JPH08276086A - 刺繍データ処理装置 - Google Patents

刺繍データ処理装置

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Publication number
JPH08276086A
JPH08276086A JP7865395A JP7865395A JPH08276086A JP H08276086 A JPH08276086 A JP H08276086A JP 7865395 A JP7865395 A JP 7865395A JP 7865395 A JP7865395 A JP 7865395A JP H08276086 A JPH08276086 A JP H08276086A
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JP
Japan
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area
embroidery
sewing
inclusion
data processing
Prior art date
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JP7865395A
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Inventor
Masao Futamura
正生 二村
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異なる糸色の刺繍領域の隙間から加工布の地
色が露呈することを防止し、縫い上がり品質の優れた多
色の刺繍模様を容易に作成することができる刺繍データ
処理装置を提供することである。 【構成】 RAM4に格納された画像データに対して境
界線抽出処理を適用することにより、境界線で囲まれた
閉領域を設定し(ステップ2)、次に、設定された閉領
域の内部において、別の刺繍領域を表す内包図形を設定
する(ステップ3)。そして、別の刺繍領域として設定
された内包図形の領域を前記閉領域に関連する縫製領域
とするか否かを、前記内包図形の特性、即ち、円形度指
数を利用して判定する(ステップ5からステップ8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刺繍縫製可能なミシン
に用いる刺繍データを処理するための刺繍データ処理装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、工業用刺繍ミシンの分野
においては、マイクロコンピュータを利用して、精度の
高い刺繍データを短時間で作成することができる刺繍デ
ータ作成装置が提供されている。この刺繍データ作成装
置は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータシステム
本体に、イメージスキャナ、キーボード、ハードディス
クドライブ、CRTディスプレイ等を接続して構成され
ており、任意の刺繍図柄の原稿から、多色縫いの刺繍デ
ータを作成するようになっている。
【0003】処で、近年では、需要者の嗜好の多様化、
高級化、刺繍ミシンの性能の向上等の諸事情を背景にし
て、家庭用の刺繍ミシンであっても、予め記憶されてい
る刺繍データに基づく図柄の刺繍形成だけでなく、使用
者が意図する図柄の刺繍を形成することが可能な比較的
安価で、しかも、操作の容易な刺繍データ作成装置が要
望されている。特に、複数色の刺繍糸を用いる多色図柄
の刺繍データの作成を可能とすることが望まれるのであ
る。
【0004】このような要望に応えるため、本出願人
は、特願平5−284707号に示されるような刺繍デ
ータ作成装置を提案している。この刺繍データ作成装置
は、マイクロコンピュータを内蔵し、小型のディスプレ
イや数個の操作キーを有するコンパクトな本体に、白黒
二値のイメージスキャナを接続して構成されている。そ
して、複数色の刺繍糸を用いる多色図柄の刺繍データを
作成する場合には、次に示すような逐次印し付け方式に
従って図柄原画に印し付けしながら読み取ることで、刺
繍データの作成を行うようになっている。
【0005】即ち、本発明の実施例の図面中、図4乃至
図6を参照して以下に説明する。今、図4に示すような
「ワッペン」の刺繍図柄Aを例にとると、この図柄A
は、楕円形の「枠」の部分A1、同じく枠の内部A2、
アルファベット文字「O」のA3、ピリオド文字のA
4、アルファベット文字「K」のA5、アルファベット
文字「O」の内部の部分A6、の6つの刺繍領域からな
る。そして、同図にハッチングの形態を変えて示すよう
に、閉領域A1、A3、A4及びA5を同色とし、A2
をA1等とは異なる色の刺繍糸で刺繍を行い、また、A
6は刺繍を行わないものとする。
【0006】このような図柄を刺繍したい場合、操作者
は、先ず、図5(a)に示すような輪郭画を図柄元原画
として用意し、1色目の刺繍領域の作成に対応して、最
初にこれをイメージスキャナを用いて読み取らせる。次
に、異なった色の刺繍糸で刺繍縫いをしたい領域を図柄
原画上で印し付けをしてから、順次イメージスキャナを
用いて読み取らせる。この場合、A2の部分を異なる色
の刺繍糸で刺繍を行いたいのであるから、図5(b)に
示すように、A2の領域に印し付け(ここではその領域
を大まかに塗るものとする)をした上で、それをイメー
ジスキャナで読み取らせる。また、A6は刺繍を行わな
いのであるから、以上で刺繍データの作成のための操作
は完了する。
【0007】このようにした状態における刺繍データ作
成装置内部のデータ処理を簡単に説明すると、先ず、最
初に読み取られた輪郭画の画像データから境界線抽出処
理を適用することによって、図6に示すようなL1〜L
6の6本の境界線が抽出される。そして、それらの境界
線の内包関係を解析することによって、1色目の刺繍領
域としては、例えば、外側境界線がL1、内側境界線が
L2で囲まれた中抜け(ドーナッツ)図形が表す領域を
刺繍領域として刺繍データを生成する。また、2色目の
刺繍領域としては、外側境界線がL2、内側境界線がL
3、L4及びL5で囲まれた中抜け図形が表す領域を刺
繍領域として刺繍データを生成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】処で、前記したよう
に、従来の刺繍データ作成装置における多色糸を用いた
刺繍データ処理においては、互いに異なった糸色の刺繍
領域は相互に重なり合うようになることはない。処が、
この出来上がった刺繍データによって実際の刺繍ミシン
等で刺繍の縫製を行う際には、刺繍を施す加工布が縫製
されることによって縮みを起こすことや、縫製時に加工
布を保持、移動するための刺繍ミシンのメカ機構のガタ
や遊びが存在する等の要因によって、縫製される各刺繍
領域の大きさが変わったり、縫製位置が本来の所定位置
から微妙にずれる恐れがある。その結果、互いに異なっ
た糸色の領域が複数隣接して存在しているとき等、その
間にわずかな隙間が生じて、刺繍の出来上がりが見苦し
いものになりやすかった。
【0009】先の図柄Aにおける例で示すならば、例え
ば、楕円枠の内部にあたる刺繍領域A2とアルファベッ
ト文字「K」の刺繍領域A5の間に隙間が生じて、加工
布の地の色がそのわずかな隙間から見えてしまい、その
結果、刺繍の出来上がり品質を著しく低下せしめる可能
性があった。そして、この現象は、ここに示した例のよ
うに、ある刺繍領域の中に囲まれて別の刺繍領域が存在
する場合、特に、その内包される刺繍領域が細長い線状
のものであるような場合に顕著であり、問題になりやす
い。なぜならば、このような条件の元では、相互に重な
り合う互いに異なった糸色の領域の接する部分の長さ
が、その面積に比して大きいものとなるからである。
【0010】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、互いに異なった糸色の刺繍領域の間
に隙間が生じないような刺繍データを生成することによ
って、異なる糸色の刺繍領域の隙間から加工布の地色が
露呈することを防止し、縫い上がり品質の優れた多色の
刺繍模様を容易に作成することができる刺繍データ処理
装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の刺繍データ処理装置は、
刺繍縫製可能なミシンに用いる刺繍データを処理するも
のを対象として、特に、前記刺繍データの基になる文字
や絵等の図形に関する図形データに基づいて、輪郭線で
囲まれた閉領域を設定する閉領域設定手段と、その閉領
域設定手段によって設定された閉領域の内部において、
別の刺繍領域を表す内包図形を設定する内包図形設定手
段と、その内包図形設定手段によって刺繍領域と設定さ
れた内包図形の領域を前記閉領域に関連する縫製領域と
するか否かを、前記内包図形の特性に基づいて判定する
縫製領域判定手段とを備えている。
【0012】なお、前記縫製領域判定手段が判定に用い
る前記内包図形の特性として、その内包図形が中抜け領
域を有するか否かの判断を参照してもよい。
【0013】また、前記縫製領域判定手段が判定に用い
る前記内包図形の特性として、その内包図形の面積乃至
周囲長に由来する図形形状特徴量を参照してもよい。
【0014】また、前記縫製領域判定手段が判定に用い
る前記内包図形の特性として、その内包図形に対して逐
次型細線化処理を適用した時の逐次細線化処理反復回数
を参照してもよい。
【0015】また、前記縫製領域判定手段が判定に用い
る前記内包図形の特性として、その内包図形に距離変換
を適用した時の距離値を参照してもよい。
【0016】さらに、前記縫製領域判定手段が前記内包
図形の領域を縫製領域とすると判定した場合、前記閉領
域内部の刺繍領域の縫製順位を、前記内包図形の刺繍領
域の縫製順位よりも先となるように変更する縫製順位変
更手段を備えてもよい。
【0017】
【作用】前記の構成を有する本発明の請求項1の刺繍デ
ータ処理装置によれば、先ず、閉領域設定手段によっ
て、刺繍データの基になる文字や絵等の図形に関する図
形データに基づいて、輪郭線で囲まれた閉領域を設定す
る。そして、その閉領域設定手段によって設定された閉
領域の内部において、前記内包図形設定手段は、別の刺
繍領域を表す内包図形を設定する。その後、前記縫製領
域判定手段は、前記内包図形設定手段によって刺繍領域
と設定された内包図形の領域を前記閉領域に関連する縫
製領域とするか否かを、前記内包図形の特性に基づいて
判定する。
【0018】また、本発明の請求項2に記載の刺繍デー
タ処理装置によれば、前記縫製領域判定手段は、前記内
包図形が中抜け領域を有するか否かをその内包図形の特
性として参照し、それに基づいてその内包図形の表す図
形領域を前記閉領域に関する縫製領域とするか否かを判
定する。この場合、各図形について、その一番外側の輪
郭線から順次内側の輪郭線について、先の外側の輪郭線
との関係を調べることによって、前記中抜け領域が有る
か否かを容易に判断することができる。
【0019】また、本発明の請求項3に記載の刺繍デー
タ処理装置によれば、前記縫製領域判定手段は、前記内
包図形の面積乃至周囲長に由来する図形形状特徴量をそ
の内包図形の特性として参照し、それに基づいてその内
包図形の表す図形領域を前記閉領域に関する縫製領域と
するか否かを判定する。この場合、各図形がどのような
形状であるかを数理的な見地からより正確に把握するこ
とができ、これに基づいて、前記閉領域に関する縫製領
域が必要か否かをより正確、かつ容易に判断することが
できる。
【0020】また、本発明の請求項4に記載の刺繍デー
タ処理装置によれば、前記縫製領域判定手段は、前記内
包図形に対して逐次型細線化処理を適用した時の逐次細
線化処理反復回数をその内包図形の特性として参照し、
それに基づいて、その内包図形の表す図形領域を前記閉
領域に関する縫製領域とするか否かを判定する。この場
合、各図形の各部分の太さ乃至幅を正確に把握して、前
記閉領域に関する縫製領域が必要か否かをより正確、か
つ容易に判断することができる。
【0021】また、本発明の請求項5に記載の刺繍デー
タ処理装置によれば、前記縫製領域判定手段は、前記内
包図形に距離変換を適用した時の距離値をその内包図形
の特性として参照し、それに基づいてその内包図形の表
す図形領域を前記閉領域に関する縫製領域とするか否か
を判定する。この場合、輪郭線によって囲まれた図形の
形状を数理的な見地から正確に把握することができるの
で、前記閉領域に関する縫製領域が必要か否かをより正
確、かつ容易に判断することができる。
【0022】さらに、本発明の請求項6に記載の刺繍デ
ータ処理装置によれば、前記縫製領域判定手段が前記内
包図形の領域を前記閉領域に関連する縫製領域とすると
判定した場合、前記閉領域内部の刺繍領域の縫製順位
を、前記内包図形の刺繍領域の縫製順位よりも先となる
ように変更する。この場合、先に縫製した刺繍領域が後
から縫製した刺繍領域によって縫い潰されてしまう等の
弊害の発生を未然に防止することができる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の刺繍データ処理装置を家庭
用刺繍ミシンのための刺繍データ作成装置に適用した第
1の実施例について、図1乃至図9を参照して詳細に説
明する。なお、本実施例では、従来技術の説明で用いた
例と同じく、図4に示すような「ワッペン」の刺繍図柄
Aにおける刺繍データを作成する場合を具体例として挙
げながら、刺繍データ作成装置が行う刺繍データ処理の
説明をする。
【0024】先ず、図示はしないが、家庭用刺繍ミシン
について簡単に触れておく。刺繍ミシンは、ミシンベッ
ド上に配置され刺繍が施される加工布を保持する刺繍枠
を、水平移動機構により装置固有のX,Y座標系で示さ
れる所定位置に移動させつつ、縫い針及び釜機構による
縫製動作を行うことにより、その加工布に所定の図柄の
刺繍を施すようになっている。
【0025】この場合、前記水平移動機構や針棒等は、
マイクロコンピュータ等から構成される制御装置により
制御されるようになっており、従って、一針毎の加工布
のX,Y方向の移動量、即ち、針落ち位置を指示する刺
繍データ(ステッチデータ)が与えられることにより、
制御装置は、刺繍動作を自動的に実行することが可能と
なるのである。また、本実施例では、刺繍ミシンにはフ
ラッシュメモリ装置が設けられ、後述するフラッシュメ
モリ(カードメモリ)により、外部から刺繍データが与
えられるように構成されている。本実施例に係わる刺繍
データ作成装置は、このような刺繍データを自動的に作
成する機能を有するものである。
【0026】次に、本実施例に係わる刺繍データ作成装
置の全体構成について、図2及び図3を参照して述べ
る。図2は刺繍データ作成装置の外観を示し、また、図
3はその電気的構成を表している。ここで、作成装置本
体1はマイクロコンピュータを主体として成り、CPU
2、ROM3、RAM4、フラッシュメモリ装置(FM
D)5、入出力インターフェイス6(I/O)がバスを
介して相互に接続して構成されている。
【0027】作成装置本体1の上面部には、読み取った
図柄や刺繍領域等を画面7aに表示するための液晶ディ
スプレイ(LCD)7が設けられている。この液晶ディ
スプレイ7は、表示制御装置(LCDC)8により制御
されるようになっており、この表示制御装置8には表示
記憶装置(VRAM)9が接続され、モノクロのビット
マップグラフィックス表示が可能なように構成されてい
る。また、前記フラッシュメモリ装置5には、記憶媒体
としてのフラッシュメモリ10が着脱可能に装着される
ようになっている。そして、作成装置本体1には、操作
者が縫製様式など各種の選択や設定の指示を行うための
操作キー11、及び図柄原画を読み込むためのイメージ
スキャナ12が、前記入出力インターフェイス6を介し
てCPU2に接続されている。
【0028】このイメージスキャナ12は、モノクロの
図柄原画を二値のビットマップ画像データとして読み取
り可能な所謂ハンドスキャナから成り、操作者がその上
部を手で持って下面の読み取り部を原稿上に宛い、ボタ
ンを押しながら原稿に沿ってなぞるように一定方向に移
動させることにより、原稿画像の読み取りが行われるよ
うになっている。読み取られた図柄画像データはラスタ
ー形式のビットマップとして、画素毎に白であれば0、
黒であれば1の値を持つ1ビットデータで表現され、R
AM4の所定領域に記憶されるようになっている。
【0029】さて作成装置本体1は、そのソフトウェア
構成により、例えば、図4に示すような「ワッペン」の
刺繍図柄Aの原画に基づいて、刺繍データの作成処理を
自動的に行うように構成されている。このソフトウェア
は、ROM3にCPU2を制御するプログラムコードと
して格納されている。
【0030】以下に、その刺繍データ処理動作を、図1
のフローチャートを参照しながら詳述する。この刺繍デ
ータを作成するにあたって、先ず、操作者は、図柄Aに
対応した輪郭画である図5(a)に示すような図柄元原
画(以下、元原画Cと称する)を作成しておく。この元
原画Cは、例えば、白色の原紙に黒のペンで、図柄Aの
各刺繍領域A1〜A6に対応する輪郭画を描いたもので
ある。
【0031】さて、作成装置本体1のプログラムが起動
された後、先ず、ステップ1において操作者は、前記イ
メージスキャナ12により元原画Cを読み取らせる。こ
のイメージスキャナ12により読み取られた元原画Cの
二値のビットマップ画像データは、RAM4の所定領域
に格納される。
【0032】ステップ2では、ステップ1にて読み取ら
れてRAM4に格納された図形データとしての元原画C
の画像データに関して、画像中の、その周囲が有効な連
結図形(黒画素が相互に連接しているひとまとまりの図
形)で取り囲まれている閉領域を個別に取り出すため、
先ず、境界線抽出処理が実施される。この境界線抽出処
理は、例えば画像図形処理技法として周知の技法である
境界線追跡アルゴリズムを適用することで実現され、そ
の際の連結性判定は4連結あるいは8連結のいずれでも
可能であるが、そのアルゴリズムの詳細な説明について
は本発明の本質的部分でないため割愛する。
【0033】本実施例の元原画Cのビットマップ画像デ
ータについて、この境界線抽出処理を適用して抽出され
る境界線を図6に示す。この場合、抽出される境界線は
L1乃至L6の6本であり、図中では見やすさの都合
上、各境界線は連続した線で表してあるが、実際にはそ
れぞれ相互に隣接している画素の閉じた連鎖になってい
る。このうち、L1は楕円形の「枠」の外形形状を画定
する境界線、L2は同じく楕円形の「枠」の内形形状を
画定する境界線である。また、L3乃至L5は全てL2
に内包され、それぞれアルファベット文字図形の
「O」、「.」、「K」の外側形状を画定する境界線と
なっている。さらに、L6はアルファベット文字図形の
「O」の内側形状を画定する境界線である。ここで、L
2とL6は内側境界線であるので、逆に、それらを外側
境界線としてみなした時に形成される図形が、後に元原
画C上で逐次印し付けを行うことによって、それぞれ異
なった色の刺繍糸による刺繍領域として設定されうるも
のである。
【0034】また、L1及びL3乃至L5でその外形形
状が画定される図形領域、つまり、楕円形の「枠」とア
ルファベット文字の「O」、「.」、「K」は、無条件
に一色目の刺繍領域として設定される。このステップ2
の処理工程は、本発明の閉領域設定手段として機能す
る。
【0035】次に、ステップ3では、ステップ2にて抽
出された内側境界線の各々(L2およびL6)につい
て、その内部に包含される内包図形を同定する。これに
関するデータ処理の実際は、その一部はステップ2にお
ける境界線抽出処理時において既になされるのである
が、簡略して述べると次のようなものである。
【0036】つまり、境界線抽出に際しては、先ず、元
原画Cの二値のビットマップ画像データを適当な順序、
この場合は左上から右下方向に向けてラスター走査を行
って、その画素値が0から1、或いは1から0というよ
うに反転する境界画素を先ず探索する。そして、それを
起点として境界線追跡アルゴリズムに従って一つの閉じ
た境界線ループを抽出する。例えば、元原画Cの画像で
は、先ず、最初に境界線L1が抽出される。そして、次
に、境界線L1の内部に関してのみ前記ラスター走査に
よる境界画素探索を実施して、もし、先に述べたような
境界画素が発見されたならば、同様にして、それを起点
として一つの閉じた境界線ループを抽出する。そして、
この時に抽出される境界線は、境界線L1の内側境界線
となっている。これは元原画Cでいえば、境界線L2で
ある。
【0037】さらに、次は、境界線L2の内部に関して
のみ前記ラスター走査による境界画素探索を実施し、以
下同様な手続きをラスター走査により発見される境界画
素が存在しなくなるまで、順次再帰的に繰り返し実施す
る。このような手順を行うことによって、原画画像中の
全ての境界線が抽出され、さらに、それら各境界線の間
の内包関係が得られる。
【0038】元原画Cの画像データに関して、以上のよ
うな処理を適用して得られる境界線L1乃至L6の間の
相互包含関係を、模式的に木構造にして示したものが図
7である。これは、一番外側に位置する境界線を一番上
に置き、ある境界線が内包する境界線を持つ場合にはそ
の下に内包された境界線を配するようにして、境界線の
木構造図が描かれている。また、同図中にも示されるよ
うに、境界線の内包関係の深さを表す値として内包レベ
ルを定義し、一番外側の境界線の内包レベル値を0と
し、境界線の木構造の中を一段下がる毎に内包レベルの
値が1づつ増加するように定める。このように定義した
内包レベルによると、内包レベルの値が0及び偶数であ
る境界線は外側境界線であり、一方内包レベルの値が奇
数である境界線は内側境界線となる。
【0039】よって、内包レベルの値が奇数である境界
線を外側境界線とみなしたときに形成される図形領域
が、後に逐次印し付けを行うことによって、それぞれ異
なった色の刺繍糸による刺繍領域として設定されうるも
のであることがわかり、同時に、境界線木構造において
それらの境界線の一つ下に位置する境界線が、その内部
に包含される図形であることが同定される。本実施例の
元原画Cについていえば、内包レベル1のL2および内
包レベル3のL6が各々別色の刺繍領域として設定され
うる領域を画定する境界線であり、さらに、L2はその
内部にL3、L4、L5で表される図形領域を包含して
いることが認識されるのである。このステップ3の処理
工程は、本発明の内包図形設定手段として機能する。
【0040】このようにして別色刺繍領域として設定さ
れうる内側境界線とその内部に包含される内包図形が同
定されたならば、次のステップ4では、それらの領域に
ついて実際に刺繍領域にするか否か、あるいは刺繍領域
とするのならばどのような縫製属性(糸色、縫い目方
向、糸密度等)を付与するのかを設定する。これは、本
実施例に挙げた刺繍データ作成装置においては、操作者
が刺繍領域としたい図形領域(この場合、L2あるいは
L6で囲まれた領域)について対応する部分を図柄原画
上で印し付けをしてから、イメージスキャナ12を用い
て読み取らせることにより実現される。この時、その刺
繍領域に与えられる縫製属性は、作成装置本体1に備え
られている操作キー11を操作することによって行われ
るのであるが、操作の詳細な説明は省略する。
【0041】ここでは、図5(b)に示すように元原画
CにおいてL2が囲む領域に印し付け(その領域を大ま
かに塗り潰す)をした上で、それをイメージスキャナ1
2で読み取らせることによって、L2の内部領域が刺繍
領域として刺繍データに変換されるように設定される。
さらに、図柄Aにおけるアルファベット文字図形の
「O」の内側も別色の刺繍領域としたいのならば、再び
L6が囲む領域に印し付けをした上で、それをイメージ
スキャナ12で読み取らせる操作を行えばよいが、ここ
ではアルファベット文字図形の「O」の内側は刺繍領域
としないものとするので、これは行わない。
【0042】以上に述べたステップ4までのデータ処理
によって、一色目の刺繍領域としてL1及びL3乃至L
5でその外形形状が画定される図形領域、二色目の刺繍
領域としてL2でその外形形状が画定される図形領域が
設定されたのであるが、次に、ステップ5以降ステップ
8までの各ステップによる処理では、二色目以降の刺繍
領域(以下、印し付け刺繍領域と称する)に関して、そ
の内側形状を画定する境界線としてどれを採用するの
か、換言すれば、中抜けとなる部分領域としてその内部
に包含する図形領域の内、どれを採用するのかを判定し
て選択することを行う。なお、この部分の処理の性質か
ら自明なように、その内部に包含する図形領域を一つも
持たない印し付け刺繍領域については、ステップ5以下
ステップ8までの処理は無意味であるため、適用されな
い。つまり、ここでは境界線L2が表す刺繍領域につい
てのみ、以下の処理が適用されることになる。
【0043】このために、先ず、ステップ5では、印し
付け刺繍領域の各内部包含図形に中抜けがあるか、つま
り、各内部包含図形がドーナッツ形状であるか否かが検
査される。これは、ステップ3で作成された境界線木構
造において、その境界線、この場合L2の一つ下に位置
する各境界線について、それらがさらに一つ下に位置す
る境界線を一つでも有するか否かを調べることで実現さ
れる。この例では、L2の下に位置するL3について
は、さらにその下にL6という境界線を有するので、ス
テップ5での判定が有になり、その結果、ステップ8に
示されるように、L3が表す部分領域を縫製領域としな
い、つまり、L3のところを中抜けとするように設定さ
れる。また、同じくL2の下に位置するL4及びL5に
ついては、いずれもさらにその下に位置するような境界
線は存在しないので、ステップ5での判定は無となり、
さらに、ステップ6の検査が実施されることになる。
【0044】ステップ6では、先ず、印し付け刺繍領域
の面積と周囲長が演算される。この場合、領域の面積に
はその領域に対応する境界線に囲まれる図形の画素数A
を、また周囲長には同境界線を形成する画素連鎖ループ
のラン長R(連鎖数)をそれぞれ便宜的に採用する。そ
して、これらの図形形状特徴量A、Lを用いて以下の
式、 C=A/R2 に従って、円形度指数Cを演算する。そして、αを適当
な定数として、C<αであるならば、ステップ7に示さ
れるようにその部分領域を縫製領域とする、つまり、中
抜けとしないように設定され、逆に、C≧αであるなら
ば、ステップ8に示されるようにその部分領域を縫製領
域としない、つまり、中抜けとするように設定される。
これは、Cが小さな値を示すということは、その領域が
広がりを持つ形状ではなくて細長い、乃至は入り組んだ
形状であるわけで、その場合、刺繍領域の相互に接する
縁の部分の長さがその面積に比較して大きいものとなる
ために、両刺繍領域の間隙から加工布の地色が露呈しや
すくなるため、それを防止することを目的とするもので
ある。なお、円形度指数Cの算出式に用いるラン長Rの
基準とする連結性は、4連結、或は8連結のいずれによ
るものでもよいが、それに応じて定数αを適切に設定す
る必要がある。
【0045】本実施例の図柄では、L4とL5の各々に
ついてステップ6の検査が実施され、その結果は図8の
表に示すように、L4については対応する領域を縫製領
域としない、つまり中抜けとするように設定され、L5
については対応する領域を縫製領域とする、つまり中抜
けとしないように設定される。なお、ここでは定数αは
0.01に設定されている。以上のステップ5からステ
ップ8までの処理工程は、本発明の縫製領域判定手段と
して機能する。
【0046】このようにして、全ての印し付け刺繍領域
に関して、その内側形状を画定する境界線としてどれを
採用するのか、換言すれば中抜けとなる部分領域として
その内部に包含する図形領域の内どれを採用するのかが
判定、選択されると、その後、ステップ9では、各境界
線の画定する刺繍領域に関して、対応する刺繍データに
変換する処理が実施される。これは、一色目の刺繍領域
としてはL1及びL3乃至L5でその外形形状が、そし
て、L1及びL3についてはさらに各々L2及びL6で
その中抜け形状が画定される図9(a)に示すようなそ
れぞれの図形領域が、さらに、二色目の刺繍領域として
はL2でその外形形状、L3及びL4でその中抜け形状
が画定される図9(b)に示すような図形領域がそれぞ
れ処理対象となる。境界線で形状が画定される図形領域
の刺繍データへの変換処理は、簡略して述べると、それ
ぞれの境界線で囲まれた領域について、その内部を予め
設定されている縫い目形態、例えば、タタミ縫いの縫い
目により縫い潰す多数の針落ち点を順次生成することに
よってなされる。
【0047】このようにして作成された色毎の、この場
合、2色分の刺繍縫製データの縫製順位に関して、本実
施例の刺繍データ作成装置では、一番最後に設定された
糸色の刺繍領域から先に縫製するように、縫製順位を設
定する。つまり、二色目の刺繍領域(図9(b))が先
にその設定色の刺繍糸で縫製され、次に、一色目の刺繍
領域(図9(a))がその設定色の刺繍糸で縫製される
ように、刺繍データが構成される。しかし、縫製順位に
関して、最初に設定された糸色の刺繍領域から先に縫製
するような仕様の構成を採った場合には、意図した結果
の刺繍模様が得られない場合がある。例えば、図9
(a)の刺繍領域を先に縫製し、後から図9(b)の刺
繍領域を縫製すると、一色目の刺繍領域のアルファベッ
ト文字図形「K」が縫い潰されてしまう。この場合、図
示はしないが、前述のステップ7の後において、対象と
なっている印し付け刺繍領域の縫製順位を、縫製領域と
して設定した内部包含図形に対する刺繍領域の縫製順位
よりも先になるように、縫製順位を変更する処理ステッ
プを付加すればよい。この処理ステップが本発明の縫製
順位変更手段として機能する。
【0048】なお、図1のフローチャートには示されて
いないが、このようにして作成された刺繍データは、こ
の後、フラッシュメモリ装置5を介してフラッシュメモ
リ10に記憶され、このフラッシュメモリ10を刺繍ミ
シンに装着することにより、図柄Aに対応した刺繍模様
の形成が可能となる。
【0049】以上の第1の実施例によれば、本発明を構
成する縫製領域判定手段が判定に用いる領域図形の特性
として、その領域図形が中抜け領域を有するか否かと、
その領域図形の面積乃至周囲長に由来する円形度指数を
利用した例について説明したが、次に、その領域図形の
特性として、その領域図形に対して逐次型細線化処理を
適用した時の逐次細線化処理反復回数、及びその領域図
形に距離変換を適用した時の距離値を利用する場合の第
2の実施例を説明する。この場合、前記第1の実施例と
同様に家庭用刺繍ミシンのための刺繍データ作成装置が
適用される。この場合、作成装置本体1の全体構成及び
処理の動作説明として用いる図柄原画は先に示したもの
と同じであるので、それぞれ図2、図3及び図4を参照
されたい。
【0050】先ず、逐次型細線化処理を適用したものの
動作を図10のフローチャートに基づいて説明する。こ
こで、図1及び図10における各々の処理ステップの
内、同じ内容の処理に関しては同一の番号を付してあ
り、その内容は先に述べたものと同様であるため、それ
らの説明を省略する。
【0051】さて、図10のステップ1からステップ5
によって、前述の如く図形領域抽出、刺繍領域設定及び
印し付け刺繍領域に関する検査の一部が実施された後、
ステップ10では、印し付け刺繍領域の各内部包含図形
の内、中抜けを有しないものに対して、細線化処理が適
用される。この細線化処理は、図形の外側境界線と内側
境界線(複数個あり得る)の間に存在する画素の集まり
(境界線自体を構成する画素も含む)全体について、そ
の両境界側に位置する画素から順次、所定の規則に従っ
て画素を削除していく操作を、所定の規則に従って削除
されうる画素が一つもなくなるまで逐次繰り返すことに
より、実現される。画素を削除するか否かの判定を下す
ための規則についてここでは詳しくは触れないが、品質
の良い細線図形を得るために種々の手法が考案されてお
り、ここでは、基本的には図形の線幅が1になるような
細線化を行い得るものであれば、公知のどのような逐次
型細線化処理手法でも採用することが可能である。
【0052】また、ここでは同時に、前記逐次細線化処
理の実施の際に細線化完了までに要した画素削除処理ス
テップの繰り返し回数Sを計数する。なお、ここでの細
線化処理の実施に関し、付帯的な手続きとして、細線化
処理が適用される前の内部包含図形を表す境界線は、そ
の形状を保存しておくために一旦RAM4内の所定の記
憶領域に記憶される。そして、後のステップ9の刺繍デ
ータ変換処理時に必要に応じて利用される。
【0053】このように、各内部包含図形の内、中抜け
を有しないものに対して細線化処理が適用された後、次
に、ステップ11では、ステップ10において計数され
た繰り返し回数Sを参照し、βを適当な定数として、S
とβを比較する。そして、S<βであるならば、ステッ
プ7に示されるように、部分領域を縫製領域とする、つ
まり、中抜けとしないように設定され、逆に、S≧βで
あるならば、ステップ8に示されるように、部分領域を
縫製領域としない、つまり、中抜けとするように設定さ
れる。これは、Sが小さな値を示すということは、図形
領域が少ない細線化処理ステップ数で細線化が完了した
ことであり、それは、つまり、図形領域が細長い線状の
形状であることを示すものであるので、前記第1の実施
例と同様な理由から、内部包含図形の縫製領域化可否の
判定を行うものである。
【0054】本実施例の図柄では、L4とL5の各々に
ついてステップ11の検査が実施され、その結果は図1
1の表に示すように、L4については対応する領域を縫
製領域としない、つまり、中抜けとするように設定さ
れ、L5については対応する領域を縫製領域とする、つ
まり、中抜けとしないように設定される。なお、ここで
は定数βは5に設定されている。
【0055】その後、ステップ9では、第1の実施例に
おけるのと同様な処理で、図柄の刺繍データが作成され
る。また、作成される刺繍領域は、先に示した図9のも
のと同じとなる。なお、詳しくは述べないが、このステ
ップ9において、刺繍データ変換を行う際に、ステップ
10で実施した細線化処理の結果を利用して、例えば、
細線化ステップの繰り返し回数Sの小さい領域図形に対
しては、一色目の刺繍領域の縫い目として、細線化図形
をベクトル変換した線図形について千鳥縫いの刺繍縫い
目生成を行う処理を組み込むこと等も考えられる。
【0056】次に、領域図形の特性として、領域図形に
距離変換を適用した時の距離値を利用する場合の実施例
を説明する。この実施例も考え方としては前述の第2の
実施例におけるものと類似しているので、ここでは敢え
て図示することはせずに、簡略な概念的な説明にとどめ
る。つまり、この場合、前記第2の実施例中のステップ
10の細線化処理の代わりに、図形に対して距離変換を
適用する。距離変換とは、概念的に説明すると、図形を
構成する任意の画素について、その画素がその図形の境
界線を構成する画素の内の一番近いものからどれだけ離
れているかを示す値を求めるものである。よって、図形
の縁、つまり、境界に位置する画素ではその距離値は1
であり、図形の内部の方にある画素ほど大きな距離値を
持つことになる。
【0057】距離変換の結果、境界線によって囲まれる
画素の集まり(境界線自体を構成する画素も含む)、つ
まり、連結図成分図形全体を構成する全ての画素につい
て、それぞれ対応する距離値が算出される。なお、距離
変換の実現には画像図形処理技法として周知のアルゴリ
ズムが存在し、それを適用することで容易に実現され、
その際の基準とする画素連結性は、4連結あるいは8連
結のいずれも適用可能である。この距離変換アルゴリズ
ムの詳細な説明は、本発明の本質的部分ではないため割
愛する。参考として、4連結基準に基づく距離変換を、
境界線L4が表すピリオド文字図形に対して実施した結
果の各画素の距離値分布の様子を図12に示す。
【0058】このようにして距離変換を施すことによっ
て、各図形毎に、その図形を構成する画素と一対一に対
応して距離値が画素数分だけ得られるので、さらに、各
図形毎にこれらの距離値の集合に関して最も大きい距離
値を算出する。この図形毎の最大距離値が、第2の実施
例で示した細線化繰り返し回数Sと同様な役割を果たす
領域図形の特性値となり、以下先に示したのと同様な手
順にて刺繍データが作成される。
【0059】以上詳述したように、本実施例の刺繍デー
タ作成装置によれば、先に述べたステップ5乃至ステッ
プ8等の処理に示されるように、互いに異なった糸色の
刺繍領域が内包関係にあって接している場合に、それら
の領域間に隙間が生じやすい状況を自動的に判別して、
必要ならば内包される刺繍領域の部分を予め内包する刺
繍領域の糸色の糸で縫製するようにして刺繍領域の間の
隙間が生じないような刺繍データが作成されるため、異
なる糸色の刺繍領域の隙間から加工布の地色が露呈する
ことを防止し、縫い上がり品質が優れた多色の刺繍模様
を容易に作成することが可能になる等の効果を得ること
ができる。
【0060】なお、前述の実施例中のステップ2では、
画像中の有効な連結図形を個別に取り出すために境界線
抽出処理を用いているが、これは他に、画像図形処理技
法として公知の領域ラベリング処理を適用して行っても
よい。また、前述の実施例では、縫製領域判定手段が判
定に用いる領域図形の図形形状特徴量として円形度指数
を使用しているが、これは面積乃至周囲長より導出され
るものであればどのような手段でもよく、例えば、面積
のみを参照して小面積の図形を対象にする等としてもよ
い。また、円形度指数や細線化繰り返し回数、距離値の
評価についても、比較する定数α、βが例示した数値に
拘束されるものでないことはもちろん、図形の大きさや
種類によってα、β等を変化させたり、状況に応じて操
作者が値を設定できるような構成にすることも考えられ
る。さらに、刺繍データへの変換を行うステップ9につ
いても、本実施例の如く直接に縫い目データを生成する
のではなく、公知のブロック形式で表現された刺繍デー
タを生成するように構成することも可能である。
【0061】ここではハンドスキャナを備える刺繍デー
タ作成装置の簡単な一実施例を挙げて説明したが、本発
明はここに挙げた実施例に限定されるものではなく、例
えば、図柄画像データを読み取るために据え置き型のス
キャナを使用してもよい。その他、作成装置本体のハー
ドウェア構成についても汎用のパーソナルコンピュータ
を採用して構成する等、その要旨を逸脱しない範囲内で
適宜変更して実施しうるものである。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の刺繍データ処理装置によれば、異なる刺繍領域が相互
に接している模様においても、それらの刺繍領域間に隙
間が生じやすい状況を自動的に判別して、隙間が生じな
いように修正した刺繍データが作成されるため、異なる
刺繍領域の隙間から加工布の地色が露呈することを防止
し、縫い上がり品質が優れた多色の刺繍模様を熟練を要
することなく容易に作成することが可能になる等の優れ
た実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の実施例を示す刺繍デ
ータ作成装置による刺繍データ処理動作の一例を示すフ
ローチャートである。
【図2】刺繍データ作成装置の外観を示す斜視図であ
る。
【図3】刺繍データ作成装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】刺繍図柄の一例を示す図である。
【図5】図柄元原画と、印し付けされた図柄元原画との
一例を示す図である。
【図6】図柄元原画について抽出される境界線を示す図
である。
【図7】境界線の相互包含関係を、模式的に木構造にし
て示した図である。
【図8】円形度指数による縫製領域化判定の結果を表形
式で示す図である。
【図9】色別の刺繍領域を各々示す図である。
【図10】本発明を具体化した第2の実施例の刺繍デー
タ作成装置による刺繍データ処理動作を示すフローチャ
ートである。
【図11】細線化繰り返し数による縫製領域化判定の結
果を表形式で示す図である。
【図12】図形に距離変換を実施した結果の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1 作成装置本体 2 CPU 3 RAM 4 ROM

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺繍縫製可能なミシンに用いる刺繍デー
    タを処理するための刺繍データ処理装置において、 前記刺繍データの基になる文字や絵等の図形に関する図
    形データに基づいて、輪郭線で囲まれた閉領域を設定す
    る閉領域設定手段と、 その閉領域設定手段によって設定された閉領域の内部に
    おいて、別の刺繍領域を表す内包図形を設定する内包図
    形設定手段と、 その内包図形設定手段によって刺繍領域と設定された内
    包図形の領域を前記閉領域に関連する縫製領域とするか
    否かを、前記内包図形の特性に基づいて判定する縫製領
    域判定手段とを備えたことを特徴とする刺繍データ処理
    装置。
  2. 【請求項2】 前記縫製領域判定手段が判定に用いる前
    記内包図形の特性として、その内包図形が中抜け領域を
    有するか否かの判断を参照することを特徴とする請求項
    1に記載の刺繍データ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記縫製領域判定手段が判定に用いる前
    記内包図形の特性として、その内包図形の面積乃至周囲
    長に由来する図形形状特徴量を参照することを特徴とす
    る請求項1に記載の刺繍データ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記縫製領域判定手段が判定に用いる前
    記内包図形の特性として、その内包図形に対して逐次型
    細線化処理を適用した時の逐次細線化処理反復回数を参
    照することを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ処
    理装置。
  5. 【請求項5】 前記縫製領域判定手段が判定に用いる前
    記内包図形の特性として、その内包図形に距離変換を適
    用した時の距離値を参照することを特徴とする請求項1
    に記載の刺繍データ処理装置。
  6. 【請求項6】 前記縫製領域判定手段が前記内包図形の
    領域を縫製領域とすると判定した場合、前記閉領域内部
    の刺繍領域の縫製順位を、前記内包図形の刺繍領域の縫
    製順位よりも先となるように変更する縫製順位変更手段
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ
    処理装置。
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