JPH0826895A - イットリウムバナデイト単結晶の製造方法 - Google Patents

イットリウムバナデイト単結晶の製造方法

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JPH0826895A
JPH0826895A JP16365194A JP16365194A JPH0826895A JP H0826895 A JPH0826895 A JP H0826895A JP 16365194 A JP16365194 A JP 16365194A JP 16365194 A JP16365194 A JP 16365194A JP H0826895 A JPH0826895 A JP H0826895A
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JP
Japan
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crystal
single crystal
yttrium vanadate
laser
plane
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Pending
Application number
JP16365194A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kubo
正洋 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イットリウムバナデイト単結晶の製造におい
て、{100}面ウエハー作製の簡便性を維持しつつ、
レーザ光に対し損失として働く結晶欠陥の発生を抑制
し、単結晶の歩留まりを向上させる。 【構成】 引き上げ法によりイットリウムバナデイト単
結晶を製造する際、種結晶の方位を〈110〉として単
結晶を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は引き上げ法によるイット
リウムバナデイト単結晶の製造方法に関するもので、上
記単結晶は光学用途、主として小型の固体レーザ用材料
として用いられる。
【0002】
【従来の技術】イットリウムバナデイト単結晶は、YV
4の化学式で表すことのできる材料で、Nd等の希土
類元素を添加しレーザ結晶として用いられる。イットリ
ウムバナデイト単結晶には通常Ndを2〜3原子%ほど
添加するが、Ndを2原子%添加したイットリウムバナ
デイト単結晶は、最も一般的なレーザ結晶であるNdを
1原子%添加したイットリウムアルミニウムガーネット
に比べ、波長0.8μmの半導体レーザ光に対する吸収
係数が約6倍も大きい。そのため半導体レーザにより結
晶を端面から励起しレーザ発振を行う場合には、レーザ
結晶の光軸方向に対する長さは1mm程度で良く、特に
小型の固体レーザ用材料として用いられている。
【0003】また、この結晶は正方晶系に属し、光学的
に異方で、電界ベクトルの方向がc軸に平行な、いわゆ
るπ偏光の光に対する吸収係数が、c軸に垂直なσ偏光
の光と比較し大きい。そこで通常は結晶の光軸がc軸と
垂直となるよう、厚さ1mm程度の{100}面ウエハ
ーから数mm角の小片を切り出し、レーザ発振器中のレ
ーザ結晶として用いられている。
【0004】イットリウムバナデイト単結晶は引き上げ
法により単結晶を製造しているが、上記{100}面ウ
エハーを作製するには、種結晶の方位を〈100〉ある
いは〈001〉として製造した単結晶を用いるのが簡単
である。種結晶方位を〈100〉として製造した単結晶
の場合には、引き上げ軸方向に対し垂直な方向に切断す
るだけで上記{100}面ウエハーを作製することがで
きる。また種結晶方位を〈001〉とした場合には、製
造された結晶において、結晶径が一定になるよう制御し
成長させた部分の結晶表面、つまり直胴部表面に必ず
{100}面が現れるため、この{100}面に対し平
行に結晶を切断することで上記ウエハーを作製すること
ができる。
【0005】以上のように上記2つの種結晶方位を用い
た場合には、{100}面ウエハー切断の際に基準とな
る方向ないし面が存在するため、容易にかつ正確に{1
00}面ウエハーを作製することができる。そのためレ
ーザ材料として用いるイットリウムバナデイト単結晶を
作製する際の種結晶方位には、専ら〈100〉あるいは
〈001〉が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】レーザ結晶の具備すべ
き条件の1つに、結晶欠陥を持っていないことがある。
それは結晶欠陥が存在するウエハーをレーザ結晶として
レーザ発振に用いると、結晶欠陥がレーザ光に対する散
乱体つまりレーザ共振器にとってレーザ光の損失要因と
して働くため、高強度のレーザ光出力が得られないから
である。
【0007】ところが種結晶方位を〈100〉あるいは
〈001〉として製造を行った単結晶には、結晶欠陥が
多いという欠点がある。引き上げ法による結晶成長で
は、結晶成長炉内の温度制御を行い結晶径が一定な直胴
部を形成しているが、イットリウムバナデイト単結晶の
製造では、結晶が直径方向に突起的かつ急激に成長する
急成長と呼ばれる現象が頻繁に発生していた。ここで、
結晶が突起的に成長する方向は決まっており、必ず〈1
00〉方向となっている。その理由は、{100}面の
成長速度が他の面に比較し速いためと考えられている。
一般に急激に成長した結晶には欠陥が多く入るが、イッ
トリウムバナデイト単結晶の場合も急成長が生じた部分
は他の部分に比べボイド等の結晶欠陥が多く、このこと
が種結晶方位を〈100〉あるいは〈001〉として製
造を行った単結晶の品質を低下させていた。
【0008】本発明の目的は、イットリウムバナデイト
単結晶製造において、{100}面ウエハー作製の簡便
性を維持しつつ、レーザ光に対し損失として働く結晶欠
陥の発生を抑制し、単結晶の歩留まりを向上させること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、引き上げ法によるイットリウムバナデイ
ト単結晶の製造方法において種結晶の方位を〈110〉
として製造することを特徴とする。
【0010】
【作用】種結晶の方位を〈110〉とすると、直胴部製
造中に{100}面の出現を防ぐことができるため、強
いては急成長を防止することができる。それは直胴部製
造中に{100}面が現れるとすれば、坩堝内の融液と
接している結晶底部の面と引き上げ軸のなす角度、いわ
ゆる結晶底部角度が45度の角度になったときのみ{1
00}面が出現するからである。結晶底部角度は、炉内
の温度環境を調節することにより容易に変更することが
できるため、{100}面の出現は容易に防止すること
ができる。
【0011】また直胴部製造中には防止したい{10
0}面の出現も、種結晶から所定の径にまで結晶径を太
くする結晶肩部製造中においては、徐々に太くなる結晶
外周が積算された面、いわゆる肩部表面と引き上げ軸の
なす角度を45度とし、むしろ積極的に結晶肩部表面に
{100}面が生じるようにすることにより、引き上げ
られた単結晶から{100}面ウエハーを切り出す際の
基準面を作製することができる。結晶肩部の{100}
面を基準として、この面に平行に結晶を切断すれば、容
易にかつ正確に{100}面ウエハーを作製することが
できる。
【0012】以上に示したように種結晶方位として〈1
10〉を用い、単結晶の製造を行うことにより結晶径の
急成長の発生を抑えることができ、結晶欠陥の無いイッ
トリウムバナデイト単結晶が製造できる。
【0013】
【実施例】
(実施例1) 実施例について説明する。まず、酸化イ
ットリウムに対する酸化ネオジウムの混合比率が2原子
%となるような混合物を作製した。ここで酸化イットリ
ウムの純度は99.999重量%、酸化ネオジウムの純
度は99.995重量%であった。次に直径100m
m、深さ100mmのイリジウム製坩堝に純度99.9
9重量%の五酸化バナジウムと上記混合物のモル比が
1:1となるように混入し、2体積%の酸素を含有した
窒素雰囲気中で高周波加熱炉により原料の溶融を行っ
た。次に種結晶方位を本発明の[110]とし、イット
リウムバナデイト種結晶を10rpmで回転させ、融液
に充分浸した後、毎時1mmの引き上げ速度で結晶成長
炉内の温度を制御しながら結晶成長を行い、直径40m
m、全長60mmのイットリウムバナデイト単結晶を製
造した。このとき、急成長は発生しなかった。このイッ
トリウムバナデイト単結晶から厚さ5mmの(100)
面ウエハーを切り出し、光学顕微鏡により観察したが、
光学顕微鏡で見る限りウエハー内には結晶欠陥は認めら
れなかった。
【0014】(比較例) 従来例による種結晶方位を
[100]とした製造も行った。種結晶方位以外の条件
を同一にして製造を行ったところ、結晶長が20mmと
なったところで急成長が発生してしまった。急成長が発
生し、結晶径が太くなった部分から前述同様厚さ5mm
の(100)ウエハーを切り出し、光学顕微鏡により同
様に観察を行ったところ、急成長部にのみ多数の散乱体
が観察された。
【0015】(実施例2) 次に本発明による種結晶方
位を[110]とした単結晶より切り出したウエハーと
従来例の種結晶方位を[100]とした単結晶より切り
出したウエハーを用い、波長0.8μmの半導体レーザ
で励起し、波長1.06μmでレーザ発振実験を行っ
た。本発明、従来例共にそれぞれ8枚のウエハーを準備
し、ウエハー面内を縦横7mmおきに25箇所励起し、
そのときのレーザ出力を記録した。従って測定点の数は
全部で400点になる。
【0016】前記400点の測定点の中、最高のレーザ
出力強度を1としたときの各測定点におけるレーザ出力
の相対強度の度数分布を図1および2に示す。図1は種
結晶方位が[110]のもの、図2は[100]のもの
の測定結果である。種結晶方位を[110]としたイッ
トリウムバナデイト単結晶ウエハーは、レーザ発振出力
が高いものの頻度が高く、その平均値は種結晶方位を
[100]としたものより約30%高かった。またウエ
ハー面位置によるレーザ発振出力のバラツキも、従来例
が0.1〜1.0であったのに対し、0.7〜1.0と
小さくなっていた。尚、レーザ出力が低いものは、結晶
欠陥の多い急成長部にのみ存在していた。
【0017】図1および2の測定点の内、相対強度が
0.9以上のものを良品とすると、本発明の歩留まりは
80%、従来例では27%であった。
【0018】
【発明の効果】本発明により、急成長に伴う結晶欠陥の
無いイットリウムバナデイト単結晶の製造方法を提供す
ることができる。本発明により製造された単結晶から切
り出されたウエハーを用いてレーザ発振を行ったとこ
ろ、ウエハー面位置の違いによるレーザ出力のバラツキ
が少なく、かつ得られるレーザ出力の平均値が高いとい
う結果が得られた。また歩留まりも27%から80%に
まで向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の種結晶方位を[110]とした
ウエハーのレーザ発振出力度数分布を示す図である。
【図2】図2は従来の種結晶方位を[100]としたウ
エハーのレーザ発振出力度数分布を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引き上げ法によるイットリウムバナデイ
    ト単結晶の製造方法において、種結晶の方位を〈11
    0〉として製造することを特徴とするイットリウムバナ
    デイト単結晶の製造方法。
JP16365194A 1994-07-15 1994-07-15 イットリウムバナデイト単結晶の製造方法 Pending JPH0826895A (ja)

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JP16365194A JPH0826895A (ja) 1994-07-15 1994-07-15 イットリウムバナデイト単結晶の製造方法

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JP16365194A Pending JPH0826895A (ja) 1994-07-15 1994-07-15 イットリウムバナデイト単結晶の製造方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201618A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Covalent Materials Corp 希土類バナデイト単結晶の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201618A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Covalent Materials Corp 希土類バナデイト単結晶の製造方法

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