JPH082842A - エレベータの診断運転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、パーキング状態に設定され
ていても、所要のエレベータの診断運転を行なうことが
可能なエレベータの診断運転装置を提供する。 【構成】 予め定められた日時になると、エレベータ制
御装置１が駆動され、所定のプログラムにしたがった手
順で乗かご６を診断運転させるエレベータの診断運転装
置２において、予め定められた日時に行なわれる診断運
転に並行して、エレベータがパーキング状態に設定され
た際にも別の所定のプログラムにしたがった手順で乗か
ご６の診断運転が行なわれ、このパーキング状態に設定
された際の診断運転は、最後に基準階に到着するような
プログラムにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベータを実際に運
転して種々の測定、検査等を行なうエレベータの診断運
転装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、センタ装置より通信回線を介して
エレベータ側に取り付けられた診断運転装置に診断運転
実施日時を登録し、夜間のような利用客の無い時間帯に
この診断運転装置によってエレベータ制御装置を起動し
てエレベータを運転させ、この運転時に必要な診断デー
タ、例えば運行状態等の機器の動作状態を表すデータを
収集し、この収集データを分析して異常の発生を防止す
るという診断運転装置が開発されている。

【０００３】このような診断運転装置の例としては、例
えば、特願平４−５０３９号に開示の手段を挙げること
ができる。

【０００４】一方、エレベータには、ビルの管理者が夜
間利用しないエレベータを休止させておくためにパーキ
ングスイッチ（休止モード）が設けられており、このパ
ーキングスイッチをＯＮすると、エレベータは予め設定
された休止階（基準階）まで移動した後に休止状態にな
り、利用客へのサービスを中止するというものである。

【０００５】この場合パーキングスイッチは、エレベー
タを休止しておきたい階に予め設置しているもので、エ
レベータを据え付けする時に、顧客の要望する階に設置
している。例えば、ビル等においては、出入口のある階
に、パーキングスイッチを設定することが多い。以下、
パーキングスイッチのある階を基準階と呼ぶ。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、パーキング
スイッチが設けられているエレベータにおいては、エレ
ベータがパーキング状態に設定されていると、エレベー
タの診断運転を行なうように登録されている日時になっ
ても、エレベータを動かすことができない。特に、エレ
ベータの診断運転を行なうように登録される時間と、エ
レベータがパーキング状態に設定される時間は、ともに
夜間帯であるので、この夜間帯にエレベータがパーキン
グ状態に設定されると、このエレベータの診断運転をか
なり長期間にわたって行なうことができないという問題
がある。

【０００７】本発明は、前記問題点を解決するものであ
って、その目的は、パーキング状態に設定されていて
も、所要のエレベータの診断運転を行なうことが可能な
エレベータの診断運転装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、予め定められた日時になると、エレベー
タ制御装置が駆動され、所定のプログラムにしたがった
手順で乗りかごを診断運転させるエレベータの診断運転
装置において、前記予め定められた日時に行なわれる前
記診断運転に並行して、エレベータがパーキング状態に
設定された際にも別の所定のプログラムにしたがった手
順で乗りかごの診断運転が行なわれ、このパーキング状
態に設定された際の診断運転は、最後に基準階に到着す
るようなプログラムであることを特徴とする。

【０００９】

【作用】前記手段によれば、通常のエレベータ診断運転
装置とは別個に、エレベータがパーキング状態に設定さ
れる度ごとに診断運転を行なうようにしているので、エ
レベータのパーキング状態の設定中にエレベータの診断
運転が行なわれないということはなく、エレベータの診
断運転が比較的長期間実行されないという事態を防ぐこ
とができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１１】図１は本発明に係るエレベータの診断運転
装置の一実施例を示すブロック構成図である。

【００１２】図１において、１はエレベータ制御装置、
２はエレベータ診断運転装置、３は通信回線、４は監視
センタ、５はモータ、６は乗かご、７はカウンタウェイ
ト、８はパーキング設定部、９は診断運転指令部、９ａ
はタイマ、１０は通信回路部、１１は診断計測データ処
理部、１２は基準階記憶部である。

【００１３】そして、エレベータ制御装置１は、エレベ
ータをパーキング状態に設定するパーキング設定部８を
備える。エレベータ診断運転装置２は、予め定められた
日時に達すると、エレベータ制御装置１を所定の順序に
したがった診断運転を指令する診断運転指令部９と、通
信回線３を介して監視センタ４等との通信を行なう通信
回路部１０と、診断運転時にエレベータ制御装置１から
計測データを取得し、その計測データを適宜処理する診
断計測データ処理部１１と、基準階を記憶している基準
階記憶部１２を備えている。

【００１４】また、図２は、本実施例のエレベータ診断
運転装置２の動作順序を示すフローチャートである。

【００１５】図２のフローチャートを用いて本実施例の
動作を説明する。

【００１６】初めに、ステップＳ１において、診断運転
指令部９は、パーキング指定部８を参照し、エレベータ
がパーキング状態に設定されているか否かを判断する。
そして、パーキング状態にされていないと判断した
（Ｎ）ときには次のステップＳ２に移行し、設定されて
いると判断した（Ｙ）ときには後のステップＳ４に移行
する。

【００１７】次に、ステップＳ２において、診断運転指
令部９は、タイマ９ａを参照し、予め定められている診
断運転開始日時に達したか否かを判断する。そして、診
断運転開始日時に達していると判断した（Ｙ）ときには
次のステップＳ３に移行し、達していないと判断した
（Ｎ）ときには同じステップＳ２が繰返し実行される。

【００１８】次いで、ステップＳ３において、診断運転
指令部９は、タイマ９ａを参照し、診断運転継続時間内
であるか否かを判断する。そして、継続時間を過ぎてい
ると判断した（Ｙ）ときにはステップＳ４に移行し、過
ぎていないと判断した（Ｎ）ときには同じステップＳ３
が繰返し実行される。

【００１９】続いて、ステップＳ４において、診断運転
指令部９ｆ、エレベータ制御装置１に乗かご６を最上階
まで運転する運転指令を送出する。

【００２０】次に、ステップＳ５において、診断運転指
令部９は、乗かご６が最上階に到着したか否かを判断す
る。そして、最上階に到着していると判断した（Ｙ）と
きには次のステップＳ６に移行し、未だ到着していない
と判断した（Ｎ）ときには同じステップＳ５が繰返し実
行される。

【００２１】次いで、ステップＳ６において、診断運転
指令部９は、エレベータ制御装置１に診断運転開始の指
令を送出する。

【００２２】次に、ステップＳ７において、診断運転指
令部９は、基準階記憶部１２を参照し、最上階の直下階
が基準階であるか否かを判断する。そして、その階が基
準階でないと判断した（Ｎ）ときには次のステップＳ８
に移行し、基準階であると判断した（Ｙ）ときには他の
ステップＳ１０に移行する。

【００２３】続いて、ステップＳ８において、診断運転
指令部９は、最上階の直下階の呼びを作成し、その呼び
をエレベータ制御装置１に供給して乗かご６を最上階の
直下階まで運転させる。

【００２４】次に、ステップＳ９において、診断運転指
令部９は、乗かご６が直下階に到着したか否かを判断す
る。そして、直下階に到着していると判断した（Ｙ）と
きには次のステップＳ１４に移行し、未だ到着していな
いと判断した（Ｎ）ときには同じステップＳ９が繰返し
実行される。

【００２５】次いで、ステップＳ１４において、診断運
転指令部９は、最上階の直下階で行なうべき診断運転を
実施し、このとき、エレベータ制御装置１は診断計測デ
ータ処理部１１に計測データを送出する。

【００２６】続いて、ステップＳ１５において、診断運
転指令部９は、現在の乗かご６の位置が最下階であるか
否かを判断する。そして、最下階であると判断した
（Ｙ）ときには次のステップＳ１６に移行し、最下階で
ないと判断した（Ｎ）ときには前のステップＳ７に戻さ
れ、以下同様にして、ステップＳ７乃至ステップＳ１５
の動作が繰返し実行される。

【００２７】次に、ステップＳ１６において、診断運転
指令部９は基準階記憶部１２を参照し、エレベータ制御
装置１に乗かご６をこの記憶した階、即ち、基準階まで
運転する運転指令を送出する。

【００２８】次いで、ステップＳ１７において、診断運
転指令部９は、乗かご６が基準階に到着したか否かを判
断する。そして、基準階に到着していると判断した
（Ｙ）ときには次のステップＳ１８に移行し、未だ到着
していないと判断した（Ｎ）ときには同じステップＳ１
７が繰返し実行される。

【００２９】続いて、ステップＳ１８において診断運転
指令部９は、基準階において乗かご６のドアを開閉し
て、基準階で行なうべき診断運転を実施し、このとき
も、エレベータ制御装置１は診断計測データ処理部１１
に計測データを送出する。

【００３０】一方、ステップＳ１０において、基準階記
憶部１２は、エレベータ制御部１から基準階データの読
み込みを行ない、基準階を記憶する。

【００３１】続いて、ステップＳ１１において、診断運
転指令部９は、最上階の直下階が最下階であるか否かを
判断する。そして、その直下階が最下階でないと判断し
た（Ｎ）ときには次のステップＳ１２に移行し、最下階
であると判断した（Ｙ）ときには後のステップＳ１８に
移行する。

【００３２】次に、ステップＳ１２において、診断運転
指令部９は、最上階の２つの下の階の呼びを作成し、こ
の呼びをエレベータ制御装置１に供給して乗かご６をこ
の２つ下の階まで運転させる。

【００３３】次いで、ステップＳ１３において、診断運
転指令部９は、乗かご６が前記２つ下の階に到着したか
否かを判断する。そして、到着していると判断した
（Ｙ）ときには前記ステップＳ１４に移行し、未だ到着
していないと判断した（Ｎ）ときには同じステップＳ１
３が繰返し実行される。

【００３４】このように、本実施例のエレベータ制御装
置は、エレベータが毎日定められた時間帯に、パーキン
グ状態に設定されたとしても、必要なエレベータの診断
運転を欠かすことなく行なうことが可能になる。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、予め定められた周期で
行なわれるエレベータ診断運転に並行して、エレベータ
がパーキング状態に設定される度ごとに、自動的にエレ
ベータの診断運転を行なうようにしているので、エレベ
ータのパーキング状態の設定の時間帯と予め定められエ
レベータの診断運転との時間帯が重複して、エレベータ
の診断運転が行なわれないという事態を招くことがな
く、常時、決められた周期でエレベータの診断運転を行
なうことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るエレベータの診断運転装置の一実
施例を示すブロック構成図である。

【図２】図１に図示したエレベータの診断運転装置の動
作順序を示すフローチャートである。

【符号の説明】 １ エレベータ制御装置 ２ エレベータ診断運転装置 ３ 通信回線 ４ 監視センタ ６ 乗かご ８ パーキング設定部 ９ 診断運転指令部 ９ａ タイマ １０ 通信回路部 １１ 診断計測データ部 １２ 基準階記憶部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 予め定められた日時になると、エレベー
   タ制御装置が駆動され、所定のプログラムにしたがった
   手順で乗りかごを診断運転させるエレベータの診断運転
   装置において、前記予め定められた日時に行なわれる前
   記診断運転に並行して、エレベータがパーキング状態に
   設定された際にも別の所定のプログラムにしたがった手
   順で乗りかごの診断運転が行なわれ、このパーキング状
   態に設定された際の診断運転は、最後に基準階に到着す
   るようなプログラムであることを特徴とするエレベータ
   の診断運転装置。