JPH08278258A - 表面検査装置 - Google Patents

表面検査装置

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JPH08278258A
JPH08278258A JP7083592A JP8359295A JPH08278258A JP H08278258 A JPH08278258 A JP H08278258A JP 7083592 A JP7083592 A JP 7083592A JP 8359295 A JP8359295 A JP 8359295A JP H08278258 A JPH08278258 A JP H08278258A
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JP
Japan
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light
illumination
intensity distribution
light intensity
inspection
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Withdrawn
Application number
JP7083592A
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English (en)
Inventor
Noboru Hasegawa
谷 川 昇 長
Manabu Kuninaga
永 学 國
Shuji Naito
藤 修 治 内
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面異常の有無の識別精度を改善する。鋼板
表面が振動する場合にも確実な検査を可能にする。 【構成】 照明装置2から検査対象物1に入射する照明
光の、検査位置PLでの入射光分布を、2つのピ−ク点
を有するパタ−ン形状に定め、反射光強度分布パタ−ン
を平担化する。反射光強度分布パタ−ンが平担になる
と、検査面の振動に対して、受光器の検出光量の変化が
低減される。実質的な光源位置を互いに近接した2カ所
に設け、それらの間に光を出射しない領域を設ける。照
明装置に可変絞り機構を設けて、入射光強度分布パタ−
ンを可変にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面検査装置に関し、例
えば鋼板などの表面の状態を光学的に検査する場合に利
用しうる。
【0002】
【従来の技術】例えば鉄鋼業の分野においては、鋼板な
どの表面の状態を光学的に検査することにより、表面あ
るいは表層部の欠陥の有無を検査することが従来より実
施されている。
【0003】例えば特開昭58−204350号公報に
示されるように、この種の表面検査装置は、検査対象物
の表面に光を照射する照明装置と、前記検査対象物に照
射された光の正反射方向に設置された受光装置と、該受
光装置に入射した光に応じて前記検査対象物の表面の状
態を識別する識別装置を備えている。即ち、疵の有無に
応じて受光装置に入射する反射光の強度が変わるので、
受光量の違いにより疵の有無が識別できる。
【0004】また、特開平4−178541号公報の表
面検査装置では、受光装置は正反射方向でない位置に設
置し、照明装置は所定の曲率半径で湾曲した面が発光す
るように構成し、照明装置の焦点位置が検査位置と一致
するように配置してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この種の表面検査装置
においては、識別装置に入力される信号のS/N比が比
較的小さく、例えば、疵が存在する領域を検査する場合
に受光装置に入射する光の強度と、疵が存在しない領域
を検査する場合に受光装置に入射する光の強度との差が
小さく、それらの違いの識別が困難な場合がある。
【0006】ところで、検査対象物を搬送しながらその
表面を連続的に検査する場合には、検査対象物に振動が
生じるのは避けられない。検査対象物に厚み方向(表面
に垂直な方向)の振動が生じると、照明光の入射角が微
妙に変動するため、それに伴なって検査対象物からの反
射光の正反射方向も変動する。受光装置はある程度の広
さの視野を有しているので、反射光の正反射方向が変動
する場合であっても、連続的に正反射光を受光すること
ができる。しかしながら、反射光の正反射方向が変動す
ると、受光装置の視野内における検査対象物からの反射
光の強度分布が変動する。これによって、疵が存在する
領域を検査する場合に受光装置に入射する光の強度と、
疵が存在しない領域を検査する場合に受光装置に入射す
る光の強度との違いにも変動が生じ、疵の有無の判別に
誤りを生じ易くなる。
【0007】従って本発明は、表面検査装置において、
検査対象面に振動が生じる場合であっても、その表面状
態の正しい識別を容易にすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1では、検査対象物(1)の表面に光を照射
する照明装置と、前記検査対象物に照射された光の正反
射方向に設置された受光装置(3)と、該受光装置に入
射した光に応じて前記検査対象物の表面の状態を識別す
る識別装置(4)を備える表面検査装置において:前記
照明装置に、互いに間隔をおいて隣接する2つの位置か
ら、前記検査対象物の表面の実質的に同一の検査位置に
向けて照明光を照射する照明機構(2,2B,2C,2
D,2E)を設ける。
【0009】また請求項2では、前記照明機構(2,2
C)は、互いに隣接する位置に設置された2つのスリッ
ト状の開口(51,52,51C,52C)と、これら
の開口に向けて光を照射する少なくとも1つの光源(2
01,211,221)と、該光源と前記開口との間に
設置された拡散板(203,213,223)を備え
る。
【0010】また請求項3では、前記照明機構(2B)
は、スリット状の開口(51B,52B)と、該開口に
向けて光を照射する光源(211,221)と、該光源
と前記開口との間に配置された光学レンズ(23,2
4)とを有する照明ユニット(21B,22B)を互い
に隣接する位置に2つ設置して構成され、これら2つの
照明ユニットの照明光の光軸が、互いに傾斜する形で配
置される。
【0011】また請求項4では、前記照明機構(2D)
は、ビ−ム状の光を出射する1つの光源(25)と、該
光源から出射される単一の光ビ−ムを2つの光ビ−ムに
分離するビ−ム分離機構(26,27)と、該ビ−ム分
離機構から出る2つの光ビ−ムの通路に配置された光学
レンズ(28)を備える。
【0012】また請求項5では、前記照明機構は、前記
光源と光出射口との間に設置された可変絞り機構(20
4,214,224)を備える。
【0013】また請求項6では、前記照明装置の少なく
とも絞り機構の位置を照明光の光軸方向に対して移動自
在に支持する可動機構(40,41,42)を備える。
【0014】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0015】
【作用】例えば図1に示すように、光源からの光がある
入射角θ1で検査対象物の表面に入射する場合、θ1と
等しい反射角θ2(即ち正反射方向)を中心としてある
程度の広がりをもった範囲に反射光が向かう。つまり、
反射光強度分布は次式で表わされる。
【0016】
【数1】反射光強度分布=入射光強度分布*反射分布特
性 *:コンボリュ−ション 例えば検査対象物が鋼板である場合には、反射分布特性
は主として鋼板の表面粗度に応じて定まる。そして、鋼
板の表面性状が異常であると、反射分布特性も変わるの
で、検査対象物の正常部と異常部とでは図1に示すよう
に、反射光強度分布が変わる。
【0017】一方、反射光が入射する受光器の視野角θ
vは、ある程度の大きさを有しているので、図1のよう
に正反射方向に受光器を配置すると、反射光強度分布の
うち、視野角θvに含まれる範囲の反射光の全エネルギ
−に相当する光量が受光器によって検出される。
【0018】例えば図2に示すθv1が受光器の視野で
ある場合には、視野θv1に含まれるエネルギ−の総和
が異常部の反射光と正常部の反射光とで明らかに異なっ
ているので、受光器の検出レベルを判定することによっ
て、検査対象面が正常部か異常部かを識別することが可
能である。ところが、例えば図2に示すθv2が受光器
の視野である場合には、視野の中央付近では「異常部」
>「正常部」であり、逆に視野の周辺部では「異常部」
<「正常部」であるため、視野θv2に含まれるエネル
ギ−の総和は、異常部の反射光と正常部の反射光とで大
きな差がなく、視野の大きさの僅かな違いによって、両
者の大小関係が逆転する可能性がある。従って、視野が
θv2である場合には、受光器に得られる信号のS/N
比が非常に低く、信頼性の高い検査ができない。
【0019】また、図2に示すθv1が受光器の視野角
と一致する場合であっても、視野の中心が、反射光強度
のピ−クの方向と一致していなければ、視野がθv2で
ある場合と同様に、信頼性の高い検査ができない。実際
には、例えば鋼板を搬送しながらその表面を検査する場
合には、鋼板がその厚み方向に振動するため、照明光の
鋼板への入射角が微妙に変動し、鋼板からの反射光の向
かう方向も変動するため、受光器の視野内での反射光強
度分布に変動が現われる。従って、受光器に得られる信
号のS/N比が非常に低く、信頼性の高い検査ができな
い。特に、反射角の違いに対する反射光強度の変化が大
きく、例えば図2に示すように反射強度分布パタ−ンの
カ−ブが急俊であると、鋼板の振動に対する検査装置の
許容範囲が小さくなる。
【0020】一方、請求項1の装置においては、互いに
間隔をおいて隣接する2つの位置から、前記検査対象物
の表面の実質的に同一の検査位置に向けて照明光を照射
する照明機構(2,2B,2C,2D,2E)が備わっ
ている。即ち、検査対象物表面の検査位置から見ると互
いに近接する2カ所に光源が存在するため、検査位置に
おける入射光(照明光)の入射角度方向の強度分布は、
例えば図9に示す特性CBのようになる。また図9に示
すように、反射光強度分布は、入射光強度分布の違いに
応じて変化し、入射光強度分布が特性CAの場合(光源
位置が1カ所の場合)には反射光強度分布は特性CCの
ようになり、入射光強度分布が特性CBの場合には反射
光強度分布は特性CDのようになる。
【0021】例えば図9の反射光強度分布において、
「正常部<異常部」である範囲は、特性CCがθx1、
特性CDがθx2であり、明らかに「θx1<θx2」
である。前述のように、検査対象物の振動などによって
反射光の角度が変化すると、反射光強度のピ−クの方向
と、受光器の視野中心軸方向とがずれる。例えば、図9
の特性CCの例において、受光器の視野がθx1である
場合、反射光の方向が受光器の視野中心軸方向から少し
でもずれると、視野の範囲に「正常部>異常部」の領域
が含まれるので、正常/異常の識別が難しくなる。一
方、図9の特性CDの例において、受光器の視野がθx
1である場合、反射光の方向が受光器の視野中心軸方向
から(θx2−θx1)/2だけずれたとしても、視野
の全域に渡って「正常部<異常部」であるため、正常/
異常の識別が容易である。つまり本発明では、実質上の
光源位置を互いに近接した2カ所に配置することによっ
て、検査対象物の振動による検査への悪影響を緩和する
ことができる。
【0022】なお、光源位置を互いに近接した2箇所と
し、2つの光源位置の間に間隔を設けることによって、
図9の特性CDのような反射光強度分布を得ることがで
きるが、例えば特開平4−178541号公報に示され
るように、単に広い範囲から照明光を照射しても特性C
Dのような反射光強度分布は得られない。
【0023】請求項2においては、互いに隣接する位置
に設置された2つのスリット状の開口(51,52,5
1C,52C)と、これらの開口に向けて光を照射する
少なくとも1つの光源(201,211,221)と、
該光源と前記開口との間に設置された拡散板(203,
213,223)が前記照明機構(2,2C)に備わっ
ている。2つのスリット状の開口を設けることによっ
て、光源位置を互いに近接した2カ所に設けることがで
きる。また、光源と開口との間に拡散板を設置すること
によって、照明装置の各光軸の方向を精密に調整しなく
ても、検査面に入射する照明光の入射光強度分布を図1
0に示すように均一化することができ、これによって反
射光強度分布のパタ−ンを安定化するとともに、反射光
強度分布の正常/異常の識別が容易な範囲をより広くす
ることができる。
【0024】請求項3においては、スリット状の開口
(51B,52B)と、該開口に向けて光を照射する光
源(211,221)と、該光源と前記開口との間に配
置された光学レンズ(23,24)とを有する照明ユニ
ット(21B,22B)が互いに隣接する位置に2つ設
置され、2つの照明ユニットの照明光の光軸が、互いに
傾斜する形で配置される。各々の照明ユニットにおい
て、光源から出た光は光学レンズ(23,24)で集光
され、開口(51B,52B)を通って所定位置に焦点
を結ぶ。2つの照明ユニットの光軸の傾きを調整するこ
とによって、2カ所から出る照明光が検査対象物上の1
つの検査位置で焦点を結ぶように設定することができ
る。これにより、検査位置での入射光強度分布を、図1
0に示すように均一化することができる。
【0025】また請求項4では、1つの光源(25)か
ら出射される単一の光ビ−ムは、ビ−ム分離機構(2
6,27)を通って2つの光ビ−ムに分離され、各々の
光ビ−ムは光学レンズ(28)で集光されて検査対象物
上の1つの検査位置で焦点を結ぶように設定される。こ
れにより、検査位置での入射光強度分布を、図10に示
すように平担化することができる。
【0026】また請求項5では、前記光源と光出射口と
の間に可変絞り機構(204,214,224)が設置
されている。絞り量(例えば開口幅)を調整することに
より、入射光強度分布の広がり幅(図10のθw1,θ
w2,θw3)を変えることができる。入射光強度分布
の広がり幅を変えると、それに伴なって、反射光強度分
布のパタ−ンが変化する。従って、反射光強度分布のパ
タ−ンが最も好ましくなるように(反射光強度分布上の
異常有/無に応じた差が生じる範囲(θx1〜θx5)
が広く、しかも差が大きくなるように)調整することが
可能である。
【0027】また請求項6では、可動機構(40,4
1,42)の調整により、絞り機構の位置を照明光の光
軸方向に対して移動することができる。絞り機構の位置
を照明光の光軸方向に対して移動すると、絞り量(例え
ば開口幅)が一定であっても、入射光強度分布の広がり
幅(図10のθw1,θw2,θw3)を変えることが
できる。従って、反射光強度分布のパタ−ンが最も好ま
しくなるように(反射光強度分布上の異常有/無に応じ
た差が生じる範囲(θx1〜θx5)が広く、しかも差
が大きくなるように)調整することが可能である。
【0028】図3の例では、入射角の広がりθL(図1
0のθw1〜θw3に相当)が5度,10度,15度及
び30度の4種類のそれぞれの場合について、入射光強
度分布と反射光強度分布(正常部と異常部のそれぞれ)
を示している。図3を参照すると、入射角の広がりθL
に応じて、反射光強度分布のパタ−ンが変化するのが分
かる。また、受光器の視野角θvとして図3のように一
定の範囲を想定すると、視野角θv内のエネルギ−の総
和、即ち受光器が受光する光量は、入射角の広がりθL
に応じて変化することが分かる。
【0029】図3の例では、入射角の広がりθLが5度
又は10度の場合には、視野内に「異常部」>「正常
部」の領域と、「異常部」<「正常部」の領域が含まれ
ているため、両者の相殺によって、視野θvに含まれる
エネルギ−の総和には、異常部の反射光と正常部の反射
光とで大きな差が生じない。また、入射角の広がりθL
が30度の場合には、視野内の全域において、ほぼ「異
常部」=「正常部」であるため、視野θvに含まれるエ
ネルギ−の総和には、異常部の反射光と正常部の反射光
とで大きな差が生じない。一方、入射角の広がりθLが
15度の場合には、視野内の全域において、ほぼ「異常
部」>「正常部」であるため、視野θvに含まれるエネ
ルギ−の総和も「異常部」>「正常部」となり、受光器
が受光する光量に基づいて、異常の有無を容易に識別で
きる。
【0030】従って、検査対象物が振動しない場合であ
れば、照明装置の可変絞りを操作して照明光の入射角の
広がりθLを調整することによって、異常の識別が容易
な状態(例えば、図3のθL=15度の状態)に設定す
ることができる。このような照明の調整によって、検査
の信頼性が大幅に向上する。
【0031】
【実施例】一実施例の表面検査装置全体の構成を図4に
示す。この表面検査装置は、図4を参照すると、照明装
置2,ラインセンサカメラ3,6,信号処理回路7,
8,及び異常判別回路4を備えている。検査対象物であ
る鋼板1は、図中にYで示す長手方向に一定の速度で搬
送されながら検査される。
【0032】照明装置2は、図示しない支持機構によっ
て、上方から吊り下げられ固定されている。照明装置2
は、光出射口5から鋼板1の表面に向かって照明光を照
射するが、後述するように照明装置2の実質的な光出射
口は互いに近接した2カ所に設けられている。そして、
2カ所の光出射口から出る光は、いずれも鋼板1上の同
一の検査位置PLを同時に照明するように構成されてい
る。また、2カ所の光出射口から出る照明光の中心軸の
方向は、鋼板1の表面に対して、位置PLでそれぞれ角
度θ1aおよびθ1bだけ傾くように配置されている。
照明装置2から出る光は、鋼板1の幅方向(X方向)の
全体を同時に照明する。つまり、照明装置2から出る各
照明光の中心軸と鋼板1表面とが交叉する位置PLにお
いては、照明光の中心軸と鋼板1表面とのなす角度、即
ち光の入射角度が、それぞれθ1aおよびθ1bにな
る。
【0033】但し、後述するように、スリットを通して
照明しているため、位置PLでの照明光の入射角度は、
図3に示すように幅θLの広がりを有している。幅θL
の大きさは、スリット幅に応じて定まる。
【0034】一方、ラインセンサカメラ3は、その視野
の中心軸が、鋼板1上の前記位置PLに向かうように位
置決めされ固定されている。また、鋼板1上の位置PL
で鋼板1表面とラインセンサカメラ3の視野の中心軸と
のなす角度θ2が、照明装置2から鋼板1に入射する照
明光の入射角θ1(前記角度θ1aとθ1bの中間の角
度)と一致するように位置決めされている。即ち、ライ
ンセンサカメラ3は、照明装置2から出て鋼板1表面で
反射する照明光の正反射方向に向けて配置されている。
【0035】図1に示すように、光源からの光がある入
射角θ1で検査対象物の表面に入射する場合、θ1と等
しい反射角θ2(即ち正反射方向)を中心としてある程
度の広がりをもった範囲に反射光が向かう。つまり、反
射光強度分布は次式で表わされる。
【0036】
【数2】 反射光強度分布=入射光強度分布*表面の反射分布特性 *:コンボリュ−ション 検査対象物が鋼板である場合には、反射分布特性は主と
して鋼板の表面粗度に応じて定まる。そして、鋼板の表
面性状が異常であると、反射分布特性も変わるので、検
査対象物の正常部と異常部とでは図1に示すように、反
射光強度分布が変わる。この反射光強度分布の違いを、
ラインセンサカメラ3が検出した信号から識別すること
によって、鋼板の表面性状の異常の有無(疵の有無等)
が判別される。ラインセンサカメラ3は、X軸方向に1
列に並ぶ多数(例えば4096個)の受光素子を内蔵し
ており、鋼板1上の位置PLにおける全幅の各位置から
の反射光を同時にそれぞれの受光素子が受光する。従っ
て、機械的な走査を実施することなく、幅方向の全体の
検査を1回で実施することができる。また、検査対象物
の幅が広い場合には、光源および検出器の組を幅方向に
多数配列することにより、全幅の検査をすることができ
る。
【0037】一方、もう1つのラインセンサカメラ6
は、その視野の中心軸が、鋼板1上の前記位置PLに向
かうように位置決めされ固定されているが、視野の中心
軸が、鋼板1の表面に対して垂直になるように、位置P
Lの上方に設置されている。従って、ラインセンサカメ
ラ6は、鋼板1の表面で乱反射した光の成分を検出す
る。ラインセンサカメラ6も、X軸方向に1列に並ぶ多
数(例えば4096個)の受光素子を内蔵しており、鋼
板1上の位置PLにおける全幅の各位置からの反射光を
同時にそれぞれの受光素子が受光する。
【0038】なお、乱反射光を検出するラインセンサカ
メラ6を省略しても、鋼板表面性状の異常の有無を判別
することはできる。この実施例では、鋼板1の種類が変
化したり、照明装置2やラインセンサカメラ3の設置状
態が変化した場合であっても、無調整で鋼板表面性状の
異常を判別できるように、補助的にラインセンサカメラ
6を設置してある。
【0039】ラインセンサカメラ3が出力する信号は信
号処理回路7を通り、ラインセンサカメラ6が出力する
信号は信号処理回路8を通り、それぞれ異常判別回路4
に入力される。異常判別回路4は、信号処理回路7が出
力する信号のレベル(ラインセンサカメラ3が検出した
各位置からの正反射光の光量レベル)を信号処理回路8
が出力する信号のレベル(ラインセンサカメラ6が検出
した各位置からの乱反射光の光量レベル)で補正した
後、その信号レベルを予め記憶している基準レベルと比
較して、両者の違いが所定以上である場合に、鋼板1の
表面性状が異常であると判別し、それ以外の場合には正
常と判別する。基準レベルは、予め目視検査などのより
表面性状が正常であると確認された鋼板の表面をライン
センサカメラ3,6によって検査した時に得られた信号
レベルであり、この基準レベルは特別な更新指示がある
まで異常判別回路4に保持される。
【0040】図4に示した照明装置2の縦断面図を図5
に示す。図5を参照すると、この照明装置2は互いに同
一構成の2つの照明機構21および22を上下に重ね合
せて構成してある。照明機構21および22のそれぞれ
は、X軸方向に延びる直管状の蛍光灯ランプ211,2
21と、放物面鏡212,222と、透光性の拡散板2
13,223と、光出射口の近傍に配置された可変絞り
機構214,224を備えている。
【0041】蛍光灯ランプ211から出る光は、放物面
鏡212で反射して、矢印A方向に向かうほぼ平行な光
束になる。更に、この光束は拡散板213を透過して矢
印B方向に拡散し、その一部分が可変絞り機構214に
よって形成されるスリット状の開口51を通って矢印A
方向及びその軸に対して少し傾斜した方向に、つまり鋼
板1の表面に向かう方向に出射される。同様に、蛍光灯
ランプ221から出る光は、放物面鏡222で反射し
て、矢印A方向に向かうほぼ平行な光束になる。更に、
この光束は拡散板223を透過して矢印B方向に拡散
し、その一部分が可変絞り機構224によって形成され
るスリット状の開口52を通って矢印A方向及びその軸
に対して少し傾斜した方向に出射される。
【0042】可変絞り機構214は、可撓性の材料で構
成される長方形(薄板状)の遮光板215および217
を上下に備えている。遮光板215は、照明機構21の
ケ−シング内壁とロ−ラ216によって挟まれ、ケ−シ
ング内壁の形状に従って変形している。ロ−ラ216
は、回動自在に支持されており、また図示しない電気モ
−タの駆動軸に連結されている。この電気モ−タを駆動
すると、ロ−ラ216が回動し、それに伴なって遮光板
215が移動する。同様に、遮光板217は、照明機構
21のケ−シング内壁とロ−ラ218によって挟まれ、
ケ−シング内壁の形状に従って変形している。ロ−ラ2
18は、回動自在に支持されており、また前記電気モ−
タの駆動軸に連結されている。電気モ−タを駆動する
と、ロ−ラ218が回動し、それに伴なって遮光板21
7が移動する。
【0043】同様に、可変絞り機構224は、可撓性の
材料で構成される長方形(薄板状)の遮光板225およ
び227を上下に備えている。遮光板225は、照明機
構22のケ−シング内壁とロ−ラ226によって挟ま
れ、ケ−シング内壁の形状に従って変形している。ロ−
ラ226は、回動自在に支持されており、また前記電気
モ−タの駆動軸に連結されている。電気モ−タを駆動す
ると、ロ−ラ226が回動し、それに伴なって遮光板2
25が移動する。同様に、遮光板227は、照明機構2
2のケ−シング内壁とロ−ラ228によって挟まれ、ケ
−シング内壁の形状に従って変形している。ロ−ラ22
8は、回動自在に支持されており、また前記電気モ−タ
の駆動軸に連結されている。電気モ−タを駆動すると、
ロ−ラ228が回動し、それに伴なって遮光板227が
移動する。
【0044】この実施例では、前記電気モ−タを正転駆
動すると、遮光板215,225が上昇し、遮光板21
7,227が下降する。また、電気モ−タを逆転駆動す
ると、遮光板215,225が下降し、遮光板217,
227が上昇する。従って、前記電気モ−タを正転駆動
すれば、遮光板215,217の間の開口51のスリッ
ト幅Wsb、ならびに遮光板225,227の間の開口
52のスリット幅Wsaが大きくなり、逆転駆動すれ
ば、スリット幅Wsb,Wsaが小さくなる。この電気
モ−タの正転駆動,逆転駆動,及び停止の制御は、図示
しないスイッチの操作に応答して実行される。また、常
にスリット幅WsbとWsaがほぼ同一になるように制
御される。
【0045】なお、開口51および52は、X方向に細
長く(スリット状に)延びており、鋼板1の全幅と略等
しい長さを有している。従って、鋼板1の全幅に渡る範
囲を同時に照明することができる。
【0046】照明装置2の光出射口5から出る光は、図
5に示すように、可変絞り機構214,224の開口の
大きさ、即ちスリット幅Wsa,Wsbに応じて制限さ
れる。例えば図6に示すように、開口51を通って鋼板
1上の検査位置PLに入射する照明光の入射角の広がり
幅θw3は、スリット幅Wsbに応じて定まり、開口5
2を通って鋼板1上の検査位置PLに入射する照明光の
入射角の広がり幅θw3は、スリット幅Wsaに応じて
定まる。つまり、スリット幅Wsa,Wsbを変えるこ
とにより、照明光の広がり幅θw3を変えることができ
る。また、照明光は拡散板213,223で拡散してか
ら開口51,52を通るので、θw3の範囲内における
照明光の強度分布はほぼ均一になる。このため、鋼板1
上の位置PLにおける照明光の入射角に関する強度分布
は、図10に示す特性D3のようになる。
【0047】前記数2から分かるように、検査対象の鋼
板1の反射分布特性が一定であっても、入射光強度分布
が変化すれば、反射光強度分布も変化する。実際には図
3に示すようになる。図3は、入射光、即ち照明光の広
がり幅θL(図10のθw1,θw2,θw3に相当)
が5度,10度,15度および30度のそれぞれの場合
における、入射光強度分布と反射光強度分布を示してい
る。また、反射光強度分布については、鋼板1の表面性
状が正常な場合と異常な場合との両者を示している。ま
た、図3に示すθvは、受光器(ラインセンサカメラ3
の相当)の視野角である。
【0048】図3を参照すると、照明光の広がり幅θL
が5度,10度,15度および30度のいずれであって
も、鋼板1の表面性状が正常か異常かに応じて、反射光
強度分布のパタ−ンが違っていることが分かる。しかし
ながら、実際に受光器によって検出される反射光の光量
は、視野角θvの範囲内での平均的な光量レベルである
ため、パタ−ンに違いがあってもその違いの識別は困難
である場合がある。例えば、図3におけるθL=5度の
例では、視野の中央付近では「正常部の反射光強度」<
「異常部の反射光強度」であるが、視野の周辺部分では
「正常部の反射光強度」>「異常部の反射光強度」であ
るため、視野の中央付近での受光量と周辺部分での受光
量との相殺により、受光器で検出される光量レベルに
は、正常部と異常部とで差がほとんどなくなる。また、
図3におけるθL=30度の例では、視野の全域に渡っ
て、「正常部の反射光強度」と「異常部の反射光強度」
との差がほとんどないため、受光器で検出される光量レ
ベルにも、正常部と異常部とで差がほとんど生じない。
【0049】一方、図3におけるθL=15度の例で
は、視野の全域に渡って「正常部の反射光強度」<「異
常部の反射光強度」であるため、受光器で検出される光
量レベルには、正常部と異常部とで明らかに差が生じ
る。即ち、反射光強度分布パタ−ンと視野角θvとの関
係を、図3におけるθL=15度の場合のように定めれ
ば、表面検査の信頼性を高めることができる。視野角θ
vを固定する場合を想定すれば、照明光の入射光強度分
布を調整することによって、図3におけるθL=15度
の場合のように設定することができる。
【0050】この実施例においては、図5に示す照明装
置を用いるので、鋼板1上の検査位置PLにおける入射
光強度分布は、図10に示す特性D3のようになる。即
ち、入射角θ1aを中心としてθw3の広がり幅を有す
る範囲と、入射角θ1bを中心としてθw3の広がり幅
を有する範囲とが均一な入射光強度を有し、それ以外の
範囲(θ1aとθ1bの中間の入射角θ1を中心として
θw3の広がり幅を有する範囲も含む)では入射光強度
が零になる。
【0051】図10は、入射光強度分布とそれに対応す
る反射光強度分布を示している。また、入射光強度分布
についてはD1,D2,D3の3種類が示され、表面性
状が正常なものと異常なものの2種類の検査対象物につ
いてのそれぞれの反射光強度分布E1,E2及びE3が
示されている。特性D1の入射光強度分布においては、
入射角θ1を中心としてθw1の広がり幅を有する範囲
で均一な入射光強度を有し、それ以外の範囲では入射光
強度が零になる。また、特性D2の入射光強度分布にお
いては、入射角θ1を中心としてθw2の広がり幅を有
する範囲で均一な入射光強度を有し、それ以外の範囲で
は入射光強度が零になる。そして、「θw1=θw3=
θw2/2」の関係になっている。
【0052】図10の反射光強度分布E1,E2及びE
3を参照すると、反射光強度が「異常」>「正常」であ
る範囲の大きさθx3,θx4,θx5は、互いに異な
っている。即ち、「θx3<θx4<θx5」である。
ここで受光器の視野角θvがθx4と同一である場合を
想定すると、特性E1の反射光強度分布については、受
光器の視野内に、反射光強度が「異常」>「正常」であ
る範囲と「異常」<「正常」である範囲との両者が含ま
れるので、受光器が検出するレベルの違いによって正常
/異常を識別するのが難しい。また、特性E2の反射光
強度分布については、受光器の視野内の全域について、
反射光強度が「異常」>「正常」である。しかし、もし
も受光器の視野の中心が、反射光強度分布のピ−ク位置
からずれていると、特性E2についても特性E1の場合
と同様の結果になる。
【0053】一方、特性E3の反射光強度分布について
は、受光器の視野内の全域について、反射光強度が「異
常」>「正常」である。しかも「θx5>視野角」であ
るため、例えば鋼板1の振動によって受光器の視野の中
心が、反射光強度分布のピ−ク位置から多少ずれた場合
であっても、受光器の視野内の全域について、反射光強
度が「異常」>「正常」に維持される。従って、受光器
が検出するレベルの違いによって正常/異常を確実に識
別することができる。
【0054】ところで、例えば特性D2の入射光強度分
布における広がり幅θw2を更に大きくすれば、反射光
強度分布E2における、「異常」>「正常」である範囲
の大きさθx4を大きくし、θx4を視野の角度より大
きくすることができる。従って、鋼板の振動によって生
じる受光器の視野中心と反射光強度分布ピ−ク位置との
ずれに対しては、入射光強度分布における広がり幅θw
2を単に大きくするだけでも、多少の効果は得られる。
【0055】しかしながら、一般的に受光器ではその視
野の中心に近い方が受光感度が高い傾向にある。反射光
強度分布パタ−ンが比較的尖鋭な場合には、受光器の視
野内の受光強度分布が、反射光分布のピ−ク位置と視野
中心との位置ずれの程度に応じて大きく変化するため、
受光器が検出する受光レベルも、その位置ずれの影響を
受ける。そして、反射光強度分布のピ−ク位置と受光器
の視野中心との位置ずれが生じると、「異常」と「正
常」の間の受光レベルの差が小さくなり、正常/異常の
識別が困難になる。従って、鋼板の振動によって生じる
受光器の視野中心と反射光強度分布のピ−ク位置とのず
れに対しては、反射光強度分布パタ−ンを平担化し、特
にピ−ク位置の近傍で反射光強度の変化が緩やかになる
ようにするのが望ましい。
【0056】例えば特性D2の入射光強度分布における
広がり幅θw2を大きくするだけでは、反射光強度分布
のパタ−ン形状の変化はほとんどなく、受光器の視野内
における受光強度分布が平担にならない。しかし、入射
光強度分布を特性D3のように定め、照明の光軸位置
(入射角:θ1)近傍の入射光強度をその周辺に比べて
小さくすると、反射光強度分布が特性E3のようになる
ので、受光器の視野内における受光強度分布が平担にな
る。即ち、特性D3のような入射光強度分布にすると、
鋼板の振動などによって、受光器の視野中心と反射光強
度分布のピ−ク位置との間にずれが生じる場合であって
も、鋼板の表面性状の異常/正常の識別が容易になる。
【0057】この実施例では、図6に示すように、照明
装置の光出射口5から出る光のうち、開口51を通って
鋼板1上の検査位置PLに入射する光の入射方向の広が
り幅θw3はスリット幅Wsbに応じて定まり、開口5
2を通って鋼板1上の検査位置PLに入射する光の入射
方向の広がり幅θw3はスリット幅Wsaに応じて定ま
る。また、開口51,52以外の部分から鋼板1上の検
査位置PLに入射する照明光は存在しない。従って、鋼
板1上の検査位置PLにおける照明の入射光強度分布は
図10の特性D3のようになる。入射方向の広がり幅θ
w3は、スリット幅Wsa,Wsbの調整により、必要
に応じて変更しうる。
【0058】スリット幅Wsa,Wsbは、例えば次の
ような作業によって調整される。予め表面性状が正常で
あることが確認された第1の鋼板と、予め表面性状が異
常であることが確認された第2の鋼板(第1の鋼板と種
類が同じもの)とを用意し、第1の鋼板を検査した時に
信号処理回路7の出力に得られる信号のレベル(又はそ
れを信号処理回路8の出力によって補正したもの)と、
第2の鋼板を検査した時に信号処理回路7の出力に得ら
れる信号のレベル(又はそれを信号処理回路8の出力に
よって補正したもの)とを参照し、両者の違いができる
だけ大きくなるように、スリット幅Wsa,Wsbを調
整する。更に、第1の鋼板および第2の鋼板をそれぞれ
実際の検査環境で、即ち実際の設備を用いて鋼板を搬送
しながら表面検査を実施し、両者の信号レベルの違いが
できるだけ大きくなるように、スリット幅Wsa,Ws
bを再調整する。
【0059】照明装置の変形例を図7に示す。なお、図
7において前記実施例と同一の構成要素には、同一の符
号を付して示してある。図7を参照して説明する。この
実施例においては、図5の拡散板213及び223の代
わりにレンズ23及び24が備わっている。従って、蛍
光灯211から出る光は、放物面鏡212で反射して矢
印A方向に向かう光束になる。更にこの光束は、レンズ
23を通って鋼板1上の検査位置PLで焦点を結ぶよう
に集光され、可変絞り機構214の開口51Bを通過し
た一部分の光のみが照明光として鋼板1上の検査位置P
Lに入射する。同様に、蛍光灯221から出る光は、放
物面鏡222で反射して矢印A方向に向かう光束にな
り、レンズ24を通って鋼板1上の検査位置PLで焦点
を結ぶように集光され、可変絞り機構224の開口52
Bを通過した一部分の光のみが照明光として鋼板1上の
検査位置PLに入射する。
【0060】図7の実施例では、2つの照明機構21
B,22Bは前側が係合部61で係合しており、後側が
両者の間に挿入された移動可能なスペ−サ62によって
それらの間隔が保持されている。スペ−サ62の位置の
変更又はスペ−サ62の厚みの変更により、照明機構2
1Bのケ−シングと照明機構22Bのケ−シングとの相
対的な傾斜角度を調整することができる。照明機構21
B及び22Bの各々から出る照明光の光軸はそれぞれの
ケ−シングの向きによって定まるので、スペ−サ62の
調整により、2つの照明機構21B,22Bの各々の光
軸が、焦点である鋼板1上の検査位置PLに向かうよう
に光軸合せをすることができる。
【0061】照明装置のもう1つの変形例を図8に示
す。図8を参照して説明する。この実施例においては、
単一の光源から出る光が、2つの光出射口から出射され
るように構成してあり、単一の照明機構20が照明装置
2Cを構成している。蛍光灯201から出る光は、放物
面鏡202で反射して矢印A方向に向かう光束になり、
拡散板203を通って拡散され、可変絞り機構204の
開口51C及び52Cを通過した一部分の光のみが照明
光として鋼板1上の検査位置PLに入射する。可変絞り
機構204は、3枚の遮光板205,206及び207
を備えている。
【0062】遮光板205はその一端が回動自在な軸2
08によって支持され、遮光板206はその中央部が回
動自在な軸209によって支持され、遮光板207はそ
の一端が回動自在な軸210によって支持されている。
軸208,209及び210は、図示しない1つの電気
モ−タの駆動軸に連結されている。この電気モ−タを駆
動することによって、軸208,209及び210が時
計回り方向又は反時計回り方向に回転する。図8に示す
状態から軸208,209及び210が時計回り方向に
回転すると、開口51C及び52Cのスリット幅Wsが
増大し、反時計回り方向に回転すると、スリット幅は小
さくなる。
【0063】表面検査装置のもう1つの実施例を図11
に示す。なお図11において、照明装置2D及び検出器
以外は図4に示した実施例と同一である。図11を参照
して説明する。この実施例では、照明装置2Dは、レ−
ザ光源25,ハ−フミラ−26,反射鏡27,レンズ2
8および走査機構29を備えている。走査機構29は、
鋼板1の速度に同期して高速回転するポリゴンミラ−2
91と、ポリゴンミラ−291から出た光を反射して鋼
板1の表面に導く反射鏡292を備えている。この反射
鏡292は、鋼板1の幅より大きいサイズで曲面形状を
しており、ポリゴンミラ−291の反射光とY軸方向
(鋼板の長手方向)とを一定の角度に保ったまま鋼板を
レ−ザ−照射することができる。このときの反射光は光
導棒及び光電子増倍管から構成されるパイプレシ−バ3
B,6Bを用いて検出される。このパイプレシ−バ3B
を用いることによって、鋼板幅方向位置とは無関係に、
照明光の正反射光の角度が一定の成分のみを受光でき
る。
【0064】レ−ザ光源101から出射されるレ−ザ光
は、半分はハ−フミラ−26を透過し、第1の光路を通
ってレンズ28を通過し、ポリゴンミラ−291及び反
射鏡292で反射されて鋼板1の表面に入射する。また
レ−ザ光源101から出射されるレ−ザ光の残りの半分
は、ハ−フミラ−26で反射した後、反射鏡27で反射
して、第2の光路を通ってレンズ28を通過し、ポリゴ
ンミラ−291及び反射鏡292で反射されて鋼板1の
表面に入射する。前記第1の光路を通った照明光の鋼板
表面への入射角はθ1bであり、前記第2の光路を通っ
た照明光の鋼板表面への入射角はθ1aであり、θ1a
<θ1bである。従って、鋼板表面に入射する照明光の
入射光強度分布は、例えば図9の特性CBのようになる
ので、前記実施例の場合と同様に、反射光強度分布パタ
−ンが平担化される。
【0065】レンズ28は、レ−ザ光源101から出射
されたレ−ザ光が、鋼板1の検査位置の表面で焦点を結
ぶように予め調整される。
【0066】図11に示した実施例の構成では、照明光
の入射光強度分布パタ−ンが一定になるが、入射光強度
分布パタ−ンを調整できるように構成に変更してもよ
い。例えば、ビ−ムエクスパンダを使用してレ−ザビ−
ム径を拡大すれば、絞り調整機構によってビ−ム径を可
変にできるので、ハ−フミラ−26及び反射鏡27とレ
ンズ28との間にビ−ムエクスパンダを設置し、このビ
−ムエクスパンダとレンズ28との間にアイリス絞りの
ような可変絞り機構を設置すれば、入射光強度分布パタ
−ンが可変になる。また、ビ−ムエクスパンダの代わり
にシリンドリカルレンズを用いてもよい。
【0067】表面検査装置のもう1つの実施例を図12
に示す。なお図12において、照明装置2E以外は図4
に示した実施例と同一である。図12を参照して説明す
る。薄板状の金具で構成されるガイド部材40は、所定
の角度(θ1)で傾斜した状態で固定支持されている。
照明装置2Eは、幅方向の両端部で、それぞれガイド部
材40に形成された長穴40a及び40bと係合してお
り、長穴40a,40bに沿って矢印D方向(照明光の
光軸と平行)に移動自在になっている。また、固定具4
1,42を絞め付けることにより、照明装置2Eの位置
を固定することができる。照明装置2Eの構成は、図5
の照明装置2の可変絞り機構214,224を固定絞り
機構に変更した以外は照明装置2と同一である。
【0068】この実施例では、照明装置2Eのスリット
幅Wsが一定である代わりに、照明装置2Eの矢印D方
向の位置を調整することにより、スリットと鋼板上の照
明位置PLとの距離Lが変化する。スリット幅Wsが一
定であっても、距離Lが変化すれば、照明位置PLにお
ける照明光の分布範囲θLが変化するので、前記実施例
と同様に、入射角に関する照明光の分布範囲θLを調整
することができる。
【0069】なお、スポット状の領域を検査する場合に
は、光源として点光源を用いてもよいし、図11の実施
例における走査機構29を省略してもよい。ラインセン
サカメラ3,6の代わりに一般的な受光装置を利用して
もよい。更に、検査対象材は鋼板に限定されるものでは
なく、表面性状に応じて反射特性が変化するものであれ
ば本発明の装置で検査しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な表面検査装置の構成を示す模式図で
ある。
【図2】 表面性状が正常な鋼板と異常な鋼板から得ら
れる反射光強度分布を示すグラフである。
【図3】 4種類の入射光強度分布と各々の入射光に対
する反射光強度分布を示すグラフである。
【図4】 一実施例の表面検査装置全体の構成を示す斜
視図である。
【図5】 図4に示す照明装置2の縦断面図である。
【図6】 照明装置2から出る光の光路の主要部を示す
模式図である。
【図7】 照明装置の変形実施例を示す縦断面図であ
る。
【図8】 照明装置のもう1つの変形実施例を示す縦断
面図である。
【図9】 2種類の入射光強度分布と各々の入射光に対
する反射光強度分布を示すグラフである。
【図10】 3種類の入射光強度分布と各々の入射光に
対する反射光強度分布を示すグラフである。
【図11】 別の実施例の表面検査装置全体の構成を示
す斜視図である。
【図12】 もう1つの実施例の表面検査装置全体の構
成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:鋼板 2,2B,2C,2D,2E:照明装置 3,6:ラインセンサカメラ 3B,6B:パイプレシ−バ(光導棒+光電子増倍管) 4:異常判別回路 5:光出射口 7,8:信号処理回路 21,22:照明機構 23,24,28:レンズ 25:レ−ザ光源 26:ハ−フミラ− 27:反射鏡 29:走査機構 51,52:開口 61:係合部 62:スペ−サ 205,206,207:遮光板 208,209,210:軸 211,221:蛍光灯ランプ 212,222:放物面鏡 213,223:拡散
板 214,224:可変絞り機構 215,217,225,227:遮光板 291:ポリゴンミラ− 292:反射鏡 Wsa,Wsb:スリット幅

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象物の表面に光を照射する照明装
    置と、前記検査対象物に照射された光の正反射方向に設
    置された受光装置と、該受光装置に入射した光に応じて
    前記検査対象物の表面の状態を識別する識別装置を備え
    る表面検査装置において:前記照明装置に、互いに間隔
    をおいて隣接する2つの位置から、前記検査対象物の表
    面の実質的に同一の検査位置に向けて照明光を照射する
    照明機構を設けたことを特徴とする表面検査装置。
  2. 【請求項2】 前記照明機構は、互いに隣接する位置に
    設置された2つのスリット状の開口と、これらの開口に
    向けて光を照射する少なくとも1つの光源と、該光源と
    前記開口との間に設置された拡散板を備える、前記請求
    項1記載の表面検査装置。
  3. 【請求項3】 前記照明機構は、スリット状の開口と、
    該開口に向けて光を照射する光源と、該光源と前記開口
    との間に配置された光学レンズとを有する照明ユニット
    を互いに隣接する位置に2つ設置して構成され、これら
    2つの照明ユニットの照明光の光軸が、互いに傾斜する
    形で配置された、前記請求項1記載の表面検査装置。
  4. 【請求項4】 前記照明機構は、ビ−ム状の光を出射す
    る1つの光源と、該光源から出射される単一の光ビ−ム
    を2つの光ビ−ムに分離するビ−ム分離機構と、該ビ−
    ム分離機構から出る2つの光ビ−ムの通路に配置された
    光学レンズを備える、前記請求項1記載の表面検査装
    置。
  5. 【請求項5】 前記照明機構は、前記光源と光出射口と
    の間に設置された可変絞り機構を備える、前記請求項
    1,請求項2,請求項3,又は請求項4記載の表面検査
    装置。
  6. 【請求項6】 前記照明装置の少なくとも絞り機構の位
    置を照明光の光軸方向に対して移動自在に支持する可動
    機構を備える、前記請求項1,請求項2,請求項3,又
    は請求項4記載の表面検査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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