心臓の位置・向き・形状、刺激伝導系
分布、導電率分布、活動電位振幅分布のパラメータに標
準的な正常例の固定値を設定する。
【0065】ステップ32( ST32 )の処理として、
興奮伝導速度分布のパラメータを変数として適当な初期
値を設定する。この興奮伝導速度分布のパラメータ数
は、興奮伝導速度分布を四面体モデルにおける全ての頂
点に設定した興奮伝導速度テンソルの対称6成分により
表示する場合、その頂点数×6となる。また、興奮伝導
特性を示す楕円体の3軸の向きを各頂点毎に固定し、各
軸方向の興奮伝導速度のみを推定対象とすれば、そのパ
ラメータ数は頂点数×3である。さらに楕円体を回転楕
円体と仮定すれば、長軸方向と短軸方向の興奮伝導速度
のみが推定対象であるから、そのパラメータ数は頂点数
×2となる。さらに、楕円体の長軸と短軸との比を各頂
点毎に固定すれば、そのパラメータ数は頂点数×1に縮
退することができる。
【0066】パラメータ数を少なくするほど興奮伝導速
度分布は安定的に推定することができるが、逆に近似精
度が劣化することになる。従って、推定の安定性と近似
精度とのバランスから適当なパラメータ数を選択するの
が良い。
【0067】ステップ33( ST33 )の処理として、
前述した興奮伝播過程シミュレーション処理( 図5参照
)を行う。この興奮伝播過程シミュレーション処理を終
了すると、ステップ34( ST34 )の処理として、そ
のシミュレーション処理の結果( 全ての節点の興奮開始
時刻 )から心臓内起電力分布を算出し、この心臓内起電
力分布から電位分布及び磁場分布を計算する。
【0068】ステップ35( ST35 )の処理として、
計算して得た電位分布及び磁場分布から心電図及び磁場
図を作成する。ステップ36( ST36 )の処理とし
て、この作成した心電図及び心磁図と実際に測定された
心電図及び心磁図とを比較して、その差( 又は差を示す
指数 )を算出する。
【0069】ステップ37( ST37 )の処理として、
その算出された差に基いて興奮伝導速度分布のパラメー
タの設定が最適か否かを判定する。ここで、興奮伝導速
度分布のパラメータの設定は最適ではないと判定する
と、ステップ38( ST38 )の処理として、その差が
小さくなるように、興奮伝導速度分布のパラメータを修
正・再設定して、再び前述したステップ33の処理に戻
るようになっている。また、興奮伝導速度分布のパラメ
ータの設定が最適と判定すると、この興奮伝導速度分布
最適化処理を終了するようになっている。
【0070】なお、興奮伝導速度分布のパラメータを修
正して再設定する方法としては、興奮伝導速度分布のパ
ラメータが複数個の連続量であり、このパラメータと測
定対象量とが非線形関係にあるので、前述した第2実施
例で説明した非線形最適法を適用することができる。
【0071】このように第4実施例によれば、前述した
第1実施例と同様な効果を得ることができ、さらに、興
奮伝導速度分布を推定対象とすることにより、興奮伝導
速度分布の各パラメータの最適値を得ることができ、逆
問題解法を実現することができる。
【0072】この発明の第5実施例を図12を参照して
説明する。この第5実施例は、活動電位振幅分布を推定
対象としたものである。従って、この第5実施例の組織
内電磁気現象診断装置の要部回路構成( 図4参照 )及び
基本的な機能構成( 図7参照)については、前述した実
施例の組織内電磁現象診断装置と基本的に同一なので、
ここではその説明を省略する。
【0073】CPU1は、図12に示す活動電位振幅分
布最適化処理を実行する。まず、ステップ41( ST4
1 )の処理として、活動電位振幅分布のパラメータ以外
の各パラメータ、心臓の位置・向き・形状、刺激伝導系
分布、興奮伝導速度分布、導電率分布のパラメータに標
準的な正常例の固定値を設定する。
【0074】ステップ42( ST42 )の処理として、
前述した興奮伝播過程シミュレーション処理( 図5参照
)を行う。この興奮伝播過程シミュレーション処理を終
了すると、ステップ43( ST43 )の処理として、R
AM3に形成された格納エリアiに0を設定する。
【0075】次に、ステップ44( ST44 )の処理と
して、格納エリアiに設定された数値iが四面体モデル
における頂点の総個数Nに等しいか否かを判断する。こ
こで、格納エリアiに設定された数値iが総個数Nに等
しくない( iはN未満である )と判断すると、ステップ
45( ST45 )の処理として、格納エリアiに設定さ
れた数値iに対して+1の加算処理を行い、ステップ4
6( ST46)の処理として、i番目として登録された
四面体モデルにおける頂点にのみ単位の活動電位振幅を
設定する。
【0076】ステップ47( ST47 )の処理として、
前述したステップ42におけるシミュレーション処理の
結果( 全ての節点( 頂点 )の興奮開始時刻 )に基いて、
その単位の活動電位振幅を設定した状態における心臓内
起電力分布を算出し、この心臓内起電力分布から電位分
布及び磁場分布を計算する。
【0077】ステップ48( ST48 )の処理として、
計算して得た電位分布及び磁場分布から心電図及び磁場
図を作成する。ステップ49( ST49 )の処理とし
て、この作成した心電図及び心磁図からM個の電位( 各
電極の電位 )又は磁場( 各検出コイルの値 )を縦に並べ
たベクトルbiを作成し、これを電位・磁場の演算子B
=( b1,b2,…,bN )に設定する。従って、演算
子BはM×N行列である。このbiの設定が終了する
と、再び前述したステップ44の処理に戻るようになっ
ている。
【0078】前述したステップ44の処理で、格納エリ
アiに設定された数値iが頂点の総個数Nに等しいと判
断すると、ステップ50( ST50 )の処理として、完
成した演算子B=( b1,b2,…,bN )から、活動
電位振幅分布から電位・磁場分布を導く方程式を作成す
る。N個の活動電位振幅の変数を縦に並べたベクトルf
と、このベクトルfから導かれるM個の電位又は磁場を
縦に並べたベクトルbにより、上記方程式は次に示す式
( 3 )として作成される。すなわち、ベクトルfは活動
電位振幅分布を示し、ベクトルbは測定される体表面の
電位分布又は磁場分布を示す。
【0079】
【数3】
【0080】ステップ51( ST51 )の処理として、
その作成された方程式について線形最適化法で知られて
いる演算処理により推定行列G( f=Gbとなる行列G
)を計算する。この推定行列Gの計算方法としては、そ
の4つの例を式( 4 )乃至式( 7 )により示す。
【0081】
【数4】
【0082】式( 4 )において、行列Bの右上付き+
は、演算子Bのムーア・ペンローズ一般逆行列である。
式( 5 )において、行列Bの右上付きtは演算子Bの転
置行列で、λは正則化パラメータ、行列Iは対角線の要
素が1でその他の要素は全て0の行列である。
【0083】式( 6 )において、行列Pはペナルティー
行列である。式( 7 )において、行列Bの右下付きQ
は、演算子Bについて式( 8 )の示すように特異値( 固
有値 )分解されるとき、式( 9 )によって得られるもの
である。なお、Rは行列Bのランクと呼ばれ、Q<Rで
ある。
【0084】ステップ52( ST52 )の処理として、
得られた推定行列Gにより、方程式f=Gbを作成し、
最適化されたベクトルfを求め、この活動電位振幅分布
最適化処理を終了するようになっている。このように第
5実施例によれば、前述した第1実施例と同様な効果を
得ることができ、さらに、活動電位振幅分布を推定対象
とすることにより、最適な活動電位振幅分布を得ること
ができ、逆問題解法を実現することができる。さらに、
この第5実施例においては、興奮伝導速度分布との関係
を無視して活動電位振幅分布を独立して推定対象とする
ことにより、線形最適化法を適用することができるよう
になり、非線形最適化法や組合わせ最適化法に比べて、
大幅に最適化処理にかかる時間を短縮することができ
る。
【0085】なお、この第5実施例における活動電位振
幅分布を推定対象とした最適化処理は、導電率分布の最
適化処理にも適用できるものである。図13に導電率分
布の最適化処理の流れを示す。従って、この導電率分布
最適化処理の説明は活動電位振幅分布最適化処理とほと
んど同一なのでその説明は省略する。なお、gはn個の
導電率の変数を縦に並べたベクトルである。
【0086】以上説明した第2実施例乃至第5実施例は
組合わせて行うことができる。すなわち、まず安静時に
心電図及び心磁図を測定し、この安静時の心電図及び心
磁図に対して、第2実施例の心臓形状最適化処理を行っ
て、心臓の位置・向き・形状のパラメータの最適値を求
める。次に、物理的または精神的ストレスを与えるなど
して、負荷時の心電図及び心磁図を測定し、負荷時の心
電図及び心磁図に対して、その求めた心臓の位置・向き
・形状のパラメータの最適値を固定値として使用して、
第3実施例の刺激伝導系分布最適化処理、第4実施例の
興奮伝導速度分布最適化処理又は第5実施例の活動電位
振幅分布最適化処理( 導電率分布最適化処理 )を行っ
て、刺激伝導系分布、興奮伝導速度分布又は活動電位振
幅分布( 導電率分布 )を推定することができる。
【0087】また、安静時の心電図及び心磁図に対し
て、第2実施例の心臓形状最適化処理を行うと共に、第
3実施例の刺激伝導系分布最適化処理を行って、心臓の
位置・向き・形状のパラメータの最適値及び刺激伝導系
分布のパラメータの最適値を求め、これらの求めた最適
値を固定値として、負荷時の心電図及び心磁図に対し
て、第4実施例の興奮伝導速度分布最適化処理又は第5
実施例の活動電位振幅分布最適化処理( 導電率分布最適
化処理 )を行って、興奮伝導速度分布又は活動電位振幅
分布( 導電率分布 )を推定することができる。
【0088】なお、上述したのとは逆に、負荷時の心電
図及び心磁図から興奮伝導速度分布又は活動電位振幅分
布( 導電率分布 )のパラメータの最適値を求めて、この
最適値を固定値として、安静時の心電図及び心磁図から
心臓の位置・向き・形状又は刺激伝導系分布を推定する
こともできる。
【0089】このようにまず安静時の心電図及び心磁図
と負荷時の心電図及び心磁図とを使用して、それぞれパ
ラメータの最適値を求め、求めた最適なパラメータを固
定値として使用して他のパラメータを推定することによ
り、固定値として信頼性の高い値を使用することがで
き、より正確な最適化処理を行うことができる。
【0090】この発明の第6実施例を図14及び図15
を参照して説明する。上述した第2実施例乃至第5実施
例では、それぞれ1種類のパラメータ( 心臓の位置・向
き・形状のパラメータや、刺激伝導分布のパラメータな
ど )を推定対象とした最適化処理を説明したのに対し
て、この第6実施例では、複数種類のパラメータを組合
わせて推定する最適化処理について説明する。なお、こ
の第6実施例の組織内電磁気現象診断装置の要部回路構
成( 図4参照)及び基本的な機能構成( 図7参照 )につ
いては、前述した実施例の組織内電磁現象診断装置と基
本的に同一なので、ここではその説明を省略する。
【0091】CPU1は、図14に示す複数種類パラメ
ータ最適化処理を実行する。まず、ステップ61( ST
61 )の処理として、心臓の位置・向き・形状のパラメ
ータ、刺激伝導系分布のパラメータ、活動電位振幅分布
のパラメータ以外の各パラメータ、興奮伝導速度分布及
び導電率分布のパラメータに標準的な正常例の固定値を
設定する。
【0092】ステップ62( ST62 )の処理として、
刺激伝導系分布のパラメータを変数として適当な初期値
を設定する。ステップ63( ST63 )の処理として、
心臓の位置・向き・形状のパラメータを変数として登録
された初期値又は登録された初期値がないときには適当
な初期値を設定する。
【0093】ステップ64( ST64 )の処理として、
前述した興奮伝播過程シミュレーション処理( 図5参照
)を行う。この興奮伝播過程シミュレーション処理を終
了すると、ステップ65( ST65 )の処理として、後
述する活動電位振幅分布推定処理を行うこの活動電位振
幅推定処理を終了すると、ステップ66( ST66 )の
処理として、その活動電位振幅推定処理で得られたN個
の活動電位振幅を縦に並べたベクトルfを初期値として
登録する。
【0094】ステップ67( ST67 )の処理として、
活動電位振幅推定処理で算出されるM個の電位又は磁場
を縦に並べたベクトルbと実際に測定した心電図及び心
磁図とから得られる電位・磁場との差に基いて、心臓の
位置・向き・形状のパラメータの設定が最適か否かを判
定する。
【0095】ここで、心臓の位置・向き・形状のパラメ
ータの設定は最適ではないと判定すると、ステップ68
( ST68 )の処理として、上記差が小さくなるよう
に、心臓の位置・向き・形状のパラメータを非線形最適
化法を使用して修正し再設定して、再び前述したステッ
プ64の処理に戻るようになっている。
【0096】また、心臓の位置・向き・形状のパラメー
タの設定が最適であると判定すると、ステップ69( S
T69 )の処理として、このとき設定されている心臓の
位置・向き・形状のパラメータを初期値として登録す
る。
【0097】次に、ステップ70( ST70 )の処理と
して、上記差に基いて刺激伝導系分布のパラメータの設
定が最適か否かを判定する。ここで、刺激伝導系分布の
パラメータの設定は最適ではないと判定すると、ステッ
プ( ST71 )の処理として、上記差が小さくなるよう
に、刺激伝導系分布のパラメータを組合わせ最適化法を
使用して修正し再設定して、再び前述したステップ63
( ST63 )の処理に戻るようになっている。また、刺
激伝導系分布のパラメータの設定が最適であると判定す
ると、この複数種類パラメータ最適化処理を終了するよ
うになっている。
【0098】図15は、前記CPU1が行う前述した活
動電位振幅分布推定処理の流れを示す図である。なお、
この活動電位振幅分布推定処理は、基本的に前述した活
動電位振幅分布最適化処理( 図12参照 )のステップ4
3からステップ52までの処理で構成されている。
【0099】まず、ステップ81( ST81 )の処理と
して、RAM3に形成された格納エリアiに0を設定す
る。次に、ステップ82( ST82 )の処理として、格
納エリアiに設定された数値iが四面体モデルにおける
頂点の総個数Nに等しいか否かを判断する。
【0100】ここで、格納エリアiに設定された数値i
が総個数Nに等しくない( iはN未満である )と判断す
ると、ステップ83( ST83 )の処理として、格納エ
リアiに設定された数値iに対して+1の加算処理を行
い、ステップ84( ST84)の処理として、i番目と
して登録された四面体モデルにおける頂点にのみ単位の
活動電位振幅を設定する。
【0101】ステップ85( ST85 )の処理として、
前述したステップ64におけるシミュレーション処理の
結果( 全ての節点( 頂点 )の興奮開始時刻 )に基いて、
その単位の活動電位振幅を設定した状態における心臓内
起電力分布を算出し、この心臓内起電力分布から電位分
布及び磁場分布を計算する。
【0102】ステップ86( ST86 )の処理として、
計算して得た電位分布及び磁場分布から心電図及び磁場
図を作成する。ステップ87( ST87 )の処理とし
て、この作成した心電図及び心磁図からM個の電位( 各
電極の電位 )又は磁場( 各検出コイルの値 )を縦に並べ
たベクトルbiを作成し、これを電位・磁場の演算子B
=( b1,b2,…,bN )に設定する。従って、演算
子BはM×N行列である。このbiの設定が終了する
と、再び前述したステップ82の処理に戻るようになっ
ている。
【0103】前述したステップ82の処理で、格納エリ
アiに設定された数値iが頂点の総個数Nに等しいと判
断すると、ステップ88( ST88 )の処理として、完
成した演算子B=( b1,b2,…,bN )から、活動
電位振幅分布から電位・磁場分布を導く方程式( 式( 3
)参照 )を作成する。
【0104】ステップ89( ST89 )の処理として、
その作成された方程式について線形最適化法で知られて
いる演算処理により推定行列G( f=Gbとなる行列G
)を計算する。
【0105】ステップ90( ST90 )の処理として、
得られた推定行列Gにより、方程式f=Gbを作成し、
最適化されたベクトルfを求め、この活動電位振幅分布
推定処理を終了するようになっている。このように第6
実施例によれば、前述した第1実施例と同様な効果を得
ることができ、さらに、複数種類のパラメータを組合わ
せて推定することにより、心臓の位置・向き・形状のよ
うに個人差があるパラメータと他のパラメータとを同時
に推定することができ、個人差に起因する逆問題の解の
不安定化を大幅に低減することができる。
【0106】なお、上述した第1実施例乃至第6実施例
においては、心臓における興奮伝播過程のシミュレーシ
ョンを使用して心電図又は心磁図から心臓内部における
電磁気現象を推定する逆問題を解くための組織内電磁気
現象診断装置について説明したが、この発明は対象組織
として心臓に限定されるものではなく、例えば脳及び神
経系組織にも適用できるものである。
【0107】脳の神経興奮伝播過程のシミュレーション
における脳モデルでは、解剖学的、生理学的に定義され
た部位に節点( 代表点 )を設定する。例えば大脳皮質に
関しては、Brodmannや以降の細分類による大脳皮質量野
に基いて設定する。運動野など機能的な局在がさらに明
確な部位については、判っている範囲で細かく設定する
のが良い。大脳基底核、脳間、小脳に対しても同様に節
点( 代表点 )を設定する。これらの節点間を辺で接続
し、神経投射を表現する。
【0108】各辺には興奮伝導の向きを定義し、逆方向
へは伝導しないものとする。各節点間の興奮伝導所要時
間は、神経繊維を伝導する所要時間にシナプスでの興奮
伝導所要時間を加えたものとする。
【0109】このように構成した脳モデル( 有効グラフ
)に、初期興奮点を設定し、グラフ理論で知られている
ダイクストラ法を使用して、全ての他の節点の興奮開始
時刻( 興奮到達時刻 )を決定する。磁場は各節点から発
生するものとし、求められた興奮開始時刻から予め設定
した波形で頭蓋骨外に発生するものとして計算する。
【0110】この際、神経伝導路は常に全てが有効にな
るわけではなく、脳のある期間の活動に関連しないと考
えられる伝導路は無視するか、あるいは興奮伝導所要時
間に十分大きい値を設定しておく。
【0111】脳モデルに対するダイクストラ法は、前述
した第1実施例で説明した方法とほとんど同じである
が、ある節点naに隣接する節点として、辺で直接接続
された節点のうち、節点naからそれらの節点へ伝導す
るように伝導方向が定義された節点のみを考える点のみ
が異なる。
【0112】以上説明した脳の興奮伝播過程のシミュレ
ーションを使用して、実際に測定して得た脳磁場との比
較から脳内の神経活動を推定することができる。すなわ
ち、まず脳のある期間の活動に対応する一連の磁場分布
の時系列を考える。一例としては、聴覚刺激に対する反
応を刺激に同期して加算平均した聴覚誘発磁場があげら
れるが、他に複雑な組合わせによる誘発磁場や自発磁場
などを考察するすることもできる。上記シミュレーショ
ンから得られた磁場分布とこれらの測定した磁場分布(
の時系列 )の差がなるべく小さくなるように、パラメー
タとして、初期興奮点、各節点から発生する磁場の波
形、シナプスでの興奮伝導所要時間、神経伝導路での興
奮伝導所要時間、有効となる伝導路の組等を修正し、こ
れらの値を推定( 最適化 )する。この最適化について
も、一般的に知られている各種最適化アルゴリズムを使
用することができる。
【0113】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
心臓、脳や神経系等の組織の興奮伝播のシミュレーショ
ンにおいて興奮伝導速度や導電率の非等方性を表現が容
易であり、しかも短時間でシミュレーションを行うこと
ができ、このシミュレーションを使用することにより、
実際に測定された体表面の電位又は磁場から組織内の電
磁気活動を推定する逆問題を解くことができる組織の興
奮伝播過程のシミュレーション方法及びこの方法を使用
した組織内電磁気現象診断装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例において、組織内電磁気現
象診断装置で使用される興奮伝播過程ミュレーションで
構築される心臓モデルの基本となる、四面体分割モデル
の心臓モデルの右心室及び左心室を示す図。
【図2】同実施例の四面体分割モデルの心臓モデルの心
室全体を示す図。
【図3】同実施例の四面体分割モデルの心臓モデルから
ネットワークによる心臓モデルを構築する細分化を説明
するための図。
【図4】同実施例の組織内電磁気現象診断装置の要部回
路構成を示すブロック図。
【図5】同実施例の組織内電磁気現象診断装置で行われ
る興奮伝播過程シミュレーション処理の流れを示す図。
【図6】同実施例の組織内電磁気現象診断装置で行われ
る興奮伝播過程シミュレーション処理で使用するダイク
ストラ法による興奮到達時刻の算出を説明するための
図。
【図7】同実施例の組織内電磁気現象診断装置の要部機
能構成を示すブロック図。
【図8】同実施例の組織内電磁気現象診断装置で行われ
る心臓形状最適化処理の流れを示す図。
【図9】同実施例の組織内電磁気現象診断装置で行われ
る心臓形状最適化処理における心臓の位置・向き・形状
のパラメータを示す図。
【図10】同実施例の組織内電磁気現象診断装置で行わ
れる刺激伝導系分布最適化処理の流れを示す図。
【図11】同実施例の組織内電磁気現象診断装置で行わ
れる興奮伝導速度分布最適化処理の流れを示す図。
【図12】同実施例の組織内電磁気現象診断装置で行わ
れる活動電位振幅分布最適化処理の流れを示す図。
【図13】同実施例の組織内電磁気現象診断装置で行わ
れる導電率最適化処理の流れを示す図。
【図14】同実施例の組織内電磁気現象診断装置で行わ
れる複数種類パラメータ最適化処理の流れを示す図。
【図15】同実施例の組織内電磁気現象診断装置で行わ
れる活動電位振幅分布推定処理の流れを示す図。
【符号の説明】
1…CPU、 21…心臓モデル設定部、 22…興奮伝播過程シミュレーション部、 23…電位・磁場計算部、 24…心電図・心磁図作成表示部、 25…最適化処理部。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織を複数の節点及びこれらの各節点か
    ら近傍の節点へ辺を接続して構成されたネットワークに
    よりモデル化し、ネットワークの各辺に対して興奮伝播
    所要時間を設定し、ダイクストラ法により各節点におけ
    る興奮到達時刻を算出して、前記組織の興奮伝播過程を
    シミュレートすることを特徴とする組織の興奮伝播過程
    のシミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 組織を複数の節点及び各節点から近傍の
    節点へ接続されたネットワークによりモデル化し、ネッ
    トワークの各辺に対して興奮伝播所要時間を設定し、ダ
    イクストラ法により各節点における興奮到達時刻を算出
    して、前記組織の興奮伝播過程をシミュレートするシミ
    ュレーション手段と、 前記シミュレーション手段によるシミュレートにおける
    組織の形状、興奮伝導特性又は電気的性質等に関する各
    種パラメータを設定するパラメータ設定手段と、 前記シミュレーション手段によりシミュレートした結果
    に基いて組織の電位図又は磁場図の少なくとも一方を作
    成する電磁場図作成手段と、 この電磁場図作成手段により作成された電位図又は磁場
    図の少なくとも一方と実際に測定された電位図又は磁場
    図とを比較して、両者の差がなるべく小さくなるように
    最適化手法を使用して前記パラメータ設定手段により設
    定された各種パラメータを最適化する最適化手段とを設
    けたことを特徴とする組織内電磁気現象診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の組織内電磁気現象診断装
    置において、前記パラメータ設定手段により設定される
    組織の形状に関するパラメータ以外のパラメータを固定
    にして、前記最適化手段は、前記組織の形状に関するパ
    ラメータを最適化することを特徴とする組織内電磁気現
    象診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の組織内電磁気現象診断装
    置において、前記パラメータ設定手段により設定される
    刺激伝導系分布のパラメータ以外のパラメータを固定に
    して、前記最適化手段は、前記刺激伝動系分布のパラメ
    ータを最適化することを特徴とする組織内電磁気現象診
    断装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の組織内電磁気現象診断装
    置において、前パラメータ設定手段により設定される活
    動電位振幅分布のパラメータ以外のパラメータを固定に
    して、前記最適化手段は、前記活動電位振幅分布のパラ
    メータを最適化することを特徴とする組織内電磁気現象
    診断装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の組織内電磁気現象診断装
    置において、前記パラメータ設定手段により設定される
    導電率分布のパラメータ以外のパラメータを固定にし
    て、前記最適化手段は、前記導電率分布のパラメータを
    最適化することを特徴とする組織内電磁気現象診断装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の組織内電磁気現象診断装
    置において、第1の状態の組織の電位図又は磁場図の少
    なくとも一方に対して、前記パラメータ設定手段により
    所定のパラメータ以外のパラメータを固定にして、前記
    最適化手段は、所定のパラメータを最適化し、第2の状
    態の組織の電位図又は磁場図の少なくとも一方に対し
    て、前記最適化された所定のパラメータの値を前記パラ
    メータ設定手段により固定にして、前記最適化手段は、
    所定のパラメータ以外のパラメータを最適化することを
    特徴する組織内電磁気現象診断装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の組織内電磁気現象診断装
    置において、安静時の組織の電位図又は磁場図の少なく
    とも一方に対して、前記パラメータ設定手段により設定
    される組織の形状に関するパラメータ以外のパラメータ
    を固定にして、前記最適化手段は、組織の形状に関する
    パラメータを最適化し、負荷時の組織の電位図又は磁場
    図の少なくとも一方に対して、前記最適化された組織の
    形状に関するパラメータの値を前記パラメータ設定手段
    により固定し、前記最適化手段は、組織の形状に関する
    パラメータ以外のパラメータを最適化することを特徴す
    る組織内電磁気現象診断装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の組織内電磁気現象診断装
    置において、安静時の組織の電位図又は磁場図の少なく
    とも一方に対して、前記設定手段により設定される組織
    の形状に関するパラメータ又は刺激伝導系分布のパラメ
    ータ以外のパラメータを固定にして、前記最適化手段
    は、組織の形状に関するパラメータ又は刺激伝導系分布
    のパラメータを最適化し、負荷時の組織の電位図又は磁
    場図の少なくとも一方に対して、前記最適化された組織
    の形状に関するパラメータ及び刺激伝導系分布のパラメ
    ータの値を前記パラメータ設定手段により固定にして、
    前記最適化手段は、組織の形状に関するパラメータ及び
    刺激伝導系分布のパラメータ以外のパラメータを最適化
    することを特徴とする組織内電磁気現象診断装置。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の組織内電磁気現象診断
    装置において、前記パラメータ設定手段により設定され
    る各種パラメータのうち複数のパラメータ以外のパラメ
    ータを推定固定し、前記最適化手段は、前記複数のパラ
    メータを同時に最適化することを特徴とする組織内電磁
    気現象診断装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の組織内電磁気現象診
    断装置において、前記最適化手段により同時に最適化す
    る複数のパラメータを、興奮伝導速度分布のパラメータ
    と、組織の形状のパラメータ又は刺激伝導系分布のパラ
    メータのいずれか一方とであることを特徴とする組織内
    電磁気現象診断装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の組織内電磁気現象診
    断装置において、前記最適化手段により同時に最適化す
    る複数のパラメータを、活動電位振幅分布のパラメータ
    と、組織の形状のパラメータ又は刺激伝導系分布のパラ
    メータのいずれか一方とであることを特徴とする組織内
    電磁気現象診断装置。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の組織内電磁気現象診
    断装置において、前記最適化手段により同時に最適化す
    る複数のパラメータを、導電率分布のパラメータと、組
    織の形状のパラメータ又は刺激伝導系分布のパラメータ
    のいずれか一方とであることを特徴とする組織内電磁気
    現象診断装置。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の組織の興奮伝播過程の
    シミュレーション方法において、前記組織は、心臓、脳
    又は神経系組織であることを特徴とする組織の興奮伝播
    過程のシミュレーション方法。
  15. 【請求項15】 請求項2記載の組織内電磁気現象診断
    装置において、前記組織は心臓、脳又は神経系組織であ
    ることを特徴とする組織内電磁気現象診断装置。
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