JPH08271448A - 浸透探傷試験方法に用いる高感度浸透液 - Google Patents

浸透探傷試験方法に用いる高感度浸透液

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JPH08271448A
JPH08271448A JP7096097A JP9609795A JPH08271448A JP H08271448 A JPH08271448 A JP H08271448A JP 7096097 A JP7096097 A JP 7096097A JP 9609795 A JP9609795 A JP 9609795A JP H08271448 A JPH08271448 A JP H08271448A
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九十郎 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 浸透探傷試験方法に用いられる極微細な表面
開口欠陥部であっても確実に検出できる高感度浸透液を
提供する。 【構成】 可視染料又は蛍光染料5〜10重量%と該染
料を溶解する沸点190℃以上の高沸点有機溶剤からな
るベース溶剤10〜40重量%と該ベース溶剤と相溶す
る沸点110℃以下の揮発性有機溶剤からなる希釈溶剤
30〜85重量%が配合されており、浸透処理時に、配
合されている前記希釈溶剤の50〜80重量%が蒸発し
て自己濃縮する浸透探傷試験方法に用いる高感度浸透
液。 【効果】 蛍光染料を配合した場合にはきず深さ3μm
のきずが検出でき、可視染料を配合した場合でもきず深
さ20μm のきずが検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浸透探傷試験方法に用
いられる浸透液に関し、可視染料を配合した場合にはき
ず深さ20μm 、蛍光染料を配合した場合にはきず深さ
3μm という極微細な表面開口欠陥部であっても確実に
検出できる高感度浸透液を提供する。
【0002】
【従来の技術】浸透探傷試験方法は、各種部材(例えば
自動車部材)や各種機器(例えば原子炉機器)の表面に
存在する微細なクラック、ピンホールなどの表面開口欠
陥部(以下「きず」という)の検出に汎用されており、
「JIS Z 2343−1992」(以下「JIS規
格」という)に規格化されている。
【0003】JIS規格に見られる通り、浸透探傷試験
方法には、染色浸透液と蛍光浸透液が使用され、いずれ
も市販されている。
【0004】周知の通り、染色浸透液は可視染料(通
常、赤色染料、例えばオイルレッド5BN:シラド化学
株式会社やSudan Red 462:BASF社)を有機溶剤
に溶解させた浸透性の大きい液体であり、蛍光浸透液は
蛍光染料(通常、紫外線灯下で黄緑色蛍光を発する染
料、例えばフロレッセントブライトニスエージェント6
8:日本化薬株式会社やFluorol 7GA:GAF社)を有
機溶剤に溶解させた浸透性の大きい液体である。
【0005】そして、いずれの浸透液の場合にも、「社
団法人日本非破壊検査協会編・非破壊検査便覧〔新版〕
・720頁・日刊工業新聞社・昭和53年4月28日初
版発行」に「…浸透液の溶剤には,染料に対する溶解力
のほか,欠陥部に対する浸透性が要求される。そのため
多くの場合,数種類の溶剤を合わせて使用し,各成分の
特性のバランスの上に処方は組立てられている。さて,
溶剤は基本的なものと希釈的な働きをするものとに大別
される。基本溶剤(出願人注:当業者間では「ベース溶
剤」と呼ばれている)には、染料をよく溶解し,けい光
色や着色染料の色相を鮮明に発揮させることが必須の条
件で,このほかに高沸点にして揮発しにくく,金属に対
して腐食性がなく,においがないかまたは少ないことな
どが要求される。一般に高沸点エステル類,高沸点アル
コール類,多価アルコール誘導体などが以上の観点から
使用される。希釈溶剤は粘度や流動性を適度に調節する
目的のほか,材料費低減の役目もしている。これの要求
条件としては,基本溶剤とよく相溶し,金属に対して腐
食性がなく,不快臭がなく,毒性が少ないことなどであ
る。浸透液の使用状況として,開放形タンクで使用する
場合と使用のたびごとに密閉形容器から取出す場合とが
あり,これに応じて希釈溶剤の揮発度も換えられる。い
ずれにせよ,一般に鎖状または環状の炭化水素などが用
いられる。基本溶剤と希釈溶剤のバランスの良否は,浸
透液の性状(粘度・表面張力・ぬれ性・その他)を左右
し,性能の良否を決定する大切な因子である。…」と記
載されている通り、ベース溶剤と希釈溶剤の二種の有機
溶剤が組み合せて配合されている。
【0006】また、「特開平3−175345号公報」
には、ベース溶剤と希釈溶剤とを組み合わせた配合例
が、「…溶剤除去性染色浸透液は、染料として赤色油溶
性染料(例えば、オイルレッド5BN:シラド化学
(株)製)を使用し、当該染料1〜5重量部を可塑剤
(例えば、DOP:フタル酸ジオクチル)や植物油(例
えば、大豆油)からなるベース溶剤20〜50重量部と
キシレン、アルキルベンゼン、トリクロロエタン、トリ
フルオルトリクロロエタン、カルビトール、ブチルカル
ビトール等から選ばれる揮発性低・中沸点有機溶剤から
なる希釈溶剤50〜80重量部とに溶解させた浸透性の
大きい液体であり、代表的な市販品には、スーパーチェ
ックUP−NU(商品名:マークテック(株)製)があ
る。また、溶剤除去性蛍光浸透液は、染料として紫外線
灯下で黄緑色に発色する蛍光染料(例えば、C.I.ソ
ルベントイエロー43:米国モートン社製)、C.I.
フロレッセントブライトニスエージェント68:日本化
薬(株)製)を使用し、これを、溶剤除去性染色浸透液
の場合と同様に、ベース溶剤と希釈溶剤とに溶解させた
浸透性の大きい液体であり、代表的な市販品には、スー
パーグローOD−6000(商品名:マークテック
(株)製)がある。…」と具体的に示されている。
【0007】なお、「特公昭34−3948号公報」に
は「…ヂナフチレンオキシド、テトラセン、ヂヒドロテ
トラセン、ピレンの一、或はそれらの混合物を主成物と
する固体有機蛍光材料を低沸点溶媒…例えばベンゼン、
トルエン等に約0.1%以上の濃度に溶解…」してなる
蛍光浸透液が開示されているが、本発明者の知る限り、
この蛍光浸透液は実用されておらず、現在実用されてい
る染色浸透液及び蛍光浸透液は、いずれも、前記したベ
ース溶剤と希釈溶剤の二種の有機溶剤が組み合わせて配
合されたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】現在、実用(市販)さ
れている染色浸透液及び蛍光浸透液を用いて浸透探傷試
験方法を実施した場合のきず検出限界については、「雑
誌・非破壊検査 第44巻 第2号・71〜73頁・社
団法人日本非破壊検査協会・平成7年2月1日」の「磁
粉探傷試験及び浸透探傷試験における表面きず検出限界
・宮川一男(元日本大学教授)」の項に「…(1)まえ
がき 浸透探傷試験(以下PTと称す)においては…最
も定量的に体積が変化するニッケル・クロムメッキ割れ
試験片(以下Ni−CrT.P.と称す)について,今
まで行ってきた試験結果から解っていることを述べる。
なお、TPには検出性能に影響を及ぼす操作上の問題点
がいくつかあるが,これらはすべて完全な操作が実施さ
れ最良の試験が行われたと仮定する。…(2)染色浸透
液の場合 a.溶剤除去の場合,検出限界はきず深さ3
0μm である。20μm のNi−CrT.P.で極めて
薄い線状指示模様が出る場合もあるが,実際の探傷試験
においてきずと認識できるような指示模様ではない。
b.探傷剤の銘柄によって検出限界は変らない。使用す
る染料の種類・濃度・溶剤の揮発性の違い等により,指
示模様に若干の濃淡は出るが,検出限界そのものは,い
ずれも30μm までである。…d.水洗除去の場合,検
出限界はきず深さ50μm である。(3)蛍光浸透液の
場合 a.最も良い条件の場合で、検出限界はきず深さ
10μm である。…b.無現像法では,10μm を検出
できない。…」と報告されている。
【0009】なお、前出特公昭34−9748号公報に
は、該公報に開示されている蛍光浸透液を使用すれば
「…5μ以下の傷を更に感度よく発見出来、従来のもの
と異なり微少なるクラックの形状をそのまま拡大せず明
瞭に知ることが出来る。…現像操作を併用することは何
等差支えない。この場合には…例えば1〜2μに近い非
常に浅いクラック迄も明瞭に知ることができる。…」と
記載されているが、ここに記載されている「5μ」、
「1〜2μ」なる数値は、きず深さではなく、きず巾を
示しているものと推定できる。何故なら、当該蛍光浸透
液は、ベース溶剤が配合されていないから、きず深さ5
μm やきず深さ1〜2μm が検出されているとは到底考
えられないからである。
【0010】さて、上掲報告に見られる通り、染色浸透
液の検出限界がきず深さ30μm 、蛍光浸透液の検出限
界がきず深さ10μm となっている要因の一つは、きず
の内部に浸透する浸透液の量が小量であるためと言え
る。
【0011】即ち、浸透探傷試験方法が適用されている
検査物表面に存在するきずには貫通しているものと貫通
していないものがあり、通常の検査物にあっては後者が
多い。検査物に存在しているきずが、開口部の小さい貫
通していないものである場合には、該検査物表面に染色
浸透液又は蛍光浸透液を充分に付着させても、該きずの
内部に浸透する該浸透液の量は小量となってしまうので
あり、これは、きず内部の空気と置換される浸透液の量
が少ないからである。
【0012】詳言すれば、一定量の気体の体積は、圧力
に反比例し、絶対温度に正比例する(ボイルシャルルの
法則)から、開口部の小さい貫通していないきずの場合
には、湯舟で風呂桶を逆さにしたときに風呂桶内部の空
気が温水と完全に置換しないという現象と同様の現象が
生じ、きず内部の空気が浸透液と完全に置換しないの
で、きず内部に浸透する浸透液の量は小量となってしま
うのである。
【0013】勿論、当業界においては、きず内部に浸透
している小量の浸透液によって明瞭な欠陥指示膜が形成
でき、より微細なきずが確実に検出できる浸透液を提供
することを技術的課題として研究開発が進められてい
る。
【0014】上記技術的課題を達成するために採られて
いる技術的手段の代表的なものは、浸透液組成中の染料
配合量を増すことによって明瞭な欠陥指示模様を形成さ
せようとするものである。
【0015】ところが、浸透液組成中の染料配合量を増
す場合には染料の折出という問題が生じ、保管中に染料
が折出してしまう浸透液を実用に供することは不可能で
ある。
【0016】従って、当業界においては、染料の種類や
ベース溶剤並びに希釈溶剤の種類とその配合割合などを
種々選定することによって、染料を折出させずにその配
合量を増加させた浸透液が製品化されているが、浸透探
傷試験方法に使用できる可視染料及び蛍光染料の種類は
限られているため、限定された染料を用いて、該染料を
折出させずにその配合量を増加させることには限界があ
り、現在市販されている浸透液を用いる場合には、上掲
報告の通りの結果となっているのである。
【0017】本発明は、以上の通りの現状に鑑み、浸透
液組成中の染料配合量が折出の危険が全くない量である
にもかかわらず、きず内部に浸透している小量の浸透液
によって明瞭な欠陥指示模様が形成でき、より微細なき
ず(具体的には、染色浸透液の場合にはきず深さ約20
μm まで、蛍光浸透液の場合にはきず深さ約3μm ま
で)が確実に検出できる浸透液を提供することを技術的
課題とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成できる。即ち、本発明は、可
視染料又は蛍光染料5〜10重量%と該染料を溶解する
沸点190℃以上の高沸点有機溶剤からなるベース溶剤
10〜40重量%と該ベー溶剤と相溶する沸点110℃
以下の揮発性有機溶剤からなる希釈溶剤30〜85重量
%が配合されており、浸透処理時に、配合されている前
記希釈溶剤の50〜80重量%が蒸発して自己濃縮する
ことを特徴とする浸透探傷試験方法に用いる高感度浸透
液である。
【0019】本発明の構成をより詳しく説明する。先
ず、本発明における可視染料及び蛍光染料としては、浸
透探傷試験方法に用いる浸透液に使用されているものを
用いればよいが、前者はSudan Red 462(BASF
社)及びローダミンB(住友化学株式会社)が好適であ
り、後者は、Fluorol 7GA(GAF社)及び Blancopho
r AW(GAF社)が好適である。
【0020】上記各染料の配合割合はいずれの染料の場
合にも5〜10重量%、より好ましくは、6〜8重量%
の範囲である。5重量%未満では所要の高検出感度が得
られ難く、10重量%を越えても顕著な検出感度の向上
が認められないから、実用上、10重量%迄の配合で充
分である。
【0021】上記各可視染料を配合した場合には染色浸
透液となり、上記各蛍光染料を配合した場合には蛍光浸
透液となる。
【0022】次に、上記各染料を溶解する沸点190℃
以上の高沸点有機溶剤からなるベース溶剤としては、可
塑剤として市販されているリン酸トリクレジル(TC
P:沸点420℃)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル
(DOP:沸点370℃)及びフタル酸ジブチル(DB
P:沸点335℃)や界面活性剤として市販されている
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(沸点約300℃
以上)及びポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル
(沸点約300℃以上)が好適であり、さらに、塗料用
安定剤等に用いられている市販のジエチレングリコール
モノブチルエーテル(沸点230℃)及びエチレングリ
コールモノブチルエーテルアセテート(沸点191.5
℃)も好適に使用できる。なお、これ等は一又は二以上
が配合できる。
【0023】上記各ベース溶剤の配合割合は10〜40
重量%の範囲である。10重量%未満では上記各染料を
完全に溶解させることが困難であり、また、使用時(浸
透処理時)に染料が折出する恐れがあるが、10重量%
以上配合すれば上記各染料は完全に溶解し、また、使用
時(浸透処理時)に折出することもない。なお、上限の
40重量%は希釈溶剤の配合割合との関係から定めたも
のである。
【0024】次に、上記各ベース溶剤と相溶する沸点1
10℃以下の揮発性有機溶剤からなる希釈溶剤として
は、トルエン(沸点110℃)、エタノール(沸点7
8.3℃)、メタノール(沸点65℃)及びアセトン
(沸点56.3℃)が好適であるが、イソプロピルアル
コールや塩化メチレンなどを用いることもできる。
【0025】上記各希釈溶剤の配合割合は30〜85重
量%、より好ましくは、50〜70重量%の範囲であ
る。30重量%未満では、使用時(浸透処理時)に配合
されている量の50重量%以上が蒸発し難くなる。な
お、上限の85重量%はベース溶剤の配合割合との関係
から定めたものである。
【0026】本発明に係る浸透探傷試験方法に用いる高
感度浸透液(以下「本発明品」ともいう)は、上述の通
りの処方からなるが、その調製は容易であり、所要の各
材料のそれぞれを上記配合割合となるように混合して撹
拌すればよい。
【0027】調製した本発明品の使用法は、従来の浸透
探傷試験方法に用いられている市販の各種浸透液と何等
変るところはなく、検査物の表面に本発明品を刷毛塗り
などの適宜手段によって付着させ、一定時間(通常、5
〜15分間)放置して本発明品をキズ内部に浸透させる
「浸透処理」を行ない、次いで、キズ内部に浸透せずに
検査物表面に残留している余剰の本発明品を除去する
「洗浄処理」を行った後、当該検査物表面に浸透探傷試
験方法に用いられている市販現像剤(炭酸マグネシウム
や炭酸カルシウムなどの白色無機微粉末)を施用して白
色無機微粉末からなる薄層を形成し該薄層によってキズ
内部に浸透している本発明品を薄層表面に吸い出させる
ことにより欠陥指示模様を現出させる「現像処理」を行
った後、当該検査物表面を観察すれば、上記欠陥指示模
様によってキズの存在・位置を検出することができる。
【0028】なお、上記「洗浄処理」は、浸透探傷試験
方法に用いられている市販水系洗浄剤又は市販溶剤系洗
浄剤を用い、後出実施例に示す通り、常法に従って行え
ばよい。
【0029】また、上記欠陥指示模様の観察に当って
は、可視染料を配合した本発明品(染色浸透液)の場合
には白色光下において、蛍光染料を配合した本発明品
(蛍光浸透液)の場合には紫外線灯下において目視にて
行えばよい。
【0030】
【作用】本発明品は、その使用時(前記「浸透処理」
時)において、配合されている前記希釈溶剤の50〜8
0重量%が蒸発して自己濃縮することによって染料濃度
が上がるので、きず内部に浸透している浸透液(本発明
品)の量が小量であっても、明瞭な欠陥指示模様が得ら
れる。なお、使用時(「浸透処理」時)においても、き
ず内部に浸透している浸透液(本発明品)に配合されて
いる前記ベース溶剤は蒸発することなく、しかも、前記
希釈溶剤の20〜50重量%が残留しているから、染料
は折出しない。
【0031】本発明における各材料の配合割合は重要で
あり、前記特定配合割合が厳守される限り、本発明品を
使用して、常法(前記した使用法)に従って浸透探傷試
験方法を実施すれば、配合されている前記希釈溶剤の5
0〜80重量%が蒸発して自己濃縮し染料濃度が上が
り、且つ染料が折出しないことが保証できる。
【0032】なお、本発明者は、作業環境温度を約15
℃〜約40℃の範囲で変更し、本発明品を用いて前記し
た使用法により浸透探傷試験方法を実施した結果、いず
れの温度環境下においても、配合されている前記希釈溶
剤の50〜80重量%が蒸発して自己濃縮し染料濃度が
上がり、且つ染料が折出しないことを確認しているが、
作業環境温度変化の影響を殆ど受けることなく、常にほ
ぼ一定量の前記希釈溶剤が蒸発する理由については、い
まだ解明できていない。
【0033】
【実施例】実施例及び比較例によって本発明を説明すれ
ば、次の通りである。
【0034】実施例1 (1)染色浸透液の調製;Sudan Red 462(BASF
社):赤色染料:…6重量%,DBP(三菱瓦斯化学株
式会社):沸点335℃:…3重量%,ポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル(日華化学株式会社):沸
点300℃以上…7重量%,エチレングリコールモノブ
チルエーテルアセテート(大阪有機化学株式会社):沸
点191.5℃…3重量%及びアセトン:沸点56.3
℃…81重量%。
【0035】上記各材料を上記配合割合にて混合・撹拌
し、本発明に係る染色浸透液を調製した。
【0036】(2)浸透探傷試験;JIS Z 234
3のB形対比試験片(きず深さ20μm )の試験面に、
刷毛塗りにて上記染色浸透液2.00gを塗布し、室温
(約20℃)下に10分間放置した後、試験面に残留し
ている余剰浸透液を、紙ウエスで乾拭きして除去し、さ
らに、該試験面を浸透探傷試験方法用水系洗浄剤(スー
パーチェックUR−ST・エアゾールタイプ:商品名:
マークテック株式会社)を染みこませた紙ウエスで拭い
て完全に除去して乾燥させた後、当該試験面に浸透探傷
試験方法用現像剤(スーパーチェックUD−ST・エア
ゾールタイプ:商品名:マークテック株式会社)を吹き
付けて白色無機微粉からなる薄層を形成した。この薄層
表面を、白色光下で目視にて観察すると、きず(深さ2
0μm )を示す鮮明な赤色欠陥指示模様が明確に認めら
れた。なお、上記対比試験片に設けられているきず深さ
20μm のきずの巾は約1〜2μm である。
【0037】(3)蒸発量の測定;室温(約20℃)下
に、ステンレス試験片(100×100mm角)を市販の
電子天秤(1目盛り0.01g)に乗せ、該天秤の目盛
を0.00gに補整し、この状態で該ステンレス試験片
の表面に、刷毛塗りにて上記染色浸透液2.00gを塗
布すると同時にストップウォッチをスタートさせ、当該
天秤の目盛の変化と経過時間とを観測した。
【0038】ステンレス試験片に塗布されている浸透液
の重量が1.19gになった時点の時間(塗布時点から
の経過時間)は1分10秒であり、塗布時点から10分
間経過した時点でのステンレス試験片に塗布されている
浸透液の重量は0.40gであって染料の折出は認めら
れなかった。
【0039】ステンレス試験片に塗布されている染色浸
透液2.00g中のアセトン量は1.62gであり、そ
の50重量%が蒸発すれば蒸発量は0.81gであるか
ら、2.00gから0.81gを引いた1.19gが配
合されているアセトンの50重量%が蒸発した時点にお
いてステンレス試験片に塗布されている染色浸透液の量
となる。
【0040】従って、上記観測結果から、本実施例の染
色浸透液は、配合されているアセトンの50重量%が蒸
発する時間(塗布時点からの経過時間)が1分10秒で
あって、塗布時点から10分間経過した時点では、調製
時に配合したアセトンの80重量%が蒸発していること
が判る。
【0041】(2)の浸透探傷試験におけるアセトンの
蒸発量も上記とほぼ同量と推定できるから、本実施例の
染色浸透液は、浸透探傷試験方法における浸透処理時
に、調製時に配合したアセトン量の約80重量%が蒸発
して自己濃縮していると言える。なお、(2)の浸透探
傷試験において、刷毛塗り後10分を経過した時点での
塗布面の色が刷毛塗り直後の塗布面の色よりも、明らか
に濃くなっていることを目視にて確認している。
【0042】比較例1 (1)染色浸透液の調製;Solvent Red 27(オリエン
トオイルレッド5B:商品名:オリエント株式会社):
赤色染料:…2重量%,DOP(三菱瓦斯化成株式会
社):沸点370℃…28重量%,芳香族炭化水素(ソ
ルベッソ150:商品名:エクソン化学株式会社):沸
点188〜210℃…70重量%。
【0043】上記各材料を上記配合割合にて混合・撹拌
し、比較染色浸透液を調製した。
【0044】(2)浸透探傷試験;浸透液を上記比較染
色浸透液に置換した以外は、実施例1と同一条件にて、
浸透探傷試験方法を実施したが、きず(深さ20μm )
を示す鮮明な赤色欠陥指示模様を明確に認めることはで
きなかった。なお、JIS Z2343のB形対比試験
片(きず深さ30μm )に代えた場合には、きず(深さ
30μm )を示す鮮明な赤色欠陥指示模様が明確に認め
られた。
【0045】(3)蒸発量の測定:上記比較染色浸透液
について、実施例1と同様にして、2.00gを塗布し
た時点から10分間経過した時点でのステンレス試験片
に塗布されている浸透液の重量を測定したところ1.9
9gであり、蒸発量は0.01g(0.5%)であっ
た。
【0046】実施例2 (1)染色浸透液の調製;Sudan Red 462(BASF
社):赤色染料:…8重量%,ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル(日本乳化剤株式会社):沸点30
0℃以上…20重量%,ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル(日本乳化剤株式会社):沸点230℃…2
0重量%及びエタノール:沸点78.3℃…52重量
%。
【0047】上記各材料を上記配合割合にて混合・撹拌
し、本発明に係る染色浸透液を調製した。
【0048】(2)浸透探傷試験;実施例1と同じ対比
試験片の試験面に、刷毛塗りにて上記染色浸透液2.0
0gを塗布し、室温(約25℃)下に10分間放置した
後、試験面に残留している余剰浸透液を、紙ウエスで乾
拭きして除去し、さらに、該試験面を浸透探傷試験方法
用水系洗浄剤(スーパーチェックAS−ST・エアゾー
ルタイプ:商品名:マークテック株式会社)を染みこま
せた紙ウエスで拭いて完全に除去して乾燥させた後、当
該試験面に浸透探傷試験方法用現像剤(スーパーチェッ
クUD−ST・エアゾールタイプ:商品名:マークテッ
ク株式会社)を吹き付けて白色無機微粉からなる薄層を
形成した。この薄層表面を、白色光下で目視にて観察す
ると、きず(深さ20μm )を示す鮮明な赤色欠陥指示
模様が明確に認められた。
【0049】(3)蒸発量の測定;室温(約25℃)下
に、ステンレス試験片(100×100mm角)を市販の
電子天秤(1目盛り0.01g)に乗せ、該天秤の目盛
を0.00gに補整し、この状態で該ステンレス試験片
の表面に、刷毛塗りにて上記染色浸透液2.00gを塗
布すると同時にストップウォッチをスタートさせ、当該
天秤の目盛の変化と経過時間とを観測した。
【0050】ステンレス試験片に塗布されている浸透液
の重量が1.48gになった時点の時間(塗布時点から
の経過時間)は7分55秒であり、塗布時点から10分
間経過した時点でのステンレス試験片に塗布されている
浸透液の重量は0.96gであって染料の折出は認めら
れなかった。
【0051】ステンレス試験片に塗布されている染色浸
透液2.00g中のエタノール量は1.04gであり、
その50重量%が蒸発すれば蒸発量は0.52gである
から、2.00gから0.52gを引いた1.48gが
配合されているエタノールの50重量%が蒸発した時点
においてステンレス試験片に塗布されている染色浸透液
の量となる。
【0052】従って、上記観測結果から、本実施例の染
色浸透液は、配合されているエタノールの50重量%が
蒸発する時間(塗布時点からの経過時間)が7分55秒
であって、塗布時点から10分間経過した時点では、調
製時に配合したエタノールの52重量%が蒸発している
ことが判る。
【0053】(2)の浸透探傷試験におけるエタノール
の蒸発量も上記とほぼ同量と推定できるから、本実施例
の染色浸透液は、浸透探傷試験方法における浸透処理時
に、調製時に配合したエタノール量の約52重量%が蒸
発して自己濃縮していると言える。なお、(2)の浸透
探傷試験において、刷毛塗り後10分を経過した時点で
の塗布面の色が刷毛塗り直後の塗布面の色よりも、明ら
かに濃くなっていることを目視にて確認している。
【0054】比較例2 (1)染色浸透液の調製;Solvent Red 27(オリエン
トオイルレッド5B:商品名:オリエント株式会社):
赤色染料:…2重量%,DOP(積水化学株式会社):
沸点370℃…8重量%,ポリオキシエチレンアルキル
エーテル(日本サーファクタント株式会社):沸点30
0℃以上…20重量%,芳香族炭化水素(ソルベッソ1
50:商品名:エクソン化学株式会社):沸点188〜
210℃…30重量%,脂肪族炭化水素(O号ソルベン
トL:商品名:日本石油株式会社):沸点182〜21
2℃…40重量%。
【0055】上記各材料を上記配合割合にて混合・撹拌
し、比較染色浸透液を調製した。
【0056】(2)浸透探傷試験;浸透液を上記比較染
色浸透液に置換した以外は、実施例2と同一条件にて、
浸透探傷試験方法を実施したが、きず(深さ20μm )
を示す鮮明な赤色欠陥指示模様を明確に認めることはで
きなかった。なお、JIS Z2343のB形対比試験
片(きず深さ30μm )に代えた場合には、きず(深さ
30μm )を示す鮮明な赤色欠陥指示模様が明確に認め
られた。
【0057】(3)蒸発量の測定:上記比較染色浸透液
について、実施例2と同様にして、2.00gを塗布し
た時点から10分間経過した時点でのステンレス試験片
に塗布されている浸透液の重量を測定したところ1.9
8gであり、蒸発量は0.02g(1.0%)であっ
た。
【0058】実施例3 (1)染色浸透液の調製;ローダミンB(住友化学株式
会社):赤色染料:…6重量%,ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル(第一工業製薬株式会社):沸点300
℃以上…20重量%,エチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート(日本乳化剤株式会社):沸点192
℃…14重量%及びメタノール:沸点65℃…60重量
%。
【0059】上記各材料を上記配合割合にて混合・撹拌
し、本発明に係る染色浸透液を調製した。
【0060】(2)浸透探傷試験;実施例1と同じ対比
試験片の試験面に、刷毛塗りにて上記染色浸透液2.0
0gを塗布し、室温(約24℃)下に10分間放置した
後、該試験面に浸透探傷試験方法用水系洗浄剤(スーパ
ーチェックAS−ST・エアゾールタイプ:商品名:マ
ークテック株式会社)を吹き付け、次いで紙ウエスで拭
いて試験面に残留している余剰浸透液を完全に除去して
乾燥させた後、当該試験面に浸透探傷試験方法用現像剤
(スーパーチェックUD−ST・エアゾールタイプ:商
品名:マークテック株式会社)を吹き付けて白色無機微
粉からなる薄層を形成した。この薄層表面を、白色光下
で目視にて観察すると、きず(深さ20μm )を示す鮮
明な赤色欠陥指示模様が明確に認められた。
【0061】(3)蒸発量の測定;室温(約24℃)下
に、ステンレス試験片(100×100mm角)を市販の
電子天秤(1目盛り0.01g)に乗せ、該天秤の目盛
を0.00gに補整し、この状態で該ステンレス試験片
の表面に、刷毛塗りにて上記染色浸透液2.00gを塗
布すると同時にストップウォッチをスタートさせ、当該
天秤の目盛の変化と経過時間とを観測した。
【0062】ステンレス試験片に塗布されている浸透液
の重量が1.40gになった時点の時間(塗布時点から
の経過時間)は5分45秒であり、塗布時点から10分
間経過した時点でのステンレス試験片に塗布されている
浸透液の重量は0.80gであって染料の折出は認めら
れなかった。
【0063】ステンレス試験片に塗布されている染色浸
透液2.00g中のメタノール量は1.20gであり、
その50重量%が蒸発すれば蒸発量は0.60gである
から、2.00gから0.60gを引いた1.40gが
配合されているメタノールの50重量%が蒸発した時点
においてステンレス試験片に塗布されている染色浸透液
の量となる。
【0064】従って、上記観測結果から、本実施例の染
色浸透液は、配合されているメタノールの50重量%が
蒸発する時間(塗布時点からの経過時間)が5分45秒
であって、塗布時点から10分間経過した時点では、調
製時に配合したメタノールの60重量%が蒸発している
ことが判る。
【0065】(2)の浸透探傷試験におけるメタノール
の蒸発量も上記とほぼ同量と推定できるから、本実施例
の染色浸透液は、浸透探傷試験方法における浸透処理時
に、調製時に配合したメタノール量の約60重量%が蒸
発して自己濃縮していると言える。なお、(2)の浸透
探傷試験において、刷毛塗り後10分を経過した時点で
の塗布面の色が刷毛塗り直後の塗布面の色よりも、明ら
かに濃くなっていることを目視にて確認している。
【0066】比較例3 (1)染色浸透液の調製;比較例2で調製した比較染色
浸透液を用いた。
【0067】(2)浸透探傷試験;浸透液を上記比較染
色浸透液に置換した以外は、実施例3と同一条件にて、
浸透探傷試験方法を実施したが、きず(深さ20μm )
を示す鮮明な赤色欠陥指示模様を明確に認めることはで
きなかった。なお、JIS Z2343のB形対比試験
片(きず深さ30μm )に代えた場合には、きず(深さ
30μm )を示す鮮明な赤色欠陥指示模様が明確に認め
られた。
【0068】実施例4 (1)蛍光浸透液の調製;Blancophor AW (GAF
社):蛍光染料:…3重量%,Fluorol 7GA(GAF
社):蛍光染料:…5重量%,TCP(保土谷化学株式
会社):沸点420℃:…22重量%及びトルエン:沸
点110℃…70重量%。
【0069】上記各材料を上記配合割合にて混合・撹拌
し、本発明に係る染色浸透液を調製した。
【0070】(2)浸透探傷試験;テーパーメッキテス
トパネルタイプII00−50M対比試験片(きず深さ0
から50μm まで:マークテック株式会社製造・販売)
の試験面に、刷毛塗りにて上記蛍光浸透液2.00gを
塗布し、室温(約27℃)下に10分間放置した後、試
験面に残留している余剰浸透液を、紙ウエスで乾拭きし
て除去し、さらに、該試験面を浸透探傷試験方法用溶剤
系洗浄剤(スーパーチェックUR−II・エアゾールタイ
プ:商品名:マークテック株式会社)を染みこませた紙
ウエスで拭いて除去した後、暗室にて当該試験面に紫外
線探傷灯(スーパーライトC−10A・III :商品名:
マークテック株式会社)を照射して残光の有無を観察
し、残光が認められなくなるまで試験面を上記洗浄剤を
染みこませた紙ウエスで拭き、次いで、当該試験面に浸
透探傷試験方法用現像剤(スーパーグローDN−600
S・エアゾールタイプ:商品名:マークテック株式会
社)を吹き付けて白色無機微粉からなる薄層を形成し
た。この薄層表面を、上記紫外線探傷灯の照射下で目視
にて観察すると、上記試験片の深さ3μm までのきずが
鮮明な蛍光欠陥指示模様によって明確に検出できた。な
お、上記対比試験片に設けられているきず深さ0から5
0μm のきずの巾は、深さの約1/10〜1/20であ
る。
【0071】(3)蒸発量の測定;室温(約27℃)下
に、ステンレス試験片(100×100mm角)を市販の
電子天秤(1目盛り0.01g)に乗せ、該天秤の目盛
を0.00gに補整し、この状態で該ステンレス試験片
の表面に、刷毛塗りにて上記蛍光浸透液2.00gを塗
布すると同時にストップウォッチをスタートさせ、当該
天秤の目盛の変化と経過時間とを観測した。
【0072】ステンレス試験片に塗布されている浸透液
の重量が1.30gになった時点の時間(塗布時点から
の経過時間)は6分50秒であり、塗布時点から10分
間経過した時点でのステンレス試験片に塗布されている
浸透液の重量は0.70gであって染料の折出は認めら
れなかった。
【0073】ステンレス試験片に塗布されている蛍光浸
透液2.00g中のトルエン量は1.40gであり、そ
の50重量%が蒸発すれば蒸発量は0.70gであるか
ら、2.00gから0.70gを引いた1.30gが配
合されているトルエンの50重量%が蒸発した時点にお
いてステンレス試験片に塗布されている蛍光浸透液の量
となる。
【0074】従って、上記観測結果から、本実施例の蛍
光浸透液は、配合されているトルエンの50重量%が蒸
発する時間(塗布時点からの経過時間)が6分50秒で
あって、塗布時点から10分間経過した時点では、調製
時に配合したトルエンの65重量%が蒸発していること
が判る。
【0075】(2)の浸透探傷試験におけるトルエンの
蒸発量も上記とほぼ同量と推定できるから、本実施例の
蛍光浸透液は、浸透探傷試験方法における浸透処理時
に、調製時に配合したトルエン量の約65重量%が蒸発
して自己濃縮していると言える。
【0076】比較例4 (1)蛍光浸透液の調製;Blancophor AW (GAF
社):蛍光染料:…1.5重量%,Fluorol 7GA(GA
F社):蛍光染料:…3重量%,DOP(三菱瓦斯化成
株式会社):沸点370℃…28重量%,芳香族炭化水
素(ソルベッソ150:商品名:エクソン化学株式会
社):沸点188〜210℃…67.5重量%。
【0077】上記各材料を上記配合割合にて混合・撹拌
し、比較蛍光浸透液を調製した。
【0078】(2)浸透探傷試験;浸透液を上記比較蛍
光浸透液に置換した以外は、実施例4と同一条件にて、
浸透探傷試験方法を実施したところ、試験片の深さ7μ
m のきずが鮮明な蛍光欠陥指示模様によって明確に検出
できる限界であった。
【0079】(3)蒸発量の測定:上記比較蛍光浸透液
について、実施例4と同様にして、2.00gを塗布し
た時点から10分間経過した時点でのステンレス試験片
に塗布されている浸透液の重量を測定したところ1.9
9gであり、蒸発量は0.01g(0.5%)であっ
た。
【0080】実施例5 (1)蛍光浸透液の調製;Blancophor AW (GAF
社):蛍光染料:…2重量%,Fluorol 7GA(GAF
社):蛍光染料:…4重量%,DOP(大八化学株式会
社):沸点370℃:…5重量%,ポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル(日本乳化剤株式会社):沸点
300℃以上…24重量%,ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル(日本乳化剤株式会社):沸点230℃
及びエタノール:沸点78.3℃…55重量%。
【0081】上記各材料を上記配合割合にて混合・撹拌
し、本発明に係る蛍光浸透液を調製した。
【0082】(2)浸透探傷試験;実施例4と同じ対比
試験片の試験面に、刷毛塗りにて上記蛍光浸透液2.0
0gを塗布し、室温(約27℃)下に10分間放置した
後、該試験面に浸透探傷試験方法用水系洗浄剤(スーパ
ーチェックAS−ST・エアゾールタイプ:商品名:マ
ークテック株式会社)を吹き付け、次いで紙ウエスで拭
いて試験面に残留している余剰浸透液を除去した後、暗
室にて当該試験面に紫外線探傷灯(スーパーライトC−
10A・III :商品名:マークテック株式会社)を照射
して残光がないことを確認した後、当該試験面に浸透探
傷試験方法用現像剤(スーパーグローDN−600S・
エアゾールタイプ:商品名:マークテック株式会社)を
吹き付けて白色無機微粉からなる薄層を形成した。この
薄層表面を、上記紫外線探傷灯の照射下で目視にて観察
すると、上記試験片の深さ3μm までのきずが鮮明な蛍
光欠陥指示模様によって明確に検出できた。
【0083】(3)蒸発量の測定;室温(約27℃)下
に、ステンレス試験片(100×100mm角)を市販の
電子天秤(1目盛り0.01g)に乗せ、該天秤の目盛
を0.00gに補整し、この状態で該ステンレス試験片
の表面に、刷毛塗りにて上記蛍光浸透液2.00gを塗
布すると同時にストップウォッチをスタートさせ、当該
天秤の目盛の変化と経過時間とを観測した。
【0084】ステンレス試験片に塗布されている浸透液
の重量が1.45gになった時点の時間(塗布時点から
の経過時間)は7分55秒であり、塗布時点から10分
間経過した時点でのステンレス試験片に塗布されている
浸透液の重量は0.90gであって染料の折出は認めら
れなかった。
【0085】ステンレス試験片に塗布されている蛍光浸
透液2.00g中のエタノール量は1.10gであり、
その50重量%が蒸発すれば蒸発量は0.55gである
から、2.00gから0.55gを引いた1.45gが
配合されているエタノールの50重量%が蒸発した時点
においてステンレス試験片に塗布されている蛍光浸透液
の量となる。
【0086】従って、上記観測結果から、本実施例の蛍
光浸透液は、配合されているエタノールの50重量%が
蒸発する時間(塗布時点からの経過時間)が7分55秒
であって、塗布時点から10分間経過した時点では、調
製時に配合したエタノールの55重量%が蒸発している
ことが判る。
【0087】(2)の浸透探傷試験におけるエタノール
の蒸発量も上記とほぼ同量と推定できるから、本実施例
の蛍光浸透液は、浸透探傷試験方法における浸透処理時
に、調製時に配合したエタノール量の約55重量%が蒸
発して自己濃縮していると言える。
【0088】比較例5 (1)蛍光浸透液の調製;Blancophor AW (GAF
社):蛍光染料:…1.5重量%,Fluorol 7GA(GA
F社):蛍光染料:…3重量%,DOP(積水化学株式
会社):沸点370℃…5重量%,ポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル(日本サーファクタント株式会
社):沸点300℃以上…20重量%,ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル(日本乳化剤株式会社):沸
点230℃…10.5重量%,芳香族炭化水素(ソルベ
ッソ150:商品名:エクソン化学株式会社):沸点1
88〜210℃…30重量%,脂肪族炭化水素(O号ソ
ルベントL:商品名:日本石油株式会社):沸点182
〜212℃…30重量%。
【0089】上記各材料を上記配合割合にて混合・撹拌
し、比較蛍光浸透液を調製した。
【0090】(2)浸透探傷試験;浸透液を上記比較蛍
光浸透液に置換した以外は、実施例5と同一条件にて、
浸透探傷試験方法を実施したところ、試験片の深さ7μ
m のきずが鮮明な蛍光欠陥指示模様によって明確に検出
できる限界であった。
【0091】(3)蒸発量の測定:上記比較蛍光浸透液
について、実施例5と同様にして、2.00gを塗布し
た時点から10分間経過した時点でのステンレス試験片
に塗布されている浸透液の重量を測定したところ2.0
0gであって変化はなく、蒸発量は0であった。
【0092】
【発明の効果】本発明品は、使用時(浸透処理時)に、
きず内部に浸透している量が小量であっても、明瞭な欠
陥指示模様が得られ、高感度用として提案されている従
来の浸透液(なお、比較例として示した浸透液の処方
は、いずれも高感度用として推奨されているものであ
る)では不可能であった極微細なきずまで検出でき、し
かも、保管中は勿論、使用時(浸透処理時)においても
組成中の染料が折出することはない。
【0093】従って、本発明は、極微細なきずまで検出
することが要求される分野(例えば、自動車部品分野や
原子炉機器分野)に大きく貢献するものと言える。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】(2)浸透探傷試験;JIS Z 234
3のB形対比試験片(きず深さ20μm)の試験面に、
刷毛塗りにて上記染色浸透液2.00gを塗布し、室温
(約20℃)下に10分間放置した後、試験面に残留し
ている余剰浸透液を、紙ウエスで乾拭きして除去し、さ
らに、該試験面を浸透探傷試験方法用水系洗浄剤(スー
パーチェックAS−T・エアゾールタイプ:商品名:マ
ークテック株式会社)を染みこませた紙ウエスで拭いて
完全に除去して乾燥させた後、当該試験面に浸透探傷試
験方法用現像剤(スーパーチェックUD−ST・エアゾ
ールタイプ:商品名:マークテック株式会社)を吹き付
けて白色無機微粉からなる薄層を形成した。この薄層表
面を、白色光下で目視にて観察すると、きず(深さ20
μm)を示す鮮明な赤色欠陥指示模様が明確に認められ
た。なお、上記対比試験片に設けられているきず深さ2
0μmのきずの巾は約1〜2μmである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】(2)浸透探傷試験;実施例1と同じ対比
試験片の試験面に、刷毛塗りにて上記染色浸透液2.0
0gを塗布し、室温(約25℃)下に10分間放置した
後、試験面に残留している余剰浸透液を、紙ウエスで乾
拭きして除去し、さらに、該試験面を浸透探傷試験方法
用水系洗浄剤(スーパーチェックAS−T・エアゾール
タイプ:商品名:マークテック株式会社)を染みこませ
た紙ウエスで拭いて完全に除去して乾燥させた後、当該
試験面に浸透探傷試験方法用現像剤(スーパーチェック
UD−ST・エアゾールタイプ:商品名:マークテック
株式会社)を吹き付けて白色無機微粉からなる薄層を形
成した。この薄層表面を、白色光下で目視にて観察する
と、きず(深さ20μm)を示す鮮明な赤色欠陥指示模
様が明確に認められた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】(2)浸透探傷試験;実施例1と同じ対比
試験片の試験面に、刷毛塗りにて上記染色浸透液2.0
0gを塗布し、室温(約24℃)下に10分間放置した
後、該試験面に浸透探傷試験方法用水系洗浄剤(スーパ
ーチェックAS−T・エアゾールタイプ:商品名:マー
クテック株式会社)を吹き付け、次いで紙ウエスで拭い
て試験面に残留している余剰浸透液を完全に除去して乾
燥させた後、当該試験面に浸透探傷試験方法用現像剤
(スーパーチェックUD−ST・エアゾールタイプ:商
品名:マークテック株式会社)を吹き付けて白色無機微
粉からなる薄層を形成した。この薄層表面を、白色光下
で目視にて観察すると、きず(深さ20μm)を示す鮮
明な赤色欠陥指示模様が明確に認められた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】(2)浸透探傷試験;実施例4と同じ対比
試験片の試験面に、刷毛塗りにて上記蛍光浸透液2.0
0gを塗布し、室温(約27℃)下に10分間放置した
後、該試験面に浸透探傷試験方法用水系洗浄剤(スーパ
ーチェックAS−T・エアゾールタイプ:商品名:マー
クテック株式会社)を吹き付け、次いで紙ウエスで拭い
て試験面に残留している余剰浸透液を除去した後、暗室
にて当該試験面に紫外線探傷灯(スーパーライトC−1
0A・III:商品名:マークテック株式会社)を照射
して残光がないことを確認した後、当該試験面に浸透探
傷試験方法用現像剤(スーパーグローDN−600S・
エアゾールタイプ:商品名:マークテック株式会社)を
吹き付けて白色無機微粉からなる薄層を形成した。この
薄層表面を、上記紫外線探傷灯の照射下で目視にて観察
すると、上記試験片の深さ3μmまでのきずが鮮明な蛍
光欠陥指示模様によって明確に検出できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿由葉 一彦 神奈川県横須賀市舟倉町641 マークテッ ク株式会社久里浜工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視染料又は蛍光染料5〜10重量%と
    該染料を溶解する沸点190℃以上の高沸点有機溶剤か
    らなるベース溶剤10〜40重量%と該ベー溶剤と相溶
    する沸点110℃以下の揮発性有機溶剤からなる希釈溶
    剤30〜85重量%が配合されており、浸透処理時に、
    配合されている前記希釈溶剤の50〜80重量%が蒸発
    して自己濃縮することを特徴とする浸透探傷試験方法に
    用いる高感度浸透液。
  2. 【請求項2】 ベース溶剤がリン酸トリクレジル、フタ
    ル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジブチル、ポリ
    オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
    アルキルアリルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
    チルエーテル及びエチレングリコールモノブチルエーテ
    ルアセテートから選ばれる一又は二以上である請求項1
    記載の浸透探傷試験方法に用いる高感度浸透液。
  3. 【請求項3】 希釈溶剤がアセトン、エタノール、メタ
    ノール及びトルエンのいずれかである請求項1記載の浸
    透探傷試験方法に用いる高感度浸透液。
JP7096097A 1995-03-28 1995-03-28 浸透探傷試験方法に用いる高感度浸透液 Expired - Fee Related JP2869703B2 (ja)

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