JPH0827950A - 建築用のPCa版及び建築用のPCa版の製造方法並びに建築用のPCa版の取付け方法 - Google Patents

建築用のPCa版及び建築用のPCa版の製造方法並びに建築用のPCa版の取付け方法

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JPH0827950A
JPH0827950A JP16034094A JP16034094A JPH0827950A JP H0827950 A JPH0827950 A JP H0827950A JP 16034094 A JP16034094 A JP 16034094A JP 16034094 A JP16034094 A JP 16034094A JP H0827950 A JPH0827950 A JP H0827950A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な強度を有するPCa版で、製造に際し
て型枠を取外す手間を省き、製造を簡略化でき、構築現
場内での製造も可能とする。 【構成】 縦側枠7、8、横側枠からなる側枠16内に
溶接金網48、49を配置して打込型枠23を構成す
る。水平定盤上に、打込型枠の外周形状に合わせて桟木
29、29aを固定した基準底板27を載置する。基準
底板27上にタイル28を仮止めしたシート28aを敷
設する。桟木29、29a内に打込型枠23を載置す
る。打込型枠23内にコンクリートを打設する。次に、
打込み型枠上に同様の基準底板27a、打込み型枠を順
に載置して、打込型枠内にコンクリートを打設する。以
下同様に所定数の基準底板、打込み型枠を積上げてコン
クリートを打設する。コンクリートが強度発現後に、側
面全周に側枠が嵌装されたPCa版を構築する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建造物の外壁、耐震
壁、間仕切り壁、外壁、あるいは床等に使用する建築用
のプレキャストコンクリート版(以下、PCa版)及
び、この建築用のPCa版の製造方法、並びにこのPC
a版の取付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築用のPCa版は、これを使用
する建築現場とは別の工場にて製造されていた。工場で
は、組立式の型枠内に、構造鉄筋を配筋をして、組立式
の型枠内にコンクリートを打設して、蒸気養生等の所定
の養生をし、コンクリート固化し強度発現後に組立式の
型枠を取り外してPCa版を製造していた。また、この
PCa版は工場内で一時保管し補修整備され、その後、
トラック、トレーラー等でPCa版を構築現場内に搬入
し、PCa版をクレーンなどで吊り上げて所定の取り付
け場所に移動して取り付けていた。
【0003】また、PCa版の取付けに際しては、まず
鉄骨や主鉄筋などにPCa版用の取付け金具(1次ファ
スナー)を固定して、躯体コンクリートを打設してい
た。この躯体コンクリート打設の際に、取付け金具周辺
部のコンクリートを打ち残し、取付け金具に連結金具
(2次ファスナー)を介してPCa版を固定し、その後
にその打ち残した部分にコンクリートを再度打設する方
法が一般的であった。
【0004】例えば、従来の外壁用のPCa版では、鉄
骨梁の上面に台座を溶接し、該台座の上部分を除いて躯
体コンクリートを打設する。PCa版を取り付ける際に
は、まず断面L字状の連結金具の垂直部を外壁側に向
け、該取付け金具の水平部を前記台座に固定していた。
その後に連結金具の垂直部に、位置を調整しながら、外
壁PCa版をボルトで固定し、その後台座周辺の躯体コ
ンクリートを打ち残した部分に再度躯体コンクリートを
打設していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術では、
工場内でコンクリート打設場所から養生場所、保管場所
への移動、更に工場から構築現場へとPCa版を移動さ
せなければらず、移動に際しては、積み下ろし作業に手
間がかかり、またPCa版は重量が4〜5トンもある為
に、夫々の積み下ろし作業中での事故やPCa版の破損
を招くおそれもあった。
【0006】また、前記構造のPCa版では、製造に当
たり、型枠の組み戻しに手間がかかると共に、コンクリ
ートが十分な強度発現する前にPCa版を移動させる
為、PCa版周辺部の破損、ひび割れ等の製品不良を生
じる問題点があった。また、型枠の組み戻しや、工場維
持運営経費もかかる問題点もあった。
【0007】また、従来の取付け方法では、取付けファ
スナーが大きくなると共に位置調整に手間がかかり、施
工が繁雑となる問題点がった。
【0008】
【課題を解決するための手段】然るにこの発明は、コン
クリート版に側枠が嵌装されたPCa版としたので、ま
た、このPCa版を打込み型枠を使用し、あるいは構築
現場又は周辺で製造するので、また構築現場内又は周辺
で製造したPCa版を使用し、躯体コンクリート打設前
に主構造体にPCa版を仮止めして取付けたので、前記
問題点を解決した。
【0009】即ちこの発明は、構造材が埋設された所定
形状のコンクリート版の側面全周に亘って側枠が嵌装さ
れていることを特徴とする建築用のPCa版である。ま
た、U字状の屈曲鉄筋の直線側をコンクリート版の側面
に埋設し、該屈曲鉄筋の屈曲部を側枠外面から突出させ
た建築用のPCa版である。
【0010】また、水平定盤上に基準底板を載置し、該
基準底板上に、側枠内に構造材の端部を固定して形成し
た打込型枠を載置し、該打込型枠内にコンクリートを打
設し、該コンクリートが固化する前に、続いて前記打込
型枠上に、他の基準底板、他の打込型枠を順に載置し
て、同様に前記他の打込型枠内にコンクリートする。以
下同様に所定回数繰り返してコンクリートを打設して、
前記コンクリートが強度発現後に、打込型枠内にコンク
リートが充填されたPCa版を形成することを特徴とし
た建築用のPCa版の製造方法である。
【0011】また、建造物構築現場の敷地内又は周辺に
設置した水平定盤上に基準底板を載置し、該基準底板上
に、側枠内に構造材の端部を固定して形成した打込型枠
を載置し、該打込型枠内にコンクリートを打設し、該コ
ンクリートが固化する前に、続いて前記打込型枠上に、
他の基準底板、他の打込型枠を順に載置して、同様に前
記他の打込型枠内にコンクリートする。以下同様に所定
回数繰り返してコンクリートを打設して、前記コンクリ
ートが強度発現後に、打込型枠内にコンクリートが充填
されたPCa版を形成することを特徴とした建築用のP
Ca版の製造方法である。
【0012】また、建造物構築現場の敷地内又は周辺に
て、側枠内に構造材の端部を固定してなる打込型枠内に
コンクリートを充填して製造したPCa版を、躯体コン
クリート打設前に、所定位置に配置すると共に主構造体
に仮設し、その後に躯体コンクリートを打設して、前記
PCa版あるいはPCa版に連結した連結手段を当該躯
体コンクリート内に埋設して、前記PCa版を取り付け
ることを特徴とした建築用のPCa版の取付け方法であ
る。更に、躯体コンクリート打設前に、所定位置に配置
したPCa版を主構造体に仮設し、その後に躯体コンク
リートを打設して、前記PCa版あるいは前記PCa版
に連結した連結手段を当該躯体コンクリート内に埋設し
て、前記PCa版を取り付けることを特徴とした建築用
のPCa版の取付け方法である。
【0013】前記における構造材とは、金網、環状の鉄
筋を格子状に組んだ鉄筋篭、通常の格子状に組んだ鉄筋
等が考えられる。
【0014】また、前記における水平定盤は建造物構築
現場の敷地内又はその周辺に位置させ、製造したPCa
版を建造物構築現場へ搬入する手間を省くことが望まし
いが従来のように所定の工場とすることもできる。
【0015】また、前記における主構造体とは、鉄骨
造、鉄骨鉄筋コンクリート構造等における主として鉄骨
を指す。また、前記取付け方法における連結手段とは、
主構造体に固着したアンカーなどを指す。
【0016】
【作用】コンクリート版の全周に側枠を嵌装したので、
あるいは側枠を打ち込み型枠と兼用したので、側枠がP
Ca版の縁欠け等を防止にできる。また、側枠と構造材
からなる打込型枠内に、コンクリートを打設するので、
型枠の取り外し作業を不要とし、特殊な治具を使用する
ことなく、また打込み型枠を多段に重ねた場合でも場所
を取らないので、構築現場でもPCa版を容易に製造で
きる。また、躯体コンクリート打設前に主構造体にPC
a版を仮止めして施工するので、躯体の構築の際に、躯
体コンクリートの打ち残し作業を不要とし、躯体コンク
リートの2度打ちの手間を省略できると共に、PCa版
の位置調整作業を簡略化することができる。
【0017】
【実施例1】図1乃至図6に基づきこの発明の実施例を
説明する。ここでは外壁パネルに使用するPCa版及び
その製造方法に関する実施例について説明する。
【0018】 形成すべきPCa版の横長さに合わせ
た所定長さで、縦片1の上下端に上横片2及び下横片3
が夫々連設して断面略コ状の横枠基材4を構成する。前
記横枠基材の上横片2はほぼ水平に位置し、前記縦片1
は前記上横片2と成す角が鈍角となるように斜に形成さ
れている。前記横枠基材4の上横片2に、所定間隔を空
けて、断面逆L字状の取付部材5、5を固定する。ま
た、前記横枠基材4の下端外面(縦片1と下横片3の交
点付近)に長さ方向に沿って、前記横枠基材4と同一又
は若干短い長さの断面L状の係止部材19を固定する
(図2)。以上のようにして横側枠7を構成する。ま
た、前記横側枠7で、横枠基材4の縦片1を、前記縦片
1と前記上横片2と成す角が鋭角となるように斜に形成
したものを横側枠8とする。前記横側枠8は、縦片1の
下部外面(縦片1と下横片3の交点から所定長さ上方
に)に前記係止部材19と同様の係止部材19aが固定
されている(図2)。前記横側枠7、8を対向させた際
に、横側枠7の縦片1と横側枠8の縦片1とが平行とな
る。前記における係止部材19、19aはステンレス板
あるいはアルミ板に所定の表面処理を施した材料を使用
する。
【0019】 形成すべきPCa版の縦長さに合わせ
た所定長さで、縦片9の上下端に上横片10及び下横片
11が夫々連設して断面略コ状の縦枠基材12を構成す
る。前記縦枠基材12の上横片10はほぼ水平に位置
し、前記縦片9はほぼ垂直に位置するように形成されて
いる。また、前記縦枠基材12の下部横片11は、ほぼ
水平に形成してある。前記縦枠基材12の上横片10
に、所定間隔を空けて、所定数だけ、断面逆L字状の取
付部材13、13を固定する。また、前記縦枠基材12
の下部外面(縦片9と下横片11との交点付近)に長さ
方向に沿って、前記縦枠基材12と同一又は若干短い長
さの断面L状の係止部材6、6を固定する。以上のよう
にして縦側枠15を構成する(図3(a))。
【0020】 前記横側枠7、8を並列して、前記縦
側枠15、15の2つを、前記横側枠7、8と共同して
矩形となるように対向して配置して、側枠16を構成す
る。
【0021】 横側枠7、8の下横片3、3及び縦側
枠15、15の下横片11、11に、溶接金網48の周
縁部を載置し、必要ならば溶接金網48と横側枠7、8
とを数箇所で固定する。同様に、横側枠7、8の取付部
材5、5、及び縦側枠15、15の取付部材13、13
に、溶接金網49の周縁部を載置し、必要ならば数箇所
で固定する。以上のようにして、打込型枠23を構成す
る。前記打込型枠23は工場にて製造する。
【0022】 建造物構築現場の敷地内に上面25a
をほぼ水平に保った定盤25を載置する。前記定盤25
上に、前記打込型枠23の縦側枠15、15の外周縁に
合わせて桟木26、26を、横側枠7、8の外周縁に合
わせて桟木29、29aを夫々固定した基準底板27を
載置する(図5(a))。前記基準底板27上で、桟木
26、26、29、29aの内側に前記打込型枠23を
嵌挿設置する(図5(b))。この際、桟木26、26
上に係止部材6、6が、桟木29、29a上に係止部材
19、19aが夫々載置される。次に前記打込型枠内2
3に、コンクリートを打設する(図5(c))。コンク
リート打設後、所定時間(2時間程度)経過後に、前記
打込型枠23及びコンクリート上に、前記基準底板27
と同様の他の基準底板27aを載置する(図5
(d))。前記基準底板27aの載置はコンクリートが
未固化でも、該コンクリートの固化に影響を与えない。
【0023】 同様に、基準底板27aに他の打込型
枠23aを載置してコンクリートを打設し、打込型枠2
3a上に他の基準底板27bを載置して、コンクリート
を打設する。以下、基準底板27c、27d・・・、打
込型枠23c、23d・・・を順に積み重ねながら、夫
々の打込型枠内にコンクリートを打設する(図6)。前
記における基準底板27、打込型枠23の積み重ねは1
日に付き3段程度が適当であり、図6では翌日、翌々日
に別に3段を積み重ねして合計9段程度まで積み重ねた
状態を示してある。ここで、定盤25、基準底板27が
重量に耐えられれば、1日に3段以上、あるいは合計で
9段以上積み重ねることも可能である。
【0024】 コンクリートが固化した後に、基準底
板27、27a、27b・・・を取り外せば、PCa版
の30ができる(図1、2、3、4)。この実施例のP
Ca版30は外壁用で、下面側(基準底板に接した側)
が表面を構成し、裏面側には夫々取付け用の上部インサ
ート31、下部インサート36が埋設されている。前記
上部インサート31は、上下2段に透孔33、33aを
穿設したインサート受板32の下面32aに、該透孔3
3と連通するように、一側にボルト35を螺合した螺筒
34の他側を夫々固着して構成してある。また、下部イ
ンサート36も同様に、透孔33、33を穿設したイン
サート受板32の下面32aに、前記透孔33と連通す
るように、ボルト35を螺合した螺筒34を夫々固着し
て構成してある(図4)。
【0025】前記実施例において、横側枠7、8は夫々
横枠基材4、取付部材5、係止部材19、19aとから
構成したが、同一形状であれば、一体に成形することも
できる。同様に縦側枠15も一体に成形することもでき
る(図示していない)。
【0026】また、前記実施例において、係止部材6、
6は省略することもできる(図3(b))。この場合に
は、桟木26、26に、縦側枠15の下横片11の下面
を載置する。同様に係止部材19、19aも省略できる
(図示していない)。
【0027】また、係止部材6に代えて、縦側枠15の
下横片11の下面に平板14をL状金具を介して垂直に
固定することもできる。この場合には。桟木19、19
aを有すれば、桟木26、26を省略することもできる
(図3(c))。
【0028】また、前記実施例において、打込型枠23
の形状はコンクリートが洩れず、かつ内面に溶接金網4
8、49を固定でき、更にコンクリートを打設して積み
重ねた場合にも変形しない構造であれば他の構造とする
こともできる(図示していない)。例えば、縦側枠1
5、15は既製の断面略C型の軽量型鋼等に係止部材6
を固着した構造とすることもできる。また、例えば、取
付部材5、13を使用しないこともできる。
【0029】また、前記実施例において、タイル貼りの
PCa版を製造する際には、基準底板27、27a、・
・・上に、まずタイル28、28を仮止めしたシート2
8aを敷設した(図2、図3で鎖線図示)後に、打込型
枠23を載置してコンクリートを打設する。前記実施例
と同様にコンクリートが強度発現後に基準底板27を取
り外すと、タイル貼りPCa版を構成する。
【0030】また、前記実施例において、PCa版は縦
側枠、横側枠からなる方形としたが、壁に出入口や窓を
組み込んだ、開口部や切り欠きを有する形状とすること
もできる(図示していない)。この場合には、形成すべ
きPCa版の形状に合わせた側枠を使用する。
【0031】また、前記実施例において、構造材とし
て、溶接金網48、49を使用したが、環状鉄筋17、
20を使用することもできる。この場合、環状鉄筋1
7、20を格子状に組んだ鉄筋篭を、矩形に形成した側
枠16内に設置し、環状鉄筋17、17の端部18、1
8を、横側枠7、8の上横片2、下横片3に固定し、環
状鉄筋20、20の端部21、21を縦側枠15、15
の上横片10、下横片11、11に、固定して打込み型
枠24を構成する(図7、図8(a)(b))。前記実
施例と同様に打込み型枠24内にコンクリートを充填し
て建築用PCa版30を構成する(図7)。また、構造
材として、棒状の鉄筋を同様に格子状に組んだもの、あ
るいは型鋼等の鋼材も使用することもできる。
【0032】
【実施例2】次に、図9乃至図12に基づき、このPC
a版30を使用した施工方法を説明する。
【0033】 前記実施例1のようにして、構築現場
の敷地内又は隣接した場所あるいは所定の工場で、建築
用のPCa版30を製造する。
【0034】 既設階のスラブ37の上方に所定高さ
(上部インサート)突出して既設PCa壁版130が設
置されている。前記既設PCa版130の上部インサー
ト31の内、下側の螺筒34には既設階のスラブ37内
に埋設されたアンカー(連結手段)143が螺合され、
上側の螺筒34は既設階のスラブ37の上方に突出して
いる(図9)。
【0035】 上下に隣接するPCa版を連結する為
の連結板39は、その上部に、上側のPCa版の透孔3
3の位置に合わせて横方向に長い長孔40を穿設し、そ
の下部に、下側のPCa版の透孔33の位置に合わせて
透孔33より大径の大穴40aを穿設して構成されてい
る。前記連結板39の中央部外側には、設置すべきPC
a版の下縁位置に合わせて、受け突起41が突設されて
いる(図12)。
【0036】 既設PCa版130の上部インサート
31の上側の螺筒34に、各インサートの透孔33位置
に合わせ、前記連結板39の下部の大穴40aの位置を
調節して、ボルト44で既設PCa版130と連結板3
9とを固定する。(図9)。また、連結板39の下縁と
既設階スラブ37の上面との隙間にモルタル45を充填
する。
【0037】 次に、既設PCa版130の上方にP
Ca版30を配置する。ここで、既設PCa版130と
PCa版30との間に止水ガスケット42を介装し、P
Ca版30の下縁を連結板39の受け突起41に掛止さ
せると共に、PCa版30の下部インサート36と連結
板39の上部の長孔40とをボルト44で固定する。
【0038】 また、PCa版30の上部インサート
31の下側の螺筒34に、形成されるスラブ38内に埋
設予定のアンカー(連結手段)43の先端部を、出入り
を調節して螺合固定する。このアンカー43は先端部及
び基端部に螺糸が形成され、基端部には構造体に固定さ
れた螺筒が螺合され(図示していない)、軸方向に移動
自在となっている。
【0039】 床型枠その他の型枠及鉄筋を構築し
て、躯体コンクリートを打設する。
【0040】 躯体コンクリートが固化すると、PC
a版30はその上下をスラブ38及び下階のPCa版1
30と連結固定される(図10)。
【0041】 以下、同様に繰り返して、外壁を構築
する。また、既設PCa版130とPCa版30との外
側目地にコーキング剤47を充填する。また、横方向に
隣接するPCa版30、30の間にも止水ガスケット4
6を介装すると共に、止水ガスケット42と止水ガスケ
ット46との接触部分にコーキング剤を塗布し、また外
側目地にコーキング剤47を充填する(図11)。
【0042】前記において、PCa版130、30はス
ラブに固定されているにもかかわらず、連結板39の長
孔40、大穴40aを介してボルトで連結されているの
で、層間変形が生じた場合にも変形量を吸収できるの
で、PCa壁板自体あるいは隣接PCa壁板との連結部
分が破壊されることを未然に防止できる。
【0043】また、前記において、係止部材19、19
aにより、止水ガスケット42、46、コーキング剤4
7等が不良となった場合でも室内側に水分が浸透するお
それがない。
【0044】前記実施例において、前記実施例1により
製造したPCa版30を使用したが、透孔33、33、
33aを有する構造のPCa版であれば、躯体コンクリ
ート打設前に主構造体に仮設できるので、その形状、製
造方法は問わない。
【0045】また、前記実施例において、止水ガスケッ
ト42、46は水平方向の目地、垂直方向の目地に夫々
嵌挿したが、従来のように各PCa版30の4周に予め
止水ガスケットを装着した後に、所定位置に設置するこ
ともできる(図示していない)。
【0046】
【実施例3】図13乃至図18に基づきこの発明の他の
実施例を説明する。この実施例は床パネル用のPCa版
に関する実施例である。
【0047】形成すべきPCa版に対応した所定長さ
で、縦片51の下縁に水平方向の横片52を連設した断
面略L字状の枠基材53を構成する。前記縦片51の上
端部51aを前記横片52を連設した側とは異なる側に
水平に屈曲し、前記横片52の先端部52aを斜め上方
に屈曲する。前記縦片51は長さ方向と直角な方向(垂
直方向)に、鉄筋挿通用の透孔54、54が並列して穿
設されていると共に、該透孔54、54の間に、該透孔
54、54と並列して、リブ55、55を設けてある
(図14)。以上のようにして側枠56を構成する。
尚、リブ55は省略することもできる。
【0048】前記側枠56の4つを、横片52を外側に
向けて矩形に組み一体に固定する。前記側枠56内に、
前記実施例1と同様の溶接金網を配置し、側枠56の内
面に固着する(図示していない)。また、対向する側枠
56の透孔54、54に、U字状に屈曲した屈曲鉄筋5
7の直線側58、58を嵌挿して、該屈曲鉄筋57の屈
曲部58aを側枠56から所定長さ外方に突出させる。
必要ならば、透孔54、54と屈曲鉄筋57との隙間を
溶接その他の方法で塞ぐ。
【0049】以上のようにして、打込型枠59を構成す
る(図13)。前記打込型枠59は工場にて製造する。
【0050】次に、前記打込型枠59を使用したPCa
版の製造について説明する。前記実施例1と同様に、建
造物構築現場の敷地内に上面25aをほぼ水平に保った
定盤25を載置し、該定盤25上に、前記打込型枠59
の外周縁に合わせて桟木26、26を固定した基準底板
27を載置する。前記基準底板27上で、桟木26、2
6の内側に前記打込型枠59を嵌挿設置する。前記打込
型枠59の縦片51の上面に切り欠き溝形成用の押え木
片60、60を仮止めする。次に、前記打込型枠59内
に、コンクリート61を打設する(図5(c)、図1
3)。コンクリート打設後、所定時間(2時間程度)経
過後に、前記打込型枠59上に、前記基準底板27と同
様の他の基準底板を載置して、打込型枠を順に積み重ね
ながら、打込型枠59内にコンクリートを打設する。
【0051】コンクリートが固化した後に、押え木片6
0、基準底板27を取り外せば、建築用のPCa版62
ができる(図11)。この実施例のPCa版62は床パ
ネル用で、下面63側(基準底板に接した側)が下面を
構成し、上面64側の周縁部には押え木片60によって
形成された切り欠き溝65が形成されている。
【0052】次に、前記実施例に基づくこのPCa版6
2の施工について説明する。前記PCa版62は、前記
実施例1と同様に、建造物構築現場の敷地内で製造され
た後、当該建造物において、床パネルとして使用する。
この際、隣接するPCa版62、62は、横片52、5
2が互いに当接し、屈曲鉄筋57、57は重なり合う。
PCa版62、62の連結部分に躯体コンクリート67
を打設して、隣接するPCa版62、62を連結固定す
る(図15)。この際、横片52、52がコンクリート
67打設時の型枠の役割をする。また、U字状の屈曲鉄
筋57の屈曲部58aを側枠56から突出させたので、
隣接するPCa版62、62を容易に連結できる。
【0053】また、前記PCa版62の一側を、鉄骨梁
68に架設して、同様に床パネルとして使用することも
できる(図14)。この場合には、隣接するPCa版6
2、62の横片52、52は当接される必要はなく、鉄
骨梁68のフランジ68a上に載置してあれば良い。同
様に、隣接するPCa版62、62の環状鉄筋57、5
7の間に鉄筋66を差し込み、PCa版62の連結部分
に躯体コンクリート67を打設して、隣接するPCa版
62、62を連結固定する(図16)。図中69は、鉄
骨梁68に固定したスタッドジベル用のボルトである。
【0054】前記実施例において、側枠56内に構造材
として溶接金網を設置したが、溶接金網に代えて、環状
鉄筋86、87を縦横に夫々並列して格子状に組んで使
用することもできる。この場合には、U字状の屈曲鉄筋
57を不要とし、側枠56に透孔54に代えて、対応す
る長孔88、88を穿設して、環状鉄筋86、87の端
部86a、87aを長孔88から突出させる(図17、
図18)。この場合、コンクリートの打設にあたり、長
孔88からセメントペーストが洩れないように、長孔8
8に栓をする(図示していない)。また、前記における
環状鉄筋86、87を一体に形成したが、直線部分を長
く形成した2つのU字状の屈曲鉄筋を組み合わせて環状
に配置することもできる(図示していない)。この場合
には、長孔88に代えて透孔54、54とすることがで
き、側枠の外方から屈曲鉄筋の直線部分を透孔54、5
4に挿入して打込み型枠を構成する。
【0055】また、前記実施例において、PCa版62
は建造物構築現場の敷地内で製造したものを使用した
が、同様の構造であれば、工場生産したものでも同様に
施工してPCa版を取付け、耐震壁を構築できる。
【0056】
【実施例4】図19乃至図20に基づきこの発明の他の
実施例について説明する。この実施例は、耐震壁用のP
Ca版に使用した例である。
【0057】前記実施例3において、側枠56に使用し
た枠基材53を断面略L字状としたが、縦片51の上下
端部を一方向に屈曲した略コ字状とした枠基材70を使
用して、該枠基材70同様に長孔71、リブ72を設け
て側枠73を構成したものである(図19)。この場
合、他辺の対向する側枠は断面コ字状で長孔、リブを設
けない構造とする。側枠を対向して配置し、側枠を対向
して配置して矩形に形成し、側枠内に溶接金網を配置
し、対向する側枠73、73の透孔71、71に、U字
状の屈曲鉄筋57、57の直線部58を挿入して、該屈
曲鉄筋57の屈曲部58aを所定長さ突出させて、同様
に打込型枠74を構成する(図19)。前記実施例1、
3と同様に、建造物構築現場敷地内又は周辺で、基準底
板27に載置した打込型枠74内にコンクリート76を
打設して、順次、建築用のPCa版75を製造する(図
19)。
【0058】次に前記実施例に基づくこのPCa版75
を使用した施工方法について説明する。
【0059】既設階スラブ83に、前記実施例1と同様
に構築現場内で製造された既設PCa版82がその下端
部を埋設し固定されて立設され、隣接する既設PCa版
82は横方向の屈曲鉄筋57、57の屈曲部58a、5
8aが互いに重なるように配置されている。また、重な
り合っている屈曲鉄筋57、57の屈曲部58a、58
aに、下端部を既設階スラブに埋設した鉄筋80、80
が差し込まれている。
【0060】次に、既設PCa版82の上方に、次階用
のPCa版75、75を配置して、所定位置で支持す
る。この際、既設PCa版82とPCa版75、75と
は縦方向の屈曲鉄筋57、57の屈曲部58aが互いに
重なり合い、構築予定の次階スラブ84内に位置してい
る。また、次階スラブ84内で、重なり合った屈曲鉄筋
57、57の屈曲部58a、58aに鉄筋81、81を
挿通させる。また、隣接するPCa版75は横方向の屈
曲鉄筋57、57の屈曲部58a、58aが重なるよう
に配置されて、重なり合った屈曲鉄筋57、57の端部
58、58に鉄筋80、80を挿通させる。
【0061】次に、隣接する既設PCa版82、82の
間隙85に壁型枠89、89を仮設し、また他の型枠を
仮設する(図示していない)。この際、既設PCa版8
2の柱との連結部分では、屈曲鉄筋57、57の端部5
8が柱型枠内に挿通され、該部の柱の鉄筋と連結されて
いる(図示していない)。
【0062】続いて、間隙85及び次階スラブ84まで
躯体コンクリートを打設する。既設PCa版75は上下
をスラブに固定され、左右を柱又は他の既設PCa版7
5に固定される。PCa版75はその下端部を次階スラ
ブ84内に埋設固定されて立設される(図20)。以下
同様に、PCa版を使用して耐震壁を構築する。前記に
おいて、屈曲鉄筋57の屈曲部58aを側枠73から突
出せたので、隣接するPCa版75、75を容易に連結
できる。
【0063】前記実施例において、建築現場で製造した
PCa版を使用したが、工場生産したものでも同様の構
造であれば同様に施工して床を構築することができる。
【0064】
【実施例5】図21乃至図24に基づき、この発明の他
の実施例で、PCa版を間仕切り壁に使用する実施例で
ある。
【0065】この実施例は、基部91の両側に立上げ部
91a、91aを立設して断面略コ字状で、両立上げ部
91a、91aの開口縁を内側に向けて折り曲げて枠基
材90を形成する。前記枠基材90の基部外面に、該枠
基材90の長さ方向ほぼ全長に亘り、断面略コ字状の連
結金具92の基部を溶着する。前記枠基材90の基部と
連結金具92の基部に連通する透孔93、93を穿設す
る。補強板94の一面に吊りナット(蓋付き)95を溶
着すると共に、該補強板94に該吊りナット95の螺穴
95aと連通する透孔96を穿設する。前記補強板94
の他面を前記枠基材90の基部91内面に、枠基材90
の透孔と補強板94の透孔96とが連通するように、溶
着して上横側枠97を形成する。また、他の枠基材90
の基部91外面中央に長さ方向に沿って支持条98を連
設して下横側枠99を形成する(図21)。
【0066】他の枠基材90の立上げ部91aで長さ方
向ほぼ中央に透孔100を穿設し、該立ち上げ部91a
の内面で、該透孔100と連通するように連結ナット
(蓋付き)101を固着し、該枠基材90の基部91の
外面に、長さ方向ほぼ全長亘る連結条102、102を
所定間隔を空けて並列して突設して、縦側枠103を形
成する。また、同様に、他の枠基材90の立上げ部91
aに連結ナット(蓋付き)101を固定し、該枠基材9
0の基部91の外面に、長さ方向全長に亘る連結条10
4、104を、前記連結条102、102と摺動できる
ように所定間隔を空けて、並列して突設して、縦側枠1
05を形成する(図22)。前記における連結条10
2、104の互いに摺動する面には、微量の位置調整可
能でかつモルタルが洩れないように、モヘアを設ける等
起毛させておくことが望ましい。
【0067】次に、前記上横側枠97、下横側枠99を
並列し、縦側枠103、105を並列して、枠状に配置
して連結して側枠106を構成する。該側枠106内に
実施例1と同様に、溶接金網を配置して、これを側枠1
06に溶接固着して、打込み型枠107を構成する(図
21)。前記における枠基材90は、同様の構造であれ
ば既製の軽量型鋼を使用することもできる。また、前記
における補強板94は省略することもできる。また、前
記における吊りナット95は蓋付きとしたが、実施例1
の上部インサート31等のように、コンクリートとの定
着力を高める為にボルトを螺合しておくこともできる
(ボルトは図21に鎖線で図示してある)。
【0068】次に、前記打込型枠107を使用したPC
a版の製造について説明する。前記実施例1と同様に、
建造物構築現場の敷地内に上面25aをほぼ水平に保っ
た定盤25を載置し、該定盤25上に、前記打込型枠1
07の外周縁に合わせて桟木26、26を固定した基準
底板27を載置する(図21、図5(a))。前記基準
底板27上で桟木26、26の内側に、前記打込型枠1
07を、連結ナット101の設置面を上に向けて、嵌挿
設置する(図5(b))。次に、前記打込型枠107内
に、コンクリート61を打設する(図5(c)、図2
1)。コンクリート打設後、所定時間経過後に、前記打
込型枠107上に、前記基準底板27と同様の他の基準
底板27を載置して、打込型枠107を順に積み重ねな
がら、同様に打込型枠107内にコンクリートを打設す
る。
【0069】コンクリートが固化した後に、押え木片6
0、基準底板27を取り外せば、建築用のPCa版10
8ができる(図21)。この実施例のPCa版108は
間仕切り壁用で、支持条98側が下となり、連結金具9
2側が上となるように使用する。
【0070】既設階スラブ83上に、間仕切り設置位置
に合わせて、断面コ字状の連結金具92の基部92aを
固定すると共に連結金具92の基部92aから上方に向
けて、高さ調節できる螺杆を複数箇所に回動自在に突出
させて設置する。既設スラブ83上で、連結金具92に
沿って、所定幅に案内板110、110を仮設する。
【0071】また、設置予定の鉄骨梁111の下面に
は、間仕切り設置位置の長さ方向に沿って支持条98を
固着してある。
【0072】螺杆109を所定高さに調節し、既設階ス
ラブ83上の連結金具92内にモルタルを充填する。次
にPCa版108を、吊りナット95を利用して吊り下
げ、その下端部を案内板110、110内に嵌挿し、そ
の下面の支持条98を螺杆109に当接させる(図2
4)。同様に、他のPCa版108、108を並列する
と共に、隣接するPCa版108、108の連結ナット
101、101にボルトで、平面略T字状の連結板11
2を取り付ける。連結板112に支え棒113の一端を
固定し、支え棒の他端を既設階スラブ83に仮設する。
隣接するPCa版108、108の連結条102、10
4に囲まれた縦間隙117、117にモルタルを充填す
る(図22)。
【0073】次に、PCa版108の上面の連結金具9
2にモルタル114を充填し、鉄骨梁111を架設し
て、鉄骨梁111の支持条98を該モルタル114内に
挿入する。続いて、躯体コンクリートを打設して、所定
の柱115を構築すれば、これに固定された鉄骨梁11
1と既設階スラブ83との間にPCa版108、108
は固定される。鉄骨梁111の下面とPCa版108の
上端部との間に耐火被覆116を施し、支え棒113、
案内板110、110を取り外せば、PCa版108を
使用した間仕切りが構築される(図24、図23)。
【0074】前記実施例において、建造物構築現場で製
造したPCa版を使用したが、工場生産されたものでも
同様の構造のPCa版であれば、同様に施工できる。
【0075】
【実施例6】図25乃至図27に基づき、この発明の他
の実施例で、PCa版をエレベーター室の壁に使用する
実施例である。
【0076】この実施例は、前記実施例5と同様で、断
面略コ字状の枠基材90の基部外面に、該枠基材90の
長さ方向ほぼ全長に亘り、断面長方形の連結金具118
を溶着する。前記枠基材90の基部で連結金具118を
挟んで、連結条102、102を所定間隔を空けて並列
して突設して、下横側枠119を形成する。
【0077】同様に、他の枠基材90の基部外面に、長
さ方向全長に亘る連結条104、104を、前記連結条
102、102と摺動できるように所定間隔を空けて、
並列して突設して、上横側枠120を形成する。前記に
おける連結条102、104の互いに摺動する面には、
微量の位置調整可能でかつモルタルが洩れないように、
モヘアを設ける等起毛させておくことが望ましい。
【0078】また、他の枠基材90、90から夫々、縦
側枠121、121を構成する。
【0079】次に、前記上横側枠119、下横側枠12
0を並列し、縦側枠121、121を並列して、枠状に
配置して連結して側枠122を構成する。実施例1と同
様に、インサート受板124の透孔に連通するようにボ
ルト付きの螺筒125、125を溶着して上部インサー
ト126、下部インサート127を構成する。実施例1
と同様に、該側枠122に、上部インサート126、下
部インサート127を夫々溶接固着すると共に、溶接金
網を配置して側枠122に溶接固着する。また側枠12
2内の所定位置に鍔付き角筒129を仮止めして、打込
み型枠123を構成する(図25)。
【0080】次に、前記打込型枠123を使用したPC
a版の製造についても、前記各実施例と同様に、建造物
構築現場の敷地内の定盤25に、桟木26、26を固定
した基準底板27を載置し、基準底板27上に前記打込
型枠123を嵌挿設置する。また、基準底板27上に鍔
付き角筒129を仮止めする。打込型枠123内に、コ
ンクリート61を打設して、順次PCa版128を構築
する(図25、図5、図6)。このPCa版128に
は、鍔付き角筒129が埋設され、鍔付き角筒129の
中空部位置に開口131が形成されている。
【0081】このPCa版はエレベーター室の壁を構築
する際に使用し、実施例2と同様に上下に連結使用す
る。
【0082】即ち、既設階のスラブ132aに埋設され
たアンカー143に、連結板133の下側の下透孔13
5を介して、既設階のPCa版128aの上部インサー
ト126の螺筒125に螺合固定されている。アンカー
143は鉄骨梁138aの上面に固着されている。
【0083】次に、既設階のPCa版128aの連結条
104、104間にモルタルを充填し、該既設階のPC
a版128aの上方から次階用のPCa版128を下降
させ、連結板133の上透孔134にボルト136を挿
通し、該ボルト136をPCa版128の下部インサー
ト127の螺筒125に螺合締結する。PCa版128
の上部インサート126の螺筒125に、連結板133
の下透孔135を挿通したアンカー43を螺合締結す
る。ここで、連結板133は上透孔134を上にしてP
Ca版128の上縁より上方に突出し、また、アンカー
43は鉄骨梁138の上面に固着されている(図27
(a))。また、PCa版128の開口131に、エレ
ベーター用のレール受け137を挿入して所定位置で仮
止めする(図27(b))。
【0084】同様に他のPCa版128、128及び開
口131に代わり出入り口用の開口131aを設けたP
Ca版128bを矩形に組み、同様に仮設して(図2
6)、次に所定の型枠を仮設し、鉄筋等を配筋して躯体
コンクリート打設すれば、アンカ−43、連結板133
の下側及びレール受け137の一側はスラブ132内に
埋設され(図27(a)、図26)、エレベーター室の
壁が構築される。
【0085】前記において、現場で製造したPCa版を
使用したが、工場生産されたものでも同様の構造のPC
a版であれば、同様に施工できる。
【0086】また、同様にして、パイプシャフトを構成
する壁の構築にも応用できる。
【0087】
【発明の効果】側枠と環状鉄筋から打込型枠を形成し、
打込型枠内にコンクリートを打設したので、特殊な装
置、治具を使用することなく、現場敷地内で容易にPC
a版を製造できる効果がある。また、型枠兼用の側枠を
使用したので、PCa版の製造にあたり型枠を取り外す
手間を省略できる効果がある。
【0088】また、現場敷地内でPCa版を製造できる
ので、この場合にはコンクリート固化後にPCa版を移
動させずに取り付けることができるので、建造物の施工
効率を高めることができると共に、工場から現場へのP
Ca版の搬送作業を省くことができるので、積み下ろし
作業時の事故を削減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のPCa版で、外壁パネルに
使用するものの裏面図である。
【図2】図1のA−A線における拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線における拡大断面図で、(a)
は係止部材6を固定した場合、(b)は係止部材6を省
略した場合、(c)は係止部材6に代えて平板14を固
定した場合を表わす。
【図4】図1のC−C線における拡大断面図である。
【図5】(a)乃至(d)はこの発明の製造方法を説明
する縦断面図である。
【図6】同じくこの発明の製造方法を説明する縦断面図
である。
【図7】この発明の他の実施例のPCa版の裏面図であ
る。
【図8】(a)は図7のD−D線における拡大断面図、
(b)は図7のE−E線における拡大断面図である。
【図9】この発明のPCa版を外壁パネルに使用する施
工方法を説明する縦断面図である。
【図10】同じく施工方法を説明する縦断面図である。
【図11】同じく施工方法を説明する横断面図である。
【図12】図10のF−F線における拡大断面図であ
る。
【図13】この発明のPCa版の他の実施例で、床パネ
ルに使用するものの縦断面図である。
【図14】図13のG−G線における断面図である。
【図15】この発明のPCa版を床パネルに使用する施
工方法を説明する縦断面図である。
【図16】同じく施工方法を説明する縦断面図である。
【図17】この発明のPCa版の実施例で、床パネルに
使用する他の実施例の縦断面図である。
【図18】図17のH−H線における断面図である。
【図19】この発明のPCa版の他の実施例で、耐震壁
に使用するものの縦断面図である。
【図20】この発明のPCa版を耐震壁に使用する施工
方法を説明する縦断面図である。
【図21】この発明のPCa版の他の実施例で、間仕切
り壁に使用するもの縦断面図である。
【図22】同じく横断面図である。
【図23】同じくこのPCa版を使用して間仕切り壁を
構築した状態を示す正面図である。
【図24】この発明のPCa版を間仕切り壁に使用する
施工方法を説明する縦断面図である。
【図25】この発明のPCa版の他の実施例で、エレベ
ーター室の壁に使用するものの縦断面図である。
【図26】この発明のPCa版をエレベータ室の壁に使
用する施工方法を説明する横断面図である。
【図27】同じく施工方法を説明する縦断面図
【図28】同じく他の位置で切断した一部を省略した縦
断面図である。
【符号の説明】
7、8 横側枠 15、16 縦側枠 17、20 環状鉄筋 23、23a、23b、23c… 打込型枠 25 定盤 27、27a、27b、27c… 基準底板 30 PCa版 31 上部インサート 36 下部インサート 56 側枠 57 環状鉄筋 59 打込型枠 62 PCa版 73 側枠 74 打込型枠 75 PCa版 97 上横側枠 99 下横側枠 103 縦側枠 105 縦側枠 106 側枠 107 打込型枠 108 PCa版 119 下横側枠 120 上横側枠 121 縦側枠 122 側枠 123 打込型枠 126 上部インサート 127 下部インサート 128 PCa版

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造材が埋設された所定形状のコンクリー
    ト版の側面全周に亘って側枠が嵌装されていることを特
    徴とする建築用のPCa版。
  2. 【請求項2】U字状の屈曲鉄筋の直線側をコンクリート
    版の側面に埋設し、該屈曲鉄筋の屈曲部を側枠外面から
    突出させた請求項1記載の建築用のPCa版。
  3. 【請求項3】水平定盤上に基準底板を載置し、該基準底
    板上に、側枠内に構造材の端部を固定して形成した打込
    型枠を載置し、該打込型枠内にコンクリートを打設し、
    該コンクリートが固化する前に、続いて前記打込型枠上
    に、他の基準底板、他の打込型枠を順に載置して、同様
    に前記他の打込型枠内にコンクリートする。以下同様に
    所定回数繰り返してコンクリートを打設して、前記コン
    クリートが強度発現後に、打込型枠内にコンクリートが
    充填されたPCa版を形成することを特徴とした建築用
    のPCa版の製造方法。
  4. 【請求項4】建造物構築現場の敷地内又は周辺に設置し
    た水平定盤上に基準底板を載置し、該基準底板上に、側
    枠内に構造材の端部を固定して形成した打込型枠を載置
    し、該打込型枠内にコンクリートを打設し、該コンクリ
    ートが固化する前に、続いて前記打込型枠上に、他の基
    準底板、他の打込型枠を順に載置して、同様に前記他の
    打込型枠内にコンクリートする。以下同様に所定回数繰
    り返してコンクリートを打設して、前記コンクリートが
    強度発現後に、打込型枠内にコンクリートが充填された
    PCa版を形成することを特徴とした建築用のPCa版
    の製造方法。
  5. 【請求項5】建造物構築現場の敷地内又は周辺にて、側
    枠内に構造材の端部を固定してなる打込型枠内にコンク
    リートを充填して製造したPCa版を、躯体コンクリー
    ト打設前に、所定位置に配置すると共に主構造体に仮設
    し、その後に躯体コンクリートを打設して、前記PCa
    版あるいはPCa版に連結した連結手段を当該躯体コン
    クリート内に埋設して、前記PCa版を取り付けること
    を特徴とした建築用のPCa版の取付け方法。
  6. 【請求項6】躯体コンクリート打設前に、所定位置に配
    置したPCa版を主構造体に仮設し、その後に躯体コン
    クリートを打設して、前記PCa版あるいは前記PCa
    版に連結した連結手段を当該躯体コンクリート内に埋設
    して、前記PCa版を取り付けることを特徴とした建築
    用のPCa版の取付け方法。
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